JP2005112233A - マタニティベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 妊産婦の腹部を圧迫することなく、胸部のみを拘束して、妊産婦の安全を確保するマタニティベルト装置を提供しようとする。
【解決手段】 シート装置10の背凭れ12に、妊産婦Mのアンダーバスト上方の胸部および背部を包み込むよう形成されたマタニティベルト本体20を着脱自在に設けると共に、マタニティベルト本体20は、背中にあてがわれる背面主体部21、同背面主体部21の両側に設けれられ、腕を通して肩を包む輪状の左右一対の肩抱持部22、その基端を付け根として左右一対の肩抱持部22に結合され、その自由端を胸部が包み込まれるように互いに交差させて相手側の肩抱持部の脇下に接続される左右一対の力布23、および背面主体部21に設けられ、背凭れ12に取り回して装着するように形成される取り回しベルト部26を備えるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】 シート装置10の背凭れ12に、妊産婦Mのアンダーバスト上方の胸部および背部を包み込むよう形成されたマタニティベルト本体20を着脱自在に設けると共に、マタニティベルト本体20は、背中にあてがわれる背面主体部21、同背面主体部21の両側に設けれられ、腕を通して肩を包む輪状の左右一対の肩抱持部22、その基端を付け根として左右一対の肩抱持部22に結合され、その自由端を胸部が包み込まれるように互いに交差させて相手側の肩抱持部の脇下に接続される左右一対の力布23、および背面主体部21に設けられ、背凭れ12に取り回して装着するように形成される取り回しベルト部26を備えるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、乗用自動車、バス等の自動車、航空機、鉄道車両等の乗り物シート装置に適用され、腹部を圧迫することなく、妊産婦をシート装置に補助的に拘束して、安全且つ快適なドライブを実現できるマタニティベルト装置に関する。
妊産婦が、例えば、自動車の運転席、助手席、あるいは後部シート装置に着座してドライブする場合に、万一の正突時でも、その母体と胎児の安全を図るための技術として、例えば、実用新案登録第3086155号公報や、実開平3−53360号公報が公知である。上記実用新案登録第3086155号公報のものは、伸縮度の少ないゴム混繊維等のネットで形成した本体部を、本体ベルトにより背凭れに一巻きするように取り回して取り付けておき、これに腹部および胸部を包むようにあてがい、その四隅に設けた車体取り付けベルトにより、妊産婦をシート背凭れに拘束するようにした構造である。また、上記実開平3−53360号公報のものは、メインシートベルトと補助シートベルトとを、シート装置に着座する乗員の前面に配置したバックル装置でX字状に掛け渡して結合した構造のシートベルト装置である。
実用新案登録第3086155号公報
特開平3−53360号公報
しかしながら、上記特許文献1のものにあっては、車両衝突時に、妊産婦に作用する衝撃力により、妊産婦の上体を下方に沈み込ませようとする力が作用して移動するとき、その頸部にマタニティネットガードからの負担が作用する恐れがあり、また、マタニティネットガードの本体部は、胸部だけでなく、腹部にもあてがって拘束するようにしているため、母体の腹部を圧迫してしまう問題がある。また、上記特許文献2のものでは、乗員の正面部位のみを支持するようにしているため、いわゆるサブマリン現象を生じるおそれがあるだけでなく、バックル装置とシートベルトとによる点と線で乗員を受け止めるようにしているので、乗員に与える面荷重がそれだけ増大する問題がある。本発明は、このような問題点を解決するために、妊産婦の胸部のみを包み込むようにあてがわれるマタニティベルト本体を、背凭れに着脱自在に取り付け、妊産婦がシート装置に着座する場合に、このマタニティベルトを着用するだけで、あるいは、マタニティベルト本体を、既設のシートベルト装置等で後方へ引っ張る状態で連結させることで、シート装置に衝撃力が作用時したときでも、マタニティベルト本体により妊産婦の腹部を何ら圧迫することなく、胸部のみを拘束し、あるいは、シート装置前方への移動(傾動)を抑制し、妊産婦の安全を確保できるようにしたマタニティベルト装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明は、マタニティベルト装置であって、シート装置の背凭れに、妊産婦のアンダーバスト上方の胸部および背部を包み込むよう形成されたマタニティベルト本体を着脱自在に設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明では、自動車、航空機、鉄道車両等の乗り物シート装置の背凭れが、前後にリクライニングする構造を有するかどうかに関係なく、シート装置に着座する妊産婦が、背凭れに取り付けられたマタニティベルト本体を着用することで、妊産婦は背凭れと一体に保持される。シート装置に前方への衝撃力が作用しても、妊産婦はマタニティベルト本体に抱持された状態で背凭れに保持されているため、マタニティベルト本体により、妊産婦は腹部を圧迫されることなく、胸部のみを移動しないように拘束される態様で安全が確保され、快適な乗り心地を得ることができるようになる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のマタニティベルト装置に係り、上記マタニティベルト本体は、背中にあてがわれる背面主体部、同背面主体部の両側に設けられ、腕を通して肩を包む輪状の左右一対の肩抱持部、その基端を付け根として上記左右一対の肩抱持部に結合され、その自由端を胸部が包み込まれるように互いに交差させて相手側の肩抱持部の脇下に接続される左右一対の力布、および上記背面主体部に設けられ、上記背凭れに取り回して装着するように形成される取り回しベルト部を備えたことを特徴とする。
この請求項2記載の発明では、背凭れに、取り回しベルト部を巻き付けて、マタニティベルト本体を装着する。背凭れに装着されたマタニティベルト本体の背面主体部を背中に当てるようにし、左右の上腕を左右の肩抱持部に通し、左右の力布をたすきがけ状に交差するようにして脇下に結合する。こうして、胸部がマタニティベルト本体で包み込まれた状態で背凭れに安定的に保持される。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のマタニティベルト装置に係り、上記シート装置は、前後にリクライニング可能に形成され、上記背凭れに装着された上記マタニティベルト本体に、マタニティ補助ベルト部材を着脱自在に結合すると共に、同マタニティ補助ベルト装置の上端を、既設のシートベルト装置のタングに、上記マタニティ補助ベルト装置の下端を、上記シート装置近傍の車両フロアに設置された上記既設のシートベルト装置のタングを受容するバックルにそれぞれ着脱自在に結合し、上記シート装置に前方への衝撃力が作用したとき、上記背凭れが上記マタニティベルト本体を介して上記マタニティ補助ベルト装置および上記シートベルト装置により前方へ傾動するのを拘束されるようにしたことを特徴とする。
この請求項3記載の発明では、そのマタニティベルト本体を、マタニティ補助ベルト装置を介して既設のシートベルト装置に着脱自在に結合したものである。
妊産婦の両脇は、左右一対の肩抱持部で拘束されているので、乗り物が衝突するとき(正突時)に、妊産婦に衝撃力が働き、背凭れが前方に傾動しようとするが、マタニティ補助ベルト装置および既設のシートベルト装置によって、マタニティベルト本体を介して背凭れの前方への傾動が抑制され、胸部や両脇部をしっかりと保持拘束された状態で保護する。
妊産婦の両脇は、左右一対の肩抱持部で拘束されているので、乗り物が衝突するとき(正突時)に、妊産婦に衝撃力が働き、背凭れが前方に傾動しようとするが、マタニティ補助ベルト装置および既設のシートベルト装置によって、マタニティベルト本体を介して背凭れの前方への傾動が抑制され、胸部や両脇部をしっかりと保持拘束された状態で保護する。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマタニティベルト装置に係り、上記マタニティベルト本体の上記背面主体部の上縁に、上記背凭れの頂面を通って上記車両後方に伸びる副ベルト部を設け、上記背面主体部の下縁であって、上記アンダーバストに対応する部位に、上記取り回しベルト部を設け、上記副ベルト部および上記取り回しベルト部を、上記マタニティ補助ベルト装置に結合させたことを特徴とする。
この請求項4記載の発明では、マタニティベルト本体の背面主体部の上縁に設けた副ベルト部と、背面主体部の下縁に設けた取り回しベルト部とに、マタニティ補助ベルト部材を結合しているので、衝撃力作用時に、マタニティベルト本体は、副ベルト部と取り回しベルト部とによりバランス良くマタニティ補助ベルト装置に支持され、マタニティベルト本体に抱持される妊産婦の胸部や肩部を極めて安定的に保持することができる。
また、請求項5記載の発明は、請求項1または2記載のマタニティベルト装置に係り、上記シート装置は、背凭れが折り畳み可能な自動車のリヤシート装置で形成されると共に、その一端を上記リヤシート装置後部の荷室に設けられ、上記荷室に積み込まれる荷物の移動を拘束する荷物用ベルト装置の他端を、上記リヤシート装置の背凭れの上部に着脱自在に結合し、上記車両衝突による衝撃力が作用したときに、上記リヤシート装置の背凭れの車両前方への傾動を拘束せしめたことを特徴とする。
この請求項5記載の発明では、自動車のリヤシート装置の背凭れにマタニティベルト本体を装着する一方で、このリヤシート装置の背凭れ上方に、剛体でなく、既設の荷物用ベルト装置の他端を結合するようにしたので、衝撃力作用時、リヤシート装置の背凭れ、あるいは、マタニティベルト本体は、荷物用ベルト装置により後方へ牽引される力が作用し、これにより、背凭れの前方への傾動を拘束するようになり、その結果、リヤシート装置に着座する妊産婦の胸部および両脇部を拘束できるようになる。
請求項1記載の発明によれば、自動車、鉄道車両、航空機等の乗り物用シート装置に適用され、その背凭れが、前後にリクライニングする構造を有するかどうかに関係なく、シート装置に着座する妊産婦が、背凭れに取り付けられたマタニティベルト本体をリュックサックを背負うようにして着用することで、妊産婦は背凭れと一体に保持され、腹部を圧迫されることなく胸部や両脇部を良好に拘束し、妊産婦の安全性を著しく向上できる効果を奏する。
また請求項2記載の発明によれば、背凭れに装着されたマタニティベルト本体の背面主体部を背中に当てるようにし、左右の上腕を左右の肩抱持部に通し、左右の力布をたすきがけ状に交差するようにして脇下に結合するので、胸部がマタニティベルト本体で包み込まれた状態で背凭れに安定的に保持でき、また、力布で胸部を覆うように保護しているので、胸部が受ける衝撃力作用時の面荷重を低くでき、安全性がより一層向上できる効果を奏する。
また請求項3記載の発明によれば、乗り物が衝突して(正突時)、妊産婦に衝撃力が働くとき、背凭れが前方に傾動しようとするが、マタニティ補助ベルト装置および既設のシートベルト装置によって、マタニティベルト本体を介して背凭れの前方への傾動を抑制し、胸部や両脇部がしっかりと背凭れを介してマタニティベルト本体に拘束できることとなる。すなわち、マタニティ補助ベルト装置は、マタニティベルト本体の背面主体部を介して背凭れをサポートし、妊産婦を直接に拘束するような構成にしておらず、単に力布と肩抱持部とで保持するようにしただけの構成であるので、二次衝撃力によって前方へ移動しようとする妊産婦は、マタニティ補助ベルト装置から胸部を圧迫する力を受けることがなく、また、当然に腹部を圧迫するような力も受けることもない。さらに、いわゆるサブマリン現象が生じて座部に沈み込むような移動をも回避でき、ひいてはマタニティベルト本体による頸部への負担をかけることもない等種々の優れた効果を奏する。
また、請求項4記載の発明によれば、マタニティベルト本体の背面主体部の上縁に設けた副ベルト部と、背面主体部の下縁に設けた取り回しベルト部とに、マタニティ補助ベルト部材を結合しているので、衝撃力作用時に、マタニティベルト本体は、副ベルト部と取り回しベルト部とによりバランス良くマタニティ補助ベルト装置に支持されるため、マタニティベルト本体に抱持される妊産婦の胸部や肩部を極めて安定的に保持することができる効果を奏する。
また、請求項5記載の発明によれば、剛体でない既設の荷物用ベルト装置を使用するだけで、自動車のリヤシート装置の背凭れの前方への傾動を拘束でき、これにより、リヤシート装置に着座する妊産婦の胸部および両脇部を拘束できるようになり、また、剛体ではなく、既設の荷物用ベルト装置を使用するので、車両を改良することなく、しかも、車両重量を増大させないで、安全な妊産婦を保護するマタニティベルト装置が得られる効果を奏する。
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づいて詳述する。図1は、背凭れにマタニティベルト本体を装着して使用する状態を妊産婦の図示を省略して示す外観斜視図、図2はマタニティベルト装置の組立てを説明する外観斜視図である。
図において、10は乗用自動車のシート装置、例えば、助手席であって、座部11と、リクライニング機構(図示しない)により座部11に対して前後に傾動する背凭れ12を備える。背凭れ12上半部には、マタニティベルト装置のマタニティベルト本体20が着脱自在に設けられ、マタニティ補助ベルト装置30や既設のシートベルト装置40を介して後方から引っ張られるように連結されるようになっている。なお、以下に説明するマタニティベルト本体20,マタニティ補助ベルト装置30、既設のシートベルト装置40に使用されるベルト等の素材は、破損、切損、裂損等を生じない耐衝撃性、強靱性、引張強度等の機械的強度に優れた性能を有するように形成されたものである。
マタニティベルト本体20は、妊産婦の背中にあてがわれる背面主体部21、この背面主体部21の両側に設けられ、腕を通して肩を包むように輪状に形成された左右一対の肩抱持部22、基端となる一端を肩抱持部22に縫製結合され、その自由端を胸部が包み込まれるように互いに交差させて相手側の肩抱持部の脇下へ延びる左右一対の力布23、肩抱持部22の脇下に設けられ、力布23の他端23aを着脱自在に結合する左右一対の脇下金具24、背面主体部21下縁中間部位に縫製により設けた通し穴部25に差し込まれ、背凭れ12を取り回すように取り付ける長さ寸法を有する取り回しベルト部26、および、背面主体部21上縁の中央に縫製により設けた副ベルト部27を備えている。また、取り回し部26には、相手側部材たる背凭れ12のサイズに合わせて長さ調整をして結合させる下金具26aと、マタニティ補助ベルト装置30の後述する第2背面金具に着脱自在に連結(結合)される第1背面金具26bが取り付けられている。
マタニティ補助ベルト装置30は、その上端に設けられ既設のシートベルト装置40のタング(雄バックル)に着脱自在に連結(結合)されるバックル31(雌バックル)、下端に設けられ車体フロアF(図4参照)に設けたバックル41に着脱自在に連結(結合)されるタング32(差し込み金具)、略中間部位に設けられ上記第2背面金具26bに連結可能な第2背面金具33、および背面主体部21の副ベルト部27を結合する上金具34が具備される。こうして、図2の二点鎖線で示すように、マタニティベルト本体20とマタニティ補助ベルト装置30との各部材は連結(結合)されて、背凭れ12に装着される。図3のように、妊産婦がシート装置10に着座する前の状態におけるマタニティベルト本体20は、左右の力布23が、開放された状態にあり、いつでも、妊産婦がマタニティベルト本体20を被着しやすいようになっている。なお、図2,図3においては、マタニティベルト本体20の構造が理解し易いように、左右一対の力布23の自由端を上方に持ち上がるようにして画いている。
既設のシートベルト装置40は、自体公知技術である助手席10用のもので、車体側部に設けた巻き取り装置R(リトラクタ装置)、巻き取り装置Rから取り出されたベルトB、ベルトBの途中に設けたスルーリングS、スルーリングSに挿通させた後、その下方端をフロアFに固定するアンカー部A、ベルトBに対して移動可能に設けたタングT、および上記バックル41で構成される。フロアF側のバックル41は、タングTとマタニティ補助ベルト装置30のタング32とを受容して着脱自在に連結するように兼用される。
上記実施の形態の取り付け方法を説明する。すなわち、背凭れ12上半部あたりに、取り回しベルト部26を取り回し、下金具26aにより緊締する。副ベルト部27をヘッドリクライニングHと背凭れ12頂面との間を後方へ通し(図3参照)、その端部をマタニティ補助ベルト装置30の上金具34に通して結合する(図1参照)。また、マタニティ補助ベルト装置30の第2背面金具33を、取り回しベルト部26の第1背面金具26bに連結する。マタニティ補助ベルト装置30上端のバックル31を、既設のシートベルト装置40のタングTに、また下端のタング32を、助手席10側部の車体フロアFに設けたバックル41に差し込んで連結する。こうして、マタニティベルト本体20は、図3に示すような状態で背凭れ12に装着される(なお、図3では、マタニティ補助ベルト装置30の図示は省略)。
上記実施の形態の作用を説明する。マタニティベルト本体20を背凭れ12に装着した助手席10に妊産婦Wが着座し、左右の力布23を互いに交差させて脇下金具24に連結して締め付ける。こうして、助手席10、マタニティベルト本体20,マタニティ補助ベルト装置30、および既設のシートベルト装置40の連結、取り付け関係は、図4,図5に示すようなものとなる。この状態において、車両衝突時(正突時)、妊産婦Wに前方への二次衝撃力が作用するとき、背凭れ12は、背面主体部21、取り回し部26、マタニティ補助ベルト装置30、および既設のシートベルト装置40を介して前方への傾動が食い止められる。このため、マタニティベルト本体20の肩抱持部22および力布23により包み込まれるようにして保持される妊産婦Wは、腹部を圧迫することなく、アンダーバスト上の胸部(両肩部も含む)のみを補助拘束でき、サブマリン現象を回避し、妊産婦Wの胸部を一対のベルト状の部材でなく、力布23で受け止めるようにして衝撃力を吸収するので、妊産婦Wの安全を良好に維持できる効果を有する。また、既設のシートベルト装置40を使用しているので、車両を大幅改造することなく現行車両にそのまま適用でき、コスト安価なマタニティベルト装置を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面より詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変形等があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、マタニティベルト装置として、既設のシートベルト装置40を一構成要素として有効に活用した場合について説明したが、この代わりに、マタニティベルト本体20を背凭れ12に装着しただけの態様にして使用することもできるのは勿論可能である。この場合には、自動車だけでなく、鉄道車両、航空機等種々の乗り物用シート装置にも適用され、また、その背凭れが、前後にリクライニングする構造を有するかどうかに関係なく、シート装置に着座する妊産婦が、背凭れに取り付けられたマタニティベルト本体をリュックサックを背負うようにして着用するという簡単な着用操作だけで、妊産婦は背凭れと一体にマタニティベルト本体で保持される。このため、腹部が圧迫されることなく胸部や両脇部を良好に拘束するマタニティベルト装置を得ることができ、妊産婦の安全性を向上できる効果を有するものとなる。
例えば、上記実施の形態では、マタニティベルト装置として、既設のシートベルト装置40を一構成要素として有効に活用した場合について説明したが、この代わりに、マタニティベルト本体20を背凭れ12に装着しただけの態様にして使用することもできるのは勿論可能である。この場合には、自動車だけでなく、鉄道車両、航空機等種々の乗り物用シート装置にも適用され、また、その背凭れが、前後にリクライニングする構造を有するかどうかに関係なく、シート装置に着座する妊産婦が、背凭れに取り付けられたマタニティベルト本体をリュックサックを背負うようにして着用するという簡単な着用操作だけで、妊産婦は背凭れと一体にマタニティベルト本体で保持される。このため、腹部が圧迫されることなく胸部や両脇部を良好に拘束するマタニティベルト装置を得ることができ、妊産婦の安全性を向上できる効果を有するものとなる。
また、上記では、助手席等に適用した場合について説明したが、図6に示すように、リヤシート装置50にも適用した変形例とすることも可能である。すなわち、この変形例におけるリヤシート装置50は、ベンチ型の座部51に対して、背凭れ52だけが左右に分割され、前後に傾動する構造となっている。後方の荷室スペースには、荷物Lの移動を拘束する荷物用ベルト装置60が設けられる。この荷物用ベルト装置60は、リヤシル部やその近傍に設けられた巻き取り装置61から取り出されたベルト部62自由端の連結金具63が、背凭れ52上方部位で着脱自在に連結されるようになっている。
背凭れ52が起立された状態では、荷物用ベルト装置60により、荷物Lは図6(b)のように拘束され、背凭れ52が前方へ折り畳まれた状態では、図6(c)のように、自動的に巻き取り装置61から引き出されるベルト部62により荷物Lが拘束される。
このように構成されたリヤシート装置50の背凭れ52に、上記実施の形態で用いたと同様のマタニティベルト本体20を装着して使用することにより、妊産婦の腹部を圧迫することがなく、胸部を拘束して安全を図るマタニティベルト装置を得ることができる。
また、この変形例においては、上記実施の形態で用いた既設のシートベルト装置と同様の構造を有するリヤシート装置50用のシートベルト装置(図示はしない)を荷物用ベルト装置60と併用して使用することも可能であるのは言うまでもない。
このように構成されたリヤシート装置50の背凭れ52に、上記実施の形態で用いたと同様のマタニティベルト本体20を装着して使用することにより、妊産婦の腹部を圧迫することがなく、胸部を拘束して安全を図るマタニティベルト装置を得ることができる。
また、この変形例においては、上記実施の形態で用いた既設のシートベルト装置と同様の構造を有するリヤシート装置50用のシートベルト装置(図示はしない)を荷物用ベルト装置60と併用して使用することも可能であるのは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、取り回しベルト部26を背凭れ12に取り回すようにしたが、背面主体部21の両側をそのまま延長して形成して直接に背凭れを巻くようにしてマタニティベルト本体20を装着する構成とすることも可能である。これにより、取り回しベルト部26を省略できるようになる。
また、上記実施の形態では、脇下金具24,下金具26a、上金具34を適宜面ファスナーにより着脱自在に結合することもできる。
10 シート装置
11 座部
12 背凭れ
20 マタニティベルト本体
21 背面主体部
22 肩抱持部
23 力布
24 脇下金具
26 取り回しベルト部
26a 下金具
26b 第1背面金具
30 マタニティ補助ベルト装置
33 第2背面金具
34 上金具
40 既設のシートベルト装置
A アンカー装置
B ベルト
H ヘッドレストレイント
M 妊産婦
R 巻き取り装置
11 座部
12 背凭れ
20 マタニティベルト本体
21 背面主体部
22 肩抱持部
23 力布
24 脇下金具
26 取り回しベルト部
26a 下金具
26b 第1背面金具
30 マタニティ補助ベルト装置
33 第2背面金具
34 上金具
40 既設のシートベルト装置
A アンカー装置
B ベルト
H ヘッドレストレイント
M 妊産婦
R 巻き取り装置
Claims (5)
- シート装置の背凭れに、妊産婦のアンダーバスト上方の胸部および背部を包み込むよう形成されたマタニティベルト本体を着脱自在に設けたことを特徴とするマタニティベルト装置。
- 上記マタニティベルト本体は、背中にあてがわれる背面主体部、同背面主体部の両側に設けられ、腕を通して肩を包む輪状の左右一対の肩抱持部、その基端を付け根として上記左右一対の肩抱持部に結合され、その自由端を胸部が包み込まれるように互いに交差させて相手側の肩抱持部の脇下に接続される左右一対の力布、および上記背面主体部に設けられ、上記背凭れに取り回して装着するように形成される取り回しベルト部を備えたことを特徴とする請求項1記載のマタニティベルト装置。
- 上記シート装置は、前後にリクライニング可能に形成され、上記背凭れに装着された上記マタニティベルト本体に、マタニティ補助ベルト部材を着脱自在に結合すると共に、同マタニティ補助ベルト装置の上端を、既設のシートベルト装置のタングに、上記マタニティ補助ベルト装置の下端を、上記シート装置近傍の車両フロアに設置された上記既設のシートベルト装置のタングを受容するバックルにそれぞれ着脱自在に結合し、上記シート装置に前方への衝撃力が作用したとき、上記背凭れが上記マタニティベルト本体を介して上記マタニティ補助ベルト装置および上記シートベルト装置により前方へ傾動するのを拘束されるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のマタニティベルト装置。
- 上記マタニティベルト本体の上記背面主体部の上縁に、上記背凭れの頂面を通って上記車両後方に伸びる副ベルト部を設け、上記背面主体部の下縁であって、上記アンダーバストに対応する部位に、上記取り回しベルト部を設け、上記副ベルト部および上記取り回しベルト部を、上記マタニティ補助ベルト装置に結合させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマタニティベルト装置。
- 上記シート装置は、背凭れが折り畳み可能な自動車のリヤシート装置で形成されると共に、その一端を上記リヤシート装置後部の荷室に設けられ、上記荷室に積み込まれる荷物の移動を拘束する荷物用ベルト装置の他端を、上記リヤシート装置の背凭れの上部に着脱自在に結合し、上記車両衝突による衝撃力が作用したときに、上記リヤシート装置の背凭れの車両前方への傾動を拘束せしめたことを特徴とする請求項1または2記載のマタニティベルト装置。
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Cited By (1)
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KR102640402B1 (ko) * | 2023-12-05 | 2024-02-23 | 주식회사 대진정공 | 소방차량의 장비벨트 및 안전벨트 연동 동작 시스템 |
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2003
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102640402B1 (ko) * | 2023-12-05 | 2024-02-23 | 주식회사 대진정공 | 소방차량의 장비벨트 및 안전벨트 연동 동작 시스템 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070109 |