JP2009234113A - ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法 - Google Patents

ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009234113A
JP2009234113A JP2008084691A JP2008084691A JP2009234113A JP 2009234113 A JP2009234113 A JP 2009234113A JP 2008084691 A JP2008084691 A JP 2008084691A JP 2008084691 A JP2008084691 A JP 2008084691A JP 2009234113 A JP2009234113 A JP 2009234113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
points
nozzle
nozzles
head
droplets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008084691A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Iriguchi
明 入口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2008084691A priority Critical patent/JP2009234113A/ja
Publication of JP2009234113A publication Critical patent/JP2009234113A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 液滴不吐出及び吐出方向の曲がり等の吐出不良を正確に検出することができるヘッド不良検出装置及びその検出方法を提供する。
【解決手段】
インクジェットヘッド1は、ホルダ51に保持され、検査体52の検査面52aにノズル22からインク滴を吐出する。インクジェットヘッド1と検査体52とを相対移動して、ノズル22から吐出した複数のインク滴が検査面52a上で一部ずつ重なり合いながら検査面52a上の一組の電極52bを結ぶインク滴の列94を形成する。インク滴の不吐出、吐出方向の曲がりにより、インク滴の列94が切れていることを、一組の電極52b間の電気的導通状態により検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性を有する液滴をノズルから吐出するヘッドの不良を検出するヘッド不良検出装置に関する。
液滴吐出ヘッドとして例えばインクを印字用紙に向け吐出するインクヘッドヘッドがある。このインクジェットヘッドの吐出方向の曲がり、しぶき、不吐出等の吐出不良を検出する従来の方法として種々の方法がある。そのうちの第1の方法として、インクジェットヘッドにより所定のテストパターンを印字用紙に印字し、印字用紙上で白すじ及び縞状の濃度むら(バンディング)が発生していないかを目視確認もしくは画像処理装置の画像を分析して検出する方法がある。また第2の方法として、特許文献1に示されているように、各ノズルに対応するキャッピング機構内に、各ノズルから数十から数百発のインク滴を吐出し、通常のインクに導電性があることを利用して、キャッピング機構内のインクの有無を電極状のインク検知センサによって検出する方法がある。
第3の方法として、特許文献2に示されているような格子状に張り巡らせた配線から成る電極に向ってインクを吐出し、電極にインクが着弾した際の電極の電圧変化を検出し、この検出結果に基づいて吐出不良の有無を検出する方法がある。さらに第3の方法について詳しく説明すると、ノズルを、縦横に配置された配線の交点に対向して配置し、その状態でノズルから前記交点に向かってインクを吐出させる。ノズルから吐出されたインクは、ノズルの先端に連なったままその先端を電極に接触させる。これによりノズルの先端と電極との間に、これらを連結するインク柱が形成される。インクジェットヘッドには、ノズルに連なる流路にフィルタが設けられており、このフィルタと電極とが電圧検知器を介して電気的に接続されている。そのためインク柱が形成されると、フィルタと前記交点を形成する2つの配線との間がインク柱によって導通し、ノズルから正常に吐出されたことを検出することができる。さらに第3の方法では、前記交点に着弾すべくインク柱が前記交点に対し上下左右にずれて着弾した場合、前記交点を形成する2つの配線とは異なる配線に電流が流れる。この電流が流れた配線の位置によって吐出方向の曲がりも検出することができる。
特開2003−182115号公報 特開2004−142198号公報
第1の方法では、目視又は画像処理装置による分析であるため、白すじ及びバンディングを見落とすおそれがあり、判断ミスが生じやすい。特に黄色等の淡い色のインクは目視しにくく、見落とすおそれがさらに高くなる。
第2の方法では、インクの不吐出を検出することができるものの、吐出方向の曲がりを検出することができない。またノズル毎にインクを回収する回収機構が必要となり、その構成は複雑である。またノズル間隔は極めて狭く、その間隔にあわせて回収機構を構成することは大変困難である。
第3の方法では、インク柱がノズルの先端と電極との間に形成されることでインクの欠陥を検出するが、このインク柱が形成されている時間は、わずか数十μsec程度である。そのためこの方法で検出する際、かなり高い分解能(電圧の計測間隔が短く、正確な電圧値を測定できる)を有する電圧検知装置を使用しなければ、吐出不良を見落とすおそれがある。また、ノズル間隔に対応して高密度に配線を行うのは非常に高価になる。
本発明の目的は、液滴不吐出及び吐出方向の曲がり等の吐出不良を正確に検出することができるヘッド不良検出装置及びその検出方法を提供することである。
本発明のヘッド不良検出装置は、導電性を有する液滴をノズルから吐出するヘッドの不良を検出するヘッド不良検出装置であって、前記ヘッドを保持するホルダと、前記ノズルから吐出された液滴を着弾させる検査面を有する検査体と、前記ホルダ及び前記検査体のうち少なくとも一方を移動させて、前記検査体の検査面に対する前記ノズルの位置を前記検査面と平行な面内において変えるノズル位置変更手段と、前記ホルダに保持された前記ヘッドのノズルからの液滴の吐出と前記ノズル位置変更手段の駆動とを制御する制御手段であって、前記ノズルから吐出した複数の液滴が前記検査面上の二点間の各位置に着弾したとき、その液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列を形成するように前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから複数の液滴を吐出させる制御手段と前記二点間の電気的導通の可否を検出する導通検出手段とを備えるものである。
本発明に従えば、検査面上の二点間の各位置に向けヘッドのノズルから複数の液滴を吐出する。正常に液滴が吐出された場合、液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列が形成され、二点間が電気的に導通する状態となる。このときインク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良があれば、前記液滴列において隣接する液滴が互いに重なり合わない部分が生じる。これによって液滴列が分断されてしまい、前記二点間が電気的に導通しない。その故、導通検出手段により前記二点間の電気的導通の可否を検出することによって、インク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良を正確に検出することができる。
上記発明においては、前記ヘッドは、前記ノズルを複数有するものであり、前記制御手段は、前記二点間の各位置を、複数の部分に分け、それぞれの部分を前記各ノズルで分担させ、前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから前記液滴を吐出させるように構成することが好ましい。
本発明に従えば、前記二点を結ぶ液滴列を複数の部分に分け、それぞれの部分を各ノズルで分担させる。例えば図5に示すように、液滴列を適数の液滴おきに分け、各吐出の間でノズルと前記検査面とを相対移動して各液滴を重ねることで液滴列を形成する。あるいは図9、図10に示すように二点間を複数の区間に分け、液滴列を複数の部分のつなぎ合わせにより形成する。さらに図14に示すように各ノズルで1つずつ互いに重ねながら吐出して液滴列を形成する。このとき何れかのノズルにおいてインク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良があれば、前記液滴列の一部分が他の部分に重ならない事態が生じ、二点間が電気的に導通しない。これを導通検出手段により検出することによって、ノズルを複数有するヘッドにおいて何れかのノズルに吐出不良が生じていることを早期に検出することができる。
上記発明においては、前記複数のノズルは、前記二点を直線で結ぶ方向と略直交する方向に見て前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいて前記ヘッドに配置されており、前記制御手段は、前記複数のノズルから液滴を、前記二点間の前記検査面上に前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいた各位置に向け吐出させ、その後、前記ノズルと前記検査面とを前記二点を直線で結ぶ方向に相対移動させ、前記各位置間の位置であって、その位置に液滴が着弾したときに先に前記位置に着弾した液滴と一部重なる前記各位置間の位置に向け液滴を吐出させるように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図5に示すように、複数のノズルにより複数の液滴91、91・・・間隔をおいて形成し、ノズルと検査面とを前記二点を結ぶ方向に相対移動して先に吐出した液滴間にさらに液滴92、92・・・を吐出することで、正常に各吐出が行われた場合、連続した液滴列を形成することができる。これにより、複数のノズルの間隔が、液滴を重ねることができない大きさであっても、ノズルを複数有するヘッドにおいて何れかのノズルに吐出不良が生じていることを早期に検出することができる。この場合、最先に吐出した液滴間を接続するために、上記の相対移動と液適の吐出とを複数回行うこともできる。
上記発明においては、前記複数のノズルは、前記二点を直線で結ぶ方向に対し傾斜した列状に配置し、かつ前記二点を直線で結ぶ方向と略直交する方向に見て隣接するノズルとほぼ接するか互いに重なり合うように前記ヘッドに配置されており、前記制御手段は、前記検査面上の前記二点間の各位置に前記各ノズルを順次対向させ、前記二点間の各位置に向け前記各ノズルから液滴を順次吐出させるように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図14に示すように、前記二点を直線で結ぶ方向に対し傾斜して配列したノズルを、前記二点間の各位置に順次対向させながら液滴を吐出させることで、正常に各吐出が行われた場合、各液滴が互いに重なり合って前記二点間を結ぶ液滴列を形成することができる。つまり、前記傾斜方向において複数のノズルの間隔が、液滴を重ねることができない大きさであっても、何れかのノズルに吐出不良が生じていることを正確に検出することができる。
上記発明においては、前記ヘッドは、前記複数のノズルからなるノズル列を、複数列有し、前記制御手段は、前記複数のノズル列からそれぞれ異なる二点間の各位置に向けて液滴を吐出させるように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図5に示すように、ノズル列毎に割り当てられた二点間に向けて液滴を吐出させ、その二点の電気的導通状態を検出することで、ノズル列毎に吐出不良を検出することができる。これによって複数のノズル列を有するヘッドにおいて何れのノズル列において吐出不良が生じているかを容易に検出することができる。
上記発明においては、前記ノズル位置変更手段は、前記二点を略直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させるものであり、前記制御手段は、前記ノズル位置変更手段により1つの前記ノズルを前記二点間の前記検査面に対向配置し、前記ノズルを前記検査面上に前記二点を略直線で結ぶ方向に相対移動させながら、1つの前記ノズルから前記二点間の各位置に向け複数の液滴を順次吐出させるように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図7に示すように、ノズル位置変更手段でノズルと検査面とを相対移動させながらノズルから液滴を吐出することで、正常に各吐出が行われた場合、1つのノズルから吐出された複数の液滴を互いに重ねながら二点を直線で結ぶ方向に並べて検査面上の二点間に液滴列を形成することができる。これにより、前述と同様の不吐出及び吐出方向の曲がり等の吐出不良だけでなく、1つのノズルから順次吐出したときに、前回の吐出による残留振動などの影響で不吐出及び吐出方向の曲がり等を生じているかどうかを検出することができる。また、図8に示すように、前回吐出した液滴の吐出速度に対して、それに続く液滴の吐出速度が所定値以上遅いとき、両液滴が重なり合わないため、両液滴に所定値以上の吐出速度があることを検出することができる。
上記発明においては、前記ヘッドは、前記ヘッドと前記検査体とが相対移動する方向と直交する方向に間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有し、前記二点は、相対移動方向と直交する方向に複数組あり、前記制御手段は、前記ノズルのうち1つのノズルからの液滴の吐出を、前記複数組の二点のうち一組の二点に対して行い、他の1つのノズルからの液滴の吐出を、他の組の二点に対して行うように前記ノズルからの液滴吐出及びノズル位置変更手段を制御するように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図7に示すように、複数のノズルについて、上記のようにそれぞれのノズルから順次吐出したときの不良を同時に検出することができる。この場合、すべてのノズルについて同時に検出を行うのではなく、適数個置きなど複数回に分けて行うこともできる。
上記発明においては、前記ノズル位置変更手段は、前記二点を略直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させる移動機構と、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに相対回転させる回転機構とを有し、前記制御手段は、前記移動機構により前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて前記二点を直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成し、前記回転機構により、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させた状態で、前記二点を結ぶ方向の少なくとも残りの部分を、前記移動機構により前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて少なくとも残りの部分の液滴列を形成するように前記ノズルからの液滴吐出及びノズル位置変更手段を制御するように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図15に示すように、前記二点を直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成した後、前記回転機構により前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させ、その後液滴列の少なくとも残りの部分を形成する。このように前記ノズルと前記検査面とを略180度相対回転させると、吐出方向の曲がり等により検査面上の液滴の着弾位置がノズルの中心から偏倚している場合、前記相対回転前後に形成された液滴列の各部が互いに重なり合わない。そのため二点間が電気的導通していないことを検出することで、ノズルからの吐出方向に曲がりがあることを検出することができる。
上記発明においては、前記ノズル位置変更手段は、互いに直交する二方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させるものであり、前記ヘッドは、間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有するものであり、前記二点間の各位置を複数に分けた前記各部分は、第1の部分と、その一端から前記第1の部分の延長方向に略平行に延在する第2の部分とを含み、前記第1の部分と第2の部分とが、前記第1の部分の延長方向と直交する方向に、前記両部分の各端部の位置に着弾した液滴が互いに一部を重ね合う量だけずれて設定されており、前記制御手段は、前記各部分の各位置に向けノズルから液滴を吐出して、前記液滴列を前記各部分に対応させて分割して形成する間において、隣接する前記第1の部分と第2の部分とに互いに異なるノズルが対応するように、前記ずれ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させることが好ましい。
例えば、液滴列をその列方向と直交する方向に一部を重ね合わせながら多数列形成するとき、複数のノズルのうち一部のノズルからの吐出方向が前記直交する方向に曲がっていると、列間の間隔が不均一になり、縞状の濃度むら(バンディング)を生じる。本発明に従えば、例えば図9、図10に示すように、二点間の各位置を複数に分けその第1の部分に略沿って、1つのノズルによって液滴列の一部分を形成し、第1の部分の延長方向と直交する方向にずれた位置から第2の部分に略沿って、他の1つのノズルによって液滴列の続き部分を形成する。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の両部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点間を電気的に導通させることになる。両ノズルのうち一方から吐出方向の曲がりを生じていた場合、液滴列の両部分間に隙間ができ、二点間が電気的に導通しなくなる。これにより、多数列の液滴列を形成したとき、バンディングが発生するかどうかを検出することができる。
上記発明においては、前記二点は、前記第1及び第2の部分の略延長方向に離間され、前記第1及び第2の部分が、その各部分の延長方向と略直交する方向に相互にずれながら前記二点を結ぶ方向に略平行に並べられて設定されているように構成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図9に示すように、二点間を結ぶ方向に、第1及び第2の部分に略沿って1つの液滴列の各々の部分が形成され、その液滴列の複数の部分は、その延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられる。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の各部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点間を電気的に導通させることになる。ノズルからの吐出方向に曲がりが生じていた場合、連続性が途切れ、これによってバンディングの発生を検出することができる。
上記発明においては、前記二点は、前記第1及び第2の部分の略延長方向と略直交する方向に離間され、前記第1及び第2の部分が、前記二点から、それぞれその二点を結ぶ方向と略直交する方向に延長され、かつその延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられ、前記二点から離れた端部において相互に繋げられるように設定されていることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図10に示すように、二点から、それぞれその二点を結ぶ方向と略直交する方向に、第1及び第2の部分に略沿って1つの液滴列の各々の部分が形成される。その液滴列の複数の部分は、その延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられる。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の各部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点から離れた端部において相互に繋げられ、二点間を電気的に導通させることになる。ノズルからの吐出方向に曲がりが生じていた場合、連続性が途切れ、これによってバンディングの発生を検出することができる。
上記発明においては、前記第1の部分と第2の部分との前記ずれ量は、前記複数のノズルの配列ピッチの整数倍に、液滴径のよりも小さい量を加算または減算した量であることが好ましい。
本発明に従えば、1つのノズルから正常に吐出させた液滴により形成された液滴列の1つの部分に、他のノズルから正常に吐出させた液滴により形成された液滴列の他の部分を、ずらして重ねることを実現することができる。
上記発明においては、前記二点は、前記ノズルの配列方向に、そのノズルの配列ピッチと同等もしくはそれ以上の間隔をおいて複数組あり、前記制御手段は、前記各組の二点に対して、それぞれ異なるノズルの組み合わせで液滴の吐出を行うように構成することが好ましい。本発明に従えば、各組の二点に対し各々ノズルから液滴吐出が行われ、複数のノズルのバンディング検出を同時に行うことができる。
上記発明においては、前記検査体は、前記二点において一対の電極を前記検査面に露出して備え、前記導通検出手段は、前記一対の電極間の電気的導通の可否を検出するように構成することが好ましい。本発明に従えば、一対の電極を結ぶように液滴を吐出することで、二点間を結ぶ液滴列の電気的導通状態を検出することができる。
上記発明においては、前記検査体の検査面は、検査面上の液滴の接触角が20度以上80度以下になるように構成されていることが好ましい。
本発明に従えば、検査面上の液滴の接触角は、20度以上80度以下になる。これによって検査面上に吐出された液滴が過度に広がって他の液滴に一部重なり合うことを抑制し、また液滴が検査面上に定着せず転がって他の液滴に重なることを抑制できる。これらの現象を抑制することによって、より正確に吐出不良を検出することができる。
上記発明においては、前記検査体の検査面は、液滴に対して撥液性を有するコーティング剤によって形成されていることことが好ましい。
本発明に従えば、液滴に対して撥液性を有するコーティング剤で検査体の検査面が形成されているので、検出時に検査面に着弾させた液滴を容易に拭き取ることができ、次の検出時に前に吐出された液滴が検査面に付着したままになることを抑制できる。これによって検出前に着弾させた液滴の影響を受けず、正確にノズル欠陥を検出することができる。
上記発明のヘッド不良検出方法は、導電性を有する液滴をノズルから吐出するヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記ノズルから吐出した複数の液滴が前記検査面上の二点間の各位置に着弾したとき、その液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列を形成するように前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから複数の液滴を吐出させ、前記二点間の電気的導通の可否を検出する方法である。
本発明に従えば、検査面上の二点間の各位置に向けヘッドのノズルから複数の液滴を吐出する。正常に液滴が吐出された場合、液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列が形成され、二点間が電気的に導通する状態となる。このときインク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良があれば、前記液滴列において隣接する液滴が互いに重なり合わない部分が生じる。これによって液滴列が分断されてしまい、前記二点間が電気的に導通しない。その故、前記二点間の電気的導通の可否を検出することによって、インク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良を正確に検出することができる。
上記発明においては、前記ノズルを複数有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記二点間の各位置を、複数の部分に分け、それぞれの部分を前記各ノズルで分担し、前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから前記液滴を吐出させることが好ましい。
本発明に従えば、前記二点を結ぶ液滴列を複数の部分に分け、それぞれの部分を各ノズルで分担させる。例えば図5に示すように、液滴列を適数の液滴おきに分け、各吐出の間でノズルと前記検査面とを相対移動して各液滴を重ねることで液滴列を形成する。あるいは図9、図10に示すように二点間を複数の区間に分け、液滴列を複数の部分のつなぎ合わせにより形成する。さらに図14に示すように各ノズルで1つずつ互いに重ねながら吐出して液滴列を形成する。このとき何れかのノズルにおいてインク不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良があれば、前記液滴列の一部分が他の部分に重ならない事態が生じ、二点間が電気的に導通しない。従って二点間の電気的な導通状態を検出することによって、ノズルを複数有するヘッドにおいて何れかのノズルに吐出不良が生じていることを想起に検出することができる。
上記発明においては、前記複数のノズルを、前記二点間を直線で結ぶ方向と略直交する方向から見て前記二点間を直線で結ぶ方向に間隔をおいて有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記複数のノズルから液滴を、前記二点間の前記検査面上に前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいた各位置に向け吐出させ、その後、前記ノズルと前記検査面とを前記二点を直線で結ぶ方向に相対移動させ、前記各位置間の位置であって、その位置に液滴が着弾したときに先に前記位置に着弾した液滴と一部重なる前記各位置間の位置に向け液滴を吐出させることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図5に示すように、複数のノズルにより複数の液滴91、91・・・間隔をおいて形成し、ノズルと検査面とを前記二点を結ぶ方向に相対移動して先に吐出した液滴間にさらに液滴92、92・・・を吐出することで、正常に各吐出が行われた場合、連続した液滴列を形成することができる。これにより、複数のノズルの間隔が、液滴を重ねることができない大きさであっても、ノズルを複数有するヘッドにおいて何れかのノズルに吐出不良が生じていることを早期に検出することができる。この場合、最先に吐出した液滴間を接続するために、上記の相対移動と液適の吐出とを複数回行うこともできる。
上記発明においては、前記二点間を直線で結ぶ方向に対し傾斜した列状に配置し、かつ前記二点間を結ぶ方向と直交する方向から見て隣接するノズルとほぼ接するか互いに重なり合うように配置した前記複数のノズルを有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記検査面上の前記二点間の各位置に前記各ノズルを順次対向させ、前記二点間の各位置に向け前記ノズルから液滴を吐出させることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図14に示すように、前記二点を直線で結ぶ方向に対し傾斜して配列したノズルを、前記二点間の各位置に順次対向させながら液滴を吐出させることで、正常に各吐出が行われた場合、各液滴が互いに重なり合って前記二点間を結ぶ液滴列を形成することができる。つまり、前記傾斜方向において複数のノズルの間隔が、液滴を重ねることができない大きさであっても、何れかのノズルに吐出不良が生じていることを正確に検出することができる。
上記発明においては、前記複数のノズルからなるノズル列を複数列有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記複数のノズル列からそれぞれ異なる二点間の各位置に向けて液滴を吐出させることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図5に示すように、ノズル列毎に割り当てられた二点間に向けて液滴を吐出させ、その二点の電気的導通状態を検出することで、ノズル列毎に吐出不良を検出することができる。これによって複数のノズル列を有するヘッドにおいて何れのノズル列において吐出不良が生じているかを容易に検出することができる。
上記発明においては、前記二点間を直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させながら、1つの前記ノズルから前記二点間の各位置に向け液滴を順次吐出することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図7に示すように、ノズルと検査面とを相対移動させながらノズルから液滴を吐出することで、正常に各吐出が行われた場合、1つのノズルから吐出された複数の液滴を互いに重ねながら二点を直線で結ぶ方向に並べて検査面上の二点間に液滴列を形成することができる。これにより、前述と同様の不吐出及び吐出方向の曲がり等の吐出不良だけでなく、1つのノズルから順次吐出したときに、前回の吐出による残留振動などの影響で不吐出及び吐出方向の曲がり等を生じているかどうかを検出することができる。また、図8に示すように、前回吐出した液滴の吐出速度に対して、それに続く液滴の吐出速度が所定値以上遅いとき、両液滴が重なり合わないため、両液滴に所定値以上の吐出速度があることを検出することができる。
上記発明においては、前記ヘッドと前記検査体とが相対移動方向と直交する方向に間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、前記二点は、相対移動方向と直交する方向に複数組あり、前記ノズルのうち1つのノズルからの液滴の吐出を前記複数組の二点のうち一組の二点間に行い、他の1つのノズルからの液滴の吐出を他の組の二点間に行うことが好ましい。
本発明に従えば、例えば図7に示すように、複数のノズルについて、上記のようにそれぞれのノズルから順次吐出したときの不良を同時に検出することができる。この場合、すべてのノズルについて同時に検出を行うのではなく、適数個置きなど複数回に分けて行うこともできる。
上記発明においては、前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて前記二点を略直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成し、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させた状態で、前記二点を結ぶ方向の少なくとも残りの部分を、前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて少なくとも残りの部分の液滴列を形成することが好ましい。
本発明に従えば、例えば図15に示すように、前記二点を直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成した後、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させ、その後液滴列の少なくとも残りの部分を形成する。このように前記ノズルと前記検査面とを略180度相対回転させると、吐出方向の曲がり等により検査面上の液滴の着弾位置がノズルの中心から偏倚している場合、前記相対回転前後に形成された液滴列の各部が互いに重なり合わない。そのため二点間が電気的導通していないことを検出することで、ノズルからの吐出方向に曲がりがあることを検出することができる。
上記発明においては、前記二点間の各位置を複数に分けた前記各部分は、第1の部分と、その一端から前記第1の部分の延長方向に略平行に延在する第2の部分とを含み、前記第1の部分と第2の部分とが、前記第1の部分の延長方向と直交する方向に、前記両部分の各端部の位置に着弾した液滴が互いに一部を重ね合う量だけずれて設定してあり、
隣接する前記第1の部分と第2の部分の各位置に向け、互いに異なるノズルから液滴を吐出して、前記液滴列を前記各部分に対応させて分割して形成することが好ましい。 例えば、液滴列をその列方向と直交する方向に一部を重ね合わせながら多数列形成するとき、複数のノズルのうち一部のノズルからの吐出方向が前記直交する方向に曲がっていると、列間の間隔が不均一になり、縞状の濃度むら(バンディング)を生じる。本発明に従えば、例えば図9、図10に示すように、二点間の各位置を複数に分けその第1の部分に略沿って、1つのノズルによって液滴列の一部分を形成し、第1の部分の延長方向と直交する方向にずれた位置から第2の部分に略沿って、他の1つのノズルによって液滴列の続き部分を形成する。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の両部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点間を電気的に導通させることになる。両ノズルのうち一方から吐出方向の曲がりを生じていた場合、液滴列の両部分間に隙間ができ、二点間が電気的に導通しなくなる。これにより、多数列の液滴列を形成したとき、バンディングが発生するかどうかを検出することができる。
上記発明においては、前記二点を、前記複数のノズルが間隔をおいた方向と直交する方向に離間した位置とし、かつ前記第1及び第2の部分を、その各部分の延長方向と略直交する方向に相互にずれながら前記二点を結ぶ方向に略平行に並べて設定していることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図9に示すように、二点間を結ぶ方向に、第1及び第2の部分に略沿って1つの液滴列の各々の部分が形成され、その液滴列の複数の部分は、その延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられる。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の各部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点間を電気的に導通させることになる。ノズルからの吐出方向に曲がりが生じていた場合、連続性が途切れ、これによってバンディングの発生を検出することができる。
上記発明においては、前記二点を、前記第1及び第2の部分の略延長方向と略直交する方向に離間した位置とし、前記第1及び第2の部分を、前記二点から、それぞれその二点を結ぶ方向と略直交する方向に延長し、かつその延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べ、前記二点から離れた端部において相互に繋げるようにしていることが好ましい。
本発明に従えば、例えば図10に示すように、二点を結ぶ方向と略直交する方向に、第1及び第2の部分に略沿って1つの液滴列の各々の部分が形成される。その液滴列の複数の部分は、その延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられる。正常に各吐出が行われた場合、液滴列の各部分は一部を互いに重ねて階段状に連続し、二点から離れた端部において相互に繋げられ、二点間を電気的に導通させることになる。ノズルからの吐出方向に曲がりが生じていた場合、連続性が途切れ、これによってバンディングの発生を検出することができる。
上記発明においては、前記第1の部分と第2の部分との前記ずれ量は、前記複数のノズルの配列ピッチの整数倍に、液滴径のよりも小さい量を加算または減算した量であることが好ましい。
本発明に従えば、1つのノズルから正常に吐出させた液滴により形成された液滴列の1つの部分に、他のノズルから正常に吐出させた液滴により形成された液滴列の他の部分を、ずらして重ねることを実現することができる。
上記発明においては、前記二点は、前記ノズルの配列方向に、そのノズルの配列ピッチと同等もしくはそれ以上の間隔をおいて複数組あり、前記各組の二点に対して、それぞれ異なるノズルの組み合わせで液滴の吐出を行うことが好ましい。
本発明に従えば、各組の二点に対し各々ノズルから液滴吐出が行われ、複数のノズルのバンディング検出を同時に行うことができる。
本発明によれば、液滴の不吐出及び吐出方向の曲がり等のヘッドの不良を正確に検出することができる。
図面は、本発明のヘッド不良検出装置を具体化したものを示すもので、図1は、ヘッド不良検出装置50の概略を示す斜視図である。ヘッド不良検出装置50は、ノズル22から導電性を有する液滴を吐出する液滴吐出ヘッド1の不吐出及び吐出方向の曲がり等の不良を検出するための装置である。以下では、吐出すべき液体としてインクを用いる液滴吐出ヘッド1すなわちインクジェットヘッドに本発明を適用した例を説明する。まず検査対象となるインクジェットヘッド1の構造について、図2及び図3を参照しつつ簡単に説明する。
図2は、前記インクジェットヘッド1の分解斜視図である。前記インクジェットヘッド1は、下方に向って開口する複数のノズル22(図1参照)を有し、図示しないインクジェットプリンタに設けられる。そしてインクジェットヘッド1は、印字用紙等の被記録媒体と平行な面に沿って走査しながら、被記録媒体にインク滴を吐出し、走査終了ごとに走査方向と直交する方向に被記録媒体を所定量ずつ搬送することによって、被記録媒体に画像を形成する。インクジェットヘッド1は、公知の各種の構造のものを適用可能であり、この実施形態では以下に説明するように流路ユニット2と、その流路ユニット2の上面の一部の領域に重ねて接着されるアクチュエータ3とを備えている。
流路ユニット2は、図3に示すように、複数の薄いプレートを積層して形成されており、その下面に複数のノズル22を開口している。その流路ユニット2内部には、各ノズル22毎に設けた圧力室20に、公知のインク供給源から導入されたインクがマニホールド室23を介して分配され、圧力室20からノズル22に供給されるように一連のインク供給路が形成されている。複数のノズル22は、走査方向と直交する方向に延びる列をなし、かつその列は、走査方向に間隔をおいて複数ある。複数列のノズルは、同じ種類のインクを吐出するようにしても差し支えないが、ここでは、列ごとにブラック、シアン、イエロー及びマゼンダのインクをそれぞれ吐出するようにしている。
アクチュエータ3としては、圧電駆動型、静電気駆動型、発熱型等を適用できるが、本実施形態では圧電駆動型を適用し、アクチュエータ3は、全ての圧力室20にわたる大きさを有する扁平な複数の圧電セラミックス層40(例えばPZT)を積層し、その間に電極45,46を挟んだ構造を用いている。電極は、圧力室20毎に設けた個別電極46と複数の圧力室20に共通なコモン電極45とからなり、電極に電圧を印加して両電極間の圧電セラミックス層40を変位させることで、圧力室20内のインクに圧力を与え、ノズル22からインクを吐出させることができる。
また、個別電極46及びコモン電極45は、フレキシブル配線材4(図2)の電極パターンと電気的に接続され、制御部からの駆動信号が、フレキシブル配線材4を介してアクチュエータ3に入力される。
図1において、ヘッド不良検出装置50は、印字用紙に代わる検査体52とインクジェットヘッド1を相対移動させながらインクジェットヘッド1から検査体52の上面(検査面52a)にインク滴を複数吐出させ、その複数のインク滴の配列状態を検出するものである。検査体52とインクジェットヘッド1を相対移動させる、つまりノズル22と検査面52aとを相対移動させるノズル位置変更手段56は、基本的にはインクジェットプリンタとほぼ同様に、検査面52aと平行な面に沿ってインクジェットヘッド1を主走査する走査機構57と、その走査方向と直交する方向でかつ検査面52aと平行な面に沿う方向(副走査方向)に検査体52を搬送する搬送機構58とからなる。なお、後述する検出動作の態様によっては、走査機構57と搬送機構58との一方だけでもよいこともある。
走査機構57は、インクジェットヘッド1を着脱可能に保持するホルダ51を主走査方向に移動可能に支持する一対のガイドレール61,62と、そのホルダ51を主走査方向に移動させる駆動部63とを有する。駆動部63としては、公知のキャリッジ走査機構と同様に、主走査方向に掛け渡されたベルト、送りねじ、またはリニアモータなどを用いることができる。
搬送機構58は、公知の用紙搬送機構と同様に、検査体52を挟んで搬送するローラ機構、または図示のように、検査体52を載せる環状のベルト73と、そのベルトを一対のプーリ71,72によって駆動するモータ74とからなる機構などを用いることができる。
制御部55は、インクジェットヘッド1、走査機構57及び搬送機構58を制御して、検査体52上にインク滴の列を形成する。そのインク滴の列は、公知のインクジェットプリンタと同様に、予め決められたマトリックスをなす各位置にインク滴を着弾させて形成される。
マトリックスをなす各位置は、形成する画像の解像度に応じて、主走査方向には、インクジェットヘッド1に供給する吐出用の駆動信号の周期と主走査速度、副走査方向には、その副走査方向の移動量によって制御される。 検査体52は、平面視矩形の電気絶縁材料製の板状体であり、フッ素樹脂等のインクに対し撥液性を有する材料で形成されるか、その材料を上面(検査面52a)に被覆することによって形成されている。検査面52aにインク滴が着弾した際、その接触角が20度以上80度以下になるようにすることが望ましい。これにより、検査面52a上に着弾したインク滴が過度に広がったり、検査面上で定着せず転がったりすることを抑制できる。また、上記のようにコーティングされていることで、一度使用した検査体52上のインク滴を拭き取って、検査体52を再使用することもできる。第1の実施形態において、検査面52aには、副走査方向に間隔をあけて配置された電極52b−1,52b−2からなる一組の電極52bが上面に露出して形成されており、この一組の電極52bが前記主走査方向に間隔をあけて複数組形成されている。本実施の形態では、インクジェットヘッド1のノズル22の列数に対応させて4組配置されている。
これら各組の電極52bの各々は、配線53を介して導通状態検出部54に電気的に接続される。導通状態検出部54は、各組の電極52b間の導通状態を検出可能に構成されており、その検出結果を表示部59に出力する。検査体52は、電極52bをこれら導通状態検出部54、表示部59に接続した状態でヘッド不良検出装置50の外筺内に組み込まれてもよいが、検査体52を搬送機構58から取り外した後、導通状態検出部54、表示部59に接続した配線53を検査体52の電極52bに接続するようにしてもよい。後者の場合、検査体52にインク滴の吐出動作を行う本体機構部と、導通状態検出部54及び表示部59を含む検出機構部とが別々になるが、両方を併せてヘッド不良検出装置50とする。
ヘッド不良の検出のためには、インク滴が正常に吐出された場合、一組の電極52b間にそのインク滴を着弾させる必要がある。そのために、電極52bが走査方向及び搬送方向においてあらかじめ決められた位置に置かれるように、検査体52を、通常のプリンタの用紙挿入と同様にガイド(図示しない)に沿って挿入し、検査体52の先端をセンサで検出して所定位置まで搬送する。または、ホルダ51にセンサを設けて電極52bの位置を読みとり、その位置にもとづいてノズル22からのインク吐出を制御する。
図4は、第1実施形態のヘッド不良検出処理におけるフローを示すフローチャートである。まず複数のノズル22が検査面52aに対向するように、インクジェットヘッド1をホルダ51に装着する(ステップS1)。このとき、ノズル22の列は、主走査方向に直交するように配置される。
次に制御部55は、ノズル位置変更手段56を駆動して検査体52を、平面視において各組の電極52b間がインクジェットヘッド1のノズル22の主走査経路と重なる位置へ移動させる。そして、ノズル位置変更手段56及びインクジェットヘッド1を駆動することにより、ノズル22を検査面52aに対して相対移動させながら各ノズル22からインク滴を吐出させて、検査面52a上に複数のインク滴を着弾させる(ステップS2)。これら複数のインク滴は、一組の電極52b間を結ぶ線上に設定された、インク滴が着弾されるべき各位置に向けて吐出される。この各位置は、着弾したインク滴の直径よりも小さく、隣接するインク滴が互いに一部重なり合うが1つ置きのインク滴が重なり合ったり接することのないピッチpaで配列されている。つまり、インク滴は、正常に直進して吐出されたとき、一部を重ね合いながら一組の電極52b間を結ぶ列をなす。
さらに詳細に説明すると、図5に示す、各列のノズル22の副走査方向の配列ピッチpは、インク滴のピッチpaよりも大きく、ノズルから吐出したインク滴が着弾しても、そのインク滴どうしが一部重なったり接することが難しい寸法である。このため、インク滴のピッチpaをノズル22の配列ピッチpの整数分の1に設定し、一組の電極52b間の各位置を複数の部分に分け、それぞれの部分を各ノズル22で分担させ、先に着弾したインク滴に一部を重ねて他のインク滴を着弾させて、一組の電極52b間に連続したインク滴の列を形成する。
またこの実施形態ではインクジェットヘッド1が複数のノズル列を有するため、制御部55は、インクジェットヘッド1を主走査させながら、複数のノズル列のうち第1のノズル列で、複数組の電極のうち第1の組の電極52b−1a,52b−2aの間に、第2のノズル列で第2の組の電極52b−1b,52b−2bの間に、第3のノズル列で第3の組の電極52b−1c,52b−2cの間に、第4のノズル列で第4の組の電極52b−1d,52b−2dの間にそれぞれインク滴を吐出し、各組の電極間にインク滴91をピッチpに対応した間隔を置いて着弾させる。つまり、電極間に設定した複数の位置のうち適数置きの位置に、インク滴91を着弾させる。その後、制御部55は、搬送機構58により検査体52を副走査方向一方(図5において上方向に)に、前記ピッチpaだけ移動させる。そして制御部55は、さらにインクジェットヘッド1を主走査させながら、各ノズル列と対応する各組の電極間に、前回の位置と隣接する位置に向けインク滴92を吐出させ着弾させる。このとき、インク滴92は、正常に直進して吐出されたとき、既に着弾しているインク滴91と一部重なり合う。さらに同様にして、検査体52を副走査方向に移動させて、各ノズル列と対応する各組の電極間に、前回の位置と隣接する位置に向けインク滴93を吐出させ、前回のインク滴と一部重なり合わせて着弾させる。このような動作を複数回繰り返すことにより、インク滴91,92,93が互いに重なり合った列94が形成されるとともに、その列の両端が、各組の電極の両端の各電極にそれぞれ重なる。主走査の回数は、ノズルのピッチpとインク滴の重なり量とによって決めることができ、2回でもよく、また4回以上でもよい。
そして、制御部55は、導通状態検出部54に各組の電極52b間の電気的導通状態を検出させる(ステップS3)。インクは導電性を有するものであるので、例えば一組の電極52b−1aと52b−2a間、52b−1cと52b−2c間、52b−1dと52b−2d間のようにその両電極52bにわたってインク滴の列94が形成された場合、一組の電極52b間は、電気的に導通することとなる。また、一組の電極52b−1bと52b−2b間のように、インク滴の列94が、インク滴の不吐出等の吐出不良によって切断されている場合、その電極間は電気的に非導通になる。したがって導通状態検出部54により、各組の電極52bに電流を流したとき各組の電極52b間の電流の流れの可否にもとづいて、インク滴の列が連続しているか切断しているかを検出することができる。そして制御部55は、導通状態検出部54の検出結果に基づいて、各ノズル列において吐出不良の有無を検出する(ステップS4)。そして制御部55は、表示部59に前記結果を表示して検査員に知らせる。 ノズル22からのインク滴の吐出方向に曲がりが生じている場合、図6に示すようにインク滴が直進して正常に着弾した場合の位置(破線で示す)からずれた位置(実線で示す)に着弾し、インク滴の列94が切断されることになるため、図5で説明したものと同様に、電極52b間の電気的な導通、非導通で、曲がりによる吐出不良を検出することができる。この場合、着弾位置がずれてもインク滴どうしが重なり合えば、「曲がり」を検出することができないが、その場合、ずれ量は僅かであるので、画像品質において問題ない。また、インク滴が所定の体積の塊にならず微小滴となって散乱する「しぶき」でも、インク滴の列94が切断されることになるため、同様に検出することができる。
なお、一組の電極52bの間隔(図において上下方向の間隔)は、検査すべき複数のノズルで上記のように複数回走査したときに形成されるインク滴の列長さよりも、電極とインク滴とが重なる分短い距離に設定される。この検査すべき複数のノズルは、1列のノズルのすべて、あるいは、1列のノズルのうち一部のノズルであってもよい。後者の場合、一部のノズルずつ検査体52を交換して複数回に分けて全ノズルを検査することになる。
また、各組の電極53b間の主走査方向の間隔(図において左右方向の間隔)は、インクジェットヘッド1におけるノズル列間の主走査方向の間隔と一致していてもよいが、一致していなくてもよい。前者の場合、インクジェットヘッド1を主走査させなくても、検査体52との相対的な副走査のみで、インク滴の列を形成することができる。後者すなわち上記実施形態の場合、各組の電極間の間隔を余裕を持って広くできる。
電極52bは、ノズル列の数に対応して複数組ある必要はなく、少なくとも一組あればよい。
図7は、第2実施形態のヘッド不良検出処理において使用する検査体100と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。第2実施形態で用いられるヘッド不良検出装置50は、第1実施形態のヘッド不良検出装置50に対し、検査体100の構成と、それに対して着弾させるインク滴の列の形成態様が異なるだけで、他は同様である。
本実施の形態において、検査体100は、その上面である検査面100aにおいて、主走査方向に間隔をあけて配置された電極100b−1,100b−2からなる一組の電極100bを、副走査方向に間隔をあけて複数組備えている。電極100bの組間の副走査方向の間隔は、インクジェットヘッド1におけるノズル22の副走査方向のピッチpと一致させてもよいが、その整数倍としてもよい。また、電極100bの組数は、1つのノズル列に含まれる全ノズル数と同数としてもよいが、1つのノズル列のうち一部のノズル数に対応した数であってもよい。
第2実施形態のヘッド不良検出処理において、まず、検査体100を、平面視においてその電極100bがインクジェットヘッド1のノズル22の主走査経路と重なる位置へ移動させる。そして、インク滴を吐出する工程であるステップS2において、インクジェットヘッド1を主走査させながら、1つのノズル22からインク滴を吐出して、各組の電極100bのうち一方の電極100b−1上に重なる位置から他方の電極100b−2上に重なる位置まで、複数のインク滴を順次着弾させる。このとき、一組の電極100bを結ぶ線上に設定された、インク滴が着弾されるべき各位置に向け、1つのノズル22からインク滴が吐出される。この各位置は、インクジェットヘッド1をインクジェットプリンタに装着して記録動作を行うときのそれと同様に、インク滴の吐出周期及び主走査速度に応じて設定され、着弾した隣接インク滴どうしが一部重なるピッチで配列される。このピッチは、前記ピッチpaと同じでも、また異なっていてもよい。これによって、各インク滴が正常に直進して吐出された場合、インク滴の列94が、複数のインク滴を一部ずつ重なり合わせて各組の電極100b間を結ぶように形成される。
そして制御部55は、第1実施形態と同様に、導通状態検出部54により各対の電極100b間の電気的導通状態を検出し(ステップS3)、1つのノズル列の何れのノズル22において吐出不良があるのかを判断する(ステップS4)。他のノズル列においても、検査体100を交換して、同様に検査することができる。
各組の電極100bが副走査方向にノズル22のピッチpよりも大きい間隔で配置されている場合、また、電極100bの組数が1列のノズルの全数よりも少ない場合には、検査体100を交換して、残りのノズルを検査する。複数のノズル列全部を検査するために、各ノズル列に対応する複数組の電極100bを、主走査方向に間隔をおいて配置してもよく、あるいは上記のように検査体100を交換して行ってもよい。また、電極100bは複数組ある必要はなく、少なくとも一組あればよい。
この第2実施形態のヘッド不良検出処理によれば、1つのノズル22において当初から吐出不良を生じている場合だけでなく、所定周期で繰り返しインク滴を吐出したときに、残留振動等の影響で途中から吐出不良になることも検出することができる。
さらに、第2実施形態のヘッド不良検出処理によれば、図8に示すように、1つのノズル22から体積の大きい(以下「大玉」という)インク滴91aと、体積の小さい(以下「小玉」という)インク滴91bとに吐出速度に差があることを検出することができる。大玉のインク滴91aと小玉のインク滴91bとは、同じ速度で吐出されることで、前記の着弾すべき各位置に着弾するが、小玉のインク滴91bは吐出エネルギーが小さいことで吐出速度が遅くなり、着弾位置が主走査方向にずれやすい。大玉のインク滴91aは、小玉のインク滴と同じノズルを使用しても、吐出エネルギーが大きいことで着弾位置がずれにくい。
つまり、小玉のインク滴91bを大玉のインク滴91aの主走査方向下流側に隣接させて所定周期で吐出したとき、両インク滴がほぼ同じ吐出速度ならば、所定周期にほぼ対応するピッチで並び、互いに一部を重ねる。しかし、小玉のインク滴91bの吐出速度が所定値以上遅いとき、着弾位置が主走査方向にずれ、大玉のインク滴91aと小玉のインク滴91bとの間に隙間を生じる(図8において上から3番目と4番目)。
上記のように、第2実施形態のヘッド不良検出装置を使用して、インク滴の速度差による吐出不良を検出することができる。
図9は、第3実施形態のヘッド不良検出処理において使用する検査体100と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。第3実施形態のヘッド不良検出装置は、第2実施形態のヘッド不良検出装置に対し、検査体100の構成と、インク滴の列の形成態様が異なるだけで、他は同様である。
本実施の形態において、複数組の電極100bは、副走査方向において、ノズル22の副走査方向のピッチpと同一の間隔で配置され、各組の電極のうち一方の電極100b−1に対して他方の電極100b−2が、主走査方向に間隔を置きかつ副走査方向(図10の紙面下方向)に若干偏倚して配置されている。この偏倚量は、後述するように、主走査方向に形成するインク滴の列の部分の数と、副走査方向のずれ量とによって決められる。電極100bの組数は、1列のノズル数に対応していてもよいが、1列のノズルのうちの一部の数のみに対応していてもよい。
主走査方向に間隔を置いた一組の電極100b−1,100b−2間には、前記第2の実施形態と同様に、主走査方向において、吐出周期と主走査速度に対応したピッチで、インク滴が着弾すべき複数の位置が設定される。この複数の位置は、主走査方向に複数の区間E1,E2,E3,E4に分けられ、それぞれの区間の着弾すべき各位置は、区間ごとに副走査方向に順次ずれて配置される。この副走査方向のずれ量は、着弾したインク滴の直径よりも小さい量である。
第3実施形態のヘッド不良検出処理において、まず、検査体100を、平面視において各組の電極のうち一方の電極100b−1がインクジェットヘッド1のノズル22の主走査経路と重なる位置へ移動させる。そして、インク滴を吐出する工程であるステップS2において、インクジェットヘッド1を主走査させながら、ノズル22から複数のインク滴を区間E1の各着弾すべき位置に向け所定周期で吐出し、一組電極のうち一方の電極100b−1上に重なる位置から区間E1の主走査方向に沿って、インク滴の列94のうち途中までの部分である第1部分94Dを形成する。次に制御部55は、搬送機構58により検査体100を副走査方向一方に所定の移動量L1移動させる。このときの所定の移動量L1は、ノズル22の配列ピッチpの整数倍(本実施形態では2倍)に前記ずれ量、すなわちインク滴の直径よりも小さい値を加算(又は減算した)量である。
その後、再びインクジェットヘッド1を主走査させながら区間E2の各着弾すべき位置に向けインク滴を吐出する。このとき使用するノズル22は、第1の部分94Dで使用したノズルから前記L1のうちのピッチpの整数倍に相当する距離だけ離れたノズルである。区間E2の主走査方向に沿って、インク滴の列94のうちの一部分である第2部分94Eが、第1の部分94Dに対してその延長方向と直交する方向に、前記量だけずれて、第1の部分94Dの延長方向と平行に形成されることになる。
このように、主走査方向の各区間E1,E2,E3,E4に沿ってインク滴列の各部分94D,94E,94F,94Gを形成する間において、検査体100を副走査方向一方に所定の移動量L1移動させることで、各ノズルからインク滴が正常に直進して吐出されている場合、階段状に連続した1つのインク滴の列94が形成される。そのインク滴の列94において、各部分94D,94E,94F,94Gではそれぞれインク滴が一部を重ね合わせながら列をなし、また各部分94D,94E,94F,94Gどうしも、隣接する端部において副走査方向にインク滴の一部を重ね合わせている。したがって、インク滴の列94は、両端を電極100b−1,100b−2に重ねてその両電極間にわたって形成され、両電極間を電気的に導通させる。
1つのインク滴の列94の各部分94D,94E,94F,94Gは、1つのノズル列中のそれぞれ異なるノズル22を使用されている。このため、複数のノズルのうち一部のノズルからのインクの吐出方向が副走査方向に曲がり、例えば図9にハッチングを入れて示したインク滴91cのように副走査方向にずれて着弾し、隣接する他のノズルから吐出したインク滴は正常に直進している場合、図9の領域Xに示すように隣接する一方の側のインク滴の列94との間に大きな隙間が形成され、他方の側のインク滴の列94との間は詰まる。この隙間の不均一が印字用紙等の被記録媒体にベタ印字(すなわちインク滴の列を副走査方向に一部重ねて多数列形成)したときにバンディングとして現れることとなる。
このように、一部のノズルからのインク滴の吐出方向が曲がると、着弾状態において階段状に連続するはずの部分で、正常に直進吐出されたインク滴の列と隙間を生じ、一組の電極100b間が電気的に導通しないことになる。吐出方向の曲がりだけでなく、不吐出も同様に検出できる。制御部55は、この非導通の検出結果を受けて、一部のノズル22に吐出不良が生じていると判断する。
また、複数組の電極に対してインク滴の列94を形成するノズル22の組み合わせはそれぞれ異なっている。例えば、図9において一番上の電極組100b−1,100b−2に対してはノズル列中の上から7番目、5番目、3番目、1番目のノズル22が使用され、上から7番目の電極100b−1,100b−2組に対しては13番目、11番目、9番目、7番目のノズル22が使用される。これにより、着弾位置のずれ方向次第で、上から7番目の電極組のように電気的に導通してしまうものがあっても、他の電極組で検出することができる。
図10は、第4実施形態のヘッド不良検出処理に使用される検査体110と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。第4実施形態のヘッド不良検出装置は、第2実施形態のヘッド不良検出装置に対し、検査体110の構成と、インク滴の列の形成態様が異なるだけで、他は同様である。
本実施形態の検査体110上において一組の電極110bは、副走査方向に間隔をあけて配置された電極110b−1,110b−2からなる。電極110bは少なくとも一組あればよいが、図では、主走査方向に間隔をあけ且つ副走査方向にずれた位置と、副走査方向に離れた位置とに交互にすなわち千鳥状に複数組並べられている。
主走査方向において、インク滴が着弾すべき複数の位置は、前記実施形態と同様に、主走査方向に複数の区間E1,E2,E3,E4に分けられ、それぞれの区間の着弾すべき各位置は、区間ごとに副走査方向に順次ずれて配置される。この副走査方向のずれ量は、着弾したインク滴の直径よりも小さい量である。さらに、本実施形態では、一組の各電極110b−1,110b−2からそれぞれ各区間の着弾すべき各位置が主走査方向に延び、かつ相互に近づく方向に順次ずれ、各電極110b−1,110b−2から離れた端部において相互に繋げられている。つまり、インク滴の列94は、これに沿って、一方の電極から主走査方向に延びて他方の電極へ戻るUまたはV字状に形成される。
一組の電極110b−1,110b−2の副走査方向の間隔は、主走査方向に形成するインク滴の列の部分の数と、副走査方向のずれ量とによって決められる。V字状のインク滴の列94は、主走査方向に延びる複数(例えば8)の部分に分割されており、これらの部分(以下、各々の部分を「第1乃至第8部分94H〜O」という)を副走査方向にずらして重ね合わせながら形成されものである。制御部55は、このV字状のインク滴の列94の形成を1つのノズル列30によって行わせている。その制御方法について以下に説明する。
まず、図11に示すように、検査体110を、平面視において一組の電極100bのうち一方の電極110b−1がインクジェットヘッド1のうち1つのノズル22−7、22−9,22−11,22−13の主走査経路と重なる位置へ移動させる。なお、図においてノズル22−nのnは、1つのノズル列の端から順につけたものである。インク滴を吐出する工程であるステップS2において、インクジェットヘッド1を図において左から右へ主走査しながら、複数のインク滴を順次吐出させ、電極に対応したノズル22−7、22−11により、区間E1において左側の電極組の一方の電極110b−1と重なった位置から区間E1の各位置に向けインク滴を吐出し、インク滴の列の第1の部分94H−1を主走査方向に形成する。それと並行して、二組の電極100bの間に対応するノズル22−6により、電極に重ならないが、同様にインク滴の列の第5の部分94L−2を形成する。
さらにその走査の続きにおいて、ノズル22−9、22−13により、図において右側の電極組の一方の電極110b−1の手前の区間E4の各位置に向けインク滴を吐出し、インク滴の列の第1の部分94H−2を、その電極110b−1に終端を重ねて形成する。それと並行して、ノズル22−8、22−12により、電極に重ならないインク滴の列の第5の部分94L−1を形成する。
なお、千鳥状に配置された複数組の電極110bのうち図面の上部2組に対してインク滴の列に符号を付して説明するが、他の組の電極に対しても、図において左側にある組どうし、右側にある組どうしそれぞれ同様にインク滴の列が形成される。
その後、インクジェットヘッド1を上記主走査と逆方向に戻し、検査体110を副走査方向一方に所定の移動量L2移動させる。このときの所定の移動量L2は、ノズル22の配列ピッチpの整数倍(本実施形態では、2倍)にインク滴の直径よりも小さい値を加算(または減算)した量である。そして図12に示すように、インクジェットヘッド1を区間E1の部分を形成したときと同方向に主走査させながら、区間E2の各位置に向けインク滴を吐出し、インク滴の列94の第2部分94I−1及び第6部分94M−2を形成する。このとき使用するノズルは、部分94H−1、94L−2を形成したノズルから前記L2のうちのピッチpの整数倍に相当する距離だけ離れたノズル22−5、22−8、22−9である。以下同様に、L2の移動後、使用するノズルは、インク滴列のうち隣接する部分に使用したノズルから同距離だけ離れたノズルである。
さらにその走査の続きにおいて、ノズル22−6、22−7、22−10、22−11により区間E3にインク滴の列94の第2部分94I−2及び第6部分94M−1を形成する。
その後、インクジェットヘッド1を上記主走査と逆方向に戻し、検査体110を副走査方向一方に所定の移動量L2移動させる。そして図13に示すように、インクジェットヘッド1を区間E1の部分を形成したときと同方向に主走査させながら、ノズル22−4、22−5、22−8、22−9により、区間E2にインク滴の列94の第3部分94J−2及び第7部分94N−1を形成する。さらにその走査の続きにおいて、ノズル22−3、22−6、22−7により区間E3にインク滴の列94の第3部分94J−1及び第7部分94N−2を形成する。
同様の手順により、インクジェットヘッド1を上記主走査と逆方向に戻し、検査体110を副走査方向一方に所定の移動量L2移動させる。そして、インクジェットヘッド1を区間E1の部分を形成したときと同方向に主走査させながら、ノズル22−2、22−3、22−6により、区間E1にインク滴の列94の第4部分94K−2及び第8部分94O−1(図13の破線参照)を形成する。さらにその走査の続きにおいて、ノズル22−1、22−4、22−5により、区間E4にインク滴の列94の第4部分94K−1及び第8部分94O−2(図13の破線参照)を形成する。第4部分94K−1は、一端を区間3の第3部分94N−1と、またその長さ方向にわたって区間4の第5部分94L−1とそれぞれ副走査方向他方に若干ずれて一部重なり合うように形成される。第8部分94O−2は、一端を区間3の第3部分94N−2と、また他端を電極110b−2に重なり合うように形成される。
このようにして各ノズルからインク滴が直進して吐出され正常に着弾したとき、インク滴の列94を構成する各部分において、複数のインク滴は主走査方向に一部を相互に重ね合い、さらに、各部分どうし副走査方向にずれて一部を相互に重ね合うことになる。それによって
一組の電極110b−1、110b−2間を結ぶV字状のインク列94が形成され(図10において上方の一組の電極参照)、その電極間を電気的に導通させる。
例えばノズル22−9からのインク滴の吐出方向が副走査方向一方(図において上方)に曲がっている場合、上から2組目の電極110bでのインク滴の列において、着弾したインク滴(図にハッチングを付して示す)94H−2は上方へ偏倚し、上から3組目の電極110bでのインク滴の列において、着弾したインク滴94I−1は上方へ偏倚し、それと隣接する位置へ正常に直進して着弾したインク滴94I−2、インク滴94J−1と、隙間を生じる。これによって導通状態検出部54では上から2組目、3組目の電極100b間が導通しないことが検出され、制御部55は、この検出結果を受けて、ノズル列30の何れかのノズル22において吐出不良が生じていると判断する。
なお、前記第3実施形態、第4実施形態において、インクジェットヘッド1が主走査をする途中で、検査体100を距離L1、L2だけ移動させて、インク滴を重ねることは困難なので、実際には、インクジェットヘッド1をインク滴の列の各部分以上の範囲で走査させ、各走査と走査の間で検査体100を移動させることが好ましい。また、インクジェットヘッド1の往走査と復走査とでそれぞれインク滴の列の各部分を分担して形成することもできる。さらに、インク滴の列の各部分において互いに隣接する端部(例えば、部分94H−1の右端のインク滴と、部分94I−1の左端のインク滴)は、主走査方向において同じ位置に形成することもできる。
図14(a)は、第5実施形態のヘッド不良検出処理において用いられるインクジェットヘッド1Aの底面図を示す。 インクジェットヘッド1Aは、複数のノズル22を主走査方向に対して傾斜した線上に配置して備えている。主走査方向に見て、互いに隣接するノズル22は一部を重なり合うかほぼ接するように位置している。電極52b−1、52b−2は、第1実施形態(図5)と同様に、副走査方向に間隔を置いている。この電極52b−1、52b−2間を結ぶ線上に、複数のノズル22の副走査方向のピッチと対応する間隔で、インク滴が着弾されるべき複数の位置が設定される。つまり、インク滴が着弾されるべき複数の位置は、各ノズル22で分担している
インクジェットヘッド1Aを主走査させて電極52b−1、52b−2間の前記各位置に各ノズル22を順次対向させ、各ノズル22から前記各位置に向けインク滴を順次吐出させる。各インク滴がノズルから正常に直進して吐出された場合、図14(b)のように、電極52b−1、52b−2間を結ぶインク滴の列94を形成することができる。複数のノズルのいずれかからインク滴の不吐出、吐出方向の曲がりなど吐出不良があると、インク滴の列94が切れ、電極52b−1、52b−2間が電気的に非道通になることは、前記各実施形態と同様である。
インクジェットヘッド1Aにおいて複数のノズル22は、傾斜した線分を複数つなげたジグザグ状に配置してあっても差し支えない。また、ノズル22は複数列あって、それぞれの列に対応した電極の組を図5のように複数組設けてもよい。
第6実施形態のヘッド不良検出装置50は、図1に基づいて説明する。このヘッド不良検出装置50は、第1実施形態のヘッド不良検出装置において、インクジェットヘッド1と検査体52とを、ノズル22の中心を通りかつ検査面52aに直交する軸線のまわりに相対回転させる回転機構120を有する。回転機構120は、ホルダ51に、上下方向に伸延する軸線の周りに回転可能に支持された回転台121と、その回転基台121を回転操作する駆動部122を有する。回転台121には、検査すべきインクジェットヘッド1が着脱可能に取り付けられる。駆動部122は、インクジェットヘッド1のノズルが設けられた面を、1つのノズルの中心を通りかつ検査面52aに直交する軸線のまわりに略180度回転させるものであり、回転機構用モータまたは手動回転用の把手など任意の回転手段を用いることができる。
上記ヘッド不良検出装置の1つの使用態様は、図15(a)で説明するように、ノズル22からの吐出方向が副走査方向に曲がっているかどうかを検出する。同図に示すように、第2実施形態(図7)と同様の主走査方向に間隔を置いた電極100b−1、100b−2を有する検査体を用いる。インクジェットヘッド1は、検査すべき1つのノズル22の中心22Cを回転基台121の回転中心と一致させて、回転基台121に取り付けられる。検査すべき1つのノズル22は、平面視において電極100b−1、100b−2間を結ぶ線またはその延長線上に配置される。
第2実施形態と同様に、電極100b−1、100b−2間には、インク滴の吐出周期と主走査速度に応じて、着弾した隣接インク滴どうしが一部重なるピッチで、インク滴の着弾すべき位置が設定される。インクジェットヘッド1を主走査させながら上記検査すべきノズルからインク滴を電極100b−1、100b−2間の前記各位置に向け吐出し、一方の電極100b−1と重なる位置から他方の電極100b−2へ向けインク滴の列94の第1部分94Pを形成する。両電極100b−1、100b−2間の位置で、インク滴の吐出を中止し、インクジェットヘッド1を一旦上記主走査と逆方向に戻す。
その後、インクジェットヘッド1を、上記検査すべきノズル22の中心22Cのまわりに180度回転させ、再びインクジェットヘッド1を上記と同じ方向に主走査させ、第1部分94Pの他方の電極100b−2側の先端のインク滴94P−1と同じ位置またはその続き位置からインク滴の列94の第2部分94Qを、他方の電極100b−2と重なる位置まで形成する。両部分94P、94Qとも、各インク滴が一部を互いに重ねているのは、前記各実施形態と同様である。
上記検査すべきノズル22からのインク滴の吐出方向がほぼ直進しているならば、2つの部分94P、94Qは、互いに先端のインク滴94P−1、94Q−1を重ねて略一直線を形成し、両電極100b−1、100b−2間を電気的に導通させる。インク滴の吐出方向が副走査方向に曲がっていても、ノズルの中心22Cからインク滴の半径以内に着弾すれば、両電極100b−1、100b−2間が電気的に導通するが、この場合2つの部分94P、94Qのずれ量は僅かであるので実用上問題ない。しかし、インク滴の着弾位置が上記方向にノズルの中心22Cからインク滴の半径以上ずれると、図15(a)に示すように、2つの部分94P、94Qの先端のインク滴94P−1、94Q−1は重なり合わない。したがって両電極100b−1、100b−2間は電気的に非導通となり、ノズル22からの吐出方向が副走査方向に曲がっていることが検出できる。
上記ヘッド不良検出装置の他の使用態様は、図15(b)で説明するように、ノズル22からの吐出方向が主走査方向に曲がっているかどうかを検出する。同図に示すように、第1実施形態と同様の副走査方向に間隔を置いた電極52b−1、52b−2を有する検査体を用いる。インクジェットヘッド1は、検査すべき1つのノズル22の中心22Cを回転基台121の回転中心と一致させて、回転基台121に取り付けられる。
第1実施形態と同様に、両電極52b−1、52b−2間に、着弾したインク滴の直径よりも小さいピッチpaで、インク滴の着弾すべき複数の位置が設定される。そして、検査すべきノズルからインク滴を両電極間の前記位置に向け吐出し、各吐出ごとに、検査体をピッチpaずつ移動し、副走査方向にインク滴を重ねながらインク滴の列94の第1部分94Sを形成する。
その第1部分94Sを、一方の電極52b−1と重なる位置から他方の電極52b−2へ向け形成し、両電極52b−1、52b−2間の略中間位置で、インク滴の吐出を一旦中止し、インクジェットヘッド1を、上記検査すべきノズル22の中心22Cのまわりに180度回転させる。そして第1部分94Sの他方の電極52b−2側の先端のインク滴94S−1と同じ位置またはその続き位置から、インク滴を吐出するごとに検査体をピッチpaずつ移動して、インク滴の列94の第2部分94Tを、他方の電極52b−2と重なる位置まで形成する。
上記検査すべきノズル22からの吐出方向がほぼ直進しているならば、2つの部分94S、94Tは、互いに先端のインク滴94S−1、94T−1を重ねて略一直線を形成し、両電極52b−1、52b−2間を電気的に導通させる。インク滴の吐出方向が副走査方向に曲がっていても、ノズルの中心22Cからインク滴の半径以内に着弾すれば、両電極52b−1、52b−2間が電気的に導通するが、この場合2つの部分94S、94Tのずれ量は僅かであるので実用上問題ない。しかし、インク滴の着弾位置が上記方向にノズルの中心22Cからインク滴の半径以上ずれると、図15(b)に示すように、2つの部分94S、94Tの先端のインク滴94S−1、94T−1は重なり合わない。したがって両電極52b−1、52b−2間は電気的に非導通となり、ノズル22からの吐出方向が主走査方向に曲がっていることが検出できる。 第1乃至第6実施形態では、検査体に電極52b,100b,110bが設けられているが、検査体上の電極52b,100b,110bを省略し、検査体上に形成したインク滴の列94の一端及び他端に一組のプローブを当てこの一組のプローブ間に電流が流れるか否かを検出してもよい。
さらに、主走査においてインクジェットヘッドを移動させているが、検査体を移動させてもよい。また副走査において検査体を移動させているが、インクジェットヘッドを移動させてもよい。回転機構120も、インクジェットヘッドと検査体とのいずれを回転させるものであってもよい。
なお、前述した各実施形態は、本発明をインクジェットに適用したものであるが、インク以外の液体、例えば着色液を吐出して液晶表示装置のカラーフィルタを製造する装置、導電液を吐出して電気配線を形成する装置などに使用する液滴吐出ヘッドに適用してもよく、導電性を有するインクを吐出する液滴吐出ヘッドの不良を検査する場合に同様の効果が得られる。
本発明に係るヘッド不良検出装置は、インク不吐出及び吐出方向の曲がり等の吐出不良を正確に検出することができる優れた効果を有し、不良品の液滴吐出ヘッドを検出する装置に適用すると有益である。
ヘッド不良検出装置の概略を示す斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 図2に示す流路ユニットにアクチュエータを積層し、図2のIII−III線で切断して見た断面図である。 第1実施形態のヘッド不良検出処理におけるフローを示すフローチャートである。 第1実施形態の検査体とその上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。 第1実施形態においてインク滴の着弾状態の一つを説明する平面図である。 第2実施形態の検査体と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。 第2実施形態においてインク滴の着弾状態の一つを説明する平面図である。 第3実施形態の検査体と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。 第4実施形態の検査体と、その上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。 第4実施形態においてインク滴の列の形成過程を説明する平面図である。 第4実施形態においてインク滴の列の形成過程を説明する平面図である。 第4実施形態においてインク滴の列の形成過程を説明する平面図である。 (a)は、第6実施形態におけるインクジェットヘッドの底面図、(b)は、検査体とその上にインク滴を着弾させた状態を示平面図である。 (a)(b)とも第6実施形態の検査体とその上に複数のインク滴を着弾させた状態を示す平面図である。
符号の説明
1,1A インクジェットヘッド
22 ノズル
30 ノズル列
50,50A ヘッド不良検出装置
51 ホルダ
51a インク吐出駆動回路
52,100,110 検査体
52a,100a,110a 検査面
52b,100b,110b 電極
54 導通状態検出部
55 制御部
56 ノズル位置変更手段
57 主走査機構
58 検査体搬送機構
63 駆動部
120 回転機構

Claims (29)

  1. 導電性を有する液滴をノズルから吐出するヘッドの不良を検出するヘッド不良検出装置であって、
    前記ヘッドを保持するホルダと、
    前記ノズルから吐出された液滴を着弾させる検査面を有する検査体と、
    前記ホルダ及び前記検査体のうち少なくとも一方を移動させて、前記検査体の検査面に対する前記ノズルの位置を前記検査面と平行な面内において変えるノズル位置変更手段と、
    前記ホルダに保持された前記ヘッドのノズルからの液滴の吐出と前記ノズル位置変更手段の駆動とを制御する制御手段であって、前記ノズルから吐出した複数の液滴が前記検査面上の二点間の各位置に着弾したとき、その液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列を形成するように前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから複数の液滴を吐出させる制御手段と
    前記二点間の電気的導通の可否を検出する導通検出手段と
    を備えることを特徴とするヘッド不良検出装置。
  2. 前記ヘッドは、前記ノズルを複数有するものであり、
    前記制御手段は、前記二点間の各位置を、複数の部分に分け、それぞれの部分を前記各ノズルで分担させ、前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから前記液滴を吐出させることを特徴とする請求項1に記載のヘッド不良検出装置。
  3. 前記複数のノズルは、前記二点を直線で結ぶ方向と略直交する方向に見て前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいて前記ヘッドに配置されており、
    前記制御手段は、前記複数のノズルから液滴を、前記二点間の前記検査面上に前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいた各位置に向け吐出させ、その後、前記ノズルと前記検査面とを前記二点を直線で結ぶ方向に相対移動させ、前記各位置間の位置であって、その位置に液滴が着弾したときに先に前記位置に着弾した液滴と一部重なる前記各位置間の位置に向け液滴を吐出させることを特徴とする請求項2に記載のヘッド不良検出装置。
  4. 前記複数のノズルは、前記二点を直線で結ぶ方向に対し傾斜した列状に配置し、かつ前記二点を直線で結ぶ方向と略直交する方向に見て隣接するノズルとほぼ接するか互いに重なり合うように前記ヘッドに配置されており、
    前記制御手段は、前記検査面上の前記二点間の各位置に前記各ノズルを順次対向させ、前記二点間の各位置に向け前記各ノズルから液滴を順次吐出させることを特徴とする請求項2に記載のヘッド不良検出装置。
  5. 前記ヘッドは、前記複数のノズルからなるノズル列を、複数列有し、
    前記制御手段は、前記複数のノズル列からそれぞれ異なる二点間の各位置に向けて液滴を吐出させることを特徴とする請求項3または4に記載のヘッド不良検出装置。
  6. 前記ノズル位置変更手段は、前記二点を略直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させるものであり、
    前記制御手段は、前記ノズル位置変更手段により1つの前記ノズルを前記二点間の前記検査面に対向配置し、前記ノズルを前記検査面上に前記二点を略直線で結ぶ方向に相対移動させながら、1つの前記ノズルから前記二点間の各位置に向け複数の液滴を順次吐出させることを特徴とする請求項1に記載のヘッド不良検出装置。
  7. 前記ヘッドは、前記ヘッドと前記検査体とが相対移動する方向と直交する方向に間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有し、
    前記二点は、相対移動方向と直交する方向に複数組あり、
    前記制御手段は、前記ノズルのうち1つのノズルからの液滴の吐出を、前記複数組の二点のうち一組の二点に対して行い、他の1つのノズルからの液滴の吐出を、他の組の二点に対して行うように前記ノズルからの液滴吐出及びノズル位置変更手段を制御することを特徴とする請求項6に記載のヘッド不良検出装置。
  8. 前記ノズル位置変更手段は、前記二点を略直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させる移動機構と、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに相対回転させる回転機構とを有し、
    前記制御手段は、前記移動機構により前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて前記二点を直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成し、前記回転機構により、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させた状態で、前記二点を結ぶ方向の少なくとも残りの部分を、前記移動機構により前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて少なくとも残りの部分の液滴列を形成するように前記ノズルからの液滴吐出及びノズル位置変更手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のヘッド不良検出装置。
  9. 前記ノズル位置変更手段は、互いに直交する二方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させるものであり、前記ヘッドは、間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有するものであり、
    前記二点間の各位置を複数に分けた前記各部分は、第1の部分と、その一端から前記第1の部分の延長方向に略平行に延在する第2の部分とを含み、前記第1の部分と第2の部分とが、前記第1の部分の延長方向と直交する方向に、前記両部分の各端部の位置に着弾した液滴が互いに一部を重ね合う量だけずれて設定されており、
    前記制御手段は、前記各部分の各位置に向けノズルから液滴を吐出して、前記液滴列を前記各部分に対応させて分割して形成する間において、隣接する前記第1の部分と第2の部分とに互いに異なるノズルが対応するように、前記ずれ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させることを特徴とする請求項2に記載のヘッド不良検出装置。
  10. 前記二点は、前記第1及び第2の部分の略延長方向に離間され、前記第1及び第2の部分が、その各部分の延長方向と略直交する方向に相互にずれながら前記二点を結ぶ方向に略平行に並べられて設定されていることを特徴とする請求項9に記載のヘッド不良検出装置。
  11. 前記二点は、前記第1及び第2の部分の略延長方向と略直交する方向に離間され、前記第1及び第2の部分が、前記二点から、それぞれその二点を結ぶ方向と略直交する方向に延長され、かつその延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べられ、前記二点から離れた端部において相互に繋げられるように設定されていることを特徴とする請求項9に記載のヘッド不良検出装置。
  12. 前記第1の部分と第2の部分との前記ずれ量は、前記複数のノズルの配列ピッチの整数倍に、液滴径のよりも小さい量を加算または減算した量であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載のヘッド不良検出装置。
  13. 前記二点は、前記ノズルの配列方向に、そのノズルの配列ピッチと同等もしくはそれ以上の間隔をおいて複数組あり、
    前記制御手段は、前記各組の二点に対して、それぞれ異なるノズルの組み合わせで液滴の吐出を行うことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1つに記載のヘッド不良検出装置。
  14. 前記検査体は、前記二点において一対の電極を前記検査面に露出して備え、
    前記導通検出手段は、前記一対の電極間の電気的導通の可否を検出することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載のヘッド不良検出装置。
  15. 前記検査体の検査面は、検査面上の液滴の接触角が20度以上80度以下になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つに記載のヘッド不良検出装置。
  16. 前記検査体の検査面は、液滴に対して撥液性を有するコーティング剤によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載のヘッド不良検出装置。
  17. 導電性を有する液滴をノズルから吐出するヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記ノズルから吐出した複数の液滴が前記検査面上の二点間の各位置に着弾したとき、その液滴が一部ずつ重なり合って前記二点を結ぶ液滴列を形成するように前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから複数の液滴を吐出させ、前記二点間の電気的導通の可否を検出することを特徴とするヘッド不良検出方法。
  18. 前記ノズルを複数有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記二点間の各位置を、複数の部分に分け、それぞれの部分を前記各ノズルで分担し、前記ノズルと前記検査面とを相対移動させかつ前記二点間の各位置に向け前記ノズルから前記液滴を吐出させることを特徴とする請求項17に記載のヘッド不良検出方法。
  19. 前記複数のノズルを、前記二点間を直線で結ぶ方向と略直交する方向から見て前記二点間を直線で結ぶ方向に間隔をおいて有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記複数のノズルから液滴を、前記二点間の前記検査面上に前記二点を直線で結ぶ方向に間隔をおいた各位置に向け吐出させ、その後、前記ノズルと前記検査面とを前記二点を直線で結ぶ方向に相対移動させ、前記各位置間の位置であって、その位置に液滴が着弾したときに先に前記位置に着弾した液滴と一部重なる前記各位置間の位置に向け液滴を吐出させることを特徴とする請求項18に記載のヘッド不良検出方法。
  20. 前記二点間を直線で結ぶ方向に対し傾斜した列状に配置し、かつ前記二点間を結ぶ方向と直交する方向から見て隣接するノズルとほぼ接するか互いに重なり合うように配置した前記複数のノズルを有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記検査面上の前記二点間の各位置に前記各ノズルを順次対向させ、前記二点間の各位置に向け前記各ノズルから液滴を順次吐出させることを特徴とする請求項18に記載のヘッド不良検出方法。
  21. 前記複数のノズルからなるノズル列を複数列有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記複数のノズル列からそれぞれ異なる二点間の各位置に向けて液滴を吐出させることを特徴とする請求項19または20に記載のヘッド不良検出方法。
  22. 前記二点間を直線で結ぶ方向に前記ノズルと前記検査面とを相対移動させながら、1つの前記ノズルから前記二点間の各位置に向け液滴を順次吐出することを特徴とする請求項17に記載のヘッド不良検出方法。
  23. 前記ヘッドと前記検査体とが相対移動方向と直交する方向に間隔をおいて配置された複数の前記ノズルを有する前記ヘッドの不良を検出するヘッド不良検出方法であって、
    前記二点は、相対移動方向と直交する方向に複数組あり、
    前記ノズルのうち1つのノズルからの液滴の吐出を前記複数組の二点のうち一組の二点間に行い、他の1つのノズルからの液滴の吐出を他の組の二点間に行うことを特徴とする請求項22に記載のヘッド不良方法
  24. 前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて前記二点を略直線で結ぶ方向の途中まで液滴列を形成し、前記ノズルと前記検査面とを前記ノズルの中心を通りかつ前記検査面に直交する軸線のまわりに略180度相対回転させた状態で、前記二点を結ぶ方向の少なくとも残りの部分を、前記ノズルと前記検査面とを相対移動しながら前記液滴を吐出させて少なくとも残りの部分の液滴列を形成することを特徴とする請求項17に記載のヘッド不良検出方法。
  25. 前記二点間の各位置を複数に分けた前記各部分は、第1の部分と、その一端から前記第1の部分の延長方向に略平行に延在する第2の部分とを含み、前記第1の部分と第2の部分とが、前記第1の部分の延長方向と直交する方向に、前記両部分の各端部の位置に着弾した液滴が互いに一部を重ね合う量だけずれて設定してあり、
    隣接する前記第1の部分と第2の部分の各位置に向け、互いに異なるノズルから液滴を吐出して、前記液滴列を前記各部分に対応させて分割して形成することを特徴とする請求項18に記載のヘッド不良検出方法。
  26. 前記二点を、前記複数のノズルが間隔をおいた方向と直交する方向に離間した位置とし、かつ前記第1及び第2の部分を、その各部分の延長方向と略直交する方向に相互にずれながら前記二点を結ぶ方向に略平行に並べて設定していることを特徴とする請求項25に記載のヘッド不良検出方法。
  27. 前記二点を、前記第1及び第2の部分の略延長方向と略直交する方向に離間した位置とし、前記第1及び第2の部分を、前記二点から、それぞれその二点を結ぶ方向と略直交する方向に延長し、かつその延長方向と略直交する方向に相互にずれながら略平行に並べ、前記二点から離れた端部において相互に繋げるようにしていることを特徴とする請求項25に記載のヘッド不良検出方法。
  28. 前記第1の部分と第2の部分との前記ずれ量は、前記複数のノズルの配列ピッチの整数倍に、液滴径のよりも小さい量を加算または減算した量であることを特徴とする請求項25乃至27のいずれか1つに記載のヘッド不良検出方法。
  29. 前記二点は、前記ノズルの配列方向に、そのノズルの配列ピッチと同等もしくはそれ以上の間隔をおいて複数組あり、
    前記各組の二点に対して、それぞれ異なるノズルの組み合わせで液滴の吐出を行うことを特徴とする請求項25乃至27のいずれか1つに記載のヘッド不良検出方法。
JP2008084691A 2008-03-27 2008-03-27 ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法 Pending JP2009234113A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008084691A JP2009234113A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008084691A JP2009234113A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009234113A true JP2009234113A (ja) 2009-10-15

Family

ID=41248672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008084691A Pending JP2009234113A (ja) 2008-03-27 2008-03-27 ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009234113A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012213955A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Seiko Epson Corp 液滴噴射装置及び液滴噴射方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012213955A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Seiko Epson Corp 液滴噴射装置及び液滴噴射方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8262188B2 (en) Printing device and printing method
US8950837B2 (en) Sealing sheet, and liquid ejection head and inkjet apparatus using same
JP4835018B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2006346906A (ja) 液滴吐出状態検出装置、液滴吐出装置、及びインクジェット記録装置
JP6891428B2 (ja) テストパターンの印刷方法、及び、印刷装置
JP2009234113A (ja) ヘッド不良検出装置及びヘッド不良検出方法
JP3972363B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP2012201094A (ja) インクジェットプリンタおよび吐出タイミング修正方法
JP2022158880A (ja) 印刷装置及び印刷装置の制御方法
JP2006076266A (ja) インクジェットの噴射状態検出方法、及びインクジェット記録装置
JP7276649B2 (ja) 記録装置および記録ヘッドのエラー判定方法
JP5304039B2 (ja) 液体噴射装置
JP6639223B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP2007112125A (ja) 液滴噴射装置
JP3624757B2 (ja) 複数のノズル列を有する印刷ヘッドの検査と印刷装置の製造
WO2015019795A1 (ja) 画像記録装置及び異常検出方法
JP2012056221A (ja) 吐出検査方法、吐出検査装置、描画方法、及び描画装置
JP2013121694A (ja) 回路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5748477B2 (ja) 液体吐出ヘッド
US20190143696A1 (en) Head chip, liquid jet head and liquid jet recording device
JP2014188822A (ja) インクジェットプリンタ、及び、ヘッドユニットの検査方法
JP4710371B2 (ja) 液滴吐出装置におけるテストパターン印刷方法及びメンテナンス方法並びに液滴吐出装置
JP2012187931A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法、記録条件の設定方法、およびプログラム
JP5915234B2 (ja) 液滴吐出装置
JP2022158367A (ja) 印刷装置及び印刷装置の制御方法