JP2005108909A - 光起電力装置 - Google Patents

光起電力装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005108909A
JP2005108909A JP2003336607A JP2003336607A JP2005108909A JP 2005108909 A JP2005108909 A JP 2005108909A JP 2003336607 A JP2003336607 A JP 2003336607A JP 2003336607 A JP2003336607 A JP 2003336607A JP 2005108909 A JP2005108909 A JP 2005108909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
photovoltaic device
dye
tio
counter electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003336607A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Baba
俊明 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2003336607A priority Critical patent/JP2005108909A/ja
Publication of JP2005108909A publication Critical patent/JP2005108909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Hybrid Cells (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】出力特性を向上させることが可能な光起電力装置を提供する。
【解決手段】この光起電力装置は、一方の電極として機能する裏面電極1と、裏面電極1上に形成され、少なくとも可視光に対して透明であるTiO膜2と、TiO膜2上に形成され、TiO膜2とショットキー接合を形成するとともに、他方の電極として機能する対向電極3と、対向電極3上に形成され、可視光を吸収するメルブロミン色素膜5とを備えている。そして、対向電極3を流れる電流の方向と交差する方向に沿ったTiO膜2の断面は、凹凸形状である。
【選択図】図1

Description

この発明は、光起電力装置に関し、特に、可視光を吸収する光吸収層を備えた光起電力装置に関する。
従来、可視光を吸収する色素からなる光吸収層を用いた色素増感型の光起電力装置が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。この非特許文献1には、Ru錯体色素と酸化チタン(TiO)多孔質電極との組み合わせによって、実用的な変換効率(10%)を得ることができることが開示されている。
図27は、上記非特許文献1に開示された従来の色素増感型の光起電力装置の構造を模式的に示した断面図である。図27を参照して、従来の色素増感型の光起電力装置では、ガラス基板201上に、導電膜202が形成されている。導電膜202上には、多孔質のTiO膜からなる電極203が形成されている。この多孔質のTiO膜からなる電極203の表面上には、可視光を吸収する色素からなる光吸収層204が形成されている。また、ガラス基板201と対向する位置には、表面上に電極206が形成されたガラス基板205(対向基板)が設けられている。そして、多孔質のTiO膜からなる電極203と電極206との間には、電解液207が充填されている。
ここで、図27に示した従来の色素増感型の光起電力装置の電極203を構成するTiO膜は、多孔質であるために、非常に大きい表面積を有している。このため、電極203の表面上に形成される色素からなる光吸収層204の表面積も大きくなるので、色素からなる光吸収層204による光吸収を増大させることが可能となる。
しかしながら、図27に示した従来の色素増感型の光起電力装置の電極203を構成するTiO膜は、多孔質の孔形状が複雑に入り組んだ形状になるという不都合があった。このため、電極203を構成する多孔質のTiO膜の孔内に電解質を十分に含浸するためには、電解液を用いる必要があった。このように、電解液を用いた場合には、電解液の漏液や揮発などが発生するという不都合があった。
そこで、従来では、電解液を必要としない色素増感型の光起電力装置が提案されている(たとえば、非特許文献2参照)。
図28は、上記非特許文献2に開示された従来の提案された色素増感型の光起電力装置の構造を模式的に示した断面図である。図28を参照して、従来の提案された色素増感型の光起電力装置では、Tiからなる裏面電極211上に、平坦な表面を有するTiO膜212が形成されている。TiO膜212上には、平坦な表面を有するAuからなる対向電極213が形成されている。このAuからなる対向電極213とTiO膜212とによって、ショットキー接合が形成されている。また、対向電極213上には、可視光を吸収する色素からなる光吸収層214が形成されている。
図28に示した従来の提案された色素増感型の光起電力装置では、TiO膜212の表面が平坦であるとともに、対向電極213が色素(光吸収層214)を還元するための電子を輸送する機能を有するので、電解液を必要としない色素増感型の光起電力装置を得ることが可能となる。
Michael Gratzel et al.「LETTERS TO NATURE」Vol.353、24 October 1991、pp.737−739 Eric W.McFarland et al.「LETTERS TO NATURE」Vol.421、6 February 2003、pp.616−618
しかしながら、図28に示した従来の提案された色素増感型の光起電力装置では、平坦な表面を有する対向電極213上に光吸収層214を形成するので、光吸収層214の表面積を大きくするのが困難であるという不都合がある。また、対向電極213による光吸収が発生するという不都合もある。このように、光吸収層214の表面積を大きくするのが困難であるとともに、対向電極213による光吸収が発生するので、光吸収層214による光吸収を増大させるのが困難になるという不都合が生じる。その結果、色素増感型の光起電力装置の出力特性を向上させるのが困難であるという問題点がある。
なお、対向電極213による光吸収を抑制するために、対向電極213の厚みを小さくすることが考えられる。しかしながら、対向電極213の厚みを小さくした場合には、対向電極213による光吸収を抑制することができる一方、対向電極213を流れる電流に対する抵抗が高くなるという新たな問題点が生じる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、出力特性を向上させることが可能な光起電力装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による光起電力装置は、一方の電極として機能する第1導電体膜と、第1導電体膜上に形成され、少なくとも可視光に対して透明である半導体膜と、半導体膜上に形成され、半導体膜とショットキー接合を形成するとともに、他方の電極として機能する第2導電体膜と、第2導電体膜上に形成され、可視光を吸収する光吸収層とを備え、第2導電体膜を流れる電流の方向と交差する方向に沿った半導体膜の断面は、凹凸形状である。
この一の局面による光起電力装置では、上記のように、半導体膜の断面を凹凸形状にすることによって、半導体膜上に形成される第2導電体膜が半導体膜の凹凸形状の表面に沿って凹凸形状を反映するように形成されるので、第2導電体膜の表面積を大きくすることができる。これにより、第2導電体膜上に形成される光吸収層の表面積も大きくすることができるので、光吸収層による光吸収を増大させることができる。また、第2導電体膜を流れる電流の方向と交差する方向に沿った半導体膜の断面を凹凸形状にすることによって、第2導電体膜を流れる電流は、凹凸形状により距離が長くなった幅の広い領域を、その幅の広い領域の延びる方向に対して交差する距離の短い方向に流れるので、電流の流れる領域の電流密度を低減することができるとともに、抵抗損失を低減することができる。これにより、電流損失を低減することができる。その結果、上記一の局面では、光吸収層による光吸収を増大させることができ、かつ、電流損失を低減することができるので、光起電力装置の出力特性を向上させることができる。また、半導体膜の断面を凹凸形状にすることによって、半導体膜に入射した光を散乱させることができるので、半導体膜における光閉じ込め効果を向上させることができる。これにより、光吸収層による光吸収を増大させることができるので、これによっても、光起電力装置の出力特性を向上させることができる。また、上記のように、第2導電体膜の抵抗損失を低減することができるので、その抵抗損失を低減することができる分、第2導電体膜の厚みを小さくした場合にも、抵抗損失が増大するのを抑制することができる。これにより、第2導電体膜の厚みを小さくすることができるので、第2導電体膜を通過する電子を増大させることができるとともに、第2導電体膜による光吸収を抑制することができる。その結果、光起電力装置の出力特性をより向上させることができる。
上記一の局面による光起電力装置において、好ましくは、光吸収層は、可視光を吸収する色素を含む。このように構成すれば、第2導電体膜上に色素を吸着させることにより、容易に、可視光を吸収する光吸収層を形成することができる。
上記一の局面による光起電力装置において、好ましくは、第2導電体膜は、第1の厚みを有する第1領域と、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2領域とを含み、
第2導電体膜の第2領域は、第2導電体膜を流れる電流の方向に沿って延びるように形成されている。このように構成すれば、第2導電体膜の第1領域の第1の厚みを小さくすることに起因して、第2導電体膜の第1領域を流れる電流に対する抵抗が高くなった場合に、第2導電体膜の第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2領域にも電流が流れるので、電流損失の増大を抑制することができる。また、上記のような効果を有する第2導電体膜を設けることによって、第2導電体膜の第1領域の第1の厚みを小さくすることができるので、第2導電体膜の第1領域を通過する電子をより増大させることができるとともに、第2導電体膜の第1領域による光吸収をより抑制することができる。
上記一の局面による光起電力装置において、好ましくは、第1導電体膜は、半導体膜側に形成され、半導体膜よりも低い屈折率を有する透明導電体膜と、透明導電体膜の半導体膜とは反対側の表面上に形成された金属膜とを含む。このように構成すれば、所定の角度以上の角度で入射した光を、透明導電体膜により全反射させることができるとともに、透明導電体膜を透過した光の一部を、金属膜により反射させることができる。これにより、第1導電体膜が所定の角度以上の角度で入射した光を全反射することができない金属膜のみからなる場合に比べて、半導体膜における光閉じ込め効果をより向上させることができる。
上記一の局面による光起電力装置において、好ましくは、第2導電体膜および光吸収層は、半導体膜の凹凸形状の表面に沿って凹凸形状を反映するように形成されている。このように構成すれば、光吸収層の表面積を容易に大きくすることができるので、光吸収層による光吸収を容易に増大させることができる。また、第2導電体膜を流れる電流は、凹凸形状により距離が長くなった幅の広い領域を、その幅の広い領域の延びる方向に対して交差する距離の短い方向に流れるので、容易に、電流の流れる領域の電流密度を低減することができるとともに、抵抗損失を低減することができる。これにより、電流損失を容易に低減することができるので、第2導電体膜の厚みを小さくした場合にも、抵抗損失が増大するのを容易に抑制することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に従って作製した実施例1による色素増感型の光起電力装置の構造を示した斜視図であり、図2は、図1の100−100線に沿った断面図である。図1および図2を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例1による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。
実施例1による色素増感型の光起電力装置10では、図1および図2に示すように、1μmの厚みを有するAlからなる裏面電極1上に、8μmの厚みを有するTiO膜2が形成されている。このTiO膜2は、Alからなる裏面電極1に対してオーミック接触するとともに、可視光に対して透明である。なお、裏面電極1は、本発明の「第1導電体膜」の一例であり、TiO膜2は、本発明の「半導体膜」の一例である。
ここで、実施例1では、図1および図2に示すように、TiO膜2は、複数の突出部2aと平坦部2bとを含んでいる。TiO膜2の複数の突出部2aは、図1中のA方向と直交する方向に沿ったTiO膜2の断面が櫛状の凹凸形状になるように形成されている。具体的には、複数の突出部2aは、所定の角度傾斜した平坦な側面を有するとともに、A方向に沿って連続して延びるように形成されている。また、複数の突出部2aは、5μmの平均高さを有するとともに、1μmの平均ピッチ(間隔)で配置されている。すなわち、アスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)は、5である。
また、実施例1では、TiO膜2の複数の突出部2a上に、20nmの厚みを有するAuからなる対向電極3が形成されている。この対向電極3は、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように形成されている。そして、対向電極3とTiO膜2とによって、ショットキー接合が形成されている。なお、対向電極3は、本発明の「第2導電体膜」の一例である。また、図1に示すように、TiO膜2の平坦部2b上には、対向電極3(図2参照)を流れる電流が図1中のA方向(突出部2aの延びる方向)に沿って流れるように、Auからなる取り出し電極4が対向電極3と電気的に接続するように形成されている。具体的には、取り出し電極4は、図1のA方向と直交する方向に沿って延びるように形成されている。また、TiO膜2の複数の突出部2aおよび対向電極3を覆うように、かつ、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、可視光を吸収するメルブロミン色素膜5が形成されている。なお、メルブロミン色素膜5は、本発明の「光吸収層」の一例であり、メルブロミン色素は、本発明の「色素」の一例である。
図3〜図13は、図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。次に、図1〜図13を参照して、上記実施例1による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図2に示した複数の突出部2aを含むTiO膜2を形成するための鋳型を作製した。具体的には、図3に示すように、(100)面を表面とする単結晶シリコンウェハ11を900℃の温度条件下で熱酸化することによって、単結晶シリコンウェハ11上に、100nmの厚みを有するシリコン酸化膜12を形成した。この後、シリコン酸化膜12上の所定領域に、レジスト13を形成した。
次に、レジスト13をマスクとして、シリコン酸化膜12をエッチングすることによって、図4の紙面に対して垂直方向に延びるマスク層12aを図4の横方向に所定の間隔を隔てて複数形成した。このマスク層12aは、隣接するマスク層12a間の間隔が1μmの幅を有するとともに、1μmのピッチで配置されるように形成した。この後、レジスト13を除去した。
次に、図5に示すように、マスク層12aをマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いて、単結晶シリコンウェハ11をエッチングすることによって、単結晶シリコンウェハ11に、図5の紙面に対して垂直方向に延びる突出部11aを図5の横方向に所定の間隔を隔てて複数形成した。また、単結晶シリコンウェハ11の複数の突出部11aは、櫛状(1μmのピッチ)の凹凸形状の断面を有するように、かつ、所定の角度傾斜した平坦な側面を有するように形成した。また、単結晶シリコンウェハ11の複数の突出部11aは、5μmの高さを有するように形成した。このエッチングの際の反応ガスとして、ClガスとCHFガス(0%〜20%)とを用いるとともに、エッチングの際の基板温度を、20℃に設定した。この後、HF系エッチャントを用いて、シリコン酸化膜からなるマスク層12aを除去することによって、図6に示す状態にした。そして、単結晶シリコンウェハ11の複数の突出部11aの側面を平滑化するために、単結晶シリコンウェハ11を水素雰囲気下で加熱した。
次に、減圧雰囲気下において、硬化剤が添加されたMMA(メチルメタクリレート)モノマー中に単結晶シリコンウェハ11を浸漬した。この後、図7に示すように、MMAを常温で硬化することによって、図7の紙面に対して垂直方向に延びる複数の突出部14aを有する1cm角のPMMA鋳型14を作製した。このPMMA鋳型14の複数の突出部14aは、5μmの高さで櫛状(1μmのピッチ)の凹凸形状の断面を有するように、かつ、所定の角度傾斜した平坦な側面を有するように作製された。この後、単結晶シリコンウェハ11からPMMA鋳型14を剥離して図8の状態とした。この際、単結晶シリコンウェハ11の複数の突出部11aの側面が平滑化されているので、容易に、単結晶シリコンウェハ11からPMMA鋳型14を剥離することができた。
次に、0.1mol/lの(NHTiFと0.2mol/lのHBOとが混合された70℃の水溶液中に、PMMA鋳型14を浸漬した。そして、図9に示すように、PMMA鋳型14上にTiOを析出させることによって、8μmの厚みを有するとともに、所定の方向(図1の矢印A方向)に沿って延びる複数の突出部2aを有する1cm角のTiO膜2を形成した。具体的には、TiO膜2の複数の突出部2aは、櫛状(1μmのピッチ)の凹凸形状の断面を有するように、かつ、所定の角度傾斜した平坦な側面を有するように形成した。また、TiO膜2の複数の突出部2aは、5μmの高さを有するように形成した。この後、PMMA鋳型14からTiO膜2を剥離することによって、図10に示す状態にした。この際、実施例1では、TiO膜2の複数の突出部2aが図1の矢印A方向に沿って延びるように形成されているので、TiO膜2を複数の突出部2aの延びる方向に沿ってずらしながら、PMMA鋳型14(図9参照)から剥離することができた。このため、容易に、離型作業を行うことができた。この後、TiO膜2を450℃の温度条件下で1時間加熱することによって、TiO膜2に導電性を付与した。
次に、図11に示すように、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、TiO膜2の裏面上に、1μmの厚みを有するAlからなる裏面電極1を形成した。
次に、図12に示すように、抵抗加熱蒸着法を用いて、TiO膜2の複数の突出部2aの表面上に、Au粒子3aを堆積した。この際、スリット板(図示せず)を用いて、所定の方向(図12中の矢印方向)に進むAu粒子3aのみが堆積されるように制御した。ここで、実施例1では、TiO膜2の複数の突出部2aが所定の角度傾斜した平坦な側面を有するので、容易に、複数の突出部2a上にAu粒子3aを均一に堆積することができた。このようにして、図13に示すように、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、20nmの厚みを有するAuからなる対向電極3を形成した。この対向電極3の形成と同時に、TiO膜2の平坦部2b(図1参照)上に、対向電極3と電気的に接続されるAuからなる取り出し電極4を、A方向と直交する方向に沿って延びるように形成した。
次に、5mMのメルブロミン色素が溶解されたメルブロミン水溶液(2,7−dibromo−5−(hydroxymercurio)fluorescein disodium salt)中に、TiO膜2の複数の突出部2aおよび対向電極3を10時間浸漬した。この後、複数の突出部2aおよび対向電極3を水洗した後、乾燥することによって、図1および図2に示したように、複数の突出部2aおよび対向電極3を覆うように、かつ、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、可視光を吸収するメルブロミン色素膜5を形成した。このようにして、実施例1による1cm角の色素増感型の光起電力装置10を作製した。
(比較例1)
図14は、比較例1による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。図14を参照して、比較例1による色素増感型の光起電力装置の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
この比較例1による色素増感型の光起電力装置20では、図14に示すように、平坦な表面を有するTiO膜22上に、光起電力装置を構成する各膜を形成した。すなわち、抵抗加熱蒸着法を用いて、3μmの厚みを有するとともに、平坦な表面を有するTiO膜22上に、20nmの厚みを有するとともに、平坦な表面を有するAuからなる対向電極23を形成した。次に、上記実施例1と同様のメルブロミン水溶液を用いて、平坦な表面を有する対向電極23上に、可視光を吸収するメルブロミン色素膜25を形成した。なお、TiO膜22の裏面上には、上記実施例1と同様、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、1μmの厚みを有するAlからなる裏面電極1を形成した。このようにして、比較例1による1cm角の色素増感型の光起電力装置20を作製した。
(比較例2)
図15は、比較例2による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。なお、図15中の200−200線に沿った断面図は、図2に示した実施例1の断面図と同様である。図2および図15を参照して、比較例2による色素増感型の光起電力装置の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
この比較例2による色素増感型の光起電力装置30では、図15に示すように、抵抗加熱蒸着法を用いて対向電極3(図2参照)を形成する際に、TiO膜2の平坦部2b上に、対向電極3を流れる電流が図15中のB方向(突出部2a(図2参照)の延びる方向と直交する方向)に沿って流れるように、Auからなる取り出し電極34も同時に形成した。すなわち、比較例2では、図1に示した実施例1の構造において、取り出し電極4に代えて、図15に示した取り出し電極34を形成した。具体的には、図15に示すように、取り出し電極34を、B方向と直交する方向に沿って延びるように形成した。なお、比較例2のその他の作製プロセスは、上記実施例1と同様である。このようにして、比較例2による1cm角の色素増感型の光起電力装置30を作製した。
(実施例1、比較例1および比較例2共通)
[出力特性実験]
次に、上記のようにして作製した実施例1、比較例1および比較例2による色素増感型の光起電力装置について、出力特性実験を行った。具体的には、短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(F.F.)および変換効率(Pmax)を測定した。なお、短絡電流は、光起電力装置に光を当てた際に流れる電流を、光起電力装置の表面電極と裏面電極との間に電流計を接続して測定した電流であり、負荷がない場合の出力電流値である。また、開放電圧は、光起電力装置に光を当てた際に発生する電圧を、表面電極と裏面電極との間に電圧計を接続して測定した電圧であり、電流を流さない状態での出力電圧値である。また、曲線因子は、セル出力を開放電圧と短絡電流との積で除した値であり、この曲線因子の値が1に近づくほど、光起電力装置の電流電圧特性が優れているといえる。ここで、セル出力とは、光起電力装置に負荷抵抗を接続したときに、負荷抵抗を変化させて最大の電力が得られる場合の電圧および電流の積である。
また、この出力特性実験は、光スペクトル:AM1.5グローバル、光強度:100mW/cmおよび測定温度25℃の擬似太陽光照射条件下で行った。ここで、AM(Air Mass)とは、地球大気に入射する直達太陽光が通過する路程の標準状態の大気(標準気圧1013hPa)に垂直に入射した場合の路程に対する比である。この測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2005108909
上記表1を参照して、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2を用いた実施例1の方が、平坦な表面を有するTiO膜22を用いた比較例1よりも出力特性が向上していることが判明した。具体的には、比較例1の変換効率が3×10−4(0.0003)%であったのに対し、実施例1の変換効率は0.02%であった。すなわち、実施例1の変換効率は、比較例1の変換効率の約70倍であった。
また、実施例1の短絡電流(0.08mA)は、比較例1の短絡電流(0.001mA)よりも高くなることが判明した。これは、TiO膜2の複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように形成されたメルブロミン色素膜5の表面積が大きくなったことにより、メルブロミン色素膜5による光吸収が増大したためであると考えられる。また、TiO膜2に入射した光が櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aにより散乱されることにより、TiO膜2における光閉じ込め効果が向上し、これによって、メルブロミン色素膜5による光吸収が増大したためであるとも考えられる。
また、対向電極3を流れる電流が突出部2aの延びる方向に沿って流れるように取り出し電極4を設けた実施例1の方が、対向電極3を流れる電流が突出部2aの延びる方向と直交する方向に沿って流れるように取り出し電極34を設けた比較例2よりも出力特性が向上していることが判明した。具体的には、比較例2では、実質的に電流を取り出すことができなかった。この理由を図16を参照して説明する。図16には、凹凸形状を凹凸形状の延びる方向に引き延ばして平坦化した場合の対向電極3が模式的に示されている。上記のように、比較例2の電流損失が増大したのは、図16に示すように、対向電極3を流れる電流が凹凸形状により距離が長くなった領域の表面に沿った方向(図16のB方向)に流れることにより、対向電極3を流れる電流の距離が長くなったためであると考えられる。その一方、実施例1では、対向電極3を流れる電流が、凹凸形状により距離が長くなった幅の広い領域を、距離の短い方向(図16のA方向)に流れるので、抵抗損失を大幅に低減することができると考えられる。このため、実施例1では、比較例2に比べて出力特性が向上したと考えられる。
実施例1では、上記のように、TiO膜2の断面が櫛状の凹凸形状になるように複数の突出部2aを設けることによって、複数の突出部2a上に形成される対向電極3が複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように形成されるので、対向電極3の表面積を大きくすることができる。これにより、対向電極3上に形成されるメルブロミン色素膜5の表面積も大きくすることができるので、メルブロミン色素膜5による光吸収を増大させることができる。また、対向電極3を流れる電流の方向(A方向)と直交する方向に沿ったTiO膜2の断面が櫛状の凹凸形状になるように複数の突出部2aを設けることによって、対向電極3を流れる電流は、図16に示したように、凹凸形状により距離が長くなった幅の広い領域を距離の短い方向(A方向)に流れるので、電流の流れる領域の電流密度を低減することができるとともに、抵抗損失を低減することができる。これにより、電流損失を低減することができる。その結果、実施例1では、メルブロミン色素膜5による光吸収を増大させることができ、かつ、電流損失を低減することができるので、光起電力装置の出力特性を向上させることができる。また、TiO膜2の断面が櫛状の凹凸形状になるように複数の突出部2aを設けることによって、TiO膜2に入射した光を散乱させることができるので、TiO膜2における光閉じ込め効果を向上させることができる。これにより、メルブロミン色素膜5による光吸収を増大させることができるので、これによっても、光起電力装置の出力特性を向上させることができる。
(実施例2)
図17は、本発明に従って作製した実施例2による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。図17を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例2による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。この実施例2では、上記実施例1と異なり、対向電極を2層構造にした例について説明する。なお、実施例2のその他の構造は、上記実施例1と同様である。
この実施例2による色素増感型の光起電力装置40では、図17に示すように、上記実施例1と同様、裏面電極1上に、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2が形成されている。
ここで、実施例2では、TiO膜2の複数の突出部2a上に、10nmの厚みを有するAu膜43aと、500nmの厚みを有するAu膜43bとによって構成される対向電極43が形成されている。具体的には、対向電極43を構成するAu膜43aは、複数の突出部2aに接触するように形成されているとともに、TiO膜2とショットキー接合を形成している。また、Au膜43aは、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように形成されている。そして、対向電極43を構成するAu膜43bは、複数の突出部2aの先端部近傍の一方の側面上に位置するAu膜43a上のみに形成されている。また、Au膜43bは、複数の突出部2aの延びる方向(図1のA方向)に沿って延びるように形成されている。なお、対向電極43は、本発明の「第2導電体膜」の一例である。また、Au膜43aおよび43bは、それぞれ、本発明の「第2導電体膜の第1領域」および「第2導電体膜の第2領域」の一例である。
また、実施例2では、TiO膜2の平坦部(図示せず)上に、対向電極43を流れる電流が突出部2aの延びる方向に沿って流れるように、図1に示した実施例1の取り出し電極4と同様のAuからなる取り出し電極(図示せず)が形成されている。また、TiO膜2の複数の突出部2aおよび対向電極43を覆うように、かつ、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、図17に示す可視光を吸収するメルブロミン色素膜45が形成されている。なお、メルブロミン色素膜45は、本発明の「光吸収層」の一例である。
次に、上記実施例2による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図3〜図11に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2を形成するとともに、TiO膜2の裏面上に裏面電極1を形成した。
次に、実施例2では、図17に示したように、抵抗加熱蒸着法を用いて、TiO膜2の複数の突出部2a上に、10nmの厚みを有するAu膜43aと、500nmの厚みを有するAu膜43bとによって構成される対向電極43を形成した。具体的には、まず、Au膜43aを、TiO膜2の複数の突出部2a上に、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように形成した。この際、図1に示した実施例1の取り出し電極4と同様のAuからなる取り出し電極(図示せず)も同時に形成した。この後、TiO膜2を所定の角度傾斜させた状態で、Au膜43bを、複数の突出部2aの先端部近傍の一方の側面上に位置するAu膜43a上のみに、複数の突出部2aの延びる方向(図1のA方向)に沿って延びるように形成した。
最後に、上記実施例1と同様のメルブロミン水溶液を用いて、TiO膜2の複数の突出部2aおよび対向電極43を覆うように、かつ、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、可視光を吸収するメルブロミン色素膜45を形成した。このようにして、実施例2による1cm角の色素増感型の光起電力装置40を作製した。
[出力特性実験]
次に、上記のようにして作製した実施例2による色素増感型の光起電力装置について、出力特性実験を行った。この測定結果を以下の表2に示す。なお、出力特性実験の条件は、上記した実施例1、比較例1および比較例2による色素増感型の光起電力装置について行った出力特性実験と同様である。
Figure 2005108909
上記表1および表2を参照して、10nmの厚みを有するAu膜43aと、500nmの厚みを有するAu膜43bとによって構成される対向電極43を用いた実施例2は、20nmの厚みを有する1つのAu膜のみによって構成される対向電極3を用いた上記実施例1よりも出力特性が向上していることが判明した。具体的には、上記実施例1の変換効率が0.02%であったのに対し、実施例2の変換効率は0.043%であった。
また、実施例2の短絡電流(0.14mA)は、上記実施例1の短絡電流(0.08mA)よりも高くなることが判明した。これは、対向電極43を構成するAu膜43aの厚み(10nm)が、上記実施例1の対向電極3の厚みである20nmよりも小さいことにより、Au膜43aを通過する電子が増大し、かつ、Au膜43aによる光吸収が抑制されたためであると考えられる。また、実施例2の曲線因子(0.48)は、上記実施例1の曲線因子(0.48)と同じ値になることが判明した。これは、Au膜43aの厚み(10nm)が小さいことに起因して、Au膜43aを流れる電流に対する抵抗が高くなったとしても、Au膜43aの厚み(10nm)よりも大きい厚み(500nm)を有するAu膜43bにも電流が流れることにより、電流の損失が増大するのが抑制されたためであると考えられる。
実施例2では、上記のように、10nmの厚みを有するAu膜43aと、500nmの厚みを有するAu膜43bとによって構成される対向電極43を用いることによって、対向電極43のAu膜43aの厚み(10nm)を小さくすることに起因して、Au膜43aを流れる電流に対する抵抗が高くなった場合に、対向電極43のAu膜43aの厚み(10nm)よりも大きい厚み(500nm)を有するAu膜43bにも電流が流れるので、電流損失の増大を抑制することができる。また、厚みの大きいAu膜43bを設けることによって、対向電極43のAu膜43aの厚み(10nm)を小さくすることができるので、Au膜43aを通過する電子をより増大させることができるとともに、Au膜43aによる光吸収をより抑制することができる。さらに、実施例2では、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2を用いるとともに、対向電極43を流れる電流が突出部2aの延びる方向に沿って流れるように構成することによって、上記実施例1と同様の効果も得ることができる。その結果、光起電力装置の出力特性をより向上させることができる。
(実施例3)
図18は、本発明に従って作製した実施例3による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。図18を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例3による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。この実施例3では、上記実施例1と異なり、裏面電極を2層構造にした例について説明する。なお、実施例3のその他の構造は、上記実施例1と同様である。
この実施例3による色素増感型の光起電力装置50では、図18に示すように、200nmの厚みを有するAg膜51a上に、100nmの厚みを有するITO(酸化インジウム錫)膜51bが形成されている。ここで、ITO膜51bの屈折率は、2である。そして、Ag膜51aとITO膜51bとの2層によって、裏面電極51が構成されている。なお、裏面電極51は、本発明の「第1導電体膜」の一例である。また、Ag膜51aおよびITO膜51bは、それぞれ、本発明の「金属膜」および「透明導電体膜」の一例である。
また、実施例3では、上記実施例1と同様、裏面電極51(ITO膜51b)上に、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2が形成されている。ここで、TiO膜2の屈折率は、2.45である。また、TiO膜2は、裏面電極51を構成するITO膜51bに対してオーミック接触している。TiO膜2の複数の突出部2a上には、上記実施例1と同様の対向電極3およびメルブロミン色素膜5が順次形成されている。また、TiO膜2の平坦部(図示せず)上には、図1に示した実施例1の取り出し電極4と同様の取り出し電極(図示せず)が形成されている。
次に、上記実施例3による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図3〜図10に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2を形成した。
次に、実施例3では、図18に示したように、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、TiO膜2の裏面上に、TiO膜2に近い方から順に、100nmの厚みを有するITO膜51bおよび200nmの厚みを有するAg膜51aを形成した。
次に、図12および図13に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、TiO膜2の複数の突出部2a上に、対向電極3を形成するとともに、TiO膜2の平坦部(図示せず)上に、図1に示した実施例1の取り出し電極4と同様の取り出し電極(図示せず)を形成した。
最後に、上記実施例1と同様のメルブロミン水溶液を用いて、TiO膜2の複数の突出部2aおよび対向電極3を覆うように、かつ、複数の突出部2aの櫛状の凹凸形状の表面に沿って櫛状の凹凸形状を反映するように、可視光を吸収するメルブロミン色素膜5を形成した。このようにして、実施例3による1cm角の色素増感型の光起電力装置50を作製した。
[出力特性実験]
次に、上記のようにして作製した実施例3による色素増感型の光起電力装置について、出力特性実験を行った。この測定結果を以下の表3に示す。なお、出力特性実験の条件は、上記した実施例1、比較例1および比較例2による色素増感型の光起電力装置について行った出力特性実験と同様である。
Figure 2005108909
上記表1および表3を参照して、Ag膜51aと、TiO膜2よりも低い屈折率を有するITO膜51bとによって構成される裏面電極51を用いた実施例3は、1つのAl膜のみによって構成される裏面電極1を用いた上記実施例1よりも出力特性が向上していることが判明した。具体的には、上記実施例1の変換効率が0.02%であったのに対し、実施例3の変換効率は0.03%であった。
また、実施例3の短絡電流(0.1mA)は、上記実施例1の短絡電流(0.08mA)よりも高くなることが判明した。これは、実施例3の裏面電極51において、所定の角度以上の角度で入射した光がITO膜51bにより全反射されるとともに、ITO膜51bを透過した光の一部がAg膜51aにより反射されることにより、TiO膜2における光閉じ込め効果が向上したためであると考えられる。その一方、1つのAl膜のみによって構成される裏面電極1を用いた上記実施例1では、実施例3の裏面電極51と異なり、所定の角度以上で入射した光を全反射させることができないので、実施例3と同様の光閉じ込め効果を得るのが困難であったと考えられる。
実施例3では、上記のように、Ag膜51aと、TiO膜2よりも低い屈折率を有するITO膜51bとによって構成される裏面電極51を用いることによって、TiO膜2における光閉じ込め効果を向上させることができるので、メルブロミン色素膜5による光吸収を増大させることができる。さらに、実施例3では、櫛状の凹凸形状の断面を有する複数の突出部2aを含むTiO膜2を用いるとともに、対向電極3を流れる電流が突出部2aの延びる方向に沿って流れるように構成することによって、上記実施例1と同様の効果も得ることができる。その結果、光起電力装置の出力特性をより向上させることができる。
(実施例4)
図19は、本発明に従って作製した実施例4による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図である。図19を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例4による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。
この実施例4による色素増感型の光起電力装置60では、図19に示すように、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置10が2つ接着されている。また、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61は、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げられている。
次に、上記実施例4による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図1〜図13に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、色素増感型の光起電力装置10を2つ作製した。
次に、実施例4では、図19に示したように、導電性の接着剤を用いて、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、2つの光起電力装置10を接着した。この後、波型の金型を用いて、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61を、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げた。このようにして、実施例4による1cm角の色素増感型の光起電力装置60を作製した。
[出力特性実験]
次に、上記のようにして作製した実施例4による色素増感型の光起電力装置について、出力特性実験を行った。この測定結果を以下の表4に示す。なお、出力特性実験の条件は、上記した実施例1、比較例1および比較例2による色素増感型の光起電力装置について行った出力特性実験と同様である。
Figure 2005108909
上記表1および表4を参照して、波型になるように折り曲げられた銅箔61上に2つの光起電力装置10が接着された実施例4による光起電力装置60は、上記実施例1による光起電力装置10よりも変換効率が向上していることが判明した。具体的には、上記実施例1の変換効率が0.02%であったのに対し、実施例4の変換効率は0.047%であった。
また、実施例4の短絡電流(0.17mA)は、上記実施例1の短絡電流(0.08mA)よりも高くなることが判明した。ここで、実施例4による光起電力装置60は、波型になるように折り曲げられた銅箔61上に2つの光起電力装置10が接着された構成を有するので、メルブロミン色素膜5が2倍に増加するとともに、光起電力装置60から出射された反射光を再び光起電力装置60に入射させることができる。これにより、メルブロミン色素膜5による光吸収を増加させることができるので、実施例4の短絡電流(0.17mA)が上記実施例1の短絡電流(0.08mA)よりも高くなったと考えられる。なお、後述する実施例5および6についても、実施例4と同様の効果が得られると考えられる。
(実施例5)
図20は、本発明に従って作製した実施例5による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図である。図20を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例5による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。
この実施例5による色素増感型の光起電力装置70では、図20に示すように、上記実施例4と同様、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置10が2つ接着されている。また、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61は、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げられている。
ここで、実施例5では、上記実施例4と異なり、銅箔61上に接着された2つの光起電力装置10は、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する部分が除去されている。
次に、上記実施例5による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図1〜図13に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、色素増感型の光起電力装置10を2つ作製した。
次に、実施例5では、図20に示したように、導電性の接着剤を用いて、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、2つの光起電力装置10を接着した。この後、レーザを用いて、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する光起電力装置10の部分を除去した。最後に、波型の金型を用いて、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61を、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げた。このようにして、実施例5による1cm角の色素増感型の光起電力装置70を作製した。
(実施例6)
図21は、本発明に従って作製した実施例6による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図であり、図22は、図21に示した実施例6による色素増感型の光起電力装置の拡大断面図である。図21および図22を参照して、まず、本発明に従って作製した実施例6による色素増感型の光起電力装置の構造について説明する。
この実施例6による色素増感型の光起電力装置80では、図21に示すように、上記実施例5と同様、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置10が2つ接着されている。また、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61は、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げられている。また、銅箔61上に形成された2つの光起電力装置10は、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する部分が除去されている。
ここで、実施例6では、上記実施例5と異なり、銅箔61上に接着された2つの光起電力装置10上に、透明樹脂膜81が形成されている。具体的には、透明樹脂膜81は、図22に示すように、TiO膜2の複数の突出部2a上に形成されたメルブロミン色素膜5間の隙間を埋めるように形成されている。
次に、上記実施例6による色素増感型の光起電力装置を実際に作製した際の作製プロセスについて説明する。
[光起電力装置の作製]
まず、図1〜図13に示した実施例1と同様の作製プロセスを用いて、色素増感型の光起電力装置10を2つ作製した。
次に、実施例6では、上記実施例5と同様、図21に示したように、導電性の接着剤を用いて、0.1mmの厚みを有する銅箔61上に、2つの光起電力装置10を接着した後、レーザを用いて、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する光起電力装置10の部分を除去した。
この後、実施例6では、上記実施例5と異なり、2つの光起電力装置10上に、透明樹脂膜81を形成した。具体的には、減圧雰囲気下において、硬化剤が添加されたMMAモノマーを主成分とする透明樹脂材料(三菱レイヨン社製:アクリルボンド)中に、2つの光起電力装置10を浸漬した後、透明樹脂材料を常温で乾燥した。その後、図22に示したように、透明樹脂材料を常温(25℃)で一晩放置することによって、TiO膜2の複数の突出部2a上に形成されたメルブロミン色素膜5間の隙間を埋めるように、透明樹脂膜81を形成した。最後に、図21に示したように、波型の金型を用いて、2つの光起電力装置10が接着された銅箔61を、1mmの高さと1mmのピッチとを有する波型になるように折り曲げた。このようにして、実施例6による1cm角の色素増感型の光起電力装置を作製した。
(実施例4〜実施例6共通)
[歩留まり率測定]
次に、上記のようにして作製した実施例4〜6による色素増感型の光起電力装置の歩留まり率を調べた。この結果を以下の表5に示す。
Figure 2005108909
上記表5を参照して、光起電力装置10が接着された銅箔61をそのまま折り曲げた実施例4、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する光起電力装置10の部分を除去した後に折り曲げた実施例5、および、光起電力装置10上に透明樹脂膜81を形成した後に折り曲げた実施例6の歩留まり率は、それぞれ、40%、85%および92%であった。すなわち、実施例5および6の歩留まり率は、実施例4の歩留まり率よりも向上することが判明した。これは、銅箔61の曲率が最大となる領域61aに位置する光起電力装置10の部分を除去することにより、曲率が最大となる領域61a近傍に位置する光起電力装置10の部分から発生するひび割れが抑制されたためであると考えられる。また、実施例5と実施例6とを比較して、実施例6の方が歩留まり率が向上したのは、光起電力装置10上に形成された透明樹脂膜81により、光起電力装置10を構成するTiO膜2の複数の突出部2aが曲がり難くなったためであると考えられる。
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施例では、TiO膜2の断面が櫛状の凹凸形状になるように、所定の角度傾斜した平坦な側面を有する複数の突出部2aを設けたが、本発明はこれに限らず、図23に示す第1変形例のように、複数の矩形状の突出部92aを含むTiO膜92を用いるとともに、そのTiO膜92上に、対向電極93およびメルブロミン色素膜95を順次形成するようにしてもよい。なお、TiO膜92、対向電極93およびメルブロミン色素膜95は、それぞれ、本発明の「半導体膜」、「第2導電体膜」および「光吸収層」の一例である。また、図24に示す第2変形例のように、傾斜角度(αおよびβ)が異なる2つの平坦な側面を有する複数の突出部102aを含むTiO膜102を用いるとともに、そのTiO膜102上に、対向電極103およびメルブロミン色素膜105を順次形成するようにしてもよい。なお、TiO膜102、対向電極103およびメルブロミン色素膜105は、それぞれ、本発明の「半導体膜」、「第2導電体膜」および「光吸収層」の一例である。また、図25に示す第3変形例のように、凸状の円弧状の側面を有する複数の突出部112aを含むTiO膜112を用いるとともに、そのTiO膜112上に、対向電極113およびメルブロミン色素膜115を順次形成するようにしてもよい。なお、TiO膜112、対向電極113およびメルブロミン色素膜115は、それぞれ、本発明の「半導体膜」、「第2導電体膜」および「光吸収層」の一例である。また、図26に示す第4変形例のように、凹状の円弧状の側面を有する複数の突出部122aを含むTiO膜122を用いるとともに、そのTiO膜122上に、対向電極123およびメルブロミン色素膜125を順次形成するようにしてもよい。なお、TiO膜122、対向電極123およびメルブロミン色素膜125は、それぞれ、本発明の「半導体膜」、「第2導電体膜」および「光吸収層」の一例である。
また、上記実施例では、TiO膜の複数の突出部のアスペクト比(平均高さ/平均ピッチ)を5に設定したが、本発明はこれに限らず、アスペクト比をより高くしてもよい。この場合には、光吸収層の形成領域をより増大させることができるので、光吸収層による光吸収をより増大させることができる。
また、上記実施例では、TiO膜の複数の突出部を1μmのピッチで等間隔に配置したが、本発明はこれに限らず、複数の突出部を等間隔に配置せずに、異なる間隔で配置するようにしてもよい。
また、上記実施例では、半導体膜としてTiO膜を用いたが、本発明はこれに限らず、可視光に対して透明であるとともに、適度な導電性を有していれば、TiO膜以外の半導体膜を用いてもよい。たとえば、TiO膜以外の半導体膜としては、ZnO膜、Fe膜、ZrO膜、Nb膜、SnO膜およびIn膜などが挙げられる。なお、上記した半導体膜を用いた場合においても、上記実施例と同様の作製プロセスを用いることができる。
また、上記実施例では、Auからなる対向電極を用いたが、本発明はこれに限らず、TiOとショットキー接合を形成することが可能であれば、Au以外の材料からなる対向電極を用いてもよい。たとえば、Au以外の材料としては、Ag、CuおよびWからなるグループより選択される少なくとも1つを主成分とする材料などが挙げられる。
また、上記実施例では、光吸収層としてメルブロミン色素膜を用いたが、本発明はこれに限らず、可視光を吸収する色素であれば、メルブロミン以外の色素を光吸収層として用いてもよい。たとえば、メルブロミン以外の色素としては、Ru錯体色素、クロロフィル、フタロシアニン系色素、ローダミンおよびローズベンガルなどが挙げられる。また、可視光を吸収する半導体を光吸収層として用いてもよい。この場合には、CVD法やスパッタリング法などを用いて半導体からなる光吸収層を形成することができる。
また、上記実施例では、対向電極を流れる電流の方向と直交する方向に沿ったTiO膜の断面が櫛状の凹凸形状になるように複数の突出部を設けたが、本発明はこれに限らず、対向電極を流れる電流の方向と交差する方向に沿ったTiO膜の断面が凹凸形状であればよい。
また、上記実施例では、TiO膜を450℃の温度条件下で1時間加熱することによって、TiO膜2に導電性を付与したが、本発明はこれに限らず、Ndなどのドーパントをドープするとともに、熱活性化することによって、TiO膜に導電性を付与してもよい。
また、上記実施例では、硬化剤が添加されたMMAモノマー中に複数の突出部を有する単結晶シリコンウェハを浸漬した後、MMAを常温で硬化することによって、PMMA鋳型を作製したが、本発明はこれに限らず、熱硬化性樹脂をガラス転移点以上の温度条件下で加熱しながら、複数の突出部を有する単結晶シリコンウェハに熱硬化性樹脂を押し付けることによって、熱硬化性樹脂からなる鋳型を作製してもよい。
また、上記実施例では、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、TiO膜の裏面上に裏面電極を形成したが、本発明はこれに限らず、抵抗加熱蒸着法などを用いてもよい。
また、上記実施例では、抵抗加熱蒸着法を用いて、TiO膜の複数の突出部上に対向電極を形成したが、本発明はこれに限らず、コリメートスパッタリング法や電解めっき法などを用いてもよい。
また、上記実施例1および3〜6では、20nmの厚みを有する対向電極を用いたが、本発明はこれに限らず、対向電極の厚みが、10nm以上100nm以下であればよい。なお、10nmよりも小さい厚みを有する対向電極を形成しようとすると、対向電極を構成する材料を膜状に成長させるのが困難であるという不都合がある。また、100nmよりも大きい厚みを有する対向電極では、光起電力装置の出力特性が劣化するという不都合がある。
また、上記実施例1、2および4〜6では、Alからなる裏面電極を用いたが、本発明はこれに限らず、TiOに対してオーミック接触すれば、Al以外の材料からなる裏面電極を用いてもよい。たとえば、Al以外の材料としては、MgおよびTiなどが挙げられる。
また、上記実施例2では、10nmの厚みを有するAu膜43aと、Au膜43a上に部分的に形成される500nmの厚みを有するAu膜43bとによって構成される対向電極43を用いたが、本発明はこれに限らず、Au膜43a上に、Au膜43bに代えて、Al、Ag、Cu、MgおよびWなどからなる金属膜を形成するようにしてもよい。
また、上記実施例3では、Ag膜とITO膜とによって構成される裏面電極を用いたが、本発明はこれに限らず、ITO膜に代えて、ZnOなどのTiOの屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる透明導電体膜を用いてもよい。また、Ag膜に代えて、Al膜を用いてもよい。
本発明に従って作製した実施例1による色素増感型の光起電力装置の構造を示した斜視図である。 図1の100−100線に沿った断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 図1および図2に示した実施例1による色素増感型の光起電力装置の実際の作製プロセスを説明するための断面図である。 比較例1による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 比較例2による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 凹凸形状を凹凸形状の延びる方向に引き延ばして平坦化した場合の対向電極を模式的に示した斜視図である。 本発明に従って作製した実施例2による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 本発明に従って作製した実施例3による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 本発明に従って作製した実施例4による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図である。 本発明に従って作製した実施例5による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図である。 本発明に従って作製した実施例6による色素増感型の光起電力装置の構造を示した概略図である。 図21に示した実施例6による色素増感型の光起電力装置の拡大断面図である。 実施例の第1変形例による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 実施例の第2変形例による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 実施例の第3変形例による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 実施例の第4変形例による色素増感型の光起電力装置の構造を示した断面図である。 従来の色素増感型の光起電力装置の構造を模式的に示した断面図である。 従来の提案された色素増感型の光起電力装置の構造を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1、51 裏面電極(第1導電体膜)
2、92、102、112、122 TiO膜(半導体膜)
3、43、93、103、113、123 対向電極(第2導電体膜)
5、45、95、105、115、125 メルブロミン色素膜(光吸収層)
43a Au膜(第2導電体膜の第1領域)
43b Au膜(第2導電体膜の第2領域)
51a Ag膜(金属膜)
51b ITO膜(透明導電体膜)

Claims (5)

  1. 一方の電極として機能する第1導電体膜と、
    前記第1導電体膜上に形成され、少なくとも可視光に対して透明である半導体膜と、
    前記半導体膜上に形成され、前記半導体膜とショットキー接合を形成するとともに、他方の電極として機能する第2導電体膜と、
    前記第2導電体膜上に形成され、可視光を吸収する光吸収層とを備え、
    前記第2導電体膜を流れる電流の方向と交差する方向に沿った前記半導体膜の断面は、凹凸形状である、光起電力装置。
  2. 前記光吸収層は、可視光を吸収する色素を含む、請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記第2導電体膜は、第1の厚みを有する第1領域と、前記第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2領域とを含み、
    前記第2導電体膜の第2領域は、前記第2導電体膜を流れる電流の方向に沿って延びるように形成されている、請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 前記第1導電体膜は、
    前記半導体膜側に形成され、前記半導体膜よりも低い屈折率を有する透明導電体膜と、
    前記透明導電体膜の前記半導体膜とは反対側の表面上に形成された金属膜とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光起電力装置。
  5. 前記第2導電体膜および前記光吸収層は、前記半導体膜の凹凸形状の表面に沿って前記凹凸形状を反映するように形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光起電力装置。
JP2003336607A 2003-09-29 2003-09-29 光起電力装置 Pending JP2005108909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003336607A JP2005108909A (ja) 2003-09-29 2003-09-29 光起電力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003336607A JP2005108909A (ja) 2003-09-29 2003-09-29 光起電力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005108909A true JP2005108909A (ja) 2005-04-21

Family

ID=34532656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003336607A Pending JP2005108909A (ja) 2003-09-29 2003-09-29 光起電力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005108909A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007299545A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 色素増感型太陽電池
JP2009217970A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、および色素増感型太陽電池モジュール
JP2011081970A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Rohm Co Ltd 作用極および光電変換素子
CN102683031A (zh) * 2011-03-17 2012-09-19 罗姆股份有限公司 色素增感太阳能电池

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007299545A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 色素増感型太陽電池
JP2009217970A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、および色素増感型太陽電池モジュール
JP2011081970A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Rohm Co Ltd 作用極および光電変換素子
CN102683031A (zh) * 2011-03-17 2012-09-19 罗姆股份有限公司 色素增感太阳能电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2496186T3 (es) Dispositivo que comprende contactos eléctricos y su proceso de producción
CN103367541B (zh) 一种基于光刻掩膜法和液相法制备太阳能电池银线网格电极的方法
JPS59104185A (ja) 反射体を隔設した光起電半導体装置
TW201135949A (en) Holey electrode grids for photovoltaic cells with subwavelength and superwavelength feature sizes
JP2002289274A (ja) 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池
CN111293222B (zh) 正交叉指全背接触钙钛矿太阳电池及其制备方法
CN207558806U (zh) 薄膜太阳能电池
CN110611030A (zh) 具有阵列结构电子传输层的钙钛矿太阳能电池及其制备方法
US9129751B2 (en) Highly efficient dye-sensitized solar cells using microtextured electron collecting anode and nanoporous and interdigitated hole collecting cathode and method for making same
EP1753000A2 (en) Photoelectrode substrate of dye sensitizing solar cell, and method for producing same
JP5279412B2 (ja) 光電池およびその製造方法
JP2005108909A (ja) 光起電力装置
CN108550703A (zh) 一种钙钛矿太阳能电池及其制备方法
KR100783333B1 (ko) 전기화학증착법을 이용한 태양전지 제조방법
JP5148835B2 (ja) 色素増感型太陽電池およびその光電極基板
KR101578813B1 (ko) 광산란용 금속 나노구조층을 갖는 투명전극과 이를 이용한 태양전지 및 이들의 제조방법
CN111525031A (zh) 一种钙钛矿的三结叠层太阳能电池及其制备方法
JP7575811B2 (ja) 太陽電池及びその製造方法
CN1224111C (zh) 硅纳米线阵列太阳能转换装置
CN211295115U (zh) 一种基于硅纳米线结构的太阳能电池
JP2006083036A (ja) ガラスのエッチング方法、透明導電基板の製造方法および光電変換素子
CN109360894B (zh) 纳米结构在阴极光栅凸起处的钙钛矿电池及其制备方法
JP2011096730A (ja) 薄膜太陽電池およびその製造方法
CN111525032A (zh) 一种二维网状背接触式钙钛矿太阳能电池及其制备方法
KR102703507B1 (ko) 박막태양전지용 광학 기반 로컬 컨텍 하부 기판 및 이의 제조 방법