JP2005111548A - ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ろう付けを2回の熱処理工程にわけて行う際に、ろう材の溶融温度の上昇を招くことなくろう付けが可能なろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るろう付け用複合材10は、被ろう付け部材同士をろう付けするものであって、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の低融点ろう付け層部11及び高融点ろう付け層部12を、重ね合わせて設けたものである。この低融点ろう付け層部11は、Cu又はCu合金層13とTi又はTi合金層14の積層体で構成され、高融点ろう付け層部12は、Ni又はNi合金層15とTi又はTi合金層16の積層体で構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱交換器及び燃料電池用部材のろう付けに用いられる複合材に関するものである。
自動車用オイルクーラの接合材としてステンレス基クラッド材が使用されている。これは、基材であるステンレス鋼板の片面又は両面に、ろう材としての機能を有するCu材がクラッドされたものである。
また、ステンレス鋼や、Ni基又はCo基合金などからなる部材のろう付け材として、接合部の耐酸化性や耐食性に優れる各種Niろう材が、JIS規格により規定されている。
さらに、熱交換器の接合に用いられるNiろう材として、粉末状のNiろう材に、Ni、Cr、又はNi−Cr合金の中から選択される金属粉末を4〜22wt%添加してなる粉末Niろう材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また更に、Ni層及びTi層を積層してなるろう付け層で構成されるろう付け用複合材がある。また、基材であるステンレス鋼の表面にNi及びTiからなるろう付け層を有する自己ろう付け性複合材がある(例えば、特許文献2参照)。
ところで、前述したろう付け用複合材を用い、ステンレス鋼などで構成される被ろう付け部材同士をろう付けする際、ろう付けを2回の熱処理工程にわけて行う場合がある。例えば、図9に示したNi層(又はCu層)91a,91bとTi層92とで構成される複合材90を、一方の被ろう付け部材のろう付け箇所に設けた溝等に配置する。その後、1回目のろう付け(熱処理)により、一方の被ろう付け部材のろう付け箇所に複合材(ろう材)90を溶融、凝固させて固定する(仮止めする)。次に、一方の被ろう付け部材の複合材固定部に他方の被ろう付け部材を接触させた後、2回目のろう付け(熱処理)を行い、被ろう付け部材同士を複合材90を介してろう付け接合する。
ここで、1回目のろう付け時(複合材の溶融時)、被ろう付け部材の成分であるFeなどが溶出して溶融したろう材90中に溶け込み、合金化される。これによって、多くの場合、ろう材90の融点が上昇してしまう。ろう材90の融点が上昇すると、ろうの湯流れ性を維持するために、2回目のろう付け温度をより高温にする必要がある。しかしながら、2回目のろう付けを高温で行うと、被ろう付け部材の強度が低下するおそれがあるという問題があった。
また、特許文献2記載の自己ろう付け性複合材は、ろう付け時のろう材の濡れ性、湯流れ性が良好でないと共に、ろう付け層自体が脆いため、ろう付け後の製品の性能(強度、疲労特性)が大きく低下するという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、ろう付けを2回の熱処理工程にわけて行う際に、ろう材の溶融温度の上昇を招くことなくろう付けが可能なろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るろう付け用複合材は、被ろう付け部材同士をろう付けするろう付け用複合材において、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の低融点ろう付け層部及び高融点ろう付け層部を、重ね合わせて設けたものである。
ここで、低融点ろう付け層部がCu又はCu合金層とTi又はTi合金層の積層体で構成され、高融点ろう付け層部がNi又はNi合金層とTi又はTi合金層の積層体で構成されることが好ましい。
また、低融点ろう付け層部の層厚d1が、10μm以上であり、かつ、高融点ろう付け層部の層厚d2の1/4以下であることが好ましい。
以上によれば、ろう付け用複合材を、比較的低い温度で溶融する低融点ろう付け層部と、その温度よりも高い温度で溶融する高融点ろう付け層部とで構成することができる。
一方、本発明に係るろう付け用複合材を用いたろう付け方法は、上述したろう付け用複合材の低融点ろう付け層部を、一方の被ろう付け部材に接触させた後、1回目のろう付けを行い、低融点ろう付け層部を溶融させて第1ろう付け溶融部を形成した後、その溶融部を冷却して凝固させ、一方の被ろう付け部材に第1凝固部を固定し、その後、高融点ろう付け層部に他方の被ろう付け部材を接触させると共に、1回目のろう付けより高温の2回目のろう付けを行い、第1凝固部及び高融点ろう付け層部を順に溶融させて第2ろう付け溶融部を形成した後、その溶融部を冷却して凝固させるものである。
ここで、1回目のろう付けのろう付け温度が900〜920℃、2回目のろう付けのろう付け温度が1000℃以上であることが好ましい。
以上によれば、1回目のろう付け時には、低融点ろう付け層部のみが溶融し、2回目のろう付け時には、第1凝固部及び高融点ろう付け層部を、即ち、複合材全体を溶融させることができる。
本発明によれば、ろう付けを2回の熱処理工程にわけて行う際、2回目のろう付け時に、ろう材の溶融温度の上昇を招くことなくろう付けを行うことが可能なろう付け用複合材を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係るろう付け用複合材の横断面図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るろう付け用複合材10は、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の低融点ろう付け層部11及び高融点ろう付け層部12を重ね合わせてクラッドしたものであり、ろう付けを行う被ろう付け部材(図示せず)間に配置されるものである。
具体的には、低融点ろう付け層部11は、Cu層(又はCu合金層)13とTi層(又はTi合金層)14とを1層ずつ積層した積層体をクラッドしてなるクラッド材で構成される。また、高融点ろう付け層部12は、Ni層(又はNi合金層)15とTi層(又はTi合金層)16とを1層ずつ積層した積層体をクラッドしてなるクラッド材で構成される。このような構造の低融点ろう付け層部11のTi層14及び高融点ろう付け層部12のNi層15を隣接させた状態で積層し、クラッドしたものがろう付け用複合材10とされる。
低融点ろう付け層部11の層厚d1は、10μm以上、好ましくは20μm以上であり、かつ、高融点ろう付け層部12の層厚d2の1/4以下、好ましくは1/5以下とされる。ここで、低融点ろう付け層部11の層厚d1を10μm以上としたのは、10μm未満だと、後述する1回目のろう付けを行うことができないためである。また、低融点ろう付け層部11の層厚d1を、高融点ろう付け層部12の層厚d2の1/4以下としたのは、1/4を超えると、後述する1回目及び2回目のろう付けを行う際に、低融点ろう付け層部11及び低融点ろう付け層部11が溶融、凝固してなる第1凝固部51(図5参照)を完全に溶融させるのに要する時間が、必要以上に長くなってしまうためである。この時間が必要以上に長くなると、被ろう付け部材31,61(図6参照)に対して熱的悪影響が及ぶおそれがある。
次に、本実施の形態に係るろう付け用複合材10を用いたろう付け方法を、図3〜図8を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るろう付け用複合材10を用いたろう付け方法は、先ず、図3に示すように、図1に示したろう付け用複合材10の低融点ろう付け層部11側を、一方の被ろう付け部材31に接触させる。
次に、1回目のろう付けを行い、図4に示すように、低融点ろう付け層部11を溶融させて第1ろう付け溶融部43を形成する。具体的には、複合材10を加熱していくと、先ず、低融点ろう付け層部11(Ti−Cu系)のCu層13とTi層14との界面で相互に拡散反応が進行する。その後、Tiの融点より低い880℃で、Cu層13とTi層14との界面及びその近傍が溶融し始める。その後、溶融開始温度(880℃)よりも高い温度(1回目のろう付け温度)で所定時間、例えば5〜15min、好ましくは10min前後保持する。溶融によって一旦液相が生じると加速度的に溶融反応が進行し、Cu層13及びTi層14が完全に溶融して第1ろう付け溶融部43が形成される。この時、Ti層14と、Ti層14に隣接する高融点ろう付け層部12のNi層15との界面、及びNi層15とTi層16との界面でもそれぞれ拡散反応が進行し、拡散層42a,42bが形成されるが、溶融するまでには到らない。
次に、第1ろう付け溶融部43を冷却して凝固させることで、図5に示すように、被ろう付け部材31に第1凝固部51が固定される。ここで、第1凝固部51と高融点ろう付け層部12との間の拡散層42aと、高融点ろう付け層部12とが残留ろう層52を形成する。
次に、図6に示すように、残留ろう層52の高融点ろう付け層部12に被ろう付け部材61を接触させた後、1回目のろう付けより高温の2回目のろう付けを行い、第1凝固部51及び残留ろう層52を順に溶融させ、図7に示すように、第2ろう付け溶融部71を形成する。具体的には、第1凝固部51及び残留ろう層52を加熱していくと、先ず、拡散層42a,42bにおいて拡散反応が進行する。より詳細に述べると、拡散層42aにおいては、第1凝固部51中のTi成分とNi層15との拡散反応が進行し、また、拡散層42bにおいては、Ni層15とTi層16との拡散反応が進行する。その後、Ti,Niの各融点より低い942℃で、拡散層42a,42b及びその近傍が溶融し始める。その後、溶融開始温度(924℃)よりも高い温度(2回目のろう付け温度)で所定時間、例えば5〜15min、好ましくは10min前後保持する。溶融によって一旦液相が生じると加速度的に溶融反応が進行し、第1凝固部51及び残留ろう層52が完全に溶融して第2ろう付け溶融部71が形成される。
最後に、第2ろう付け溶融部71を冷却して凝固させることで、図8に示すように、各被ろう付け部材31,61が第2凝固部81(ろう付け接合部)を介して接合されたろう付け製品80が得られる。ろう付け製品80としては、EGR(Exhaust Gas Recirculation)と示す)用クーラ等の高温・高腐食性のガス又は液体に晒される熱交換器、燃料電池の改質器用クーラ、燃料電池部材、オイルクーラ、ラジエータ、二次電池部材などが挙げられる。
ここで、1回目のろう付けは、900〜920℃の温度で行うことが好ましい。ろう付け温度が900℃未満だと、Cu層13とTi層14とで構成される低融点ろう付け層部11の溶融に要する時間が長くなる(溶融開始が遅くなる)ためである。また、ろう付け温度が920℃を超えると、低融点ろう付け層部11のTi層14と高融点ろう付け層部12のNi層15との間、及び高融点ろう付け層部12のNi層15とTi層16との間で溶融反応が生じて、複合材10自体が溶融してしまう。その結果、複合材10の形状を保持することが困難となってしまい、精度良くろう付けを行うことができなくなってしまう。
また、2回目のろう付けは、1000℃以上の温度で行うことが好ましい。ろう付け温度が1000℃未満だと、ろう材の湯流れが不十分となってしまい、精度良くろう付けを行うことができなくなってしまう。ここで、被ろう付け部材がステンレス鋼で構成される場合、2回目のろう付けは、1000〜1200℃の温度で行うことが好ましい。ろう付け温度が1200℃を超えると、複合材10中への被ろう付け部材の溶け込みが過多となると共に、被ろう付け部材へのろう材の侵食が著しくなってしまう。その結果、ろう付け接合部における被ろう付け部材の強度低下を招いてしまう。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るろう付け用複合材10は、低融点ろう付け層部11と高融点ろう付け層部12とで構成している。この複合材10を用いて、被ろう付け部材31,61同士をろう付けする際は、先ず、1回目のろう付けによって低融点ろう付け層部11側を一方の被ろう付け部材31に固定した後、2回目のろう付けによって残りの高融点ろう付け層部12側を他方の被ろう付け部材61に固定するようにしている。
本実施の形態に係るろう付け用複合材10においては、1回目のろう付け時に、低融点ろう付け層部11のみを溶融させればよく、高融点ろう付け層部12は溶融させなくてよい。このため、1回目のろう付け温度は、900〜920℃程度と比較的低い温度で十分である。よって、1回目のろう付け時に、被ろう付け部材31の構成成分であるFeなどが溶出して、第1ろう付け溶融部43中に溶け込むことはない。その結果、第1ろう付け溶融部43が凝固してなる第1凝固部51の、融点の上昇を招くことはない。
したがって、2回目のろう付け時に、約1000〜1200℃という比較的低い温度でろう付け熱処理を施すことで、第1凝固部51及び残留ろう層52を完全に溶融させることができる。このため、2回目のろう付け時においても、被ろう付け部材31,61の構成成分であるFeなどが、第2ろう付け溶融部71中に溶け込むことはない。その結果、ろう付けによって、被ろう付け部材31,61の強度が低下するおそれはない。
以上より、ろう付けを2回の熱処理工程にわけて行う際、被ろう付け部材31,61の構成成分がろう材の溶融部に溶け込むことはないことから、2回のろう付け熱処理による被ろう付け部材31,61に対する熱的悪影響は殆どない(又は被ろう付け部材31,61に対する熱的悪影響を最小限に抑えることができる)。その結果、本実施の形態に係るろう付け用複合材10及びそれを用いたろう付け方法により、被ろう付け部材31,61同士のろう付けを行うことで、ろう付け接合部81の信頼性(強度、疲労特性など)に優れたろう付け製品80を得ることができる。
次に、本発明の他の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の他の好適一実施の形態に係るろう付用複合材の断面図を図2に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
前実施の形態に係る複合材10は、Cu層13及びTi層14の二層で構成される低融点ろう付け層部11と、Ni層15及びTi層16の二層で構成される高融点ろう付け層部12とで構成されるものであった。
これに対して、図2に示すように、本実施の形態に係る複合材20は、Ti層14を同じ材質のCu層23a,23bで挟んだ三層構造の低融点ろう付け層部21と、Ti層16を同じ材質のNi層35a,35bで挟んだ三層構造の高融点ろう付け層部22とで構成されるものである。
本実施の形態に係る複合材20においても、前実施の形態に係る複合材10と同様の作用効果が得られる。
本実施の形態に係る複合材20においては、低融点ろう付け層部21及び高融点ろう付け層部22が、それぞれ3層構造の場合について説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、Cu層、Ti層、Cu層、Ti層、…の順に積層してクラッドした4層以上の構造の低融点ろう付け層部と、Ni層、Ti層、Ni層、Ti層、…の順に積層してクラッドした4層以上の構造の高融点ろう付け層部とで構成される複合材であってもよい。
また、本実施の形態に係る複合材20においては、層23a,23b、層35a,35bの材質(組成)が同じ場合について説明を行ったが、これに限定するものではなく、層23a,23b、層35a,35bの材質(組成)が異なっていてもよい。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ0.8mmのCu板材、厚さ0.4mmの純Ti板材、厚さ4.0mmのNi板材、厚さ4.0mmの純Ti板材を順に重ね合わせ、4層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。この複合材の、Cu層及びTi層が低融点ろう付け層部を、Ni層及びTi層が高融点ろう付け層部を構成する。
厚さ0.8mmのCu板材、厚さ0.4mmの純Ti板材、厚さ4.0mmのNi板材、厚さ4.0mmの純Ti板材を順に重ね合わせ、4層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。この複合材の、Cu層及びTi層が低融点ろう付け層部を、Ni層及びTi層が高融点ろう付け層部を構成する。
この複合材を20mm×20mmのサイズに切り出し、試験片1を作製する。この試験片1のCu側を接触面にして、30mm×30mm×30mmのステンレス鋼材の上面中央部に載置し、1回目のろう付けを行った。1回目のろう付けは、真空雰囲気下(1Pa)、ろう付け温度を920℃、保持時間を15minとして行った。
次に、試験片1のTi側の中央上部に、10mm×10mm×10mmのステンレス鋼材を載置し、2回目のろう付けを行い、ろう付け製品の作製を行った。2回目のろう付けは、真空雰囲気下(1Pa)、ろう付け温度を1150℃、保持時間を15minとして行った。
(実施例2)
厚さ0.4mmのCu板材、厚さ0.4mmの純Ti板材、厚さ0.4mmのCu板材、厚さ2.0mmのNi板材、厚さ4.0mmの純Ti板材、厚さ2.0mmのNi板材を順に重ね合わせ、6層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.3mmのろう付け用複合材を作製した。この複合材の、Cu層、Ti層、及びCu層が低融点ろう付け層部を、Ni層、Ti層、及びNi層が高融点ろう付け層部を構成する。
厚さ0.4mmのCu板材、厚さ0.4mmの純Ti板材、厚さ0.4mmのCu板材、厚さ2.0mmのNi板材、厚さ4.0mmの純Ti板材、厚さ2.0mmのNi板材を順に重ね合わせ、6層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.3mmのろう付け用複合材を作製した。この複合材の、Cu層、Ti層、及びCu層が低融点ろう付け層部を、Ni層、Ti層、及びNi層が高融点ろう付け層部を構成する。
この複合材を20mm×20mmのサイズに切り出し、試験片2を作製する。その後は、2回目のろう付けのろう付け温度が1180℃である以外は、実施例1と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
(比較例1)
1回目のろう付けのろう付け温度が950℃である以外は、実施例1と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
1回目のろう付けのろう付け温度が950℃である以外は、実施例1と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
(比較例2)
1回目のろう付けのろう付け温度が820℃である以外は、実施例1と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
1回目のろう付けのろう付け温度が820℃である以外は、実施例1と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
(比較例3)
2回目のろう付けのろう付け温度が980℃である以外は、実施例2と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
2回目のろう付けのろう付け温度が980℃である以外は、実施例2と同様にしてろう付け製品の作製を行った。
(従来例1)
厚さ4.0mmのCu板材、厚さ2.0mmの純Ti板材、厚さ4.0mmのCu板材を順に重ね合わせ、3層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
厚さ4.0mmのCu板材、厚さ2.0mmの純Ti板材、厚さ4.0mmのCu板材を順に重ね合わせ、3層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を20mm×20mmのサイズに切り出し、試験片3を作製する。この試験片3を、30mm×30mm×30mmのステンレス鋼材の上面中央部に載置し、1回目のろう付けを行い、ろう付け製品の作製を行った。1回目のろう付けは、真空雰囲気下(1Pa)、ろう付け温度を920℃、保持時間を15minとして行った。
(従来例2)
厚さ1.0mmのNi板材、厚さ2.0mmの純Ti板材、厚さ1.0mmのNi板材を順に重ね合わせ、3層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
厚さ1.0mmのNi板材、厚さ2.0mmの純Ti板材、厚さ1.0mmのNi板材を順に重ね合わせ、3層構造の積層体を作製する。その積層体に熱間圧延を施してクラッドを行い、板厚が1.4mmのクラッド板を作製した。引き続き、このクラッド板に冷間圧延を施し、板厚が0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を20mm×20mmのサイズに切り出し、試験片4を作製する。この試験片4を、30mm×30mm×30mmのステンレス鋼材の上面中央部に載置し、1回目のろう付けを行い、ろう付け製品の作製を行った。1回目のろう付けは、真空雰囲気下(1Pa)、ろう付け温度を1150℃、保持時間を15minとして行った。
実施例1,2、比較例1〜3、従来例1,2の各試験片の、ろう付け層構造、1回目及び2回目のろう付け時のろう付け温度を表1に示す。また、実施例1,2、比較例1〜3、従来例1,2の各ろう付け製品におけるろう付け接合部の断面観察を行い、ろう付け状態(ろうの湯流れ及びフィレットの形成状況)の評価を行った。その評価結果も、同じく表1に示す。
表1に示すように、実施例1,2のろう付け製品は、本発明の実施の形態に係るろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法により得られたものであり、低融点ろう付け層部及び高融点ろう付け層部の層厚の割合を規定し、かつ、1回目及び2回目のろう付け時の各ろう付け温度を規定しているため、共にろう付け状態が良好であった。つまり、ろう付け接合部の信頼性の高いろう付け製品を得ることができた。
これに対して、比較例1のろう付け製品は、1回目のろう付け時のろう付け温度が950℃と、規定範囲(900〜920℃)よりも高かったため、1回目のろう付け時に、低融点ろう付け層部におけるTi層と高融点ろう付け層部におけるNi層との界面、及び高融点ろう付け層部におけるNi層とTi層との界面で溶融反応が進行してしまった。その結果、2回目のろう付け時に、精度良くろう付けを行うことができず、ろう付け不良が生じた。
また、比較例2のろう付け製品は、1回目のろう付け時のろう付け温度が820℃と、規定範囲(900〜920℃)よりも低かったため、1回目のろう付け時に、低融点ろう付け層部を十分に溶融させることができず、ろう付け不良が生じた。
また、比較例3のろう付け製品は、2回目のろう付け時のろう付け温度が980℃と、規定範囲(1000℃以上)よりも低かったため、2回目のろう付け時に、高融点ろう付け層部を十分に溶融させることができず、ろう付け不良が生じた。
一方、従来例1,2のろう付け製品は、1回目のろう付け時に、ろう付け用複合材(ろう材)が流れてしまい、精度良くろう付けを行うことができず、ろう付け不良が生じた。また、2回目のろう付けを行うことはできなかった。
本実施の形態に係るろう付け用複合材10,20は、EGR用クーラなどの高温・高腐食性のガス又は液体に晒される熱交換器に用いることができる。また、その他にも、例えば、燃料電池の改質器用クーラの熱交換器、燃料電池部材、オイルクーラ、ラジエータ、二次電池部材などの各種用途にも適用可能である。
10 ろう付け用複合材
11 低融点ろう付け層部
12 高融点ろう付け層部
11 低融点ろう付け層部
12 高融点ろう付け層部
Claims (6)
- 被ろう付け部材同士をろう付けするろう付け用複合材において、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の低融点ろう付け層部及び高融点ろう付け層部を、重ね合わせて設けたことを特徴とするろう付け用複合材。
- 上記低融点ろう付け層部がCu又はCu合金層とTi又はTi合金層の積層体で構成され、上記高融点ろう付け層部がNi又はNi合金層とTi又はTi合金層の積層体で構成される請求項1記載のろう付け用複合材。
- 上記低融点ろう付け層部の層厚d1が、10μm以上であり、かつ、上記高融点ろう付け層部の層厚d2の1/4以下である請求項1又は2記載のろう付け用複合材。
- 請求項1から3いずれかに記載のろう付け用複合材の低融点ろう付け層部を、一方の被ろう付け部材に接触させた後、1回目のろう付けを行い、低融点ろう付け層部を溶融させて第1ろう付け溶融部を形成した後、その溶融部を冷却して凝固させ、一方の被ろう付け部材に第1凝固部を固定し、その後、高融点ろう付け層部に他方の被ろう付け部材を接触させると共に、1回目のろう付けより高温の2回目のろう付けを行い、第1凝固部及び高融点ろう付け層部を順に溶融させて第2ろう付け溶融部を形成した後、その溶融部を冷却して凝固させることを特徴とするろう付け用複合材を用いたろう付け方法。
- 上記1回目のろう付けのろう付け温度が900〜920℃、上記2回目のろう付けのろう付け温度が1000℃以上である請求項4記載のろう付け用複合材を用いたろう付け方法。
- 請求項4又は5記載のろう付け方法を用い、被ろう付け部材同士をろう付け用複合材を介して接合したことを特徴とするろう付け製品。
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JP2003352054A JP2005111548A (ja) | 2003-10-10 | 2003-10-10 | ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2015039722A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | アルミニウム製熱交換器のロウ付け方法 |
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-
2003
- 2003-10-10 JP JP2003352054A patent/JP2005111548A/ja active Pending
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JP2015039722A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | トヨタ自動車株式会社 | アルミニウム製熱交換器のロウ付け方法 |
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CN114378477B (zh) * | 2022-03-08 | 2024-04-02 | 广东省科学院中乌焊接研究所 | 混合粉末钎料及其制备方法、焊接中间层和焊接方法 |
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