JP2005114432A - 液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 塵埃、断線等によって、液体吐出口から液体が出なくなったとき、或いは出が悪くなったときでも、確実、かつ安定した状態で液体を吐出する。
【解決手段】 液体吐出ヘッド121は、液体供給口108と複数の液体吐出口106a,106bとを接続して液体が通過する流路107と、各液体吐出口から液体を吐出させる複数のヒータ102a,102bを選択的に作動させる吐出制御手段と、液体吐出口から液体が吐出されているか否かを検知する吐出検知手段と、吐出制御手段が選択したヒータ102aに対応する液体吐出口106aから液体が吐出されていないことを吐出検知手段が検知したとき、当該液体吐出口が不吐出状態であることを記憶する不吐出記憶手段と、を備え、吐出制御手段は、不吐出記憶手段に記憶された不吐出状態の液体吐出口以外の液体吐出口106bに対応するヒータ102bを吐出制御するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド、特に、複数の液体吐出口を有して、ある液体吐出口から液体を吐出することができなくなったとき、他の液体吐出口から液体を吐出することのできる液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置とに関する。
液体を吐出する方式には、ヒータの熱により液体を吐出するサーマル液体吐出方式と、ピエゾ素子に電圧を印加して生じるピエゾ素子の変形を利用して液体を吐出するピエゾ液体吐出方式等がある。サーマル液体吐出方式はピエゾ液体吐出方式と比較して構造が簡単であるため、液体吐出ヘッドの小型化に適して、多ノズル化に向いている。
例えば、プローブアレイを作る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルの数が多いことが望まれている。なお、プローブとは、特定の標的物質に対して特異的に結合可能なものである。例えば、DNAやRNAなどの核酸の場合は、標的核酸の有する塩基配列と相補的な配列をプローブが有することで、これらのハイブリッド体を形成し得るものである。プローブとしては、オリゴヌクレオチド、その他の核酸(cDNAなど)、ペプチド核酸(PNA)などの核酸アナログ、オリゴペプチド、タンパク質などが用いられる。ガラス基板等の固相担体表面に、該プローブをアレイ状に固定化したものをプローブアレイといい、該プローブアレイは、例えば、プローブを含む溶液(プローブ溶液)を担体上に付与し、プローブを担体に固定化させることにより製造される。DNAを検知する液体であって、このプローブを滴下されたガラス基板をプローブアレイという。
また、液体吐出ヘッドによって、異なったプローブを配置したプローブアレイを作る場合、各ノズルから異なったプローブ溶液を吐出するが、1枚のプローブアレイを作るに、各ノズルからは1回しかプローブ溶液の吐出が行われない。さらに、各プローブ溶液が吐出される位置も決まっている。
つまり、プローブアレイを作る液体吐出ヘッドは、ガラス基板上にプローブ溶液を所定の位置に単に吐出するだけであるので、インクを紙面に吐出して紙面に画像を形成する印刷とは異なって、必ずしも複雑な吐出制御を行う必要がなく、簡単な構造でよいことになっている。
したがって、プローブアレイを作る液体吐出ヘッドとしては、より構造が簡単で、かつ低コストで歩留まりの高い液体吐出ヘッドであることが望まれている。
そのような液体吐出ヘッドとして、図15に示す、サーマル液体吐出方式の液体吐出ヘッドが最適である。
図15は、従来の液体吐出ヘッドを構成する半導体チップには、後述する液体吐出口、流路部である流路等を形成してある。なお、図15は、実際には異なる平面状に形成してある各構成要素を同一平面上にあるかのように描いてある模式図である。図16は、図15中、符号Aで指示した丸で囲んだ液体吐出口近傍部分の拡大図である。
図17は、図16中、B―B矢視断面図である。なお、図17は、図15、図16との関係上、液体吐出口6を上向きに図示して、液体供給口8を下向きに図示してあるが、実際には、天地逆になって、液体吐出口6が下向きになり、液体供給口8が上向きになって、液体供給口8にプローブ溶液が矢印C方向から供給されるようになっている。
図18は、図15に示した半導体チップの裏面(上面)の模式図である。また、図18は、半導体チップをプローブ溶液が供給される側から見た図でもある。
液体吐出ヘッドは、半導体チップ22を、例えば、図13、図14に示すように、複数枚配列して形成されている。以下、「プローブ溶液」を「液体」と称す。
図15乃至図17に示すように、半導体チップ22は、ノズル板12とシリコン基板1とを重ねて形成してある。シリコン基板1には、TaN、TaSiN、TaAl等から成るヒータ2を設けてある。また、シリコン基板1には、裏面から表面に液体を供給するための液体供給口8等を形成してある。ノズル板12とシリコン基板1との間には、ヒータ2に接続してあるアルミニウムや銅等からなる第1の配線3及び第2の配線4を設けてある。第1、第2の配線3,4の一端は、パッド5に接続してある。パッド5は、半導体チップ22と外部とを電気的に接触するようになっている。ノズル板12には、液体が吐出される液体吐出口6と、この液体吐出口6に液体を案内して、一時的に溜めておく流路部である流路7とを形成してある。
図17において、液体供給口8、流路7、及び液体吐出口6は、ノズル13を形成している。
半導体チップ22は、図18において横方向に液体供給口8を間隔約1.27mm(20dpi相当)で8個配列し、横方向で8個1組のノズル群を図18において縦方向に5組、約100dpiオフセットして配列してある。また、隣接するノズル群の間隔も約20dpiに設定してある。半導体チップ22の長辺方向の長さは約12mm、短辺方向の長さは約7mmである。1つの半導体チップ22の液体吐出口6及び液体供給口8の数は40個である。
液体供給口8は、図17に示したように、シリコン基板1の表面1aに対して、約54.7度の角度に傾いた4つの側壁8cによって4角錐台に開口して、液体を受け入れやすい形状に形成してある。
図17に示す例では、シリコン基板1の表面1aでの液体供給口8の4角の1辺の長さは約100μmに設定してあり、シリコン基板1の厚みを約625μmに設定してある。したがって、シリコン基板1の裏面1b(図18参照)における液体供給口8の4角の1辺の長さは約1mmになる。
この寸法関係の液体供給口8では、容積が約0.23μl(マイクロリットル)であり、ノズル13からの吐出量を約24pl(ピコリットル)とすると、この容積は、約9600枚のプローブアレイを作製できる量に相当する。
従来の液体吐出ヘッドの他の例として、インクジェットヘッドがある。このインクジェットヘッドも、シリコン基板1の裏面側に設けた不図示のインクタンクからヒータ2へ液体であるインクを導くための液体供給口8を形成してある。しかし、プローブアレイ調整用ヘッドは、インクジェットヘッドと異なって、液体の吐出量の総量が少ないため、液体供給口8を液体のリザーバとしても使用することができるようになっている。なお、リザーバとは、一般に、液体供給口8の容積を多くするため、液体供給口8の開口部の周囲を取り囲んだ枠のような物であるが、液体の吐出量の総量が少ない場合、液体が液体供給口8の側壁8cに溜まることなく、或いは側壁8cの途中にまで溜まるので、液体供給口8の側壁8c全体が、あるいは側壁8cの残りの部分がリザーバの役目をすることになる。
以上説明したように、従来の液体吐出ヘッドは、例えば、プローブアレイを作るのに使用した場合、液体供給口を大気に開放した状態で液体供給口に液体を供給されて、液体吐出口からその液体を吐出するようになっている。
しかし、従来の液体吐出ヘッドは、液体供給口からノズル内にゴミや異物等の塵埃が浸入することがある。
侵入した塵埃は、液体吐出口から液体が吐出されている最中に液体吐出口に詰まり、液体の吐出を完全に阻止したり、吐出を不安定な状態にしたりして、液体がガラス基板の所定の位置に吐出されるのを阻害し、プローブアレイの不良原因になっていた。
また、従来の液体吐出ヘッドが、サーマル液体吐出方式の場合、半導体チップのヒータへ電力を供給する配線が断線したり、ヒータ内部が断線したりすると、そのヒータが液体を加熱することができなくなり、そのヒータに対応する液体吐出口から液体を吐出することができなくなるおそれがあった。
以上のように、従来の液体吐出ヘッドは、種々の原因によって、液体吐出口から確実に、かつ安定した状態で液体を吐出することができなくなることがあるという問題を有していた。
本発明の目的は、塵埃、断線等によって、液体吐出口から液体が出なくなったとき、或いは出が悪くなったときでも、確実、かつ安定した状態で液体を吐出することのできる液体吐出ヘッドを提供することにある。
本発明の目的は、上記液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、液体が供給される液体供給口と、前記液体が吐出される複数の液体吐出口と、前記液体供給口と前記液体吐出口とを接続して前記液体が通過する流路部と、前記各液体吐出口に対応して設けられて、前記流路部内の前記液体に吐出エネルギを与えて前記対応する液体吐出口から前記液体を吐出させる複数の吐出手段と、前記複数の吐出手段を選択的に作動させる吐出制御手段と、前記液体吐出口から前記液体が吐出されているか否かを検知する吐出検知手段と、前記吐出制御手段が選択した吐出手段に対応する液体吐出口から前記液体が吐出されていないことを前記吐出検知手段が検知したとき、当該液体吐出口が不吐出状態であることを記憶する不吐出記憶手段と、を備え、前記吐出制御手段は、前記不吐出記憶手段に記憶された不吐出状態の液体吐出口以外の液体吐出口に対応する吐出手段を吐出制御するようになっている。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記液体供給口は、複数備えられ、前記液体供給口毎に、前記流路部と、前記複数の吐出手段と、前記複数の液体吐出口とを備えている。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心から同一の距離に配設してある。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記液体供給口は、正多角形に形成され、前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心を点対称とした位置に配設してある。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の対向する辺の中心を結ぶ中心線の延長線上に配設してある。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心を通る前記液体供給口の対角線の延長線上に配設してある。
本発明の液体吐出ヘッドおける、前記流路部の内壁は、前記液体供給口に沿った形状に形成されて、かつ前記内壁と前記液体供給口は、前記液体供給口の中心を点対称にして形成されている。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記流路部の内壁は、前記液体供給口の中心を中心にして円形に形成されている。
本発明の液体吐出ヘッドにおける、前記液体供給口は、シリコン基板に形成されている。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出装置は、被吐出体に液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、を備え、前記液体吐出ヘッドは、上記いずれか1つに記載の液体吐出ヘッドである。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体吐出口に塵埃が詰まった場合や、配線の断線等によるヒータへの電源供給停止によって液体吐出口から液体を吐出することができなくなったとき、或いは出が悪くなったとき、他の液体吐出口から液体を吐出することができるようになっているので、液体を確実に継続して吐出することができる。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、液体吐出口から液体を吐出することができなくなったとき、或いは出が悪くなったとき、他の液体吐出口から液体を吐出することができるようになっていると、液体吐出ヘッドをそのまま使用することができて、コストを下げることができる。
本発明の液体吐出装置は、液体を確実に継続して吐出することのできる液体吐出ヘッドを備えているので、被吐出体に確実に液体を吐出することができる。
以下、本発明の実施形態の液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドを装備した液体吐出装置の一例であるプローブアレイ製造装置とを図に基づいて説明する。なお、本実施形態では、液体吐出装置の一例としてプローブアレイ製造装置を取り上げているため、液体の一例としてプローブを取り上げているが、液体はプローブに限定されるものではない。また、本実施形態における数値は、あくまでも参考数値であって、本発明を限定する数値ではない。
(プローブアレイ製造装置)
図11は、本発明の実施形態の液体吐出ヘッドを装備したプローブアレイ製造装置の全体斜視図である。図12は、プローブアレイ製造装置の動作説明用の平面図である。図13は、液体吐出ヘッドの下面図である。図14は、複数の半導体チップを基板の取り付け孔に挿入して液体吐出ヘッドを製作するときの斜視図である。
プローブアレイ製造装置131は、装置ベ−ス132、被吐出体である例えば担体142を支持する担体支持台133、液体吐出ユニット140を支持する液体吐出ユニット支持台134、及び、液体供給手段の一例であるプローブ溶液供給ユニット135等を備えている。担体142は、具体的には、プローブを吐出される方形状のガラス基板である。
担体支持台133は、装置ベース132上の案内ガイド151に案内されて矢印X方向に往復移動するようになっている。液体吐出ユニット支持台134は、装置ベース132上の案内ガイド152に案内されて矢印Y方向に移動する移動体153に支持されて移動体153とともに矢印Y方向に往復移動するようになっている。液体吐出ユニット支持台134は、本発明の実施形態の液体吐出ヘッド121,221,321,421,521,621,721の内、いずれか1つの液体吐出ヘッドを備えた液体吐出ユニット140を支持している。したがって、液体吐出ヘッドは矢印Y方向に往復移動するようになっている。なお、矢印Xと矢印Yは、互いに交差する方向、好ましくは直交する方向を向いている。
プローブ溶液供給ユニット135は、装置ベース132に立設した一対の支持板154に渡した一対のガイドシャフト155に案内されて矢印X方向に往復移動できるようになっている。プローブ溶液供給ユニット135は、プローブ貯留部139に貯留してあるプローブ溶液をエアチューブ137による加圧によって、あるいは、液体吐出ヘッド121に設けた不図示の吸引手段による減圧によって、滴下ニードル138から液体吐出ヘッド121に供給するようになっている。また、プローブ溶液供給ユニット135には、プローブ貯留部139に塵埃が侵入しないようにユニット蓋136を設けてある。
したがって、プローブアレイ製造装置131は、プローブ溶液供給ユニット135の矢印X方向への移動と、液体吐出ユニット140の矢印Y方向への移動とによって、プローブ溶液供給ユニット135から液体吐出ヘッド121の後述する液体供給口108(図1参照)にプローブ溶液を供給し、液体吐出ユニット支持台134の矢印Y方向への移動と担体支持台133の矢印X方向への移動とによって、液体吐出口106a,106bから担体142上にプローブ溶液を吐出することで、担体142にプローブ溶液を付与するようになっている。
プローブアレイ製造装置131の液体吐出ユニット140に組み込まれている液体吐出ヘッド121(221,321,421,521,621,721)は、図13、図14に示すように、窓枠状に取り付け孔125を形成したアルミナ、樹脂等からなる基板124の取り付け孔125に後述する半導体チップ122(222,322,422,522,622,722)を組み込んで形成されている。各半導体チップは、各半導体チップの後述するパッド105(図3参照)を不図示のフレキシブル配線基板に接続して電気的に外部に接続してある。
本実施形態の液体吐出ノズル121(221,321,421,521,621,721)は、基板124に半導体チップ122(222,322,422,522,622,722)を5行5列に配置され、1つの半導体チップ122(221,321)に液体吐出口106a,106bを40個ずつ形成してあるので、液体吐出口106a,106bを都合1000個ずつ有している。
なお、液体を吐出する方式には、ヒータの熱により液体を吐出するサーマル液体吐出方式と、ピエゾ素子に電圧を印加して生じるピエゾ素子の変形を利用して液体を吐出するピエゾ液体吐出方式等がある。サーマル液体吐出方式はピエゾ液体吐出方式と比較して構造が簡単であるため、液体吐出ヘッドの小型化に適して、多ノズル化に向いている。
本実施形態のプローブアレイ製造装置131に使用されるプローブアレイを作る液体吐出ヘッドには、ノズルの数が多いことが望まれているため、サーマル液体吐出方式を採用している。この液体吐出ヘッドは、異なった液体が配置されているプローブアレイを作製する場合、各ノズルから異なった液体を吐出するが、1枚のプローブアレイを作るのにあたって、各ノズルからは1回しか吐出が行われず、また液体が配置される位置も決まっている。
つまり、プローブアレイ調整用の液体吐出ヘッドは、紙面への印刷と異なって、必ずしも複雑な吐出の制御を必要としない。
したがって、本実施形態のサーマル液体吐出方式の液体吐出ヘッドは、構造が簡単で、かつ低コストで歩留まりの高い液体吐出ヘッドである。但し、本実施形態の液体吐出ヘッドは、サーマル液体吐出方式に限定されるものではなく、ピエゾ液体吐出方式を採用してもよい。
図3に示すように、半導体チップ122の表面122a側には、図3において、左右方向に配列した液体吐出口106a,106bの配列の両側に配設した発光素子161と受光素子162とを液体吐出口106a,106bの配列毎に配設してある。発光素子161は、レーザ光、赤外線等の光を発するようになっている。受光素子162は、発光素子161からの光を受光するようになっている。発光素子161と受光素子162は、吐出検知手段を構成している。各液体吐出口106a,106bに対応するヒータ102a,102bは、吐出制御手段163によって、選択的に通電させられて、発熱するようになっている。
不吐出記憶手段164は、吐出制御手段163が選択した主ヒータ102aに対応する主液体吐出口106aから液体が吐出されていないことを受光素子162が検知したとき、その主液体吐出口106aが不吐出状態であることを記憶するようになっている。さらに、不吐出記憶手段164は、不吐出記憶手段164自身に記憶した不吐出状態の液体吐出口を吐出制御手段163に報せるようになっている。したがって、吐出制御手段163は、不吐出記憶手段164からの信号に基づいて、不吐出状態の液体吐出口に対応する主ヒータ102aの通電を断ち、不吐出状態の主液体吐出口以外の予備液体吐出口106bに対応する予備ヒータ102bを選択して通電状態にするようになっている。吐出制御手段163は、各主ヒータ102aと各予備ヒータ102bに接続してあるものとする。
なお、吐出検出手段、不吐出記憶手段164と吐出制御手段163は、液体吐出ヘッド121に組み込まれているが、液体吐出ヘッド121とプローブアレイ製造装置131とが一対一の関係で出荷される場合、液体吐出ヘッド121が組み込まれるプローブアレイ製造装置131に組み込まれていてもよい。
なお、1つの液体供給口108に対する2つの液体吐出口と2つヒータとの他の配設の形態として、図4、図5に示すような配置形態がある。
図4に示す液体吐出ヘッド221を構成する半導体チップ222の2つの液体吐出口206a,206bと2つヒータ202a,202bは、平面視正方形の液体供給口108の中心108Zを通る液体供給口108の対角線の延長線L2上に中心が位置するように配設してある。液体供給口108の中心108Zと、2つの液体吐出口206a,206bの間の中心と、2つのヒータ202a,202bの間の中心は一致している。すなわち、液体吐出口206a及びヒータ202aと、液体吐出口206b及びヒータ202bは、液体供給口108の中心108Zから同一の距離に配設してあり、液体供給口108の中心108Zを点対称とした位置に配設してある。なお、この形態における、流路207は、液体吐出口206a,206bに液体を案内する部分を液体供給口108の対向する角108e,108gの近くに対向して形成してある。
図5に示す液体吐出ヘッド321を構成する半導体チップ322の2つの液体吐出口306a,306bと2つのヒータ302a,302bは、図4に示す2つの液体吐出口206a,206bと2つヒータ202a,202bと同じ配置関係になっているのでその配置関係の説明は、省略する。但し、図5に示す流路307は、図4に示す平面視正方形の流路207と異なって平面視ほぼ真円に形成してある。
図4におけるE−E矢視断面図と、図5におけるF−F矢視断面図は、図1(b)に示す断面図と似ているので、図示するのを省略する。また、図4と図5に示す液体吐出口の配置による液体の流れも、図1(a)に示す液体吐出口の配置における流れと同様であるで、図1(a)、図1(b)に示した液体吐出口に対する液体の流れを説明して、図4、図5に示す液体吐出口に対する液体の流れの説明も省略する。
(動作の説明)
シリコン基板101の裏面101bから矢印C方向に供給された液体は、液体供給口108と通路107とを通って、液体吐出口106a、106bに供給される。主液体吐出口106aを使用するため、吐出制御手段163は、主液体吐出口106aの傍に配設してある主ヒータ102aを選択して、その主ヒータ102aに電流が流れるようにする。主ヒータ102aは、電流が流れると、主ヒータ102aの近傍にある液体を急速に加熱して、膜沸騰によって気泡を成長させ、主液体吐出口106aから液体を吐出させる。吐出された液体は、担体142に付着して、プローブアレイが作られる。この間、予備液体吐出口106bに対応する予備ヒータ102bは、通電されていない。このため、予備液体吐出口106bからは、液体が吐出するようなことがない。
液体吐出ヘッド121の出荷検査時に、或いはプローブアレイ製造装置131の出荷検査時に、吐出制御手段163によって、主液体吐出口106aの傍に配設してある主ヒータ102aを選択して、その主ヒータ102aを通電状態にし、主液体吐出口106aから液体が吐出されるか否かを受光素子162によって検知する。この検知動作は、各主液体吐出口106aに順次行われる。
選択した主液体吐出口106aから液体が吐出されている場合、発光素子161からの光が液体によって遮断されて、受光素子162で光が検知されない。この場合、液体は吐出されていることになる。しかし、受光素子162で光が検知された場合、光が液体によって遮断されていないことになり、液体が吐出されていないか、或いは、液体の吐出量が少ないことになる。
選択した主液体吐出口106aの不吐出、或いは、吐出量が少ないことが検知された場合、主液体吐出口106aが塵埃によって塞がれているか、主ヒータ102aに電流が流れていないか、あるいは主ヒータ102aが内部断線していることになっている。このような場合、本実施形態の液体吐出ヘッド121は、以下の方法によってこれを補完することができる。
すなわち、不吐出の液体吐出口106aの情報は、液体吐出ヘッド121に搭載してある不吐出記憶手段164に記憶される。その後、液体吐出ヘッド121を使用するとき、不吐出記憶手段164は、吐出制御手段163に液体を吐出することのできない主液体吐出口106aを報せる。吐出制御手段163は、不吐出記憶手段164からの報せによって、液体を吐出することのできない主液体吐出口106aを使用するとき、その主液体吐出口106aに対応する予備液体吐出口106bから液体を吐出するように、予備液体吐出口106bに対応する予備ヒータ102bを選択する。
吐出制御手段163は、予備ヒータ102bを通電状態にして、予備液体吐出口106bから液体を吐出させる。この場合、担体142に液体が吐出される液体吐出口が主液体吐出口106aから予備液体吐出口106bに変わって、担体142と液体が吐出される液体吐出口との相対位置が変わるため、吐出制御手段163は、予備液体吐出口106bが担体142の所定の液体吐出位置に対向するタイミングで、予備ヒータ102bを通電状態にする。これによって、液体吐出ヘッド121は、予備液体吐出口106bから液体を吐出することになって、主液体吐出口106aの不吐出を補完することができる。
また、プローブアレイ製造装置131の使用中にランダムに液体を吐出する主液体吐出口106aの不吐出が検知された場合、以下の方法によってこれを補完することができる。すなわち、プローブアレイ製造装置131に搭載された受光素子162によって不吐出を検知した場合、不吐出記憶手段164は、不吐出の主液体吐出口106aを記憶して、不吐出状態になった主液体吐出口106aを吐出制御手段163に信号を送る。吐出制御手段163は、その信号に基づいて、主液体吐出口106aに対応する主ヒータ102aの通電を断ち、予備液体吐出口106bに対応する予備ヒータ102bを、予備液体吐出口106bが担体142の所定の液体吐出位置に対向するタイミングで通電状態にして、予備液体吐出口106bから液体を吐出させる。これによって、プローブアレイ製造装置131の使用中における主液体吐出口106aの不吐出を補完することができることになる。
本実施形態で示したとおり、液体吐出ヘッドの出荷検査時に検知された不吐出を補完する方法、および液体吐出ヘッドの使用中に発生した不吐出を補完する方法、いずれも別々に実施できるようにしても良いし、単一の液体吐出ヘッドで同時に実施できるようにしても良い。
なお、図4に示す主液体吐出口206aから予備液体吐出口206bへの切り換えも、図5に示す主液体吐出口306aから予備液体吐出口306bへの切り換えも、以上説明した主液体吐出口106aから予備液体吐出口106bへの切り換えと同様な構成で、同様にして行われるので、その切り換え動作の説明は省略する。
以上の切り換え動作において、予備液体吐出口から液体が出ていないことが、或いは出が悪いことが検知されたとき、吐出制御手段163は、液体吐出ヘッドが不作動状態になっていることを表示部165によって、ユーザに報せて、液体吐出ヘッドの交換を促す。
以上述べたように、本実施形態の液体吐出ヘッド121,221,321は、不吐出、或いは吐出が円滑に行われない主液体吐出口がある場合、簡単な構成で予備の液体吐出口に切り換えることができるようになっている。
本実施形態の液体吐出ヘッド121,221,321は、主ヒータと予備ヒータの特性を一致させ、主液体吐出口106a,206a,306aと予備液体吐出口106b,206b,306bとの孔径を一致させ、かつ主液体吐出口106a,206a,306aと予備液体吐出口106b,206b,306bとの間の中心位置と液体供給口108の中心位置108Zとを一致させてあるので、主液体吐出口106a,206a,306aから液体を吐出させる場合も、予備液体吐出口106b,206b,306bから液体を吐出させる場合も液体の流れる条件(液体の吐出特性)が同一であり、同じ条件で液体を吐出することができて、プローブアレイを同じ条件で作成することができる。このため、液体吐出口が主液体吐出口から予備液体吐出口に切り替わっても同一のプローブアレイを得ることができる。
また、本実施形態の液体吐出ヘッド121,221,321は、主液体吐出口106a,206a,306aと予備液体吐出口106b,206b,306bとを同一の半導体チップに備えて、主液体吐出口106a,206a,306aから予備液体吐出口106b,206b,306bに切り換えるようになっているので、半導体チップを新たに交換する必要がなく、コストの上昇を抑えることができる。
すなわち、本実施形態の液体吐出ヘッド121,221,321は、40個の主液体吐出口を備えているが、仮に、予備液体吐出口を備えていないとすると、1つの主液体吐出口が不吐出状態になっただけで、他の、39個の主液体吐出口とともに、廃棄しなければならなくなり、コスト高になる。しかし、本実施形態の液体吐出ヘッドは、予備液体吐出口を備えているので、1つの主液体吐出口が不吐出状態、或いは吐出が円滑に行われなくなっても、予備液体吐出口を使用することによって、残りの39個の主液体吐出口とともに、廃棄する必要がなくなり、コストの上昇を抑えることができる。
(第2実施形態の液体吐出ヘッド)
図6は、本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドのノズル部分の概略平面図である。図7は、本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。図8は、本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。図9は、本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。
(構成の説明)
本実施形態の液体吐出ヘッド421も、例えば、図13、図14に示すように、複数の半導体チップ122を有して、図11に示すプローブアレイ製造装置131の液体吐出ユニット140に組み込まれて使用されるようになっている。
なお、本実施形態の液体吐出ヘッド421を構成する半導体チップ422のノズル板とシリコン基板の構造と製造方法は、第1実施形態のノズル板とシリコン基板とほぼ同一なので図示及び説明を省略する。
図6に示した液体吐出ヘッド421を構成する半導体チップ422は、1つの液体供給口108に対して、4つの液体吐出口406a,406b,406c,406dと4つのヒータ402a,402b,402c,402dを配設してある。液体吐出口406a,406b,406c,406dの中心とヒータ402a,402b,402c,402dの中心は一致している。4つの液体吐出口406a,406b,406c,406dの孔径は、同一である。4つのヒータ402a,402b,402c,402dの大きさは、同一である。液体供給口108の中心108Zと、対向する2つの液体吐出口406a,406cの間の中心と、対向する2つの液体吐出口406b,406dの間の中心は一致している。対向する液体吐出口406a、406cの中心は平面視正方形の液体供給口108の対向する2辺108a,108cの中心を結ぶ中心線の延長線L3上にある。対向する液体吐出口406b、406dの中心は平面視正方形の液体供給口408の対向する2辺108b,108dの中心を結ぶ中心線の延長線L4上にある。
すなわち、液体吐出口406a及びヒータ402a、液体吐出口406b及びヒータ402b、液体吐出口406c及びヒータ402c、そして液体吐出口406d及びヒータ402dは、液体供給口108の中心108Zから同一の距離に配設してあり、液体供給口108の中心108Zを点対称とした位置に配設してあることになる。
なお、この形態における流路407の液体吐出口406a,406b,406c,406dに液体を案内する部分は、液体供給口108の対向辺108a,108b,108c,108dの中間近くに形成してある。
図6に示す液体吐出ヘッド421において、4つ液体吐出口406a,406b,406c,406dの内、符号406aで示す液体吐出口を主液体吐出口として使用し、符号406b,406c,406dで示す液体吐出口を予備液体吐出口として使用するものとする。また、4つのヒータ402a,402b,402c,402dの内、符号402aで示すヒータを主ヒータとして使用し、符号402b,402c,402dで示すヒータを予備ヒータとして使用するものとする。
図10に示すように、半導体チップ422の表面側には、図10において、左右方向に配列した液体吐出口406a,406cの配列の両側に配設した発光素子461aと受光素子462aとを液体吐出口406a,406cの配列毎に配設してある。
液体吐出口406bの配列の両側に配設した発光素子461bと受光素子462bとを液体吐出口406bの配列毎に配設してある。液体吐出口406dの配列の両側に配設した発光素子461dと受光素子462dとを液体吐出口406dの配列毎に配設してある。
発光素子461a,461b,461dは、レーザ光、赤外線等の光を発するようになっている。受光素子462a,462b,462dは、発光素子461a,461b,461dからの光を受光するようになっている。発光素子461a,461b,461dと受光素子462a,462b,462dは、吐出検知手段を構成している。各液体吐出口406a、406b、406c,406dに対応するヒータ402a、402b、402c,402dは、吐出制御手段463によって、選択的に通電させられて、発熱するようになっている。
不吐出記憶手段464は、吐出制御手段463が選択した主ヒータ402aに対応する主液体吐出口406aから液体が吐出されていないことを受光素子462aが検知したとき、その主液体吐出口406aが不吐出状態であることを記憶するようになっている。さらに、不吐出記憶手段464は、不吐出記憶手段464自身に記憶した不吐出状態の液体吐出口を吐出制御手段463に報せるようになっている。したがって、吐出制御手段463は、不吐出記憶手段464からの信号に基づいて、不吐出状態の液体吐出口に対応する主ヒータ402aの通電を断ち、不吐出状態の主液体吐出口以外の予備液体吐出口406bに対応する予備ヒータ402bを選択して通電状態にするようになっている。吐出制御手段463は、各主ヒータ402aと各予備ヒータ402b,402c,402dに接続してあるものとする。
なお、吐出検出手段、不吐出記憶手段464と吐出制御手段463は、液体吐出ヘッド421に組み込まれているが、液体吐出ヘッド421とプローブアレイ製造装置131とが一対一の関係で出荷される場合、液体吐出ヘッド421が組み込まれるプローブアレイ製造装置131に組み込まれていてもよい。
なお、1つの液体供給口108に対する4つの液体吐出口と4つヒータとの他の配設の形態として、図7、図8に示すような配置形態がある。
図7に示す液体吐出ヘッド521を構成する半導体チップ522の2つの液体吐出口506a,506cと2つヒータ502a,502cは、平面視正方形の液体供給口108の中心108Zを通る液体供給口108の対角線の延長線L5上に中心が位置するように配設してある。また、2つの液体吐出口506b,506dと2つヒータ502b,502dは、平面視正方形の液体供給口108の対角線の延長線L6上に中心が位置するように配設してある。
液体供給口108の中心108Zと、2つの液体吐出口506a,506cの間の中心と、2つの液体吐出口506b,506dの間の中心と、2つのヒータ502a,502cの間の中心と、そして、2つのヒータ502c,502dの間の中心は一致している。すなわち、液体吐出口506a及びヒータ502aと、液体吐出口506b及びヒータ502bと、液体吐出口506c及びヒータ502cと、そして、液体吐出口506d及びヒータ502dは、液体供給口108の中心108Zから同一の距離に配設してあり、液体供給口108の中心108Zを点対称とした位置に配設してある。
なお、この形態における、流路507の、液体吐出口506a,506b,506c,506dに液体を案内する部分は、液体供給口108の対向する角108e,108f,108g,108hの近くに対向して形成してある。
図8に示す液体吐出ヘッド621を構成する半導体チップ621の4つの液体吐出口606a,606b,606c,606dと,4つのヒータ602a,602b,602c,602dは、図7に示す4つの液体吐出口506a,506b,506c,506dと,4つのヒータ502a,502b,502c,502dと同じ配置関係になっているのでその配置関係の説明は、省略する。但し、図8に示す流路607は、図6に示す平面視正方形の流路407と異なって平面視ほぼ真円に形成してある。
図6、図7、図8に示す液体吐出ヘッド421,521,621を構成する半導体チップ422,522,622は、1つの主液体吐出口と、3つの予備液体吐出口とを有しているが、予備液体吐出口の数は、4つに限定されず、主液体吐出口と予備液体吐出口の孔径とを一致させ、液体供給口の中心を間にして対向する液体吐出口同士の間の中心と液体供給口の中心とを一致させ、さらに、液体吐出口の中心を液体供給口の対向する二辺の中心を結ぶ線の延長線上、又は、対角線の延長上に液体吐出口が位置しておればよく、図9に示す液体吐出ヘッド721の半導体チップ722のように、1つの主液体吐出口706aと、2つの予備液体吐出口706b,706cとを有していてもよい。
この場合、ヒータも、1つの主ヒータ702aと、2つの予備ヒータ702b,702cとを備えている。図9に示す流路707の液体を案内する部分は、図6に示す流路407よりも1つ少なくして形成してある。図7、図8に示す液体吐出ヘッド521,621も同様に、予備液体吐出口と、予備ヒータは、2つであってもよい。
図6乃至図9に示す、G−G矢視断面図、H−H矢視断面図、J−J矢視断面図、K−K矢視断面図、M−M矢視断面図、N−N矢視断面図、及びQ−Q矢視断面図は、図1(a)に示す、D−D矢視断面図である図1(b)に示す断面図と似ているので、図示するのを省略する。また、図7乃至図9に示す液体吐出ヘッドにおける液体の流れも、図6に示す液体吐出ヘッドの液体の流れと同様であるので、図6に示す液体吐出ヘッドの液体の流れを説明して、図7乃至図9に示す液体吐出口に対する液体の流れの説明も省略する。
(動作の説明)
図6に示す液体吐出ヘッドの液体の流れは、図1に示す液体吐出ヘッドの液体の流れとほぼ同一であるので、液体の流れの説明は省略する。
液体吐出ヘッド421の出荷検査時に、或いはプローブアレイ製造装置131の出荷検査時に、吐出制御手段463によって、主液体吐出口406aの傍に配設してある主ヒータ402aを選択して、その主ヒータ402aを通電状態にし、主液体吐出口406aから液体が吐出されるか否かを受光素子462aによって検知する。この検知動作は、各主液体吐出口406a毎に順次行われる。
選択した主液体吐出口406aから液体が吐出されている場合、発光素子461aからの光が液体によって遮断されて、受光素子462aで光が検知されない。この場合、液体は吐出されていることになる。しかし、受光素子462aで光が検知された場合、光が液体によって遮断されていないことになり、液体が吐出されていないか、或いは、液体の吐出量が少ないことになる。
選択した主液体吐出口406aの不吐出、或いは、吐出量が少ないことが検知された場合、主液体吐出口406aが塵埃によって塞がれているか、主ヒータ402aに電流が流れていないか、あるいは主ヒータ402aが内部断線していることになっている。このような場合、本実施形態の液体吐出ヘッド421は、以下の方法によってこれを補完することができる。
すなわち、不吐出の液体吐出口406aの情報は、液体吐出ヘッド421に搭載してある不吐出記憶手段464に記憶される。その後、液体吐出ヘッド421を使用するとき、不吐出記憶手段464は、吐出制御手段463に液体を吐出することのできない主液体吐出口406aを報せる。吐出制御手段463は、不吐出記憶手段464からの報せによって、液体を吐出することのできない、主液体吐出口406aを使用するとき、その主液体吐出口406aに対応する予備液体吐出口406bから液体を吐出するように、予備液体吐出口406bに対応する予備ヒータ402bを選択する。
吐出制御手段463は、予備ヒータ402bを通電状態にして、予備液体吐出口406bから液体を吐出させる。この場合、担体142に液体が吐出される液体吐出口が主液体吐出口406aから予備液体吐出口406bに変わって、担体142と液体が吐出される液体吐出口との相対位置が変わるため、吐出制御手段463は、予備液体吐出口406bが担体142の所定の液体吐出位置に対向するタイミングで、予備ヒータ402bを通電状態にする。これによって、液体吐出ヘッド421は、予備液体吐出口406bから液体を吐出することになって、主液体吐出口406aの不吐出を補完することができる。
予備液体吐出口406c,406dは、予備液体吐出口406bのさらなる予備として使用することができるようになっている。
また、プローブアレイ製造装置131の使用中にランダムに液体を吐出する主液体吐出口406aの不吐出が検知された場合、以下の方法によってこれを補完することができる。すなわち、プローブアレイ製造装置131に搭載された受光素子462aによって不吐出を検知した場合、不吐出記憶手段464は、不吐出の主液体吐出口406aを記憶して、不吐出状態になった主液体吐出口406aを吐出制御手段463に信号を送る。吐出制御手段463は、その信号に基づいて、主液体吐出口406aに対応する主ヒータ402aの通電を断ち、予備液体吐出口406bに対応する予備ヒータ402bを、予備液体吐出口406bが担体142の所定の液体吐出位置に対向するタイミングで通電状態にして、予備液体吐出口406bから液体を吐出させる。これによって、プローブアレイ製造装置131の使用中における。主液体吐出口406aの不吐出を補完することができることになる。
この場合においても、予備液体吐出口406c,406dは、予備液体吐出口406bのさらなる予備として使用することができる。
本実施形態で示したとおり、液体吐出ヘッドの出荷検査時に検知された不吐出を補完する方法、および液体吐出ヘッドの使用中に発生した不吐出を補完する方法、いずれも別々に実施できるようにしても良いし、単一の液体吐出ヘッドで同時に実施できるようにしても良い。
なお、図7、図8、図9に示す主液体吐出口506a、606b、706cから予備液体吐出口506b,606b,706bへの切り換えも、以上説明した主液体吐出口406aから予備液体吐出口406bへの切り換えと同様な構成で、同様にして行われる。
以上の説明において、本実施形態の液体吐出ヘッド421は、液体吐出ヘッド421の出荷検査時に、或いは使用中に、主液体吐出口406aが塵埃によって塞がれて、予備液体吐出口406bも塵埃によって塞がれている場合、主液体吐出口406aから予備液体吐出口406bに切り換えと同様にして、さらに予備液体吐出口406cに切り換えるようになっている。
また、切り換えた予備の液体吐出口が詰まっているときには、さらに予備の液体吐出口に切り換えられる。最後の予備液体吐出口から液体が出ていないことが、或いは出が悪いことが検知されたとき、吐出制御手段463は、液体吐出ヘッドが不作動状態になっていることを表示部465によって、ユーザに報せる。
以上述べたように、本実施形態の液体吐出ヘッド421,521,621,721は、不吐出、或いは吐出が円滑に行われない主液体吐出口がある場合、簡単な構成で予備の液体吐出口に切り換えることができるようになっている。
本実施形態の液体吐出ヘッド421,521,621,721は、主ヒータと予備ヒータの特性を一致させ、主液体吐出口406a,506a,606a,706aと予備液体吐出口406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706cとの孔径を一致させ、かつ主液体吐出口406a,506a,606a,706aと予備液体吐出口406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706cとの間の中心位置と液体供給口108の中心位置108Zとを一致させてあるので、主液体吐出口406a,506a,606a,706aから液体を吐出させる場合も、予備液体吐出口406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706cから液体を吐出させる場合も液体の流れる条件(液体の吐出特性)が同一であり、同じ条件で液体を吐出することができて、プローブアレイを同じ条件で作成することができる。このため、液体吐出口が主液体吐出口から予備液体吐出口に切り替わっても同一のプローブアレイを得ることができる。
また、本実施形態の液体吐出ヘッド421,521,621,721は、主液体吐出口406a,506a,606a,706aと予備液体吐出口406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706cとを同一の半導体チップに備えて、主液体吐出口406a,506a,606a,706aから予備液体吐出口406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706cに切り換えるようになっているので、半導体チップを新たに交換する必要がなく、コストの上昇を抑えることができる。
すなわち、本実施形態の液体吐出ヘッド421,521,621,721は、40個の主液体吐出口を備えているが、仮に、予備液体吐出口を備えていないとすると、1つの主液体吐出口が不吐出状態になっただけで、他の、39個の主液体吐出口とともに、廃棄しなければならなくなり、コスト高になる。しかし、本実施形態の液体吐出ヘッドは、予備液体吐出口を備えているので、1つの主液体吐出口が不吐出状態、或いは吐出が円滑に行われなくなっても、予備液体吐出口を使用して、残りの39個の主液体吐出口とともに、廃棄する必要がなくなり、コストの上昇を抑えることができる。
また、液体供給口は、正多角形であればよく、正四角形のみならず、正三角形、正五角形等であってもよい。さらに、液体供給口は、真円であってもよい。
本発明の第1実施形態の液体吐出ヘッドのノズル部分の概略図である。(a)は平面図である。(b)は(a)中、D―D矢視断面図である。 半導体チップの裏面(上面)の模式図である。 本発明の実施形態のサーマル液体吐出方式の液体吐出ヘッドを構成する、半導体チップの表面(下面)の模式図である。 サーマル液体吐出方式の従来の液体吐出ヘッドを構成する、半導体チップの表面図(下面図)である。 1つの液体供給口に対する2つの液体吐出口と2つヒータとの他の配設の形態を示す図である。 本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドのノズル部分の概略平面図である。 本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。 本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。 本発明の第2実施形態の液体吐出ヘッドにおいて、図6の液体吐出ヘッドの変形例のノズル部分の概略平面図である。 本発明の他の実施形態のサーマル液体吐出方式の液体吐出ヘッドを構成する、半導体チップの表面(下面)の模式図である。 本発明の実施形態の液体吐出ヘッドを装備したプローブアレイ製造装置の全体斜視図である。 プローブアレイ製造装置の動作説明用の平面図である。 液体吐出ヘッドの下面図である。 複数の半導体チップを基板の取り付け孔に挿入して液体吐出ヘッドを製作するときの斜視図である。 サーマル液体吐出方式の従来の液体吐出ヘッドを構成する、半導体チップの表面(下面)の模式図である。 図15中、符号Aで指示した丸で囲んだ液体吐出口近傍部分の拡大図である。 図16中、B―B矢視断面図である。 図15に示した半導体チップの裏面(上面)の模式図である。
符号の説明
L1 対角線の延長線
L2 対角線の延長線
L3 対向する2辺の中心を結ぶ中心線の延長線
L4 対向する2辺の中心を結ぶ中心線の延長線
L5 対角線の延長線
L6 対角線の延長線
101 シリコン基板
102a,202a,302a,402a,502a,602a,702a 主ヒータ(吐出手段)
102b,202b,302b,402b,402c,402d,502b,502c,502d,602b,602c,602d,702b,702c 予備ヒータ(吐出手段)
103 第1の配線
104 第2の配線
106a,206a,306a,406a,506a,606a,706a 主液体吐出口(液体吐出口)
106b,206b,306b,406b,406c,406d,506b,506c,506d,606b,606c,606d,706b,706c 予備液体吐出口(液体吐出口)
107,207,307,407,507,607,707 流路(流路部)
108 液体供給口
108a,108b,108c,108d 辺
108e,108f,108d,108h,108g 角
108Z 液体供給口の中心
112,212,312 ノズル板
113、213,313 ノズル
121,221,321,421,521,621,721 液体吐出ヘッド
122,222,322,422,522,622,722 半導体チップ
122a 表面
131 プローブアレイ製造装置(液体吐出装置)
135 プローブ溶液供給ユニット(液体供給手段)
139 プローブ溶液貯留部
140 液体吐出ユニット
142 担体(被吐出体)
161 発光素子(吐出検知手段)
162 受光素子(吐出検知手段)
163,463 吐出制御手段
164,464 不吐出記憶手段
165,465 表示部
461a,461b,461d 発光素子(吐出検知手段)
462a,462b,462d 受光素子(吐出検知手段)

Claims (10)

  1. 液体が供給される液体供給口と、
    前記液体が吐出される複数の液体吐出口と、
    前記液体供給口と前記液体吐出口とを接続して前記液体が通過する流路部と、
    前記各液体吐出口に対応して設けられて、前記流路部内の前記液体に吐出エネルギを与えて前記対応する液体吐出口から前記液体を吐出させる複数の吐出手段と、
    前記複数の吐出手段を選択的に作動させる吐出制御手段と、
    前記液体吐出口から前記液体が吐出されているか否かを検知する吐出検知手段と、
    前記吐出制御手段が選択した吐出手段に対応する液体吐出口から前記液体が吐出されていないことを前記吐出検知手段が検知したとき、当該液体吐出口が不吐出状態であることを記憶する不吐出記憶手段と、を備え、
    前記吐出制御手段は、前記不吐出記憶手段に記憶された不吐出状態の液体吐出口以外の液体吐出口に対応する吐出手段を吐出制御することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体供給口は、複数備えられ、前記液体供給口毎に、前記流路部と、前記複数の吐出手段と、前記複数の液体吐出口とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心から同一の距離に配設してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記液体供給口は、正多角形に形成され、前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心を点対称とした位置に配設してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の対向する辺の中心を結ぶ中心線の延長線上に配設してあることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記複数の液体吐出口は、前記液体供給口の中心を通る前記液体供給口の対角線の延長線上に配設してあることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記流路部の内壁は、前記液体供給口に沿った形状に形成されて、かつ前記内壁と前記液体供給口は、前記液体供給口の中心を点対称にして形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記流路部の内壁は、前記液体供給口の中心を中心にして円形に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記液体供給口は、シリコン基板に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 被吐出体に液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給手段と、を備え、前記液体吐出ヘッドは、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018163016A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 東芝テック株式会社 液滴分注装置

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