WO2021166628A1 - 薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジ - Google Patents

薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジ Download PDF

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Abstract

薬剤溶解装置(100)は、固形薬剤(110)を収容する薬剤槽(120)と、薬剤槽の内側へ被処理水(W)を導入する導入管(140)と、薬剤槽の底壁(121)の下面(121a)に一端(151)が接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を薬剤槽の内側から導出する導出管(150)と、導出管の他端(152)と接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を送水する送水器(170)と、薬剤槽の底壁の上面(121c)に接続し、導出管と連通する放出管(160)と、を備える。放出管の管壁(163)は、固形薬剤が溶解した被処理水が通過する複数の貫通孔(164)を有する。そして、放出管はネット(165)で被覆されている。水処理システム(1)は、薬剤溶解装置を備える。

Description

薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジ
 本発明は、薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジに関する。
 発展途上国では、生活用水として井水を使うことが多い。しかしながら、井水はし尿により汚染されていることが多く、さらに鉄分やマンガン等によっても汚染されていることがあるため、生活用水として使用し難い場合がある。そのため、井水の代わりに雨水を貯留して、生活用水として使用することが提案されている。
 雨水は凝縮水であることから、汚染度合いも少なく良好な水源となる。しかしながら、例えば建物の屋根に降った雨水を集めた場合、屋根に付着した鳥の糞等により汚染される場合がある。さらに、近年の大気汚染に起因する酸性雨の問題から、雨水のpHが4~5の酸性となり、水道水としての基準を満たさない場合がある。このような雨水は、洗濯やトイレ用の水、庭木の散水として使用する分には問題ないが、水道基準を満たしていないため、シャワーや風呂、炊事には使用できない。そのため、このような雨水を生活用水として使用するには、除菌用の薬剤及びpH調整剤を雨水に投入する必要がある。
 従来より、このような薬剤を、雨水などの被処理水に効率的に投入するための薬剤溶解装置の開発が行われている。特許文献1では、塩素系固形薬剤を用いて被処理水に塩素を供給するための供給装置を開示している。そして、当該供給装置の内部には、固形薬剤が格納されており、さらに薬剤が制御された状態で水に浸されているため、薬剤を被処理水に継続して供給することができる。
特許第4746839号公報
 しかしながら、従来の薬剤溶解装置を用いて固形薬剤を溶解しようとした場合、被処理水が飽和状態のときには速溶性の薬剤でも容易に溶解しないことから、顆粒状の塊(ダマ)がそのまま配管に運ばれてしまう。そのため、顆粒状の塊により、配管が閉塞してしまう可能性があった。また、薬剤が顆粒状の塊として薬剤溶解装置から流出した場合、被処理水中の薬剤濃度にバラツキが生じ、濃度を一定に保つことが困難となる可能性があった。
 本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、固形薬剤が顆粒状で流出することを抑制し、被処理水中の薬剤濃度を略一定に保つことが可能な薬剤溶解装置、及び当該薬剤溶解装置を用いた水処理システムを提供することにある。また、本発明の目的は、当該薬剤溶解装置を用いられる固形薬剤カートリッジを提供することにある。
 上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る薬剤溶解装置は、固形薬剤を収容する薬剤槽と、薬剤槽の内側へ被処理水を導入する導入管と、薬剤槽の底壁の下面に一端が接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を薬剤槽の内側から導出する導出管と、導出管の他端と接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を送水する送水器と、薬剤槽の底壁の上面に接続し、導出管と連通する放出管と、を備える。放出管の管壁は、固形薬剤が溶解した被処理水が通過する複数の貫通孔を有する。そして、放出管はネットで被覆されている。
 本発明の第二の態様に係る薬剤溶解装置は、固形薬剤カートリッジを収容する薬剤槽と、薬剤槽の内側へ被処理水を導入する導入管と、薬剤槽の底壁の下面に一端が接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を薬剤槽の内側から導出する導出管と、導出管の他端と接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を送水する送水器と、を備える。固形薬剤カートリッジは、筒状部材と、筒状部材の上部の開口を塞ぐ上部ネットと、筒状部材の下部の開口を塞ぐ下部ネットと、筒状部材、上部ネット及び下部ネットにより形成された内部空間に保持された固形薬剤と、を備える。
 本発明の第三の態様に係る水処理システムは、薬剤溶解装置を備える。
 本発明の第四の態様に係る固形薬剤カートリッジは、筒状部材と、筒状部材の上部の開口を塞ぐ上部ネットと、筒状部材の下部の開口を塞ぎ、筒状部材の内面に固定された下部ネットと、筒状部材、上部ネット及び下部ネットにより形成された内部空間に保持された固形薬剤と、を備える。筒状部材の上下方向において、下部ネットと筒状部材の下端との間には、固形薬剤が溶解した被処理水が流通可能な空隙が存在する。
図1は、第一実施形態に係る水処理システムの一例を示す概略図である。 図2は、第一実施形態に係る水処理システムの他の例を示す概略図である。 図3は、第一実施形態に係る水処理システムの他の例を示す概略図である。 図4は、第一実施形態に係る薬剤溶解装置の例を概略的に示す断面図である。 図5は、薬剤溶解装置に設けられる送水器の例を概略的に示す断面図である。図5(a)はベンチュリ管からなる送水器を示し、図5(b)はオリフィス板を備える送水器を示し、図5(c)はノズルを備える送水器を示す。 図6は、第一実施形態に係る水処理システムを住宅に適用した例を示す概略図である。 図7は、第二実施形態に係る薬剤溶解装置の一例を概略的に示す断面図である。 図8は、第二実施形態に係る固形薬剤カートリッジの一例を概略的に示す斜視図である。 図9は、第三実施形態に係る薬剤溶解装置の一例を概略的に示す断面図である。 図10は、薬剤溶解装置における薬剤槽及び導入管の一例を示す平面図である。 図11は、第四実施形態に係る薬剤溶解装置における薬剤槽及び導入管の一例を示す平面図である。 図12は、第四実施形態に係る薬剤溶解装置における薬剤槽及び導入管の他の例を示す斜視図である。 図13は、第五実施形態に係る薬剤溶解装置における薬剤槽及び導入管の一例を示す斜視図である。 図14は、第五実施形態に係る薬剤溶解装置において、薬剤槽の蓋体から突出する凸部と、導入管に設けられた二方弁のツマミ部との位置関係を示す平面図である。図14(a)は二方弁が開状態の場合における凸部とツマミ部との位置関係を示し、図14(b)は二方弁が閉状態の場合における凸部とツマミ部との位置関係を示す。
 以下、図面を用いて本実施形態に係る薬剤溶解装置、当該薬剤溶解装置を用いた水処理システム、及び当該薬剤溶解装置を用いられる固形薬剤カートリッジについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[第一実施形態]
 図1から図6を用いて、第一実施形態の薬剤溶解装置100及び水処理システム1を説明する。図1に示すように、本実施形態の薬剤溶解装置100は、水処理システム1に組み込まれている。
 水処理システム1は、被処理水Wである雨水を貯留する被処理水タンク30を備える。さらに、水処理システム1は第一主配管20Aを備えており、第一主配管20Aの一端は被処理水タンク30に接続され、他端は蛇口40に接続されている。また、被処理水タンク30には、被処理水Wである雨水を被処理水タンク30に導くための第二主配管20Bが接続されている。第二主配管20Bは、例えば建物の屋根に設置された雨樋に一端が接続され、被処理水タンク30の上部に他端が接続されている。そのため、屋根に降った雨水は雨樋に集められ、第二主配管20Bを通じて被処理水タンク30に導入される。
 水処理システム1に用いられる被処理水タンク30は、被処理水Wを貯留することができれば特に限定されず、例えば300~2000L程度の容量のタンクを用いることができる。また、被処理水タンク30の形状や材質も特に限定されない。ただ、後述するように、被処理水タンク30に貯留する被処理水Wに塩素が含まれる場合や、被処理水タンク30の内部でオゾンを発生させる場合があることから、被処理水タンク30は、耐塩素仕様又は耐オゾン仕様であることが好ましい。
 図1に示すように、被処理水タンク30は、第二主配管20Bを通じて導入された雨水が被処理水タンク30からオーバーフローしないように、過剰な雨水を排出するための排水管31が設けられている。なお、図1から図3の水処理システム1では、被処理水タンク30が一つの場合を例示したが、被処理水タンク30の数は特に限定されず、二以上であってもよい。
 第一主配管20Aにおける被処理水タンク30の下流には、送水ポンプPが接続されている。送水ポンプPは、被処理水タンク30に貯留されている被処理水Wを、薬剤溶解装置100、濾過器50及び活性炭処理器60に送水する。このような送水ポンプPとしては、例えばアキュムレータと圧力スイッチとを備えた電動ポンプを使用することができる。なお、後述するように、送水ポンプPにより送水する被処理水には、塩素又はオゾンが溶存していることから、送水ポンプPは耐塩素仕様又は耐オゾン仕様のものを使用することが好ましい。
 水処理システム1は、酸化剤を被処理水Wに添加する除菌装置70を備える。上述のように、建物の屋根に降った雨水は、屋根に付着した鳥の糞等の影響により、細菌やウイルスで汚染されている場合がある。そのため、除菌装置70を用いて被処理水Wである雨水に酸化剤を添加することにより、細菌及び/又はウイルスを除去することができる。このような酸化剤は特に限定されないが、例えば塩素系薬剤及びオゾンを用いることができる。
 被処理水Wに塩素系薬剤を投入する除菌装置70(70A)としては、固形の塩素系薬剤を溶解して投入することが可能な固形薬剤溶解器、又は液体の塩素系薬剤を投入することが可能な定量ポンプを用いることができる。ただ、定量ポンプは耐塩素対策が必要であり高価格となりやすいことから、除菌装置70Aとしては固形薬剤溶解器を用いることが好ましい。塩素系薬剤としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどを挙げることができる。塩素系薬剤は、板状などに固められ、積み重ねることが可能な塊状の薬剤であってもよく、粒状の薬剤であってもよく、変形可能な粘性材料からなる薬剤であってもよい。塩素系薬剤は、その硬さや材質は如何なるものであってもよい。
 水処理システム1において、被処理水Wに塩素系薬剤を投入する除菌装置70Aは、被処理水タンク30の上流側及び下流側並びに被処理水タンク30の内部の少なくとも一箇所に設置することが好ましい。具体的には、図1に示すように、被処理水タンク30の上流側である第二主配管20Bに、除菌装置70Aを設置してもよい。この際、除菌装置70Aは、バイパス配管71を用いて第二主配管20Bに接続してもよく、第二主配管20Bに直接接続してもよい。
 また、図2に示すように、除菌装置70Aは、被処理水タンク30の内部に設置してもよい。この際、除菌装置70Aを被処理水タンク30の上部から吊り下げ、除菌装置70Aの少なくとも一部を被処理水Wに浸漬することが好ましい。このように、除菌装置70Aを被処理水タンク30の内部に吊り下げるように配置することで、塩素系薬剤を被処理水Wに直接徐放することができる。なお、図示しないが、除菌装置70Aは、被処理水タンク30の下流側に設置してもよく、例えば被処理水タンク30と送水ポンプPの間の第一主配管20Aに設置してもよい。
 被処理水Wにオゾンを注入する除菌装置70Bも、被処理水タンク30の上流側又は下流側に設置してもよいが、除菌装置70Bは被処理水タンク30の内部に設置することが好ましい。具体的には、図3に示すように、除菌装置70Bは、被処理水タンク30の下部に設置され、被処理水タンク30に貯留された被処理水Wにオゾンを注入する。除菌装置70Bは、例えば、高電圧を利用してオゾンを生成するオゾン生成器72と、被処理水タンク30の内部に設置され、オゾン生成器72と接続した散気器73とを備える。散気器73としては、例えば、微細なオゾンの気泡を発生させる散気管を用いることができる。
 水処理システム1において、被処理水タンク30及び薬剤溶解装置100の下流側には濾過器50が設けられており、濾過器50は被処理水Wを濾過して不溶物を除去する。このような濾過器50は、不溶物を除去できれば特に限定されないが、例えば濾材としてマンガン砂を備えたものを用いることができる。
 また、被処理水タンク30及び薬剤溶解装置100の下流側には活性炭処理器60が設けられており、活性炭処理器60は内部に活性炭を備える。活性炭は、微小な疎水性有機物及び過剰な塩素を吸着することができる。そのため、被処理水Wが活性炭処理器60の内部を通過し、被処理水Wが活性炭と接触することにより、被処理水W中の疎水性有機物及び過剰な塩素を吸着除去することができる。活性炭としては、粉末活性炭及び粒状活性炭の少なくとも一つを用いることができる。また、活性炭としては、生物活性炭を用いることもできる。なお、図1から図3では、濾過器50の下流側に活性炭処理器60が設けられているが、活性炭処理器60の下流側に濾過器50が設けられてもよい。
 本実施形態の薬剤溶解装置100は、図4に示すように、固形薬剤110を内部に収容する薬剤槽120を備える。薬剤槽120は、板状の底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備える。そして、底壁121と周壁122とにより形成された内部空間に、固形薬剤110を収容している。薬剤槽120は、上端が開放されており、上方から内部に固形薬剤110を投入することができる。なお、底壁121の形状は、上方から見た場合、矩形状であってもよく、円形状であってもよい。また、周壁122の形状は筒状であってもよく、中空の錐台状であってもよい。
 薬剤溶解装置100において、固形薬剤110としては、被処理水WのpHを調節するpH調整剤を用いることができる。このようなpH調整剤としては、被処理水Wに溶解することにより、被処理水WのpHを飲料水の水質基準である5.8~8.6にすることが可能な薬剤を用いることができる。具体的には、pH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
 薬剤溶解装置100は、薬剤槽120の上端の開口を塞ぐ蓋体130を備えており、蓋体130は、薬剤槽120に取り外し可能な状態で取り付けられている。蓋体130は、板状の上壁131と、上壁131の外周端から垂れ下がり、薬剤槽120の周壁122よりも一回り大きな周壁132とを有している。
 薬剤溶解装置100は、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140を備える。導入管140の一端141は周壁122の供給口122aに接続されており、他端142は第一主配管20Aに接続されている。そして、導入管140は、第一主配管20Aから薬剤槽120の内部へ導入する被処理水Wの流量を調整するための二方弁143を備える。なお、周壁122に対する導入管140の一端141の接続位置は特に限定されないが、例えば固形薬剤110の上端111よりも上方とすることができる。
 薬剤溶解装置100は、薬剤槽120の内側から被処理水Wを導出する導出管150を備える。導出管150の一端151は、底壁121の下面121aに接続されており、底壁121の排出口121bと連通している。また、導出管150の他端152は、送水器170に接続されている。そして、導出管150は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節する弁体155を備える。なお、底壁121に対する導出管150の一端151の接続位置、つまり排出口121bの位置は特に限定されないが、例えば、上方から見た場合、底壁121の中心であってもよく、当該中心からずれていてもよい。
 薬剤溶解装置100は、薬剤槽120の底壁121の上面121cに接続する放出管160を備える。放出管160は、底壁121の上面121cから上方に向けて設けられている。放出管160の一端161は、底壁121の上面121cに接続されており、底壁121の排出口121bと連通している。また、放出管160の他端162は、開放状態となっている。なお、底壁121に対する放出管160の一端161の接続位置も特に限定されないが、例えば、上方から見た場合、底壁121の中心であってもよく、当該中心からずれていてもよい。
 放出管160の管壁163は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが通過する複数の貫通孔164を有している。貫通孔164は、放出管160の長手方向に垂直な方向に沿って管壁163を貫通している。そして、貫通孔164は、管壁163に所定間隔で設けられている。なお、貫通孔164の孔径は特に限定されないが、被処理水Wが容易に通過することが可能な大きさであることが好ましい。
 そして、薬剤溶解装置100において、放出管160の周囲はネット165で被覆されている。具体的には、放出管160の上端162及び管壁163は、有底筒状のネット165で覆われており、上端162の開口及び貫通孔164もネット165で覆われている。このようなネット165の目開きの大きさは、固形薬剤110が顆粒状の塊となって流出し、放出管160及び導出管150を閉塞することがないような大きさとすることが好ましい。そのため、ネット165のメッシュ数は、50~100とすることが好ましい。
 薬剤溶解装置100は、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170を備える。送水器170は第一主配管20Aに接続しており、第一主配管20Aを通過する被処理水Wの流量に応じて、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの送水量を調整することができる。このような送水器170としては、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを、ベンチュリ効果により送水する送水器を用いることが好ましい。ベンチュリ効果は、流体の流れの断面積を狭めて流速を増加させると、圧力が低い部分が作り出される現象のことである。このような送水器は、例えば電動ポンプやタンクを用いる必要がないため、簡易かつ安価な構造とすることができる。
 具体的には、送水器170としては、図5(a)に示すようなベンチュリ管からなる送水器170Aを使用することができる。送水器170Aは、入口円筒部171、入口円錐管172、スロート部173、出口円錐管174及び出口円筒部175より形成されている。入口円筒部171、スロート部173及び出口円筒部175は円筒形状であり、入口円錐管172及び出口円錐管174は円錐台形状である。そして、入口円筒部171及び出口円筒部175の内径は、スロート部173の内径よりも大きい。そのため、入口円筒部171とスロート部173とを接続する入口円錐管172は、入口円筒部171からスロート部173に向かうにつれて、内径が徐々に縮径している。また、スロート部173と出口円筒部175とを接続する出口円錐管174は、スロート部173から出口円筒部175に向かうにつれて、内径が徐々に拡径している。
 導出管150の他端152は、送水器170Aのスロート部173に接続されている。この際、図5に示すように、導出管150の他端部の内径が、スロート部173に向かって徐々に縮径している。
 このような送水器170Aに被処理水Wが流通する場合、入口円筒部171から導入された被処理水Wは、入口円筒部171、入口円錐管172、スロート部173、出口円錐管174を通過して出口円筒部175から排出される。この際、入口円錐管172は、被処理水Wの流れ方向に沿って断面積が徐々に小さくなることから、入口円錐管172において、被処理水Wの流速は徐々に高まる。そして、スロート部173において、ベンチュリ効果により負圧が発生するため、導出管150の内部に存在する、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが、スロート部173の内部に吸い込まれる。スロート部173に吸い込まれた、固形薬剤110が溶解した被処理水Wは、送水器170Aを流通する被処理水Wと混合され、出口円筒部175から排出される。この際、第一主配管20Aから送水器170Aに導入される被処理水Wが増加するほどスロート部173での流速が高まり負圧が上昇するため、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの添加量も増加する。逆に、第一主配管20Aから送水器170Aに導入される被処理水Wが減少するほどスロート部173での流速が低くなり負圧が低下するため、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの添加量も減少する。そのため、送水器170Aを用いることにより、送水器170Aを流れる被処理水Wの流量に応じて、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの添加量を調整することができる。
 なお、ベンチュリ効果により送水する送水器170は上述のベンチュリ管からなる送水器170Aに限定されず、例えば図5(b)及び図5(c)に示すような送水器170B,170Cも挙げることができる。図5(b)に示す送水器170Bは、円筒管176の内部にオリフィス板177が設けられている。そして、オリフィス板177の中央には絞り孔177aが設けられており、絞り孔177aの径は円筒管176の内径よりも小さくなっている。そして、オリフィス板177の下流直下に導出管150が接続されている。
 図5(c)に示す送水器170Cは、円筒管176の内部にノズル178が設けられている。そして、ノズル178の中央には、円筒状のスロート部178aが設けられており、スロート部178aは、流れ方向に沿って内径が徐々に縮径している。そして、ノズル178の下流直下に導出管150が接続されている。このような送水器170B,170Cも送水器170Aと同様に、ベンチュリ効果により、導出管150の内部に存在する被処理水Wを、送水器170B,170Cを流れる被処理水Wに混合することができる。
 上述のように、導出管150は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節する弁体155を備える。このような弁体155は、被処理水Wの逆流を抑制する逆止弁であることが好ましい。具体的には、図4に示すように、弁体155は、止水栓155Aと、止水栓155Aとの間を密閉可能なように導出管150に設けられた密閉壁155aと、止水栓155Aに支持される弾性体155Bとを備える。さらに、弁体155は、導出管150において密閉壁155aよりも下流側に設けられ、弾性体155Bを支持する導出管側支持壁155cを備える。
 止水栓155Aは、導出管150に流れる被処理水Wをせき止める役割を有する。止水栓155Aは、遮蔽部155eと、密閉部155fと、弾性体支持部155gと、を有する。
 遮蔽部155eは、止水栓155Aにおける導出管150の上流側に配置されており、導出管150内の被処理水Wの流路を遮蔽することにより、導出管150内の被処理水Wが止水される。
 密閉部155fは、導出管150の密閉壁155aとの間を隙間がないように密閉し、導出管150を流れる被処理水Wを止水することができる。このとき、導出管150と止水栓155Aとの間から微量の水が漏れ出ないようにするため、止水栓155Aの密閉部155fと導出管150の密閉壁155aとの間にゴム製オーリングなどの弾性体155dを配置することが好ましい。
 弾性体支持部155gは弾性体155Bを支持し、弾性体155Bからの反発力を受け止める役割を有する。弾性体支持部155gは、側壁部と底壁部とを有し、側壁部と底壁部とにより断面U字状に形成されている。そして、弾性体支持部155gは、弾性体155Bを収容するように配置されている。
 密閉壁155aは、止水栓155Aとの間を密閉可能なように導出管150に設けられている。図4では、密閉壁155aは、導出管150の径の大きさを、弁体155の入口に対して徐々に拡張するようにして形成されている。
 接続壁155bは、導出管150に設けられ、密閉壁155aの下流側と導出管側支持壁155cの上流側とを接続している。図4において、接続壁155bは、弁体155の上下における導出管150と断面視において平行に配置されている。
 導出管側支持壁155cは、導出管150における接続壁155bの下流側に設けられ、弾性体155Bを支持する。図4では、導出管側支持壁155cは、断面視において、導出管150の水流方向に対して垂直に配置されている。すなわち、接続壁155bと導出管側支持壁155cとにより形成される角度は約90度となっている。ただし、接続壁155bと導出管側支持壁155cとにより形成される角度は特に限定されず、70度~120度とすることが好ましい。そして、導出管側支持壁155cの一方は接続壁155bの下流側と接続されており、導出管側支持壁155cの他方は弁体155の下流側の導出管150と接続されている。
 弾性体155Bは、止水栓155Aの弾性体支持部155gに支持される。弾性体155Bは、導出管側支持壁155cを支点として反発し、弾性体支持部155gを介して止水栓155Aを導出管150の上流側に押し戻す役割を有する。図4では、弾性体155Bとしてコイル状のバネを用いているが、止水栓155Aを押し戻すことができれば特に限定されない。
 上述のような構成を備えた水処理システム1及び薬剤溶解装置100の動作について説明する。
 まず、図1から図3に示すように、建物の屋根に降った雨水は雨樋に集められ、第二主配管20Bを通じて被処理水タンク30に送られて貯留される。そして、第二主配管20B又は被処理水タンク30に設置された除菌装置70により、被処理水Wである雨水に塩素系薬剤又はオゾンを添加し、被処理水W中の細菌及び/又はウイルスを除去する。
 次に、使用者が蛇口40を開けた場合、第一主配管20Aに水が流れる。第一主配管20Aに水が流れて水圧が変化した場合、水圧の変化を送水ポンプPの圧力スイッチが検知し、送水ポンプPが稼働する。送水ポンプPは、被処理水タンク30に貯留されている被処理水Wを薬剤溶解装置100に送水する。
 薬剤溶解装置100に到達した被処理水Wの一部は導入管140に流れ込み、被処理水Wの残部は送水器170に流れ込む。導入管140に流れ込んだ被処理水Wは、二方弁143を通過して、薬剤槽120の内部に流れ込む。この際、被処理水Wは、薬剤槽120の内部に保持された固形薬剤110の上端111から内部に浸透し、固形薬剤110が被処理水Wに溶解する。そして、固形薬剤110が溶解して飽和した被処理水Wは、ネット165の隙間、並びに放出管160における管壁163の貫通孔164及び上端162の開口を通過して、放出管160の内部から下方に流下し、弁体155に到達する。
 弁体155では、通常、弾性体155Bの反発力により止水栓155Aが上方に押圧されている。そのため、被処理水Wが止水栓155Aを超えて下方に流出しないようになっている。
 ここで、第一主配管20Aから送水器170に流れ込んだ被処理水Wは、送水器170の内部を通過するが、この際、ベンチュリ効果により、導出管150の下部に負圧が発生する。この負圧により、弁体155内の止水栓155Aが下方に引き寄せられ、導出管150の密閉壁155aと止水栓155Aの密閉部155fとの間に隙間が生じる。そのため、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが、この隙間を通って送水器170に到達する。
 弁体155を通過して送水器170に到達した、固形薬剤110を含む被処理水Wは、送水器170の内部に吸い込まれ、送水器170を流通する被処理水Wと混合される。ここで、上述のように、固形薬剤110はpH調整剤であることから、被処理水Wに固形薬剤110が溶解することにより、被処理水WのpHを5.8~8.6にすることができる。
 そして、除菌装置70により塩素系薬剤またはオゾンが注入され、薬剤溶解装置100によりpH調整剤が添加された被処理水Wは、濾過器50を通過することにより、不溶物が除去される。そして、濾過器50を通過した被処理水Wは、活性炭処理器60を通過することにより、微小な疎水性有機物及び過剰な塩素が除去される。このようにして、細菌及び/又はウイルス並びに不溶物及び有機物が除去され、pHが5.8~8.6となった清潔な水が、蛇口40から使用者に供給される。
 使用者が蛇口40を閉めた場合、第一主配管20Aの内部における水の流れが停止する。そして、水の流れが停止することで水圧が変化した場合、水圧の変化を送水ポンプPの圧力スイッチが検知し、送水ポンプPが停止する。
 本実施形態の薬剤溶解装置100では、図4に示すように、導入管140から薬剤槽120に流れ込んだ被処理水Wは、固形薬剤110を通過する。その後、被処理水Wは、ネット165の隙間、並びに放出管160における管壁163の貫通孔164及び上端162の開口を通過して、放出管160の内部に流れ込む。そのため、被処理水Wは固形薬剤110の層を通過し、固形薬剤110と効率的に接触することから、固形薬剤110の飽和水溶液を容易に得ることができる。さらに、放出管160の周囲は、ネット165で被覆されている。具体的には、放出管160の上端162及び管壁163はネット165で覆われており、上端162の開口及び貫通孔164もネット165で覆われている。そのため、固形薬剤110の塊が放出管160の上端162の開口及び貫通孔164に進入しようとしても、ネット165により抑制される。したがって、固形薬剤110の塊が導出管150の内部に流れ込んで閉塞することを抑制できる。さらに、固形薬剤110の塊が薬剤溶解装置100から流出することが抑制されるため、被処理水W中の薬剤濃度のバラツキを防ぎ、薬剤濃度を略一定に保つことが可能となる。
 また、薬剤溶解装置100において、導出管150は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節する弁体155を備える。具体的には、弁体155は、送水器170で発生する負圧により開度が変化し、負圧が高い場合には開度が大きくなり、負圧が低い場合には開度が小さくなる。そのため、弁体155の開度により、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節し、被処理水Wへ添加する固形薬剤110の量を略一定に保つことが可能となる。
 さらに、弁体155は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの逆流を抑制する逆止弁であることが好ましい。これにより、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが送水器170から第一主配管20Aへ漏洩することを防ぐことから、被処理水W中における固形薬剤110の濃度のバラツキを抑制し、濃度管理を一層容易にすることが可能となる。
 薬剤溶解装置100において、送水器170は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを、ベンチュリ効果により送水することが好ましい。このような送水器170は、例えば電動ポンプやタンクを用いる必要がないため、簡易かつ安価な構造とすることができる。また、送水器170は、通過する被処理水Wの流量に応じて、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの添加量を調整することができる。
 ここで、本実施形態の水処理システム1を使用したシステム構成の例を説明する。図6では、建物200に、水処理システム1を適用した例を示している。
 建物200は、例えば、個人住宅、店舗又は工場であるが、以下、建物200は一般的な個人住宅であるものとして説明する。
 本実施形態の水処理システム1は、上水道210を備える建物200に組み込むことができる。具体的には、水処理システム1の第一主配管20Aにおける蛇口40側の端部は、三方弁220を介して上水道210に接続されている。また、水処理システム1の第二主配管20Bの一端は、建物200の屋根201に設置された雨樋202に接続されている。
 水処理システム1において、被処理水タンク30には水位センサー32が設けられており、被処理水タンク30に貯留されている雨水(被処理水W)の量を測定することができる。具体的には、図6に示すように、水位センサー32は、被処理水タンク30に貯留されている雨水が高水位H1の場合と低水位H2の場合とを検知することができる。
 このような水処理システム1を建物200に設置した場合、最初は被処理水タンク30に雨水が貯留されていない。そのため、建物200の住人は、生活用水として、上水道210より供給される上水を用いる。
 次いで、被処理水タンク30において、雨水の貯水量が増加し、貯留されている雨水が高水位H1となった場合には、水処理システム1を稼働し、水処理システム1により浄化された処理水を供給する。ここで、水処理システム1の第一主配管20Aは三方弁220を介して上水道210に接続されている。そのため、住人は、三方弁220を調整して、水処理システム1により浄化された処理水のみを生活用水として使用してもよく、また当該処理水と上水を混合して、生活用水として使用してもよい。そして、水処理システム1により浄化された処理水は、風呂212、トイレ213及び洗濯機214などに配水して使用される。なお、図6では、キッチン211には上水のみを配水しているが、水処理システム1により浄化された処理水をキッチン211に配水してもよい。その後、キッチン211、風呂212、トイレ213及び洗濯機214から排出された排水は、排水管230を通じて下水道に排出される。
 なお、被処理水タンク30において、雨水の貯水量が減少し、貯留されている雨水が低水位H2となった場合には、水処理システム1の稼働を停止する。そのため、住人は、生活用水として、上水道210より供給される上水を用いる。
 ここで、建物200への降水量が増加し、被処理水タンク30において雨水の貯水量が高水位H1を超えて過剰になった場合には、雨水が被処理水タンク30からオーバーフローしないように、排水管31から雨水を排水する。
 このように、本実施形態の薬剤溶解装置100は、固形薬剤110を収容する薬剤槽120と、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140とを備える。薬剤溶解装置100は、さらに、薬剤槽120の底壁121の下面121aに一端151が接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを薬剤槽120の内側から導出する導出管150を備える。薬剤溶解装置100は、さらに、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170と、薬剤槽120の底壁121の上面121cに接続し、導出管150と連通する放出管160と、を備える。そして、放出管160の管壁163は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが通過する複数の貫通孔164を有し、放出管160はネット165で被覆されている。薬剤溶解装置100では、放出管160の周囲がネット165で覆われているため、固形薬剤110の塊が放出管160の内部に進入しようとしても、ネット165により抑制される。したがって、固形薬剤110の塊が導出管150の内部を閉塞することを抑制することができる。さらに、固形薬剤110の塊が薬剤溶解装置100から流出することが抑制されるため、被処理水Wにおける薬剤濃度のバラツキを防ぎ、薬剤濃度を略一定に保つことが可能となる。
 なお、薬剤溶解装置100において、被処理水Wに溶解する固形薬剤110は、pH調整剤に限定されない。固形薬剤110は、例えば、上述の塩素系薬剤であってもよく、また被処理水W中に分散している粒子を凝集させる凝集剤であってもよい。凝集剤としては、例えば硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄などを挙げることができる。
 本実施形態の水処理システム1は、薬剤溶解装置100を備える。さらに、水処理システム1は、被処理水Wを貯留する被処理水タンク30と、塩素系薬剤又はオゾンを被処理水に添加する除菌装置70と、を備える。そして、除菌装置70は、被処理水タンク30の上流側及び下流側並びに被処理水タンク30の内部の少なくとも一箇所に設置されている。そして、薬剤溶解装置100は被処理水タンク30及び除菌装置70の下流側に設けられ、固形薬剤110はpH調整剤である。このような水処理システム1では、除菌装置70により細菌及び/又はウイルスを除去し、薬剤溶解装置100によりpHを中性とすることができるため、雨水を清潔な生活用水に浄化することが可能となる。
 水処理システム1は、被処理水Wを濾過して不溶物を除去する濾過器50と、活性炭を備える活性炭処理器60とをさらに備え、濾過器50及び活性炭処理器60は、被処理水タンク30、除菌装置70及び薬剤溶解装置100の下流側に設けられることが好ましい。このような水処理システム1では、濾過器50を通過することにより不溶物が除去され、活性炭処理器60を通過することにより微小な疎水性有機物及び過剰な塩素が除去されるため、より清潔な水を得ることが可能となる。
[第二実施形態]
 次に、第二実施形態に係る薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態の薬剤溶解装置及び水処理システムと同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
 第一実施形態の薬剤溶解装置100において、使用者が固形薬剤110を補給する場合には、薬剤槽120に取り付けられた蓋体130を取り外した後、塊状又は粒状の固形薬剤110を内部に投入する。そのため、使用者は、投入の際、固形薬剤に直接触れなければならない場合がある。また、粒状の固形薬剤110を薬剤槽120の内部に直接投入するのは、煩雑な場合がある。
 そのため、本実施形態の薬剤溶解装置100Aは、固形薬剤110を容易に補給できるように、固形薬剤カートリッジ300を使用している。
 本実施形態に係る薬剤溶解装置100Aは、第一実施形態と同様に、水処理システム1に組み込まれる。具体的には、薬剤溶解装置100Aは、第一主配管20Aにおける送水ポンプPと濾過器50との間に接続される。薬剤溶解装置100Aは、図7に示すように、固形薬剤110を内部に収容する薬剤槽120を備える。薬剤槽120は、板状の底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備える。そして、底壁121と周壁122とにより形成された内部空間に、固形薬剤カートリッジ300を収容する。薬剤槽120は、上端が開放されており、上方から内部に固形薬剤カートリッジ300を挿入することができる。
 薬剤溶解装置100Aは、薬剤槽120の上端の開口を塞ぐ蓋体130を備えており、蓋体130は、薬剤槽120に取り外し可能な状態で取り付けられている。また、薬剤溶解装置100Aは、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140を備える。導入管140の一端141は周壁122の供給口122aに接続されており、他端142は第一主配管20Aに接続されている。なお、周壁122に対する導入管140の一端141の接続位置は特に限定されないが、例えば固形薬剤カートリッジ300の上端よりも上方とすることができる。
 薬剤溶解装置100Aは、薬剤槽120の内側から被処理水Wを導出する導出管150を備える。導出管150の一端151は、底壁121の下面121aに接続されており、底壁121の排出口121bと連通している。また、導出管150の他端152は、送水器170に接続されている。そして、導出管150は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節する弁体155を備える。
 薬剤溶解装置100Aは、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170を備える。送水器170は、第一主配管20Aを通過する被処理水Wの流量に応じて、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの送水量を調整することができる。
 薬剤槽120の内部空間に収容される固形薬剤カートリッジ300は、図8に示すように、筒状部材310を備えている。筒状部材310の形状は、円筒状であってもよく、角筒状であってもよい。筒状部材310の形状は、薬剤槽120の周壁122の形状に合わせることが好ましい。
 筒状部材310は、さらに、筒状部材310の上部の開口を塞ぐ上部ネット311と、筒状部材310の下部の開口を塞ぐ下部ネット312とを備える。上部ネット311は、筒状部材310の上部の開口全体を塞いでおり、筒状部材310の上部から固形薬剤110が流出することを抑制している。同様に、下部ネット312は、筒状部材310の下部の開口全体を塞いでおり、筒状部材310の下部から固形薬剤110が流出することを抑制している。なお、上部ネット311及び下部ネット312の目開きの大きさは、固形薬剤110が顆粒状の塊となって流出し、導出管150を閉塞することがないような大きさとすることが好ましい。そのため、上部ネット311及び下部ネット312のメッシュ数は、50~100とすることが好ましい。
 そして、固形薬剤カートリッジ300は、筒状部材310、上部ネット311及び下部ネット312により形成された内部空間に、固形薬剤110を保持している。なお、固形薬剤110の形状は、第一実施形態と同様に、塊状又は粒状とすることができる。
 図7に示すように、筒状部材310は、上下方向において、下部ネット312と筒状部材310の下端313との間には、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが流通することが可能な空隙314が存在することが好ましい。つまり、下部ネット312は、筒状部材310の内面に固定されることにより、筒状部材310の下部の開口を塞いでいる。そして、筒状部材310の下端313は、底壁121の上面121cと接触する。これにより、下部ネット312と底壁121との間には、空隙314が形成されることから、上部ネット311、固形薬剤110及び下部ネット312を通過した被処理水Wが空隙314を通過し、底壁121の排出口121bから流下することができる。
 なお、固形薬剤カートリッジ300の上下方向において、下部ネット312と筒状部材310の下端313との間の距離dは、空隙314が形成されれば特に限定されないが、例えば2mm以上5mm以下とすることができる。
 上述のような構成を備えた薬剤溶解装置100Aの作用について説明する。薬剤溶解装置100Aは、第一実施形態と同様に、水処理システム1に組み込まれる。そして、第一主配管20Aを通過して薬剤溶解装置100Aに到達した被処理水Wは、一部が導入管140に流れ込み、残部が送水器170に流れ込む。導入管140に送られた被処理水Wは二方弁143を通過して、薬剤槽120の内部に流れ込む。この際、被処理水Wは、薬剤槽120の内部に保持された固形薬剤カートリッジ300の上部ネット311から内部に浸透し、固形薬剤110が被処理水Wに溶解する。そして、固形薬剤110が溶解して飽和した被処理水Wは、下部ネット312を通過して空隙314を流れ、底壁121の排出口121bから下方に流下し、弁体155に到達する。弁体155を通過して送水器170に到達した、固形薬剤110を含む被処理水Wは、送水器170の内部に吸い込まれ、送水器170を流通する被処理水Wと混合される。
 薬剤溶解装置100Aにおいて、被処理水Wは固形薬剤110の層を通過し、固形薬剤110と効率的に接触することから、固形薬剤110の飽和水溶液を容易に得ることができる。さらに、固形薬剤110は、筒状部材310、上部ネット311及び下部ネット312で覆われている。そのため、固形薬剤110の塊が底壁121の排出口121bから導出管150の内部に流れ込んで閉塞することを抑制できる。さらに、固形薬剤110の塊が薬剤溶解装置100Aから流出することが抑制されるため、被処理水W中の薬剤濃度のバラツキを防ぎ、薬剤濃度を略一定に保つことが可能となる。
 さらに、薬剤溶解装置100Aでは、固形薬剤110の補給は、固形薬剤カートリッジ300を取り替えるだけで行うことができる。また、固形薬剤110の補給の際、固形薬剤110を計量する必要もない。そのため、使用者が固形薬剤110に直接触れることもなく、粒状の固形薬剤110でも容易に補給することができる。
 このように、本実施形態の薬剤溶解装置100Aは、固形薬剤カートリッジ300を収容する薬剤槽120と、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140とを備える。薬剤溶解装置100Aは、さらに、薬剤槽120の底壁121の下面121aに一端151が接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを薬剤槽120の内側から導出する導出管150を備える。薬剤溶解装置100Aは、さらに、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170を備える。そして、薬剤溶解装置100Aにおいて、固形薬剤カートリッジ300は、筒状部材310と、筒状部材310の上部の開口を塞ぐ上部ネット311と、筒状部材310の下部の開口を塞ぐ下部ネット312とを備える。固形薬剤カートリッジ300は、さらに、筒状部材310、上部ネット311及び下部ネット312により形成された内部空間に保持された固形薬剤110を備える。このような薬剤溶解装置100Aでは、固形薬剤110が筒状部材310、上部ネット311及び下部ネット312で覆われているため、固形薬剤110の塊による導出管150の閉塞及び薬剤濃度のバラツキを抑制することができる。さらに、固形薬剤カートリッジ300を用いることで、固形薬剤110の補給も容易に行うことができる。
 また、本実施形態の固形薬剤カートリッジ300は、筒状部材310と、筒状部材310の上部の開口を塞ぐ上部ネット311と、筒状部材310の下部の開口を塞ぎ、筒状部材310の内面に固定された下部ネット312とを備える。固形薬剤カートリッジ300は、さらに、筒状部材310、上部ネット311及び下部ネット312により形成された内部空間に保持された固形薬剤110を備える。そして、筒状部材310の上下方向において、下部ネット312と筒状部材310の下端313との間には、固形薬剤110が溶解した被処理水Wが流通可能な空隙314が存在する。このような固形薬剤カートリッジ300は、筒状部材310の下部に空隙314を有していることから、固形薬剤110及び下部ネット312を通過した被処理水Wを、底壁121の排出口121bから効率的に流下させることが可能となる。
[第三実施形態]
 次に、第三実施形態に係る薬剤溶解装置及び水処理システムについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態の薬剤溶解装置及び水処理システムと同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
 本実施形態に係る薬剤溶解装置100Bは、第一実施形態と同様に、水処理システム1に組み込まれる。具体的には、薬剤溶解装置100Bは、第一主配管20Aにおける送水ポンプPと濾過器50との間に接続される。薬剤溶解装置100Bは、図9に示すように、固形薬剤110を内部に収容する薬剤槽120を備える。薬剤槽120は、板状の底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備える。そして、底壁121と周壁122とにより形成された内部空間に、固形薬剤110を収容する。
 薬剤溶解装置100Bは、薬剤槽120の上端の開口を塞ぐ蓋体130を備えており、蓋体130は、薬剤槽120に取り外し可能な状態で取り付けられている。また、薬剤溶解装置100Bは、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140を備える。導入管140の一端141は周壁122の供給口122aに接続されており、他端142は第一主配管20Aに接続されている。
 薬剤溶解装置100Bは、薬剤槽120の内側から被処理水Wを導出する導出管150を備える。導出管150の一端151は、底壁121の下面121aに接続されており、底壁121の排出口121bと連通している。また、導出管150の他端152は、送水器170に接続されている。そして、導出管150は、固形薬剤110が溶解した被処理水Wの流量を調節する弁体155を備える。
 薬剤溶解装置100Bは、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170を備える。
 薬剤溶解装置100Bは、薬剤槽120の底壁121の上面121cに接続する放出管160Aを備える。放出管160Aは、底壁121の上面121cから上方に向けて設けられている。放出管160Aの一端161は、底壁121の上面121cに接続されており、底壁121の排出口121bと連通している。また、放出管160Aの他端162は、開放状態となっている。なお、底壁121に対する放出管160Aの一端161の接続位置は特に限定されないが、例えば、上方から見た場合、底壁121の中心であってもよく、当該中心からずれていてもよい。
 放出管160Aは、第一実施形態の放出管160と異なり、複数の貫通孔164を管壁163に有していない。そのため、固形薬剤110が溶解した被処理水Wは、放出管160Aの上端162の開口を通過して、放出管160Aの内部から下方に流下し、弁体155に到達する。
 ここで、薬剤溶解装置100Bでは、放出管160Aの周囲はネット165で被覆されていない。そのため、固形薬剤110が放出管160Aの上端162の開口を通過して、放出管160Aの内部に進入しないようにする必要がある。そのため、放出管160Aの上端162は、固形薬剤110の上端111よりも上方に位置する。なお、周壁122に対する導入管140の一端141の接続位置は特に限定されないが、例えば固形薬剤110の上端111よりも上方とすることが好ましい。
 上述のような構成を備えた薬剤溶解装置100Bの作用について説明する。薬剤溶解装置100Bは、第一実施形態と同様に、水処理システム1に組み込まれる。そして、第一主配管20Aを通過して薬剤溶解装置100Bに到達した被処理水Wは、一部が導入管140に流れ込み、残部が送水器170に流れ込む。導入管140に送られた被処理水Wは二方弁143を通過して、薬剤槽120の内部に流れ込む。
 薬剤槽120の内部に流れ込んだ被処理水Wは、固形薬剤110と接触して溶解する。この際、被処理水Wが薬剤槽120の内部で激しく回流した場合には、固形薬剤110が巻き上がり、固形薬剤110が放出管160Aの上端162の開口を通過して、放出管160Aの内部に進入する可能性がある。そのため、被処理水Wは、薬剤槽120の内部を緩流することが好ましい。
 そして、固形薬剤110が溶解して飽和した被処理水Wは、放出管160Aの上端162の開口を通過して、放出管160Aの内部から下方に流下し、弁体155に到達する。弁体155を通過して送水器170に到達した、固形薬剤110を含む被処理水Wは、送水器170の内部に吸い込まれ、送水器170を流通する被処理水Wと混合される。
 このように、本実施形態の薬剤溶解装置100Bは、固形薬剤110を収容する薬剤槽120と、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140とを備える。薬剤溶解装置100は、さらに、薬剤槽120の底壁121の下面121aに一端151が接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを薬剤槽120の内側から導出する導出管150を備える。薬剤溶解装置100は、さらに、導出管150の他端152と接続し、固形薬剤110が溶解した被処理水Wを送水する送水器170と、薬剤槽120の底壁121の上面121cに接続し、導出管150と連通する放出管160Aと、を備える。そして、放出管160Aの上端162は、固形薬剤110の上端111よりも上方である。そのため、放出管160Aの周囲をネットで被覆しなくても、固形薬剤110の塊が放出管160Aの上端162の開口から導出管150の内部に流れ込んで閉塞することを抑制できる。
[第四実施形態]
 次に、第四実施形態に係る薬剤溶解装置について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一から第三実施形態の薬剤溶解装置と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
 本実施形態の薬剤溶解装置は、第一から第三実施形態の薬剤溶解装置と同様に、薬剤槽120が、底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備える。そして、底壁121と周壁122とにより形成された内部空間に、固形薬剤110又は固形薬剤カートリッジ300を収容する。また、底壁121の形状は円板状となっており、周壁122の形状は円筒状となっている。
 薬剤溶解装置は、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140を備える。導入管140の一端141は周壁122の供給口122aに接続されており、他端142は第一主配管20Aに接続されている。
 図10及び図11では、薬剤槽120の周壁122に対する、導入管140の一端141の接続位置を、上から見た場合で示している。図10に示すように、薬剤槽120に対する導入管140の接続位置は、導入管140を介した被処理水Wの注水方向Dが、当該接続位置において、周壁122の径方向と略平行になるように設定することができる。または、図11に示すように、薬剤槽120に対する導入管140の接続位置は、導入管140を介した被処理水Wの注水方向Dが、当該接続位置において、周壁122への接線と略平行になるように設定することができる。
 ここで、図10のように、被処理水Wの注水方向Dが周壁122の径方向と略平行になるように導入管140を接続した場合、薬剤槽120の内部では、被処理水Wの渦流が複数個発生する。ただ、このように発生した個々の渦流は、粒状の固形薬剤110に対する攪拌力が小さい。そして、この場合には、被処理水Wに固形薬剤110が溶解して飽和状態となるまでに、時間がかかる可能性がある。
 これに対して、図11のように、被処理水Wの注水方向Dが周壁122への接線と略平行になるように導入管140を接続した場合、薬剤槽120の内部では、被処理水Wの旋回流が発生する。この被処理水Wの旋回流は、円筒状の周壁122の内面に沿って旋回しており、粒状の固形薬剤110に対する攪拌力が大きい。そして、この場合には、固形薬剤110と被処理水Wが効率的に攪拌されることから、被処理水Wに固形薬剤110が溶解して飽和状態となるまでに、時間がかからない。
 このように、本実施形態の薬剤溶解装置において、導入管140は、被処理水Wが周壁122に沿って旋回する旋回流を形成するように、周壁122に接続している。これにより、固形薬剤110と被処理水Wが効率的に攪拌されることから、被処理水Wに対して固形薬剤110を、飽和溶液レベルまで容易に溶解することが可能となる。
 なお、被処理水Wが旋回流を形成するような接続方法は、図11のような方法に限定されない。例えば、図12に示すように、被処理水Wの注水方向Dが周壁122の径方向と略平行になるように導入管140を接続した後、導入管140の一端141にL字管144を取り付けてもよい。L字管144を使用することにより、被処理水Wの注水方向Dを、薬剤槽120の内面に沿うように調整することができる。
[第五実施形態]
 次に、第五実施形態に係る薬剤溶解装置について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一から第四実施形態の薬剤溶解装置と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
 図13に示すように、本実施形態の薬剤溶解装置は、第一から第四実施形態の薬剤溶解装置と同様に、薬剤槽120が、底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備えている。そして、薬剤槽120の周壁122の上端は、蓋体130で塞がれている。さらに、底壁121と周壁122と蓋体130とにより形成された内部空間に、固形薬剤110を収容している。
 蓋体130の周壁132の内面と薬剤槽120の周壁122の外面には、互いに対応するネジ山が形成されている。また、蓋体130の周壁132と薬剤槽120の周壁122は、共に円筒形状である。そのため、蓋体130は、周壁122に対して取り外し可能な状態で螺合されている。つまり、図14(a)に示すように、例えば蓋体130を周方向(反時計回り)Cに回転することにより、蓋体130を周壁122から取り外すことができる。
 薬剤槽120には、薬剤槽120の内側へ被処理水Wを導入する導入管140が接続されている。そして、導入管140は、第一主配管20Aから薬剤槽120の内部へ導入する被処理水Wの流量を調整するための二方弁143を備える。二方弁143の上部には、二方弁143の開閉を操作するツマミ部143aを備えている。
 ツマミ部143aは、図13及び図14に示すように、例えば板状とすることができる。そして、図14(a)に示すように、二方弁143が開状態の場合、ツマミ部143aは導入管140の長手方向に略平行に位置し、図14(b)に示すように、二方弁143が閉状態の場合、ツマミ部143aは導入管140の長手方向に対して略垂直に位置する。そのため、ツマミ部143aを導入管140の長手方向から垂直方向に回動させることにより、導入管140を流れる被処理水Wの流量を絞ることができる。
 ここで、蓋体130の側面は、蓋体130の径方向に突出する凸部133を設けている。そして、図14(a)に示すように、二方弁143が開状態の場合に蓋体130を周方向Cに回転しようしたとき、凸部133がツマミ部143aに接触して係合する。そのため、二方弁143が開状態の場合には、蓋体130は周方向Cへ回転できなくなる。これに対し、図14(b)に示すように、二方弁143が閉状態の場合に蓋体130を周方向Cに回転したとき、凸部133はツマミ部143aに接触しない。そのため、二方弁143が閉状態の場合、蓋体130は周方向Cへ回転することができる。
 このような構成の薬剤溶解装置において、使用者が薬剤槽120に固形薬剤110を補給しようとする場合、まず二方弁143のツマミ部143aを操作して閉状態とする。この際、ツマミ部143aは導入管140の長手方向に対して略垂直に位置するため、蓋体130の凸部133はツマミ部143aに接触せず、蓋体130を周方向Cに回転させて周壁122から取り外すことができる。そして、固形薬剤110を薬剤槽120の内部に投入するか、固形薬剤カートリッジ300を薬剤槽120の内部に挿入する。このように、二方弁143が閉状態となっている場合には、薬剤槽120の内部に被処理水Wが流入しないため、固形薬剤110を薬剤槽120に安全に投入することができる。
 これに対し、二方弁143が開状態の場合、二方弁143のツマミ部143aは導入管140の長手方向に略平行に位置するため、蓋体130の凸部133はツマミ部143aに接触して係合する。そのため、二方弁143が開状態の場合、蓋体130が周方向Cへ回転できず、蓋体130を周壁122から取り外すことができない。このように、薬剤槽120の内部に被処理水Wが流入している状態では、固形薬剤110を薬剤槽120に投入することができないため、安全性を確保することができる。
 このように、本実施形態の薬剤溶解装置において、薬剤槽120は、底壁121と、底壁121から上方へ延び、かつ、底壁121の上側の空間を取り囲む周壁122とを備え、薬剤槽120の周壁122の上端は蓋体130で塞がれている。そして、底壁121と周壁122と蓋体130とにより形成された内部空間に、固形薬剤110を収容する。蓋体130は、周壁122に対して取り外し可能な状態で螺合されている。蓋体130の側面には、蓋体130の径方向に突出する凸部133を設けている。導入管140は、開閉を操作するツマミ部143aを備えた二方弁143を備える。そして、二方弁143が開状態の場合に蓋体130を周方向Cに回転したとき、凸部133がツマミ部143aに係合して蓋体130の回転が係止する。また、二方弁143が閉状態の場合に蓋体130を周方向Cに回転したとき、凸部133がツマミ部143aに係合しない。
 本実施形態の薬剤溶解装置では、二方弁143が開状態で薬剤槽120に被処理水Wが流入している状態では、周壁122から蓋体130を取り外すことができない。これに対し、二方弁143が閉状態で薬剤槽120に被処理水Wが流入していない状態になると、周壁122から蓋体130を取り外すことができる。そのため、蓋体130を取り外した際に、薬剤槽120から被処理水Wが溢れ出ないことから、固形薬剤110の補給作業をより安全に行うことが可能となる。
 以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。具体的には、第一から第五実施形態に係る薬剤溶解装置、水処理システム及び固形薬剤カートリッジの構成は、任意に組み合わせることが可能である。
 特願2020-025449号(出願日:2020年2月18日)の全内容は、ここに援用される。
 本開示によれば、固形薬剤が顆粒状で流出することを抑制し、被処理水中の薬剤濃度を略一定に保つことが可能な薬剤溶解装置、当該薬剤溶解装置を用いた水処理システム、及び当該薬剤溶解装置を用いられる固形薬剤カートリッジを提供することができる。
 1 水処理システム
 30 被処理水タンク
 50 濾過器
 60 活性炭処理器
 70,70A,70B 除菌装置
 100,100A,100B 薬剤溶解装置
 110 固形薬剤
 120 薬剤槽
 121 薬剤槽の底壁
 121a 薬剤槽の底壁の下面
 121c 薬剤槽の底壁の上面
 122 薬剤槽の周壁
 130 蓋体
 132 蓋体の周壁
 133 凸部
 140 導入管
 143 二方弁
 143a ツマミ部
 150 導出管
 151 導出管の一端
 152 導出管の他端
 155 弁体
 160,160A 放出管
 163 放出管の管壁
 164 貫通孔
 165 ネット
 170,170A,170B,170C 送水器
 200 建物
 201 屋根
 202 雨樋
 300 固形薬剤カートリッジ
 310 筒状部材
 311 上部ネット
 312 下部ネット
 313 筒状部材の下端
 314 空隙
 W 被処理水

Claims (13)

  1.  固形薬剤を収容する薬剤槽と、
     前記薬剤槽の内側へ被処理水を導入する導入管と、
     前記薬剤槽の底壁の下面に一端が接続し、前記固形薬剤が溶解した被処理水を前記薬剤槽の内側から導出する導出管と、
     前記導出管の他端と接続し、前記固形薬剤が溶解した被処理水を送水する送水器と、
     前記薬剤槽の底壁の上面に接続し、前記導出管と連通する放出管と、
     を備え、
     前記放出管の管壁は、前記固形薬剤が溶解した被処理水が通過する複数の貫通孔を有し、
     前記放出管はネットで被覆されている、薬剤溶解装置。
  2.  固形薬剤カートリッジを収容する薬剤槽と、
     前記薬剤槽の内側へ被処理水を導入する導入管と、
     前記薬剤槽の底壁の下面に一端が接続し、固形薬剤が溶解した被処理水を前記薬剤槽の内側から導出する導出管と、
     前記導出管の他端と接続し、前記固形薬剤が溶解した被処理水を送水する送水器と、
     を備え、
     前記固形薬剤カートリッジは、
      筒状部材と、
      前記筒状部材の上部の開口を塞ぐ上部ネットと、
      前記筒状部材の下部の開口を塞ぐ下部ネットと、
      前記筒状部材、前記上部ネット及び前記下部ネットにより形成された内部空間に保持された固形薬剤と、
      を備える、薬剤溶解装置。
  3.  前記導出管は、前記固形薬剤が溶解した被処理水の流量を調節する弁体を備える、請求項1又は2に記載の薬剤溶解装置。
  4.  前記弁体は、前記固形薬剤が溶解した被処理水の逆流を抑制する逆止弁である、請求項3に記載の薬剤溶解装置。
  5.  前記送水器は、前記固形薬剤が溶解した被処理水を、ベンチュリ効果により送水する、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬剤溶解装置。
  6.  前記固形薬剤カートリッジにおいて、前記下部ネットは前記筒状部材の内面に固定されており、
     前記筒状部材の上下方向において、前記下部ネットと前記筒状部材の下端との間には、前記固形薬剤が溶解した被処理水が流通可能な空隙が存在する、請求項2に記載の薬剤溶解装置。
  7.  前記薬剤槽は、前記底壁と、前記底壁から上方へ延び、かつ、前記底壁の上側の空間を取り囲む周壁とを備え、前記底壁と前記周壁とにより形成された内部空間に前記固形薬剤を収容し、
     前記導入管は、前記被処理水が前記周壁に沿って旋回する旋回流を形成するように、前記周壁に接続している、請求項1に記載の薬剤溶解装置。
  8.  前記薬剤槽は、前記底壁と、前記底壁から上方へ延び、かつ、前記底壁の上側の空間を取り囲む周壁とを備え、前記底壁と前記周壁とにより形成された内部空間に前記固形薬剤カートリッジを収容し、
     前記導入管は、前記被処理水が前記周壁に沿って旋回する旋回流を形成するように、前記周壁に接続している、請求項2に記載の薬剤溶解装置。
  9.  前記薬剤槽は、前記底壁と、前記底壁から上方へ延び、かつ、前記底壁の上側の空間を取り囲む周壁とを備え、前記薬剤槽の前記周壁の上端は蓋体で塞がれており、前記底壁と前記周壁と前記蓋体とにより形成された内部空間に前記固形薬剤を収容し、
     前記蓋体は、前記周壁に対して取り外し可能な状態で螺合されており、
     前記蓋体の側面には、前記蓋体の径方向に突出する凸部を設け、
     前記導入管は、開閉を操作するツマミ部を備えた二方弁を備え、
     前記二方弁が開状態の場合に前記蓋体を周方向に回転したとき、前記凸部が前記ツマミ部に係合して前記蓋体の回転が係止し、前記二方弁が閉状態の場合に前記蓋体を周方向に回転したとき、前記凸部が前記ツマミ部に係合しない、請求項1から8のいずれか一項に記載の薬剤溶解装置。
  10.  請求項1から9のいずれか一項に記載の薬剤溶解装置を備える、水処理システム。
  11.  被処理水を貯留する被処理水タンクと、
     塩素系薬剤又はオゾンを被処理水に添加する除菌装置と、
     をさらに備え、
     前記除菌装置は、前記被処理水タンクの上流側及び下流側並びに前記被処理水タンクの内部の少なくとも一箇所に設置されており、
     前記薬剤溶解装置は、前記被処理水タンク及び前記除菌装置の下流側に設けられ、
     前記固形薬剤はpH調整剤である、請求項10に記載の水処理システム。
  12.  被処理水を濾過して不溶物を除去する濾過器と、
     活性炭を備える活性炭処理器と、
     をさらに備え、
     前記濾過器及び前記活性炭処理器は、前記被処理水タンク、前記除菌装置及び前記薬剤溶解装置の下流側に設けられる、請求項11に記載の水処理システム。
  13.  筒状部材と、
     前記筒状部材の上部の開口を塞ぐ上部ネットと、
     前記筒状部材の下部の開口を塞ぎ、前記筒状部材の内面に固定された下部ネットと、
     前記筒状部材、前記上部ネット及び前記下部ネットにより形成された内部空間に保持された固形薬剤と、
     を備え、
     前記筒状部材の上下方向において、前記下部ネットと前記筒状部材の下端との間には、前記固形薬剤が溶解した被処理水が流通可能な空隙が存在する、固形薬剤カートリッジ。
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