JP2005116242A - エキシマランプ - Google Patents

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Makoto Kawasaki
真 川崎
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Abstract

【課題】ランプの点灯・消灯によって、内側電極が膨張・収縮して、そのランプの軸に沿う方向と、この軸と直交する方向に伸長・収縮した場合において、弾性部材の破損、この弾性部材と内側電極及び給電線との間のそれぞれの接続箇所の断線、並びに内側電極及び放電容器等の破損等を真に防止したエキシマランプを提供することである。
【解決手段】エキシマランプの点灯及び消灯に応じて前記内側電極がそれぞれ伸張及び収縮する変位量を吸収するための弾性作用を有する導電性の弾性部材を備えて、この弾性部材の一方の端部を前記内側電極の前記放電容器の軸方向における端部に電気的かつ機械的に接続し、この弾性部材の他方の端部を前記電源に電気接続すると共に、前記放電容器の端部に取り付けられた固定部材に固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗料の硬化、表面の洗浄、殺菌、または光化学反応等の紫外線光源として使用されるエキシマランプの改良に関する。
本発明のエキシマランプに関連する背景技術として、特開2001−307682号公報に誘電体バリア放電ランプが記載されている。この誘電体バリア放電ランプは、図5に示されるように、石英ガラスからなる外側管101と内側管102とを同軸状に配置して、二重円筒状の両端部を閉じて形成された空間103に、放電用ガスとしてキセノンガスを封入した放電容器104と、この放電容器104の外周面及び内周面にそれぞれ密着して配設された、金属線を網状に織った外側電極105及び一様の厚さを有する内側電極106とを備えている。この内側電極106は金属製の板状物又は金属を蒸着して設けられた金属膜であると推認される。
そして、この誘電体バリア放電ランプ100の内側電極106側の電気接続構成については、板バネによる自らの弾性力によって内側電極106と接触して電気接続させる弾性部材107と、図示しない電源装置に接続される給電線110と、この給電線110と弾性部材107とを電気接続する金属線108とを備えている。
外側電極105と内側電極106に対して給電線110等を介して、所定の高周波交流電圧を印加することにより、誘電体バリア放電ランプ100が点灯し、その点灯の際に、空間103の内部において誘電体バリア放電が生じてエキシマ分子を形成して、このエキシマ分子から放射される光を外部に放射する。上記電圧の印加を遮断すると、この誘電体バリア放電ランプ100は消灯する。
このような誘電体バリア放電ランプ100の点灯及び消灯による温度変化によって、内側電極106が放電容器104の軸方向に伸張及び収縮するが、その際、内側電極106が弾性部材107と摺動可能に当接されていることを理由にして、これら金属線108及び給電線110の断線や、内側電極106及び放電容器104の破損等を防止することができるとしている。
特開2001−307682号公報
しかしながら、誘電体バリア放電ランプ100の点灯及び消灯による、内側電極106(金属)と放電容器104(石英ガラス)の膨張係数の差に基づく内側電極106の軸に沿う方向の伸張及び収縮現象は、内側電極106と弾性部材107との間でスムースな摺動作用を常時、得ることができず、点灯及び消灯を繰り返すことにより、これらの当接面に傷が生じることがあり、内側電極106と弾性部材107とが摺動しにくくなる恐れがある。
また、誘電体バリア放電ランプ100を点灯した場合において、内側電極106の放電容器104の軸方向に直交する方向の寸法(内側電極106の厚さ寸法t)が大きくなると共に、弾性部材107の前記軸方向に直交する方向の寸法(弾性部材107の寸法T)も大きく変化することから、内側電極106と弾性部材107とが相互に密着する方向に固着して、摺動しにくくなる恐れがある。
このように内側電極106と弾性部材107とが摺動しにくくなった場合、誘電体バリア放電ランプ100の点灯・消灯によって、これら金属線108及び給電線110それ自体はもとより、弾性部材107と金属線108との接続箇所に対してストレスが加わることから、これら金属線108及び給電線110の断線、弾性部材107と金属線108との接続箇所の断線、更には、内側電極106及び放電容器104の破損等を防止することが不可能となる。
そして、誘電体バリア放電ランプ100の軸方向の長さ寸法を例えば、1,000mm以上に大きくした場合、これに対応して内側電極106の前記軸方向の長さ寸法も大きくする必要があることから、かかる誘電体バリア放電ランプ100の点灯及び消灯による内側電極106の伸長及び収縮の変位量が大きくなり、その結果、内側電極106それ自体のストレスが増加して、断線及び破損が一層生じやすくなる恐れがある。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、ランプの点灯・消灯によって、内側電極が膨張・収縮して、そのランプの軸に沿う方向と、この軸と直交する方向に伸長・収縮した場合において、弾性部材の破損、この弾性部材と内側電極及び給電線との間のそれぞれの接続箇所の断線、並びに内側電極及び放電容器等の破損等を真に防止したエキシマランプを提供することである。
上記した課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、二重円筒状の両端部を閉じて形成された空間に放電用ガスが封入された放電容器と、この放電容器の内周面及び外周面にそれぞれ密着して配設された内側電極及び外側電極と、この内側電極及び外側電極に電圧を印加するための電源とを備えて、エキシマ光を前記放電容器から外部に向けて放射するエキシマランプを前提としている。
そして、本発明は、前記内側電極が金属製の板状加工物であり、エキシマランプの点灯及び消灯に応じて前記内側電極がそれぞれ伸張及び収縮する変位量を吸収するための弾性作用を有する導電性の弾性部材を備えて、この弾性部材の一方の端部が前記内側電極の前記放電容器の軸方向における端部に電気的かつ機械的に接続され、この弾性部材の他方の端部が前記電源に電気接続されると共に、前記放電容器の端部に取り付けられた固定部材に固定されることを特徴とするエキシマランプである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエキシマランプを前提として、前記内側電極が、前記放電容器の軸方向に沿う両側部を有する連結部と、この連結部の同一箇所の両側部よりそれぞれ延在して、前記放電容器の軸方向と直交する円周方向に沿う多数の突出部と、前記多数の突出部の相互間に形成される多数の凹部とを有して形成されていることを特徴とするエキシマランプである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2の何れかに記載のエキシマランプを前提として、前記内側電極が2以上に分離された金属製の板状加工物であり、隣り合う内側電極の前記放電容器の軸方向において互いに向き合ったそれぞれの端部に前記弾性部材が接続されていることを特徴とするエキシマランプである。
本発明の技術用語を説明すると、先ず、本発明に係る「エキシマランプ」は、前述したとおり、二重円筒状の両端部を閉じて形成された空間に放電用ガスが封入された放電容器と、この放電容器の内周面及び外周面にそれぞれ密着して配設された内側電極及び外側電極とを備え、この内側電極及び外側電極に電圧を印加することにより、エキシマ光を前記放電容器から外部に向けて放射する放電ランプであり、この放電ランプの呼び名については、エキシマランプの他に、誘電体バリア放電ランプ、無声放電ランプ、及び高周波電圧印加による電界放電ランプということがある。
本発明に係る「放電容器」の材料は、誘電体であって、かつ、エキシマ光を透過する物質、例えば、合成石英ガラスが使用される。
本発明に係る「放電用ガス」は、放射する光の波長に応じて、アルゴン、クリプトン、キセノン、フッ化アルゴン、塩化キセノン等が使用される。
本発明に係る「外側電極」は、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム合金等の金属であって、放射する光を透過する形態の電極、例えば、金属線を網状に編んだ網状電極が使用される。
本発明に係る「内側電極」は、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム合金等の金属製の板状加工物が使用される。
本発明に係る「弾性部材」の材料は、銅、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム合金等の金属が好適であり、その形態については、例えば、螺旋状バネ、板状バネ等が使用される。
本発明に係る「固定部材」の材料は、ステンレス、ニッケル合金等の金属が好適であり、例えば、円筒状等のものが使用される。
請求項1に係る発明のエキシマランプによれば、エキシマランプが点灯及び消灯して、内側電極の放電容器の軸方向における寸法がそれぞれ伸張及び収縮した場合、弾性部材の一方の端部が内側電極の端部と機械的に接続されていることから、この弾性部材も、内側電極の伸張及び収縮に連動して、同軸方向にそれぞれ移動しようとするが、この弾性部材の他端が固定部材に固定されていることから、弾性部材は、内側電極の伸張に対して逆に収縮し、内側電極の収縮に対して逆に伸張する。
従って、この弾性部材は、内側電極が伸張及び収縮した変位量を吸収するための弾性作用を有することから、弾性部材、内側電極及びこの内側電極と密着する放電容器、並びに弾性部材と内側電極及び給電線との間のそれぞれの接続箇所が受けるストレスを低減させて、これら部材の破損及び接続箇所の断線等を防止することができる。
また、エキシマランプが点灯及び消灯して、内側電極の放電容器の軸方向に直交する方向における寸法(前記内側電極の厚さ寸法)がそれぞれ伸張及び収縮した場合、弾性部材の伸張及び収縮の作用をするための空間を確保していることから、弾性部材の弾性作用を維持して、前述した内側電極の放電容器の軸方向における寸法の伸張及び収縮した場合と同様に、弾性部材、内側電極及びこの内側電極と密着する放電容器の破損を防止し、弾性部材と内側電極及び給電線との間のそれぞれの接続箇所の断線等を防止することができる。
更に、エキシマランプの点灯及び消灯を繰り返した場合でも、背景技術の項に記載の弾性部材107が内側電極106との摺動箇所を有するのに対して、本発明の弾性部材は、この摺動箇所を有しておらず、内側電極及び給電線のそれぞれの端部と電気的かつ機械的に接続されていることから、弾性部材の弾性作用を常時得て、内側電極の伸張及び収縮する変位量を吸収することができる。
請求項2に係る発明のエキシマランプによれば、内側管と内側電極との密着性を十分に確保することができ、電力の供給効率を高くして、エキシマランプが放射する光の発光効率を向上させることができる。
請求項3に係る発明のエキシマランプによれば、内側電極が2以上の金属製の板状加工物に分離されていることから、内側電極に単一の金属製の板状加工物を使用した場合と比較して、内側電極を構成するそれぞれの板状加工物の伸張及び収縮の変位量が小さくなり、弾性部材が受けるストレスを低減させることから、弾性部材、内側電極及びこの内側電極と密着する放電容器の破損を一層防止し、弾性部材と内側電極及び給電線との間のそれぞれの接続箇所の断線等を一層防止することができる。
図1は、本発明に係る実施例1のエキシマランプを示す図であり、図1(a)はエキシマランプの長手方向の一部断面を示し、図1(b)は図1(a)におけるA−A線箇所の断面を示し、図1(c)は図1(a)の左側部分を拡大した図を示す。図2は、本発明に係る実施例1のエキシマランプの内側電極7を示す図であり、図2(a)は内側電極7を成型加工する前の平面図を示し、図2(b)は内側電極7を成型加工した後の斜視図を示す。
エキシマランプ1は、その内部の空間4に放電用ガスが封入された放電容器5と、この放電容器5の外周面及び内周面にそれぞれ密着して配設された外側電極6及び内側電極7と、この外側電極6及び内側電極7にそれぞれ電圧を印加して、エキシマ光を放電容器5から外部に向けて放射するための電源10と、導電性の弾性部材11とを備えている。
放電容器5は、全長1,000mmの合成石英ガラスからなる外側管2(外径寸法30mm、管の厚さ寸法1mm)と内側管3(内径寸法20mm、管の厚さ寸法1mm)とを同軸状に配置し、その両端部を溶接して閉じることにより、二重円筒状の放電空間4が形成されている。
本実施例の放電用ガスとして、キセノンガスが6×10Paの圧力となるように空間4に封入され、外側電極6として、ニッケル合金製の網状電極6が、内側電極7として、ステンレス製板を所定形状に加工された板状加工物が使用される。
内側電極7は、まず、放電容器5の内周面に配設する前の平面形状の内側電極70を、図2(a)を用いて説明すると、この内側電極70を構成するステンレス製板の形状は、厚さ0.1mm、長手方向の寸法(L)950mm、幅寸法(Y)5mmの連結部7aと、この連結部7aの両側部7bの同一箇所から、それぞれ突出長寸法(Y)及び(Y)各24mm、突出幅寸法(X)5mmの多数の突出部、7c、7c、7c、・・・及び7d、7d、7d、・・・とが形成され、隣り合う多数の突出部7cと7c、7cと7c、・・・のぞれぞれの間及び7dと7d、7dと7d、・・・のそれぞれ間に多数の凹部7e、7e、7e、・・・及び多数の凹部7f、7f、7f、・・・(何れの幅寸法(X)も3mm)が形成されている。
そして、この連結部7aの軸と直交する方向の内側電極70の長さ(L)は、53mmであり、この連結部7aの一方の端部からその軸方向に延在した接続部7gが形成されている。
このような平面形状の内側電極70を前述した放電容器5の内周面の曲率と概略一致するように円弧状に成型加工して、図2(b)に示す内側電極7を得る。この内側電極7は、放電管5の内周面に沿うように挿入して、同内周面に密着されて、設置される。
本実施例の弾性部材11は、ニッケル線(長さ寸法:100mm、線径寸法:0.5mm)を螺旋状に3回巻いた(螺旋部の直径寸法10mm、螺旋部の長さ寸法15mm)バネ状の形状としたものであって、エキシマランプ1の点灯及び消灯に応じて、内側電極7の熱膨張により、それぞれ伸張及び収縮する長手方向(放電容器5の軸方向)の変位量を吸収するのに十分な弾性作用を有する。
この螺旋状の弾性部材11の一方の端部である接続端部11aは、内側電極7の接続部7gとネジ止めされることにより、他方の端部である接続端部11bは、給電線8aの一方の端部と一緒に接続金具9により圧着されることにより、それぞれ電気的かつ機械的に接続される。
そして、接続金具9を配置した側の放電容器5の端部には、エキシマランプ1を図示しないランプ収納容器等に固定するためのランプホルダ12が取り付けられ、このランプホルダ12に接続金具9を固定することにより、弾性部材11の他方の端部はランプホルダ12に固定される。
上記した給電線8aの他方の端部は、高周波高電圧を供給する電源10に接続される。そして、この電源10は、給電線8aと弾性部材11とを通して内側電極7と、給電線8bを通して外側電極6との間に、高周波高電圧(本実施例では周波数:2MHz、電圧:5kV)の電力を供給することにより、エキシマランプ1はエキシマ光(本実施例では、波長172nmに最大値を有する波長160nmから波長180nmの範囲の真空紫外光)を放射して、点灯する。
エキシマランプ1の点灯により、内側電極7の温度が約180℃まで上昇して、放電容器5の軸方向の長さ寸法が膨張した。本実施例の内側電極7の材料であるステンレスの熱膨張係数が17.8×10−6/℃であることから、180℃における内側電極7の軸方向の長さ寸法の伸張量は17.8×10−6/℃×180℃×950mm=3mmとなる。
同時に、内側電極7の前記軸方向と直交する方向の長さ寸法(内側電極7の厚さ寸法)の伸張量は、0.0003mmとなる。
そして、エキシマランプ1の内側電極7と外側電極6への電圧印加を遮断して、消灯することにより、内側電極7の温度が下がり、内側電極7の軸方向及びこの軸方向と直交する方向のそれぞれの長さ寸法が収縮して、点灯前と同じ寸法となる(L=950mm、内側電極7の厚さ寸法=0.1mm)。
そこで、内側電極7の軸方向の長さ寸法が伸びた場合、その伸びた分だけ、内側電極7の接続部7gが、図1(c)において左方向に移動し、この接続部7gに固定された弾性部材11は、同図において左方向にストレスを受けることなる。
そして、弾性部材11は、接続部7gとは反対側の端部11bが接続金具9に固定されていることから、前述した左方向に受けたストレスの反発力を受けるが、この反発力は弾性部材11が縮むことによって吸収される。また、上記した左方向に受けたストレス(その反発力を含む)は、内側電極7の軸方向の長さ寸法が伸びた分だけ、弾性部材11の接続端部11aと内側電極7の接続部7g及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所、並びに内側電極7それ自体に対しても作用するが、何れのストレスも弾性部材11の弾性作用により吸収される。
内側電極7の軸方向の長さ寸法が縮んだ場合、その縮んだ分だけ、内側電極7の接続部7gが、図1(c)において右方向に移動し、この接続部7gに固定された弾性部材11は、同図において右方向にストレスを受けることになるが、この場合においても、弾性部材11が受けるストレスの向きが上記した向きと反対の向きになる点のみが相違するだけであり、弾性部材11の弾性作用により、弾性部材11のみならず、弾性部材11の接続端部11aと内側電極7の接続部7g及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所、並びに内側電極7それ自体に対して作用したストレスが吸収される。
次に、エキシマランプ1の点灯及び消灯に応じて、内側電極7の軸方向と直交する方向の長さ寸法(内側電極7の厚さ寸法)がそれぞれ伸張及び収縮した場合は、これに応じて弾性部材11の軸方向と直交する方向の長さ寸法が伸張及び収縮するが、この弾性部材11の伸張及び収縮するに十分な空間を二重円筒状の放電容器5内に確保することができることから、この弾性部材11の伸張及び収縮によって、弾性部材11にストレスを受けることがない。
また、エキシマランプ1の点灯及び消灯を繰り返すことにより、内側電極7の伸張及び収縮が発生した場合であっても、その都度、弾性部材11のみならず、弾性部材11の接続端部11aと内側電極7の接続部7gとの間の接続箇所、及び内側電極7それ自体に対して作用したストレスが弾性部材11により吸収される。
本実施例の内側電極7の構成により、内側電極7と放電容器5の内周面との間の密着性を十分に確保することができ、その分、電力の供給効率を高めることにより、エキシマランプ1が放射する光の発光効率を向上させることができる。
本実施例のエキシマランプ1は、10万回の繰り返し点灯・消灯実証試験(1分点灯/1分消灯)を行った結果、弾性部材11、内側電極7及びこの内側電極7と密着する放電容器5、並びに弾性部材11と内側電極7及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所において、破損、断線等を生じることがなかった。
図3は、本発明に係る実施例2のエキシマランプの一部断面を示す図である。
エキシマランプ20は、実施例1のエキシマランプ1と対比すると、螺旋状の弾性部材11の代わりに、U字状の弾性部材21を使用している点のみが相違し、それ以外は実施例1のエキシマランプ1と同一であることから、同一符号を持ってその説明に代え、以下、相違点を説明する。
U字状の弾性部材21は、ステンレス製の矩形平板(長さ寸法:50mm、幅寸法:5mm、厚さ:0.1mm)を概略U字状に曲げ加工したものであって、この弾性部材21の一方の端部に内側電極7の接続部7gと接続するための接続端部21aと、この弾性部材21の他方の端部に給電線8aと接続するための接続端部21bとを、それぞれ反対向きに放電容器5の軸方向に沿って延在させている。
弾性部材21の接続端部21aと内側電極7の接続部7gとはネジ止めして固定・接続され、弾性部材21の接続端部21bと給電線8aとは接続金具19を圧着して固定・接続される。
エキシマランプ20の点灯・消灯により、内側電極7の軸方向及びその軸方向に直交するするそれぞれの長さ寸法が伸張及び収縮するが、U字状の弾性部材21は、実施例1の螺旋状の弾性部材11と同様、軸方向において弾性作用を有することから、弾性部材21のみならず、弾性部材21の接続端部21aと内側電極7の接続部7g及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所、並びに内側電極7それ自体に対して作用したストレスが弾性部材21により低減されて、吸収させることができる。
そして、本実施例のエキシマランプ20は、10万回の繰り返し点灯・消灯実証試験(1分点灯/1分消灯)の結果、弾性部材21、内側電極7及びこの内側電極7と密着する放電容器5、並びに弾性部材21と内側電極7及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所において、破損、断線等を生じることがなかった。
図4は、本発明に係る実施例3のエキシマランプを示す図であり、図4(a)はエキシマランプの長手方向の一部断面を示し、図4(b)は図4(a)に記載のエキシマランプの中央部の拡大図を示し、図4(c)は図4(a)に記載のエキシマランプの内側電極の斜視図(一部断面)を示す。
エキシマランプ30は、エキシマランプ1と対比すると、実施例1の内側電極7を2つの内側電極36aと36bに分離して、隣り合う内側電極36aと36bのそれぞれの端部36aと36bに設けられた接続部36aと36bに、螺旋状の弾性部材37を接続して内側電極36を構成している点のみが相違し、それ以外は実施例1のエキシマランプ1と同一であることから、同一符号をもってその説明に代え、以下、相違点を説明する。
内側電極36aは、実施例1の内側電極7をその長手方向の長さ寸法Lの概略1/2の箇所において、隣り合う突出部の間に介在する連結部7aを切断により取り除いて2つに分離し、図2(a)に示した内側電極7の左側の概略1/2部分に相当する。なお、分離後の内側電極36a,36bのそれぞれ連結部を図4(c)において連結部7a、7aと示している。
内側電極36aの接続部36aは、ステンレス製の矩形平板(長さ寸法:20mm、幅寸法:5mm、厚さ寸法:0.1mm)をL字状に曲げ加工した部材であって、その一端部を前記切断した側の連結部7aの端部に溶接することにより固定される。内側電極36aのもう一方の接続部36aは、実施例1の内側電極7の接続部7gと同一物であり、実施例1と同様、この接続部7gに第1の弾性部材11が取り付けられている。
もう一つの内側電極36bは、前述した連結部7aの切断による図2(a)に示した内側電極7の右側の概略1/2部分に相当する物であり、この内側電極36bの接続部36bは、上記した接続部36aと同一物であって、この接続部36aと相対向するように、その接続部36bの一端部を前記切断した側の連結部7aの端部に溶接することにより固定される。
内側電極36a、36bは、それぞれの接続部36a、36aに、実施例1の弾性部材11と同一の第2の弾性部材37の接続端部37a、37bをそれぞれネジ止めして固定・接続し、内側電極36を形成する。なお、内側電極36の給電線8a側の接続部36aには、実施例1の弾性部材11が第1の弾性部材として、そのまま取り付けられている。
内側電極36は、放電管5の内周面に沿うように挿入して、同内周面に密着されて、設置される。
本実施例のエキシマランプ30は、実施例1の内側電極7を概略1/2に2つに分離した内側電極36a、36bを使用していることから、エキシマランプ30の点灯及び消灯による、内側電極36a、36bのそれぞれの軸方向及びその軸方向に直交する方向におけるそれぞれの長さ寸法の伸張及び収縮の変位量は、実施例1のエキシマランプ1の内側電極7と対比して、概略1/2となり、第1の弾性部材11と第2の弾性部材37が受けるストレスも概略1/2に低減された状態で、これら第1の弾性部材11と第2の弾性部材37により吸収される。
従って、本実施例のエキシマランプ30によれば、第1,第2の弾性部材11、37、内側電極36、内側電極36と密着する放電容器5、第1の弾性部材11と内側電極36及び給電線8aとの間のそれぞれの接続箇所、第2の弾性部材37と分離された内側電極36a、36bとの間のそれぞれの接続箇所における破損、断線等を一層確実に防止することができる。
本発明の実施例1に係るエキシマランプを示し、図1(a)は一部断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線箇所の断面図、図1(c)は図1(a)の一部拡大図である。 本発明の実施例に係るエキシマランプの内側電極を示し、図2(a)は成型加工前の平面図、図2(b)は成型加工後の斜視図である。 本発明の実施例2に係るエキシマランプを示す一部断面図である。 本発明の実施例3に係るエキシマランプ30を示し、図4(a)は一部断面図、図4(b)は図4(a)の一部拡大図、図4(c)は内側電極を示す斜視図である。 従来のエキシマランプ示す断面図である。
符号の説明
1、20、30 エキシマランプ
4 空間
5 放電容器
6 外側電極
7、36 内側電極
8a、8b 給電線
9、22 接続金具(固定部材)
10 電源
11、21、37 弾性部材

Claims (3)

  1. 二重円筒状の両端部を閉じて形成された空間に放電用ガスが封入された放電容器と、この放電容器の内周面及び外周面にそれぞれ密着して配設された内側電極及び外側電極と、この内側電極及び外側電極に電圧を印加するための電源とを備えて、エキシマ光を前記放電容器から外部に向けて放射するエキシマランプにおいて、
    前記内側電極が金属製の板状加工物であり、エキシマランプの点灯及び消灯に応じて前記内側電極がそれぞれ伸張及び収縮する変位量を吸収するための弾性作用を有する導電性の弾性部材の一方の端部が、前記内側電極の前記放電容器の軸方向における端部に電気的かつ機械的に接続され、前記弾性部材の他方の端部が前記電源に電気的接続されると共に、前記放電容器の端部に取り付けられた固定部材に固定されることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 請求項1に記載のエキシマランプにおいて、
    前記内側電極が、前記放電容器の軸方向に沿う両側部を有する連結部と、この連結部の同一箇所の両側部よりそれぞれ延在して、前記放電容器の軸方向と直交する円周方向に沿う多数の突出部と、前記多数の突出部の相互間に形成される多数の凹部とを有して形成されていることを特徴とするエキシマランプ。
  3. 請求項1又は請求項2の何れかに記載のエキシマランプにおいて、
    前記内側電極が2以上に分離された金属製の板状加工物であり、隣り合う内側電極の前記放電容器の軸方向において互いに向き合ったそれぞれの端部に前記弾性部材が接続されていることを特徴とするエキシマランプ。
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