JP2005114077A - 金属ガスケット、それに用いられる熱硬化性樹脂組成物及びスクリーンコート液 - Google Patents

金属ガスケット、それに用いられる熱硬化性樹脂組成物及びスクリーンコート液 Download PDF

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哲宏 寺田
Mikihiro Akamatsu
幹弘 赤松
Mitsunobu Kobayashi
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Abstract

【課題】耐久性が向上され、簡便な構成でシール性を向上が向上される金属ガスケットを提供し、最適な樹脂組成物及びスクリーンコート液を提供する。
【解決手段】本発明の金属ガスケット11は、弾性を有する金属薄板から構成された基板20に形成され、シールすべき流体が通過する流体穴12を囲んでボアビード15が形成され、このボアビード15に、無機物及び熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂を含有する硬化皮膜18を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例として内燃機関に用いられる金属ガスケット、当該金属ガスケットを含む用途に用いられる熱硬化性樹脂組成物、及びその熱硬化性樹脂組成物をガスケットなどに形成する際に用いられるスクリーンコート液に関するものである。
内燃機関、特に自動車用エンジンは一般にオープンデッキ方式であり、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間にシリンダヘッドガスケット(以下、ガスケット)を挟み、ボルトで締結して、シリンダ穴における燃焼排ガス、冷却水及びエンジンオイルなどの洩れを防止するようにしている。
近年のガスケットのシールは、ステンレス鋼板に山形のフルビード或いは段差状のハーフビードを形成して実現しているものが多い。ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドの間に挟んでボルトで締結した際のステンレス鋼板のバネ性を利用して、ガスケットとシリンダブロックとの間、及びガスケットとシリンダヘッドとの間でそれぞれシールを実現するようにしている。
このようなガスケットの一例として、図8に平面図の一部が示されている特許文献1(特開2002ー54746号公報)のメタルシリンダヘッドガスケットが知られている。
このメタルシリンダヘッドガスケット1は、例えば亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板等の1枚の金属板により、或いは複数枚の金属薄板を積層する事により構成されている。これら各金属薄板には、シリンダブロックの開口形状に合致させた円形のボア穴2、2、冷却水や潤滑油を通す為の透穴3、3、及び、シリンダヘッドをシリンダブロックに固定する為のボルトを挿通する通穴4、4が形成されている。
更に、この従来技術のメタルシリンダヘッドガスケットは以下のように構成されるとされている。即ち、このメタルシリンダヘッドガスケット1に於いては、シリンダブロック及びシリンダヘッドの端面に対向する面の少なくとも一部に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メタセン樹脂のうちから選択される高機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)と、この高機能樹脂100部に対する割合が50〜500部である充填剤とを混合したものを付着させて成る、シール層を形成している。尚、上記充填剤として好ましくは、タルク、クレー、二硫化モリブデン、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、アルミナ、グラファイト、カーボンのうちから選択される1種又は2種以上のものを使用する。又、必要に応じて、結合剤等の適宜の添加剤を加える事は自由である。又、上記シール層の厚さは、従来の耐熱ゴム製のシール層の厚さ(10〜40μm)とほぼ同様の、10〜50μm程度あれば十分である。
また、この従来技術において、このように構成されるメタルシリンダヘッドガスケット1は、以下のような作用を実現するとされている。即ち、必要とするシール性を確保しつつ、コストを高くする事なく、取り扱い性の向上を図れる。先ず、シール性の確保に就いては、適正量の充填剤を混入し、それ自体は硬質である高機能樹脂に多少の柔軟性を持たせ、この高機能樹脂製のシール層に亀裂が発生するのを防止する事により図られる。
次に、取り扱い性の向上に就いては、高機能樹脂並びに充填剤に粘着性がなく、その表面にこれら高機能樹脂と充填剤とから成るシール層を形成したメタルシリンダヘッドガスケット同士がくっつき合う事がない事により図られる。即ち、メタルシリンダヘッドガスケットのメーカーで造られて重ね合わされた状態で搬送されてきた複数のメタルシリンダヘッドガスケット同士の分離を容易に行なえるので、エンジンの組立工場で、このメタルシリンダヘッドガスケットを互いの端面同士の間に挟持しつつ、シリンダブロックとシリンダヘッドとを結合する作業を容易に行なえる。
特開2002−54746号公報(第0010段落〜第0013段落)
この従来技術において、実現しようとしているのは、積み重ねた状態のメタルシリンダヘッドガスケット相互の分離の容易性を向上することであり、金属薄板に形成される突条(フルビード)の耐久性の向上や、突条によるシリンダ穴周囲におけるシール性の向上に関しては何ら言及されていない。即ち、前述のように構成されたシール層が、このような耐久性、シール性に適合するものかどうかは、何ら明らかにされていない。
本件発明者は、近年のエンジンの軽合金化、出力増大の動向に鑑み、金属ガスケットの薄型化、シール性の向上、耐久性の向上に関して開発を行い、上記フルビードの耐久性の向上や、複数枚の金属板を積層することなく、より薄い構成のガスケットによって充分なシール性を得るべく検討を行ってきた。この点から、上記従来技術は、エンジンの燃焼排ガスをシールするには極めて不充分であり、突条の耐久性は何ら向上されておらず、また、シール性の向上も何ら図られていないものであることが確認された。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、凹状ビードにクラックなどが発生する事態が防止されることにより耐久性が向上され、簡便な構成でシール性が向上される金属ガスケットを提供することであり、凹状ビード内部に、高荷重での圧縮変形が小さく、かつ、耐熱クリープ性の良好で、厚さが一定の皮膜を形成することができる熱硬化性樹脂組成物を提供することであり、更に、その熱硬化性樹脂組成物を凹状ビード内部へ容易に精度良く、一定の厚さで塗布することができるスクリーンコート液を提供することである。
自動車エンジンなどの内燃機関に用いられている金属ガスケットにおいて、高温高圧ガスのシールが要求されるボア周辺部のシール能力向上が最大の課題となっており、ボア周辺部への荷重を増加させる方向で対策がなされている。しかし、この場合、ボア部の変形が大きくなりエンジン性能に悪影響を及ぼす結果となっている。特に、近年、エンジンのアルミ化の傾向と高性能化に伴い、ガスケット締結荷重の低下とガスケットの厚さ減少が要望されるようになってきた。
本件発明者は、これらの要望に対応すべき方策について検討し、一般にガスケットのボア周辺に形成されている金属製のストッパーの機能を、ボア周辺よりも僅か外周部に位置するボアビードの凹部内に付与し、弾性変形とストッパー機能を兼ねそなえたボアビードの形成を考えた。
エンジンの燃焼排ガスに直接曝されるガスケットのボア周辺よりも僅か外周に位置するボアビードの凹部部分の環境温度は、同じ部位で実際に使用されているフッ素ゴムやシリコーンゴムなどのミクロシール材の耐熱性から、常時使用の最高温度が250℃程度であることが十分に推察できる。この環境温度からは、ボアビードの凹部内に形成されるストッパーが樹脂で形成したストッパー(以下、“樹脂製ストッパー”と略す)でもあっても使用できることを示唆している。
ビード部分に設置するストッパーに関して、ビード形状に適応した厚さで安価に形成できることが工業化のポイントとなる。この点に関して、樹脂材料は、金属材料の場合のような高度な溶接技術を用いることなしに、ボアビードの凹部内に安価に任意の厚さで形成接着可能である利点を持っている。
本件発明者は、上記ストッパーとしての機能を満たした樹脂組成物を検討し、その樹脂組成物を樹脂製ストッパーとして工業的に、安価で、精度良く、所望する任意の厚さに形成できる方法で請求項1に記載された金属ガスケットを実現した。
ボアビードの凹部内の樹脂製ストッパーには、250℃以上の耐熱性、ガスケットをエンジンに組付け締結したときのストッパーの厚さの変動を少なくするための高弾性率、ガスケットを締結するボルトの軸力低下を招くクリープ変形の抑制されていること、ボアビード材との良好な接着性が最低限要求される。
本件発明者は、樹脂製ストッパーの最適化のため、その耐熱性は示差熱天秤(TGーDTA)で測定して判断した。また、樹脂ストッパーの種々の特性に関して、高弾性率は、請求項1に記載の無機充填剤の熱硬化性樹脂への添加と、熱硬化性樹脂成分の分子構造への架橋構造の導入とで実現を図り、耐熱クリープ性は、樹脂成分の分子構造がより完全な三次元網目構造を形成する様な選択肢を有する熱硬化性樹脂を使用し、その熱硬化性樹脂のうちの硬化剤に相当する熱硬化性樹脂の多官能化と主剤/硬化剤の最適配合割合とを検討して改善を図った。
熱硬化性樹脂における主剤と硬化剤との架橋反応では、架橋反応の対象となる官能基について、理論的には主剤の官能基と硬化剤の官能基との当量比が1:1のときに最も理想的な架橋構造を形成することになる。しかし、実際の加熱硬化反応では、自己縮合反応等の副反応や樹脂中に含まれる水分等の不純物との反応が生じ、主剤と硬化剤との最適配合が理論値から外れることが多い。
請求項2で規定されている主剤と硬化剤との配合に関する重量比の数値範囲は、両者の官能基の当量比に換算すると、上記1:1の当量比から外れている。しかしながら、上記主剤と硬化剤との配合に関する重量比の数値範囲は、本件発明者の前記自己縮合反応などを考慮した実証実験などに基づいて、実際に最適な架橋反応が行われるように設定された数値範囲である。
請求項2、請求項3及び請求項4にそれぞれ記載された主剤と硬化剤の配合割合は、200℃で25MPAの圧縮応力を、熱硬化性樹脂組成物の硬化した皮膜(以下“硬化塗膜”と略す)に負荷したときのクリープ変形が、当該硬化塗膜の厚さの最大5%が限度値であるように決定した。
樹脂製ストッパーとしての性能は、200MPAの圧縮応力を負荷したときの室温での変形量が硬化塗膜厚さの5%以下であること、200℃で25MPAの圧縮応力を負荷したときのクリープ変形が硬化塗膜厚さの5%以下であること、耐熱性として熱硬化性樹脂の熱分解温度が350℃以上であること、を評価基準として、その良否を判定した。
無機充填剤として、一般に知られている各種無機微細粉末を使用できるが、樹脂製ストッパーの圧縮弾性率の増大を考慮すると、好ましくは、微細粉末で、硬度が高く、熱的及び化学的安定性の良好な酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、シリカ、硫酸バリュウム、炭酸カルシュウムのうちの1種または2種以上から選択するのが好ましい。
樹脂に無機充填剤を添加したときの圧縮弾性率に関して、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分量と充填剤の添加量との間に、下記第1式の様な加成性が成立することが一般に知られており、添加量検討の目安とすることができる。
樹脂ストッパーの圧縮弾性率(E)
E=E1×Φ1+E2×Φ2 ・・・(1)
ここで、E1は樹脂成分の弾性率、Φ1は樹脂成分の体積分率、E2は無機充填剤の弾性率、Φ2は無機充填剤の体積分率である。
樹脂製ストッパーの樹脂成分として、250℃程度の温度下で使用できる耐熱性を持った一般的な高分子材料が使用できる。但し,250℃程度の高温下でも樹脂製ストッパーがクリープ変形しないようにするためには、前述した三次元網目構造を形成できるような樹脂の選択が重要となる。
また、樹脂製ストッパー用の樹脂に関しては、ガスケット基材である金属との接着性が良好で、繰り返し圧縮振動によるクラックの発生を防止するための靱性が要求される。また、ボアビード内部へ安価に、任意の厚さの樹脂製ストッパーを形成するには、スクリーン印刷やデスペンサー等の塗装方法を用いて形成するのが最適である。その為の塗料化に適した樹脂で、工業化でのコスト低減のため、成形加工温度が低く、取り扱い性の良好な汎用樹脂である事が望ましく、これらを基準に樹脂を選択した。
一般に、熱硬化性樹脂に無機充填剤を添加してなる熱硬化性樹脂組成物において、その樹脂成分の有している接着性や靱性が、無機充填剤の添加量増加にともなって低下することが知られている。これに対し、本発明の熱硬化性樹脂組成物における接着性と靱性との両立を図るべく、本件発明者は鋭意検討した。その結果、接着性には優れているが靱性の点で比較的低い比較的低分子量のエポキシ樹脂と、接着性の点では比較的低いが靱性の優れている比較的高分子量のエポキシ樹脂とのブレンドによって、それから得られる熱硬化性樹脂組成物の接着性と靱性との両立を図ることができるとの知見に到達した。
請求項1記載の発明では、基板の流体穴を囲んで凹状ビードが形成され、この凹状ビード内に、熱硬化性樹脂及び無機物を含有する樹脂組成物塗膜が形成されている。これにより、熱硬化性樹脂組成物皮膜が凹状ビードのシール作用と併せて、多重のシール作用を実現する。従って、同等なシール性を実現する場合、積層形金属ガスケットの積層枚数を削減することができる。
また、凹状ビード内部に圧縮変形が少なく、かつ、クリープ変形しない厚さが50〜150μmの樹脂製ストッパーを形成することによって、凹状ビードの圧縮変形量を一定基準内に制限することができ、凹状ビードの過度な圧縮変形による繰り返し変形での疲労特性の低下及び凹状ビードのクラック発生を防止することができ、凹状ビードの耐久性向上を果たすことができる。また、金属ガスケットには、ビード形成後に平押し工程を採用して、ビードを一度全屈させて完成形状とする場合もある。上記の樹脂ストッパーの厚さの数値範囲は、このような平押し工程を含んで製造されるガスケットにも適用可能なものである。
また、樹脂ストッパーの前記厚さは、樹脂ストッパーが採用されるガスケットが用いられるエンジンのヘッドリフトなどの諸特性を考え合せて決定される。即ち、本発明の精神は、エンジンの諸特性に適合して、膜厚を含む樹脂ストッパーの特性を適切に決定可能としたことである。本発明は、この範囲で下記の各実施例に限定されず、広範な変形例を含むものである。
また、これらの作用は、複数の金属板を積層して用いる積層型金属ガスケットと同等な作用を実現することができるので、部品点数の削減や、積層された金属板相互の固定などに関連する構成を削減することができる。これにより、構成の簡便化を実現することができる。
樹脂製ストッパーは、熱安定性、接着性及び靱性に富み、加工性の良好な、汎用の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂/フェノール樹脂、エポキシ樹脂/アミノ樹脂、エポキシ樹脂/イソシアネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂によって実現できた。
請求項2記載の発明において、金属との接着性に優れているエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の平均分子量が大きくなると接着性は低下してくるが、三次元網目状の分子構造形成と靱性付与の点で有利となってくる。
数平均分子量が3000〜10000の高分子量エポキシ樹脂(B)100重量部に対して数平均分子量が350〜3000の比較的低分子量のエポキシ樹脂(A)5〜30重量部をブレンドすることによって、高分子量エポキシ樹脂(A)単独の場合には得られなかった接着性と靱性とをかねそなえた硬化塗膜を実現できた。
また、熱硬化性樹脂における硬化剤成分の樹脂としては、その官能基数が平均3官能以下になると、主剤と硬化剤との架橋反応によって形成される分子構造が不完全な三次元網目構造が多くなり、クリープ特性を低下させることが一般に知られている。また、官能基数が多くなると、硬化した硬化塗膜の硬度増加とクリープ特性の改善が図られるが、官能奇数が5官能以上になると靱性は低下することが一般に知られている。
よって、熱安定性が良く、平均官能基数が3〜5の一般に知られている種類のフェノール樹脂又はアミノ樹脂を硬化剤とし、前記の低分子量と高分子量とがブレンドされたエポキシ樹脂(C)100重量部に対して、フェノール樹脂又はアミノ樹脂のいずれか50〜150重量部を混合した熱可塑性樹脂に無機充填剤を添加してなる熱硬化性樹脂組成物の硬化皮膜において、接着性と靱性及と耐熱クリープ性がバランス良く付与されていることが確認された。
請求項3記載の発明では、熱硬化性樹脂成分での硬化剤を、反応活性点がブロックされているブロックイソシアネート樹脂にすることによって、熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を大幅に向上することでき、また、室温での取り扱いでは反応が進行することが無く、熱硬化性樹脂組成物の加工温度を140℃まで低温化することができ、樹脂製ストッパーの製造コストの低減化を実現できる。
また、熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜に極性の強いウレタン結合を導入することによって、ガスケット基材である金属との接着性が増し、特に、靱性に優れた高分子エポキシ樹脂とブロックイソシアネート樹脂とを組み合わせることによって、より靱性の優れた樹脂製ストッパーを実現することができた。
請求項4の発明では、請求項1、請求項2及び請求項3のいずれかに記載されている熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、1〜30重量部の揺変剤と必要量の希釈溶剤と混合することによって、チクソインデックスが1.5〜6、好ましくは3〜6の揺変性を有したスクリーンコート液を調製でき、それによって、スクリーン塗装法で請求項1記載の樹脂製ストッパーの厚さを確保するのに必要な厚塗り塗膜を精度良く形状を保持して形成できるものである。
また、スクリーン印刷による樹脂製ストッパーの形成によって、所望する任意の厚さを持ったストッパーの作成が可能となり、金属製のストッパーを作成するときのような高度の溶接技術を必要とせずに安価な樹脂ストッパー仕様の金属ガスケットの実現に貢献できた。
また、本発明は凹所を有するビード中に熱硬化性樹脂組成物を形成することを主眼とするものであり、熱硬化性樹脂組成物が形成されるビードの形状は、以下の実施例に説明される山形のフルビード、段差状のハーフビード、或いはハーフビードが隣接した形状の台形ビードのいずれであってもよい。
請求項1記載の発明によれば、樹脂組成物皮膜が凹状ビードのシール作用と併せて多重のシール作用を実現する。従って、同等なシール性を実現する積層形金属ガスケットの積層枚数を削減することができる。また、樹脂組成物皮膜は硬質であるので、凹状ビードの圧縮量を確実に規制し、凹状ビードの繰り返し変形による金属疲労を低減して、凹状ビードにおけるクラックの発生を防止して耐久性を向上することができる。
また、これらの作用は、複数の金属板を積層して用いる積層型金属ガスケットと同等な作用を実現することができるので、部品点数の削減や、積層された金属板相互の固定などに関連する構成を削減することができる。これにより、構成の簡便化を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、凹状ビード内の熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜とボアビードとの接着性が向上され、また、前記の硬化塗膜の靱性と熱クリープ性が向上することによって、凹状ビードの凹部内でストッパーとして使用できることが明らかになり、金属製ストッパーでは期待できななった所望する厚さのストッパーを安価に実現することができた。また、樹脂製ストッパーは、金属よりも振動吸収性がよく、樹脂製ストッパーを使用したシリンダガスケットをエンジン組み込んだとき、振動吸収による騒音低減効果が期待できる。
請求項3記載の発明は、請求項2の発明において、熱硬化性樹脂の硬化剤をブロックイソシアネート樹脂に変更し、その硬化剤と主剤との混合割合を主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基との当量比が0.7~1.6となる様にし、無機充填剤の添加量は同じとする場合である。これによって、請求項2の場合よりも低い硬化温度を持った省エネルギータイプの熱硬化性樹脂組成物を創製でき、また、通常の貯蔵保管環境温度では熱硬化性樹脂の主剤と硬化剤が全く架橋反応しない貯蔵安定性の良く、接着性の良好な熱硬化性樹脂組成物を実現することができる。
また、凹状ビードの凹部に熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜が加熱架橋硬化した皮膜をスクリーン印刷法で形成すると、金属製ストッパーをビード内部に形成するときの様な高度な溶接技術が不要となり、所望する厚さのストッパーを安価に実現することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2及び請求項3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を塗料化することによって、スクリーン印刷やデスペンサーなどの塗装技術によるボアビードの凹部への安価な皮膜形成を実現できることにより、金属製ストッパーをビード内部に形成するときの様な高度な溶接技術が不要となり、工業的に安価で凹状ビード内に樹脂製ストッパーを形成できるようになった。
また、熱硬化性樹脂組成物に揺変剤を加えたスクリーンコート液を調整することによって、精度の良い厚塗り塗膜をスクリーン印刷で実現することができ、所望する任意の厚さの樹脂ストッパーを工業的に実現できた。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1〜図6に本発明の一実施例を示す。図1は本実施例の金属ガスケット11の図2における切断面線X1ーX1から見た断面図であり、図2はガスケット11の平面図であり、図3は熱重量測定(TG)による本実施例の熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の重量減少率を示すグラフであり、図4は本実施例の熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の動的粘弾性のグラフで、硬化塗膜の架橋硬化状態及び温度による力学強度の変化を表しており、図5はTMA測定による一定圧縮応力を負荷したときの温度による硬化塗膜の厚さ変化を表すグラフであり、図6は200℃の一定温度下で25MPAの圧縮応力を負荷したときの硬化塗膜の時間による厚さ変化をTMA装置を用いて測定した結果で、クリープ特性を表すグラフである。図7はプリント印刷したときの塗膜の状態を示す断面図である。
また、下記表1に、後述される試料例1〜試料例23の各熱硬化性樹脂組成物を金属板に塗布・硬化させたときの金属板との接着性と靱性の指標となり得る折り曲げ試験結果、硬化塗膜の室温での圧縮弾性率、TMA測定による熱クリープ変形量、チクソインデックスの各特性値を示す。
Figure 2005114077
表1における評価項目と評価方法
1)接着性:接着性は、実施例で記載された熱硬化性樹脂組成物をSUS301の鋼板に約20〜40μmの厚さに塗布して加熱硬化した塗装板について、JIS K 5400の8.5.2碁盤目テープ法に準じて評価した。接着性の評価基準は、JIS K 5400の8.5.1の(5)評価で定められた評価点数を参考にし、次のように表した。
◎:全く剥がれがない 評価点数は10点
◎〜○:切り傷の交点に僅かな剥がれがあるが、全正方形の面積の剥がれは無く、評価点数は9点
○:切り傷の両側と交点とに剥がれがあり、欠陥部の面積が全正方形面積の15%以下で、評価点数は8点
△:切り傷による剥がれの幅が広く、欠陥部の面積は全正方形面積の15〜35%で、評価点数は4点
×:切り傷による剥がれの幅は4点より広く、欠陥部の面積は35%以上で、評価点数は2点以下
2)折り曲げ加工性: 塗膜の靱性は、実施例で記載された熱硬化性樹脂組成物をSUS301の鋼板に約20〜40μmの厚さで塗布して加熱硬化させた塗装板について、JIS K 5600ー5ー1のマンドレル試験方法に準じて折り曲げ試験を行い、その折り曲げ部のクラック発生状態及び剥がれ状態から、次のような基準で評価した。
◎;割れ及び剥がれ全くなし
○;僅かに割れが生じる
△;多少、割れと剥がれが生じる
×;塗膜が割れて部分的に剥がれ落ちる
3)揺変度:塗料化された熱硬化性樹脂塗料の揺変度は、JIS K 6901の5.6揺変度に準じて測定し、同一スピンドルで、2回転での粘度と20回転での粘度との比で表した。粘度は23℃で測定した。
揺変度=2回転での粘度/20回転での粘度 ・・・(2)
上記実施例は、山形のフルビード中に熱硬化性樹脂組成物を形成する具体例に即して説明されたが、本発明はこのような具体例に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂組成物が形成されるビードの形状は、上記山形のフルビード以外に、段差状のハーフビード、或いはハーフビードが隣接した形状の台形ビードのいずれであってもよい。
4)室温圧縮率:圧縮試験は、動的粘弾性測定の際に作成した硬化塗膜について、引張試験機を用い、JIS K 6911に準じて測定した。測定温度は23℃であり、硬化塗膜は、クロスヘッドスピードが0.1mm/minで、6.4φの平行圧子で圧縮した。このとき得られる応力−歪み曲線から、弾性率と、200MPaの圧縮応力を負荷したときの圧縮率を計測し、表1に記載した。
5)クリープ変形量:TMA装置を用いて、動的粘弾性測定の際に作成した硬化塗膜を200℃で25MPa、10時間圧縮したときの厚さ変化量(%)を見かけのクリープ値とした。TMA測定はJIS K 0129に準じた。
また、試料例1〜試料例23に関して、下記の各試験も併せて行い、その結果を図3〜図6の各グラフに示した。
1)熱重量(TG)試験:TGは、実施例で記載された熱硬化性樹脂組成物を数十μmのシート状で加熱硬化した試料について、JIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法に準じて測定した。TG測定での昇温速度は10℃/minである。
2)動的粘弾性測定:実施例で記載された熱硬化性樹脂組成物を70〜150μm程度のシート状にして加熱硬化した塗膜について、JIS K 7244ー4プラスチックー動的機械特性の試験方法ー第4部:引張振動ー非共振法に準じて動的特性を測定した。動的測定での昇温速度は2℃/minである。
3)硬化塗膜の温度による圧縮率変化は、TMA装置を用いて、動的粘弾性測定の際に作成した硬化塗膜に25MPaの圧縮応力を負荷したときの温度による塗膜の厚さの変化量から求めた。TMA測定での昇温速度は5℃/minである。
本件発明者は、近年のエンジンの軽合金化、出力増大の動向に鑑み、金属ガスケットの薄型化、シール性の向上、耐久性の向上に関して開発を行い、上記ボアビードの耐久性の向上や、複数枚の金属板を積層することなく、より薄い構成のガスケットによって充分なシール性を得るべく検討を行ってきた。その結果、ボアビードなどのビードの耐久性向上と、ビードによるシール作用に加え、複数枚の積層金属板からなるガスケットと同等なシール作用を、簡便な構成で実現できる本発明を得たものである。
以下、図1及び図2を併せて参照して、本実施例の金属ガスケット11の構成の概略について説明する。本実施例の金属ガスケット11は、例として、自動車用エンジン(図示せず)のシリンダヘッドガスケットであり、例えばSUS301厚さ0.2mmなどのステンレスバネ鋼板等の弾性を有する金属材料からなる基板20を用いる。但し、本発明において、その他のバネ鋼材を用いても良いことは勿論である。
基板20には、シリンダブロック(図示せず)の開口形状に合致させた複数の略円形のボア穴12、冷却水や潤滑油を通す為の複数の透穴13、及びシリンダヘッドを金属ガスケット11を介してシリンダブロックに固定する為のボルトを挿通するための複数の通穴14が形成されている。
更に、本実施例の金属ガスケット11は以下のように構成されている。即ち、図1及び図2に示されるように、各ボア穴12をそれぞれ囲んで凹状ビードであるフルビード形状のボアビード15が高さH1(例として0.25mm)に形成されている。また、各ボア穴12及び各通穴13を囲んで、やはり凹状ビードであるハーフビード形状の外周ビード16が、高さH2(例として0.25mm)に形成されている。
ボアビード15の凹部17内には、後述する組成と特性を有する熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜18が、厚さ50〜150μmの範囲内の厚さT1(例として、50〜100μm)で形成され、前記ボアビード15及び外周ビード16をそれぞれ含む範囲に、ミクロシールのためのコーティング層19が厚さT2(例として、0.02mm)でそれぞれ形成されている。
図3、図4、図5、図6及び表1を併せて参照し、後述される各試料例のスクリーンコート液として用いられる熱硬化性樹脂組成物から形成される硬化塗膜の特性を次に説明する。
熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜18は、熱硬化性樹脂に無機物充填剤を添加してなる熱硬化性樹脂組成物に必要に応じて揺変剤や希釈溶剤を加えて塗料化し、スクリーン印刷塗装法を用いて、前記ボアビード15の凹部内17に塗布して形成される。塗装直後の未硬化塗膜に対して予備的な乾燥を施した後に加熱乾燥・架橋硬化し、前記ボアビード15の凹部内17に樹脂製ストッパーとしての硬化塗膜18を形成する。
前記予備的乾燥は、未硬化塗膜において架橋反応がほとんど進行しない温度下で実施し、未硬化塗膜中の溶剤の90%以上が除去される。予備的乾燥が終了した段階での塗膜は、架橋反応がほとんど進行しておらず、熱可塑性樹脂の状態となっており、一般に知られている熱プレス技術を用いて塗膜の形状修正が可能であり、また、高周波加熱硬化させることも可能である。
本実施例の熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜は、本実施例において、エンジンに組付けられるシリンダヘッドガスケットに適用することから、その熱硬化性樹脂組成物から形成される硬化塗膜18の熱安定性を、TG測定による熱重量減少曲線から評価した。その測定結果は、図3のラインL1(試料例3:実施例)、L2(試料例19:実施例)及びL3(試料例20:実施例)に示される。
ラインL1、L2及びL3からは、室温〜300℃付近まで、熱分解による重量変化が見られないことが確認され、また、図4の動的粘弾性測定結果からも、熱劣化や熱分解等による弾性率の低下が認められなかった。即ち、250℃程度の使用環境下では、熱劣化による各試料例の硬化塗膜18の樹脂製ストッパーとしての機能および作用効果が、時間経過に伴って低下することがないことが確認された。
ポリアミドイミド樹脂は請求項1に記載される熱硬化性樹脂の中では最も熱分解温度が高く、ガスケット基材である金属との接着性も良好であるが、その樹脂塗膜の加熱硬化温度が一般に250℃以上と高く、また、塗料化のための希釈溶剤の選択肢と硬化剤の選択肢が少なく、本実施例のエポキシ樹脂/フェノール樹脂又はアミノ樹脂の組合せの系統やエポキシ樹脂/イソシアネート樹脂の組合せ系統の熱硬化性樹脂組成物よりも取り扱い性の点で劣っている。
熱硬化性樹脂での弾性率は、架橋密度の増加によって大きくなるが、プラスチック材料の弾性率よりも約10倍以上の弾性率を有している無機充填剤の添加によって大きく増加する。無機充填剤が添加されていない試料例1の熱硬化性樹脂の硬化塗膜は、室温下で200MPAの圧縮応力を負荷すると、硬化塗膜厚さの12%が圧縮され、弾性率は1.6GPAとなる。
それに対して、試料例1(実施例)の熱可塑性樹脂100重量部に酸化チタンを50重量部添加した試料例2(実施例)に記載の硬化塗膜では、200MPAの圧縮応力を負荷すると、圧縮量が酸化チタン充填前の二分の一以下の5.4%となり、弾性率も3.7GPAと大きく増加し、樹脂製ストッパーとしての機能を満たすものであることが確認された。
酸化チタンを300重量部添加量した試料例3(実施例)での硬化塗膜の室温での圧縮率は測定限界値の2%以下で、200℃でのクリープ変形も測定限界値の2%以下であり、また、TMA測定で硬化塗膜に25MPAの圧縮応力を負荷した状態で、その塗膜を室温から5℃/minの昇温速度で200℃まで加熱したときの塗膜厚さの変動はほぼ5%(図5参照)で、非常に優れたストッパー機能を果たすものであった。
試料例4(対比例)、5(実施例)、6(対比例)、7(対比例)の熱硬化性樹脂組成物をガスケット基材であるSUS301に20μmの厚さでそれぞれ塗布し、加熱硬化した試料について、碁盤目試験による接着性評価と折り曲げ試験による塗膜の靱性(折り曲げ加工性)を評価したところ、エポキシ樹脂の平均分子量が大きくなると、接着性は低下するが、靱性は良くなることが確認された。
ボアビード15の凹部17に形成される樹脂製ストッパーである硬化塗膜18に要求される接着性と靱性の両立は、靱性に優れている高分子量のエポキシ樹脂に、接着性の優れている比較的低分子量のエポキシ樹脂をブレンドした試料例8(実施例)と、このブレンドを行わない場合の試料例4(対比例)及び試料例5(実施例)での接着性と折り曲げとに関する試験結果から、低分子量のエポキシ樹脂と高分子量のエポキシ樹脂をブレンドすることによって達成できることが確認された。
このようなブレンドの配合割合は、試料例8(実施例)と試料例9(対比例)及び試料例10(実施例)での配合検討から、接着性と靱性の両特性値が目標基準値を達成する低分子量エポキシ樹脂と高分子量エポキシ樹脂との配合割合は、重量比で5:100〜30:100が適切であることが確認された。
熱硬化性樹脂と無機充填剤の混合物である請求項1、2及び3に記載の熱硬化性樹脂組成物では、無機充填剤の混合割合が多くなると、試料例11(実施例)、試料例12(実施例)及び試料例13(実施例)の評価結果で明らかな様に接着性と靱性が共に低下し、酸化チタンの添加量が400重量部になると、接着性と靱性が目標としている基準値の下限となる。酸化チタンの添加量は、試料例2(実施例)での硬化塗膜の200MPAの圧縮応力負荷での圧縮量と試料例13(実施例)での接着性及び靱性が基準下限値であることをから、50〜400重量部の範囲内が適した添加割合であった。
樹脂製ストッパーの重要な特性の一つである耐クリープ特性の向上は、熱硬化性樹脂の主剤として接着性に優れているエポキシ樹脂を選択し、硬化剤として平均官能基数が3〜5官能で熱的に安定なフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂のいずれかを用いて、より完全な網目構造を形成する配合を念頭に置き、目標である200℃でのクリープ変形が5%以下になる配合について検討した。
試料例8(実施例)、試料例14(実施例)、試料例15(実施例)及び試料例16(実施例)に記載したフェノール樹脂又はアミノ樹脂を硬化剤とした架橋反応系では、200℃、15分間加熱することによって、架橋反応が完結していることを硬化塗膜の動的粘弾性測定結果(図4参照)から確認した。
また、それら塗膜について、200℃で25MPAの圧縮応力を負荷したときの硬化塗膜のクリープ変形量をTMAで測定した。その結果、請求項2記載のエポキシ樹脂100重量部に対して硬化剤であるフェノール樹脂又はアミノ樹脂50〜150部を添加した配合系では、目標である5%以内のクリープ変形を達成しているが、その配合範囲外では、クリープ変形が5%以上となることが確認された。
フェノール樹脂やアミノ樹脂系を硬化剤として用いたときには、自己縮合等の副反応があり、その架橋構造が複雑なものになることが一般に知られており、この事が主剤と硬化剤との最適配合割合の範囲が広くなっている原因であり、架橋構造の複雑さは図4の粘弾性測定での試料例3の特性を示すラインL4で示されるブロードなゴム状転移領域にも表れている。
試料例17(実施例)、試料例18(実施例)と試料例19(実施例)のエポキシ樹脂とブロックイソシアネート樹脂との架橋反応系である熱可塑性樹脂組成物では、160℃で15分の加熱によって架橋反応が完結することを、硬化塗膜の動的粘弾性測定で確認した。
イソシアネート樹脂系を硬化剤とした試料例18(実施例)でのSUS301基板20との接着性と、硬化剤をフェノール樹脂とした試料例12(実施例)におけるでSUS301基板20との接着性とを比較すると、イソシアネート樹脂硬化系の接着性がフェノール硬化系よりも良好となっており、高分子量のエポキシ樹脂単独とブロックイソシアネート樹脂との配合系でも樹脂製ストッパーとして特性を満たすことが確認された。
熱硬化性樹脂としての主剤と硬化剤との配合割合は、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基との比が当量比で1:1ときが最も理想的な硬化反応となる。但し、配合系に含まれている水分などの影響を受け、イソシアネート側が過剰である範囲で最適配合となることが多い。本発明では、試料例17(実施例)と試料例18(実施例)の範囲内であるイソシアネート基とOH基との当量比が、NCO/OH=0.7〜1.6のとき、樹脂ストッパーとして基準特性値を満たす事が確認できた。
また、反応性の高いイソシアネート基がブロックされているため、エポキシ樹脂―ブロックイソシアネート樹脂配合系の熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性は非常に良好であり、加熱してブロック剤が解離したときのエポキシ樹脂の水酸基との反応が速い利点を有しており、架橋構造も理想的な網目構造を形成していることが図4の試料例17(実施例)の動的粘弾性曲線L5から十分に推測できる。
試料例20(実施例)のポリアミドイミド樹脂組成物は、その加熱硬化の条件が250℃、15分間と、高い硬化温度を要するが、SUS301基板20との接着性は優れており、図3のTG―DTA測定結果のラインL3から明らかなように耐熱性は非常に良好である。しかし、塗料化するための溶剤選択の幅がせまく、希釈溶剤がスクリーン印刷版の材質へ悪影響を及ぼすことが多く、取り扱い性に劣るところがある。
試料例21(対比例)、 試料例22(実施例)、試料例23(実施例)は試料例3(実施例)の基本配合に対して、無機揺変剤であるタルクを添加した、揺変度合いの異なるスクリーンコート液である。塗料液の揺変性を増加させると、印刷したときの塗膜の断面形状が矩形に近づき、厚塗りに適するが、印刷版のメッシュ跡が塗膜表面に残るようになってくる。印刷塗膜のボイド発生率が少なく、50〜200μm程度の塗膜が安定した形状で印刷できる揺変性の範囲はチクソインデックスで2〜6であった。実際に得られた塗膜の断面図を図6に示す。
以下、本発明を実施した実施例と、実施例の作用効果を明瞭にするために試作した対比例とを詳細に説明する。
(試料例1(対比例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1225HX30)100重量部に対して、硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂を200℃で15分間加熱硬化させることによって約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTG(図3参照)、動的粘弾性測定(図4参照)、TMAによる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例2(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1225HX30)100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)50重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物を200℃で15分間加熱硬化させることによって約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜は室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例3(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)100重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)300重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTG(図3参照)、動的粘弾性測定(図4参照)、TMAによる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例4(対比例))
平均分子量の大きなビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、その結果を表1に示した。

(試料例5(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1010)100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、その結果を表1に示した。
(試料例6(対比例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜は室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例7(対比例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1004)100重量部に対して、硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、その結果を表1に示した。
(試料例8(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例9(対比例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)5重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例10(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)30重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)30重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例11(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)50重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)50重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例12(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)50重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)300重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例13(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)50重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)400重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜は室温での圧縮試験の試験片として供した、それらの結果を表1に示した。
(試料例14(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)100重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物を200℃で15分間加熱硬化させることによって約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜は動的粘弾性測定(図4参照)及びTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例15(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)150重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物を200℃で15分間加熱硬化させることによって約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例16(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシレジン樹脂100重量部に硬化剤としてのメラミン樹脂(三井サイテック社製サイメル303)50重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)100重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物を200℃で15分間加熱硬化させることによって約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTMAによる200℃での圧縮クリープ試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例17(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)100重量部に硬化剤としてのブロックイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製の商品名B830)40重量部とを混合してなる熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)300重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、160℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、その硬化塗膜はTG(図3参照)、動的粘弾性測定(図4参照)、TMAによる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例18(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)100重量部に硬化剤としてのブロックイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製の商品名B830)100重量部とを混合してなる熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)300重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、160℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、TMAによる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例19(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのブロックイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製の商品名B830)100重量部を混合してなる熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)300重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、160℃で15分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、TMAよる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例20(実施例))
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡株式会社製)100重量部に酸化チタン300重量部を添加してなる樹脂組成物をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、250℃で10分間加熱硬化した。その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、また、別途、約0.1mmの厚さの硬化塗膜を作成し、TG測定(図3参照)、動的粘弾性測定(図4参照)、TMAよる200℃での圧縮クリープ試験及び室温での圧縮試験の試験片として供し、それらの結果を表1に示した。
(試料例21(対比例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)100重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)270重量部と無機揺変剤としてのタルク(RHEOX社製)30重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物は揺変性を有したスクリーン印刷に適した塗料液となり、その揺変度合の指標であるチクソインデックスを表1に示した。また、塗料液をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化し、その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、結果を表1に示した。
(試料例22(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)100重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)255重量部と無機揺変剤としてのタルク(RHEOX社製)45重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物は揺変性を有したスクリーン印刷に適した塗料液となり、その揺変度合の指標であるチクソインデックスを表1に示した。また、塗料液をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化し、その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、結果を表1に示した。
(試料例23(実施例))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1256)80重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート1007)20重量部を混合したエポキシ樹脂100重量部に硬化剤としてのフェノール樹脂(櫻宮化学(株)製レゾール型キシレノール)100重量部を混合した熱硬化性樹脂100重量部に対して、酸化チタン(テイカ製JRー301)210重量部と無機揺変剤としてのタルク(RHEOX社製)90重量部を混合機(浅田鉄鋼社製グレンミル)にて均一に混合して製造した熱硬化性樹脂組成物は揺変性を有したスクリーン印刷に適した塗料液となり、その揺変度合の指標であるチクソインデックスを表1に、印刷塗膜の断面図を図6に示した。また、塗料液をSUS301板に約20μmの厚さで塗布し、200℃で15分間加熱硬化し、その硬化させた塗装板は密着性試験及び折り曲げ試験に供し、結果を表1に示した。
上記実施例は、山形のフルビード中に熱硬化性樹脂組成物を形成する具体例に即して説明されたが、本発明はこのような具体例に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂組成物が形成されるビードの形状は、上記山形のフルビード以外に、段差状のハーフビード、或いはハーフビードが隣接した形状の台形ビードのいずれであってもよい。
本発明の一実施例の金属ガスケット11の断面図である。 ガスケット11の平面図である。 試料例3、試料例19及び試料例20の各硬化塗膜の熱分解による重量減少を表すグラフである。 試料例3、試料例19及び試料例20の各硬化塗膜の力学的特性の温度変化を表す曲線である。 試料例3の硬化塗膜を昇温させたときの塗膜の厚さ変化を圧縮率で表したグラフである。 試料例1及び試料例3の各硬化塗膜を所定応力で圧縮したときの塗膜厚さの時間変化を表すグラフである。 本実施例の揺変性を付与されたスクリーンコート液をスクリーン印刷したときの塗膜の断面図である。 従来技術の部分的平面図である。
符号の説明
11 ガスケット
12 ボア穴
13 透穴
14 通穴
15 ボアビード
16 外周ビード
18 樹脂組成物皮膜
19 コーティング層
20 基板

Claims (4)

  1. 弾性を有する金属薄板から構成された基板に形成されたシールすべき流体が通過する流体穴を囲んで凹状ビードが形成され、
    この凹状ビード内に、熱硬化性樹脂100重量部に、無機充填剤50〜400重量部を添加した熱硬化性樹脂組成物からなる皮膜を形成したことを特徴とする金属ガスケットであって、
    前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂のうちから主剤又は硬化剤となる樹脂がそれぞれ選択され、当該主剤と硬化剤とが混合されてなる熱硬化性樹脂であり、
    前記無機充填剤は、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、シリカ、硫酸バリュウム、炭酸カルシュウムの1種または2種以上から選択される金属ガスケット。
  2. 数平均分子量が350〜3000のエポキシ樹脂(A)と、数平均分子量が3000〜10000のエポキシ樹脂(B)とが、重量比で5:100〜30:100の割合で混合された主剤としてのエポキシ樹脂(C)100重量部に対して、硬化剤としてフェノール樹脂又はアミノ樹脂のいずれか50〜150重量部を添加した熱硬化性樹脂100重量部に、50〜400重量部の請求項1に記載の無機充填剤が混合されてなる熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の主剤としてのエポキシ樹脂(C)に、硬化剤としてのブロックイソシアネート樹脂を混合してなる熱硬化性樹脂100重量部に、請求項1に記載の無機充填剤50〜400重量部を添加してなる熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記主剤としてのエポキシ樹脂(C)と硬化剤としてのブロックイソシアネート樹脂との混合割合は、主剤の水酸基(OH)と硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比(OH/NCO)が0.7~1.6の範囲に選ばれる熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物に、溶剤と揺変剤とを混合して、そのチクソインデックスが1.5〜6の範囲になる様に調整されたスクリーンコート液であって、
    前記揺変剤としては、表面処理された無機微細粒子、エアロジル、タルク、クレーを含む無機揺変剤、或いは水添亜麻仁油、ポリエチレン微粒子を含む有機揺変剤のうちの1種または2種以上から選択されるスクリーンコート液。
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