JP2005106518A - 非球面形状計測方法及び非球面形状計測装置 - Google Patents

非球面形状計測方法及び非球面形状計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】輪帯データの合成処理の不完全さに起因する測定誤差を抑え、非球面形状を精度よく測定することのできる非球面形状測定方法及び非球面形状測定装置を提供する。
【解決手段】まず、試験波L2の光路上に透過型回折素子105を挿入して、被検面108aに非球面波を照射する。そして、被検面108aの全面について、一括して反射試験波L3と参照波L4との干渉縞を計測する。次に、透過型回折素子105を光路外に移動させて、ピンホールPHと被検面108aとの距離を変化させて干渉縞を計測することを繰り返し、被検面108a全面について輪帯データ(部分プロフィル)を取得する。そして、部分プロフィルの高周波成分と概略プロフィルの低周波成分とを合成して、被検面108aの全面について被検面108aの有効面全面の形状データを構築する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非球面の被検面形状を波面合成法により測定する非球面形状計測方法及び非球面形状計測装置に関する。
従来、非球面形状を有する光学素子の光学機能面の形状を測定する際には、ピンホールから射出された球面波の一部(試験波)を被検面に照射して同面で反射した反射光(反射試験波)と、ピンホールから射出された球面波の別の一部(参照波)とを干渉させて生じる干渉縞をCCD等の画像検出器で検出する。こうして得られた干渉縞画像を解析することにより、被検面の形状を算出する。このような非球面形状の測定方法は、極紫外線リソグラフィ(EUVL)等によく用いられる非球面ミラーの形状測定に適している。
EUVLの光学系に用いられる非球面ミラーは、数μm〜数十μmの非球面量(近似球面からの乖離量)を有し、軸対称の高次非球面を有するものが多い。このような軸対称非球面形状を従来の方法で測定した場合、非球面軸を中心軸とした干渉縞が多数観察される。この干渉縞の本数は、非球面量が大きいほど多い。
CCD等のような画像検出器の分解能には限界があるため、干渉縞の分布が密になると、干渉縞の画像を取得するのが困難になる。このような問題に対処するための一つの方法としては、ミラーを複数の領域で分割して測定する方法がある。例えば、軸対称非球面ミラーの形状を測定する場合には、ミラーの有効面を輪帯状の複数の領域に分割して測定し、分割して測定したデータ(以下の説明では輪帯データという)をつなぎ合わせる。これにより、有効面全面の形状データを得ることができる。
この方法においては、各輪帯状の領域に、隣り合う領域とデータが重なり合う領域を設ける。そして、輪帯データを合成する際には、重なり合う部分が同じ形状であることを利用して、隣り合う領域のデータをつなぎ合わせる。
ところが、上述の方法において、互いに重ねあわされる領域の各々の形状データは、測定に用いる機器に固有の測定誤差等を含むため、厳密に一致しない場合がある。このため、輪帯データを合成することにより得られる全面データに誤差が生じてしまう。特に、輪帯データを合成する際には、同データ中の回転対称成分に誤差が生じやすい。さらに、このような誤差は、合成する輪帯データの数が増えるほど大きくなる傾向がある。例えば、測定光としてHe−Neレーザー(波長633nm)を使用して、非球面量が30μmの非球面を測定する場合には、非球面を50個程度の領域に分割して測定し、得られた50個程度のデータを合成しなければならない。このように、従来の方法によると、輪帯データの合成処理の不完全さに起因する測定誤差が大きいという問題がある。
上記の点に鑑み、本発明は、輪帯データの合成処理の不完全さに起因する測定誤差を抑え、非球面形状を精度よく測定することのできる非球面形状測定方法及び非球面形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明の非球面形状計測方法は、非球面形状を有する被検面の形状を波面合成法により計測する方法であって、前記非球面の有効面(被計測面)全面を一括で計測して、非球面全体の概略プロフィルを得る全体計測工程と、前記非球面を一部分ずつ精密に計測して、各部の部分プロフィルを得る部分計測工程と、前記概略プロフィルに沿って前記各部の部分プロフィルをつなげて合成全体プロフィルを得る合成工程と、を含むことを特徴とする。
上記の非球面形状計測方法においては、前記全体計測工程において、球面波を、被検面の非球面にほぼ倣う非球面波に変換して前記被検面に当てるようにすることができる。
上記の非球面形状計測方法においては、前記全体計測工程において、前記球面波を回折素子を通して前記非球面波に変換することができる。
本発明の非球面形状計測方法によれば、全体計測工程で被検面の非球面にほぼ倣う波面形状を有する非球面波を用いることにより、概略プロフィル中の干渉縞の密度を下げることができ、被検面全面を一括して測定することができる。このような概略プロフィルと部分プロフィルとを合成することにより、部分プロフィルを高精度で合成でき、全体として被検面の高精度な形状データを得ることができる。
非球面形状を有する被検面の形状を波面合成法により計測する方法においては、例えば、該被検面の第一部分の近似曲率半径の球面波Wを該面に当て、該面から反射してくる試験波と、前記球面波の一部(参照波)とが干渉して生じる干渉縞を測定して該面中心部の形状に対応する干渉波位相データDを得、該面の前記第一部分に隣接する第二部分の近似曲率半径の球面波Wを該面に当て、該面から反射してくる試験波と、前記球面波の一部(参照波)とが干渉して生じる干渉縞を測定して該面第二部分の形状に対応する干渉波位相データDを得、順次同様に該被検面の前記部分の周りの近似曲率半径の球面波W、W、…、W、…、Wを該面に当てて該面の最外周部まで測定して干渉波データD、D、…、D、…、Dを得、各データ|D|、|D|、|D|、|D|、…、|D|、…、|D|を合成して前記非球面全体のプロフィルを得る。
上記の非球面形状計測方法においては、前記非球面形状が回転軸を有する回転対称面であり、前記非球面の有効面の一部は、前記非球面の回転軸を中心軸とした輪帯領域としてもよい。
上記の非球面形状計測方法は、前記部分計測工程において、前記非球面形状が回転軸を有する回転対称面であり、前記非球面の回転軸と前記非球面の外周部の一部とを含む領域を計測して、部分プロフィルを得るものとすることができる。
本発明の非球面形状計測装置は、非球面形状を有する被検面の形状を輪帯波面合成法により計測する装置であって、ピンホールと、該ピンホールに光束を集光する集光光学系と、該ピンホールから射出された球面波が前記被検面の所望の位置に所望の角度で照射されるように、該被検面を保持するステージと、該被検面で反射された光束を検出する画像検出センサーと、前記被検面で反射された光束を前記画像検出センサーに導く結像光学系と、前記ピンホールと前記被検面との間に配置された、前記球面波を、前記被検面の非球面にほぼ倣う非球面波に変換する回折素子を、光路上と光路外とに選択的に位置させるステージと、を具備することを特徴とする。
本発明の非球面形状測定装置においては、回折素子を試験波の光路の外に移動させて、試験波として球面波を被検面に当てることで部分プロフィルを得、回折素子を試験波の光路上に配置して、被検面の非球面にほぼ倣う波面形状を有する非球面波を試験波として被検面に当てることで全体の概略プロフィルを得る。
本発明によれば、被検面の非球面にほぼ倣う波面形状を有する非球面波を用いて計測することで干渉縞の密度を減らすことができるので、被検面全面を一括して測定することができる。こうして得た概略プロフィルに沿って、別途球面波を用いて計測した多数の部分プロフィル(輪帯データ)を合成する。このため、部分プロフィルの合成処理の誤差に起因する、全面データの誤差を小さくすることができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る非球面形状計測装置を示す図である。
図の最下部には、ミラーステージ106が示されている。被検体である非球面ミラー108は、ミラーステージ106上に板ばね等のヒンジ機構107を介して、被検面108aを上向きにした状態で保持されている。非球面ミラー108を保持する際には、例えば、ミラーの側面の3箇所にインバー合金製の金属ブロック108dを接着し、この金属ブロック108dを保持する。この金属ブロック108dを保持する部材は、2本の足でミラー108を支える構造体となっており、各足にヒンジ機構107が設けられている。本実施例においては、このヒンジ機構107は、各足に直列に並べたワイヤーを2本設けて、重力方向(図の縦方向)と非球面ミラー108の円周方向にのみ拘束力をもつよう構成されている。このようなヒンジ機構107を、非球面ミラー108の側面あるいは底面に3箇所配置することにより、非球面ミラー108の全自由度が拘束される(図1には、ヒンジ機構107の一部のみが示されている)。
ミラーステージ106は移動可能となっており、ミラーステージ106を操作することで、ピンホールPHと被検面108aとの間の距離を調整することができる。
この非球面形状計測装置には、図の上部に示す集光光学系101が設けられている。光源(図示されていない)から照射された光は、集光光学系101により集光された光束L1となって、ピンホール基板102上に形成されているピンホールPHに集光される。
ピンホールPHから射出された光束の一部は、図の右斜め下方向に進み、球面波(参照波L4)となって結像光学系109に直接入射する。
ピンホールPHから射出された光束の残り(試験波L2)は、図の下方に進み、前述の非球面ミラー108の被検面108aで反射され、同被検面108aの波面特性の情報を含む反射試験波L3となって、ピンホール基板102に戻ってくる。
ピンホールPHとミラーステージ106との間には、透過型回折素子105を保持するための回折素子ステージ103が配置されている。回折素子ステージ103は、図の白抜き矢印の方向に移動可能となっており、回折素子105を、ピンホールPHから照射される球面波(試験波L2)が当たる位置(光路上位置)と当たらない位置(光路外位置)に移動させる。
透過型回折素子105は、回折素子ステージ103に、位置を微調整することができるように固定されている。透過型回折素子105は、回折素子ステージ103上に固定する際に変形しないように、板ばね104を介して固定されている。このように固定することによって、透過型回折素子105が熱膨張した場合等に、透過波面への影響を最小限に抑えることができる。本実施例においては、透過型回折素子105の側面に基板の半径方向(図の横方向)に自由度をもつ板ばね104が等間隔で24枚配列されている(図1には、板ばね104の一部のみが示されている)。
透過型回折素子105は、ピンホールPHから被検面108aへ向かう球面波(試験波L2)を非球面波に変換する機能を有する。透過型回折素子105は、例えば、円盤状の平面ガラス(石英)基板の一面にクロム等の金属でパターンを形成したものである。透過型回折素子105のパターンが形成されている面及びその反対側の面(裏面)には反射防止コートが施されている。透過型回折素子105上に形成したパターンの位置を座標測定器で計測しておくことにより、同パターンが、回折素子105を透過する波面の形状に与える影響をあらかじめ推測することができる。非球面ミラー108が軸対称形状である場合には、透過型回折素子105のパターンは、同心円状に多数配列されたリングパターンであることが望ましい。これにより、球面波(試験波)L2を被検面108aの波面にほぼ倣う波面形状を有する非球面波に変換することができる。
ところで、非球面ミラー108の開口数(NA)は、集光光学系101及びピンホールPHからなる光学系のNAの半分以下である。光スポットの径はNAに反比例するため、ピンホール基板102に戻ってきた反射試験波L3は、ピンホールPHの径よりも大きなスポットを有する。特に、非球面ミラー108の被検面108aが非球面であれば、より大きなスポットとなる。
ピンホール基板102のピンホールPHの周辺部は、光の反射特性を有する平面ミラー102aとなっており、反射試験波L3は、平面ミラー102aで反射されて、結像光学系109に入射し、画像検出センサー110に結像する。本実施例の画像検出センサー110は、光検出素子としてCCD(Charge Coupled Device)を有している。
結像光学系109に入射した反射試験波L3及び参照波L4は、互いに干渉して干渉波L5となり、画像検出センサー110のCCDに結像する。画像検出センサー110は、CCDから出力された検出信号を処理し、反射試験波L3と参照波L4との干渉によって生じた干渉縞画像を生成する。
上述のようにして生成された干渉縞画像中の注目する点(注目点)の光の強度を計測することによってその点における干渉波L5の位相が分かる。この位相から、反射試験波L3と参照波L4との光路差が分かる。この光路差は、被検面108aの注目点に相当する位置における高さの情報を表している。すなわち、注目点を複数とり、各注目点について得られた位相データに演算処理を施すことにより、被検面108aの形状を求めることができる。
ところで、透過型回折素子105を光路上から退避させて干渉波L5の測定を行って得られた干渉縞画像においては、干渉縞の密度が疎な領域と、干渉縞が密に込み合っている領域が観察される。以下の説明においては、干渉縞の密度が低い領域の中でも特に縞が1本分程度しか存在しない領域をワンカラー領域という。
図2は、ワンカラー領域を含む干渉縞画像の例を模式的に示す図である。
図2(A)に示す干渉縞画像では、中央部(被検面108aの中央部に対応)がワンカラーとなっており、図2(B)及び図2(C)においては、中央部及び中央部と離れた輪帯領域がワンカラーとなっている。
ここで、どのような領域がワンカラー領域となるかについて、図3を参照しながら説明する。
図3(A)は、ピンホールと被検面との位置関係を示す図であり、図3(B)は、図3(A)に示すピンホールと被検面との距離に対応して観察される干渉縞画像を模式的に示す図である。
なお、図中の被検面108aは、軸対称であって、球面に比較的近似した形状の面とする。図3(A)は、被検面108aを基準としたピンホールPHの位置を示している。
ピンホールPHが被検面108aに対してPHの位置にあるときのピンホールPHと被検面108aの中央との光軸上の距離(以下、ピンホールPHと被検面108aとの距離という)をZとする。このとき、被検面108a上には、曲率半径がZとほぼ等しくなる輪帯状の領域Aが存在する。この領域Aは、局所的に半径Zの球面に近似しているため、領域A内の任意の点とピンホールPHとの距離はほぼ一定で、Zと近似できる。したがって、領域A内の各点で反射された反射試験波L3において生じる光路差は小さい。このため、反射試験波L3と参照波L4との干渉強度の位相変化が±π以内に収まるので、領域Aに対応する干渉縞画像上の領域Sがワンカラー領域となる。
次に、被検面108aに対してピンホールPHがPHの位置になるように、被検面108aを移動させる。このときのピンホールPHと被検面108aとの距離をZ(Z>Z)とする。この場合にも、被検面108a上に曲率半径がZとほぼ等しくなる領域Aが存在するため、領域Aに対応する干渉縞画像上の領域Sがワンカラー領域となる。
したがって、ピンホールPHと被検面108aとの距離を調節することにより、干渉縞画像の所望の輪帯域にワンカラー領域を生じさせることができる。なお、本実施例においては、ステージ106を操作してピンホールPHと被検面108aとの距離を調節しているが、ピンホール基板102が移動可能な構成となっていてもよい。
ここで、図3(B)において、被検面108aの中心部近傍の領域Sもワンカラー領域となっている。被検面108aの中央部は、ピンホールPHと被検面108aとの距離に対応して領域Sの半径は変化するものの、ピンホールPHとの距離があまり変わらない領域が常に存在するため、常にワンカラーとなっている。
干渉縞画像を解析する際には、上記のようなワンカラー領域における計測データが用いられる。干渉縞が密に込み合っている領域においては、光学系に用いられるリレーレンズ等の収差やディストーション等の影響を受けるため、正確な測定を行うことができず、また、非球面計測の場合、干渉縞が込み合って干渉縞の本数をCCD上で数えられない場合も多いからである。
干渉縞画像の解析は、次のような波面合成法によって行われる。
まず、ピンホールPHと被検面108aとの距離を調節し、干渉縞画像の中央部(被検面108aの中央部に対応)の輪帯領域がワンカラー領域になるようにして(図2(A))、干渉縞画像を撮像する。こうして得られた干渉縞画像のワンカラー領域Cの光強度を計測し、干渉波L5の位相データDを算出する。
次に、ピンホールPHと被検面108aとの距離を変え、ワンカラー領域を中央部から外側に移動させて(図2(B))、干渉縞画像を撮像する。こうして得られた干渉縞画像のワンカラー領域Cの光強度を計測し、干渉波L5の位相データDを算出する。
同様にして、ピンホールPHと被検面108aとの距離を変化させて、ワンカラー領域を中央部から徐々に外側に移動させ、その都度干渉縞画像を撮像し、ワンカラー領域の光強度を計測して、干渉波L5の位相データを得る。このような計測の繰り返しを、ワンカラー領域が干渉縞画像の最外周の領域C(図2(C))に達するまで行い、干渉波L5の位相データD、D、…、D、…、Dを得る。そして、これらの位相データ群から被検面108aの部分プロフィルを得る。
図4は、軸対称の非球面ミラーについて得られた干渉縞の画像の例を示す図である。図4(A)及び図4(B)は、透過型回折素子105を試験波L2の光路外に移動させた場合の干渉縞の画像を示す図である。この場合、試験波L2は球面波のまま被検面108aに当たる。
軸対称形状の非球面ミラー108とピンホール102aとの間の距離を適当に調整して干渉縞を測定すると、図4(A)や図4(B)に示すような同心円状の干渉縞の画像が得られる。
図4(A)においては、中心付近で干渉縞の分布が密になっており、図4(B)では、外周部分で干渉縞の分布が密になっている。このような干渉縞が密になっている領域については干渉測定が困難であるため、ミラー全面の非球面形状を一括して測定することはできない。その代わり、干渉縞の分布が疎となっている部分の形状データを得ることができる。つまり、図4(A)の画像からは、外周部分の形状データを得ることができ、図4(B)の画像からは、中心付近の形状データを得ることができる。
一方、図4(C)は、透過型回折素子105を試験波L2の光路上に挿入して干渉縞を測定した場合の干渉縞の画像を示す図である。
この場合、試験波L2の波面は、透過型回折素子105によって被検面108aにほぼ倣う非球面形状に変換される。このため、図4(A)や図4(B)に比べて、干渉縞の数が全面で少なくなっている。このような干渉縞画像を解析することにより、非球面ミラー108の有効面全面についての形状データを一括して計測することができる。
ところが、回折素子105を試験波L2の光路上に移動させて、非球面波を試験波として計測した干渉縞の画像データ(図4(C))は、高周波成分に誤差を含んでいる場合がある。ここにいう、干渉縞の画像データにおける高周波成分とは、被検面108a上の局部的な凹凸に対応する信号であり、測定ノイズ等も含まれる。したがって、非球面波を用いて得られた干渉縞の画像データについては、周波数分解を行うことにより、誤差の少ない低周波成分(D)のみを抽出して、被検面の形状解析に用いることが望ましい。この場合、回折素子105を光路外に移動させて非球面波を試験波として測定したデータ(図4(A)及び図4(B))のうち、干渉縞の分布が疎になっていて干渉測定の容易な輪帯状の部分から高周波成分(D)を抽出して、DとDとを合成することにより、ミラー全面について全周波数帯にわたる形状データを構築することができる。
以下、本実施例の非球面形状計測方法について、図1及び図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一実施例に係る非球面形状計測方法を示すフローチャートである。
まず、試験波L2の光路上に透過型回折素子105を挿入して、被検面108aに非球面波を照射する。そして、被検面108aの全面について、一括して反射試験波L3と参照波L4との干渉縞を計測する(全体計測工程S11)。S11で得られたデータを概略プロフィルDS11とよぶ。
次に、透過型回折素子105を光路外に移動させて、ピンホールPHと被検面108aとの距離を変化させて干渉縞を計測することを繰り返し、被検面108a全面をカバーする数の輪帯データ(部分プロフィルDS12)を取得する(部分計測工程S12)。
その次に、S13で、S12で得られた部分プロフィルDS12を周波数分解して高周波成分を抽出する。このときの閾値となる周波数は、測定した輪帯の最小幅の1/2のピッチとした。つまり、この周波数以下の低周波成分はDS12から除かれる。一方、S11で得られた概略プロフィルDS11については、フィルタリング処理により全面の形状データの低周波成分を抽出する。こうして抽出された、部分プロフィルDS12の高周波成分と概略プロフィルDS11の低周波成分とを合成して、被検面108aの全面について、被検面108aの有効面全面の形状データ(合成全体プロフィル)を構築する(合成工程S14)。
そして、透過型回折素子105の設計値及び製作誤差から推測される非球面波の形状を考慮して、非球面ミラー108の設計値からの形状誤差を算出する。
本実施例によれば、光路外に回折素子105を移動した場合に得られた部分プロフィルと、光路上に回折素子を挿入した場合に得られた概略プロフィルのうち、比較的誤差の少ない成分同士を取り出して合成することにより、被検面全面の合成全体プロフィルを構築しているので、誤差の小さい形状データを得ることができる。また、本発明によると、回折素子105を光路外に移動させて、球面波を用いて輪帯データを測定する際に、隣り合う輪帯領域同士のデータをつなぎ合わせるために重複して計測する領域(つなぎ合わせるときに重ね合わせる部分)を設ける必要がない。このため、部分プロフィルの合成処理の誤差に起因する、全面データの誤差を小さくすることができる。また、輪帯領域の測定回数を減らすことができる。
本実施例においては、概略プロフィルDS11を非球面の軸を中心として回転平均することにより、DS11の回転対称成分だけを抽出してもよい。透過型回折素子105上に形成された同心円状のパターンが厳密には真円となっていないこと等により、概略プロフィルDS11には、非回転対称性の誤差が含まれている。この誤差が試験波の波面の形状に影響を与えて、観測される干渉縞の分布に誤差が生じる恐れがある。そこで、概略プロフィルDS11の回転対称成分だけを抽出することにより、この非回転対称な誤差を排除することができる。そして、部分プロフィルDS12(輪帯データ)からは、非回転対称成分のみを取り出して、DS11から取り出した回転対称成分のデータと合成するとよい。
さらに、好ましくは、概略プロフィルDS11から低周波の回転対称成分だけを抽出し、部分プロフィルDS12から非回転対称成分と高周波の回転対称成分を抽出して、両者を合成するとよい。
本実施例においては、回折素子で非球面に変換された試験波の波面の形状が被検面の非球面形状に近い形状となるように、回折素子上のパターンが調整されていることが好ましい。あるいは、非球面波の波面と被検面の非球面形状の最大振幅値が、非球面形状の非球面量の最大振幅よりも小さくなるように透過型回折素子105上のパターンを調整することが好ましい。
次に、本発明の別の実施例に係る非球面形状計測方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、画像検出センサーで観察された干渉縞の例を示す平面図である。
図6(A)〜図6(D)に示す4つの干渉縞は、被検面108aを試験波L2の波面に対して少し傾ける向きを90°ピッチで(4方向に)変えて、4回計測したものである。図2や図4の干渉縞では、被検面108aの非球面軸に対して対称な輪帯状の干渉縞が観測されたが、図6(A)〜図6(D)では、干渉縞の分布が干渉縞画像の中心に対してやや偏ったものとなっている。
以下に、本発明の別の実施例に係る非球面形状計測方法について、図1及び図6〜図8を参照しながら説明する。
図8は、本発明の別の実施例に係る非球面形状計測方法を示すフローチャートである。
まず、被検面108aに試験波L2を照射して、反射試験波L3と参照波L4との干渉縞を計測し、被検面108a全面の概略プロフィルを得る(全体計測工程S21)。
次に、被検面108aを試験波L2の波面に対して傾けて、反射試験波L3と参照波L4との干渉縞を計測し、干渉縞の密度が疎になっている領域(図6参照)のデータ(部分プロフィル)を得る(部分計測工程S22)。本実施例においては、被検面108aを傾ける向きを90°ピッチで変えて干渉縞の計測を4回行う。すると、図6に示すような4枚の干渉縞画像が得られる。
この次に、S22で得られた4枚の干渉縞画像から、干渉縞の密度が疎になっている領域(以下、測定領域という)のデータを抽出してつなぎあわせ、被検面全面の干渉縞画像データを作成する(S23)。
図7は、図6の干渉縞の各測定領域をつなぎ合わせて得られた被検面全面の形状データを模式的に示す図である。
図7に示す形状データは、図6(A)〜図6(D)の干渉縞画像データ中の測定領域(図6(A)の左側の略扇形状の領域S、図6(B)の下側の領域S、図6(C)の上側の領域S及び図6(D)の右側の領域S)の干渉縞画像を処理して得られた各測定領域のデータを、つなぎ合わせることにより得られたものである。図7の各測定領域データは、図6中の対応する各測定領域と同じ符号を付して示されている。
ところで、図7のように複数のデータを合成して得られた干渉縞画像のデータにおいては、非回転対称成分に比較的大きな誤差を生じる場合が多い。そこで、図7のデータからは誤差の小さい回転対称成分データのみを抽出する(S24)。そして、S21で得られた輪帯データから非回転対称成分を取り出して(S25)、S24で得られた回転対称成分のデータと合成し、被検面108a全面の形状データ(合成全体プロフィル)を算出する(S26)。以上のS23〜S26が合成工程である。これにより、精度の高い被検面の形状データを得ることができる。
本発明の一実施例に係る非球面形状計測装置を示す図である。 ワンカラー領域を含む干渉縞画像の例を模式的に示す図である。 (A) ピンホールと被検面との位置関係を示す図である。 (B) 図3(A)に示すピンホールと被検面との距離に対応して観察される干渉縞画像を模式的に示す図である。 軸対称の非球面ミラーについて得られた干渉縞の画像の例を示す図である。 (A)、(B) 透過型回折素子105を試験波L2の光路外に移動させた場合の干渉縞の画像を示す図である。 (C) 透過型回折素子105を試験波L2の光路上に挿入して干渉縞を測定した場合の干渉縞の画像を示す図である。 本発明の一実施例に係る非球面形状計測方法を示すフローチャートである。 画像検出センサーで観察された干渉縞の例を示す平面図である。 図6の干渉縞の各測定領域をつなぎ合わせて得られた被検面全面の形状データを模式的に示す図である。 本発明の別の実施例に係る非球面形状計測方法を示すフローチャートである。
符号の説明
101 集光光学系
102 ピンホール基板
103 回折素子ステージ
104 板ばね
105 透過型回折素子
106 ミラーステージ
107 ヒンジ機構
108 非球面ミラー
108a 被検面
108d 金属ブロック
109 結像光学系
110 画像検出センサー
PH ピンホール

Claims (6)

  1. 非球面形状を有する被検面の形状を波面合成法により計測する方法であって、
    前記非球面の有効面(被計測面)全面を一括で計測して、非球面全体の概略プロフィルを得る全体計測工程と、
    前記非球面を一部分ずつ精密に計測して、各部の部分プロフィルを得る部分計測工程と、
    前記概略プロフィルに沿って前記各部の部分プロフィルをつなげて合成全体プロフィルを得る合成工程と、
    を含むことを特徴とする非球面形状計測方法。
  2. 前記全体計測工程において、球面波を、被検面の非球面にほぼ倣う非球面波に変換して前記被検面に当てることを特徴とする請求項1記載の非球面形状計測方法。
  3. 前記全体計測工程において、前記球面波を回折素子を通して前記非球面波に変換することを特徴とする請求項2記載の非球面形状計測方法。
  4. 前記非球面形状が回転軸を有する回転対称面であり、前記非球面の有効面の一部は、前記非球面の回転軸を中心軸とした輪帯領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非球面形状計測方法。
  5. 前記部分計測工程において、前記非球面形状が回転軸を有する回転対称面であり、前記非球面の回転軸と前記非球面の外周部の一部とを含む領域を計測して、部分プロフィルを得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の非球面形状計測方法。
  6. 非球面形状を有する被検面の形状を輪帯波面合成法により計測する装置であって、
    ピンホールと、
    該ピンホールに光束を集光する集光光学系と、
    該ピンホールから射出された球面波が前記被検面の所望の位置に所望の角度で照射されるように、該被検面を保持するステージと、
    該被検面で反射された光束を検出する画像検出センサーと、
    前記被検面で反射された光束を前記画像検出センサーに導く結像光学系と、
    前記ピンホールと前記被検面との間に配置された、前記球面波を、前記被検面の非球面にほぼ倣う非球面波に変換する回折素子を、光路上と光路外とに選択的に位置させるステージと、
    を具備することを特徴とする非球面形状計測装置。
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