JP2005111459A - 圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置 - Google Patents

圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 油処理槽の圧縮空気室には、圧縮空気圧力が予め定めた所要の設定圧力以上になった場合に大気へ放出する為の安全弁を配設することで、圧縮空気圧力と設定圧力の差圧の分、無駄なエネルギーの排出を行っていたし、安全弁が作動している間、設定圧力以上の圧縮空気が下流に配設した油吸着槽に流れて行くことで、油吸着槽に収納した油吸着材に特定の流路を形成し、早い時点に油吸着材の交換を必要とした。
【解決手段】 圧縮空気が各種機器を経由する際に圧縮空気より発生したドレン水を、各種機器に接続しているドレン排出管と集合管を経由させて、ドレン水処理装置1に送り込むことでドレン水の中に含まれた異物を除去する圧縮空気より発生したドレン水の処理装置に於いて、ドレン排出管全てが合流してからエマルジョン破壊油吸着槽30迄の間の集合管261、262、263または接続管272、273の何れかの位置に、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧する減圧弁265を配設した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置に関する技術であって、更に詳細に述べると、圧縮空気より発生したドレン水から油を含む異物を除去して河川にそのまま排出することが可能な清水を作り出す技術に関するものについて述べたものである。
従来、圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置に関する技術としては、油処理槽8(本発明の、油水分離槽10に該当)に安全弁17を配設したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
以下、従来の圧縮空気用より発生したドレン水の処理処理装置について説明する。 特許文献1において、17は安全弁である。
この場合、特許文献1の2頁左欄29行〜42行に見られるように、「・・・。即ち8は密閉式油処理槽であり、内部は仕切板9によって油浮上分離室10と水貯槽室11に区分され、それら油浮上分離室10、水貯槽室11の上部が圧縮空気室12として形成されている。・・・、圧縮空気室12には、圧縮空気室12内の圧縮空気圧力が予め定めた所要の設定圧力以上になった場合に大気へ放出する為の安全弁17を有する圧縮空気排出管18が接続されている。」という内容が記されている。
また、同じ特許文献1の3頁左欄3行〜6行には、「・・・。圧縮空気室12には安全弁17が配されているので、設定圧力以上の圧力は該弁の作動により放出され、圧縮空気室には所定の圧力に保持される。」という内容が記されている。
特公昭63−39799号 公報
しかしながら、このような従来の、圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置に関しては、以下に示すような課題があった。
先ず、密閉式油処理槽を形成している圧縮空気室には、圧縮空気室内の圧縮空気圧力が予め定めた所要の設定圧力以上になった場合に大気へ放出する為の安全弁を配設することで、圧縮空気圧力と設定圧力の差圧の分、安全弁を開放して圧縮空気を大気に開放するという、無駄なエネルギーの排出を行っていた。
次に、密閉式油処理槽を形成している圧縮空気室には、圧縮空気室内の圧縮空気圧力が予め定めた所要の設定圧力以上になった場合に大気へ放出する為の安全弁を配設することで、圧縮空気室は所定の圧力に保持されるように配慮しているはずであるが、安全弁が油処理槽の圧縮空気室に接続しているような配設位置による構造的な特性により、安全弁が作動している間、設定圧力以上の圧縮空気が下流に配設した油吸着槽に流れて行くことで、油吸着槽に収納した油吸着材に特定の流路を形成し、早い時点に油吸着材の交換を必要とした。
前記二つの事項は、ドレン水を発生させるエアタンクやアフタークーラーやドレンセパレータやドライヤーの接続する数が多ければ多いほど顕著であった。特に、これらの機器から同時に圧縮空気が流れて来た時には、設定圧力以上の圧縮空気が下流に配設した油吸着槽に流れて行く事が顕著であった。
本発明は、圧縮空気が各種機器120、130、140、150を経由する際に圧縮空気より発生したドレン水を、前記各種機器120、130、140、150に接続しているドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214dと集合管261、262、263を経由させて、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30の順にドレン水が流れるように構成されているドレン水処理装置1に送り込むことでドレン水の中に含まれた異物を除去する圧縮空気より発生したドレン水の処理方法に於いて、前記ドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d全てが合流してから前記エマルジョン破壊油吸着槽30迄の間の何れかの位置を起点として、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧することを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
また本発明は、圧縮空気が各種機器120、130、140、150を経由する際に圧縮空気より発生したドレン水を、前記各種機器120、130、140、150に接続しているドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214dと集合管261、262、263を経由させて、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30の順にドレン水が流れるように構成されているドレン水処理装置1に送り込むことでドレン水の中に含まれた異物を除去する圧縮空気より発生したドレン水の処理装置に於いて、前記ドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d全てが合流してから前記エマルジョン破壊油吸着槽30迄の間の集合管261、262、263または接続管272、273の何れかの位置に、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧する減圧弁265を配設したことを特徴とし、更には、前記各種機器120、130、140、150は複数存在することを特徴とし、更には、前記ドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214dの途中には全て電磁式のドレントラップ222、232、242、252を配設したことを特徴とし、更には、前記ドレン排出管211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d全てが合流するということは、複数のエアーコンプレッサが配設されている場合、複数の前記エアーコンプレッサに関係する全てのドレン排出管が合流するものであることを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
以上の説明から明らかなように、本発明によって、以下に示すような効果をあげることが出来る。
第一に、ドレン排出管全てが合流してからエマルジョン破壊油吸着槽迄の間の集合管または接続管の何れかの位置に、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧する減圧弁を配設することで、無駄なエネルギーの排出を確実に防止すると同時に、排出しようとしていたエネルギーをドレン水がエマルジョン破壊油吸着槽を通過させるのに有効に活用出来るようになった。
第二に、ドレン排出管全てが合流してからエマルジョン破壊油吸着槽迄の間の集合管または接続管の何れかの位置に、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧する減圧弁を配設することで、減圧された流体が持続してエマルジョン破壊油吸着槽に流れ、早い時点に油吸着材が特定の流路を形成することも無くなり、それによって油吸着材の交換時期が長くなった。
第三に、前記二つの事項については、接続するドレン排出管の数が多ければ多いほど有効となった。従って、接続するエアーコンプレッサの数が多ければ多いほど更に効果を増していった。
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明全体を示した図である。
図1に見られるように、110はエアーコンプレッサであり、具体的には図示してはいないが、電動モーターと圧縮機より構成され、電動モーターの回転をベルトに伝達して圧縮機本体に伝え、大気を吸引して圧縮空気を作り出ていた。
ここで、エアーコンプレッサ110によって作り出された圧縮空気は、圧縮空気配管201と、圧縮空気を冷却するアフタークーラ120と、圧縮空気配管202と、圧縮空気を貯蔵するエアータンク130と、圧縮空気配管203と、圧縮空気を乾燥させるドライヤーl40と、圧縮空気配管204と、圧縮空気に含まれている塵埃やオイルミスト等の各種の異物を除去するフィルター150と、圧縮空気配管205を経由して、エアーモーターやエアーシリンダ等のアクチュエータを構成した各種の空圧機器に乾燥した清浄な圧縮空気を供給することが出来るようになっている。
一方、ドレン水が発生する各種機器120でもあるアフタークーラ120からは、ドレン水を排出するドレン排出管211aと、手動で開閉可能な開閉弁221と、ドレン排出管211bと、モーターの動作や磁力によって開閉の動作を行い圧縮空気と共にドレン水を排出する電動式のドレントラップ222と、ドレン排出管211cと、ドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁223と、ドレン排出管211dを経由して、集合管261に接続している。
また、ドレン水が発生する各種機器130でもあるエアータンク130の下部からは、ドレン水を排出するドレン排出管212aと、手動で開閉可能な開閉弁231と、ドレン排出管212bと、モーターの動作や磁力によって開閉の動作を行い圧縮空気と共にドレン水を排出する電動式のドレントラップ232と、ドレン排出管212cと、ドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁233と、ドレン排出管212dを経由して、集合管261に接続している。
更に、ドレン水が発生する各種機器140でもあるドライヤー140からは、ドレン水を排出するドレン排出管213aと、手動で開閉可能な開閉弁241と、ドレン排出管213bと、モーターの動作や磁力によって開閉の動作を行い圧縮空気と共にドレン水を排出する電動式のドレントラップ242と、ドレン排出管213cと、ドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁243と、ドレン排出管213dを経由して、集合管261に接続している。
加えて、ドレン水が発生する各種機器150でもあるフィルターl50からは、ドレン水を排出するドレン排出管214aと、手動で開閉可能な開閉弁251と、ドレン排出管214bと、モーターの動作や磁力によって開閉の動作を行い圧縮空気と共にドレン水を排出する電動式のドレントラップ252と、ドレン排出管214cと、ドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁253と、ドレン排出管214dを経由して、集合管261に接続している。
尚、ドレントラップ222、232、242、252に於けるドレン水の排出に関しては、常に個々に定めたサイクルで個々に定めた時間の間行なったり、別のやり方として、常に個々に定めたサイクルでドレントラップ222、232、242、252より上流の何れかの位置でドレン水の有無を確認しドレン水の存在を確認した場合にのみ個々に定めた時間の間行なうこと等が考えられる。その際、ドレン水を排水した直後に、更にドレン水の存在を確認したら、更に定めた時間の間ドレン水を排出することも考えられる。この場合、ドレントラップ222、232、242、252は、電動モーター式と電磁式等の電動式のものが考えられる。
ここで、集合管261は、それ以降の二次圧を一定の値を超えない様に減圧する減圧弁265と、集合管262と、ドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁266と、集合管263と、油や塵等の各種の異物を分離するドレン水処理装置1を経由して清水管274から清水を排出することが出来るようになっている。また、清水管274より排出される清水は、河川等にそのままの状態で排出することが出来る位に清浄になっている。
所で、減圧弁265の配設位置は、集合管261、262の間に限定される訳では無く、ドレン排出管211d、212d、213d、214d全てが合流してからエマルジョン破壊油吸着槽30迄の間の集合管261、262、263または接続管272、273の何れかの位置に配設されていれば構わない。
この場合、ドレン水処理装置1は、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30から構成されていて、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30の間は、接続管272とドレン水が下流から上流に逆流するのを防止する逆止弁275と接続管273で接続している。
但し、エマルジョン破壊油吸着槽30に関しては、図1に見られる様に、一組の構成に限定される必要はなく、二組でも三組でもそれ以上でも構わない。その場合、エマルジョン破壊油吸着槽30は、直列に並べても並列に並べても構わない。
尚、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30の間に配設されている逆止弁275に関しては、エマルジョン破壊油吸着槽30と逆止弁275を対にして直列に複数組並べた場合も並列に複数組並べた場合も考えられるし、エマルジョン破壊油吸着槽30だけを直列に並べその最上流に逆止弁275一組を配設したり、エマルジョン破壊油吸着槽30だけを並列に並べた集合体の最上流に逆止弁275を一組を配設しても構わない。また、逆止弁275に関しては逆止弁266を含めて、一方または両方を配設しない場合も考えられる。
ところで、油水分離槽10は、油水分離槽本体11が隔壁11dによって仕切られることで外側に位置している油浮上分離室11xと内側に位置している水貯槽室11yの二つの室を形成し、密閉した油水分離槽本体11の内部を、上部では液面より更に上の部分で油浮上分離室11xと水貯槽室11yの間を気体である圧縮空気だけが自由に出入り可能な状態に、下部では液体であるドレン水が隔壁11dの先端と油水分離槽本体11の底部との間で油浮上分離室11xと水貯槽室11yの間を自由に出入り可能な状態になっている。
そして、油浮上分離室11xの上部には液面より突出して、一方の管端を集合管263に接続した吸入管11bの他方の管端が位置していてドレン水が流れ込むようになっている。従って、油浮上分離室11xでは、液面には水より軽い油が浮上し、底部には水より重い異物が沈殿するようになっている。この場合には、液面に浮上した油は、浮上油取出弁13を開くことで排出可能となっている。
一方、水貯槽室11yでは、液面に吐出管11cの一方の管端が位置し、油浮上分離室11xと水貯槽室11yの間の下部の隔壁11dの先端と油水分離槽本体11の底部との間の連通している部分より水より軽い油と水より重い異物が取り除かれたドレン水が流入するようになっている。但し、エマルジョン化した油はドレン水の中に溶け込み、この様な方式では分離出来ずにそのまま流入していた。
ここで、吐出管11cの他方の管端は、接続管272に接続している。従って、水貯槽室11yの液面に集まった吐出管11cの一方の管端より上部に位置する油の除かれた比較的綺麗なドレン水は、油浮上分離室11x上部と水貯槽室11y上部に連通して密閉されている圧縮空気の圧力によって、吐出管11cの一方の管端から入り他方の管端から接続管272に圧縮空気と共に送り出されるようになっている。尚、油浮上分離室11x上部と水貯槽室11y上部の圧縮空気の圧力が確認可能な様に、油水分離槽本体11の上部に圧力計12を配設している。
また、油水分離槽本体11の外周には、図1に見られる様に、上下の方向に位置し、油水分離槽本体11の上端と下端を含め四個所で連通している透明な透明管11aを形成している。この場合、透明管11aの目的は、油浮上分離室11xに流入した直後の油浮上分離室11xのドレン水の汚れの状況を目視や光学的手段で確認する為に形成したものである。従って、透明管11aの材料としては、ガラス製やプラスチック製等の透明のものが考えられる。
尚、透明管11aと油水分離槽本体11との連通箇所は、四個所に限定される訳では無く、二個所でも三箇所でも五箇所でもそれ以上でも構わない。また、汚染状況を確認する手段として、光を照射して透過光や反射光によって判断する等の光学的方法が考えられる。
さて、エマルジョン破壊油吸着槽30では、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の中に、色素や異臭を除去する活性炭34を概ね中央部の断面全体にドレン水の流れを遮るように配設し、エマルジョンを破壊させる目的のエマルジョン破壊粒子を付着させたエマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油を吸着する目的の油吸着材33を概ね均一に混在させたものを、活性炭の前後に収納したものである。
ここで、エマルジョン破壊油吸着槽本体31は、外部から内部の状況を目視可能なガラス製やプラスチック製等の透明の材料を使用したり、外部から内部の状況を目視可能な様にガラス製やプラスチック製等の透明の材料をはめ込む等のことも考えられる。
この場合、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32は、エマルジョン破壊粒子の働きによって微小の油が水と結合してエマルジョン化したドレン水をエマルジョン破壊することで油と水の結合を解き放ち、その後、分離した油はエマルジョン破壊粒子付き油吸着材32を構成している油吸着材や油吸着材33に吸着される。従って、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33が散在することによって、エマルジョン化した油から油を完全に分離し吸着することによって除去が可能となったのである。
一方、粒状の活性炭34の配設は、色素や異臭を吸着したり除去することをその目的としている。また、活性炭34のエマルジョン破壊油吸着槽30内での充填する位置としては、最上流では活性炭34が早く汚れてしまい、最下流では活性炭34そのものが流出することによって汚れた水が流れるように見える為に、概ね中央部に位置させることが望ましい。
ここで、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の構造としては、液体であるドレン水が、流入口からエマルジョン破壊油吸着槽本体31に流入し、流出口から排出する間に、エマルジョン破壊油吸着槽本体31内を均一に流れる様に、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の両端部である入口側と出口側には空間部31zを確保している。
従って、両端の空間部31zを確保する為に、数多くの小さな穴を形成している多孔板31cを二枚用意し、その多孔板31cとエマルジョン破壊油吸着槽本体31の両端の端部との間にエマルジョン破壊油吸着槽本体31より小径の円筒状の支柱31dを配設することによって多孔板31cを支え、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33と活性炭34を、二つの多孔板31cの間に収納するようにしている。但し、支柱31dは円筒状のものに限る必要は全く無く、空間部31zを確保出来れば、どのような形状でも構わない。尚、多孔板31cとしては、数多くの小さな穴を形成したパンチングプレートやセラミック樹脂等が考えられる。
また、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33は、油等の異物を吸収するに従って抵抗が大きくなり、圧縮されながら下流に向かって押し付けられることで、更に抵抗が大きくなると同時に、エマルジョン化した油の破壊や油吸着の機能が確実に低下する。
そこで、このことを少しでも防止する為に、液体の流れを垂直に遮ることが出来る様に、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の略中央部に数多くの小さな穴を形成した中間多孔板31eを配設し、中間多孔板31eを支える為、中間多孔板31eと多孔板31cの間にエマルジョン破壊油吸着槽本体31より小径の円筒状の支持材31fを配設することによってエマルジョン破壊粒子付油吸着材32や油吸着材33が圧縮されることを防止している。
但し、中間多孔板31eの位置に関しては、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の略中央部に多少前後しても構わない。また、支持材31fは円筒状のものに限る必要はなく、数本のボルトで固定する等中間多孔板31eを支持出来れば、どのような形状でも構わない。
尚、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の内部には、活性炭34を中間多孔板31eの下流直後に充填するのが最善であるが、中間多孔板31eの上流直前に充填するのも最善に近い効果がみられる。一方、中間多孔板31eの多少前後して充填してもかなりの効果が見られるし、エマルジョン破壊油吸着槽本体31の両端末の何れかの部分に充填してもそれなりの効果がみられる。
更に、図1ではエマルジョン破壊粒子付油吸着材32と油吸着材33は、概ね均一に混在させたものを活性炭34前後に収納しているが、エマルジョン破壊粒子付油吸着材32と油吸着材33を交互に層を成して収納し入口と出口に近い層は油吸着材33を収納するということも考えられる。
ここで、エマルジョン破壊粒子を吸着材に付着させたエマルジョン破壊粒子付油吸着材32を作る方法としては、アミンや硫酸バリウム等のエマルジョン破壊粒子が溶媒で溶解されている溶液を吸着材に付着させた後に溶媒を蒸発乾燥させるような方法が一般的であるが、溶液を油吸着材33に霧状に吹き付ける方法もある。また、アミンや硫酸バリウム等のエマルジョン破壊粒子を溶解した状態でなく、液体内で均一に混合された状態で吸着材に付着させるという方法も考えられる。
この場合、エマルジョン破壊粒子と油吸着材をエマルジョン破壊粒子付き油吸着材32の状態にしないで、粒子の状態のままで吸着材の間でばらばらに分散するように充填しても構わない。この場合においても、活性炭34は、中間多孔板31eの上流直前直後やその周辺に配置するのが最も良いし、入口や出口の多孔板31cの直後や直前に配置しても良い。
但し、前記の何れの場合においても、活性炭34を配置しなで構成することも考えられる。
一方、本発明に用いられるアミンについてはアミン化合物またはその誘導体が考えられ、アミン化合物またはその誘導体が25℃であるとき固体状のものであることが好ましいが、その化合物が25℃で非固体状であっても、他の化合物との混合物で固体状になる化合物でも構わない。つまり、化合物は、一種類単独で使用しても、二種類以上使用しても良い。
さて、これらのアミン化合物やその誘導体は、好ましくは、一種アミン、二種アミン、三種アミン、及び、その誘導体であり、より好ましくは、一種アミン、二種アミン、及び、その誘導体であり、特に好ましくは、一種アミン(例えば、ステアリルアミン)、及び、その誘導体である。
また、油吸着材33及びエマルジョン破壊粒子付き油吸着材32に使用している油吸着材としては、ポリプロピレンやポリスチレンの繊維よりなるものが考えられる。但し、油吸着材33及びエマルジョン破壊粒子付き油吸着材32に使用している油吸着材に関しれであればその他のものでも構わない。
本発明による、圧縮空気用より発生したドレン水の処理方法および処理装置は前述したように構成されており、以下に、その動作について説明する。
先ず、エアーコンプレッサ110を構成している電動モーターを作動させると、電動モーターの回転は圧縮機に伝えられ圧縮空気を作り出す。ここで、作り出された圧縮空気は、圧縮空気配管201とアフタークーラl20と圧縮空気配管202とエアータンク130と圧縮空気配管203とドライヤー140と圧縮空気配管204とフィルター150と圧縮空気配管205を経由して、その先端のエアーモーターやエアーシリンダ等のアクチュエータに対し必要に応じて乾燥した清浄な圧縮空気を送り出すことが出来るようになっている。
一方、アフタークーラ120やエアータンク130やドライヤー140やフィルター150で圧縮空気より発生したドレン水は圧縮空気と共に、ドレン排出管211a、212a、213a、214aと開閉弁221、231、」241、251とドレン排出管211b、212b、213b、214bとドレントラップ222、232、242、252とドレン排出管211c、212c、213c、214cと逆止弁223、233、243、253とドレン排出管211d、212d、213d、214dを経由して集合管261に合流し、更に減圧弁265と集合管262と逆止弁266と集合管263を経由して、油水分離槽10とエマルジョン破壊油吸着槽30から構成されるドレン水処理装置1に送られ油や塵を含む各種の異物を除去し、清水管274から河川にそのまま排出しても問題のないような清浄な清水にすることが出来るようになっている。
ここで、圧縮空気とドレン水が減圧弁265を通過することで以降のドレン水を伴った圧縮空気の二次圧が減圧弁265の設定値に減圧され、減圧によって余分となったエネルギーを有効に使うことによってその圧力を持続させることが可能となり、更に、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33を充填している中でドレン水を常に理想的な圧力で持続して通過させ、その事で、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33の間には特定の流路を形成することも無く平均して円滑に通過させることが可能となったのである。従って、エマルジョン破壊粒子付き油吸着材32と油吸着材33を長期間使用することが可能となった。
尚、ドレン水処理装置1に於いては、最初に油水分離槽10の油浮上分離室11xで、水より軽い油を水面に浮かせ、水より重い各種の異物を底部に沈殿させ、油浮上分離室11xと水貯槽室11yの間に形成した隔壁11d先端と油水分離槽本体11の底部の間を通って油や各種の異物を除去された比較的綺麗なドレン水が水貯槽室11yに送り込まれるようになっている。但し、このドレン水に溶け込んで、エマルジョン化した油が混入している
一方、ドレン水と共に油水分離槽10に送り込まれた圧縮空気は、油水分離槽本体11の上部である油浮上分離槽11xの上部と水貯槽室11yの上部の、密閉された部分に滞留している。尚、油水分離槽本体11外側に位置して油水分離槽本体11の油浮上分離室11xと連通している透明な透明管11aによって、油水分離槽10に送り込まれた直後の汚いドレン水は、汚れの状態を目視等の方法で確認することが可能となっているのである。
ここで、水貯槽室11yに送り込まれたドレン水は、水貯槽室11yに形成された吐出管11cの一方の端部である管端より上部に溜まると、油水分離槽本体11の上部に滞留している圧縮空気の力によって、吐出管11cと接続管272と逆止弁275と接続管273を経由してエマルジョン破壊油吸着槽30を経由して清水になって排出されるのである。
この場合、圧縮空気の力は、エマルジョン破壊油吸着槽30が密閉した状態になっている為に、ドレン水が清水管274より排出される迄、ドレン水の移動を助けている。尚、圧縮空気の圧力としては、減圧弁によって0.01〜0.7MPaの何れかの値が設定されている。
但し、油水分離槽10の油浮上分離室11等で油や各種の異物は分離されるが、エマルジョン化した油はドレン水の中に溶け込んだ状態でエマルジョン破壊油吸着槽30に送り込まれる可能性も残っている。
一方、エマルジョン破壊油吸着槽30では、圧縮空気と共に送り込まれたドレン水がエマルジョン破壊粒子を付着させたエマルジョン破壊粒子付油吸着材32と油を吸着する油吸着材33を概ね均一に混在させた状態で収納させた中で、エマルジョン破壊粒子付油吸着材32と油吸着材33をランダムに経由することで、エマルジョン破壊粒子付油吸着材32ではエマルジョン化した油の水と油の結合を解き放つことでエマルジョン破壊を行い、更に離脱した油を吸着させ、油吸着材33ではエマルジョン破壊粒子付油吸着材32で吸着出来なかった油を吸着させ、このような処理をランダムに何度も行うことによってドレン水の清浄度が向上していく。また、ドレン水が活性炭34を通過すると匂いや色素が除去されるようになっている。
本発明全体を示した図
符号の説明
1・・・・・・・ドレン水処理装置
10・・・・・・油水分離槽
11・・・・・・油水分離槽本体
11a・・・・・透明管
11b・・・・・吸入管
11c・・・・・吐出管
11d・・・・・隔壁
11x・・・・・油浮上分離室
11y・・・・・水貯槽室
12・・・・・・圧力計
13・・・・・・浮上油取出弁
30・・・・・・エマルジョン破壊油吸着槽
31・・・・・・エマルジョン破壊油吸着槽本体
31c・・・・・多孔板
31d・・・・・支柱
31e・・・・・中間多孔板
31f・・・・・支柱材
31z・・・・・空間部
32・・・・・・エマルジョン破壊粒子付油吸着材
33・・・・・・油吸着材
34・・・・・・活性炭
110・・・・・エアーコンプレッサ
120・・・・・アフタークーラ(各種機器)
130・・・・・エアータンク(各種機器)
140・・・・・ドライヤー(各種機器)
150・・・・・フィルター(各種機器)
201・・・・・圧縮空気配管
202・・・・・圧縮空気配管
203・・・・・圧縮空気配管
204・・・・・圧縮空気配管
205・・・・・圧縮空気配管
211a・・・・ドレン排出管
211b・・・・ドレン排出管
211c・・・・ドレン排出管
211d・・・・ドレン排出管
212a・・・・ドレン排出管
212b・・・・ドレン排出管
212c・・・・ドレン排出管
212d・・・・ドレン排出管
213a・・・・ドレン排出管
213b・・・・ドレン排出管
213c・・・・ドレン排出管
213d・・・・ドレン排出管
214a・・・・ドレン排出管
214b・・・・ドレン排出管
214c・・・・ドレン排出管
214d・・・・ドレン排出管
221・・・・・開閉弁
222・・・・・ドレントラップ
223・・・・・逆止弁
231・・・・・開閉弁
232・・・・・ドレントラップ
233・・・・・逆止弁
241・・・・・開閉弁
242・・・・・ドレントラップ
243・・・・・逆止弁
251・・・・・開閉弁
252・・・・・ドレントラップ
253・・・・・逆止弁
261・・・・・集合管
262・・・・・集合管
263・・・・・集合管
265・・・・・減圧弁
266・・・・・逆止弁
272・・・・・接続管
273・・・・・接続管
274・・・・・清水管
275・・・・・逆止弁

Claims (5)

  1. 圧縮空気が各種機器(120、130、140、150)を経由する際に圧縮空気より発生したドレン水を、前記各種機器(120、130、140、150)に接続しているドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)と集合管(261、262、263)を経由させて、油水分離槽(10)とエマルジョン破壊油吸着槽(30)の順にドレン水が流れるように構成されているドレン水処理装置(1)に送り込むことでドレン水の中に含まれた異物を除去する圧縮空気より発生したドレン水の処理方法に於いて、前記ドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)全てが合流してから前記エマルジョン破壊油吸着槽(30)迄の間の何れかの位置を起点として、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧することを特徴とする圧縮空気より発生したドレン水の処理方法。
  2. 圧縮空気が各種機器(120、130、140、150)を経由する際に圧縮空気より発生したドレン水を、前記各種機器(120、130、140、150)に接続しているドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)と集合管(261、262、263)を経由させて、油水分離槽(10)とエマルジョン破壊油吸着槽(30)の順にドレン水が流れるように構成されているドレン水処理装置(1)に送り込むことでドレン水の中に含まれた異物を除去する圧縮空気より発生したドレン水の処理装置に於いて、前記ドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)全てが合流してから前記エマルジョン破壊油吸着槽(30)迄の間の集合管(261、262、263)または接続管(272、273)の何れかの位置に、以降の二次圧を一定の値を超えないように減圧する減圧弁(265)を配設したことを特徴とする圧縮空気より発生したドレン水の処理装置。
  3. 前記各種機器(120、130、140、150)は複数存在することを特徴とする請求項2に記載の圧縮空気より発生したドレン水の処理装置。
  4. 前記ドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)の途中には全て電磁式のドレントラップ(222、232、242、252)を配設したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧縮空気より発生したドレン水の処理装置。
  5. 前記ドレン排出管(211a、211b、211c、211d、212a、212b、212c、212d、213a、213b、213c、213d、214a、214b、214c、214d)全てが合流するということは、複数のエアーコンプレッサが配設されている場合、複数の前記エアーコンプレッサに関係する全てのドレン排出管が合流するものであることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の圧縮空気より発生したドレン水の処理装置。
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