JP2005108708A - 有機el素子及び有機el素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の有機EL素子100は、ホール注入電極1と電子注入電極2との間に有機発光層10を備え、ホール注入電極1は、上記有機発光層10側の表面付近に、その電極1を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部20を有するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の有機EL素子100は、ホール注入電極1と電子注入電極2との間に有機発光層10を備え、ホール注入電極1は、上記有機発光層10側の表面付近に、その電極1を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部20を有するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子及び有機EL素子の製造方法に関するものである。
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、ホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に上記電極から電界を印加することにより励起・発光させる素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、駆動電圧若しくは駆動方法の簡便さに加え、輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性において優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
この有機EL素子からの発光を効率よく取り出すために、通常、上記ホール注入電極には、可視光を透過することができる透明電極を採用している。このような透明電極の構成材料としては、約3.3eV以上のバンドギャップを有する導電性酸化物が多く用いられ、その具体例として、例えばITO電極などが挙げられる。
有機EL素子に用いられる透明電極は、特にその隣接する層との界面の状態に依存して、初期発光特性若しくは発光寿命に影響を与えることが一般的に知られている。したがって、実用に一層適した透明電極を得るために、透明電極の表面の平坦性若しくは表面の仕事関数などを改善すべく、様々な提案がなされている。
そのような提案のうち、例えば特許文献1においては、高性能、かつ耐久性のある有機EL表示素子を提供することを意図して、陽極と陰極の間に、有機発光体を含有する有機発光層が設けられている有機EL表示素子において、前記陽極の表面部中に、窒素、イオウ、セレン、テルル、リン及びハロゲン元素より選ばれた少なくとも1種の元素が含まれている有機EL表示素子が提案されている。
また、特許文献2においては、仕事関数を向上させ、長時間高い仕事関数を有する透明電極を提供することを意図して、透明基板と、透明基板上に設けられた透明導電膜からなり、透明導電膜にプラズマ化された酸素イオンが注入された透明電極が提案されている。
特開2000−150172号公報
特開2001−284060号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1、2に記載のものを初めとする従来の有機EL素子について詳細に検討を行ったところ、このような従来の有機EL素子は、駆動電圧を印可した後、時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を抑制することが困難であることを見出した。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の有機EL素子は、対向する電極間に有機発光層を備え、上記電極のうちのホール注入電極は、透明電極の有機発光層側の表面付近に、透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部を有してなることを特徴とする。
ここで、「透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素」とは、透明電極にIn2O3若しくはZnOなどの金属酸化物を用いる場合は、その構成元素であるIn、Zn若しくはOとは異なる陽性元素をいう。また、透明電極にITOなどの2種類以上の金属酸化物を組み合わせたものを用いる場合は、その構成元素であるIn、Sn及びOとは異なる陽性元素をいう。なお、本発明における「陽性元素」には、金属元素の他、B(ホウ素)、C(炭素)、Si(ケイ素)及びGe(ゲルマニウム)も含むものとする。
また、「表面付近」とは、表面から、大きくとも該ホール注入電極の膜厚方向中心部までの間の体積領域をいう。
また、本発明の有機EL素子は、基板の一側に形成された透明電極の基板と反対側から透明電極に陽性元素若しくは希ガスを導入することによって得られるホール注入電極と、電子注入電極との間に有機発光層を備えてなることを特徴とする。
このような有機EL素子が、従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができる要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれに限らない。
従来の有機EL素子において、ITO電極などのホール注入電極に用いられている透明電極は、発光を取り出すことができる電極のなかでは、隣接する層(例えば、単層型有機EL素子の場合は有機発光層)に比較的容易にホールを注入することができる。このホール注入の容易性は、ITOの仕事関数が、隣接する層に用いられている有機化合物材料のHOMOレベルに比較的近い準位にあり、その有機層からの電子を容易に引き抜くことに起因すると考えられている。
ところで、そのような透明電極は、発光を効率よく取り出すために可視光波長領域に対して十分な透明性(透過率)を備えていることが必要であり、しかも電極としての機能を効率よく発揮するために低抵抗である必要もある。これらを同時に兼ね備える膜が一般に透明導電膜と呼ばれるものであり、上記透明電極に用いられているが、それらの多くは3.3eV程度以上のバンドギャップを有する導電性酸化物を構成材料として用いていることが知られている。
ITOも通常導電性酸化物に分類され、縮退したn型半導体であるため、電子が十分に過剰に存在する状態となっている。つまり、Si若しくはGe系のn型半導体に比べ、ITOなどの導電性酸化物は、低抵抗を実現するために材料中のキャリア密度をSi若しくはGe系と比較して3桁程度高い密度にしている。これにより、該導電性酸化物はエネルギー分布が縮退した状態にある。上記キャリア密度は金属材料と比較すると1桁程度低いものであるが、それでも導電性酸化物は電子が十分に過剰に存在する。
かかる過剰に存在する電子は、例えば母体材料の原子を価数の異なる原子により置換したり、あるいは酸素欠陥を生成させることによって発生するものである。しかしながら、電子が過剰に存在する透明電極から隣接する層にホールを注入すること、言い換えると電子が過剰に存在する透明電極が隣接する層から電子を引き抜くことは、非効率的なことであり、これにより時間の経過に伴い駆動電圧が上昇すると推定される。
このことは、従来の有機EL素子において、その透明電極の導電性を向上させようとした結果、透明電極の隣接する層との界面付近に電子がより過剰に存在する状態となることによって、一層顕著になるものと考えられる。すなわち、そのような電子の存在は上述したようなホール注入の妨げとなるばかりでなく、隣接する層との間で不要な電子の移動が発生するため、素子を比較的早期に劣化させる原因になる。その結果、該有機EL素子の駆動電圧は時間の経過と共に上昇することになると推定される。
また、例えば特許文献1、2に記載されたような有機EL素子においては、透明電極の表面に対してプラズマ化された酸素イオンのような陰イオン又は窒素若しくはイオウ等の陰性元素が注入されているため、その表面付近はマイナスに帯電した状態になると考えられる。かかる状態のホール注入電極(透明電極)の表面上に更に有機層等を積層すると、ホール注入電極の有機層等との界面付近のマイナスチャージがその位置に保持されたままの状態になり、電子はその界面に過剰に存在する状態となると推定される。
このようにして形成された有機EL素子に電界を印可すると、印可当初は、ホール注入電極の隣接する層との界面付近に過剰に蓄積する電子と注入されたホールとが再結合し、その界面付近で発光する。この再結合に用いられる電子は電界の印可により電子注入電極側から注入された電子とは別のものであるので、印可当初は見かけ上発光効率が上昇する。しかしながら、蓄積していた電子が再結合により用いられ減少するに伴い、結局、駆動電圧は時間の経過と共に上昇し、発光輝度は、陰イオン若しくは陰性元素を注入されていない透明電極を用いたものと比較しても、急激に減少することとなる。
以上のように、有機発光層側の表面付近に陰イオン若しくは陰性元素を注入されたホール注入電極を備える有機EL素子は、陰イオン若しくは陰性元素の存在により、駆動初期において不安定な挙動を示すこととなる。
一方、本発明の有機EL素子は、ホール注入電極に用いる透明電極の有機発光層側の表面付近に陽性元素等を含む改質部を有するので、あるいは、ホール注入電極が透明電極の基板と反対側から透明電極に陽性元素若しくは希ガスを導入することによって得られるので、その透明電極が本来有している過剰な電子をその陽性元素等によりトラップできるものと考えられる。それによって、ホール注入電極の表面付近のキャリアバランスを電気的中性若しくはプラス側に安定化させることができ、さらには隣接する層との間の不要な電子の移動を抑制できると推定される。その結果、本発明の有機EL素子は、駆動電圧を印可した後の、時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できるものと考えられる。
本発明の有機EL素子は、上述したように、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができるので、その発光寿命は従来のものよりも一層向上することとなり、また発光効率(輝度)が向上する傾向にある。
上述した本発明の有機EL素子のホール注入電極は、透明電極の有機発光層側の表面付近に、透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素を含む改質部を有してなると、一層駆動電圧の上昇を抑制することができるので好ましい。そのような観点から、ホール注入電極は、透明電極の基板と反対側から透明電極に陽性元素を導入することによって得られるものであっても好ましい。
同様の観点から、その陽性元素がSi、Al、Ga、C、B及び遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素であると更に好ましく、Si、Al、Ga、C、B、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuからなる群より選ばれる1種以上の元素であると特に好ましい。
また、本発明の有機EL素子において、透明電極は有機発光層に隣接してなると好ましい。そのような構成を備える有機EL素子は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制するという効果を、より有効に奏することができる傾向にある。
本発明の有機EL素子の製造方法は、基板の一側に形成された透明電極の基板と反対側から透明電極に陽性元素若しくは希ガスを導入することによってホール注入電極を得るホール注入電極形成工程を備えることを特徴とする。この本発明の有機EL素子の製造方法によって得られた有機EL素子は、透明電極が上述したような構成を備えることができる。すなわち、この本発明の有機EL素子の製造方法は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供することを可能とするものである。
また、本発明の有機EL素子の製造方法において、上記ホール注入電極形成工程に続いて透明電極の上記一側の表面上に有機発光層を形成する発光層形成工程を備えると、駆動電圧の時間の経過に伴う上昇(以下、場合によって「経時上昇」ともいう。)を十分に抑制するという効果をより有効に奏する有機EL素子を提供することができるので好ましい。
さらに、ホール注入電極形成工程において、透明電極に陽性元素若しくは希ガスをスパッタリング法によって導入すると、駆動電圧の経時上昇を十分に抑制できる有機EL素子をより容易に得ることができるので好ましい。
本発明によれば、従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されているホール注入電極(陽極)1及び電子注入電極(陰極)2により、有機発光層10が挟持された構造を有している。またホール注入電極1は基板4上に形成されている。
ホール注入電極1が有機発光層10に隣接してなることにより、本実施形態の有機EL素子100は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制するという効果をより有効に奏することができる傾向にある。
(基板)
基板4の構成材料は、従来の有機EL素子の基板として用いられているものであれば、特に限定されない。したがって、そのような基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を挙げることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の構成材料は、従来の有機EL素子の基板として用いられているものであれば、特に限定されない。したがって、そのような基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を挙げることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
この基板4に色フィルター膜若しくは蛍光性物質を含む色変換膜(蛍光変換フィルター膜)、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色を調整してもよい。
色フィルター膜としては、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いることができ、有機EL素子100の発光色に合わせてカラーフィルターの特性を調整することにより、取り出し効率若しくは色純度を最適化できる傾向にある。
また、EL素子に用いられる構成材料が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いることにより、素子の耐光性・表示のコントラストを向上できる傾向にある。さらに、誘電体多層膜のような光学薄膜をカラーフィルターの代わりに用いてもよい。
蛍光変換フィルター膜は、有機EL素子からの発光を吸収し、そのフィルター膜中の蛍光体から光を放出させることにより、発光色の色変換を行うものである。その組成としては、バインダー及び蛍光材料、さらには必要に応じて光吸収材料の三つから形成される。
上記蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いればよいが、有機EL素子100の発光波長域に吸収が強いと好ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、例えば、ローダミン系化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)、ナフタロイミド系化合物、縮合環炭化水素系化合物、縮合複素環系化合物、スチリル系化合物若しくはクマリン系化合物等を用いることができる。
バインダーとしては、基本的に蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されることなく用いることができ、それらのなかでも、フォトリソグラフィー若しくは印刷等で微細なパターニングができるようなものであると好ましい。また、ITO、IZOの成膜時に損傷を受けないような材料であるとより好ましい。
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いると好ましい。また、この光吸収材料としては、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されることなく用いることができる。
(ホール注入電極)
ホール注入電極(陽極)1は、透明電極の有機発光層10側の表面付近に、透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部20を有してなるものである。本実施形態において、このホール注入電極1中の上記陽性元素及び希ガスは、不純物として意図せずに含有されたものを除いて、上記改質部20以外の部分に含まれない。また、陽性元素若しくは希ガスは、改質部20中に原子の状態で存在していてもよく、イオンの状態で存在していてもよい。
ホール注入電極(陽極)1は、透明電極の有機発光層10側の表面付近に、透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部20を有してなるものである。本実施形態において、このホール注入電極1中の上記陽性元素及び希ガスは、不純物として意図せずに含有されたものを除いて、上記改質部20以外の部分に含まれない。また、陽性元素若しくは希ガスは、改質部20中に原子の状態で存在していてもよく、イオンの状態で存在していてもよい。
透明電極を構成する主成分の元素を含む材料(以下、「主成分材料」という。)としては、そのホール注入電極1に隣接する有機発光層10に、改質部20を経由してホールを効率よく注入できる(有機発光層からの電子を効率よく引き抜くことができる)材料が好ましい。かかる観点から、その主成分材料は、ホール注入電極1としての仕事関数が4.5〜5.5eVとなるように調製若しくは選択されるとより好ましい。
なお、本実施形態において、上記主成分材料は、ホール注入電極1における改質部20以外の部分の構成材料とほぼ同一の構成である。
また、本実施形態においては基板4の側を光取り出し側としているので、透明電極を構成する主成分材料は、有機EL素子100の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における透明電極の透過率が、50%以上となるようなものであると好ましく、80%以上となるようなものであるとより好ましく、90%以上となるようなものであると更に好ましい。この透過率が50%未満であると、発光層4からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られ難くなる傾向にある。
材料自体の抵抗値をより低くし、光透過率をより高くするという観点から、透明電極を構成する主成分材料は、透明導電性酸化物であると好ましい。かかる材料としては、SnO2、ZnSb2O6、CdO、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、CdGa2O4、Zn2SnO4、In2O3、ZnO、Ga2O3、GaInO3、Cd2SnO4、CdSnO3、InGaMgO4、InGaZnO4、Zn2In2O5、AgSbO3、Cd2Sb2O7、Cd2GeO4、ZnSnO3、AgInO2、SrCu2O2若しくはCdO−GeO2などが挙げられる。これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、あるいは、例えばある材料に別の材料を固溶若しくは混合させる、というように2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの材料は結晶であってもよく非結晶であってもよい。
なお、上述したような材料を2種類以上組み合わせて用いた場合、後述する「透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素」は、組み合わせて用いたいずれの材料をも構成しない陽性元素を示す。
これらのなかで、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)若しくは亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等のIn、Sn若しくはZnを有する酸化物が好ましい。このような酸化物を用いると、有機EL素子100の駆動電圧をより抑制することができる傾向にある。さらにそれらのなかでも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜を容易に得ることができる傾向にあるので、特に好ましい。
ITO電極中の改質部20以外の部分におけるSnO2の含有割合は、高透過率且つ低抵抗を実現する観点から、1〜20質量%であると好ましく、5〜12質量%であるとより好ましい。また、IZO電極中のZnOの含有割合は、上記と同様の観点から、12〜32質量%が好ましい。
なお、透明電極を構成する主成分材料の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよく、この偏倚等により、ホール係数測定装置等を用いた電気的評価について、キャリア密度が1.0×1018〜1.0×1021/cm3、移動度が1〜200cm2/Vs程度となると好ましい。
また、ITO電極等の透明電極を形成する工程における成膜条件若しくは成膜後の熱処理履歴等に依存して、透明電極自体が駆動履歴若しくは熱履歴に対して不安定になる場合がある。この不安定性を評価する方法の一つとして、100℃程度の熱処理前後で上記キャリア密度及び移動度を測定し、その変化割合を調べる方法がある。その結果、熱処理前後での変化割合が大きなものは不安定な膜質を有すると推定することができる。このような方法により、熱的に不安定な膜質であると評価された透明電極材料をホール注入電極1の主成分材料として用いる場合、本発明の効果を一層発揮することが可能となる。
ホール注入電極1において、有機発光層10側の表面付近の改質部20は、上記主成分材料に透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素(以下、単に「陽性元素」という。)若しくは希ガス(以下、「陽性元素等」という。)を含んでなるものである。ここで、「陽性元素」としては、金属元素、B(ホウ素)、C(炭素)、Si(ケイ素)及びGe(ゲルマニウム)が挙げられる。
この改質部20に含まれる陽性元素等のうちの陽性元素は、透明電極に採用された上述したような酸化物が有する元素とは異なるものであって、本発明の効果を奏することができるものであれば、特に限定されない。例えば、透明電極を構成する主成分材料にITOを用いた場合は、その陽性元素はIn、Sn若しくはOとは異なる元素であって本発明の効果を奏するものであればよく、透明電極を構成する主成分材料にIZOを用いた場合は、その陽性元素はIn、Zn若しくはOとは異なる元素であって、本発明の効果を奏するものであればよい。
なお、陽性元素等を含んでなる改質部20を備えたホール注入電極1を構成することにより、有機EL素子100が本発明の効果を奏するものとなるか否かを確認する方法は、そのような改質部20を有するホール注入電極1を備えた有機EL素子100と、そのホール注入電極1と同じ主成分材料のみを材料として用いたホール注入電極を備えた有機EL素子と、の駆動電圧の経時上昇程度を比較することによって行われてもよい。その結果、改質部20を有するホール注入電極1を備えた有機EL素子100の方が、その駆動電圧の経時上昇程度が小さい場合は、本発明の効果を奏するものと判断することができる。
これら陽性元素等のうち、陽性元素が、有機発光層10側の表面付近の改質部20に含まれると、有機EL素子100の駆動電圧の経時上昇を一層抑制できる傾向にあるので好ましい。
上記陽性元素等は、例えば、従来のイオン注入法、スパッタリング法若しくは蒸着法などの半導体へのイオン若しくは原子の導入法を用いることにより、ホール注入電極1の改質部20に導入される。したがって、透明電極に比較的導入し易い観点及び有機EL素子100の駆動電圧の経時上昇を一層抑制できる観点から、該陽性元素がSi、Al、Ga、C、B及び遷移金属元素であるとより好ましく、Si、Al、Ga、C、B、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuであると更に好ましく、Si、Ga、Mn、Nb、Mo、Ta、Ti、Ni、Zr及びWであると特に好ましい。上記陽性元素等は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
透明電極を構成する主成分材料がITOである場合、陽性元素等は、Ga、Ta、Ni、Mo若しくはMnであると好ましく、Gaであるとより好ましい。透明電極を構成する主成分材料と陽性元素等との組み合わせをこのようにすることにより、駆動電圧の経時上昇をより一層抑制することができ、発光寿命の更なる延長に繋がる。
また、ホール注入電極1に酸化シリコン(SiO2)等の透明な誘電体を更に添加することにより、ホール注入電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiO2を添加することによりホール注入電極1の仕事関数を増大させ、ホールを効率よく注入できる傾向にある。
ホール注入電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば、透明電極を構成する主成分材料にITOを用いる場合、その膜厚は、50〜500nmであると好ましく、50〜300nmであるとより好ましい。ホール注入電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からのホール注入電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満になると、抵抗値が高くなり有機発光層10等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下する傾向にある。
また、ホール注入電極1の上記陽性元素等を含む改質部20の膜厚は、その改質部20に含まれる陽性元素等の含有割合などにもよるが、0.1〜50nm程度であると好ましい。その膜厚が上記下限値未満になると、有機EL素子100の駆動電圧の上昇を抑制する効果を奏し難くなる傾向にあり、上限値を超えると、有機EL素子100の発光効率が低下する傾向にある。
改質部20中の陽性元素等の含有割合は膜厚方向で変化してもよく、ほぼ一定であってもよい。
ホール注入電極1の上記陽性元素等を含む改質部20における陽性元素等の含有割合は、その改質部20における全原子及びイオンの数に対して0.05〜5.0%であると好ましい。この含有割合が上記下限値未満になると、有機EL素子100の駆動電圧の上昇を抑制する効果を奏し難くなる傾向にある。一方、上限値を超えると、改質部20の内部応力が大きくなり、原子の移動を促進する傾向にあるため、安定的にホールを注入し難くなる傾向にある。
なお、上述したホール注入電極1の陽性元素等を含む改質部20の膜厚、及びその改質部20における陽性元素等の含有割合は、ホール注入電極1を従来の方法によりエッチングしつつ、XPS、AES又はSIMSなどの表面原子分析法を用いることにより測定・確認することができる。
上述したホール注入電極1の改質部20は、ホール注入電極の有機発光層10側の表面上に形成された、ホール注入電極を構成する材料と陽性元素等とが混在する層と見ることもできる。なお、この場合の「ホール注入電極」は、例えば図1のホール注入電極1から改質部20を除去した部分に相当する。
このようなホール注入電極1を備える有機EL素子100は、従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができる。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれに限らない。
ホール注入電極に用いられるITO電極などは導電性酸化物を構成材料としており、この導電性酸化物は縮退したn型半導体であるため、電子が十分に過剰に存在する状態となっている。つまり導電性酸化物は、Si若しくはGe系のn型半導体に比べ、低抵抗を実現するために材料中のキャリア密度をSi若しくはGe系と比較して3桁程度高い密度にしている。これにより、ITOなどの導電性酸化物はエネルギー分布が縮退した状態にある。上記キャリア密度は金属材料と比較すると1桁程度低いものであるが、それでも導電性酸化物は電子が十分に過剰に存在する。
かかる過剰に存在する電子は、例えば母体材料の原子を価数の異なる原子により置換したり、あるいは酸素欠陥を生成させることによって発生するものである。しかしながら、電子が過剰に存在する透明電極から隣接する層にホールを注入すること、言い換えると電子が過剰に存在する透明電極が隣接する層から電子を引き抜くことは、非効率的なことであり、これにより時間の経過に伴い駆動電圧が上昇すると推定される。
このことは、従来の有機EL素子において、その透明電極の導電性を向上させようとした結果、透明電極の隣接する層との界面付近に電子がより過剰に存在する状態となることによって、一層顕著になるものと考えられる。すなわち、そのような電子の存在は上述したようなホール注入の妨げとなるばかりでなく、隣接する層との間で不要な電子の移動が発生するため、素子を比較的早期に劣化させる原因になる。その結果、該有機EL素子の駆動電圧は時間の経過と共に上昇することになると推定される。
また、透明電極の表面に対してプラズマ化された酸素イオンのような陰イオン又は窒素若しくはイオウ等の陰性元素が注入された有機EL素子は、その表面付近がマイナスに帯電した状態になると考えられる。かかる状態のホール注入電極(透明電極)の表面上に更に有機層等を積層すると、ホール注入電極の有機層等との界面付近のマイナスチャージがその位置に保持されたままの状態になり、電子はその界面に過剰に存在する状態となると推定される。
このようにして形成された有機EL素子に電界を印可すると、印可当初は、ホール注入電極の隣接する層との界面付近に過剰に蓄積する電子と注入されたホールとが再結合し、その界面付近で発光する。この再結合に用いられる電子は電界の印可により電子注入電極側から注入された電子とは別のものであるので、印可当初は見かけ上発光効率が上昇する。しかしながら、蓄積していた電子が再結合により用いられ減少するに伴い、結局、駆動電圧は時間の経過と共に上昇し、発光輝度は急激に減少することとなる。
以上のように、有機発光層側の表面付近に陰イオン若しくは陰性元素を導入されたホール注入電極を備える有機EL素子は、陰イオン若しくは陰性元素の存在により、駆動初期において不安定な挙動を示すこととなる。
一方、本実施形態の有機EL素子100は、ホール注入電極1に用いる透明電極の有機発光層10側の表面付近に陽性元素等を含む改質部20を有するので、その透明電極が本来有している過剰な電子をその陽性元素等によりトラップできるものと考えられる。それによって、ホール注入電極1の改質部20のキャリアバランスを電気的中性若しくはプラス側に安定化させることができ、さらには有機発光層10との間の不要な電子の移動を抑制できると推定される。その結果、本実施形態の有機EL素子100は、駆動電圧を印可した後の、時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できるものと考えられる。
(有機発光層)
有機発光層10の構成材料としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
有機発光層10の構成材料としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
具体的には、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物、あるいは、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体若しくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体若しくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマー若しくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたものなどの高分子有機化合物などを挙げることができる。
これらのなかで、より高い発光効率及びより長い寿命の有機EL素子100を得る観点から、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物を用いると好ましい。
さらには、赤色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ジインデノペリレン若しくはその誘導体を用いると好ましい。また、青色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上述した赤色の発光を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルベンゾフルオランテン若しくはその誘導体を用いると好ましい。さらに、黄色若しくは橙色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ルブレン若しくはその誘導体を用いると好ましい。そして、緑色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上記各色を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルナフタセン若しくはその誘導体を用いると好ましい。
また、有機発光層10は、上記構成材料のうち、成膜の容易さ、ホール及び電子の注入されやすさ並びに励起子の後述するドーパント材料への励起エネルギーの移動性等の観点から選択されるホール材料を母材とし、ホール材料からのエネルギーの受け取りやすさ及び発光能力の高さ等の観点から選択されるドーパント材料を、上記ホール材料中に分散させるようにすると、一層優れた発光効率を得ることができる傾向にあるので、より好ましい。
さらに、有機発光層10に含有されるドーパント材料の濃度が、有機発光層10の膜厚方向の全体にわたってほぼ一定であると好ましい。このような有機発光層10は、ムラのない発光を実現することができ、それにより発光効率及び耐久性を向上させることができる傾向にあるので好ましい。
有機発光層10の膜厚はより均一な発光及び一層長い寿命を得るの観点から、10〜200nmであると好ましく、50〜150nmであるとより好ましい。
(電子注入電極)
電子注入電極(陰極)2の構成材料は、従来の有機EL素子において電子注入電極に用いられているものであれば特に限定されない。したがって、その構成材料として、金属材料、有機金属錯体若しくは金属塩等が挙げられ、有機発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましい。
電子注入電極(陰極)2の構成材料は、従来の有機EL素子において電子注入電極に用いられているものであれば特に限定されない。したがって、その構成材料として、金属材料、有機金属錯体若しくは金属塩等が挙げられ、有機発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましい。
電子注入電極2を構成する金属材料の具体例としては、Li、Na、K若しくはCs等のアルカリ金属、あるいは、Mg、Ca、Sr若しくはBa等のアルカリ土類金属が挙げられる。また、La、Ce、Eu、Sm、Yb、Y、Zn若しくはZr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。さらには、上記金属材料のほか、LiF若しくはCsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等を挙げることもできる。
電子注入電極2の膜厚は有機発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
なお、電子注入電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、有機発光層10への電子注入効率を向上させることができる傾向にあり、また、有機発光層10への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる傾向にある。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に電子注入電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd若しくはNi等が挙げられる。それらのなかでもAl若しくはAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる傾向にあるので、より好ましい。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。また、2種類以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
上述した有機EL素子100は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができるので、その発光寿命は一層向上することとなる。
上述した本実施形態の有機EL素子100は、ホール注入電極1を後述のようにして形成する以外は、従来の手順、条件を用いて製造することができ、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、用意した基板4上にスパッタリング法若しくは蒸着法などの方法により、改質部20が未形成の状態である透明電極を形成する。
次いで、従来のイオン注入法、スパッタリング法若しくは蒸着法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)などの半導体へのイオン若しくは原子の導入法を用いて、その透明電極の基板4と反対側から該透明電極に陽性元素等を導入することにより改質部20を形成し、ホール注入電極1を得る(ホール注入電極形成工程)。
これらの導入法のなかで、不純物の混入を避け、汎用装置が使用できる観点からは、イオン注入法を採用すると好ましい。イオン注入法を用いる場合は、従来のイオン注入装置を用いてイオンガンにより元素をイオン化した後、高電圧をかけて加速されたイオンを、ホール注入電極1の基板と反対側の表面に向かって注入する。この際のイオンの加速電圧は、改質部20の厚さが本発明の効果を奏する程度の適当な厚さとなるように、種々の因子を考慮して調整されればよい。
そのイオンの加速電圧を決める因子としては、ホール注入電極1の改質部以外の部分を構成する材料若しくはその膜質(結晶化されているか否か)、得られる改質部20の膜厚、及び改質部20の膜厚方向における陽性元素等の含有割合の変化などが挙げられる。したがって、イオンの加速電圧の好ましい範囲を一義的に決定することはできないが、1kV〜200kV程度の範囲であれば、駆動電圧の経時上昇を十分に抑制できる有機EL素子を得やすい傾向にある。
また、簡易に改質部20を得る観点からは、スパッタリング法を採用すると好ましい。
続いて、ホール注入電極1上に有機発光層10が形成される(発光層形成工程)。この有機発光層10の形成方法は、有機発光層10の構成材料等によって、従来の方法を適宜選択して採用することができ、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法若しくは塗布法等を採用することができる。そして、有機発光層10上に、電子注入電極2を、例えば真空蒸着法などにより形成すること(電子注入電極形成工程)によって、有機EL素子100が完成する。
こうして得られた有機EL素子100は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる。
以上、本発明の有機EL素子の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示す本発明の第2実施形態の有機EL素子200は、上述した有機EL素子10の基板4上に積層された各層の順番が逆になっていてもよい。すなわち、基板4上に電子注入電極2、有機発光層10及びホール注入電極1の順で積層されていてもよい。逆に積層することにより、基板とは反対側からの光取り出しが容易になる。この場合には、電子注入電極2が、第1実施形態において説明したホール注入電極1の光学的条件を満たすことが好ましい。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図1における有機EL素子100のホール注入電極1と有機発光層10との間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
ホール輸送層11の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような構造を有することにより、有機EL素子300におけるホールの移動度が向上し、有機発光層10からホール輸送層11への電子の移動を抑制することができるので、発光効率が向上する傾向にある。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図4に示す有機EL素子400は、図3における有機EL素子300の電子注入電極2と有機発光層10との間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
電子輸送層12の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような構造を有することにより、有機EL素子400における電子の移動度が向上し、有機発光層10から電子輸送層12へのホールの移動を抑制することができるので、発光効率が向上する傾向にある。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態(4層型有機EL)を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、ホール注入電極1及び電子注入電極2により、ホール注入層14、ホール輸送層11、有機発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、有機発光層10及び電子注入層13はいずれも有機層であり、ホール注入電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
ホール注入層14の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸などの有機化合物材料、又は、ゲルマニウム若しくはシリコン等の金属若しくは半金属の酸化物などを用いることができる。これらのホール注入性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このホール注入層14を備えることにより、有機EL素子500は、ホール注入電極1からのホールの注入を容易にし、ホールを安定に輸送し、さらにはホール輸送層11からの電子を妨げる機能を有するものである。それにより、有機EL素子500の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
電子注入層13の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、リチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。この電子注入層13を備えることにより、有機EL素子500は、電子注入電極2からの電子の注入を容易にし、電子を安定に輸送し、さらには有機発光層10からのホールを妨げる機能を有するものである。それにより、有機EL素子500の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
図6は、本発明に係る有機EL素子の第6実施形態(5層型有機EL)を示す模式断面図である。図6に示す有機EL素子600は、図5における有機EL素子500の電子注入層13と有機発光層10との間に電子輸送層12を設けた構造を有している。このような構造を有することにより、有機EL素子600の各材料の選択肢を広げることができるので、用途に応じた有機EL素子600を得ることができる傾向にある。
ホール輸送層11、電子輸送層12、ホール注入層14及び電子注入層13の好適な厚さは、いずれも1〜100nmである。
さらに、図示していないが、異なる構成材料(材料の種類、材料の含有割合)を含有する発光層を複数積層して設けてもよい。
本発明の更に別の実施形態の有機EL素子のホール注入電極において、改質部以外の部分に、透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを意図的に含有させてもよい。この場合、ホール注入電極全体としての仕事関数が4.5〜5.5eVとなるようにそれらの陽性元素等を含有させると、ホール注入性の観点から特に好ましい。
また、本発明の別の実施形態の有機EL素子の製造方法において、基板上に透明電極を形成する際に、改質部を同時に形成することによりホール注入電極を得てもよい。具体的には、まず、蒸着法により透明電極を基板上に形成する。次いで、透明電極の蒸着を継続しつつ、陽性元素等の蒸着も開始し、共蒸着法により改質部を形成してホール注入電極を完成させてもよい。
さらに、ホール注入電極の形成にスパッタリング法を用いる場合は、まず、スパッタリングターゲットを単独で用いる単元法により透明電極を形成する。次いで、透明電極のスパッタリングを継続しつつ、陽性元素等のスパッタリングターゲットを用いて、いわゆる二元法により改質部を形成してホール注入電極を完成させてもよい。
このような改質部を透明電極と同時に形成する有機EL素子の製造方法は、ホール注入電極を基板と離れた位置に形成する場合(例えば、上述した第2実施形態の有機EL素子のホール注入電極を形成する場合)に特に有効である。すなわち、上述した共蒸着法若しくは二元法等により、まず改質部を形成し、次いで、透明電極の構成材料のみを用いて単独の蒸着法若しくは単元法等により透明電極を形成することにより、ホール注入電極を得ることができる。
本発明のさらに別の実施形態の有機EL素子の製造方法において、ホール注入電極を形成した後、そのホール注入電極上に有機発光層等の別の層を積層する前に、その電極の基板と反対側の表面にプラスの電圧を印可することにより、その表面付近に蓄積されたマイナスのチャージを低減若しくは消滅させてもよい。これにより、上述した陽性元素等を添加する製造方法と同様の効果、すなわち、得られる有機EL素子の駆動電圧の経時上昇を十分に抑制する効果等を奏することができる。
この電極の表面にプラスの電圧を印可する際に基板温度を80〜300℃程度にすると、蓄積された電荷移動の加速及び原子欠陥の消滅の加速の観点から好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、用意したガラス基板上に、ITOを100nmの膜厚で成膜し、パターニングした。次いで、そのITO膜のガラス基板と反対側の表面から、市販のイオン注入装置(FB2100、日立製作所株式会社製)を用いて、加速電圧10kV、電流50nAでGaイオンを5分間注入し、Gaイオン(Ga3+)を含む改質部を有するホール注入電極を形成した。
まず、用意したガラス基板上に、ITOを100nmの膜厚で成膜し、パターニングした。次いで、そのITO膜のガラス基板と反対側の表面から、市販のイオン注入装置(FB2100、日立製作所株式会社製)を用いて、加速電圧10kV、電流50nAでGaイオンを5分間注入し、Gaイオン(Ga3+)を含む改質部を有するホール注入電極を形成した。
得られたホール注入電極の改質部をXPSを用いて分析したところ、Gaイオンは、改質部中の全原子及びイオンの数に対して0.5%含まれていることが確認された。
続いて、基板の温度を25℃まで冷却した後、下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物とを、体積比で97:3の割合で、ホール注入電極上に真空共蒸着(系内圧力:1×10−4Pa)させ、100nmの膜厚を有する有機発光層を形成した。
次いで、系内を減圧状態に維持したまま、電子注入層としてフッ化リチウムを真空蒸着法により発光層上に形成した。この電子注入層の膜厚は1nmであった。そして、陰極としてアルミニウムを電子注入層上に、100nmの膜厚に成膜し、実施例1の有機EL素子を得た。
(実施例2)
Gaイオンに代えてArイオン(Ar+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の有機EL素子を得た。
Gaイオンに代えてArイオン(Ar+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の有機EL素子を得た。
(実施例3)
Gaイオンに代えてTaイオン(Ta5+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機EL素子を得た。
Gaイオンに代えてTaイオン(Ta5+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機EL素子を得た。
(実施例4)
Gaイオンに代えてNiイオン(Ni2+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の有機EL素子を得た。
Gaイオンに代えてNiイオン(Ni2+)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の有機EL素子を得た。
(比較例1)
Gaイオンを用いずにホール注入電極を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機EL素子を得た。
Gaイオンを用いずにホール注入電極を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機EL素子を得た。
(比較例2)
Gaイオンを用いずにホール注入電極を形成し、続いて高周波放電によって生成された酸素プラズマを用いて酸素イオン(O2−)をホール注入電極に注入した(加速電圧:5kV、酸素イオン注入時間:15分)以外は、実施例1と同様にして、比較例2の有機EL素子を得た。
Gaイオンを用いずにホール注入電極を形成し、続いて高周波放電によって生成された酸素プラズマを用いて酸素イオン(O2−)をホール注入電極に注入した(加速電圧:5kV、酸素イオン注入時間:15分)以外は、実施例1と同様にして、比較例2の有機EL素子を得た。
<素子特性評価試験>
上記のようにして得られた実施例1及び比較例1の有機EL素子について、Arガス雰囲気中、室温にて、100mA/cm2の定電流駆動をした時の駆動電圧の経時変化を測定した。初期駆動時に対する駆動電圧の上昇分の結果を表1に示す。
上記のようにして得られた実施例1及び比較例1の有機EL素子について、Arガス雰囲気中、室温にて、100mA/cm2の定電流駆動をした時の駆動電圧の経時変化を測定した。初期駆動時に対する駆動電圧の上昇分の結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1の有機EL素子について、上述と同じ条件で1000時間駆動した後の駆動電圧を測定した。初期駆動時に対する1000時間駆動後の駆動電圧の上昇分の結果を表2に示す。
比較例1及び比較例2の有機EL素子について、上述と同じ条件で駆動した時の駆動電圧及び発光輝度の経時変化を測定した。初期駆動時の駆動電圧を100%とした場合の駆動電圧の上昇分(%)、及び初期駆動時の発光輝度を100%とした場合の相対輝度(%)の結果を表3並びに図7及び図8に示す。
1…ホール注入電極(陽極)、2…電子注入電極(陰極)、4…基板、10…有機発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、20…改質部、100…第1実施形態に係る有機EL素子、200…第2実施形態に係る有機EL素子、300…第3実施形態に係る有機EL素子、400…第4実施形態に係る有機EL素子、500…第5実施形態に係る有機EL素子、600…第6実施形態に係る有機EL素子、P…電源。
Claims (11)
- 対向する電極間に有機発光層を備え、
前記電極のうちのホール注入電極は、透明電極の前記有機発光層側の表面付近に、前記透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを含む改質部を有してなることを特徴とする有機EL素子。 - 前記ホール注入電極は、前記透明電極の前記有機発光層側の表面付近に、前記透明電極を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素を含む改質部を有してなることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
- 基板の一側に形成された透明電極の前記基板と反対側から前記透明電極に陽性元素若しくは希ガスを導入することによって得られるホール注入電極と、電子注入電極と、の間に有機発光層を備えてなることを特徴とする有機EL素子。
- 前記ホール注入電極は、前記透明電極の前記基板と反対側から前記透明電極に陽性元素を導入することによって得られるものであることを特徴とする請求項3記載の有機EL素子。
- 前記陽性元素がSi、Al、Ga、C、B及び遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項2又は4に記載の有機EL素子。
- 前記陽性元素がSi、Al、Ga、C、B、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項5記載の有機EL素子。
- 前記陽性元素がSi、Ga、Mn、Nb、Mo、Ta、Ti、Ni、Zr及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項6記載の有機EL素子。
- 前記ホール注入電極は前記有機発光層に隣接してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 基板の一側に形成された透明電極の前記基板と反対側から前記透明電極に陽性元素若しくは希ガスを導入することによってホール注入電極を得るホール注入電極形成工程を備えることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
- 前記ホール注入電極形成工程に続いて前記透明電極の前記一側の表面上に有機発光層を形成する発光層形成工程を備えることを特徴とする請求項9記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記ホール注入電極形成工程において、前記透明電極に前記陽性元素若しくは前記希ガスをスパッタリング法によって導入することを特徴とする請求項9又は10に記載の有機EL素子の製造方法。
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