JP2005112224A - 水陸泥濘地兼用走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
水面上及び流動性のある土砂からなる泥濘地上を走行可能にするとともに、前後移動、左右移動、回頭の3つの自由度全てを、同時且つ任意に制御することができる水陸泥濘地兼用走行装置の提供。
【解決手段】
車体1前後部に、水上又は泥濘地走行時に車体が水面又は泥濘地面に接しない高さに浮上させる浮力を持たせた左右1対の浮力体兼用車輪12a,12b,13a,13bを備え、各車輪を個別に正逆方向に回転駆動させるようにし、各車輪の外周に、水面上又は泥濘地上に浮上させて回転させることにより一定方向のベクトルを個別に生じさせるスクリュウ状の傾斜フィン15a〜15dを備え、各車輪を独立してその回転方向及び回転速度を調整する。

【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば、ポンプ浚渫船によって浚渫した超軟弱泥土を収容した流動性のある泥濘地や水上及び陸上を走行可能な水陸泥濘地兼用走行装置に関する。
従来、水陸兼用の走行装置には、車体に浮力を受け持たせ、スクリューの回転による推進力によって水上を移動できるようにするとともに、陸上の走行は車体に備えた車輪やクローラによって行わせるようにしたものが一般的であり、これらは車体に水上に浮かぶ船体の役目をもたせている(例えば、特許文献1参照)。
また、陸上走行用の車輪の中心部分にスクリューを一体に組み込み、水上を推進する際には車輪を走行用の角度から水上推進用の角度に変化させて所望方向の推進力を得るようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
この他、クローラ自体に浮力を受け持たせ、水上ではクローラの浮力で浮上させるとともに、水陸ともクローラの回転によって移動できるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
更に、田植え機等のように、泥濘地にて作業を行う装置には、作業機を泥濘地上に浮かばせる艝状の浮力体と、棒材からなるリング状の金属車輪に泥掻き用の羽根を取り付け、金属車輪を回転させることにより泥濘地上に浮かべた艝を推進させるようにした装置がある。
特開平5−208605号公報 特開平9−136159号公報 特開2002−19436号公報
上述のような従来の装置において、上記特許文献1及び2に示されている如き、車体を浮力体とし、スクリュー等の推進装置によって水上を移動する方式の装置は、浚渫土を収容した処理池のような泥濘地において、浮力体となる車体の底が泥濘地表面に接すると推進抵抗が大きくなり、スクリューの推進力では移動が困難であったり、スクリューが機能しなくなって操舵もできなくなるという問題がある。
また、特許文献3の如き、クローラによって浮力を受け持たせる形式の装置においては、水陸及び泥濘地においても走行が可能であるが、操舵を左右のクローラの回転速度及び方向の調節によって行うため、移動方向変換の許容範囲が狭く、移動の自由度が低いという問題がある。
更に、田植機等のように、浮力体となる艝と金属車輪を使用する装置では、陸上走行に適せず、また、水面上に完全に浮かぶ構造ではないため、軟弱度が高く深い泥濘地や水上の移動には適していない。
本発明は、上述のような従来の問題に鑑み、水面上及び流動性のある土砂からなる泥濘地上を走行可能にするとともに、前後移動、左右移動、回頭の3つの自由度全てを、同時且つ任意に制御することができ、且つ陸上走行も可能な水陸泥濘地兼用走行装置の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、車体の少なくとも前後部に、水上又は泥濘地走行時に車体が水面又は泥濘地面に接しない高さに浮上させる浮力を持たせた左右1対の浮力体兼用車輪を備え、該車輪を個別に正逆方向に回転駆動する駆動源を備えるとともに、該車輪の外周に、該車輪を水面上又は泥濘地上に浮上させて回転させることにより一定の方向と回転速度に応じた大きさを持った推進力を個別に生じさせる傾斜フィンを備え、前記各車輪を独立してその回転方向及び回転速度を調整することにより水面上及び泥濘地上を走行可能にしたことを特徴としてなる水陸泥濘地兼用走行装置にある。
このように構成することにより、陸上においては全車輪の正逆転によって前後に移動し、左右の車輪の回転速度差によって旋回でき、更に水面上及び泥濘地上では、車輪を回転させることによって回転方向の力が傾斜フィンの傾斜によって、その表面に対して鉛直な方向の向きの力に変換され、回転速度に応じた大きさを持った一定方向の力(以下ベクトルと記す)が生じ、これが各車輪毎の個別推進力となる。この各個別推進力が合成された合成ベクトルが走行装置全体の動作力となる。従って、各車輪の回転方向及び回転速度をコントロールすることによって、走行装置の前後移動、左右移動及び回頭の3つ動作の自由度全てを持たせることができる。また、これによって任意の方向からの風波や流れ等の外乱要素が存在する場合にあっても位置と姿勢を一定に保つ所謂ダイナミックポジショニングを行うこともできる。
請求項2に記載の発明の特徴は、上記請求項1の構成に加え、各浮力体兼用車輪の外周の傾斜フィンは、該車輪の回転中心軸を中心にした螺旋状であることにある。
このように構成することにより、水面上又は泥濘地上では、水又は泥を掻くスクリューとして作用させる際に所望のベクトルを効果的に生じさせることができるとともに、陸上では連続した螺旋が接地面となるため、振動の少ないスムーズな走行が可能となる。
請求項3に記載の発明の特徴は、上記請求項1又は2に記載の構成に加え、外周に傾斜フィンを有する浮力体兼用車輪を車体の前後部の左右に互いに対称配置に備えたことにある。
このように構成することにより、各車輪の回転によって生じる車輪毎のベクトルを合成させて所望の動作を行わせるための制御が容易となる。
請求項4に記載の発明の特徴は、上記請求項1、2又は3に記載の構成に加え、車軸を車体に対して回転不能に固定し、各浮力体兼用車輪内に駆動源である電動モータを備え、該電動モータにより各浮力体兼用車輪を個別に回転させるようにすることにある。
このように構成することにより、車体重量が大きければその分だけ容積を大きく要することとなる浮力兼用車輪内の空間を効果的に使用することができ、車体を軽く、且つ小型にすることができる。
請求項5に記載の発明の特徴は、上記請求項1〜3又は4に記載の構成に加え、車体前後部の浮力体兼用車輪の中間部位置に走行補助車輪を備え、該走行補助車輪は、水面上に浮上する浮力を有し、車体の前部又は後部に片寄せた位置に基端部が枢着されて先端側が上下に揺動可動なアームの先端部に支持されて個別に回転駆動され、外周に回転中心支軸と平行な直型フィンを備えていることにある。
このように構成することにより、走行補助車輪の回転によって、前進時には車体の前部を持ち上げる方向のモーメントが、後進の際には車体後部を持ち上げる方向のモーメントが生じると同時に前後の推進力が生じ、これによって、進行方向側に登り方向の大きな段差があった場合であっても、これを容易に乗り越えて移動することができる。
上述のように本発明は、外周に回転方向に対して角度を有するスクリュウ状の傾斜フィンを備えた浮力体兼用車輪を、車体に対して少なくとも左右両側に一対ずつ各々個別に正逆方向に回転駆動させるように備え、各浮力体兼用車輪を独立して正逆回転及び回転速度調整可能にしたことにより、陸上においては全車輪の正逆転によって独立駆動する車輪を備えた走行装置と同様に走行ができ、且つ水上及び軟弱な泥濘地上では、車輪によって浮上し、各車輪の回転を調整することによって個別の車輪に生じるベクトルの作用を利用して前後、左右、回頭の3つの自由度全てを持たせ、外乱要素が存在する場合にあっても位置と姿勢を一定に保つ所謂ダイナミックポジショニングをも行うことができる等、従来困難であった泥濘地等の超軟弱な地盤上であっても自由度の高い動き及びポジショニングが可能になったものである。
また、車体の前後部の浮力体兼用車輪中間部に位置させて、車体の前部又は後部に片寄せた位置に基端部が枢着されて先端側が上下に揺動可動なアームの先端部に支持されて個別に回転駆動される走行補助車輪を備えることにより、進行方向側に直立壁を有する大きな段差等、通常の車輪による走行が困難な障害物が存在する場合であってもこれを容易に乗り越えて移動することができる。
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
図において、符号1は車体である。この車体1は、シャーシ2と載荷台3とから構成されている。シャーシ2は前後に延びる水平部2aとその前後両端から斜め下向きに延びる前後の傾斜部2b,2cとから構成されており、その水平部2a上に、支柱4を介して載荷台3が固定されている。
載荷台3には、後述する各車輪を駆動させるためのバッテリー及びコントロール装置(図示せず)を搭載した制御部5と、必要な作業機器を搭載する荷台部6とを備えている。
シャーシの前後傾斜部2b,2cの各先端には、左右に延びる前部車軸10及び後部車軸11が固定されている。各車軸10,11の両端に、浮力体兼用の前部左右車輪12a,12b及び後部左右車輪13a,13bがそれぞれ支持されている。これらの前後部の左右車輪に、車体1の底部が水面上に接しないように浮上させる浮力を受け持たせている。
車体1の前部に片寄せた位置、即ちこの実施例ではシャーシ2の前傾斜部12bの根元部分に、走行補助車輪支持用のアーム20が回動可能に取り付けられている。このアーム20は、前後部車軸10,11と平行な枢軸20aを中心にして先端側を上下方向に回動自在に枢支されている。尚、このアーム20は、車体1の後部に片寄せた位置に枢支させても良い。
アーム20の先端に走行補助車軸21が貫通して固定され、該車軸21の両端に左右走行補助車輪22a,22bが支持されている。この左右走行補助車輪22a,22bは前後部車輪の中間に位置するように配置されている。この左右走行補助車輪22a,22bは自らが水面上に浮上するに必要な浮力を有している。
各車輪12a,12b,13a,13b,22a,22bはアルミニュームに酸化皮膜を形成させる加工を施した強化アルミニューム材料によって形成され、等径円筒状をした胴部30の両端側に短テーパー部31及び長テーパー部32が一体に形成された形状になっている。
また、これら各車輪12a,12b,13a,13b,22a,22bは、図5に示すように、長テーパー部32側の端部から内部に向けて軸受兼用の駆動源ユニット33が挿入されている。この駆動源ユニット33は、有底円筒状のケーシング34を有し、該ケーシング34はその中心に中空の中心支軸35が挿入され、該中心支軸35に対し、軸受36,36を介してケーシング34が回動自在に支持されている。
中心支軸35の中空内部には電動モータ37が収容されており、該モータ37の回転駆動軸37aがケーシング34の端部内面の固定用金具38内に回転不能に嵌合され、モータ37の駆動によって中心支軸35に対してケーシング34が回転動作されるようになっている。
ケーシング34は開口側端部外周のフランジ34aを車輪の端面壁に固定することにより車輪に対して固定させている。
この駆動源ユニット33は、中心支軸35の突出端部を車軸10(11,21)に対し、カプラ―39を介して固定している。尚図中40はモータ固定金具、41は補強筒、42はシール材である。
このようにして各車輪がモータ37によってそれぞれが個別に正逆方向に回転できるようになっており、また各左右の車輪はシャーシ2の前後方向に延びる中心線に対して左右対称な位置にあるように設置されている。
これら各車輪12a,12b,13a,13b,22a,22bの胴部30の外周には、後述する推進用のフィンが一体に突設されている。
左右走行補助車輪22a,22bの各同部30には、その回転中心支軸と平行に延びる多数の直型フィン50が放射状方向に突設されているとともに、前後部左右車輪12a,12b,13a,13bのそれぞれの胴部30には回転方向に対して傾斜する方向に延びる傾斜フィン15a,15b,15c,15dがそれぞれ多数均一な配置に突設されている。この実施例では螺旋状に連続した傾斜フィンが複数枚ずつ均等な配置に突設されている。
これらの各傾斜フィン15a〜15dは、本実施例では接地点において前後左右の4つの車輪12a,12b,13a,13bを結ぶ対角線対の交点に向けた直線と同方向に向く角度に向けられ、前又は後の左右車輪の相互間においては図3に示すように接地面における傾斜フィン15aと15b又は15cと15dの角度が互いに対称となっている。同様に右又は左の前後車輪の相互間においては傾斜フィン15aと15c及び15bと15dの角度が互いに対称となっている。
各車輪を駆動させるモータ37は、載荷台3上に備えた制御部5によって制御されるようになっている。制御部5の操作は、オペレータが載荷台3上に乗り込んで行うようにしてもよく、また無線による遠隔操作によって行うようにしてもよい。また、各車輪の回転を制御するコントロール装置には、本走行装置が必要とする各種の動作が得られるように予めプログラミングされたコンピュータ装置を使用する。
次に、上述の如く構成された走行装置の走行動作について説明する。
まず、道路等の陸上の比較的固い地盤上の走行は、従来の自動車と同様、各車輪を前進方向又は行進方向の同方向に等速で回転させることによって、前後に直進する。また、左右車輪を互いに逆向きに等速で回転させることにより定位置で旋回(回頭)する。更に各車輪を同方向に回転させ左右の回転速度を違えることによって移動しながら旋回動作、即ち曲進する。左右車輪を互いに逆向きに回転させ、その速度を違えても曲進する。これらの動作は、左右に一対のクローラを設けた場合と同じである。
水上又は軟弱な泥濘地上では、車輪が浮力体となって浮上する。この浮上状態で左右走行補助車輪22a,22bを除く各車輪12a,12b,13a,13bには、これを回転させると外周に突設した傾斜フィン15a〜15dによって各車輪独自の個別ベクトルが発生する。即ち、車輪を回転させることにより、各傾斜フィンに対し、車輪回転方向側の面に対して直角方向の反力が作用し、これによって各車輪毎に図6中矢印で示す如き個別ベクトルF1〜F4が発生する。尚、図6は本装置の浮力体兼用車輪12a,12b,13a,13bとその接地面における傾斜フィン15a〜15dの向きを模式化して示しており、各傾斜フィンからの矢印F1〜F4は各車輪個々のベクトルの方向及び大きさを示しており、各車輪横の小矢印は各車輪の回転方向を示している。
本実施例において、便宜上先ず、左右走行補助車輪22a,22bが作用しない状態についての動作を模式化した図7〜図9について説明する。同図中の各矢印は図6と同じである。
各前後部左右車輪12a,12b,13a,13bの傾斜フィン15a,15dの角度が、前又は後において左右が対称であり、右又は左において前後が対称となっているため、全ての車輪を同方向に同速度で回転させると、図7(a)に示すように左右の車輪間においてのベクトルの方向が逆の斜め向きで、力が等しいため、左右方向の力が打ち消され、前進又は後進する。この時回転速度を左右で違えると、図7(b)に示すように回転数が高い方のベクトルが勝り、斜め前又は後方向に旋回(回頭)しつつ曲進する。
図8(a)に示すように、前又は後において左右の車輪の回転方向を逆向きに等速回転させ、且つ右又は左において前後の車輪を逆向きに等速回転させると、前後方向の力が打ち消され、右又は左方向に直進する。この時前後の車輪間において回転速度を違えると、図8(b)に示すように斜め左又は右方向に回頭しつつ曲進する。
図9(a)に示すように、右及び左において前後の車輪を同方向に等速回転させ、且つ前及び後において左右の車輪を逆方向に等速回転させると、4輪とも同一円周における同一回転方向のベクトルが生じ、定位置で旋回(回頭)する。この時前後の両対角線間における車輪の回転速度を違えると図9(b)のように左右斜め方向の内の一方のベクトルが勝り、回頭しつつ曲進する。
更に図9(c)に示すように、一方の対角線方向にある2車輪を同方向に回転させ、他方の対角線方向の2車輪を停止させると、回頭せずに斜め方向に移動する。
この他各車輪の回転方向及びその回転速度を調整し、4車輪に生じるベクトルを総合した合成ベクトルを各種変化させることによって、前後左右斜め方向の各直進、定位置での旋回(回頭)、何れかの方向に移動しながらの旋回(曲進)等あらゆる旋回移動動作が可能となり、例えば、車体1に搭載した作業機を水面又は泥濘地上の定点に向けた状態でその周りを旋回させることや、水流や風などの外乱条件が存在する場所での静止作業や必要な移動・回頭作業ができるようにしている。
一方左右走行補助車輪22a,22bには回転軸方向の直型フィン50が存在するため、水面や泥濘地上で両車輪を回転させると、前進又は後進方向のベクトルが生じ、前述した前後部左右車輪に生じる各種のベクトルこれを合成することにより、前後方向移動や曲進及び旋回動作を補助させる。
また、左右走行補助車輪22a,22bにはこの他に、陸上や比較的耐力がある泥濘地上において段差のある部分の乗り越えが容易となる特有の作用がある。
即ち、左右走行補助車輪22a,22bは、上下方向に回動自在なアーム20の先端に支持されているため、例えば図10(a)に示すように前進時に前部左右車輪12a,12bが階段等の直立した壁A等の障害物に突き当たって前進が阻まれると、左右走行補助車輪22a,22bの前進方向の回転力によって、アーム20の基端側を上昇させる方向のモーメントが生じ、車体前部を上昇させる。これと同時に後部左右車輪13a,13b及び左右走行補助車輪22a,22bによる前進方向の力によって前部左右車輪12a,12bが壁Aに強く押し付けられ、これによって壁Aに対する摩擦力が大きくなり、前部左右車輪12a,12bは自らの回転によって壁Aにそって上昇する力が増加する。これによって、前部左右車輪12a,12bは図10(b)に示すように、壁Aに沿って上昇し、障害物を乗り越える。
このようにして、前部左右車輪12a,12bが上段Bに乗り上げると、各車輪の前進力によってアーム20を介して左右走行補助車輪22a,22bが上段B側に引き上げられる。この状態で後部左右車輪13a,13bが壁Aに突き当たり前進が阻まれると、後部左右車輪13a,13bは壁に沿って上昇し上段B上に乗り上げられる。
また、後進の際に同様に後進が阻まれると、左右走行補助車輪22a,22bの後進方向の回転によってアーム20は先端側が下向き回動する方向のモーメントが生じ、これによって車体には後部側が上昇しようとする力が働き、前述とした前進時と同様に後部左右車輪13a,13bが壁面に沿って上昇することとなる。
このよに、この走行装置では、通常の車輪走行では不可能な、その車輪半径より高い段差を乗り越えて走行することができる。尚、上述の説明では前進又は後進時に左右の車輪が同時に障害物に突き当たった場合について述べているが、右又は左の片方の車輪のみが障害物に突き当たった場合にも前述と同様の力が発生し、障害物を乗り越える。
また、上述の実施例では、左右走行補助車輪22a,22bを用いたものを示しているが、特に段差などの走行に対する障害物がない場所での使用には、この左右走行補助車輪は必ずしも必要としない。
更に、上述の実施例では、傾斜フィンを突設した車輪を前後部左右の四箇所に用いた場合を示しているが、搭載する作業機の条件などによって、大きな浮力が必要な場合には、必要に応じてその数を増加しても良い。
更に傾斜フィンの傾斜方向は、前述のように前及び後部の左右において対称、左及び右の前後部において対称の他、各種の組み合わせが可能であり、傾斜の方向と回転方向によって生じるベクトルを個別に発生させるようにし、各車輪の回転方向及び速度を個別に調整することにより、車体の各種動作に必要な合成ベクトルを生じさせるようにしても良い。
本発明に係る水陸泥濘地兼用走行装置の一実施例を示す側面図である。 同正面図である。 同底面図である。 図1に示す装置の浮力体兼用車輪を示す斜視図である。 図1に示す装置の駆動源ユニット部分を示す断面図である。 図1に示す装置の浮力体兼用車輪及びこれに生じるベクトルを模試的に示す平面図である。 (a)〜(b)は同上の装置の各動作例を模式的に示す平面図である。 (a)〜(b)は同上の他の動作例を模式的に示す平面図である。 (a)〜(c)は同上の更に他の動作例を模式的に示す平面図である。 (a)〜(b)は図1に示す装置の走行補助車輪の作用を説明する側面図である。
符号の説明
1 車体
2 シャーシ
2a 水平部
2b,2c 傾斜部
3 載荷台
4 支柱
5 制御部
10 前部車軸
11 後部車軸
12a 前部右車輪
12b 前部左車輪
13a 後部左車輪
13b 後部右車輪
15a,15b,15c,15d 傾斜フィン
20 走行補助車輪支持用のアーム
20a 枢軸
21 走行補助車軸
22a 左走行補助車輪
22b 右走行補助車輪
30 胴部
31 短テーパー部
32 長テーパー部
33 駆動源ユニット
34 ケーシング
34a フランジ
35 中心支軸
36 軸受
37 電動モータ
37a 回転駆動軸
38 固定用金具
39 カプラ―
40 モータ固定金具
41 補強筒
42 シール材
50 直型フィン
F1,F2,F3,F4 ベクトル
A 壁
B 上段

Claims (5)

  1. 車体の少なくとも前後部に、水上又は泥濘地走行時に車体が水面又は泥濘地面に接しない高さに浮上させる浮力を持たせた左右1対の浮力体兼用車輪を備え、該車輪を個別に正逆方向に回転駆動する駆動源を備えるとともに、該車輪の外周に、該車輪を水面上又は泥濘地上に浮上させて回転させることにより一定の方向と回転速度に応じた大きさを持った推進力を個別に生じさせる傾斜フィンを備え、前記各車輪を独立してその回転方向及び回転速度を調整することにより水面上及び泥濘地上を走行可能にしたことを特徴としてなる水陸泥濘地兼用走行装置。
  2. 各浮力体兼用車輪の外周の傾斜フィンは、該車輪の回転中心軸を中心にした螺旋状である請求項1に記載の水陸泥濘地兼用走行装置。
  3. 外周に傾斜フィンを有する浮力体兼用車輪を車体の前後部の左右に互いに対称配置に備えてなる請求項1又は2に記載の水陸泥濘地兼用走行装置。
  4. 車軸を車体に対して回転不能に固定し、各浮力体兼用車輪内に駆動源である電動モータを備え、該電動モータにより各浮力体兼用車輪を個別に回転させるようにしてなる請求項1、2又は3に記載の水陸泥濘地兼用走行装置。
  5. 車体前後部の浮力体兼用車輪の中間部位置に走行補助車輪を備え、該走行補助車輪は、水面上に浮上する浮力を有し、車体の前部又は後部に片寄せた位置に基端部が枢着されて先端側が上下に揺動可動なアームの先端部に支持されて個別に回転駆動され、外周に回転中心支軸と平行な直型フィンを備えている請求項1〜3又は4に記載の水陸泥濘地兼用走行装置。
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