JP2005111341A - 携帯型浄水装置 - Google Patents

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Tetsuki Hidano
哲樹 肥田野
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雄一 阿部
Mari Hoshida
真理 星田
Takashi Uchida
崇 打田
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Abstract

【課題】 原水吸引のために多大な労力を必要とせず、原水を自動的もしくは手動操作で容易に強制吸引して効率よく浄化処理することができる携帯型浄水装置を得ることにある。
【解決手段】 吸入口20aを有し、水を強制吸入する水吸入器2と、吸入水をろ過処理するろ過器3と、ろ過処理した吸入水を貯留する貯水容器4とからなる携帯型浄水装置の構成としたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、災害発生時等の水道断水時やアウトドア活動時などに使用する携帯型浄水装置に関するものである。
従来の携帯型浄水装置は、主に災害発生時等の水道断水時を用途としたものと、アウトドア活動時を用途としたものの二つに大別される。いずれの浄水装置も、河川や湖沼から原水を吸入するポンプと、原水を浄化処理するろ過器と、浄化処理した処理水を貯留する貯留タンクとから主要部が構成されている。
水道断水時に使用する携帯型浄水装置は、都市部の居住者が近隣の河川水、沼水、防火用水等の水質のよくない水を原水として使用することを前提としており、複数の中空糸膜ろ過器を直列に配設して浮遊物質や懸濁物質をろ過し、さらに活性炭ろ過器で臭気成分、色素成分をろ過するといった高性能の除去能力を有するろ過器を使用している。また、中空糸膜は一次側原水にある程度の圧力が必要であり、この中空糸膜を直列に使用するため、ろ過器の一次側原水には高い水圧が必要である。このため、原水を吸入する吸入ポンプも高揚程のポンプを使用している。
以前は、アウトドア活動時において、河川水をそのまま飲んだり、料理に使用したりしていたが、近年、河川水の水質悪化によりそのまま使用できない場合が多い。
そこで、アウトドア活動時に使用する携帯型浄水装置にあっては、キャンプ場付近や山間部の河川水等、比較的水質の良い水を原水として使用することを前提としており、砂、セラミック、活性炭等で構成する簡易的なろ過器を使用している。また、砂や活性炭のろ過器は、一次側原水の水圧が低くとも十分にろ過可能であり、かつ携帯型浄水装置が電源のない所でも使用できるように、手動ポンプを使用している。
一方、近年の水源の水質悪化やこれに伴う浄水場での塩素添加量の増量により、水道水に塩素臭やカルキ臭を感じる使用者が急増してきている。このような不快感を感じる使用者達は、ミネラルウォーターや水道蛇口に浄水器を取り付けて浄化した水を飲むことで解消している。
しかし、これらのミネラルウォーターや浄水器で浄化した水を常用する使用者達は、使用前にも増して、浄化していない水道水に対する抵抗感が強くなる傾向がある。
なお、上記先行技術は当業者一般に知られた技術であって、文献公知発明に係るものではない。
上述のような従来の携帯型浄水装置において、災害発生時等の水道断水時に使用する浄水装置では、複数の中空糸膜ろ過層と活性炭ろ過層を直列配置し一体化した大型のろ過器あるいは独立の中空糸膜ろ過器を複数配置したものを使用する必要があり、また、吸引ポンプも高揚程の大型のものが必要であり、その結果、浄水装置全体が大型化してしまい、キャスタ付きでなければ移動できない程の重量になっていたため、持ち運びに大変不便であり課題となっていた。
一方、アウトドア活動時に使用する携帯型浄水装置にあっては、簡易的なろ過器を使用しているため、ろ過能力が低く、河川等水源の水質によっては浮遊物質や懸濁物質を十分に除去できないことがあり、課題となっていた。特に近年、清澄な河川水においても病原性微生物のクリプトスポリジウム等の存在が確認されており、風呂水を原水として利用する場合においては、レジオネラ属菌が繁殖している恐れがあり、従来の携帯型浄水器に内蔵されている簡易的なろ過器では水中微生物を除去しきれないという課題があった。
また、アウトドア活動時に使用する携帯型浄水装置は、持ち運びに便利なように全体的に小型化されており、貯水タンクも小容量の場合が多いため、1日に何度も手動ポンプを人力で稼働させて浄水しなければならず、多大な労力を要するという課題があった。
ここで、飲用水を美味しく感じる要素の一つに水温がある。ぬるい水は、十分に浄化処理されていても美味しく感じないことは既に知られている。
従来の携帯型浄水装置には、浄化処理した水を冷却する機能を有しておらず、特に原水の水温が高く、かつ外気温が高い夏期においては、冷たい美味しい水を欲しても、ぬるい水しか作ることができないという課題があった。
水道水に対する抵抗感は家庭内だけではなく、外出先でも当然生じる問題であり、特に水を飲む機会が多い飲食店では強く感じてしまう。この状況に対応するために、飲食店では、客に給仕する飲料水にミネラルウォーターや浄水器で浄化した水を使用する所が増えてきているが、費用的な面等で未だ浄水器で浄化していない水道水を飲料水として客に給仕している所も多く、この水に不快感を感じる人も多い。しかし、その場で水道水を簡単に浄化できる方法がないため、臭気を我慢して飲むかあるいは水を飲むのを我慢するしかないという問題があった。
海外旅行等の旅行先によっては、現地の水が身体に合わず、体調を崩してしまう旅行者も多い。この場合、旅行中はミネラルウォーターを常に飲用するのが通常である。しかし、常にミネラルウォーターが行く先々であるとは限らず、問題となっていた。また、ミネラルウォーターを常に持ち歩くことは大変不便であり、その費用も高く問題となっていた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、原水吸引のために多大な労力を必要とせず、原水を自動的もしくは手動操作で容易に強制吸引して効率よく浄化処理することができる携帯型浄水装置を提供することを目的とする。
本発明に係る携帯型浄水装置は、吸入口を有し、水を強制吸入する水吸入器と、吸入水をろ過処理するろ過器と、ろ過処理した吸入水を貯留する貯水容器とからなるものである。
本発明に係る携帯型浄水装置は、吸入水を冷却する冷却器を有するものである。
本発明に係る携帯型浄水装置は、吸入口と吸引口を有する吸引管に、吸入水をろ過処理するろ過器を配設したものである。
本発明に係る携帯型浄水装置は、吸入水に成分を添加する成分添加器を有するものである。
本発明によれば、水吸入器の吸入口を河川等に水没させ、その水吸入器により原水を自動的に強制吸引もしくは短時間にかつ少ない力で手動吸引させることが可能であり、このため、原水吸引のために多大な労力を必要とせず、しかも、吸入水がろ過処理されて貯水容器に貯留されるので、河川水等を原水とした浄化処理水を容易に得ることができるという効果がある。
本発明によれば、ろ過器を活性炭による浄化層と中空糸膜による浄化層の複数段で構成することにより、原水内の浮遊物質や懸濁物質、病原性微生物、臭気成分、色度成分を確実に除去可能とすることができるという効果がある。
本発明によれば、ろ過器で浄化処理した処理水を冷却する冷却器を備える構成としたので、夏期等の原水の水温が高い時期や、風呂水等のぬるま湯を原水に使用する場合においても、冷たい美味な飲用水を得ることができるという効果がある。
本発明によれば、吸入口と吸引口を有する吸引管にろ過器を配設して携帯型浄水装置を構成したので、携帯型浄水装置の全長および重量を小さくすることができ、ポケットや鞄の中に容易に携帯可能で、簡単に持ち運びできて外出先や旅行先で簡単に浄化水を得ることができるという効果がある。
本発明によれば、浄化処理水に成分が添加されることにより、その浄化処理水を飲むだけで使用者の体内に不足のミネラル成分等を摂取できるという効果がある。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による携帯型浄水装置を示す断面図、図2は図1中の貯水容器を示す断面図である。
図1に示す携帯型浄水装置は、原水を強制吸入して浄化処理する装置本体1と、浄化処理した処理水を貯留する貯水容器4とからなっている。
装置本体1は、本体下部の水吸入器2と本体上部のろ過器3とに分かれており、それらの水吸入器2の外装容器20とろ過器3の外装容器30とは着脱可能に接続されている。その接続方法は、例えば、ねじ込み接続や嵌め込み接続などが可能である。
前記水吸入器2は、上端が開口した有底筒状をなして底部に原水吸入用の吸入口20aが設けられた外装容器20と、その吸入口20aに配設されたフラップ弁21と、前記外装容器20内に挿脱可能に装填されたポンプカートリッジ22とから主要部が構成されている。
さらに詳細に説明すると、前記フラップ弁21は、前記吸入口20aの二次側に上下動自在に配設され、浄水装置の未使用時に自重降下して前記吸入口20aを閉塞し、かつ、水没時に前記吸入口20aから浮き上がって当該吸入口20aを開口する構造となっている。このようなフラップ弁21の材質としては、ゴム等の弾性体やプラスチックなど、腐食等の発生がないものが適用される。
なお、フラップ弁21は、浄水装置の未使用時には付勢バネにより強制降下させて吸引口20aを閉塞する構造としてもよい。この場合、付勢バネは、吸引ポンプ23の吸引力でフラップ弁21が上昇する程度の付勢力となるように調整するとよい。また、フラップ弁21を電動で開閉させるようにしてもよい。
前記ポンプカートリッジ22は吸引ポンプ23とのユニット構造となっている。その吸引ポンプ23は、電動モータ24の回転軸にポンプ羽根車25を直結した構造となっている。
ここで、ポンプカートリッジ22は、前記ポンプ羽根車25を内蔵して前記吸入口20aの二次側に一次側が連通するポンプ室22aと、このポンプ室22aの二次側に連通する原水送水路22bとを有している。
一方、ろ過器3は、下端が開口した筒状の外装容器30と、この外装容器30内に着脱可能に装填されたろ過カートリッジ31とから主要部が構成されている。
さらに詳述すると、ろ過器3の外装容器30内には、ろ過カートリッジ31を収納するカートリッジ室と、前記電動モータ24に対する電流供給用の蓄電池32を収納する電池室とに仕切るアタッチメント33が設けられている。そのアタッチメント33は、ろ過カートリッジ31で浄化された処理水を貯水容器4に送水する処理水送水路34と貯水容器接続管35とを有しており、その貯水容器接続管35には複数の通水穴35aが設けられている。なお、前記処理水送水路34と貯水容器接続管35はろ過器3の外装容器30に直接一体形成されたものであってもよい。
ろ過カートリッジ31は、水吸入器2の原水送水路22bに連通する原水流入口31aと、前記処理水送水路34に連通する処理水吐出口31bとを有している。このようなろ過カートリッジ31内は、処理水の一次浄化処理層を形成する活性炭36と、二次浄化処理層を形成する中空糸膜37と、三次浄化処理層を形成する活性炭38とによる三層構造となっている。その三層構造において、各層の境界、ろ過カートリッジ31の原水流入口31aおよび処理水吐出口31bとの境界は、穴あき支持板、編み目フィルタ、織布、多孔質素材等の通水性を有する仕切り部材で仕切られている。
一次浄化処理層や三次浄化処理層の活性炭36,38は、粒状活性炭、繊維状活性炭、粉末活性炭(以下、これらを総称して単に活性炭という)などが適用可能である。また、活性炭に殺菌効果のある銀系抗菌剤(例えば、チオスルファト銀錯塩など)、銀元素、銅系抗菌剤、銅元素等をコーティングしたもの、あるいは、これらの素材の粒状体を通常の活性炭と混合したものを適用すると、原水の殺菌効果やろ過器3の殺菌効果が得られる。ただし、銀は人体に悪影響を与える可能性があるので、銀系抗菌剤や銀元素をコーティングした活性炭、あるいは銀系抗菌剤や銀元素の粒状体と活性炭とを混合したものは、一次浄化処理層だけに適用し、三次浄化処理層には通常の活性炭を適用することが最も望ましい。
二次浄化処理層の中空糸膜37としては、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等が適用可能である。中空糸膜37は、いずれの種類のものも活性炭に比べて浮遊物質や懸濁物質の除去能力が高いのが特徴である。
精密ろ過膜は、上記三種類の膜の内、最も除去能力は低いが、原水の一次側流入圧力が低くてもろ過処理することが可能であることから、吸引ポンプ23に揚程が低い小型のものを使用でき、携帯型浄水装置自体のコンパクト化および軽量化を図ることができるという効果がある。また、精密ろ過膜は、最も目詰まりし難く、ろ過カートリッジ31の長寿命化が図れるという効果もある。したがって、精密ろ過膜を適用した携帯型浄水装置は、原水の水質が地下水や河川水等の比較的綺麗な場合に最適である。
逆浸透膜は、上記三種類の膜の内、最も除去能力が高く、浮遊物質や懸濁物質だけでなく、病原菌やイオンレベルまでの有害物質を除去可能である。しかし、原水の流入圧力が高くなければ逆浸透膜を水が通過できず、ろ過処理ができないため、高揚程の吸引ポンプ23を使用する必要がある。したがって、逆浸透膜を適用した携帯型浄水装置は、原水が水質の悪い湖水や沼水などでも処理水を飲用として確実に使用できるという効果がある。
限外ろ過膜は、精密ろ過膜と逆浸透膜の中間の除去能力を有し、原水の一次側流入圧力もある程度あればろ過処理することが可能である。また、吸引ポンプ23に関しても、その目詰まり時期と一次浄化処理層や三次浄化処理層で使用される活性炭の寿命とがほぼ同時期であるため、ろ過カートリッジ31の経済性に優れているという効果がある。したがって、限外ろ過膜を適用した携帯型浄水装置は、幅広い原水の水質に対応でき、かつ処理能力とコストのバランスに優れるという効果がある。
水吸入器2内の電動モータ24とろ過器3内の蓄電池32とは、電気コード39およびスイッチ(図示せず)で接続されており、電気コード39と蓄電池32は着脱自在に接続され、蓄電池32の電気容量が低下したときは、充電器により充電可能となっているものである。なお、蓄電池32は、乾電池等の使い捨てのものでもよい。また、装置本体1の外面に太陽電池(特にフィルム型が最適)を配置し、蓄電池32に充電可能としてもよい。
貯水容器4は、ろ過器3の外装容器30上に着脱自在に組付けセットされているもので、図2に示すように、有底筒状の容器本体40と、この容器本体40の上端開口部に対してネジ接合や嵌め込み接合等により着脱可能に嵌合された上蓋41とからなり、その上蓋41は空気穴41aを有している。かかる貯水容器4は、ろ過器3の外装容器30から取り外して上蓋41を開けることにより、飲用コップとしても使用できるようになっている。そして、容器本体40の底部には、図2に示すように開口40aが設けられている。この開口40aには、当該開口40aの内周面から内側開口周縁部および外側開口周縁部に延びる断面コ字状のシールパッキン42が嵌着してある。
また、容器本体40の内底部には、前記開口40aに連通する大径段差状の筒状突起部40bが一体形成され、この筒状突起部40bの周壁には複数の通水穴40cが設けられている。その筒状突起部40b内には、前記通水穴40cを開閉する可動蓋(開閉弁体)43が昇降自在に嵌め込まれ、この可動蓋43は付勢バネ44によって前記通水穴40cを閉塞する方向に付勢されている。ここで、前記筒状突起部40b内における前記開口40aとの段差底部には環状の溝部40dが設けられている。この溝部40dに前記付勢バネ44の一端が埋め込まれ、その付勢バネ44の他端は、前記可動蓋43の筒状壁に設けられた環状の溝部43aに埋め込まれている。また、前記筒状突起部40b内における前記開口40aとの段差底部において、その溝部40dの外周にはドーナツ状の平シールパッキン45が配設してある。
以上において、装置本体1から貯水容器4が取り外されたとき、図2に示すように、可動蓋43が付勢バネ44の引張力で動作して通水穴40cを閉じると同時に、その可動蓋43の筒状壁下端が断面コ字状のシールパッキン42および平シールパッキン45に密接することにより、貯水容器4内の浄化水が開口40aから漏れないようになっている。
一方、装置本体1に貯水容器4が組み付けセットされた図1の状態では、ろ過器3側の貯水容器接続管35で貯水容器4の可動蓋43が付勢バネ44に抗して押し上げられることにより、貯水容器接続管35の通水穴35aと貯水容器4側の通水穴40cとが連通するようになっている。
次に、上記実施の形態1による携帯型浄水装置の組み立てについて説明する。
まず、水吸入器2の外装容器20の上端にろ過器3の外装容器30の下端をネジ接合や嵌め込み接合等によって着脱可能に組み付ける。これにより、水吸入器2の原水送水路22bとろ過器3の原水流入口31aとが連通すると同時に、蓄電池32と電動モータ24とが電気的に接続される。この場合、前記原水送水路22bと原水流入口31aとの連通部周囲におけるポンプカートリッジ22とろ過カートリッジ31との接合面間および処理水吐出口31bと処理水送水路34との連通部周囲におけるろ過カートリッジ31とアタッチメント33との接合面間にはそれぞれシールパッキン46を介在させる。
次いで、ろ過器3の外装容器30の上壁中央から延出している貯水容器接続管35に対し貯水容器4の底部開口40aを、断面コ字状のシールパッキン42を介して嵌め込むことにより、ろ過器3の外装容器30の上端面に貯水容器4の下端面を接合させる。その接合状態では、前記貯水容器接続管35により可動蓋43が付勢バネ44に抗して押し上げられる。その押し上げ位置では、貯水容器接続管35の通水穴35aと貯水容器4の筒状突起部40bの通水穴40cとが連通すると同時に、貯水容器接続管35と可動蓋43との嵌合周面が通水穴35aの上方で凹凸係合される。その凹凸係合部47a,47bによって、ろ過器3の外装容器30から貯水容器4が濫りに外れないようになっている。以上により、携帯型浄水装置の組み立ては終了する。
次に、上記実施の形態1による携帯型浄水装置の動作について説明する。
(1) 上述のように組み立てられた携帯型浄水装置の吸入口20aを河川や湖などの原水に水没させる。その水没状態では、前記吸入口20aの二次側のフラップ弁21が水圧で持ち上げられることにより、原水がポンプ室22aに流入してくる。
(2) 次いで、携帯型浄水装置が備えるスイッチ(図示せず)を入れて吸引ポンプ23を起動させると、電動モータ24でポンプ羽根車25が回転駆動されることにより、ポンプ室22aに連続流入してくる原水が原水送水路22bからろ過器3側の原水流入口31aを経てろ過器3(ろ過カートリッジ31)内に圧送される。
(3) その圧送原水は、ろ過器3の一次側浄化処理層である活性炭36を通過することで、まず一次浄化処理される。このとき、原水中の大まかな浮遊物質、懸濁物質、臭気成分、色度成分が前記活性炭36に吸着除去される。
(4) その活性炭36で一次浄化処理された処理水は、ろ過器3の二次浄化処理層である中空糸膜37を通過することで二次浄化処理される。このとき、一次浄化処理で取り除けなかった浮遊物質や懸濁物質は、中空糸膜37の一次側に残される。
(5) 二次浄化処理された処理水は、ろ過器3の三次浄化処理層である活性炭38を通過することにより三次浄化処理される。このとき、一次浄化処理層の活性炭36で取り除けなかった臭気成分や色度成分が三次浄化処理層の活性炭38で吸着除去される。
(6) その活性炭38を上昇通過する三次浄化処理後の処理水(浄化水)は、ろ過カートリッジ31の処理水吐出口31b→その処理水吐出口31bに接続する処理水送水路34→貯水容器接続管35内を経て通水穴40cから貯水容器4内に流入して貯留される。このとき、貯水容器4内の空気は上蓋41の空気穴41aから吐出される。
以上のようにして貯水容器4内に貯留された浄化水の飲用に際しては、その貯水容器4をろ過器3の貯水容器接続管35から抜き取って装置本体1から取り外す。その取り外し時においては、可動蓋43が付勢バネ44の引張力で貯水容器4の底部側に移動する。これにより、可動蓋43は、通水穴35a,40cを遮閉すると同時に断面コ字状のシールパッキン42の上側片部と平シールパッキン45上に圧接して貯水容器4の底部開口40aを水密に閉塞する。したがって、貯水容器4を取り外しても、その内部の貯留浄化水が漏れ出すことはない。そこで、貯水容器4の上蓋41を開くことにより、その貯水容器4が飲用コップとなって浄化水を飲することができる。
以上説明した実施の形態1によれば、ろ過器3の一次側浄化処理層および三次側浄化処理層に活性炭36,38を、かつ二次側浄化処理層に中空糸膜37を配置したことにより、水質があまり良くない原水であっても、それを確実に浄化することができるという効果がある。しかも、それらの活性炭36,38と中空糸膜37を一つのろ過カートリッジ31内に納めて一体化したことにより、ろ過器3全体を小型化できるという効果がある。
すなわち、中空糸膜を直列に複数段配置するろ過器に比べて、ろ過器の一次側の原水圧力が低くてもよいため、吸引ポンプ23も小型化でき、携帯型浄水装置全体を小型化および軽量化でき、持ち運びが容易になるという効果がある。
さらには、原水を携帯型浄水装置内に吸引ポンプ23で自動吸引することができるため、多大な労力を必要としないという効果もある。
また、水吸入器2とろ過器3および貯水容器4のそれぞれを個々に取り外すことができ、しかも、水吸入器2およびろ過器3のそれぞれの外装容器20,30からポンプカートリッジ22およびろ過カートリッジ31を取り外すことができるため、それらの清掃および保守点検等を容易に行うことができるという効果がある。さらに、ポンプカートリッジ22およびろ過カートリッジ31の交換も容易に行うことができるという効果がある。
なお、上記実施の形態1による携帯型浄水装置は、日常生活の中で使用する用途は少なく、例えば災害発生時における水道断水時に使用する用途や、キャンプ等のアウトドア活動時などに使用する用途が多い。このような水道断水時やアウトドア活動時で使用される場合においては、本発明の携帯型浄水装置を一度使用した後、再度使用するまでに長期間使用されない時期が生じる。その不使用期間中に、ろ過カートリッジ31内のろ材(活性炭36,38および中空糸膜37)に雑菌が繁殖してしまい、ろ過器3の処理能力(寿命)がまだ残っていても、次回のアウトドア活動時には使用できない状況が発生する。
通常の家庭用浄水装置のカートリッジは、処理水量の少ないものでも1本で1500リットルの水量は十分に処理可能である。しかし、一度のアウトドア活動で使用される水量は、飲用のほかに食材や食器等の洗浄で使用する分を含めても通常の家族構成で20〜40リットル程度と考えられ、通常の家庭用浄水装置の処理能力と同程度にすることは無駄になってしまう。
以上の理由から、水道断水時やアウトドア活動で使用するための処理寿命の短い(例えば、20〜40リットル)ろ過カートリッジ31を通常の処理寿命を有するろ過カートリッジのほかに用意しておくと、ランニングコストを低減でき、資源の無駄にならずに済むという効果がある。上述のような処理寿命の短いろ過カートリッジ31は、例えば、中空糸膜37に精密ろ過膜を通常よりも少ない本数で構成し、その中空糸膜37の一本当たりの処理水量を通常よりも多くする方法が考えられる。
また、水吸入器2のポンプ室22a内、原水送水路22b、ろ過器3の処理水送水路34等には、使用と共に、雑菌の繁殖、生物膜等の付着が発生することが考えられる。上述のようなアウトドア活動での使用後における長期間放置時には雑菌の繁殖が促進されてしまうため特に問題である。この場合、前記ろ材を内蔵していない空のカートリッジを用意しておき、その空のカートリッジをろ過器3の外装容器30内にセットし、この状態で吸引ポンプ23を起動させて吸入口20aから洗浄液(台所洗剤、塩素系薬剤、酢酸水溶液等)を吸い上げると、携帯型浄水装置の全ての管路(通水路)をくまなく洗浄できるという効果がある。
携帯型浄水装置で浄化する原水の水質は、取水場所によってまちまちであり、処理水が飲用可能なレベルまで浄化されているか否かは目視では判断し難い。処理水の有害物質の有無を判定できる判定紙や判定薬を用意すると安全性が向上してよい。
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2による携帯型浄水装置を示す断面図であり、図1および図2と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態2では、水吸入器2における吸引ポンプ23の一次側にホースリール51付きの吸入ホース52を有する点が上記実施の形態1とは異なる。
すなわち、この実施の形態2においては、水吸入器2の貫通筒状をなす外装容器20の下端部に筒状のホースリール支持部材50を着脱可能に装着し、このホースリール支持部材50に回転ボール53を介してホースリール51を回転自在に組み付け、そのホースリール51に吸入ホース52を巻装した構成としている。ここで、前記ホースリール51の回転軸部には、ポンプ室22aに通じる吸引管路(吸引水路)51aが設けられている。この吸引管路51aに吸入ホース52の巻取り基端部が接続されており、その吸入ホース52先端の吸入口(吸入口金)52aを外方に延出させ、前記ホースリール51を回転することにより吸入ホースを巻き取ることができるようになっている。
なお、図3において、54は水吸入器2(ポンプカートリッジ22)の下端面とホースリール51の軸部上端との間に介在させたシールパッキンである。
以上のように構成した実施の形態2によれば、吸入ホース52を延ばして吸入口52aを河川や湖などに水没させ、この状態で吸引ポンプ23を起動させることにより、上記実施の形態1の場合と同様の作用効果が得られると共に、上述のように吸入ホース52を引き延ばして吸入口52aを水没させることができるため、携帯型浄水装置を取水場所から離れた場所に設置でき、このため、取水場所の原水水面から現在地点(携帯型浄水装置の設置場所)まで高低差がある場合でも浄化した飲用水を得ることができるという効果がある。また、携帯型浄水装置を原水に浸水させずに済むため、携帯型浄水装置を清潔に保つことができるという効果がある。
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3による携帯型浄水装置を示す断面図であり、図1および図2と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態3による携帯型浄水装置は、上記実施の形態1,2における電動の吸引ポンプ23や蓄電池32等を不要化し、貯水容器4内に往復運動可能に設けたピストン6を手動で操作して原水を吸引浄化する構成としたもので、その詳細な構成について以下に説明する。
この実施の形態3による携帯型浄水装置は、原水の吸入部となる底蓋26と、ろ過器3と、貯水容器4と、上蓋41とに分かれており、それらはネジ接続や嵌め込み接続等で着脱可能に接続されている。
前記底蓋26は、底部中央に原水吸入用の吸入口20aを有し、この吸入口20aの二次側にフラップ弁21を配設した構成となっている。
前記ろ過器3は、その外装容器30内に嵌着されてろ過カートリッジ31の下端部を支持するカートリッジ下部支持材60と、このカートリッジ下部支持材60下端の内向き環状片部60a上に設けられた環状のシールパッキン61とを備え、そのシールパッキン61上にろ過カートリッジ31の下端が液密に支持されている。ここで、ろ過カートリッジ31は、上記実施の形態1のものと内部構成が同一であるが、この実施の形態3において、ろ過カートリッジ31の上下端の原水流入口31aおよび処理水吐出口31bは、多数の小さな穴を設けて開口面積を多く取ることにより、上記実施の形態1のものよりも原水の流入抵抗が小さくなるようにしてある。
貯水容器4は、容器本体40内に嵌着したシリンダ5と、このシリンダ5の下端に配設した逆流防止機構10と、この逆流防止機構10をシリンダ5の下端との間で挟持し、かつろ過カートリッジ31の二次側にシールパッキン62を介して液密に嵌合されたカートリッジ上部支持材63とをユニット化した構成となっている。ここで、前記逆流防止機構10は、ろ過器3からシリンダ5の方向には通水可能であるが、その逆方向には通水できない構造となっている。
そして、前記シリンダ5内にピストンロッド7を有するピストン6が摺動自在に嵌挿している。このピストン6の周面には断面コ字状の環状シールパッキン64が嵌着され、このシールパッキン64により、前記ピストン6がシリンダ5の内周面に対し液密状態で上下動するようになっている。また、シリンダ5の上端には、上蓋41との間を液密にするシールパッキン65が設けられている。
上蓋41の中心部には開口が設けられ、この開口に嵌着されたガイド筒11および当該ガイド筒11を固定する袋ナット12の中心貫通穴を介してピストンロッド7が外方に延出している。ここで、上蓋41の上面には、その中心開口と同心円状で外周面にネジが刻設されたネジ筒部41bが一体突設されている。そのネジ筒部41bに、ピストンロッド7の外径よりも径大の中心貫通穴を有する袋ナット12が螺合されており、その袋ナット12により前記ガイド筒11が上蓋41に固定されている。なお、前記ガイド筒11は、ピストンロッド7との摩擦を低減して当該ピストンロッド7をスムーズに摺動させるために設けたものである。また、ピストンロッド7の外端部には操作ハンドル8がナット9により取り付け固定されている。
次に、上記実施の形態3による携帯型浄水装置の動作について説明する。その携帯型浄水装置において、原水の吸水作業および原水の浄化は、以下の手順で行われる。
(1) ピストン6がシリンダ5の下端まで降下していることを確認する。
(2) 携帯型浄水装置底部(底蓋26)の吸入口20aを河川等の原水中に水没させ、この状態で操作ハンドル8を引き上げることによりピストン6を上限まで上昇させる。
(3) そのピストン6の上昇動作により貯水容器4(シリンダ5)には強い吸引力が発生し、この吸引力がろ過器3を経て底蓋26の吸入口20aにまで到達する。
(4) その吸引力により、原水が吸入口20aからろ過カートリッジ31の原水流入口31aを経てろ過器3内に流入し、原水がろ過されて処理水吐出口31bから処理水が吐出される。
(5) その吐出処理水は逆流防止機構10を通過し、貯水容器4内に浄化処理水として貯留される。
(6) 貯水容器4内に貯留された浄化処理水は、上蓋41を開けることにより取り出して飲用に供することができる。
以上説明した実施の形態3によれば、電動の吸引ポンプや蓄電池を必要とせずに、貯水容器4内に操作ハンドル8付きのピストンロッド7を有するピストン6を嵌挿し、操作ハンドル8を手動操作することで原水を吸引する構成とし、かつろ過カートリッジ31の原水流入口31aおよび処理水吐出口31bの開口面積を大きくしたことにより、従来の手動ポンプに比べて短時間で、しかも比較的小さな力で原水を吸引・浄化することが可能になるという効果がある。また、蓄電池等の電力が不要なため、蓄電池の残存電力を気にせずに使用できるという効果がある。さらに、電動の吸引ポンプや蓄電池を必要とする構成と異なり、携帯型浄水装置全体の重量を軽くすることができるという効果がある。
実施の形態4.
図5は本発明の実施の形態4による携帯型浄水装置を示す断面図であり、図1〜図4と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態4による携帯型浄水装置は、前記実施の形態3による携帯型浄水装置の底蓋26を、前記実施の形態2のホースリール支持部材50とホースリール51と吸入ホース52とのユニット構成に置き換えたものである。
この実施の形態4によれば、前記実施の形態2の場合と同様にホースリール51に巻装された吸入ホース52による効果と、前記実施の形態3による効果の両方の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図6は本発明の実施の形態5による携帯型浄水装置を示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態5による携帯型浄水装置は、前記実施の形態1の携帯型浄水装置とほぼ同一の構成であるが、前記実施の形態1におけるろ過器3の外装容器30と貯水容器4の容器本体40とを一体化した1つの外装容器70に置き換え、その外装容器70の上部を貯水容器4とし下部をろ過器3として構成し、貯水容器4に貯留した処理水を保温可能な構造にした点と、処理水の冷却機能を有する点が、前記実施の形態1とは異なる。
前記外装容器70内は、アタッチメント33によって、上部の貯水容器4と下部のろ過器3とに区分されている。貯水容器4の容器本体71は金属で形成されており、その内壁面は、その上壁中心部の開口部および底部を除いて中空で、しかも外気との断熱性を高めるために真空に減圧された真空層71aになっている。
そして、貯水容器4内とろ過器3内(ろ過カートリッジ31)とはアタッチメント33の処理水送水路34で連通され、その処理水送水路34には、貯水容器4内に一度流入した処理水がろ過器3に逆流するのを防止するための逆流防止弁72が設けられている。なお、通常ろ過カートリッジの中空糸膜は、極少量ずつしか2次側から1次側へ逆流しないので、少量の逆流が許される場合においては、逆流防止弁72を設けなくともよい。また、貯水容器4(外装容器70)の上部中心には開口が設けられ、この開口には栓状の上蓋73が着脱可能に螺合してある。その上蓋73は、貯水容器4の外装容器70の外面との間がシールパッキン74で液密に封止されるようになっている。また、前記上蓋73は、筒状壁部に吐水穴73aを有し、頭部中心に空気穴73bを有しており、上蓋73を回転させてネジを緩めるだけで、前記吐水穴73aが外部に開放されることにより、貯水容器4内の処理水を容易に取り出すことができる。さらには、上蓋73の空気穴73bにより、ろ過器3から貯水容器4内に処理水が流入してきた際の貯水容器4内の空気を排出させることができ、このため、貯水容器内に処理水をスムーズに流入させることができる。
貯水容器4において、真空層71を有する容器本体71の外底部には、ペルチェモジュールからなる冷却器75が配置してある。ペルチェモジュールは板状の構造体であり、そのペルチェモジュールに接続された電線の両端に直流電流を流すと、ペルチェモジュールの片面が周囲から吸熱する現象が発生する冷却面となり、もう片面が周囲へ発熱する発熱現象を発生する加熱面になるという性質がある。また、前記直流電流を逆方向に流すと、冷却面だった片面が加熱面、加熱面だった反対面が冷却面に逆転する性質がある。この実施の形態5では、容器本体71の外部底面と接触している面が冷却面となるように、蓄電池32と電気コード39でスイッチ(図示せず)を介して接続してある。
ペルチェモジュール(冷却器75)において、貯水容器4の容器本体71の外部底面と接している面とは反対側の面(加熱面)には、その加熱面からの熱を放熱しやすいように放熱フィン76が配置され、さらに放熱フィン76の下部には空冷ファン77が配設されている。空冷ファン77の下部には空間が設けられ、外装容器70には、その空間を取り囲む部位に複数の通気口78が設けられている。
以上説明した実施の形態5の構成によれば、ペルチェモジュールからなる冷却器75の加熱面からの放熱を外部に強制排気して冷却することができるので、前記実施の形態1による効果のほかに、貯水容器4内に貯留された処理水を効率よく冷却でき、このため、夏期等の原水の水温が高い時期や風呂水等のぬるま湯を原水として使用する場合でも、処理水の飲用者に、より美味しい冷却処理水を飲用させることができるという効果がある。また、貯水容器4の容器本体71内壁に真空層71aを形成したことにより、通常の貯水容器よりも保温能力が向上し、冷却器75への電気供給を低減できるという効果および蓄電池32の交換サイクルを少なくすることができるという効果がある。
なお、上記実施の形態5において、冷却器75(ペルチェモジュール)と蓄電池32とを結ぶ電気コードに接続されたスイッチを、ペルチェモジュールに流す電流の方向を切り替えられるような切替スイッチにすると、貯水容器4内の処理水を冷却できるだけでなく
加熱することもできるという効果がある。
また、容器本体71の外部底面とペルチェモジュールの冷却面との間に熱伝導グリース等の媒体を塗布して接触させると、熱伝導効率がより向上するという効果がある。
さらに、貯水容器4の容器本体71には、鋼、ステンレス、チタン、金、銀、銅、アルミニウム等、どのような金属を使用してもよいが、断面内部を真空にすることで内壁に剛性が必要となることを考慮すると、剛性の高い鋼、ステンレス、チタンで形成することにより、内壁厚みを薄くでき、携帯型浄水装置の軽量化、製作コストの低減が図れてよい。抗菌性を考慮する場合は、銀,銅で形成するとよい。金属の熱伝導率を考慮する場合は、金、銀、銅、アルミニウムで形成するとよい。剛性、抗菌性、熱伝導率、材料コストの全てを考慮すると、貯水容器の上面および周面をステンレスで形成し、底面を銅で形成したものを接合したものとすると、両金属の腐食電位が近似しているため異種金属腐食の恐れもなく最適である。
実施の形態6.
図7は本発明の実施の形態6による携帯型浄水装置を示す断面図である。この実施の形態6による携帯型浄水装置は、前記実施の形態5の水吸入器2の下部構造を、前記実施の形態2によるホースリール51と吸入ホース52等のユニット構造に置き換えたものであり、図3および図6と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態6によれば、前記実施の形態2による効果と、前記実施の形態5による効果の両方の効果が得られる。
実施の形態7.
図8は本発明の実施の形態7による携帯型浄水装置を示す断面図であり、図6と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態7では、前記実施の形態5の容器本体71を冷却器80に置き換え、その冷却器80が容器本体となるように構成したものである。
この実施の形態7による冷却器80は、金属からなる中空筒状の容器本体81と、この容器本体81の外周面に一体形成された放熱フィン82とから主要部が構成されている。
このような冷却器80は、貯水容器4の外装容器70内に収納され、その収納状態において、前記外装容器70の内周面と容器本体81の外周との間には空間が形成されている。ここで、前記放熱フィン82の形状は、放熱可能な形状であれば、どのような形状でもよいが、容器本体81の外周面全周に渡る円盤状にすると、最も放熱量が大きくなって最適である。
前記容器本体81は、その周壁に多くの微細孔81aを有する構造となっている。このような微細孔81aを有する容器本体81は、その周壁自体を多孔質材料で形成する等、いずれかの手段により容器本体81内の処理水が極く微量ずつ容器本体81の外周面や放熱フィン82に滲み出るようにしている。
また、容器本体81の外部底部には、容器本体81の外周と外装容器70の内周との間の空間に通じる空間83が設けられ、この空間に空冷ファン77が配設されている。空冷ファン77の下部には空間が設けられており、前記外装容器70は、空冷ファン77の下部空間を取り囲む部位に設けられた複数の給気口79aと、外装容器70の上部周壁に設けられた排気口79bとを有している。
次に、上記実施の形態7の動作について説明する。
空冷ファン77を作動させると、外気が下部の給気口79aから流入し、その流入空気は上部の排気口79bから排出される。
ここで、容器本体81内に処理水が貯留されているときに、空冷ファン77を作動させると、容器本体81内に処理水が極く微量ずつ滲出して容器本体81の周壁や放熱フィン76に適度な水分を付与する。この状態で容器本体81の周壁や放熱フィン76が風に当たることで前記水分が気化する。その水分気化時に、容器本体81の周壁や放熱フィン76から熱が奪われるため、貯水容器4の温度が低下する。
なお、この実施の形態7において、空冷ファン77は下側給気−上側排気の構成としたが、上側給気−下側排気としてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
以上説明した実施の形態7によれば、前記実施の形態5による効果のほかに、ペルチェモジュールと空冷ファンを使用して冷却する前記実施の形態5の場合に比べ、消費電力を大幅に低減でき、このため、蓄電池の交換サイクルをより少なくすることができるという効果がある。
なお、この実施の形態7において、容器本体81には、鋼、ステンレス、チタン、金、銀、銅、アルミニウム等、どのような金属を使用してもよいが、冷却器80は、気化熱により冷却する構造のため、金属の熱伝導率が高い程よく、この点から考慮すると、金、銀、銅、アルミニウムで形成するとよい。抗菌性、熱伝導率、材料コストの全てを考慮すると、容器本体81を銅で形成することが望ましく、抗菌性を有し、熱伝導率も高く、材料コストも安くなって最適である。
実施の形態8.
図9は本発明の実施の形態8による携帯型浄水装置を示す断面図である。
この実施の形態8による携帯型浄水装置は、前記実施の形態7の水吸入器2の下部構造を、前記実施の形態2によるホースリール51と吸入ホース52等のユニット構造に置き換えたものであり、図3および図8と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この実施の形態6によれば、前記実施の形態2による効果と、前記実施の形態7による効果の両方の効果が得られる。
実施の形態9.
図10は本発明の実施の形態9による携帯型浄水装置を示す断面図である。
この実施の形態9による携帯型浄水装置は、ストロー状の吸引管100内にろ過器101を配設して構成したものである。
ここで、吸引管100内のろ過器101について説明する。
吸引管100内の下端開口側に活性炭が流出しない程度の小径の穴を多数有する第一の穴開き支持板103を配設している。この穴開き支持板103は吸引管100の下部内周面に形成した突起部100a上に支持され、その穴開き支持板103の上側に活性炭を配設して一次浄化処理層104を形成している。一次浄化処理層104の上側には、第二の穴開き支持板105を配設している。この穴開き支持板105は突起部100bに支持され、吸引管100の上側へ前記一次浄化処理層104の活性炭104が流出するのを防止している。第二の穴開き支持板105の上側には、中空糸膜支持材107で支持された中空糸膜からなる二次浄化処理層106が配設してある。この中空糸膜支持材107は突起部100cによって支持されている。中空糸膜支持材107の上側には、活性炭からなる三次浄化処理層108が配設してある。その三次浄化処理層108の上側には、三次浄化処理層108の活性炭が流出しないように第三の穴開き支持板109が配設してある。この第三の穴開き支持板109は、吸引管100の内周面に設けられている突起部100dと抑えリング110とにより固定されている。
次に、上記実施の形態9による携帯型浄水装置の動作について説明する。その携帯型浄水装置による原水の浄化は以下の手順で行われる。
(1) 吸引管100の下端吸入口を原水中に水没させる。
(2) 吸引管100の上端吸引口を口にくわえて吸い込む。
(3) 原水が吸引管100内に吸引され、一次浄化処理層(活性炭)104を通過する。このとき、原水中の大まかな浮遊物質、懸濁物質、臭気成分、溶解性鉛、総トリハロメタン等が活性炭に吸着される。
(4) 一次浄化処理層104で一次浄化処理された処理水が、二次浄化処理層(中空糸膜)106を通過する。このとき、一次浄化処理層104で除去できなかった浮遊物質や懸濁物質は、二次浄化処理層106の中空糸膜の一次側に残される。
(5) 二次浄化処理層106で二次浄化処理された処理水が、三次浄化処理層(活性炭)108を通過する。このとき、一次浄化処理層104で除去できなかった臭気成分、色度成分、溶解性鉛、総トリハロメタン等が三次浄化処理層108の活性炭に吸着される。
(6) このようにしてろ過器101で浄化された処理水が吸引管100内を通り、当該吸引管100の上端吸引口から使用者の口に入る。
以上説明した実施の形態9によれば、ストロー状の吸引管100にろ過器101を内蔵させ、ろ過器101の一次浄化処理層104および三次浄化処理層108として活性炭を配置することで水道水中の塩素臭やカルキ臭を確実に除去できるようにし、二次浄化処理層106として中空糸膜を配置することで水道水中の浮遊物質や懸濁物質を確実に除去できるようにしたので、軽量で簡単に携帯可能で、外出先においても浄水装置で浄化した水と同程度の水質良好な浄化水を得ることができるという効果がある。
また、旅行先などで水道水の浄化処理が不十分な地域に滞在した場合でも、現地の水を簡単に浄化することができるため、現地でわざわざミネラルウォーターを購入する必要がないという効果がある。また、現地に水道施設がない場合でも安心して飲水することができるという効果もある。
なお、この実施の形態9では、吸引管100の原水吸入口側にろ過器101を配設したが、ろ過器101は吸引管100内であれば、どの位置に配置してもよい。
また、ろ過器101は、処理対象の原水が水道水や井戸水のような清澄水である場合には、活性炭による一次浄化処理層104と中空糸膜による二次浄化処理層106とからなる二層構造としてもよい。この場合、携帯型浄水装置の軽量化が図れると共に、製造コストが低減できるという効果がある。
実施の形態10.
図11および図12は本発明の上記実施の形態1,2,5,6,7,8による携帯型浄水装置に適用可能なろ過カートリッジを示す断面図、図12は本発明の上記実施の形態3,4による携帯型浄水装置に適用可能なろ過カートリッジを示す断面図である。
図11に示すろ過カートリッジ31は、上記実施の形態1,2,5,6,7,8によるろ過カートリッジ31の形状をそのままに、活性炭からなる一次浄化処理層36と中空糸膜からなる二次浄化処理層37との二層構造とし、二次浄化処理層36の二次側のカートリッジ内空間に、処理水通過時に微量ずつ溶解することで処理水に成分を添加する粒状添加剤90を充填し、この粒状添加剤90の充填領域を成分添加器91として構成したものである。
図12に示すろ過カートリッジ31は、上記実施の形態3,4のカートリッジ形状をそのままに、活性炭からなる一次浄化処理層36と中空糸膜からなる二次浄化処理層37との二層構造とし、二次浄化処理層36の二次側のカートリッジ内空間に、処理水通過時に微量ずつ溶解することで処理水に成分を添加する粒状添加剤90を充填し、この粒状添加剤90の充填領域を成分添加器91として構成したものである。
粒状添加剤90の溶解で処理水に塩化する成分は、まず、ミネラル分であるカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、ケイ素(二酸化ケイ素)等が挙げられる。これらの成分は、人が美味しいと感ずる飲料水を作るために必須の成分であるので、本装置での処理水を飲料水として使用する場合に最適である。各成分の水の味への影響は、マグネシウムから強い苦みを、カルシウムから弱い苦み或いは甘みを、ナトリウムから塩辛さを、カリウムから酸味を、炭酸ガスから清涼感を、それぞれ与える。各ミネラル分の飲用効果は下記の通りである。
1)カルシウムは、人骨や歯をつくる主材料であり、心臓の鼓動を保ち、筋肉の収縮をスムーズにする効果や、神経の興奮を鎮め、精神を安定させる効果、血液を固めて出血を防ぐ効果、各種ホルモンの唾液、胃液などの分泌への効果がある。さらには、細胞の分裂・分化を促す効果、白血球の食菌作用を助ける効果、体内の鉄の代謝を助ける効果、体液、血液の恒常性を維持する効果などもある。
2)マグネシウムは、体温や血圧を調整するために必要な成分であり、カルシウムを骨から出す副甲状腺ホルモンの合成に必要な成分でもある。また、ビタミンB群と共に、糖質、脂質、蛋白質の代謝や核酸の合成に働き、刺激に対する神経の興奮を鎮め、筋肉の収縮を促す効果、血液を固まり難くする効果もある。
3)ナトリウムは、カリウムと共に細胞の浸透性を維持し、細胞内外との物質交換、水分調整などに働く成分であり、カリウムに拮抗して筋肉や心筋の弛緩に働く効果、カルシウムなどのミネラルが血液中に溶けるのを助ける効果、胃酸・腸の消化の分泌を促して消化する促進する効果、体液のpHを調節する効果がある。
4)カリウムは、エネルギーの清澄に働く成分であり、ナトリウムと共に水分を引き付けて細胞の浸透圧を維持する効果や、細胞の内外で物質のやりとりをする効果がある。また、ナトリウムによる血圧上昇を抑制する効果や、筋肉の収縮を円滑にする効果、腎臓における老廃物の排出を促す効果もある。
上記の他に、粒状添加剤による処理水に添加する成分としては、人体にとって健康上、摂取の必要な成分を添加できるようにしてもよい。具体的には、リン、硫黄、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、コバルト、クロム(三価クロム)、モリブデン、セレン、ニッケル、フッ素、バナジウム、ゲルマニウム、キシリトールなどがある。これらのミネラル分の飲用効果は下記の通りである。
リンは、人体の骨や歯を作る主材料であり。細胞膜も構成する元素である。ビタミンB1 ・B2 と結合して糖質の代謝を助ける効果、高エネルギーのリン酸化合物をつくり、エネルギーを体内に蓄積する効果、ナイアシンの吸収を助ける効果があり、骨粗鬆症の予防、疲労回復の促進に役立つ効果がある。
硫黄は、アミノ酸の構成要素として、人体の組織を作るために必要不可欠な元素である。ビタミンB1 やパントテン酸の構成要素として、糖質、脂質の代謝に働く効果、有害ミネラルの蓄積を防止する効果、細菌感染の抵抗力をつける効果、肝臓の胆汁の分泌を助ける効果がある。
鉄は、赤血球のヘモグロビンの構成要素であり、筋肉中にミオグロビンの成分があり、他の細胞では、酸素成分として酸素活性化し、エネルギーの生成を助ける効果があり、貧血の予防や粘膜の免疫力強化に効果がある必要不可欠な元素である。
亜鉛は、DNAやタンパク質の合成に働き、細胞の新生を促す成分であり、細胞や組織の代謝に欠かせない多くの酵素の構成成分である。味を感知する体内器官である味蕾細胞は、絶えず生まれ変わる細胞で特に亜鉛を必要としており、亜鉛が不足すると味覚障害を招くため、必要不可欠な成分である。ビタミンAの代謝に係る成分でもある。ビタミンCとともにコラーゲンの合成に関係する成分でもある。免疫の機能に係わる成分でもある。また、鉛、水銀などの有害重金属の毒性を弱める効果もある。
マンガンは、骨の形成に係わる成分であり、糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く多くの酵素を構成する成分であり、血液凝固因子の合成に必要な成分である。コレステロールや甲状腺ホルモン、インスリンの生成に係わる成分であり、神経伝達にも係わる。活性酸素を分解する酵素SODの構成成分として、細胞膜の酸化を防ぐ効果もある。動脈硬化・脳梗塞の予防に効果もある。
銅は、鉄の利用を良くしてヘモグロビンの合成を助けることにより貧血を予防する効果がある。メラニン色素の生成に係わる成分であり、コラーゲンの生成に働き機構、骨や血管壁などを強化する効果があり、過酸化脂質を分解する酵素SODの構成成分でもある。カドニウム、鉛の毒性を弱める効果があり、体にビタミンCを使うときに必要な成分である。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンを作る材料となる成分であり、糖質、脂質、タンパク質の代謝をよくし、基礎代謝を高め、発育を促進する効果がある。また、精神活動を敏感にする効果があり、肝臓でカロチンがビタミンAになるときに必要な成分である。
コバルトは、ビタミンB12の構成成分として働く成分であり、赤血球の形成または再生に必要な成分である。神経の機能を正常に保つ効果がある。
クロムには、三価クロムと六価クロムがあるが、人体に必要なミネラルは三価クロムである。インスリンの働きを強化して、脂質の代謝をよくし、糖尿病を予防する効果がある。また、脂質の代謝をよくし、血液中の中性脂肪やコレステロール値を正常にし、動脈硬化、高血圧を予防する効果もある。
モリブデンは、尿酸の代謝に係わる成分であり、糖質の代謝に係わる成分である。体の鉄の利用を助け、造血に働く成分である。
セレンは、過酸化脂質などの過酸化物体の分解に働く酵素の必須成分であり、体の組織の老化を遅らせる効果がある。発ガンを抑制する効果があり、水銀、カドニウムなどの有害金属の毒性を軽減する効果がある。精子の形成に係わる成分であり、ビタミンQの生成を助ける効果がある。
ニッケルは、尿素の分解を促す成分であり、越流水の吸収を促進する成分である。核酸の安定化を図る成分であり、ホルモン分泌に係わる成分である。ビタミンB6 と共に代謝に係わり、酵素の活性を維持する成分である。
フッ素は、十分な濃度で口中にある場合、歯質が酸に侵され難くする(虫歯を予防する)効果がある。また、歯のエナメル質の成分(ハイドロキシアパタイト)と結合することにより、酸に対して抵抗性を持たせる効果もある。また、一度、脱灰状態となったエナメル質に対しても再石灰化を促す効果がある。
バナジウムは、コレステロールの沈着を防ぎ、動脈硬化、心臓発作、脳梗塞等を予防する効果がある。また、アミノ酸の有害代謝物質であるホモシスチンを抑制する効果がある。
ゲルマニウムは、血管壁に付着したコレステロールに作用して、アルコール化合物に分解し、血管壁から取り除き、動脈硬化、心臓発作や脳梗塞等を予防する効果がある。また、体内でインターフェロンを生成し、ウイルスやガンの増殖を抑制する効果もある。
キシリトールは、甘さにより唾液が増えることで口腔内のカルシウムレベルを増大させると同時に、カルシウムとの複合体を形成し唾液およびプラーク中のリン酸カルシウムを安定化させるため、歯の再石灰化を促進する効果がある。また、口腔内に生息するミュータンス菌は、通常糖分を取り込んで虫歯の原因となる酸を生成するが、キシリトールからは酸を生成することができず、また栄養源として取り込むことができないため、歯垢のミュータンス菌を減少させ、酸生成を抑制する効果もあり、虫歯予防に多大な効果がある。さらに、腸内細菌はキシリトールを栄養源として利用できるため、善玉細菌の増殖にも効果がある。
以上において、実施の形態10によるろ過カートリッジ31の成分添加器91には、上記各種成分に内の単一成分だけを添加するようにしてもよいし、複数成分を添加できるようにしてもよい。複数成分を添加する場合の成分添加器91は、複数の成分を配合して1粒の粒状添加剤90とし、これをろ過カートリッジ31内に充填した構成としてもよいし、単一成分からなる1粒の粒状添加剤90を複数種類混合してろ過カートリッジ31内に充填した構成としてもよい。
以上説明した実施の形態10によれば、上記各実施の形態1〜9のそれぞれによる携帯型浄水装置のろ過カートリッジに粒状添加剤からなる成分添加器を配設したことにより、各実施の形態1〜9の効果に加え、災害時やアウトドア活動時のような特別な環境において、通常時よりも多く消費されて不足するミネラル分を、処理水を飲むだけで体内に吸収することができるという大きな効果がある。
なお、図11および図12では、ろ過器3の構造を活性炭からなる一次浄化処理層36と、中空糸膜からなる二次浄化処理層37の二層構造としたが、図13および図14に示すように、ろ過カートリッジ31内を4段構成とし、活性炭からなる三次浄化処理層38を追加配設し、ろ過器3を三層構造としてもよい。これにより、特に原水の水質が悪い場合においては、確実に浄化処理することができると同時に、成分添加器91からミネラル分成分を添加することができるという効果がある。
実施の形態11.
図15は本発明の実施の形態11による携帯型浄水装置を示す断面図である。
この実施の形態11による携帯型浄水装置は、上記実施の形態9の携帯型浄水装置とほぼ同一構成であるが、ろ過器3を、活性炭からなる一次浄化処理層104と、中空糸膜からなる二次浄化処理層106とによる二層構造とし、ろ過器3の二次側に、粒状添加剤90を充填し、この粒状添加剤90を処理水が通過するときに微量ずつ溶解させて処理水中に成分を添加する成分添加器91を構成した点が上記実施の形態9とは異なる。
粒状添加剤90に配合する成分、複数成分を処理水に添加する場合の粒状添加剤90および成分添加器91の構成は、上記実施の形態10と同様である。
以上説明した実施の形態11によれば、上記実施の形態9の携帯型浄水装置に成分添加器を追加したことにより、実施の形態9の効果に加え、上記実施の形態10と同様の効果も得られる。
なお、この実施の形態11において、処理対象の原水が水道水や井戸水のような通常そのまま飲用されている水である場合には、図16に示すように二次浄化処理を活性炭からなる二次浄化処理層104としてもよい。この場合、一次浄化処理層の活性炭を実施の形態1で示した抗菌性を有する活性炭を使用し、二次浄化処理層の活性炭を通常の活性炭をしようすると、通常飲用できない水を誤って原水にした場合でも、安全であるため望ましい。これらの場合においては、中空糸膜からなる二次浄化層の場合に比べて、吸引圧力が少なくて済むため、使用者が楽に処理水を吸引できる効果がある。さらに、水道水のみを原水とする場合においては、浄化処理層を一次浄化処理層104のみとし、一次浄化処理した水に成分添加器90で成分添加処理する簡易な構成してもよい。この場合、低コストでおいしい水を得ることができる効果がある。
なお、この実施の形態10,11において、上記以外にも、アントシアニン、コラーゲン、ビタミンA、ビタミンB1 、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン群、ナイアシン、DHA、アミノ酸等を成分添加器により添加可能とすると、さらに使用者の健康を増進する効果がある。
さらに、健康に良い成分だけではなく、味(レモン、オレンジ、グレープ、ブルーベリー、アセロラ等の果実系の味、梅味、ヨーグルト味、蜂蜜味等)、香り、色素を成分添加器で添加できるようにしてもよく、処理水をジュース感覚で飲むことができる。健康の役立つ成分も同時に添加するようにすると、味が付くことにより、味のない処理水を飲むだけよりも飲み易いという効果がある。
なお、上記各実施の形態において、原水の水質が非常に悪く病原性細菌が存在している可能性があり、かつ中空糸膜に逆浸透膜を適用していない場合には、貯水容器内の処理水に塩素系薬剤を添加、もしくは原水をコップ等にすくい取り、塩素系薬剤を処理前に添加する等すると、病原性細菌を確実に消毒できて、より安全である。この場合、一次浄化処理層を粒状の塩素系薬剤と粒状活性炭とを適切な比率で混合して充填した構成として、原水が一次浄化処理層を通過する時に微量ずつ溶解させることで原水に塩素を添加して消毒するようにするとよい。
また、実施の形態1から8および実施の形態10において、ろ過カートリッジ31の周面を透明樹脂等の透明な素材で形成し、ろ過カートリッジ31の周面を覆う部分のアタッチメント33やカートリッジ下部支持材60および外装容器30,70を透明な素材で形成すると、ろ過カートリッジ31を取り出すことなく、一次浄化処理層36、二次浄化処理層37、三次浄化処理層38の汚れ具合および粒状添加剤90の残存量を目視することができてよい。
さらに、実施の形態9および実施の形態11において、ろ過器3,101および成分添加器91が配設された部分の吸引管100を透明樹脂等の透明な素材で形成すると、一次浄化処理層104、二次浄化処理層106、三次浄化処理層108の汚れ具合および粒状添加剤90の残存量を目視で確認することができてよい。
本発明の実施の形態1による携帯型浄水装置を示す断面図である。 図1中の貯水容器を示す断面図である。 本発明の実施の形態2による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態3による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態4による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態5による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態6による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態7による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態8による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態9による携帯型浄水装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態10として実施の形態1,2,5,6,7,8による携帯型浄水装置に適用可能なろ過カートリッジを示す断面図である。 本発明の実施の形態3,4による携帯型浄水装置に適用可能なろ過カートリッジを示す断面図である。 図11のろ過カートリッジの変形例を示す断面図である。 図12のろ過カートリッジの変形例を示す断面図である。 本発明の実施の形態11による携帯型浄水装置を示す断面図である。 図15の携帯型浄水装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 装置本体
2 水吸入器
3 ろ過器
4 貯水容器
5 シリンダ
6 ピストン
7 ピストンロッド
8 操作ハンドル
9 ナット
10 逆流防止機構
11 ガイド筒
12 袋ナット
20 外装容器
20a 吸入口
20b 原水送水路
21 フラップ弁
22 ポンプカートリッジ
22a ポンプ室
22b 原水送水路
23 吸引ポンプ
24 電動モータ
25 ポンプ羽根車
26 底蓋
30 外装容器
31 ろ過カートリッジ
31a 原水流入口
31b 処理水吐出口
32 蓄電池
33 アタッチメント
34 処理水送水路
35 貯水容器接続管
35a 通水穴
36 活性炭(一次浄化処理層)
37 中空糸膜(二次浄化処理層)
38 活性炭(三次浄化処理層)
39 電気コード
40 容器本体
40a 開口
40b 筒状突起部
40c 通水穴
40d 溝部
41 上蓋
41a 空気穴
41b ネジ筒部
42 シールパッキン
43 可動蓋
43a 溝部
44 付勢バネ
45 平シールパッキン
46 シールパッキン
47a,47b 凹凸係合部
50 ホースリール支持部材
51 ホースリール
51a 吸引管路
52 吸入ホース
52a 吸入口
53 回転ボール
54 シールパッキン
60 カートリッジ下部支持材
60a 内向き環状片部
61,62 シールパッキン
63 カートリッジ上部支持材
64,65 シールパッキン、
70 外装容器
71 容器本体
71a 真空層
72 逆流防止弁
73 上蓋
73a 吐水穴
73b 空気穴
74 シールパッキン
75 冷却器
76 放熱フィン
77 空冷ファン
78 通気口
79a 給気口
79b 排気口
80 冷却器
81 容器本体
81a 微細孔
82 放熱フィン
83 空間
90 粒状添加剤
91 成分添加器
100 吸引管
100a,100b 突起部
101 ろ過器
103 穴開き支持板
104 一次浄化処理層(活性炭)
105 穴開き支持板
106 二次浄化処理層(中空糸膜)
107 中空糸膜支持材
108 三次浄化処理層(活性炭)
109 穴開き支持板
110 抑えリング

Claims (4)

  1. 吸入口を有し、水を強制吸入する水吸入器と、吸入水をろ過処理するろ過器と、ろ過処理した吸入水を貯留する貯水容器とからなる携帯型浄水装置。
  2. 吸入水を冷却する冷却器を有することを特徴とする請求項1記載の携帯型浄水装置。
  3. 吸入口と吸引口を有する吸引管に、吸入水をろ過処理するろ過器を配設したことを特徴とする携帯型浄水装置。
  4. 吸入水に成分を添加する成分添加器を有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の携帯型浄水装置。
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