JP2005114378A - 良否判定装置、良否判定プログラム及び良否判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】良否判別要因となる複数のパラメータとその良否判定結果とを用いて判別関数を算出し、該判別関数において標準偏差に基づいて良否判定基準である閾値を決定する。閾値決定の際に良否のカテゴリ分布が十分に分離していなければ、カテゴリの細分化を行う。カテゴリの細分化は、良カテゴリと否カテゴリとについてのヒストグラムを生成し、各カテゴリにおける標準偏差を算出し、一方の分布の度数平均から所定量離れた値を閾値として、離れた部分と近寄った部分との良否カテゴリに分類する。近寄った部分の良否カテゴリについて、改めて判別関数を算出し閾値を決定する。このように決定した閾値に基づいて良否判定対象の良否を判定して、微細な形状の差異に対応する高性能な良否判定を実現する。
【選択図】図13
Description
例えば、特許文献1に記載の技術である。
特に、実装部品のはんだ付け状態の良否判定検査等のように、多種多様な製品状態があり得る検査対象に対しての良否判定は困難である。
上記判別分析では、複数のパラメータ情報と良否判定結果情報から、多変量統計解析によって、良カテゴリと否カテゴリの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する。さらに、当該変数のいずれかの値を良否判定の閾値にするにあたり、カテゴリの度数分布に関する統計指標によって良否いずれかのカテゴリで特定の分布確率になるように閾値を決定する。そして、個別の良否判定対象について、当該良否判定対象の複数のパラメータ情報を判別関数に代入し、その値と閾値とを比較することによって良否判定を行う。
また、良カテゴリにおいて、特定の確率分布となる変数値を閾値とすることにより、良カテゴリに含まれる良否判定対象のうち、特定の確率の対象のみを否判定にすることを可能としている。すなわち、「良」であるにも関わらず、「不良」であると判定してしまう確率(見過ぎ率)を意図通りの値に収束させることを可能としている。
このように決定した閾値に基づいて良否判定対象の良否を判定することによって、流出率や見過ぎ率を意図通りに制御することを可能とし、ノウハウの蓄積に頼らない、高性能な良否判定を実現している。
このように、良否判定対象は良否に関わらず様々な形状をしていることから、良判定とされる良否判定対象と否判定とされる良否判定対象とが似通った形状であることもあり得る。この場合、図13に示す如く、良カテゴリと否カテゴリの度数分布を示すヒストグラムでは、良分布と否分布(不良分布)が近づき、また、これらの分布の度数平均が近い値となる。これは、カテゴリに固有な特徴の抽出が困難であり、良否判定対象に対する細部の判定が困難である状態を示している。従って、良分布と否分布が近い状態において決定された閾値にもとづいて、良否判定を行えば、良否判定対象の形状が似ているために検出することができなかった不良品を見過ごしてしまったり、逆に、良品を不良品と判断する誤判定が発生したりする原因となる。
図1は良否判定装置を構成するシステムの概略ハードウエア構成を示す図、図2はレーザー検査装置における概略流れ図、図3はレーザー検査装置の概略構成を示す図である。
図4は良否判定プログラムの機能ブロック図、図5は通信制御プログラムの機能ブロック図、図6は目視入力プログラムの機能ブロック図である。
図7は判定基準作成処理の概略流れ図、図8は多変量解析プログラムの機能ブロック図、図9はモード分類処理の流れ図、図10はヒストグラムの例を示す図、図11は判別関数算出処理の流れ図、図12は良否カテゴリ細分化処理の流れ図、図13はヒストグラムの例を示す図、図14はヒストグラムの例を示す図、図15は閾値決定処理の流れ図、図16はヒストグラムの例を示す図である。
図17は従来の良否判定処理の流れを示す図、図18は良否判定対象の例を示す図である。
但し、良否判定対象は、基板と電子部品との接点に限定されるものではなく、目視作業にて良否を判断する製品を良否判定対象とすることができ、本発明を採用することによって、目視による良否判定を自動化することができるとともに、その判定精度を向上させることができる。また、製造設備に本発明に係る良否判定装置を組み込むことにより、製造段階の途中において、自動的に製造品の良否判定を行うことが可能となる。
図1は本発明に係る良否判定装置を構成するシステムの概略図である。
本システムは、レーザー検査装置100と、データ蓄積装置200と、目視入力装置300と、多変量統計解析装置400とを備えており、それぞれが通信回線にて接続されている。すなわち、各装置は通信回線を介して互いに双方向通信可能である。
なお、これらのレーザー検査装置100、データ蓄積装置200、目視入力装置300、多変量統計解析装置400の各装置にはコンピュータが備えられており、それぞれについて、CPU、ハードディスクドライブやROMやRAM等の記憶部、ディスプレイ等の表示部、キーボード等の入力部、通信I/O等が備えられている。該コンピュータは汎用的なコンピュータを利用することができ、詳細なハードウエアの説明は省略する。
本発明において、良否判定はレーザー検査装置100にて実行され、その処理手順は図2に示す流れ図に従う。
なお、本実施形態においては基板の種類を特定するための情報に加えて、基板の固体を特定するための情報(例えば、シリアルナンバー等)がラベルに記載されており、基板の固体を特定するための情報にて基板の固体を特定し、各固体別に良否判定結果を記録或いは表示させることができる。
良否判定はステップS130にて、上記パラメータを判別関数に代入し算出した値と閾値Tとを比較することによって行われ、良否判定結果は、レーザー検査装置100に搭載された表示部142としてのディスプレイ上に表示され、オペレータはこのディスプレイを視認することによって良否判定対象の良否を知ることができる。
また、データ蓄積装置200には、本実施形態に係る良否判定装置を運用する際に必要な各種データがデータベースとして登録されており、レーザー検査装置100と目視入力装置300と多変量統計解析装置400とから各種データを取得して蓄積可能であるとともに、適宜蓄積データを出力することが可能である。
なお、本実施形態に係るシステムは、上述の各装置にて分散処理を行っているが、単体のコンピュータによって上記各装置を構成しても良いし、特定の複数のコンピュータが上記各装置を構成することもできる。
次に、レーザー検査装置100について詳細に説明する。
図3はレーザー検査装置100の概略構成を示している。同図左側にはその光学系を模式的に示しており、右側には制御系を示している。
レーザー検査装置100は、レーザー発振器126を備えており、所定のレーザー光を発信出力することができる。ガルバノメータ124は、その内部に二枚の角度可変ミラーを備えており、ガルバノメータ制御部128の制御によって角度可変ミラーの配向角を調整することによって、ガルバノメータ124から出力するレーザー光の配向角を調整することができる。ガルバノメータ124から出力されるレーザー光はレンズ123によって集光されたのち、受光ボックス110に入射される。
そして、前記ハーフミラー118にて反射されたレーザー光は、受光ボックス110の下方に進行し、はんだ付近に到達し反射されて再び上方に向けて進行する。この反射光がトップセンサ112、アップセンサ114、サイドセンサ116に到達すれば、各センサから所定の検出信号が出力される。
コード生成部122とガルバノメータ制御部128とX−Yステージ制御部135とは、CPU140に接続されており、該CPU140が出力する制御信号にて制御され、また、該CPU140に対してデータを出力する。すなわち、CPU140は図示しないROMやRAMとともにプログラム実行環境を形成しており、CPU140は所定のプログラムを実行しつつ、コード生成部122とガルバノメータ制御部128とX−Yステージ制御部135とを介してレーザー検査装置100を制御する。
レーザー検査装置100においてはOS146の制御下で良否判定プログラム160が実行される。OS146は通信I/O144を介してデータの送受信や記憶部150からのファイル読み出しを制御し、良否判定プログラム160に対して必要なデータを供給する。
また、パラメータ算出部166aは製品データとして各部品についてのパラメータの算出式を取得して計算するが、特定の算出式での演算を実行する様なアルゴリズムでプログラムを作成し、当該プログラムの実行にてパラメータが算出されるように構成してもよい。
さらに、この判定用の値と閾値Tとを比較し、判定用の値が閾値Tを境にして良カテゴリ側にある場合には「良」判定、閾値Tを境にして否カテゴリ側にある場合には「否」判定をする。
このように、レーザー検査装置100においては、データ蓄積装置200や多変量統計解析装置400から適宜データを取得して、基板上に実装される各部品の各接点についてはんだ形状に基づいて実装の良否を判定することができる。
図5はデータ蓄積装置200にて実行される通信制御プログラムの機能ブロック図である。データ蓄積装置200ではOS246の制御下で通信制御プログラム260が実行される。
通信制御プログラム260は、通信I/O244を介してデータを送受信するプログラムであり、外部からの要求に応じて製品データと良否判定結果データ252を出力する。また、記憶部250は製品データベース251と良品判定結果データ252とを蓄積するハードディスクドライブであり、本発明に係るシステムの運用開始時に予め製品データベース251と良否判定結果データ252とが蓄積されるが、システムの運用とともに更新していくこともでき、閾値判定部166bが出力する良否判定結果データを取得して新たな良否判定結果データ252として追加記録したり、後述する目視入力装置300が出力する目視判定データを新たな良否判定結果データ252として追加したりすることも可能である。
図6は目視入力装置300にて実行される目視入力プログラムの機能ブロック図である。目視入力装置300においては、OS346の制御の下で目視入力プログラム360が実行される。OS346は通信I/O344を介してのデータ送受信や、記憶部350からのファイル読み出しを制御し、目視入力プログラム360に対して必要なデータを供給する。
目視入力プログラム360は、ラベル読取部361と判別結果取得部362と表示制御部363と入力受付部364と目視判定情報送信部365とを備えている。ラベル読取部361は通信I/O344を介して図示しないラベル読取装置を制御して、基板のラベルを識別するためのラベルデータ351を取得し、記憶部350に記憶する。
また、オペレータはこの目視判定結果を入力部320の操作にて入力することが可能であり、入力受付部364が入力結果を受け付けると、目視判定情報送信部365に対して目視の判定結果を受け渡す。目視判定情報送信部365は、目視判定結果を示す目視判定データを通信I/O344を介して出力する。
多変量統計解析装置400による解析を行うことによって、良否判定対象の良否判定基準となる閾値Tを算出し、決定する。閾値Tは、意図から外れた流出率及び見過ぎ率を発生させない値が決定される。これによって高性能の良否判定装置を実現している。
閾値T決定する良否判定基準算出処理は図7に示す流れ図に従い、多変量解析プログラムが備える各モジュールにより、モード分類処理S600、判別関数算出処理S610、閾値決定処理S620が行われ、該閾値決定処理S620においてカテゴリの細分化が必要であるかどうかの判断が行われ(S630)、カテゴリの細分化が必要であれば良否カテゴリ細分化処理S650が行われたのち、再度判別関数算出処理S610から処理が繰り返される。そして、カテゴリの細分化が必要でない程度に良否カテゴリの分布が分離していれば、判定基準としての閾値Tが決定され(S640)、判定基準作成処理が終了する。
多変量統計解析装置400においては、OS446の制御下で多変量解析プログラム460が実行される。OS446は通信I/O444を介してデータの送受信や記憶部450からのファイル読み出しを制御し、多変量解析プログラム460に対して必要なデータを供給する。
多変量解析プログラム460において、モード分類部461は、カテゴリの細分化処理を行う。
図9の流れ図に示す如く、モード分類部461では、ステップS200にて通信I/O444を介して目視入力装置300に記憶された目視判定データ451とデータ蓄積装置200に記録されたパラメータ値データ452及び良否判定結果データ453とを取得する。パラメータ値データ452は各部品ごとに実際に計算されたパラメータ値である。これら、取得したデータは記憶部450に保存され、多変量解析プログラム460の各モジュールに利用される。なお、パラメータ値データ452のそれぞれと、その良否判定結果データ453(又は目視判定データ451)とは対応付けられており、各パラメータにおける良否判定結果が判明するようになっている。
ここで、各パラメータ値に対する良否は良否判定結果データ453に依存するが、目視入力装置300において目視判定が行われたものについては目視判定結果に従って良否をカテゴリ化する。すなわち、目視判定が行われた対象については目視による良否判定結果とパラメータ値データ452とが対応付けられており、この対応関係に従ってヒストグラムを生成し、表示する。この結果、目視によって「不良」とされた対象であってそのパラメータがレーザー検査装置100において良カテゴリに入るものについて否カテゴリであることを明示することができる。
図10(b)ではパラメータn2についての例を示しており、この例においてヒストグラムは良カテゴリと否カテゴリとについて正規分布を形成するとともに三つの分布に分かれている。このパラメータに対するヒストグラムでは否カテゴリが分布E、分布Fという二つの分布に分かれており、分布Eはレーザー検査装置100における良カテゴリに含まれるが、分布Fは良カテゴリと分離している。
そこで、分布Eと分布Fとについては、異なる判別関数にて良否判定を行うべく否カテゴリを細分化する。
すなわち、多変量統計解析装置400はキーボード等の操作入力機器にて構成される入力部420を備えており、ステップS230では入力部420を介してカテゴリを細分化する指示を受け付けたときには、ステップS240にてカテゴリの細分化を行う。この細分化が為されたときには、後述する判別関数算出処理において細分化した否カテゴリと良カテゴリとの度数分布を分離する判別関数を算出する。
そして、所定距離以上離れているときには、ステップS240におけるカテゴリの細分化を行う。すなわち、否カテゴリの分布内でピークが複数となっているときには、同じ否カテゴリであっても分布が分離している可能性があるとして分布の距離を評価する処理を行う。ここで、両分布の距離を評価する際には、上述のように各分布の標準偏差σによって距離を評価しても良いし、平均値や最頻値同士が所定距離以上離れているか否かを評価してもよい。
多変量解析プログラム460において、判別関数算出部462は、ある変数を与える関数であって、変数に対して良カテゴリと否カテゴリとの度数分布を作成した場合に、両分布が良く分かれる判別関数を算出する処理を行い、具体的な処理は図11に示す流れ図に従う。この変数は複数のパラメータの関数である。
本実施形態において、パラメータはパラメータ1〜200間で存在するが、本実施形態においては両分布を分離する際に効果的な変数を選別して所定数のパラメータで判別関数を規定しており、所定数のパラメータを選別するに際して、まずステップS300にて、相関係数及びパラメータの重要度に基づいて多重共線性を除去する。
判別関数Zは、[数1]で表現される。なお、ここでaiは係数、xiは各パラメータが代入される変数、nは選択されたパラメータの数である。
すなわち、相関比η2が最大になる全平方和STと、群間平方和SBの比が最大になる。この状態においては両カテゴリの群間分散がなるべく大きく(各カテゴリの平均がなるべく離れる)、各カテゴリの分散がなるべく小さくなる。従って、判別関数に対する度数分布においては両カテゴリが非常に良く分離する。
なお、以上のような判別関数の算出手法は現代数学社1983年5月1日初版発行/田中豊・脇本和昌著「多変量統計解析法」等に詳述されている。以上のような判別分析を行う手法としては、上記判別関数Zによる判別以外にも、種々の手法が採用可能であり、マハラノビスの汎距離によって良否を判定する判別分析に本発明を適用させることもできる。また、良カテゴリと細分された否カテゴリとを同時に判別する多群の判別分析を利用することもできる。
多変量解析プログラム460において、統計指標算出部464は上記判別関数に対する良カテゴリと否カテゴリとの度数分布において、閾値を算出する際に利用される統計指標を算出し、閾値決定部は当該統計指標を利用して閾値を決定する。すなわち、従来の判別分析においては閾値を画一的にZ=0(両カテゴリの中間点)としていたが、本発明においては、この閾値決定の差異に統計指標を参酌している。具体的な処理は図15に示す流れ図に従う。
例えば、図16に示す4σNGであれば、否カテゴリの度数分布のうち、全体の0.00031が流出することになる。
なお、ステップS430においては、流出率自体の入力を受け付けても良いし、標準偏差に対して乗じる係数の入力を受け付けてもよいし、予め保存された流出率データ456に基づいて流出率を特定しても良い。
本実施例においては、流出率の管理に加えて見過ぎ率の管理をも実施しており、この意味で、ステップS440の閾値Tは仮決定された値である。見過ぎ率は良否判定対象が良品であるにも関わらず、不良判定が為されることによって、いわば過剰に閾値Tを厳しくしている状況(見過ぎ)が発生する確率であり、良カテゴリの標準偏差σOKによって算出することができる。
同ステップS450において、(AOK−T)/σOKがPより大きいと判別されたときには仮決定された閾値Tが流出率と見過ぎ率との双方から十分な値であるとして、閾値Tを閾値データ458として記憶部450に保存する。
多変量解析プログラム460において、カテゴリ細分化部463は、上記判別関数に関する良カテゴリと否カテゴリとの度数分布において、判別関数Zに基づいて算出される閾値が良否判定を行うにあたって適当でないものとして、カテゴリの細分化を図ることによって、判別関数を最適化するための処理を行う。具体的な処理は図12に示す流れ図に従う。
上述の如く、良カテゴリと否カテゴリとの分離が不十分であるとされる判別関数に対する各カテゴリのヒストグラムは、例えば図13や図14のようになる。すなわち、各カテゴリごとの分布は略正規分布になり、両者の裾がオーバーラップする。なお、図13及び図14において、判別関数Z=0が良カテゴリの度数平均の中心に位置しており、否カテゴリの度数平均をANG、良カテゴリの度数平均をAOKと示している。また、否カテゴリの標準偏差をσNG、良カテゴリの標準偏差をσOKとして示している。
良カテゴリの度数平均AOKから良カテゴリの標準偏差σOKのK倍以上離れた否分布を第一否分布αNGとし、残りの否分布を第二否分布βNGとして分離する。すなわち、否カテゴリを、良カテゴリの標準偏差σOKのK倍離れた値を閾値として、該閾値より良カテゴリから離れている分布を第一否分布αNG、残りを第二否分布βNGとするのである。
同様に、否カテゴリの度数平均ANGから良カテゴリの標準偏差σNGのL倍以上離れた良分布を第一良分布αOKとし、残りの良分布を第二良分布βOKとして分離する。すなわち、良カテゴリを、否カテゴリの標準偏差σNGのL倍離れた値を閾値として、該閾値より否カテゴリから離れている分布を第一良分布αOK、残りを第二良分布βOKとするのである。
なお、K及びLの値は予め定められて入力されている。
なお、第一否分布αNGと第一良分布αOKとから成る新たな良否カテゴリを作成して、再度、判別関数算出処理S610へ戻って判定基準作成処理を行うこともできる。
この場合、似た形状データを持つもののみを抽出して判別分析を行うこととなり、良分布と否分布とを分離させる判別関数を算出するため、似た形状であっても、図14に示す如く、両分布と否分布とをより良く分離させることができることができる。
従って、良否カテゴリ細分化処理において、もとの良否カテゴリを、第一否分布αNGと第一良分布αOKとから成る良否カテゴリと、第二否分布βNGと第二良分布βOKとから成る良否カテゴリに細分化し、それぞれについて判別関数を算出することによって、結果的に良否判別対象を形状の似たもの、似ていないものにカテゴリ分類を行い、さらに、良否各カテゴリに分類される形状を区別する最適な特徴を改めて抽出することによって、高精度な判別関数を作成している。これにより、高精度な良否判定基準を作成することができる。そして、良否形状が似ているために良否判定基準の作成が困難であった部位に対しても、高精度な良否判定基準を作成することが可能となる。
例えば、多変量統計解析として重回帰分析を利用することができる。すなわち、重回帰分析において上記各パラメータが代入される説明変数の線形結合によって、良判定或いは否判定の結果を目的変数とした重回帰式を算出する。そして、重回帰式の目的変数のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムにおいて上記特定の分布確率となる変数値を算出し閾値とすればよい。無論、他の解析手法を採用することも可能である。
200 データ蓄積装置
300 目視入力装置
400 多変量統計解析装置
460 多変量解析プログラム
463 判別関数最適化部
Claims (6)
- 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリと否カテゴリとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出手段と、
上記良カテゴリと否カテゴリとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の拡がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出手段と、
上記少なくとも一方のカテゴリにおいて特定の分布確率となる上記変数値と上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定手段と、
上記閾値に応じて細分化の要否を判断し、細分化が必要であれば上記良カテゴリと否カテゴリとを細分化して新たな良否カテゴリを作成するとともに、判別関数算出手段による処理に戻して新たな判別関数と閾値とを算出させる良否カテゴリ細分化手段と、
良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得手段と、
同パラメータ情報を上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定手段を備えることを特徴とする良否判定装置。 - 前記良否カテゴリ細分化手段は、
判別関数について、良カテゴリと否カテゴリとのそれぞれにおいて度数平均と標準偏差とを算出し、
良カテゴリを、否カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より否カテゴリから離れている分布を第一良分布、残りを第二良分布とし、
否カテゴリを、良カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より良カテゴリから離れている分布を第一否分布、残りを第二否分布とし、
前記良否カテゴリを、第一良分布と第一否分布とから成る第一良否カテゴリと、第二良分布と第二否分布とから成る第二良否カテゴリとに細分化する処理を行う、請求項1に記載の良否判定装置。 - 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリと否カテゴリとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出機能と、
上記良カテゴリと否カテゴリとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の拡がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出機能と、
上記少なくとも一方のカテゴリにおいて特定の分布確率となる上記変数値を上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定機能と、
上記閾値に応じて細分化の要否を判断し、細分化が必要であれば上記良カテゴリと否カテゴリとを細分化して新たな良否カテゴリを作成するとともに、新たな良否カテゴリについて新たな判別関数と閾値とを算出させる良否カテゴリ細分化機能と、
良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得機能と、
パラメータ情報と上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定機能とを、
コンピュータに実現させることを特徴とする良否判定プログラム。 - 前記良否カテゴリ細分化機能にて、
良カテゴリを、否カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より否カテゴリから離れている分布を第一良分布、残りを第二良分布とし、
否カテゴリを、良カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より良カテゴリから離れている分布を第一否分布、残りを第二否分布とし、
前記良否カテゴリを、第一良分布と第一否分布とから成る第一良否カテゴリと、第二良分布と第二否分布とから成る第二良否カテゴリとの新たなカテゴリに細分化する、請求項3に記載の良否判定プログラム。 - 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリと否カテゴリとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出工程と、
上記良カテゴリと否カテゴリとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の拡がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出工程と、
上記少なくとも一方のカテゴリにおいて特定の分布確率となる上記変数値を上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定工程と、
上記閾値に応じて細分化の要否を判断し、細分化が必要であれば上記良カテゴリと否カテゴリとを細分化して新たな良否カテゴリを作成するとともに、新たな良否カテゴリについて新たな判別関数と閾値とを算出させる良否カテゴリ細分化工程と、
良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得工程と、
パラメータ情報と上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定工程とを、
具備することを特徴とする良否判定方法。 - 前記良否カテゴリ細分化工程において、
良カテゴリを、否カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より否カテゴリから離れている分布を第一良分布、残りを第二良分布とし、
否カテゴリを、良カテゴリの度数平均から所定量離れた値を閾値として、該閾値より良カテゴリから離れている分布を第一否分布、残りを第二否分布とし、
前記良否カテゴリを、第一良分布と第一否分布とから成る第一良否カテゴリと、第二良分布と第二否分布とから成る第二良否カテゴリとの新たなカテゴリに細分化する、請求項5に記載の良否判定方法。
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