JP2005113728A - エンジンオイルの消費量異常判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エンジンオイルの消費量の異常を早期に検出可能な技術を提供する。
【解決手段】 エンジン1の運転状態に基づいてエンジン1から排出される排気中のS濃度を推定する一方で、SOxセンサ32によりその排気中のS濃度を検出し、そして、S濃度の検出値が推定値よりも所定量上回った場合にオイル消費量異常と判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン1の運転状態に基づいてエンジン1から排出される排気中のS濃度を推定する一方で、SOxセンサ32によりその排気中のS濃度を検出し、そして、S濃度の検出値が推定値よりも所定量上回った場合にオイル消費量異常と判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジンオイルの消費量の異常を検出するための技術に関する。
エンジンオイルは、エンジンの各部位の潤滑、冷却、防錆、清浄分散などの重要な役割を担っている。エンジンオイルは基本的にエンジン内を循環するものであるが、その一部は燃焼室に入り込み、燃料とともに燃焼し、次第に消費されていく。
オイル量が適切でないとエンジン性能に悪影響を与えるおそれがあることから、一般には、オイルパンに設けられたオイルレベルゲージによってオイル量を点検することが行われている。あるいは、オイルパン内にフロート式のオイルレベル検出装置を設置し、電気的にオイル量の監視を行うものもある(例えば特許文献1参照)。
実開平5−47322号公報
特開2002−221028号公報
特開2001−74727号公報
ところで、ピストンのオイルリング破損など、エンジンの構成部品に何らかの不具合が発生すると、エンジンオイルの消費量が異常増加する場合がある。エンジンの保護という観点からは、このようなオイル消費量の異常をできるだけ早期に検出し、警告を発するなどの処置をとることが望ましい。
しかしながら、オイルレベルゲージやオイルレベル検出装置で検出できる結果は、あくまでもオイルパン内に溜められているエンジンオイルの量にすぎない。つまり、従来方法ではオイル量が必要量を下回っていることは検出できるけれども、オイル消費量の異常増加の徴候を適時に検出することはできないのである。
また、オイル消費量の増加は次のような問題を生ずるおそれもある。
エンジンオイルが燃焼すると、オイル中の硫黄分が酸化してSOx(硫黄酸化物)が生成される。従来は、オイル燃焼に由来する排気中のS量(硫黄量)は、ガソリンや軽油の燃焼に由来するS量に比べて十分小さかったため、特に問題とされることはなかった。しかし、将来的にエミッション規制が厳しくなり、燃料の含有S濃度が低減された場合には、エンジンオイルの異常消費に伴う排出S量の増加が無視できなくなるものと予想される。
さらに、吸蔵還元型NOx触媒を備えたエンジンにあっては(例えば特許文献2、3参照)、排気中のSOxの増加により触媒のSOx被毒の進行が早まり、排気浄化能力の低下を招くおそれもある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、エンジンオイルの消費量の異常を早期に検出可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、エンジンから排出される排気中のS濃度を監視することによってオイル消費量の異常を検出する。
たとえば、エンジンの運転状態に基づいてエンジンから排出される排気中のS濃度を推定する(推定工程)一方で、SOxセンサによりその排気中のS濃度を検出し(検出工程)、そして、S濃度の検出値が推定値よりも所定量上回った場合にオイル消費量異常と判定するのである(判定工程)。
燃料の燃焼で生じるS量は燃料消費量に比例する。よって、燃料の燃焼に由来するS濃度に関しては、燃料噴射量や吸入空気量などのエンジンの運転状態に基づいてほぼ正確な値を算出することが可能である。他方、オイルの燃焼で生じるS量はオイル消費量に比例するものであり、オイル消費量についてもエンジンの運転状態に基づいてほぼ正確な値を算出することができる。このことから、S濃度の推定値と検出値とが推定誤差や検出誤差の範囲を超えて大きくずれた場合には、オイル消費量に異常が発生していると判断することができるのである。
この方法によれば、エンジンの運転中に、エンジンオイルの消費量が異常増加したことを速やかに検出することができ、深刻なエンジントラブルや排気悪化を未然に防止することが可能となる。
このとき、検出工程では、排気浄化触媒のSOx吸蔵量を監視するために触媒の上流に設けられたSOxセンサが利用されることが好ましい。同一のSOxセンサを利用して、エンジンオイルの消費量異常の監視と排気浄化触媒のSOx吸蔵量の監視を行えば、構成の簡易化やコスト低減を図ることができる。
また、推定工程および検出工程がリーン運転時に行われることも好ましい。すなわち、本発明は、ディーゼルエンジンや希薄燃焼を行うガソリンエンジンに好適に実装することができる。空燃比の高いリーン運転時では燃料消費量が比較的少ないので、燃料の燃焼で生じるS量が少なくなる。そうすると、排気中のS濃度のうちオイルの燃焼に由来する割合が相対的に大きくなるので、オイルの消費量異常に起因するS濃度の変動が把握しやすくなり、判定精度が向上する。
本発明によれば、排気中のS濃度を監視することによってエンジンオイルの消費量の異常を早期に検出することができる。これにより、深刻なエンジントラブルや排気悪化を未然に防止することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
(エンジンシステムの構成)
図1に、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの構成を模式的に示す。エンジンシステムは、概略、エンジン1、吸気系2、排気系3および制御系4から構成される。エンジン1としては、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンのいずれも採用することができる。
図1に、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの構成を模式的に示す。エンジンシステムは、概略、エンジン1、吸気系2、排気系3および制御系4から構成される。エンジン1としては、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンのいずれも採用することができる。
吸気系2は、エンジン1の燃焼室内に吸入空気を導入する吸気通路20を有する。吸気通路20には吸入空気量を検出するエアフロメータ21が設置されており、エアフロメータ21の検出値は制御系4に入力される。
排気系3は、エンジン1の燃焼室から排気を排出するための排気通路30を有する。排気通路30には、排気浄化触媒である吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「触媒」という
)31が設けられている。この触媒31は、排気の空燃比がリーンであるときには排気中のNOxを吸蔵し、逆にリッチであるときには吸蔵していたNOxを放出しつつN2に還元することによって、排気の浄化を行う。
)31が設けられている。この触媒31は、排気の空燃比がリーンであるときには排気中のNOxを吸蔵し、逆にリッチであるときには吸蔵していたNOxを放出しつつN2に還元することによって、排気の浄化を行う。
また、触媒31の上流の排気通路30には、排気中のS濃度を検出するSOxセンサ32が設置されている。SOxセンサ32の検出値は制御系4に入力され、触媒31のSOx吸蔵量の監視及びエンジンオイルの消費量異常の監視に利用される。
制御系4は、概略、ECU(電子制御装置)40、アクセル開度センサ41、警告部42を備えている。ECU40は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ(ROM,RAM,バックアップRAMなど)43、タイマーカウンタ、A/D変換器などから構成される。ECU40は、メモリ43に格納されたプログラムをCPUに読み込んで適宜実行することで、各種センサからの入力に基づき、エンジン1の燃料噴射量制御、触媒31のSOx被毒回復制御、エンジンオイルの消費量異常判定制御などのエンジンシステムの各種制御を実施する。警告部42はオイル消費量の異常を運転者に通知するためのもので、例えば警告ランプ、ディスプレイまたはスピーカにより構成される。
次に、ECU40が実行する各種制御について詳しく説明する。
(触媒のSOx被毒回復)
触媒31のSOx吸蔵量が増加すると、触媒31のNOx吸蔵能力が低下する。そこで、本実施形態のエンジンシステムでは、ECU40が、SOxセンサ32で検出されたS濃度とエアフロメータ21で検出された吸入空気量とから排気中のS量を算出し、メモリ43にS量の累積値を記録していく。
触媒31のSOx吸蔵量が増加すると、触媒31のNOx吸蔵能力が低下する。そこで、本実施形態のエンジンシステムでは、ECU40が、SOxセンサ32で検出されたS濃度とエアフロメータ21で検出された吸入空気量とから排気中のS量を算出し、メモリ43にS量の累積値を記録していく。
ECU40は、S量の累積値が所定値に達した時点、すなわち触媒31のSOx吸蔵量が限界値に達した時点で、SOx被毒回復制御を実施する。具体的には、ECU40は、触媒31の床温を500℃〜700℃の高温とした上で、空燃比を間欠的にリッチに設定し、触媒31に吸蔵されたSOxを放出する。これにより触媒31のNOx吸蔵能力が回復する。
その後、ECU40はメモリ43内の累積値をリセットし、新たにSOx吸蔵量の監視を開始する。
(オイル消費量異常判定)
本実施形態のエンジンシステムでは、ECU40が、エンジン1から排出される排気中のS濃度を監視することによってエンジンオイルの消費量異常を検出する。まずはその原理について、図2および図3を参照して説明する。
本実施形態のエンジンシステムでは、ECU40が、エンジン1から排出される排気中のS濃度を監視することによってエンジンオイルの消費量異常を検出する。まずはその原理について、図2および図3を参照して説明する。
図2は、オイル消費量が正常な場合の排気中のS濃度の変化を表している。図2において、横軸は時間、上段のグラフの縦軸はSOxセンサ32の出力(つまりS濃度の検出値)、下段のグラフの縦軸は車速を示す。
SOxセンサ32の出力として得られる排気中のS濃度には、軽油やガソリンなどの燃料の燃焼に由来する分と、エンジンオイルの燃焼に由来する分とが含まれる(以下、それぞれ「燃料分」「消費オイル分」という)。
燃料の燃焼で生じる燃料分S量は燃料消費量に比例する(なお、S量とは排気中に含まれる硫黄の重量であり、単位時間当たりのS量と排気量とからS濃度が求まる)。よって、図2に示すように、アイドリング状態では燃料消費量が少なく燃料分S濃度は低いが、
アクセルを開けて加速を開始すると燃料消費量が増え、それに伴って燃料分S濃度も増加する。加速が終了し定常状態に入ると、燃料分S濃度の変動は少なくなり、燃料消費量に応じたほぼ一定の濃度を示すようになる。
アクセルを開けて加速を開始すると燃料消費量が増え、それに伴って燃料分S濃度も増加する。加速が終了し定常状態に入ると、燃料分S濃度の変動は少なくなり、燃料消費量に応じたほぼ一定の濃度を示すようになる。
このような燃料分S濃度は、燃料噴射量や吸入空気量などのエンジンの運転状態に基づいてほぼ正確な値を推定可能である。ここで、燃料噴射量はアクセル開度センサ41の出力値やエンジン1の回転数から求めることができ、また、吸入空気量(排気量に対応する)はエアフロメータ21の出力値、または、吸気通路20もしくは排気通路30に設置された圧力センサの出力値などから算出可能である。
他方、オイルの燃焼で生じる消費オイル分S量はオイル消費量に比例する。オイル消費量は、エンジン負荷が高いほど油温が上昇し、多くなる。そこで例えば、エンジン負荷とオイル消費量(または消費オイル分S量)とを対応付けしたオイル消費推定量マップを用いることにより、排気中に含まれる消費オイル分S濃度のほぼ正確な値を推定可能である。なお、走行距離が増えるほどオイル消費量が増加する傾向にあるので、この点を考慮して消費オイル分S濃度を算出することも好ましい。
以上より、オイル消費量が正常な場合は、計算により求められるS濃度推定値とSOxセンサ32により検出されるS濃度検出値との差は、推定誤差や検出誤差の範囲に収まる。
これに対し、エンジン1の構成部品になんらかのトラブル(例えばピストンのオイルリング破損など)が発生し、燃焼室内へのオイルの流入量が増加すると、図3に示すように、SOxセンサ32の出力値が大きく変動する。この変動は、消費オイル分の増加によるものである。この場合、S濃度推定値とSOxセンサ32でのS濃度検出値とが大きくずれることになる。
このことから、S濃度の推定値と検出値とを比較し、両値が推定誤差や検出誤差の範囲を超えて大きくずれた場合には、オイル消費量に異常が発生していると判断することができる。典型的には、推定値に所定量加えた値を「異常判定レベル」に設定し、検出値がこの異常判定レベルを上回った場合にオイル消費量異常と判定すればよい。このときの所定量は、検出誤差、推定誤差、正常時の消費オイル分S濃度などを考慮して適宜設定することができる。
以上述べた原理に基づき、本実施形態のエンジンシステムでは、図4のフローチャートに従ってエンジンオイルの消費量異常判定を実施する。以下、詳しく説明する。
ステップS1において、ECU40は、エンジン1の運転状態(エンジン条件)を読み込む。ここでは、エンジン条件として、アクセル開度センサ41の出力値およびエアフロメータ21の出力値が読み込まれる。
ステップS2において、ECU40は、まずアクセル開度センサ41の出力値から燃料消費量を推定し、続いて燃料消費量と燃料の含有S濃度とから排気中の燃料分S量を算出する。燃料の含有S濃度は、メモリ43に格納されている設定値を読み込んで使用する。
メモリ43の設定値は、オイル消費量異常判定ルーチンの実行前に予め設定されているものである。その設定方法は種々考えられる。例えば、ハイオク/レギュラー、クリーン燃料/通常燃料のように、エンジン1に用いる燃料の種類が指定されている場合などは、製品出荷時に指定燃料の平均的な含有S濃度をメモリ43にプリセットしておけばよい。
また、メモリ43の設定値を更新できるようにすることも好ましい。例えば、運転席や給油口の近くに燃料の種類やその含有S濃度を入力可能な入力部を設ける構成が考えられる。この構成によれば、給油した燃料に応じて設定値を更新できるので推定精度が向上する。
さらに、SOxセンサ32の検出値に基づいて、上記設定値を補正することも好ましい。同じ種類の燃料であってもメーカーや銘柄によって含有S濃度にばらつきが存在するし、燃料タンクに燃料が残った状態で他の種類の燃料を継ぎ足し給油することもあり得る。そこで例えば、エンジン1の始動時に排気中のS濃度を検出して、その検出値から燃料の含有S濃度を推定し、メモリ43内の設定値を補正するようにすれば、設定値の信頼性が向上し、より高精度なS濃度推定が可能となる。このとき補正処理の回数を減らすために、エンジン1の始動時に毎回補正処理を実行するのではなく、給油が行われた後の始動時にのみ行う構成も好ましい。また、始動直後はエンジン1の挙動が不安定なため、暖機後に補正処理を行うとよい。
ステップS3では、ECU40は、オイル消費量とオイルの含有S濃度とから排気中の消費オイル分S量を算出する。消費オイル分S量は、上述したように、予めメモリ43に設定されているオイル消費推定量マップから求めればよい。一方、オイルの含有S濃度については、燃料の場合と同様の方法によりメモリ43に設定された値を用いる。
ステップS4において、ECU40は、まずステップS2,3で算出したS量を合計する。そしてECU40は、エアフロメータ21の出力値から排気量(吸入空気量)を推定し、単位時間当たりの合計S量と排気量とから排気中の合計S濃度を算出する。
次に、ステップS5において、ECU40は、SOxセンサ32からの出力値を読み込んで、排気中のS濃度を算出する。
ステップS6では、ECU40は、ステップS1〜S4の推定工程で得られたS濃度の推定値と、ステップS5の検出工程で得られたS濃度の検出値とを比較し、検出値が異常判定レベルを超えているか否かを調べる。検出値が異常判定レベルを上回っていた場合には、ステップS7において、ECU40はオイル消費量に異常が発生したものと判断し、その旨を警告部42で運転者に通知する。
以上述べた方法によれば、オイル消費量の異常増加を直ちに検出し運転者に通知することができるので、深刻なエンジントラブルや排気悪化を未然に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、触媒31のSOx吸蔵量を監視するためのSOxセンサ32を検出工程に利用しているので、オイル消費量異常判定のために別個のセンサを追加する必要がなくなり、構成の簡易化およびコスト低減を図ることができる。
上述したオイル消費量異常判定ルーチンは一定時間毎に繰り返し実行されるものであるが、判定の信頼性を高めるために、所定の条件を満たす場合を選んで同ルーチンを実行することが好ましい。以下、好適な実行条件を例示する。
(1)定常状態
エンジン1の暖機前や加速時/減速時などにおいては、燃料消費量が安定せず、排気中のS濃度の推定誤差および検出誤差が大きくなる傾向にある。よって、定常状態などエンジン負荷の安定した条件下で異常判定ルーチンを実行するとよい。
エンジン1の暖機前や加速時/減速時などにおいては、燃料消費量が安定せず、排気中のS濃度の推定誤差および検出誤差が大きくなる傾向にある。よって、定常状態などエンジン負荷の安定した条件下で異常判定ルーチンを実行するとよい。
(2)リーン運転時
空燃比の高いリーン運転時では燃料消費量が比較的少ないので、燃料分S濃度が低くなる。そうすると、排気中のS濃度のうち消費オイル分の割合が相対的に大きくなるので、オイルの消費量異常に起因するS濃度の変動が把握しやすくなり、判定精度が向上する。
空燃比の高いリーン運転時では燃料消費量が比較的少ないので、燃料分S濃度が低くなる。そうすると、排気中のS濃度のうち消費オイル分の割合が相対的に大きくなるので、オイルの消費量異常に起因するS濃度の変動が把握しやすくなり、判定精度が向上する。
(3)燃料の含有S濃度
燃料の含有S濃度が比較的高い場合には、排気中の消費オイル分S濃度がわずかになり、その変動を捉えることが困難になる。図5は、燃料の含有S濃度と、排気全体のS消費量(燃料分S量+消費オイル分S量)に占める消費オイル分S量の割合との関係を示したグラフである。同グラフは、平均燃費が18km/L、オイル消費量が0.7L/10,000km、オイルの含有S濃度が5000ppmの例を示している。ここから分かるように、燃料の含有S濃度が100ppmを超えると、消費オイル分S量の割合が10%以下になり、良好な判定精度を保証することが難しい。
燃料の含有S濃度が比較的高い場合には、排気中の消費オイル分S濃度がわずかになり、その変動を捉えることが困難になる。図5は、燃料の含有S濃度と、排気全体のS消費量(燃料分S量+消費オイル分S量)に占める消費オイル分S量の割合との関係を示したグラフである。同グラフは、平均燃費が18km/L、オイル消費量が0.7L/10,000km、オイルの含有S濃度が5000ppmの例を示している。ここから分かるように、燃料の含有S濃度が100ppmを超えると、消費オイル分S量の割合が10%以下になり、良好な判定精度を保証することが難しい。
したがって、燃料としては、含有S濃度が比較的低いもの(クリーン燃料やハイオクガソリンなど)を用いることが好ましい。具体的には、含有S濃度が50ppm以下のもの、より好ましくは10ppm以下のものを用いるとよい。
あるいは、一定の判定精度を保証し得るしきい値を予め定めておき、燃料の含有S濃度がそのしきい値以下の場合にのみ異常判定ルーチンを実行するような構成を採用することも好ましい。使用燃料の含有S濃度がしきい値よりも高い場合には、オイル消費量の異常検知ができない旨を運転者に通知してもよい。
なお、上記実施形態は本発明の一具体例を例示したものにすぎない。本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、S濃度の推定工程(ステップS1〜S4)の後に検出工程(ステップS5)を実行したが、その順番は逆でもよいし、両工程を同時に実行しても構わない。
また、上記実施形態では、燃料分および消費オイル分のS量を推定し、それをS濃度に換算してからSOxセンサ検出値と比較するようにしたが、逆に、SOxセンサ出力値をS量に換算して、S量同士を比較するようにしても同様の結果が得られる。
1 エンジン
2 吸気系
20 吸気通路
21 エアフロメータ
3 排気系
30 排気通路
31 吸蔵還元型NOx触媒
32 SOxセンサ
4 制御系
40 ECU
41 アクセル開度センサ
42 警告部
43 メモリ
2 吸気系
20 吸気通路
21 エアフロメータ
3 排気系
30 排気通路
31 吸蔵還元型NOx触媒
32 SOxセンサ
4 制御系
40 ECU
41 アクセル開度センサ
42 警告部
43 メモリ
Claims (3)
- エンジンの運転状態に基づいてエンジンから排出される排気中のS濃度を推定する推定工程と、
SOxセンサにより前記排気中のS濃度を検出する検出工程と、
S濃度の検出値が推定値よりも所定量上回った場合にオイル消費量異常と判定する判定工程と、
を含むことを特徴とするエンジンオイルの消費量異常判定方法。 - 前記検出工程では、排気浄化触媒のSOx吸蔵量を監視するために触媒の上流に設けられたSOxセンサが利用されることを特徴とする請求項1記載のエンジンオイルの消費量異常判定方法。
- 前記推定工程および前記検出工程はリーン運転時に行われることを特徴とする請求項1または2記載のエンジンオイルの消費量異常判定方法。
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Legal Events
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