JP2005107227A - 表示素子 - Google Patents

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高史 野口
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Abstract

【課題】 良好な色再現性を実現できる表示素子を提供する。
【解決手段】 表示素子10は、互いに異なる原色をあらわす3つの第1の着色領域11a,11b,11cが光学的に並列に配置された第1の液晶層11と、色素のうちいずれか1つを含み、互いに異なる補色をあらわす3つの第2の着色領域12a,12b,12cが、第1の着色領域11a,11b,11cにあらわされる色相に対して補色関係にある色相をあらわすとともに積層方向の下方にそれぞれ位置するように光学的に並列に配置された第2の液晶層12とを備え、並列方向の混色が中性色となるときの色素の並置混合比率と、積層方向の混色が中性色となるときの色素の重畳混合比率とが略一致するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶カラーディスプレイなどに好適に用いられる表示素子に関する。
近年、モバイル・コンピューティングの普及に伴って、より軽量、薄型、低消費電力なディスプレイが求められており、特にバックライトの不要な反射型のカラーディスプレイへの関心が高まっている。反射型のカラーディスプレイは、外光を照明光として用いるため、十分な色再現性が得られないという点で改善の余地がある。
そこで、従来、色再現性を向上させることができる表示素子が提案されており、例えば、特許文献1には、二色性色素を含有する3個の液晶部を並列に配置するとともに、2層に積層したカラー表示素子が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、3原色画素の加法混色を利用してカラー表示を行う液晶素子において、それぞれの原色画素が、原色のゲストホスト液晶の領域と、これと補色のゲストホスト液晶の領域またはブラックのゲストホスト液晶の領域の組合せを有する構成が記載されている。
特表昭62―502780号公報 特開平8―286215号公報(第3〜5頁、第1図)
しかし、上述した従来のいずれの液晶表示素子でも、十分な色再現性を得られないという問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、良好な色再現性を実現できる表示素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、フルカラー表示を行う表示素子であって、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第1の着色領域が光学的に並列に配置された第1の着色層と、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第2の着色領域が、前記第1の着色領域にあらわされる前記色相に対して補色関係にある色相をあらわすとともに積層方向の下方にそれぞれ位置するように光学的に並列に配置された第2の着色層とを備え、並列方向の混色が中性色となるときの色素の並置混合比率と、積層方向の混色が中性色となるときの色素の重畳混合比率とが略一致するように構成されていることを特徴とする表示素子によって達成される。
一般的に、表示素子の色再現性を評価する一つの基準として、原色と該原色に対する補色とを混色した際に中性色であるニュートラルグレーを適切に表示することの可否を確認することが知られている。
原色領域からなる着色層と補色領域からなる着色層とを積層させた光学的構造を備えた表示素子においては、補色領域の並列方向の混色と各原色領域とその積層方向の下方に位置する補色領域との混色とを、いずれも中性色とすることで最も良好な色再現性を実現することができる。
本発明にかかる表示素子は、例えば、並列方向の混色が中性色となる状態のとき混合される色素の比率を並置混合比率とし、各第1の着色領域とその積層方向の下方に位置する第2の着色領域との混色が中性色となる状態のときの混合される色素の比率を重畳混合比率とし、これら両方の比率が略一致するように構成されているため、良好な色再現性を実現することができる。ここで、並置混合比率と重畳混合比率とを一致させる構成とは、例えば、色素を選択して第1の着色領域及び第2の着色領域にそれぞれ含有させる構成である。
上記表示素子は、第1の着色領域及び第2の着色領域にあらわされる色相が、R,G,B,C,M,Yのいずれか1つであることが好ましい。
上記表示素子は、第2の着色領域にあらわされる色相が、C,M,Yのいずれか1つであることが好ましい。
上記表示素子は、上記色素がシアンC,マゼンタM,イエローYであり、並置混合比率をC1:M1:Y1とし、重畳混合比率をC2:M2:Y2としたときに、下式で与えられる一致度εが0.4以下であることが好ましい。
一致度ε=|log(C1/C2)−log(M1/M2)|+|log(Y1/Y2)−log(M1/M2)|
上式において、logは常用対数(底が10である)である。
また、本発明の上記目的は、フルカラー表示を行う表示素子であって、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第1の着色領域が光学的に並列に配置された第1の着色層と、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第2の着色領域が、前記第1の着色領域にあらわされる前記色相に対して補色関係にある色相をあらわすとともに積層方向の下方にそれぞれ位置するように光学的に並列に配置された第2の着色層とを備え、前記第2の着色領域の並列方向の混色が中性色となるときの色素の並置混合比率と、各第1の着色領域とその積層方向の下方に位置する第2の着色領域との混色が中性色となるときの色素の混合比率と、前記第1の着色領域の並列方向の混色が中性色となるときの色素の混合比率とが、いずれも略一致することを特徴とする表示素子によって達成することができる。
こうすれば、第2の着色領域の並列方向の混色と各第1の着色領域とその積層方向の下方に位置する第2の着色領域との混色だけでなく、第1の着色領域の並列方向の混色も中性色となるように色素の混合比率を一致させるように構成されているため、表示素子の色再現性をより一層向上させることができる。
本発明にかかる表示素子によれば、良好な色再現性を実現できる表示素子を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる表示素子の一実施形態を光学的に示す模式図である。なお、以下、本発明に係る実施形態の説明において参照する模式図は、各部の寸法は実際とは異なる比率で示している。
本実施形態の表示素子1は、複数の絵素10の集合体から構成されている。これら絵素10のそれぞれは、一対の透明又は不透明層13a,13bと、これら一対の透明又は不透明層13a,13bの間に積層された着色層(本実施形態においては液晶層とした。以下、液晶層という。)11,12とで概略構成されている。図1に示すように、絵素10において、液晶層11,12の積層された方向(以下、積層方向ともいう。)に対して上方から外部の光源から入射光Lが照射される。なお、透明又は不透明層13a,13bは電極を有していてもよい。
また、本実施形態の表示素子1は、分子の長軸方向と、短軸方向とで吸光度の異なる色素(二色性色素)をゲストとしてホストである液晶層11,12に含有させた、所謂、ゲストホストモードを用いた液晶表示素子である。ゲストホストモードでは、上記色素分子の配向が液晶分子の配向を介して印加電圧によって制御される。このように、電圧を加えることで色素分子の配向方向を制御し、色素分子によって吸収される光の強度を変化させて表示色を調整する。
本実施形態において、各絵素10は、互いに異なる原色を表示色としてあらわす原色領域(第1の着色領域)11a,11b,11cを光学的に並列(図1中、左右方向の並び)に配置させてなる液晶層(第1の液晶層)11と、互いに異なる補色を表示色としてあらわす補色領域(第2の着色領域)12a,12b,12cを光学的に並列に配置させてなる液晶層(第2の液晶層)12とが設けられている。なお、以下の説明において、原色領域11a,11b,11cと補色領域12a,12b,12cとを総称して「着色領域」ともいうこととする。
本実施形態において、原色として加法混色の三原色(RGB)であるレッドR,グリーンG,ブルーBを使用し、これら原色に対する補色として、減法混色の三原色(CMY)であるシアンC,マゼンタM,イエローYを使用した。図1中のC,M,Yはそれぞれ、シアン,マゼンタ,イエローを意味している。
第1の液晶層11における原色領域11a,11b,11cはそれぞれ、補色であるシアンC,マゼンタM,イエローYのうちいずれか2つをゲストとし、ホストである液晶に含有させたゲストホスト液晶(GH液晶)である。具体的には、第1の液晶層11における左端の原色領域11aは、マゼンタMとイエローYの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させて重畳混色することで光学的にレッドRを表示する構成である。同様に、第1の液晶層11における中央の原色領域11bは、シアンCとイエローYの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させて重畳混色することで光学的にグリーンGを表示する構成である。第1の液晶層11における右端の原色領域11cは、シアンCとマゼンタMの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させて重畳混色することで光学的にブルーBを表示する構成である。このように、表示素子10は、フルカラーを表示することが可能である。
第2の液晶層12における補色領域12a,12b,12cはそれぞれ、補色であるシアンC,マゼンタM,イエローYのうちいずれか1つをゲストとし、ホストである液晶に含有させたゲストホスト液晶である。具体的には、第2の液晶層における左端の補色領域12aは、積層方向の上方に位置する第1の液晶層11の原色領域11aにあらわされる表示色レッドに対して補色となるシアンCの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させた構成である。同様に、第2の液晶層における中央の補色領域12bは、積層方向の上方に位置する第1の液晶層11の原色領域11bにあらわされる表示色グリーンに対して補色となるマゼンタMの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させた構成である。第2の液晶層における右端の補色領域12cは、積層方向の上方に位置する第1の液晶層11の原色領域11cにあらわされる表示色ブルーに対して補色となるイエローYの色素をゲストとしてホストである液晶に含有させた構成である。
すなわち、本実施形態の表示素子1は、補色の色素のうち2つを組み合わせることで互いに異なる原色をあらわす3つ原色領域が光学的に並列に配置された第1の液晶層11と、色素のうちいずれか1つを含み、互いに異なる補色をあらわす3つの補色領域12a,12b,12cが、原色領域11a,11b,11cにあらわされる原色に対する補色が積層方向の下方にそれぞれ位置するように、光学的に並列に配置された第2の液晶層12とが積層された構成である。
図2は、原色の色素を有する原色領域を有する液晶層と補色の色素を有する補色領域を有する液晶層とを積層させた、一般的な2層型の構造を有する表示素子を示す模式図である。本実施形態の表示素子1において、原色領域には、補色の組み合せによってレッドR,グリーンG,ブルーBが表示されることから、図2に示す上記表示素子1Aと実質的に同等のカラー表示機能を有すると考えることができる。
表示素子1において、液晶層11,12の各層には図示しない駆動素子がそれぞれ設けられ、これら駆動素子を各自駆動制御可能に設けることで、液晶層11,12の原色領域及び補色領域の各領域に独立して電圧を印加することができる。
ここで、表示素子1の駆動方式としては、例えば、単純マトリックス駆動方式、又は薄膜トランジスタ(TFT)等を用いたアクティブマトリックス駆動方式等の一般的な駆動方式を用いてそれぞれの絵素10の表示を適宜駆動制御することができる。
駆動素子を駆動して各領域に電圧が印加されると、各領域の液晶中に含有される色素を有する二色性色素の配向が変化する。このように、駆動素子を駆動制御することで各領域の表示色の表示又は非表示を制御し、原色領域の表示色と補色領域の表示色とを積層方向に混色することで絵素単位ごとにカラー表示を行うことができる。
図3は、本実施形態にかかる表示素子において、入射光を透過する状態と透過しない状態とを説明する図である。図3に示すように、第2の液晶層12と下方側に配置された透明又は不透明層13bとの間には入射光Lを反射させて第1の液晶層11を介して上方へ誘導する反射層14が形成されている。第1の液晶層11における着色領域に電圧を印加しない場合、液晶中の二色性色素の向き(長軸の長さ方向)が積層方向に対して平行な状態となり、該領域中を入射光Lが透過する状態(発色OFFの状態)となり、第1の液晶層における該領域中に含有された色素に対応する表示色があらわれない。このとき、第2の液晶層12に電圧を印加すると、該第2の液晶層中の二色性色素が積層方向(図1の上下方向)に対して垂直な状態(発色ONの状態)となる。すると、入射した入射光Lが、第2の液晶層12中に含有された補色の二色性色素によって吸収された後、該領域の下部に形成された反射膜14によって反射されて、第1の液晶層11を再度透過して反射光L2となる。そして、反射光L2は、第2の液晶層12中に含有された補色になり、この結果、表示素子1は、該補色を表示色として外部に発色する。
図4に基づいて、本実施形態の表示素子によってカラー表示の仕方を説明する。
表示素子1において、所望の絵素10をレッドR表示させる場合には、例えば、原色領域11aに電圧を印加することで発色ON状態とするとともに、シアンCの色素を含有するの補色領域12aを発色OFF状態とする。また、原色領域11b,11cをともに発色OFF状態とするとともに、補色領域12b,12cの両方に電圧を印加することで発色ON状態とする。こうすると、原色領域11aと補色領域12aとからなる積層体(画素A)が該原色領域11aに含有されたマゼンタM,イエローYのみの混色によってレッドRを表示する。また、原色領域11bと補色領域12bとからなる画素BがマゼンタMを表示するとともに原色領域11cと補色領域12cとからなる画素CがイエローYを表示することによって、これらマゼンタMとイエローYとが光学的に並列方向の混色されることによって、これら画素B,CによってレッドRを表示することができる。こうして、絵素10はレッドRを表示することができる。なお、図4中において、表示色があらわれる原色領域及び補色領域を斜線で示している。
上記のように所望の絵素10をレッドR表示させる場合において、原色領域11b,11cをともに発色OFF状態とするとともに、補色領域12b,12cをともに発色OFF状態とすることで、画素Aのみで絵素10をレッドR表示することもできる。
本実施形態の発色素子10は、補色領域12a,12b,12cの並列方向の混色が中性色となるときの該色素の並置混合比率と、各原色領域とその積層方向の下方に位置する補色領域との混色が中性色となるときの該色素の重畳混合比率とが略一致するように、上記補色の色素C,M,Yが選択されていることを特徴とする。
ここで、中性色とは、各液晶層の領域の表示色を全て発色させた状態において、これら発色された色相が混色されてあらわれる色相(ニュートラルグレー)を意味し、一般的に、この中性色の適正な表示の可否に基づいて表示素子の色再現性が決定される。本実施形態の表示素子のように液晶層を積層させてなる表示素子において、1)各液晶層の並列された原色領域又は補色領域の並列方向の混色(以下、並置混色という。)を中性色とし、2)積層された液晶層同士における原色領域と補色領域との積層方向の混色(以下、重畳混合という。)を中性色とすることで、良好な色再現性を実現することができる。
すなわち、図2に示した、表示素子10の並置混色を加法で示し、重畳混色を乗法で示すと、原色領域の並置混色が中性色となる状態(中性)を、「R+G+B=中性」とあらわすことができる。
また、補色領域の並置混色が中性色となる状態を、「C+M+Y=中性」とあらわすことができる。
さらに、原色領域と補色領域の重畳混色が中性色となる状態を、「M×Y×C=C×Y×M=C×M×Y=中性」とあらわすことができる。しかし、上記の式をいずれも満たすように、それぞれ同一の色素であるR,G,B,C,M,Yの組み合せで満たすようにするのは、上記の式3つに対して要素として6つの色素が存在することとなるため、最適な組み合せを見出すことが不可能である。
そこで、本発明者は、図1に示す本実施形態の表示素子1のように、原色領域に含有される三原色R,G,Bをそれらと補色関係にある補色C,M,Yで等価的に置き換え、これら補色C,M,Yのみで並置混色及び重畳混色を中性色となるときの組み合せを達成することに着目した。
図1に示す表示素子10の補色領域12a,12b,12cの並置混色が中性色となる状態を、「C+M+Y=中性」とあらわすことができる。
また、原色領域11a,11b,11cと補色領域12a,12b,12cとの各画素における重畳混合が中性色となる状態を、「C×M×Y=中性」とあらわすことができる。
原色領域11a,11b,11cの並置混色ついては、各領域内に含有された補色の色素はそれぞれの領域内で混ぜ合わされていると考えられるから光学的に重畳混合されていると捉えることができ。このため、これら重畳混合された一対の補色の色素同士の並置混色が中性色となる状態を、「M×Y+C×Y+C×M=中性」とあらわすことができる。
また、本発明者らは、並置混色が中性色となるときのC,M,Yの混合比率(並置混合比率)と、重畳混色が中性色となるときのC,M,Yの混合比率(重畳混合比率)との一致度εを下記数式で得て、この一致度εが0、又は、0に最も近くなるときのC,M,Yの色素の組み合せを選択することで良好な色再現性を実現できるようになることを見出した。このとき、並置混合比率をC1:M1:Y1とし、重畳混合比率をC2:M2:Y2とすると、下記の数式(1)であらわすことができる。
ε=|log(C1/C2)−log(M1/M2)|+|log(Y1/Y2)−log(M1/M2)| ・・・数式(1)
上式において、logは常用対数(底が10である)である。
上記のように、本実施形態の表示素子は、補色領域の並列方向の混色が中性色となる状態のとき混合される色素の比率を並置混合比率とし、各原色領域とその積層方向の下方に位置する補色領域との混色が中性色となる状態のときの混合される色素の比率を重畳混合比率とし、これら両方の比率が略一致するように、色素を選択して原色領域及び着色領域に混合する構成であるため、良好な色再現性を実現することができる。
上記表示素子において、一致度εが0.4以下とすれば、原色の色素を考慮する必要がなく、補色の色素のみの選択によって実用において十分な色再現性を簡便に実現することができる。
さらに、上記表示素子は、補色領域の並列方向の混色が中性色となるときの色素の混合比率と、各原色領域とその積層方向の下方に位置する補色領域との混色が中性色となるときの該色素の混合比率と、原色領域の並列方向の混色が中性色となるときの該色素の混合比率とが、いずれも略一致するように、色素が選択されていることが好ましい。こうすれば、補色領域の並列方向の混色と各原色領域とその積層方向の下方に位置する補色領域との混色だけでなく、原色領域の並列方向の混色も中性色となるように色素の混合比率を一致させるように構成されているため、表示素子の色再現性をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、以下に説明するように適宜な変形、改良などが可能である。
(絵素)
前記絵素においては、一絵素が、少なくとも、所定の液晶層を2層積層してなり、必要に応じてその他の構成を有する。また本発明の表示素子においては、面積比で一絵素における略2/3の領域が同時に同色表示可能である。
したがって、同色表示に充分な明るさを確保可能である。特に、本発明の表示素子がカラー画像表示素子であって、2層の液晶層が、共に3原色(例えば赤(R)、緑(G)、及び、青(B)等)を夫々呈し得る3種類の着色領域を光学的並列に配置してなる場合、積層された2層の各液晶層において、表示したい原色(例えば赤(R))を呈する着色領域については光を吸収状態とすることにより、面積比で一絵素における略2/3の領域を同時に原色(赤(R))表示可能である。このため、原色(赤(R))表示に充分な明るさを確保することができる。またこの場合、総ての着色領域を光透過状態とすることにより、白表示に充分な明るさを確保することもできる。
尚、前記液晶層を3層積層した構成の絵素とする場合には、コスト面・製造性において不利となる。
尚、略2/3とは、2/3±1/9の範囲内にあることを指す。
(液晶層)
上記液晶層としては、互いに異なる色相を呈する3種類の着色領域を光学的並列に配置したものであれば特に制限はないが、特に、液晶層の全面積に対する、3種類の各着色領域の占有面積が各々略1/3である態様が好ましい。
本発明の表示素子においては、液晶層の全面積に対する、3種類の各着色領域の占有面積を略1/3とすることにより、特に3種類の原色によるカラー画像を表示する際に、どの原色表示においても略均等に充分な明るさが確保された表示素子が提供される。
尚、略1/3とは、1/3±1/9の範囲内にあることを指す。
(着色領域)
上記着色領域としては、3種類の色相を呈し得る層であれば特に制限はないが、表示素子としての観点から、可逆的に消色及び着色可能であるのが特に好ましい。
上記着色領域は、例えば、電界、熱、及び磁界等の刺激により、可逆的に消色及び着色可能であるのが好ましく、該刺激の強度に対応する各着色領域の着色・消色の割合が揃っているのが好ましい。
上記着色領域としては、例えば、2色性色素をゲストとし、ホストである液晶に混入させて作製したゲストホスト型液晶層のほか、電気化学的な酸化還元反応により可逆的に発色・消色するエレクトロクロミック色素、電解質等により作製したエレクトロクロミック着色層等が挙げられる。これらの中でも、より表示素子の低消費電力化が可能である点で前者が特に好ましい。
(ゲストホスト型液晶層)
ゲストホスト型液晶層は、2色性色素、ホストである液晶のほか、必要に応じてその他の成分を含有する。
(2色性色素)
2色性色素としては、特に制限はなく、どのような発色団を有する色素であってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、及び、ポリチオフェン色素、等が挙げられる。具体的には、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashcenko著、CRC社、1994年)に記載されている色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アゾ色素、アントラキノン色素、及び、ペリレン色素等が好ましく、特に、アゾ色素、及び、アントラキノン色素等が好ましい。該2色性色素としては、例えば、液晶デバイス・ハンドブック(日本学術振興会第142委員会編:1989)p192〜p196、p724〜p730に記載の2色性色素の中から選択される。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
2色性色素のうち、ゲストホスト型液晶層に用いられる2色性色素の報告例として、例えば、以下に示すアゾ色素、アントラキノン色素、及び、ペリレン色素等が挙げられる。
アゾ色素としては、例えば、特開昭53−26783号、特開昭53−75180号、特開昭54−68780号、特開昭55−52375号、特開昭58−79077号、特開昭59−24783号、特開昭60−184564号、特開昭61−123667号、特開昭62−252461号、特開平5−59292号、特開平5−59293号、特開平5−59294号、特開平6−157927号、特開平6−256674号、特開平7−224281号、特開平8−143865号、特開平9−143471号、特開平10−95980号、及び、特開平11−172252号の各公報に記載のアゾ色素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アントラキノン色素としては、例えば、特開昭56−38376号、特開昭57−96075号、特開昭57−190048号、特開昭57−198777号、特開昭57−198778号、特開昭57−205448号、特開昭58−185678号、特開昭62−64887号、特開昭62−64888号、特開平2−67394号、特開平2−69591号、特開平2−178390号、特開平7−76659号、特開平7−247480号、特開平7−252423号、及び、特開平8−67822号の各公報に記載のアントラキノン色素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ペリレン色素としては、例えば、特開昭62−129380号公報に記載のペリレン色素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
2色性色素のオーダーパラメーターとしては、0.65〜0.95が好ましく、0.75〜0.95がより好ましく、該オーダーパラメーターが高い程好ましい。
上記オーダーパラメーターが前記数値範囲内の2色性色素を用いることにより、充分なコントラスト及び明るさが両立されたカラー画像表示素子が提供される。
ここで、上記オーダーパラメーターは、熱的に揺らぎを受ける分子の分子長軸が、ダイレクターに対して時間平均でずれ角θ傾いているとき、下記数式(2)で定義される。
オーダーパラメーター(S)=(3cos2θ−1)/2 ・・・数式(2)
上記数式(1)において、オーダーパラメーター(S)=0.0の場合、分子は全く秩序が無い状態であることを示し、オーダーパラメーター(S)=1.0の場合、分子は分子長軸がダイレクターの方向に一致して配列している状態にあることを示す。
上記実施形態で述べたように、加法混合3原色は、対応する減法混合3原色の2色を混合して調製される。減法混合3原色の2色性色素の具体例としては、液晶デバイス・ハンドブック(日本学術振興会第142委員会編:1989)p489に記載の色素が挙げられ、また、光学活性中心をもつ液晶等の光学活性物質を添加してもよい。
上記2色性色素の、上記液晶層における含有量としては、特に制限はないが、ホスト液晶に対し、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%がより好ましい。
(液晶)
液晶としては、2色性色素と共存し得るものであれば特に制限はないが、例えば、ネマチック相やスメクチック相を示す液晶化合物等が挙げられる。
具体的には、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル等が挙げられる。また、液晶デバイス・ハンドブック(日本学術振興会第142委員会編:1989)p116〜p192記載のP型或いはN型の誘電異方性をもつシアノ基、フッ素原子、及び、クロル原子等を有し、ビフェニル、フェニルシクロヘキサン等を骨格とする各種のネマチック液晶、スメクチック液晶のほか、同ハンドブックp641〜p653記載のポリアクリレート乃至ポリシロキサン等を主鎖とする側鎖型高分子液晶等が挙げられる。この場合、側鎖に2色性色素を有していてもよい。
液晶の動作モードとしては、特にネマチック−コレステリック相転移が好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、基本的に液晶分子の配向に従って2色性色素の配向方向が制御可能であれば、どのような動作モードの液晶を用いても構わない。例えば、反射型液晶ディスプレイ、透過型液晶ディスプレイ、及び、半透過型液晶ディスプレイ、などが挙げられ、より具体的には、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第309頁に記載のゲストホスト方式に記載された、「ホモジニアス配向」、「ホメオトロピック配向」、White−Taylor型(相転移型)として、「フォーカルコニック配向」及び「ホメオトロピック配向」、「Super Twisted Nematic(STN)方式」との組合せ、「強誘電性液晶(FLC)」との組合せ、などが挙げられる。また、「反射型カラーLCD総合技術」(内田龍男監修、シーエムシー社、1999年)の第2−1章(GHモード反射型カラーLCD)、第15〜16頁に記載された、Heilmeier型GHモード、λ/4板型GHモード、2層型GHモード、相転移型GHモード、及び、高分子分散液晶(PDLC)型GHモード、などが挙げられる。これらの中でも、特に、充分なコントラストを実現可能な点で、λ/4板型GHモードで、初期配向をホメオトロピック配向とした液晶ディスプレイが好ましい。
(液晶層に含まれるその他の成分)
液晶層においては、例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲内に設定する等、前記ホスト液晶の物性を、所望の範囲に設定することを目的として、液晶性を示さない化合物を、その他の成分として含有させてもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、及び、酸化防止剤等の化合物を、その他の化合物として含有させてもよい。このようなその他の成分としては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤等が挙げられる。
(エレクトロクロミック着色層)
エレクトロクロミック着色層としては特に制限はなく、通常公知のエレクトロクロミック色素、電解質等を用いることができる。
(エレクトロクロミック色素)
エレクトロクロミック色素としては、電気化学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方により発色又は消色する作用を示す限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機化合物、金属錯体などが好適にげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属錯体としては、例えば、プルシアンブルー、金属−ビピリジル錯体、金属フェナントロリン錯体、金属−フタロシアニン錯体、メタフェリシアニド、これらの誘導体などが挙げられる。
有機材料としては、例えば、(1)ピリジン化合物類、(2)導電性高分子類、(3)スチリル化合物類、(4)ドナー/アクセプター型化合物類、(5)その他有機色素類、などが挙げられる。
上記(1)ピリジン化合物類としては、例えば、ビオローゲン、ヘプチルビオローゲン(ジヘプチルビオローゲンジブロミド等)、メチレンビスピリジニウム、フェナントロリン、アゾビピリジニウム、2,2−ビピリジニウム錯体、キノリン・イソキノリン、などが挙げられる。
上記(2)導電性高分子類としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンジアミン、ポリアミノフェノール、ポリビニルカルバゾール、高分子ビオローゲンポリイオンコンプレックス、TTF、これらの誘導体などが挙げられる。
上記(3)スチリル化合物類としては、例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−[4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1,3−ブタジエニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジメチル−5−メチルスルホニルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−[4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1,3−ブタジエニル]−3,3−ジメチル−5−スルホニルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、3,3−ジメチル−2−[2−(9−エチル−3−カルバゾリル)エテニル]インドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−[2−[4−(アセチルアミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、などが挙げられる。
上記(4)ドナー/アクセプター型化合物類としては、例えば、テトラシアノキノジメタン、テトラチアフルバレン、などが挙げられる。
上記(5)その他有機色素類としては、例えば、カルバゾール、メトキシビフェニル、アントラキノン、キノン、ジフェニルアミン、アミノフェノール、Tris−アミノフェニルアミン、フェニルアセチレン、シクロペンチル化合物、ベンゾジチオリウム化合物、スクアリウム塩、シアニン、希土類フタロシアニン錯体、ルテニウムジフタロシアニン、メロシアニン、フェナントロリン錯体、ピラゾリン、酸化還元指示薬、pH指示薬、これらの誘導体、などが挙げられる。
これらの中でも、ビオローゲン、ヘプチルビオローゲン(ジヘプチルビオローゲンジブロミド等)などのビオローゲン系色素が好適である。
エレクトロクロミック色素を2種以上併用する場合の組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ビオローゲンとポリアニリンとの組合せ、ポリピロールとポリメチルチオフェンとの組合せ、ポリアニリンとプルシアンブルーとの組合せ、などが挙げられる。
(電解質)
電解質としては、例えば、ヨウ素、臭素、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2等の金属ハロゲン化物、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム化合物のハロゲン化塩、メチルビオロゲンクロリド、ヘキシルビオロゲンブロミド等のアルキルビオロゲン、ハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン、フェロセン、フェロシアン酸塩等の鉄錯体等の少なくとも1種を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
着色領域には、液晶層において、他色との混合を防止するため、隣接する着色領域との境界部に隔壁状に境界領域を設けてもよく、境界領域は、所謂ブラックマスク等の着色領域周辺部のカバーを兼ねさせてもよい。これら境界領域乃至着色領域周辺部のカバーは、無彩色であることが好ましく、基板上に設けてもよい。
着色領域の厚みとしては、1μm〜100μmが好ましく、1μm〜50μmがより好ましい。
(その他の構成・部材)
絵素におけるその他の構成・部材としては、例えば、着色領域を保護乃至把持等する一対の基板等の透明又は不透明層、有機層間絶縁膜、金属反射板、位相差板、配向膜、光拡散板、反射防止層、バックライト、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
透明又は不透明層が、着色領域を挟んで対向する電極対を形成する場合には、本発明の表示素子を電気光学素子として用いることができる。特に、着色領域が、2色性色素をゲストとしホストである液晶に混入させて作製したゲストホスト型液晶層、電気化学的な酸化還元反応により可逆的に発色・消色するエレクトロクロミック色素、電解質等により作製した着色領域である場合、一対の電極基板間に着色領域を設け、該着色領域に電圧を印加し制御することによって着色領域を可逆的に着色・消色可能であり、好ましい。
透明又は不透明層としては、特に制限はなく、着色領域の保護或いは平坦化を目的とした、比較的機械的強度の低いものであってもよいが、一対の透明又は不透明層のうち少なくとも一方は、基板又は基紙としての機能を有するのが好ましい。
上記透明又は不透明層が、電極基板である場合、通常、ガラス、プラスチック、紙、及び、金属等からなる基板上に、電極層を形成した電極基板等が挙げられる。
プラスチック基板の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの基板としては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載の基板等を用いることができる。
電極層としては、透明電極層が好ましい。該電極層は、例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、及び、酸化スズ等から形成することができる。透明電極層としては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載の電極層等が用いられる。
本発明の表示素子は、拡散板、バックライト等を設けて透過型表示としてもよく、反射層を設けて反射型表示としてもよい。また、半透過性の反射層を設けて透過、反射を兼用できる構成としてもよい。
このようにして構成した表示素子に、電界、熱或いは磁界を作用させることにより、色再現範囲の広いカラー表示を行なうことができる。
例えば通常のネマチック液晶を用いて電気光学素子とする場合、例えば、透明層や基板で着色領域を挟み、更に液晶層間に中間透明層を設け、これらに透明電極を設け、各着色領域を公知のスタティク駆動或いはTFT等によるアクティブ駆動等により選択的に駆動することにより加法混色を行ない、カラー表示を実現することができる。
反射層としては、例えば、白色金属等の基板表面に凹凸を設けた反射層等が挙げられる。該反射層は電極を兼ねてもよい。このように、凹凸を設けた反射層を用いることにより、鏡面反射を低下させ、内部全反射による光の損失を抑制して白度を高めることができるほか、二重映り等の視差の問題を解消することができる。
電極を兼ねる反射層は、凹凸を有するプレス金型或いはロールを圧着する方法、凹凸を有する金型中で重合させる方法、光重合性高分子材料に光強度分布の異なる光を照射する方法等の各種方法により凹凸を設けた反射層の基材に、アルミ、銀、ニッケル等の白色金属の薄膜を、蒸着、スパッタ等の方法により形成することができる。
また、凹凸を有する金属を用いて、基板、反射層の基材を兼ねてもよい。反射層を兼ねた電極は、領域毎に切り離された電気的に独立した形態としてもよい。
このような反射層を兼ねた電極のTFT等のアクティブ素子上への具体的な形成法としては、例えば特開平5−281533号公報に記載の方法等が適用できる。また凹凸を設けた反射板の替わりに鏡面反射板を用い、着色領域及び基板の間に前方散乱板等による光拡散層を設けることでも同様の効果が得られる。
絵素の大きさとしては、特に制限はなく、通常の大きさ(0.35mm×0.35mm程度)が好ましい。また絵素形状としては、特に制限はないが、通常公知の形状、例えば、正方形等が挙げられる。絵素数としては、表示素子の用途により異なり、通常表示素子の絵素数として知られている範囲であれば特に制限はない。
(表示素子の製造方法)
本発明の表示素子の製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
例えば、積層される液晶層のうち、下側の液晶層の形成方法としては、適宜光学活性物質を含む原色のゲストホスト液晶組成物を、コアセルベーション法等の公知の方法でマイクロカプセル化し、これを高分子バインダーと混合して調製した原色インキを、印刷法により、基板等の上に3原色の着色領域の繰返しを有するように形成する方法、レジストにより不要部分を順次カバーし、各々の原色インキを順次塗布する方法等のように、公知の液晶用カラーフィルターの製造法のうち、印刷法或いは顔料分散法として知られている方法を、顔料の代わりにゲストホスト液晶を含むマイクロカプセルを使用し、基板上に3原色の繰返し単位をもつように形成する方法等が挙げられる。
ゲストホスト液晶のカプセル化及び印刷は、各々公知の各種の方法が挙げられる。具体的には、特表昭62−502780号公報、特開平6−34949号公報に記載の方法等が挙げられる。また前記特開平6−34949号公報に、電着コーティング法として記載されている方法により、ゲストホスト液晶及び高分子マトリクス、又は、カプセル化ゲストホスト液晶及び高分子マトリクスを電着コーティングし、3原色の繰返し単位をもつように形成する方法等が挙げられる。
前述のように、積層される下側の液晶層を形成した後、その上に透明層を設けて中間透明層を形成してもよい。また、基板及び中間透明層の間に、予めストライプ状等の隔壁を設け、3原色の繰返し単位をもつように原色のゲストホスト液晶を挟持させてもよい。原色の繰返しパターンとしては、ストライプ状、モザイク状等が挙げられる。
例えば、積層される上側の液晶層は、前述したのと同様の方法により下側の液晶層の上に形成することができる。更にその上に透明層を形成してもよい。
また、各々の着色領域を予め透明層上に形成し、これらを互いに貼り合わせて本発明の液晶素子を形成してもよい。
本発明にかかる表示素子においてその効果を明らかにするため、以下のような実施例及び比較例を用いて一致度εを測定し、色再現性を確認した。
本実施例で使用する補色シアンC,マゼンタM,イエローY等の二色性色素は、特開2003−138262号公報に記載されているものを用いることができ、以下、具体的に説明する。
本発明において、前記二色性色素は下記一般式(a)で表される置換基を少なくとも1つ有する。
一般式(a)
−(Het)m−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
前記一般式(a)において、Hetは硫黄原子または酸素原子を表す。前記一般式(a)において、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表す。前記2価のアリール基としては、炭素数2〜20のアリール基が好ましい。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の2価基が好ましい。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の2価基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。B1およびB2が各々表す2価のヘテロアリール基としては、炭素数1〜20のヘテロアリール基が好ましい。具体的には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、およびこれらが縮環して形成される縮環の2価のヘテロアリール基が好ましい。B1およびB2が各々表す2価の環状脂肪族炭化水素基の好ましい具体例としては、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
1およびB2は各々置換基を有していてもよく、該置換基としては以下の置換基群Vから選ばれるいずれかが挙げられる。
置換基群V:ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素);メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;リン酸基;スルホ基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基);炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基);ニトロ基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基);
炭素数0〜20、好ましくは炭素数0〜12、更に好ましくは炭素数0〜8の置換もしくは無置換のアミノ基(例えば、無置換のアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基);炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基);炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基);炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4'−ビフェニルチオ基);炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基);
炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする};炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4'−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4'−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4'−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4'−ビフェニル);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換もしくは無置換のヘテロ環基(例えばピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基);が挙げられる。これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、無置換アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
前記一般式(a)において、Q1は2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる原子から構成される原子団からなる2価の連結基を表す。前記2価の連結基としては、炭素数1〜20のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基)、炭素数2〜20のアルケニレン基(例えば、エテニレン基)、炭素数2〜20のアルキニレン基(例えば、エチニレン基)、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(例えば、ピペラジンー1,4−ジイル基)、またはこれらを2以上組合せて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。Q1はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、およびそれらを組合せからなる2価の連結基を表すのが好ましい。Q1はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前述の置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が挙げられる。
前記一般式(a)において、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表す。好ましい例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルおよびシクロアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基);が挙げられる。C1として特に好ましくはアルキル基またはアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基またはトリフルオロメトキシ基である。C1はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては前述の置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が挙げられる。
前記一般式(a)において、mは0または1を表し、好ましくは1である。p、qおよびrは各々0〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表すが、(p+r)×nは3〜10を満足する。なお、p、q、rおよびnが各々2以上の場合、その繰り返し単位は同一であっても異なっていてもよい。好ましいp、q、rおよびnの組合せを以下に記す。
(1) p=2、q=0、r=1、n=1
(2) p=3、q=0、r=0、n=1
(3) p=4、q=0、r=0、n=1
(4) p=5、q=0、r=0、n=1
(5) p=2、q=1、r=1、n=1
(6) p=1、q=1、r=2、n=1
(7) p=3、q=1、r=1、n=1
(8) p=1、q=1、r=3、n=1
(9) p=2、q=1、r=2、n=1
(10) p=1、q=1、r=1、n=3
(11) p=0、q=1、r=3、n=1
(12) p=0、q=1、r=2、n=2
(13) p=1、q=1、r=2、n=2
(14) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(1) p=2、q=0、r=1、n=1;(2) p=3、q=0、r=0、n=1;(3) p=4、q=0、r=0、n=1;(5) p=2、q=1、r=1、n=1;の組み合せである。
なお、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1としては、液晶性を示す構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、デイスコテイック液晶であり、さらに好ましくは、ネマチック液晶、スメクチック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。液晶化合物の具体例としては、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧、丸善、2000年の第3章「分子構造と液晶性」に記載されているものなどが挙げられる。
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(図中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2005107227
Figure 2005107227
Figure 2005107227
上記二色性色素中における上記一般式(a)で表される置換基の個数は、1〜8であるのが好ましく、1〜4であるのがより好ましく、1または2であるのが特に好ましい。
イエローYの色素としては、下記一般式(1)であらわされるアントラキノン化合物を好適に用いることができる。
一般式(1)
Figure 2005107227
式中、R1は−S−((B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を表し、Sは硫黄原子を表し、B1、B2、Q1、p、q、rおよびnは、前記一般式(a)中の各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は各々独立して水素原子または置換基を表す。R2〜R8が各々表す置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が挙げられる。
前記一般式(1)中、好ましくは、p=2、q=0、r=1且つn=1であり、B1はアリール基、B2は1,4−シクロヘキサンジイル基、C1はアルキル基を各々表す。
上記一般式(1)で表されるアントラキノン色素の中でも、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表されるアントラキノン色素がより好ましい。
一般式(2)
Figure 2005107227
上記一般式(2)において、R1は−S−((B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を表し、Sは硫黄原子を表し、B1、B2、Q1、p、q、rおよびnは、前記一般式(a)中の各々と同定義であり、好ましい範囲も同様である。
上記一般式(2)において、R9はアリールチオ基またはヘテロアリールチオ基を表す。好ましくは炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、4−エチルフェニルチオ基、4−n−プロピルフェニルチオ基、2−n−ブチルフェニルチオ基、3−n−ブチルフェニルチオ基、4−n−ブチルフェニルチオ基、2−t−ブチルフェニルチオ基、3−t−ブチルフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、3−n−ペンチルフェニルチオ基、4−n−ペンチルフェニルチオ基、4−アミルペンチルフェニルチオ基、4−ヘキシルフェニルチオ基、4−ヘプチルフェニルチオ基、4−オクチルフェニルチオ基、4−トリフルオロメチルフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4'−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4'−ビフェニルチオ基);好ましくは炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基);である。R9はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が挙げられる。
9として好ましくは、アリールチオ基であり、特に好ましくは3位または4位にアルキル基を有するアリールチオ基である。
以下に上記一般式(2)で表されるアントラキノン化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2005107227
Figure 2005107227
Figure 2005107227
次に下記一般式(3)で表されるアントラキノン化合物について詳細に説明する。
一般式(3)
Figure 2005107227
前記一般式において、R1は−S−((B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を表し、Sは硫黄原子を表し、B1、B2、Q1、p、q、rおよびnは、前記一般式(a)中の各々と同定義であり、好ましい範囲も同様である。上記一般式(3)において、R10、R11およびR12は各々独立して、アリールチオ基またはヘテロアリールチオ基を表す。R10〜R12で各々表されるアリールチオ基またはヘテロアリールチオ基については、前記一般式(2)中のR9で表される各々と同定義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、上記一般式(3)で表されるアントラキノン化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2005107227
Figure 2005107227
次に、下記一般式(4)で表されるアントラキノン化合物について詳細に説明する。
一般式(4)
Figure 2005107227
上記一般式(4)において、R1は−S−((B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を表し、Sは硫黄原子を表し、B1、B2、Q1、p、q、rおよびnは、前記一般式(a)中の各々と同定義であり、好ましい範囲も同様である。
上記一般式(4)において、R13、R14およびR15は各々アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基を表すが、R13、R14およびR15のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換のアミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基である。前記アリールチオ基およびヘテロアリールチオ基については、前記一般式(2)中のR9が表す各々と同定義であり、好ましい範囲も同様である。R13〜R15で各々表される置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基で置換されたアミノ基が好ましい。具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基が挙げられる。R14およびR15として好ましくは、無置換アミノ基もしくはアリールアミノ基であり、特に好ましくは、アリールアミノ基である。R13〜R15で各々表されるアシルアミノ基としては、アルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基で置換されたアシルアミノ基が好ましい。
以下に、上記一般式(1)で表されるアントラキノン化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2005107227
Figure 2005107227
Figure 2005107227
(実施例)
以下、本発明にかかる表示素子の実施例を説明する。
本実施例の液晶としては、メルク社製 MLC−6608を用いた。
本実施例のシアンCの色素は上記化合物3−3を用い、マゼンタMは上記化合物2−1,2−2の混合物を用い、イエローYは化合物1−1,1−2,1−3の混合物を用いた。本実施例において、マゼンタMは、上記化合物2−1と化合物2−2とを1:1のモル比で混合したものである。イエローYは、上記化合物1−1と化合物1−2と化合物1−3とを1:1:1のモル比で混合したものである。
一方、比較例の表示素子は、シアンCの色素として、日本化薬製 LCD−116を用いた。マゼンタM及びイエローYの色素としては、上記実施例の混合物と同じものを用いた。また、液晶としては上記実施例の表示素子と同様にメルク社製 MLC−6608を用いた。本測定の結果を表1及び図5〜8に示す。図5は、実施例及び比較例の補色の色素であるマゼンタの分光吸収波形を示すグラフである。図6は、実施例及び比較例の補色の色素であるイエローの分光吸収波形を示すグラフである。図7は、実施例の補色の色素であるシアンの分光吸収波形を示すグラフである。図8は、比較例の補色の色素であるシアンの分光吸収波形を示すグラフである。
Figure 2005107227
これらの分光吸収波形に基づき、本実施例の一致度εは0.317であったのに対し、比較例の一致度εは0.497であった。したがって、本実施例の表示素子は、比較例の表示素子に比較して、一致度εが小さくすることができ、より良好な色再現性を得られることが確認された。
本発明にかかる表示素子は、特に、カラー画像表示素子として用いられるのが好ましい。この場合、特にゲストホスト型液晶表示素子、エレクトロクロミック表示素子等として使用されるのが好ましく、特に消費電力化が可能である点で、反射型のゲストホスト型液晶表示素子として使用されるのが最も好ましい。
本発明にかかる表示素子の一実施形態を示す模式図である。 本発明にかかる表示素子の一実施形態を示す別の模式図である。 表示素子に対する入射光と反射光との様子を示す説明図である。 表示素子のカラー表示の一例を示す説明図である。 実施例及び比較例の補色の色素であるマゼンタの分光吸収波形を示すグラフである。 実施例及び比較例の補色の色素であるイエローの分光吸収波形を示すグラフである。 実施例の補色の色素であるシアンの分光吸収波形を示すグラフである。 比較例の補色の色素であるシアンの分光吸収波形を示すグラフである。
符号の説明
1 表示素子
10 絵素
11 液晶層(第1の液晶層)
11a,11b,11c 原色領域(第1の着色領域)
12 液晶層(第2の液晶層)
12a,12b,12c 補色領域(第2の着色領域)
13a,13b 透明又は不透明層
R レッド(原色)
G グリーン(原色)
B ブルー(原色)
C シアン(補色)
M マゼンタ(補色)
Y イエロー(補色)


Claims (5)

  1. フルカラー表示を行う表示素子であって、
    それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第1の着色領域が光学的に並列に配置された第1の着色層と、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第2の着色領域が、前記第1の着色領域にあらわされる前記色相に対して補色関係にある色相をあらわすとともに積層方向の下方にそれぞれ位置するように光学的に並列に配置された第2の着色層とを備え、
    並列方向の混色が中性色となるときの色素の並置混合比率と、積層方向の混色が中性色となるときの色素の重畳混合比率とが略一致するように構成されていることを特徴とする表示素子。
  2. 前記第1の着色領域及び前記第2の着色領域にあらわされる色相が、R,G,B,C,M,Yのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記第2の着色領域それぞれにあらわされる色相が、C,M,Yのいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 前記色素がシアンC,マゼンタM,イエローYであり、前記並置混合比率をC1:M1:Y1とし、前記重畳混合比率をC2:M2:Y2としたときに、下式で与えられる一致度εが0.4以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の表示素子。
    一致度ε=|log(C1/C2)−log(M1/M2)|+|log(Y1/Y2)−log(M1/M2)|
  5. フルカラー表示を行う表示素子であって、
    それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第1の着色領域が光学的に並列に配置された第1の着色層と、それぞれ色素を含有して互いに異なる色相をあらわす3つの第2の着色領域が、前記第1の着色領域にあらわされる前記色相に対して補色関係にある色相をあらわすとともに積層方向の下方にそれぞれ位置するように光学的に並列に配置された第2の着色層とを備え、
    前記第2の着色領域の並列方向の混色が中性色となるときの色素の並置混合比率と、各第1の着色領域とその積層方向の下方に位置する第2の着色領域との混色が中性色となるときの色素の混合比率と、前記第1の着色領域の並列方向の混色が中性色となるときの色素の混合比率とが、いずれも略一致することを特徴とする表示素子。
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