JP2005108696A - 有機el素子及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子及び有機el素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のものと比較して、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明の有機EL素子は、ホール注入電極1と電子注入電極2との間に有機発光層10を備え、ホール注入電極1の有機発光層10側の表面上に無機機能層16を備え、無機機能層16は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを添加してなるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子及び有機EL素子の製造方法に関するものである。
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、ホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に上記電極から電界を印加することにより励起・発光させる素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、駆動方法の簡便さ及び低駆動電圧であることに加え、駆動方法の輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性において優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
この有機EL素子からの発光を効率よく取り出すために、通常、上記ホール注入電極には、可視光を透過することができる透明電極を採用している。このような透明電極としては、約3.3eV以上のバンドギャップを有する導電性酸化物が多く用いられ、その具体例として、例えばITO電極などが挙げられる。
有機EL素子に用いられる透明電極は、特にその隣接する層との界面の状態に依存して、初期発光特性若しくは発光寿命に影響を与えることが一般的に知られている。したがって、実用に一層適した透明電極を得るために、透明電極の表面の平坦性若しくは表面の仕事関数などを改善すべく、様々な提案がなされている。
そのような提案のうち、例えば特許文献1においては、高性能、かつ耐久性のある有機EL表示素子を提供することを意図して、陽極と陰極の間に、有機発光体を含有する有機発光層が設けられている有機EL表示素子において、前記陽極の表面部中に、窒素、イオウ、セレン、テルル、リン及びハロゲン元素より選ばれた少なくとも1種の元素が含まれている有機EL表示素子が提案されている。
また、特許文献2においては、仕事関数を向上させ、長時間高い仕事関数を有する透明電極を提供することを意図して、透明基板と、透明基板上に設けられた透明導電膜からなり、透明導電膜にプラズマ化された酸素イオンが注入された透明電極が提案されている。
特開2000−150172号公報 特開2001−284060号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1、2に記載のものを初めとする従来の有機EL素子について詳細に検討を行ったところ、このような従来の有機EL素子は、例えば105℃程度の比較的高温で所定時間保存した後に駆動電圧を印可した際の、高温保存前と比較した駆動電圧の上昇(以下、場合によって「経時上昇」という。)を十分に抑制することが困難であることを見出した。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、従来のものと比較して、比較的高温で所定時間保存した後の上述したような駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の有機EL素子は、対向するホール注入電極と電子注入電極との間に有機発光層を備え、ホール注入電極の有機発光層側の表面上に無機機能層を備え、無機機能層は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを添加してなることを特徴とする。
ここで、「無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素」とは、例えば無機層に一般式Mで表される酸化物を用いる場合は、その酸化物を構成する元素であるM及びOとは異なる陽性元素をいう。また、例えば、無機層に一般式M /M で表される二種類以上の酸化物を組み合わせたものを用いる場合は、その構成元素であるM、M及びOとは異なる陽性元素をいう。さらに、例えば、無機層に一般式Mで表されるホウ化物などの酸化物以外の無機化合物を用いる場合は、その無機化合物を構成する元素であるM及びBなどとは異なる陽性元素をいう。
また、本発明の有機EL素子は、基板の一側に備えられたホール注入電極の上記一側に形成された無機層のホール注入電極と反対側から無機層に陽性元素若しくは希ガスを導入することによって得られる無機機能層と、電子注入電極との間に有機発光層を備えてなることを特徴とする。
このような有機EL素子が、従来のものと比較して、比較的高温で所定時間保存した後であっても、駆動電圧の上昇を十分に抑制することができる要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれに限らない。
従来の有機EL素子において、ITO電極などのホール注入電極に用いられている透明電極は、発光を取り出すことができる電極のなかでは、隣接する層(例えば、単層型有機EL素子の場合は有機発光層)に比較的容易にホールを注入することができる。このホール注入の容易性は、ITOの仕事関数が、隣接する層に用いられている有機化合物材料のHOMOレベルに比較的近い準位にあり、その有機層からの電子を容易に引き抜くことに起因すると考えられている。
ところで、そのような透明電極は、発光を効率よく取り出すために可視光波長領域に対して十分な透明性(透過率)を備えていることが必要であり、しかも電極としての機能を効率的に発揮するために低抵抗である必要もある。これらを同時に兼ね備える膜が一般に透明導電膜と呼ばれるものであり、上記透明電極に用いられているが、それらの多くは3.3eV程度以上のバンドギャップを有する導電性酸化物を構成材料として用いていることが知られている。
ITOも通常導電性酸化物に分類され、縮退したn型半導体であるため、電子が十分に過剰に存在する状態となっている。つまり、Si若しくはGe系のn型半導体に比べ、ITOなどの導電性酸化物は、低抵抗を実現するために材料中のキャリア密度をSi若しくはGe系と比較して3桁程度高い密度にしている。これにより、該導電性酸化物はエネルギー分布が縮退した状態にある。上記キャリア密度は金属材料と比較すると1桁程度低いものであるが、それでも導電性酸化物は電子が十分に過剰に存在する。
かかる過剰に存在する電子は、例えば母体材料の原子を価数の異なる原子により置換したり、あるいは酸素欠陥を生成させることによって発生するものである。しかしながら、電子が過剰に存在する透明電極から隣接する層にホールを注入すること、言い換えると電子が過剰に存在する透明電極が隣接する層から電子を引き抜くことは、非効率的なことであり、これにより保存の際の時間の経過に伴い駆動電圧が上昇すると推定される。
このことは、従来の有機EL素子において、その透明電極の導電性を向上させようとした結果、透明電極の隣接する層との界面付近に電子がより過剰に存在する状態となることによって、一層顕著になるものと考えられる。すなわち、そのような電子の存在は上述したようなホール注入の妨げとなるばかりでなく、隣接する層との間で不要な電子の移動が発生するため、素子を比較的早期に劣化させる原因になる。その結果、該有機EL素子の駆動電圧は保存時間の経過と共に上昇することになると推定される。
また、例えば特許文献1、2に記載されたような有機EL素子においては、透明電極の表面に対してプラズマ化された酸素イオンのような陰イオン又は窒素若しくはイオウ等の陰性元素が注入されているため、その表面付近はマイナスに帯電した状態になると考えられる。かかる状態のホール注入電極(透明電極)の表面上に更に有機層等を積層すると、ホール注入電極の有機層等との界面付近のマイナスチャージがその位置に保持されたままの状態になり、電子はその界面に過剰に存在する状態となると推定される。
このようにして形成された有機EL素子に電界を印可すると、印可当初は、ホール注入電極の隣接する層との界面付近に過剰に蓄積する電子と注入されたホールとが再結合し、その界面付近で発光する。この再結合に用いられる電子は電界の印可により電子注入電極側から注入された電子とは別のものであるので、印可当初は見かけ上発光効率が上昇する。しかしながら、蓄積していた電子が再結合により用いられ減少するに伴い、結局、駆動電圧は保存時間の経過と共に上昇し、発光輝度は急激に減少することとなる。
以上のように、有機発光層側の表面付近に陰イオン若しくは陰性元素を注入されたホール注入電極を備える有機EL素子は、陰イオン若しくは陰性元素の存在により、駆動初期において不安定な挙動を示すこととなる。
一方、本発明の有機EL素子は、ホール注入電極の有機発光層側の表面上に陽性元素等を添加してなる無機機能層を備えるので、ホール注入電極が有している過剰な電子をその陽性元素等によりトラップできるものと考えられる。それによって、ホール注入電極の表面付近のキャリアバランスを電気的中性若しくはプラス側に安定化させることができ、さらには、有機発光層等の、その無機機能層に隣接する層との間の不要な電子の移動を抑制できると推定される。その結果、本発明の有機EL素子は、105℃程度の比較的高温で所定時間保存した後であっても、駆動電圧の上昇を十分に抑制できるものと考えられる。
さらに、本発明の有機EL素子において、上述した陽性元素等は100℃程度の温度であっても無機機能層から脱離したり、或いは変質したりすることはない。したがって、このような無機機能層を備えた本発明の有機EL素子は、自動車等に搭載する際の保存信頼性を評価するテストとして一般的に知られている105℃における保存試験においても、従来のものと比較して、十分な輝度等を維持することができる。すなわち、本発明の有機EL素子を105℃の温度で所定時間保存した後であっても、その有機EL素子は発光効率が低下し難く、また、駆動電圧の上昇が抑制される。
本発明の有機EL素子は、上述したように、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制することができるので、その発光寿命は一層向上することとなる。
上述した本発明の有機EL素子の無機機能層は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素を添加してなると、一層駆動電圧の上昇を抑制することができるので好ましい。そのような観点から、無機機能層は、無機層のホール注入電極と反対側から無機層に陽性元素を導入することによって得られるものであっても好ましい。
同様の観点から、その陽性元素がSi、Al、Ga、C、B及び遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素であると更に好ましく、Si、Al、Ga、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuからなる群より選ばれる1種以上の元素であると特に好ましい。
また、上述した無機層が、700K以上の融点を有する元素の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物及びケイ化物からなる群より選ばれる1種以上の無機化合物を構成材料とすると、好ましい。
有機EL素子に通常備えられるホール注入電極は比較的低融点の金属(例えばIn、Zn、Snなど)を有する材料を含有するため、ITO若しくはZnOなどのホール注入電極を構成する材料は、比較的低い結晶化温度を有する。結晶化温度が低いことは構成原子の移動若しくは再配列が容易に発生することを意味するので、従来の有機EL素子は、例えば自動車に搭載される等して約100℃以上の環境下におかれると、耐熱性が十分ではなく、上述したような駆動電圧の経時上昇若しくは駆動初期における不安定な挙動が一層顕著になる傾向にある。
しかしながら、上述した本発明の有機EL素子は、約100℃以上の環境下におかれても、駆動電圧の経時上昇若しくは駆動初期における不安定な挙動が抑制される傾向にある。これは、駆動電圧の経時上昇を十分に抑制する効果を有する無機機能層を、700K以上の融点を有する元素の無機化合物を構成材料とする無機層から得ることにより、その無機機能層自体が約100℃以上の環境下に曝しても安定した状態にあるため、上記効果を損なわないことに起因すると推定される。
そのような観点から、700K以上の融点を有する元素が、B、Mg、Al、Si、Ti、Mn、Ni、Ge、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であるとより好ましく、Al、Zr、Hf、Si、Ta及びTiからなる群より選ばれる1種以上の元素であると更に好ましい。
また、本発明の有機EL素子において、無機機能層は有機発光層に隣接してなると好ましい。そのような構成を備える有機EL素子は、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制するという効果を、より有効に奏することができる傾向にある。
本発明の有機EL素子の製造方法は、基板の一側に備えられたホール注入電極の上記一側に形成された無機層のホール注入電極と反対側から、無機層に、陽性元素若しくは希ガスを導入することによって無機機能層を得る無機機能層形成工程を備えることを特徴とする。この本発明の有機EL素子の製造方法によって得られた有機EL素子は、上述したような無機機能層を備える。すなわち、この本発明の有機EL素子の製造方法は、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供することを可能とするものである。
また、本発明の有機EL素子の製造方法において、上記無機機能層形成工程に続いて無機層の上記一側の表面上に有機発光層を形成する発光層形成工程を備えると、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制するという効果をより有効に奏する有機EL素子を提供することができるので好ましい。
さらに、無機機能層形成工程において、無機層に陽性元素若しくは希ガスをスパッタリング法によって導入すると、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子をより容易に得ることができるので好ましい。
本発明によれば、従来のものと比較して、比較的高温で所定時間保存した後の駆動電圧の上昇を十分に抑制できる有機EL素子を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されているホール注入電極(陽極)1及び電子注入電極(陰極)2により、有機発光層10が挟持された構造を有している。またホール注入電極1は基板4上に形成されており、さらにホール注入電極1上に無機機能層16が配置されている。
本実施形態の有機EL素子は、無機機能層16が有機発光層10に隣接してなることにより、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制するという効果をより有効に奏することができる傾向にある。
(基板)
基板4の構成材料は、従来の有機EL素子の基板として用いられているものであれば、特に限定されない。したがって、そのような基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を挙げることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
この基板4に色フィルター膜若しくは蛍光性物質を含む色変換膜(蛍光変換フィルター膜)、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色を調整してもよい。
色フィルター膜としては、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いることができ、有機EL素子100の発光色に合わせてカラーフィルターの特性を調整することにより、取り出し効率若しくは色純度を最適化できる傾向にある。
また、EL素子に用いられる構成材料が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いることにより、素子の耐光性・表示のコントラストを向上できる傾向にある。さらに、誘電体多層膜のような光学薄膜をカラーフィルターの代わりに用いてもよい。
蛍光変換フィルター膜は、有機EL素子からの発光を吸収し、そのフィルター膜中の蛍光体から光を放出させることにより、発光色の色変換を行うものである。その組成としては、バインダー及び蛍光材料、さらには必要に応じて光吸収材料の三つから形成される。
上記蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いればよいが、有機EL素子100の発光波長域に吸収が強いと好ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、例えば、ローダミン系化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)、ナフタロイミド系化合物、縮合環炭化水素系化合物、縮合複素環系化合物、スチリル系化合物若しくはクマリン系化合物等を用いることができる。
バインダーとしては、基本的に蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されることなく用いることができ、それらのなかでも、フォトリソグラフィー若しくは印刷等で微細なパターニングができるようなものであると好ましい。また、ITO、IZOの成膜時に損傷を受けないような材料であるとより好ましい。
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いると好ましい。また、この光吸収材料としては、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されることなく用いることができる。
(ホール注入電極)
ホール注入電極(陽極)1の構成材料は、従来の有機EL素子に用いられているものであれば特に限定されない。そのなかでも、ホール注入電極1に隣接する無機機能層16にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
また、本実施形態においては、基板4の側を光取出し側とするので、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長におけるホール注入電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。ホール注入電極1の透過率が50%未満であると、有機発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の高いホール注入電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のInに対するSnOの比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のInに対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの材料は結晶であってもよく非結晶であってもよい。
なお、ホール注入電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよく、この偏倚等により、ホール係数測定装置等を用いた電気的評価について、キャリア密度が1.0×1018〜1.0×1021/cm、移動度が1〜200cm/Vs程度となると好ましい。
また、ITO電極等の透明電極を形成する工程における成膜条件若しくは成膜後の熱処理履歴等に依存して、透明電極自体が駆動履歴若しくは熱履歴に対して不安定になる場合がある。この不安定性を評価する方法の一つとして、100℃程度の熱処理前後で上記キャリア密度及び移動度を測定し、その変化割合を調べる方法がある。その結果、熱処理前後での変化割合が大きなものは不安定な膜質を有すると推定することができる。このような方法により、熱的に不安定な膜質であると評価された透明電極材料をホール注入電極1の主成分材料として用いる場合、本発明の効果を一層発揮することが可能となる。
また、ホール注入電極1に酸化シリコン(SiO)等の透明な誘電体を添加することにより、ホール注入電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiOを添加することによりITOの仕事関数を増大させ、ホール注入電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
ホール注入電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。ホール注入電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からのホール注入電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、抵抗値が高くなり、無機機能層16等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
(無機機能層)
無機機能層16は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素を添加してなるものである。
無機層の構成材料は、ホール注入電極1及び有機発光層10に接合可能な固体状の無機化合物であれば特に限定されないが、駆動電圧の経時上昇をより抑制できる傾向にあることから、該無機層としては半導体若しくは誘電体であると好ましい。それらのなかでも、無機層が700K以上の融点を有する元素の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物及びケイ化物からなる群より選ばれる1種以上の無機化合物を構成材料とすると好ましい。
そのような無機化合物としては、例えば、酸化物のなかでは、SiO、TiO、Bi、F、Mn、NiO、BaO、Al、La、Cr、Y、BeO、CaO、SrO、ZrO、CeO、UO、HfO、MgO若しくはThO又はMgAl等のこれらの複合酸化物などが挙げられる。窒化物のなかでは、AlN、Be、NbN、VN、ThN、UN、TiN、ZrN、BN、TaN若しくはHfN又はこれらの複合窒化物などが挙げられる。炭化物のなかでは、UC、BC、MoC、ThC、VC、WC、WC、TiC、TaC、ZrC、NbC、HfC若しくはTaC又はこれらの複合炭化物などが挙げられる。ホウ化物のなかでは、Mo、MoB、ThB、VB、MoB、WB、WB、VB、NbB、NbB、TaB、HfB、TaB、TiB若しくはZrB又はこれらの複合ホウ化物などが挙げられる。ケイ化物のなかでは、NiSi、MoSi、MoSi、TiSi、WSi、TaSi、ZrSi、HfSi若しくはTaSi又はこれらの複合ケイ化物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ここで用いる無機化合物は化学量論組成から多少偏倚していてもよく、熱的に安定な状態であれば様々な組成を有することができる。
有機EL素子に通常備えられるホール注入電極は比較的低融点の金属(例えばIn、Zn、Snなど)を有する材料を含有するため、ITO若しくはZnOなどのホール注入電極を構成する材料は、比較的低い結晶化温度を有する。結晶化温度が低いことは構成原子の移動若しくは再配列が容易に発生することを意味し、このことに起因して、従来の有機EL素子は、例えば自動車に搭載される等して約100℃以上の環境下におかれると、耐熱性が十分ではなく、上述したような駆動電圧の経時上昇若しくは駆動初期における不安定な挙動が一層顕著になる傾向にある。
しかしながら、上述した本実施形態の有機EL素子100は、約100℃以上の環境下におかれても、駆動電圧の経時上昇若しくは駆動初期における不安定な挙動が抑制される傾向にある。これは、駆動電圧の経時上昇を十分に抑制する効果を有する無機機能層16を、700K以上の融点を有する元素の無機化合物を構成材料とする無機層から得ることにより、その無機機能層16自体が約100℃以上の環境下に曝しても安定した状態にあるため、駆動電圧の上昇を十分に抑制するというを損い難いことに起因すると推定される。
このような観点から、700K以上の融点を有する元素が、B、Mg、Al、Si、Ti、Mn、Ni、Ge、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であるとより好ましく、Al、Zr、Hf、Si、Ta及びTiからなる群より選ばれる1種以上の元素であると更に好ましい。
なお、無機層の構成材料として上述した無機化合物を2種類以上組み合わせて用いた場合、後述する「無機機能層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素」は、組み合わせて用いたいずれの材料をも構成しない陽性元素を示す。
無機機能層16において、無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素(以下、単に「陽性元素」という。)若しくは希ガス(以下、「陽性元素等」という。)のうちの陽性元素は、無機層に採用された上述したような無機化合物が有する元素とは異なるものであって、本発明の効果を奏することができるものであれば、特に限定されない。例えば、無機層にSiOを用いた場合は、その陽性元素はSiとは異なる陽性元素であって本発明の効果を奏するものであればよく、無機層にMgAlOを用いた場合は、その陽性元素はMg及びAlとは異なる陽性元素であって、本発明の効果を奏するものであればよい。
なお、本発明の効果を奏するものか否かの確認方法は、陽性元素等を添加した無機機能層を備えた有機EL素子と、陽性元素等を添加していない単なる無機層を備えた有機EL素子若しくは無機層自体を備えていない有機EL素子と、の駆動電圧の経時上昇程度を比較することによって行われてもよい。その結果、陽性元素等を添加した無機機能層を備えた有機EL素子の方が、その駆動電圧の経時上昇程度が小さい場合は、本発明の効果を奏するものと判断することができる。
陽性元素等のうち、陽性元素が、無機機能層16に含まれると、有機EL素子100の駆動電圧の経時上昇を一層抑制できる傾向にあるので好ましい。
上記陽性元素等は、例えば、従来のイオン注入法、スパッタリング法若しくは蒸着法などの半導体へのイオン若しくは原子の導入法を用いることにより、無機層に導入され無機機能層16を形成する。したがって、無機層に比較的導入し易い観点及び有機EL素子100の駆動電圧の経時上昇を一層抑制できる観点から、該陽性元素がSi、Al、Ga、C、B若しくは遷移金属元素であるとより好ましく、Si、Al、Ga、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuであると更に好ましく、Si、Ga、Mn、Mo、Ta、Ti、Ni、Zr及びWであると特に好ましい。上記陽性元素等は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
無機層の構成材料がSiOである場合、陽性元素等は、Ga、Ta、Mn、Nb若しくはNiであると好ましく、Gaであるとより好ましい。無機層の構成材料と陽性元素等との組み合わせをこのようにすることにより、特に約100℃以上の比較的高温の環境下における駆動電圧の経時上昇をより一層抑制することができ、発光寿命の更なる延長に繋がる。
無機機能層の膜厚は、無機層の構成材料及び陽性元素等の種類若しくは含有割合などにもよるが、1〜10nm程度であると好ましい。その膜厚が上記下限値未満になると、有機EL素子100の駆動電圧の上昇を抑制する効果を奏し難くなる傾向にあり、上限値を超えると、駆動初期における駆動電圧が高くなり、実用に沿わない傾向となる。
無機機能層16中の陽性元素等の含有割合は膜厚方向で変化してもよく、ほぼ均一であってもよい。また、駆動電圧の経時上昇をより抑制できる観点から、無機機能層16の有機発光層10側の表面若しくは表面付近に陽性元素等が存在すると好ましい。
無機機能層16における陽性元素等の含有割合は、その無機機能層16における全原子及びイオンの数に対して0.05〜5.0%であると好ましい。この含有割合が上記下限値未満になると、有機EL素子100の駆動電圧の上昇を抑制する効果を奏し難くなる傾向にある。一方、上限値を超えると、無機機能層16の内部応力が大きくなり、原子の移動を促進する傾向にあるため、安定的にホールを注入し難くなる傾向にある。
なお、無機機能層16中の陽性元素等の含有割合は、無機機能層16を従来の方法によりエッチングしつつ、XPS、AES又はSIMSなどの表面原子分析法を用いることにより測定・確認することができる。
このような無機機能層16を備える有機EL素子100は、従来のものと比較して、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができる。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは以下のように考えている。ただし、要因はこれに限らない。
ホール注入電極に用いられるITO電極などは導電性酸化物を構成材料としており、この導電性酸化物は縮退したn型半導体であるため、電子が十分に過剰に存在する状態となっている。つまり導電性酸化物は、Si若しくはGe系のn型半導体に比べ、低抵抗を実現するために材料中のキャリア密度をSi若しくはGe系と比較して3桁程度高い密度にしている。これにより、ITOなどの導電性酸化物はエネルギー分布が縮退した状態にある。上記キャリア密度は金属材料と比較すると1桁程度低いものであるが、それでも導電性酸化物は電子が十分に過剰に存在する。
かかる過剰に存在する電子は、例えば母体材料の原子を価数の異なる原子により置換したり、あるいは酸素欠陥を生成させることによって発生するものである。しかしながら、電子が過剰に存在する透明電極から隣接する層にホールを注入すること、言い換えると電子が過剰に存在する透明電極が隣接する層から電子を引き抜くことは、非効率的なことであり、これにより時間の経過に伴い駆動電圧が上昇すると推定される。
このことは、従来の有機EL素子において、その透明電極の導電性を向上させようとした結果、透明電極の隣接する層との界面付近に電子がより過剰に存在する状態となることによって、一層顕著になるものと考えられる。すなわち、そのような電子の存在は上述したようなホール注入の妨げとなるばかりでなく、隣接する層との間で不要な電子の移動が発生するため、素子を比較的早期に劣化させる原因になる。その結果、該有機EL素子の駆動電圧は時間の経過と共に上昇することになると推定される。
また、透明電極の表面に対してプラズマ化された酸素イオンのような陰イオン又は窒素若しくはイオウ等の陰性元素が注入された有機EL素子は、その表面付近がマイナスに帯電した状態になると考えられる。かかる状態のホール注入電極(透明電極)の表面上に更に有機層等を積層すると、ホール注入電極の有機層等との界面付近のマイナスチャージがその位置に保持されたままの状態になり、電子はその界面に過剰に存在する状態となると推定される。
このようにして形成された有機EL素子に電界を印可すると、印可当初は、ホール注入電極の隣接する層との界面付近に過剰に蓄積する電子と注入されたホールとが再結合し、その界面付近で発光する。この再結合に用いられる電子は電界の印可により電子注入電極側から注入された電子とは別のものであるので、印可当初は見かけ上発光効率が上昇する。しかしながら、蓄積していた電子が再結合により用いられ減少するに伴い、結局、駆動電圧は時間の経過と共に上昇し、発光輝度は急激に減少することとなる。
以上のように、有機発光層側の表面付近に陰イオン若しくは陰性元素を導入されたホール注入電極を備える有機EL素子は、陰イオン若しくは陰性元素の存在により、駆動初期において不安定な挙動を示すこととなる。
一方、本実施形態の有機EL素子100は、ホール注入電極1の有機発光層側の表面上に陽性元素等を添加してなる無機機能層を備えるので、ホール注入電極1が有している過剰な電子をその陽性元素等によりトラップできるものと考えられる。それによって、ホール注入電極1の表面付近のキャリアバランスを電気的中性若しくはプラス側に安定化させることができる。さらには有機発光層10との間の不要な電子の移動を抑制できると推定される。また、無機機能層が備える陽性元素等は、100℃程度の比較的高温であっても無機機能層から脱離したり、または劣化したりすることはない。その結果、本実施形態の有機EL素子100は、駆動電圧を印可した後の、時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できるものと考えられる。
(有機発光層)
有機発光層10の構成材料としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
具体的には、例えば、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物、あるいは、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体若しくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体若しくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマー若しくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたものなどの高分子有機化合物などを挙げることができる。
これらのなかで、高発光効率及び長寿命の有機EL素子を得る観点から、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体、イリジウム錯体若しくは希土類金属錯体等の有機金属錯体化合物、アントラセン、ナフタセン、ベンゾフルオランテン、ナフトフルオランテン、スチリルアミン若しくはテトラアリールジアミン又はこれらの誘導体、ペリレン、キナクリドン、クマリン、DCM若しくはDCJTBなどの低分子有機化合物を用いると好ましい。
さらには、赤色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ジインデノペリレン若しくはその誘導体を用いると好ましい。また、青色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上述した赤色の発光を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルベンゾフルオランテン若しくはその誘導体を用いると好ましい。さらに、黄色若しくは橙色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ルブレン若しくはその誘導体を用いると好ましい。そして、緑色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上記各色を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルナフタセン若しくはその誘導体を用いると好ましい。
また、有機発光層10は、上記構成材料のうち、成膜の容易さ、ホール及び電子の注入され易さ並びに励起子の後述するドーパント材料への励起エネルギーの移動性等の観点から選択されるホール材料を母材とし、ホール材料からのエネルギーの受け取りやすさ及び発光能力の高さ等の観点から選択されるドーパント材料を、上記ホール材料中に分散させるようにすると、一層優れた発光効率を得ることができる傾向にあるので、より好ましい。
さらに、有機発光層10に含有されるドーパント材料の濃度が、有機発光層10の膜厚方向の全体に亘って略一定であると好ましい。このような有機発光層10は、ムラのない発光を実現することができ、それにより発光効率及び耐久性を向上させることができる傾向にあるので好ましい。
有機発光層10の膜厚は発光の均一性及び長寿命を得る観点から、10〜200nmであると好ましく、50〜150nmであるとより好ましい。
(電子注入電極)
電子注入電極(陰極)2の構成材料は、従来の有機EL素子において電子注入電極に用いられているものであれば特に限定されない。したがって、その構成材料として、金属材料、有機金属錯体若しくは金属塩等が挙げられ、有機発光層10へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましい。
電子注入電極2を構成する金属材料の具体例としては、Li、Na、K若しくはCs等のアルカリ金属、あるいは、Mg、Ca、Sr若しくはBa等のアルカリ土類金属が挙げられる。また、La、Ce、Eu、Sm、Yb、Y若しくはZr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。さらには、上記金属材料のほか、LiF若しくはCsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等を挙げることもできる。
電子注入電極2の膜厚は有機発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
なお、電子注入電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、有機発光層10への電子注入効率を向上させることができる傾向にあり、また、有機発光層10への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる傾向にある。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に電子注入電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd若しくはNi等が挙げられる。それらのなかでもAl若しくはAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる傾向にあるので、より好ましい。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。また、2種類以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
上述した有機EL素子100は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制することができるので、その発光寿命は一層向上することとなる。
上述した本実施形態の有機EL素子100は、無機機能層16を後述のようにして形成する以外は、従来の手順、条件を用いて製造することができ、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、用意した基板4上にスパッタリング法若しくは蒸着法などの方法により、ホール注入電極1を形成する(ホール注入電極形成工程)。
次いで、従来のイオン注入法、CVD法、スパッタリング法若しくは蒸着法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)などの成膜法を用いて、ホール注入電極1上に無機機能層16を形成する(無機機能層形成工程)。
より詳しくは、例えば、まず蒸着法、スパッタリング法、CVD法若しくは塗布法などの成膜法により無機層を形成した後、従来のイオン注入法を用いて、該無機層にイオンを注入することにより無機機能層16を得る。なお、無機層の形成方法としては、その膜厚制御性及びプロセスの汎用性の観点からは、スパッタリング法若しくは蒸着法を採用すると好ましい。
また、無機機能層16の形成に蒸着法を用いる場合、無機層の構成材料と陽性元素等を共蒸着法によりホール注入電極1上に蒸着させ、無機機能層16を形成してもよい。さらに無機機能層16の形成にスパッタリング法を用いる場合、スパッタリングターゲットとして無機層の構成材料のターゲットと陽性元素等のターゲットとを用意して、いわゆる二元法により無機機能層16を形成してもよい。
これらの導入法のなかで、不純物の混入を避け、汎用装置が使用できる観点からは、イオン注入法を採用すると好ましい。イオン注入法を用いる場合は、従来のイオン注入装置を用いてイオンガンにより元素をイオン化した後、高電圧をかけて加速されたイオンを、無機層のホール注入電極1と反対側の表面に向かって注入する。この際のイオンの加速電圧は、本発明の効果を奏する程度の適当な厚さとなるように、種々の因子を考慮して調整されればよい。
そのイオンの加速電圧を決める因子としては、無機層の構成材料若しくはその膜質(結晶化されているか否か)、得られる無機機能層16の膜厚などが挙げられる。したがって、イオンの加速電圧の好ましい範囲を一義的に決定することはできないが、1kV〜200kV程度の範囲であれば、駆動電圧の経時上昇を十分に抑制できる有機EL素子を得やすい傾向にある。
また、無機機能層16の膜厚制御性及びプロセスの汎用性の観点からは、スパッタリング法若しくは蒸着法を採用すると好ましい。
続いて、無機機能層16上に有機発光層10が形成される(発光層形成工程)。この有機発光層10の形成方法は、有機発光層10の構成材料等によって、従来の方法を適宜選択して採用することができ、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法若しくは塗布法等を採用することができる。そして、有機発光層10上に、電子注入電極2を、例えば真空蒸着法などにより形成すること(電子注入電極形成工程)によって、有機EL素子100が完成する。
こうして得られた有機EL素子100は、印可時間の経過に伴う駆動電圧の上昇を十分に抑制できる。
以上、本発明の有機EL素子及び有機EL素子の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示す本発明の第2実施形態の有機EL素子200は、上述した有機EL素子10の基板4上に積層された各層の順番が逆になっていてもよい。すなわち、基板4上に電子注入電極2、有機発光層10、無機機能層16及びホール注入電極1の順で積層されていてもよい。逆に積層することにより、基板とは反対側からの光取り出しが容易になる。この場合には、電子注入電極2が、第1実施形態において説明したホール注入電極1の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図1における有機EL素子100の無機機能層16と有機発光層10との間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
ホール輸送層11の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような構造を有することにより、有機EL素子300におけるホールの移動度が向上し、キャリアの再結合確率が向上し、有機発光層10からホール輸送層11への電子の移動を抑制することができるので、発光効率が向上する傾向にある。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態を示す模式断面図である。図4に示す有機EL素子400は、図3における有機EL素子300の電子注入電極2と有機発光層10との間に電子輸送層12を設けた構造を有している。
電子輸送層12の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような構造を有することにより、有機EL素子400における電子の移動度が向上し、キャリアの再結合確率が増加し、有機発光層10から電子輸送層12へのホールの移動を抑制することができるので、発光効率が向上する傾向にある。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、ホール注入電極1及び電子注入電極2により、無機機能層16、ホール注入層14、ホール輸送層11、有機発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、有機発光層10及び電子注入層13はいずれも有機層であり、ホール注入電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
ホール注入層14の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸などの有機化合物材料、又は、ゲルマニウム若しくはシリコン等の金属若しくは半金属の酸化物などを用いることができる。これらのホール注入性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このホール注入層14を備えることにより、有機EL素子500は、ホール注入電極1からのホールの注入を容易にし、ホールを安定に輸送し、さらにはホール輸送層11からの電子を妨げる機能を有するものである。それにより、有機EL素子500の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
電子注入層13の構成材料は、従来の有機EL素子においてホール輸送層に用いられているものであれば特に限定されることはなく、リチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。この電子注入層13を備えることにより、有機EL素子500は、電子注入電極2からの電子の注入を容易にし、電子を安定に輸送し、さらには有機発光層10からのホールを妨げる機能を有するものである。それにより、有機EL素子500の発光効率が向上するとともに駆動電圧が全体的に低下する傾向にある。
図6は、本発明に係る有機EL素子の第6実施形態を示す模式断面図である。図6に示す有機EL素子600は、図5における有機EL素子500の電子注入層13と有機発光層10との間に電子輸送層12を設けた構造を有している。このような構造を有することにより、有機EL素子600の各材料の選択肢を広げることができるので、用途に応じた有機EL素子600を得ることができる傾向にある。
ホール輸送層11、電子輸送層12、ホール注入層14及び電子注入層13の好適な厚さは、いずれも1〜100nmである。
さらに、図示していないが、異なる構成材料(材料の種類、材料の含有割合)を含有する発光層を複数積層して設けてもよい。
本発明の別の実施形態の有機EL素子の製造方法において、ホール注入電極を形成した後、そのホール注入電極上に無機機能層を積層する前に、その電極の基板と反対側の表面にプラスの電圧を印可することにより、その表面付近に蓄積されたマイナスのチャージを低減若しくは消滅させてもよい。これにより、上述した陽性元素等を添加する製造方法と同様の効果、すなわち、得られる有機EL素子の駆動電圧の経時上昇を十分に抑制する効果等を奏することができる。
この電極の表面にプラスの電圧を印可する際に基板温度を80〜300℃程度にすると、蓄積されたキャリア移動の加速及び原子欠陥の消滅の加速の観点から好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、用意したガラス基板上に、ITOを100nmの膜厚に成膜し、パターニングした。
次いで、SiOスパッタリングターゲットを用いて、通常のスパッタリング法によりホール注入電極上に膜厚2nmのSiO層を形成した。スパッタリング条件について、RFパワーは100W、スパッタリングガスは10体積%のOを混合したArガス、成膜ガス圧力は1.0Paであった。
そのSiO層のガラス基板と反対側の表面から、市販のイオン注入装置(FB2100、日立製作所株式会社製)を用いて、加速電圧10kV、電流50nAでGaイオンを5分間注入し、Gaイオン(Ga3+)を含む無機機能層を形成した。
得られた無機機能層をXPSを用いて分析したところ、Gaイオンは、無機機能層中の全原子及びイオンの数に対して0.5%含まれていることが確認された。
続いて、基板の温度を25℃まで冷却した後、下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物とを、体積比で97:3の割合で、無機機能層上に真空共蒸着(系内圧力:1×10−4Pa)させ、100nmの膜厚を有する有機発光層を形成した。
Figure 2005108696
Figure 2005108696
次いで、系内を減圧状態に維持したまま、電子注入層としてフッ化リチウムを真空蒸着法により発光層上に形成した。この電子注入層の膜厚は1nmであった。そして、陰極としてアルミニウムを電子注入層上に、100nmの膜厚に成膜し、実施例1の有機EL素子を得た。
(比較例1)
無機機能層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機EL素子を得た。
(比較例2)
SiO層にGaイオン(Ga3+)を注入せずに、そのSiO層上に有機発光層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例2の有機EL素子を得た。
<素子特性評価試験>
上記のようにして得られた実施例1、比較例1及び比較例2の有機EL素子を、Arガス雰囲気中、105℃にて、所定時間保存した。そして、保存後の有機EL素子の100mA/cmの定電流駆動をした時の駆動電圧を測定した。上記保存前に駆動した際の駆動電圧に対する所定時間保存後の駆動電圧の上昇分の結果を表1に示す。
Figure 2005108696
本発明の第1実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 本発明の第3実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 本発明の第4実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 本発明の第5実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 本発明の第6実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 実施例及び比較例に係る有機EL素子の駆動電圧の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1…ホール注入電極(陽極)、2…電子注入電極(陰極)、4…基板、10…有機発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、16…無機機能層、100…第1実施形態に係る有機EL素子、200…第2実施形態に係る有機EL素子、300…第3実施形態に係る有機EL素子、400…第4実施形態に係る有機EL素子、500…第5実施形態に係る有機EL素子、600…第6実施形態に係る有機EL素子、P…電源。

Claims (14)

  1. 対向するホール注入電極と電子注入電極との間に有機発光層を備え、
    前記ホール注入電極の前記有機発光層側の表面上に無機機能層を備え、
    前記無機機能層は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素若しくは希ガスを添加してなることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記無機機能層は、無機層に、その無機層を構成する主成分の元素とは異なる陽性元素を添加してなることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
  3. 基板の一側に備えられたホール注入電極の前記一側に形成された無機層の前記ホール注入電極と反対側から前記無機層に陽性元素若しくは希ガスを導入することによって得られる無機機能層と、電子注入電極と、の間に有機発光層を備えてなることを特徴とする有機EL素子。
  4. 前記無機機能層は、前記無機層の前記ホール注入電極と反対側から前記無機層に陽性元素を導入することによって得られるものであることを特徴とする請求項3記載の有機EL素子。
  5. 前記陽性元素がSi、Al、Ga、C、B及び遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項2又は4に記載の有機EL素子。
  6. 前記陽性元素がSi、Al、Ga、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Ta、W、Pt及びAuからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項5記載の有機EL素子。
  7. 前記陽性元素がSi、Ga、Mn、Mo、Ta、Ti、Ni、Zr及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項6記載の有機EL素子。
  8. 前記無機層が、700K以上の融点を有する元素の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物及びケイ化物からなる群より選ばれる1種以上の無機化合物を構成材料とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  9. 前記700K以上の融点を有する元素が、B、Mg、Al、Si、Ti、Mn、Ni、Ge、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項8記載の有機EL素子。
  10. 前記700K以上の融点を有する元素が、Al、Zr、Hf、Si、Ta及びTiからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項9記載の有機EL素子。
  11. 前記無機機能層は前記有機発光層に隣接してなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  12. 基板の一側に備えられたホール注入電極の前記一側に形成された無機層の前記ホール注入電極と反対側から、前記無機層に、陽性元素若しくは希ガスを導入することによって無機機能層を得る無機機能層形成工程を備えることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  13. 前記無機機能層形成工程に続いて前記無機層の前記一側の表面上に有機発光層を形成する発光層形成工程を備えることを特徴とする請求項12記載の有機EL素子の製造方法。
  14. 前記無機機能層形成工程において、前記無機層に前記陽性元素若しくは前記希ガスをスパッタリング法によって導入することを特徴とする請求項12又は13に記載の有機EL素子の製造方法。
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