JP2005108664A - 光電変換素子及びそれを用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Hitoshi Kusama
仁 草間
Hironori Arakawa
裕則 荒川
Kazuhiro Sayama
和弘 佐山
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Abstract

【課題】 電極から電荷輸送材料へ、光の照射とは関係なく流れる逆電流を防止することにより、取り出し電圧が十分に得られる色素増感半導体型光電変換素子及びこれを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】 表面に色素を有する半導体層電極、対電極、電解質溶液からなる色素増感型光電変換素子であって、電解質溶液がイミダゾール系化合物を含有する電解質溶液であることを特徴とする色素増感型光電変換素子、及びこれを1個ないし複数個並べて、配線し、電力取り出し用端子を設けた色素増感型太陽電池。

Description

本発明は、高い開放電圧を有する電解質溶液およびそれを用いた光電変換素子に関する。
太陽光発電に使用する太陽電池として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の化合物を用いた太陽電池が実用化若しくは主な研究開発の対象となっているが、家庭用電源等に広く普及させる上では製造コストが高いこと、原材料の確保が困難であること、エネルギーペイバックタイムが長いこと等の問題点があり、これらを克服する必要がある。一方、電池の大面積化や低価格化を目的として有機材料を用いた太陽電池が多く提案されているが、一般にこのような太陽電池は光電変換効率が低く、耐久性も悪いという問題がある。
ルテニウム錯体色素により分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする色素増感半導体型の光電変換素子及び太陽電池、並びにこれを作製するための材料及び製造技術を開示している(非特許文献1、特許文献1及び特許文献2参照)。
これらの色素増感半導体型太陽電池は、半導体層電極、対電極、およびそれらの電極間に挟持された電解質層とから構成される。光電変換材料である半導体層電極において、半導体層表面には、可視光領域に吸収スペクトルを有する光増感色素が吸着されている。
これらの電池において、半導体層電極に光を照射すると、この電極側で電子が発生し、該電子は電気回路を通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電解質中のイオンによって運ばれ、半導体層電極にもどる。このような過程が繰返されて電気エネルギーが取出される。
この色素増感半導体型光電変換素子の第一の利点は、二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の利点は、用いる色素の吸収がブロードなため可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できることである。しかし、取り出し電圧が十分に得られないという問題があった。これは、電極から電荷輸送材料へ、光の照射とは関係なく逆電流が流れることに起因しており、この逆電流を十分に防止する手段はなかった。
米国特許 4190950号明細書 WO 94/04497号公報 Nature, 第353巻, 737〜740頁 (1991)
そこで、電極から電荷輸送材料へ、光の照射とは関係なく流れる逆電流を防止することにより、取り出し電圧が十分に得られる色素増感半導体型光電変換素子及びこれを用いた太陽電池を提供すべく本発明者は鋭意研究を続けた。
その結果、表面に色素を有する半導体層電極、対電極、電解質溶液からなる色素増感型光電変換素子であって、イミダゾール系化合物からなる電解質溶液を用いることにより、高い開放電圧を発現する色素増感型光電変換素子の開発に成功した。
即ち、本発明は、一般式(I)
Figure 2005108664
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、エチニル基、フェニル基、アミノフェニル基、ハロゲン化フェニル基、アミノ基、アミノプロピル基、シアノ基、シアノメチル基、ハロゲン基、ベンジル基から選ばれる基であり、かつ、同一の基であってもよい。)で表される化合物の1種、又は2種以上を、含有してなる電解質溶液を用いたことを特徴とする色素増感型光電変換素子である。
また、さらに本発明においては、電解質溶液に、酸化還元系電解質を含むことを特徴としている。
さらに、本発明においては、酸化還元系電解質としてハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子を用いることができる。
また、ハロゲン化合物がヨウ素化合物で、ハロゲン分子がヨウ素であることが好ましい。とくに、ハロゲン化合物がヨウ素の無機塩及び/または有機塩であるのがより好ましい。
また、ハロゲン化合物が臭素化合物で、ハロゲン分子が臭素であることが好ましい。とくに、ハロゲン化合物が臭素の無機塩及び/または有機塩であるのがより好ましい。
本願発明の色素増感型光電変換素子の典型的な例が、色素増感型太陽電池であり、半導体層電極として半導体酸化物を用い、その表面を色素で覆った電極を用いるものであり、当業者はこのような構成を熟知している。
本発明は、当然、このような多様な色素増感型光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池を提供することもできる。
イミダゾール系化合物を含有する電解質溶液を用いることにより、電極から電荷輸送材料へ、光の照射とは関係なく流れる逆電流を防止することにより、取り出し電圧が十分に得られ、非常に高い開放電圧を示す光電変換素子を得ることができるので、開放電圧の高い太陽電池を提供することができる。
本発明のイミダゾール系化合物を含有する電解質溶液は、電解質と溶媒からなる。
本発明に好ましく用いることのできるイミダゾール系化合物としては、下記一般式(I)により表されるものであることが好ましい。
Figure 2005108664
以下に一般式(I)で表される本発明のイミダゾール系化合物について詳しく説明する。式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、エチニル基、フェニル基、アミノフェニル基、ハロゲン化フェニル基、アミノ基、アミノプロピル基、シアノ基、シアノメチル基、ハロゲン基、ベンジル基から選ばれる基であり、かつ、同一の基であってもよい。
電解質溶液に対するイミダゾール系化合物の濃度は0.001mol/l〜10mol/lの範囲内であり、一層好ましい範囲は0.005mol/l〜5mol/lであり、特に好ましい範囲は0.01mol/l〜2mol/lであり、最も好ましい範囲は0.05mol/l〜1mol/lである。また、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
本発明で使用する酸化還元系電解質にはハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子からなるハロゲン系酸化還元系電解質、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシアニウムイオンなどの金属錯体等の金属酸化還元系電解質、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等の芳香族酸化還元系電解質などをあげることができるが、ハロゲン系酸化還元系電解質が好ましい。
本発明で用いる電解質はヨウ素分子とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、臭素分子と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2 などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができる。
この中でもヨウ素分子とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質、もしくは臭素分子とBrIやピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
電解質の好ましい濃度は0.1mol/l〜10mol/lであり、さらに好ましくは0.2mol/l〜4mol/lである。また、電解液にヨウ素もしくは臭素を添加する場合の好ましいヨウ素もしくは臭素の添加濃度は0.01mol/l〜0.5mol/lである。
酸化還元電解質を溶解するために用いる溶媒としては、イミダゾール系化合物および酸化還元系電解質を溶解し、イオン伝導性に優れた化合物が望ましい。
溶媒としては水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用できるが、イミダゾール系化合物および酸化還元系電解質をより安定化するため、有機溶媒が好ましい。
例えばこのような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン性の極性物質等の有機溶剤等が挙げられる。
このなかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物が特に好ましい。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
本発明で用いるイミダゾール系化合物を含有する電解質溶液を用いた光電変換素子は負極、正極及び電荷分離層から成る。光電変換素子としては一般的に光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子全体を指す。
本発明で用いるイミダゾール系化合物を含有する電解質溶液を用いた光電変換素子は、種々の材料に使用可能であるが、色素増感型太陽電池に特に最適である。
色素増感型太陽電池は半導体層電極、対極、電解質溶液で構成される。
半導体層電極は酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物半導体を導電性ガラスなどの導電性材料表面に薄膜化させて、その酸化物半導体薄膜に光増感色素を吸着担持することにより得られる。
対極は導電性ガラスなどの導電性材料表面に白金などを蒸着して得られる。得られた半導体電極と対峙するように対極を配置する。その隙間に電解質溶液を充填して光電変換素子の周囲を樹脂で封止して色素増感型太陽電池となる。
前記導電性材料としては、導電性を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、透明ないし半透明のガラス基板やプラスチック板上に、例えば、フッ素あるいはアンチモンドープの酸化スズ(NESA)、スズドープの酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛などの導電性透明酸化物半導体薄膜をコートしたもの、好ましくは、フッ素ドープの酸化スズ薄膜をコートしたもの等が用いられる。
本発明で用いられる半導体薄膜は、ナノ粒子(粒子径5〜2000nm)からなるナノポーラス構造を有する化合物半導体で構成することができる。
その材料としては、例えば、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化ニッケルなどの単一金属酸化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸ナトリウムなどの複合酸化物、ヨウ化銀、臭化銀、ヨウ化銅、臭化銅などの金属ハロゲン化物、硫化亜鉛、硫化チタン、硫化インジウム、硫化ビスマス、硫化カドミウム、硫化ジルコニウム、硫化タンタル、硫化銀、硫化銅、硫化スズ、硫化タングステン、硫化モリブデン、セレン化カドミウム、セレン化ジルコニウム、セレン化亜鉛、セレン化チタン、セレン化インジウム、セレン化タングステン、セレン化モリブデン、セレン化ビスマス、テルル化カドミウム、テルル化タングステン、テルル化モリブデン、テルル化亜鉛、テルル化ビスマスなどのカルコゲナイド化合物、さらには、これらの化合物を二種類以上含む混合化合物半導体材料(例えば、酸化スズ/酸化亜鉛、酸化スズ/酸化チタン)が挙げられるが、これらに限定されない。
前記した半導体薄膜の膜厚は、0.1〜100μmであり、好ましくは、1〜30μmである。
本発明で用いる光増感色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つものを用いることができる。
このような光増感色素には、構造上の制限は特になく、たとえば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素、および中心金属としてルテニウムなどを有するビピリジル錯体など、種々の色素が使用できる。
その中でも、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、およびビピリジル錯体のような金属錯体色素は、高い量子収率を有し、光に対する耐久性がよいため、光電変換材料には適している。
なお、金属錯体色素の場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属が用いられる。この中でも、Cu、Ti、Zn、Al、Fe、V、Si、Ru等の金属錯体色素は高い量子効率を有する。
本発明においては、半導体薄膜表面と強固に吸着するために、該色素は分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などの置換基を有するものが好ましい。
光増感色素の半導体薄膜上への吸着は、色素溶液中に半導体薄膜を浸し、室温で1分〜10日、あるいは加熱条件下で1分から24時間放置することによりおこなう。
好ましくは、室温で12時間以上放置する方法である。光増感色素を半導体薄膜上に吸着させる場合に用いる溶媒は、光増感色素を溶解する溶媒なら何でも良い。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール溶媒、ベンゼン等の炭化水素溶媒の他、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどの有機溶媒、さらには、それらの混合溶媒である。好ましくは、エタノール又はt−ブタノールとアセトニトリルの混合溶媒である。
光増感色素を半導体薄膜上に吸着させる場合の色素溶液の濃度は、0.01mmol/lから飽和量であり、好ましくは、0.1〜0.5mmol/lである。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、イミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた。
上記電解質溶液を、次の化学式
Figure 2005108664
で表わされる増感色素を担持した導電性ガラス付き多孔質酸化チタン半導体薄膜(厚さ15μm)に滴下した。ここにポリエチレンフィルム製のフレーム型スペーサー(厚さ25μm)をのせ、白金対電極でこれを覆い、光電変換素子を構成した。
得られた光電変換素子に、Xeランプを光源として強度100mW/cmの光を照射したところ、開放電圧は0.85Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−(1−ブチル)イミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.80Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.88Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、5−エチニル−1−メチルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.76Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−フェニルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.74Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、4−メチル−2−フェニルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.82Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−(4−アミノフェニル)イミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.78Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−(4−フルオロフェニル)イミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.72Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、4−アミノ−5−シアノイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.66Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.89Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、4−シアノメチルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.75Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、4−ブロモイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.71Vであった。
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.6mol/l、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール0.5mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.81Vであった。
(比較例)
電解質溶液として溶媒がアセトニトリルでヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.62mol/lを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして光電変換素子を構成し評価したところ、開放電圧は0.64Vであった。
以上の結果から、イミダゾール系化合物を電解液に添加すると、開放電圧が上昇することが明らかである。
本発明によれば、電極から電荷輸送材料へ、光の照射とは関係なく流れる逆電流を防止することにより、取り出し電圧が十分に得られる発電効率の良い色素増感半導体型光電変換素子を作ることができる。また、これを用いた発電効率の良い太陽電池を提供することが出来き、この分野における産業に与える影響は大きい。




























Claims (9)

  1. 表面に色素を有する半導体層電極、対電極、電解質溶液からなる色素増感型光電変換素子であって、電解質溶液がイミダゾール系化合物を含有する電解質溶液であることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記イミダゾール系化合物が下記一般式(I)
    Figure 2005108664
    (式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、エチニル基、フェニル基、アミノフェニル基、ハロゲン化フェニル基、アミノ基、アミノプロピル基、シアノ基、シアノメチル基、ハロゲン基、ベンジル基から選ばれる基であり、かつ、同一の基であってもよい。)で表される化合物の1種、又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載した色素増感型光電変換素子。
  3. 電解質溶液が、さらに酸化還元系電解質を含むことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載した色素増感型光電変換素子。
  4. 酸化還元系電解質が、ハロゲンイオンを対イオンとするハロゲン化合物及びハロゲン分子である請求項3に記載した光色素増感型電変換素子。
  5. ハロゲン化合物がヨウ素化合物で、ハロゲン分子がヨウ素である請求項4に記載した色素増感型光電変換素子。
  6. ヨウ素化合物がヨウ素の無機塩及び/または有機塩である請求項5に記載した色素増感型光電変換素子。
  7. ハロゲン化合物が臭素化合物で、ハロゲン分子が臭素である請求項4に記載した色素増感型光電変換素子。
  8. 臭素化合物が臭素の無機塩及び/または有機塩である請求項7に記載した色素増感型光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載した色素増感型光電変換素子を1個ないし複数個並べて、配線し、電力取り出し用端子を設けた色素増感型太陽電池。









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