JP2005113058A - 水溶性高分子開始剤を用いた乳化重合法 - Google Patents

水溶性高分子開始剤を用いた乳化重合法 Download PDF

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Abstract

【課題】 合成が煩雑な高分子電解質ブロックを有するブロック共重合体を乳化剤として使用せずに簡便に乳化重合を行なう方法を提供する。
【解決手段】 50質量%以上の水を含む連続液体相と、少なくとも1種のモノマーとから構成されるエマルションを、1つの末端が下記一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基からなる水溶性高分子ラジカル重合開始剤を用いて重合するソープフリー乳化重合方法。
【化1】
Figure 2005113058

(式中、符号は請求項に規定されるとおりである)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ソープフリー乳化重合方法に関するものであり、特に、50質量%以上の水を含む連続液体相と、少なくとも1種のモノマーを、1つの末端が一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基からなる水溶性高分子ラジカル重合開始剤を用いて重合することを特徴とするソープフリー乳化重合方法に関するものである。
本発明の重合方法によれば、合成が煩雑なブロック共重合体を乳化剤として用いることなく簡便にポリマーエマルションを得ることが出来る。
非イオン性の高分子乳化剤は、エマルションを立体的な反発力により安定化する。静電反発力による安定化と立体反発力による安定化の両方の効果を狙うためには高分子電解質ブロックと疎水性ブロックを有するブロック共重合体を用いるのが理想とされている。一般にこのようなブロック共重合体はイオン重合やリビングラジカル重合などのリビング重合の手法を用いて合成される。しかし、イオン重合では親水性の官能基を持つモノマーを直接重合することは困難であるため、保護基を用いるなど合成工程が複雑になることが知られている。また、リビングラジカル重合では、ラジカル重合であるためイオン重合に比べてモノマーの適用範囲は広く、官能基の保護はかならずしも必要なく、ブロック共重合体を合成することができるため、このようにして合成されたブロック共重合体を高分子乳化剤に乳化重合する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2000−44610号公報
上記した特許文献1に記載されるようなリビングラジカル重合はイオン重合に比べるとブロック共重合体を比較的簡単に合成する手法ではあるが、リビングラジカル重合においてもブロック共重合体の合成には高分子電解質ブロックの合成と疎水性ブロックの二段階の工程が必要である。従って、本発明の目的は上記した従来技術の問題点を解決することが可能な乳化重合方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ニトロキサイド化合物を用いてリビングラジカル重合した水溶性高分子を水溶性高分子ラジカル重合開始剤として用いることで、50質量%以上の水を含む連続液体相と少なくとも1種のモノマーから構成されるエマルションをソープフリー乳化重合することが可能であることを見出した。
本発明においては水溶性ブロックを開始剤として乳化重合に利用することによって、重合初期に生成する重合体が高分子乳化剤として作用して乳化重合を安定化させて、ブロック共重合体をあらかじめ合成することなく乳化重合を行うことができる。即ち、従来法における水溶性ブロック合成、疎水性ブロック合成、乳化重合という3つの手順を、水溶性ブロック合成、乳化重合という2つの手順に簡易化できる。
本発明は、その1つの態様によると、50質量%以上の水を含む連続液体相と、少なくとも1種のモノマーとから構成されるエマルションを、1つの末端が下記一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基からなる水溶性高分子ラジカル重合開始剤を用いて重合するソープフリー乳化重合方法である。
Figure 2005113058
(式中、R1は炭素数が1以上の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、あるいはO=P(R17)(R18)基を示し、R2、R5〜R8、R15およびR16は、炭素数が1以上の同一又は異なる直鎖型もしくは分岐型のアルキル基を示し、R3、R4、R9、R10、R13およびR14は、水素、直鎖型もしくは分岐型のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、R11およびR12は直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、水素、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシロキシ基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、また、R17とR18はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、パーフルオロアルキル基もしくはハロゲン基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
なお、本明細書中に使用される「ソープフリー乳化重合方法」とは、1つの末端が上記の一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基からなる水溶性高分子ラジカル重合開始剤以外に、エマルションを安定化させるための界面活性剤もしくは乳化剤を実質的に含まずに又は含む必要がなく行なわれる乳化重合方法を意味する。
本発明によれば、上記の水溶性高分子ラジカル重合開始剤を用いることによって、合成法が煩雑なブロック共重合体等と同様の高分子乳化剤としての効果を示し、乳化重合によって容易にポリマーラテックスを得ることが出来る。
以下、本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において含有量を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(ソープフリー乳化重合)
本発明は、ニトロキサイド化合物を用いてリビングラジカル重合法などの方法で重合した水溶性高分子を水溶性高分子ラジカル重合開始剤として用いることで、50%以上の水を含む連続液体相と、少なくとも1種のモノマーから構成されるエマルションをソープフリー乳化重合することを特徴とする。
本発明のエマルションには、低分子乳化剤だけでなく高分子乳化剤も添加していないが、水溶性高分子ラジカル重合開始剤からモノマーが重合することでブロック共重合体が形成されエマルションの安定化に寄与すると考えられる。
(水溶性高分子ラジカル重合開始剤)
本発明にて使用される水溶性高分子ラジカル重合開始剤の水溶性高分子とは、水への溶解性が30%以上であり、重合するモノマーへの溶解性が10%未満であれば特に限定されない。例えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、等が挙げられるが、ポリマーラテックスをより安定化させるという点からポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムなどの高分子電解質が好ましい。
本発明にて使用される水溶性高分子ラジカル重合開始剤の1つの末端は下記一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基の構造を有する。
Figure 2005113058
上記式(1)または(2)中、R1は炭素数が1以上の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基であり、該アルコキシアミン基のC−O結合に立体障害および結合エネルギーの低下を与える。該アルコキシアミン基のC−O結合に立体障害および結合エネルギーの低下を与えることによって、低い温度での重合が可能となる、用いられるモノマーの種類が多くなる等の利点がある。
1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが挙げられ、あるいはO=P(R17)(R18)基であって、R17とR18はメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;アリールオキシ基、アリール基、トリフルオロエチル基などのパーフルオロアルキル基;F、Cl、Iなどのハロゲン基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)または(2)中、R2、R5〜R8、R15およびR16は、炭素数が1以上の同一又は異なる直鎖型もしくは分岐型のアルキル基であり、アルコキシアミン基のC−O結合に立体障害および結合エネルギーの低下を与える。このようなアルキル基も特に限定されない。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基など好適に使用可能であり、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)または(2)中、R3、R4、R9、R10、R13およびR14は、水素、または直鎖型もしくは分岐型のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。このようなアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが好適に使用可能である。
上記式(1)または(2)中、R11およびR12はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの直鎖型もしくは分岐型のアルキル基;水素、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、エチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシロキシ基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基は、高分子ラジカル重合開始剤になりうるという点からは、例えば2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−アセトキシ−1−ピペリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニロキシ、N−t−ブチル−N−(1−ジエチルホスフォノ−2,2−ジメチルプロピル)ニトロキサイド、3,3,8,8,10,10,−ヘキサメチル−1,5−ジオキサン−9−アザスピロ[5.5]ウンデカニルなどの由来の基を挙げることができる。中でも、特に使用できるモノマーの種類が多いため、一般式(3)で示される、2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−アセトキシ−1−ピペリジニルオキシが好ましい。
Figure 2005113058
本発明で使用される末端にアルコキシアミン基を有する水溶性高分子ラジカル重合開始剤の数平均分子量は、5×102〜10×104程度、更には1×103〜5×104程度であることが好ましい(数平均分子量はGPCで測定することができる)。数平均分子量が小さすぎるとポリマーエマルションの安定化に寄与する立体反発による効果が薄れる傾向があり、他方、数平均分子量が大きすぎると水への溶解性が低下したり、エマルションの粘度が高くなりすぎ重合が上手くいかないことがある。
本発明で使用される水溶性高分子ラジカル重合開始剤の量は、モノマー/開始剤=5000/1〜20/1(モル比)程度が好ましく、1000/1〜50/1(モル比)程度であることがより好ましい。開始剤の量が少なすぎると重合転化率が上がりにくくなったり、ポリマーエマルションの安定化効果が下がる傾向があり、他方、開始剤の量が多すぎると得られるポリマーラテックスの分子量が下がり、例えば成形体として用いたときの機械強度が低下することがある。
水溶性高分子ラジカル重合開始剤の製造法は特に限定されないが、水溶性モノマーをニトロキサイド化合物存在下、トリエチレングリコール等の水溶性溶媒または水中にてリビングラジカル重合する方法などが挙げられる。
(連続液体相)
本発明にて使用されるエマルションの連続液体相には、水が50%以上、好ましくは70%以上、最も好ましくは90%以上含まれる。本発明の水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの水溶性の溶剤が必要に応じて使用される。これらの水溶性溶剤は、スチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの長鎖アルキル(メタ)アクリレートなどの疎水性が非常に高いモノマーを重合するときなどに使用される。また、モノマーの親水性が高い場合は、連続液体相中に溶解することもある。エマルションの連続液体相に水以外の水溶性溶剤の成分が多すぎると、低沸点溶剤では重合中の沸騰を防ぐのに高圧まで加圧しなければならず、高沸点溶剤では得られたポリマー中に残存して物性に影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
なお、本明細書中に使用される「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロニトリル」などの用語は、それぞれ、アクリルもしくはメタクリル、アクリレートもしくはメタクリレート、アクリロニトリルもしくはメタアクリロニトリルを意味する。
(モノマー)
本発明にて用いられるモノマーは、ラジカル重合可能なモノマーであれば特に限定されずに使用することが可能である。例えば、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル、等が挙げられる。スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが好適に使用可能である。
また、(メタ)アクリル酸エステル類としては例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸メチルトリグリコール、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シアノエチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸アリルなどが好適に使用可能である。
(重合条件)
本発明の重合温度は、80℃〜160℃が好ましく、100℃〜130℃がより好ましい。重合温度が低すぎると開始剤の分解が非常に遅くなるため重合が難しくなり、重合温度が高くなると系内の圧力が高くなりすぎることがある。
本発明法はエマルション相が沸騰するのを防ぐのに十分な圧力及び各種成分を基本的にエマルション中に維持するのに十分な圧力で行われることが好ましい(各種成分が蒸気相に移行するのを最小化する)。
本発明で使用されるエマルションは、水と水溶性高分子ラジカル重合開始剤と必要に応じて用いる水溶性溶媒を含む水相と、モノマー(油相)を攪拌しながら混合することで製造することが出来る。水相と油相の質量比は水相/油相=1以上であることが好ましく、更に2以上であることが好ましい。水相比率が低くなるとポリマーラテックスが安定化しにくくなることがある。
本発明の重合法では、ポリマーラテックスが生じる。ラテックスの光散乱光度計にて測定した平均粒子径は5000nm以下、一般的には、20nm〜1000nm以下である。
本発明にて得られるポリマーは、例えば耐衝撃性、流動性、相溶性などの樹脂改質剤や、塗料としての用途などに使用することができる。
以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中における物性は、以下の方法に従って評価した。
○数平均分子量、分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(検出器:RI-1530(日本分光)示差屈折)
カラム:昭和電工製Shodex SB-806HQ、SB-805HQ、SB-804HQ、(内径8.0mm、長さ300mm)各1本ずつを直列接続。
カラム槽温度:40℃
移動相:アセトニトリル10vol%水溶液に0.85g/mlの硝酸ナトリウムを溶解させて使用。流量 1.0ml/min
標準サンプル:ポリエチレンオキサイド(東ソー)
分子量:24000、50000、107000、140000、250000、510000、920000
試料:濃度 0.3〜0.4%水溶液
試料注入量:100μl
○粒子径
光散乱光度計ELS−800(大塚電子(株)製)にてエマルション組成物中の重合体粒子径(質量平均粒子径)を測定した。
○収率
アルミ皿上に重合溶液を約1gとり、170℃で30分加熱して固形分比率を算出した。
収率(%)={(ポリマーラテックス質量)×固形分比率−(仕込んだ水溶性高分子ラジカル重合開始剤質量)}/(仕込みモノマー質量)×100
(水溶性高分子ラジカル重合開始剤(A))
スチレンスルホン酸ナトリウム20g、トリエチレングリコール100gを300mlの攪拌翼及び冷却管付き4つ口フラスコに加え、65℃に加熱しながら攪拌して溶解させ、室温にて30分間流速50ml/minにて窒素バブリングを行った。1−(1−フェニルエトキシ)−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−アセトキシピペリジン0.438gを添加して、65℃に加熱しながら流速50ml/minの窒素気流下、攪拌して溶解させた。完全に溶解したのを確認した後、130℃に昇温して7時間重合して重合溶液を得た。重合終了後、室温に戻して、攪拌している500mlのアセトン中に重合溶液を投入した後、メタノールで洗浄し、70℃で一晩真空乾燥して、一方の末端が2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−アセトキシ−1−ピペリジニルオキシ基を有するポリスチレンスルホン酸ナトリウム15gを得た。得られたポリマーの数平均分子量は27000、分子量分布1.22であった。
(水溶性高分子(B))
スチレンスルホン酸ナトリウム20g、脱イオン水100gを300mlの攪拌翼及び冷却管付き4つ口フラスコに加え、60℃に加熱しながら攪拌して溶解させ、室温にて30分間流速50ml/minにて窒素バブリングを行った。和光純薬製VA−085 0.1gとアミノエタンチオール0.1gを添加して95℃で9時間、流速50ml/minの窒素気流下重合溶液を得た。重合終了後、室温に戻して、攪拌している500mlのアセトン中に重合溶液を投入した後、メタノールで洗浄し、70℃で一晩真空乾燥して末端にアルコキシアミン基を持たないポリスチレンスルホン酸ナトリウム17gを得た。得られたポリマーの数平均分子量は30000、分子量分布1.68であった。
実施例1
100mlのアクリロニトリル、スチレン、脱イオン水を各々流速50ml/minで窒素バブリングして窒素置換を行った。終了後、アクリロニトリル3gとスチレン7gを混合した。水溶性高分子ラジカル重合開始剤(A)3.71gを窒素置換した脱イオン水に溶解した。モノマー混合液と(A)の水溶液を攪拌翼付きステンレス製200mlオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素置換しながら450rpmで30分攪拌した。窒素にて0.1MPaまで加圧した後、130℃まで加熱し、450rpmで9時間重合した。重合終了後、室温まで温度を下げて内容物を取り出した。収率67.8%で、質量平均粒子径105nmのポリマーラテックスを得た。
比較例1
水溶性高分子ラジカル重合開始剤(A)の代わりに水溶性高分子(B)を用いた以外は実施例1と同様に重合を行ったが、攪拌を停止させると2相にわかれた。収率5.5%であった。

Claims (2)

  1. 50質量%以上の水を含む連続液体相と、少なくとも1種のモノマーとから構成されるエマルションを、1つの末端が下記一般式(1)または(2)で示されるアルコキシアミン基からなる水溶性高分子ラジカル重合開始剤を用いて重合するソープフリー乳化重合方法。
    Figure 2005113058
    (式中、R1は炭素数が1以上の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、あるいはO=P(R17)(R18)基を示し、R2、R5〜R8、R15およびR16は、炭素数が1以上の同一又は異なる直鎖型もしくは分岐型のアルキル基を示し、R3、R4、R9、R10、R13およびR14は、水素、直鎖型もしくは分岐型のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、R11およびR12は直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、水素、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシロキシ基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、また、R17とR18はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、パーフルオロアルキル基もしくはハロゲン基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 水溶性高分子ラジカル重合開始剤の1つの末端が下記一般式(3)で示されるアルコキシアミン基からなる請求項1に記載のソープフリー乳化重合方法。
    Figure 2005113058
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