JP2005114721A - 放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線画像変換パネルに、成長速度の最も速い方向に垂直な結晶格子面について粉末法のX線回折装置によりX線入射角10°から70°までの範囲で測定したときのX線回折パターンにおいて第2ピーク強度I2と第1ピーク強度I1の比I2/I1が0.3
≦I2/I1≦1となる輝尽性蛍光体層を少なくとも一層設ける。
【選択図】図1
Description
特に、柱状結晶化する際に、輝尽性蛍光体層において結晶内部の結晶成長方向を揃えることが効果的であることが知られている(例えば、「特許文献1」参照。)。
本発明の課題は、高感度化、高鮮鋭化に加えて、剥離耐久性および耐衝撃性を向上した輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルおよびその製造方法を提供することにある。
M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA…(1)
〔式(1)中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1
種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu
及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。〕
図1に本発明に係る放射線画像変換パネル10を示す。図1(a)に示すように、放射線画像変換パネル10は、支持体11と、該支持体11上に気相堆積法により輝尽性蛍光体の柱状結晶により形成された輝尽性蛍光体層12を少なくとも一層備えたものであり、必要に応じて輝尽性蛍光体層12を保護する保護層(図示略)を設けてもよい。
支持体11は、従来の放射線画像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、気相堆積法により輝尽性蛍光体層12を形成する観点から石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート及び炭素繊維強化樹脂シートが好ましい。
貼合法による場合、加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件としては約80〜150℃が好ましく、加圧条件としては4.90×10〜2.94×102N/cm、搬送速度
は0.1〜2.0m/秒が好ましい。
を特徴としている。
性蛍光体層12に入射させ、X線ディテクタ(図示略)に到達するX線の量を測定して求められるX線回折パターンにおいて、最大強度を示すピークの強度をいう。同様に第2ピーク強度I2は、上記X線回折パターンにおける第2番目の強度を示すピーク強度をいう。このとき、(100)面と(200)面のように結晶格子面として同義の場合も別のピークとして扱う。
なお、X線は、例えば、CuKα(1.54Å)を用いることができる。
M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA…(1)
〔式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のア
ルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びN
iの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。〕
s等の各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表すが、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、さらに好ましくはCs原子である。
ばれる少なくとも1種の二価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのは、Be、Mg、Ca、Sr及びBa等の各原子から選ばれる二価の金属原子である。
Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びIn等の各原子から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びIn等の各原子から選ばれる三価の金属原子である。
CaI2、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCI2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、N
iCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の化
合物が用いられる。
気相堆積法としては、真空蒸着法(以下、「蒸着法」という)、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等、如何なる方法であってもよいが、特に蒸着法を好ましく用いることができる。
次いで、真空容器2内を真空排気し、所望の真空度に調整する。その後、支持体回転機構5により支持体ホルダ4を蒸発源3に対して回転させ、蒸着可能な真空度に真空容器2が達したら、加熱された蒸発源3から輝尽性蛍光体を蒸発させて、支持体11表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。この場合において、支持体11と、蒸発源3との間隔は、100mm〜1500mmに設置するのが好ましい。
さらに、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層12を加熱処理しても良い。また、蒸着法においては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
これらの保護層の層厚は0.1μm〜2000μmが好ましい。
(1)実施例1の作製
炭素繊維強化樹脂シートからなる支持体11の片面に輝尽性蛍光体(CsBr:0.0002Eu)を、図3に示す蒸着装置1を使用して蒸着させ輝尽性蛍光体層12を形成した。
次いで、乾燥空気内で輝尽性蛍光体層12を保護層袋に入れ、輝尽性蛍光体層12が密封された構造の本発明に係る実施例1としての放射線画像変換パネル10を得た。
次に、表1に示すように、蒸着装置1内の真空度を1.0E−2、5.0E−2、1.0E−1とした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネルを製造し、本発明に係る実施例2〜4とした。
次に、表1に示すように、蒸着装置1内の真空度を5.0E−4、1.0E−3とした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネルを製造し、本発明に係る実施例2〜4とした。
以上の様にして得られた実施例1〜4および比較例1、2のそれぞれについて、X線回折パターンを測定し、第1ピーク強度I1に対する第2ピーク強度I2の比I1/I2を求め、鮮鋭性、膜剥がれの度合い、耐衝撃性について評価した。
実施例1〜4および比較例1,2において得られた放射線画像変換パネルにおいて、それぞれ成長速度の最も速い速度に垂直な結晶格子面について粉末法のX線回折装置「日本電子製JDX−11RA」によりX線入射角10°から70°までの範囲で測定したときのX線回折パターンにおける第1ピーク強度I1、第2ピーク強度I2からI1/I2を求めた。結果を表1に示す。なお、実施例1〜4および比較例1,2の第1ピークが示す結晶格子面はいずれも(200)面であった。
実施例1〜4および比較例1,2において得られた放射線画像変換パネルにそれぞれCTFチャートを貼付けた後、管電圧80kVP-P のX線を10 mR(管球からパネルまでの距離:1.5 m)照射し、半導体レーザ光(発振波長:780nm 、ビーム径: 100μm) で走査して輝尽励起し、CTFチャート像を輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光として読取り、光検出器 (光電子増倍管) で光電変換して画像信号を得た。この信号値により、画像の変調伝達関数 (MTF)を調べ、放射線画像の鮮鋭性を、比較例1で得られた放射線画像変換パネルの場合を 100とする相対値で示した。なお、MTFは、空間周波数が1サイクル/mmの時の値である。結果を表1に示す。
実施例1〜4および比較例1,2において得られた放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の膜剥がれの様子をそれぞれ目視評価した。結果を表1に示す。
なお、表1では、膜剥がれの度合いを下記の基準に従って示した。
○:全く膜剥がれをおこしていない。
△:膜剥がれをおこしかけている。
×:膜剥がれをおこしている。
実施例1〜4および比較例1,2において得られた放射線画像変換パネルに対して、500gの鉄球を20cmの高さから落下させた後、目視評価した。さらに、その後各放射線画像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザ光(633nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記記載の受光器で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し、出力装置よりプリントアウトし、得られたプリント画像を、目視にて耐衝撃性の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、表1では、耐衝撃性の目視評価を下記の基準に従って示した。
◎:ひび割れがなく、また、均一な画像である。
○:ひび割れがなく、画質的に殆ど気にならない程度である。
△:ひび割れが見られ、画欠が確認されるが、実用上許容できるレベル。
×:ひび割れが見られ、明らかな画欠が認められ、実用上問題が発生するレベル。
2 真空容器
3 蒸発源
4 支持体ホルダ
5 支持体回転機構
6 真空ポンプ
10 放射線画像変換パネル
11 支持体
12 輝尽性蛍光体層
Claims (4)
- 少なくとも一層の輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体層は、X線回折装置によりX線入射角10°から70°までの範囲で測定したときのX線回折パターンにおいて第2ピーク強度I2と第1ピーク強度I1の比I2/I1が0.3≦I2/I1≦1であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 - 請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
第1ピークが示す結晶格子面が(x 0 0)(x=1,2,3のいずれか)であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 - 請求項1または2に記載の放射線像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体層は、下記式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA…(1)
〔但し、式(1)中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なく
とも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd
、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc
、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。〕 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルを製造する放射線画像変換パネルの製造方法であって、
真空容器と、この真空容器内に設けられて支持体を回転支持する支持体回転機構と、この支持体回転機構に支持されながら回転させられた前記支持体に対して蒸発させた輝尽性蛍光体を堆積させる蒸発源とを備える蒸着装置を使用して、気相堆積法により支持体上に前記輝尽性蛍光体の蒸着膜からなる輝尽性蛍光体層を形成することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
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