JP2005106174A - 弁制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電磁弁にパルス電流を供給し始めてから、極力時間遅れが少ない状態で、弁本体が所望量の作動流体を出力する状態に切り換えることが可能となる弁制御装置を提供する。
【解決手段】 復帰付勢された中立位置から正方向出力位置及び逆方向出力位置に移動自在なスプール37を備えた弁本体36と、スプール37を移動させるために作動用流体が供給される正転用の圧力操作部40と逆転用の圧力操作部41と、その夫々に対して作動用流体の供給状態と排出状態とに切り換え自在で排出状態に復帰付勢された一対の電磁弁42,43と、制御手段Hとが備えられ、スプール37が中立位置にある状態において、各電磁弁42,43に低出力用のデューティ比でパルス電流を供給する場合には、その供給開始前に、高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、復帰付勢された中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプールを備えた弁本体と、前記スプールを正方向に移動させるために作動用流体が供給される正転用の圧力操作部と、前記スプールを逆方向に移動させるために作動用流体が供給される逆転用の圧力操作部と、前記正転用の圧力操作部及び逆転用の圧力操作部の夫々に対して作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ前記排出状態に復帰付勢された一対の電磁弁と、パルス電流を供給することにより前記一対の電磁弁を制御して、前記弁本体から作動流体を出力させる制御手段とが備えられ、前記制御手段が、前記スプールの正方向出力位置及び逆方向出力位置での位置調整によって出力される作動流体の流量を変更調整すべく、前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比を変更調整するように構成されている弁制御装置に関する。
上記構成の弁制御装置は、前記電磁弁に対するデューティ比を変更調整することで弁本体から出力される作動流体の流量を変更調整する構成としているが、このような電磁弁に対するパルス電流のデューティ比を変更調整する構成のものにおいて、従来では、弁本体から出力すべきものとして必要とされる作動流体の流量に対応させた状態でパルス電流のデューティ比を設定して、電磁弁に対してパルス電流を供給するときは、その供給開始時点から設定されたデューティ比のパルス電流を電磁弁に供給する構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−210189号公報
上記従来構成においては、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において、前記各電磁弁に対して、デューティ比が例えば100パーセントに近い高出力側のデューティ比にてパルス電流を供給するような場合においては、高出力用の大きな流量の作動流体が正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部に供給されることから迅速にスプールが移動操作されて、スプールが正方向出力位置及び逆方向出力位置に操作されたときに出力される作動流体の流量を極力迅速に所望の流量にさせることが可能である。
しかしながら、例えば、弁本体から出力すべき作動流体の目標流量が少ない値に設定されて、前記スプールが前記中立位置にある状態から低出力側のデューティ比のパルス電流にて電磁弁を駆動するような場合には、電磁弁に対するパルス電流の供給を開始してからスプールが正方向出力位置及び逆方向出力位置に操作されたときに、弁本体から出力される作動流体の流量を所望の流量にさせるまでに時間遅れが生じるという不利が生じていた。
説明を加えると、このように前記スプールが前記中立位置にある状態では、正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部の中の作動用流体は排出されており、しかも、低出力側のデューティ比のパルス電流にて電磁弁を駆動するときには、それらの圧力操作部に供給される作動用流体の単位時間当りの供給量が少ないものとなるから、電磁弁にパルス電流を供給し始めてから前記圧力操作部に作動用流体が満たされて復帰付勢力に抗してスプールを移動操作させるまでに少し遅れ時間が生じて、弁本体から出力される作動流体の流量を所望の流量にさせるまでの間に時間遅れが生じることがある。又、作動用流体の単位時間当りの供給量が少ないものであるから、作動用流体による圧力操作部における操作用圧力が、中立位置で静止しているスプールを正方向出力位置や逆方向出力位置に向けて移動開始させるのに必要な圧力に上昇するまでに少し時間遅れが生じることがある。
本発明の目的は、電磁弁にパルス電流を供給し始めてから、極力時間遅れが少ない状態で、弁本体が所望の流量の作動流体を出力する状態に切り換えることが可能となる弁制御装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、復帰付勢された中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプールを備えた弁本体と、前記スプールを正方向に移動させるために作動用流体が供給される正転用の圧力操作部と、前記スプールを逆方向に移動させるために作動用流体が供給される逆転用の圧力操作部と、前記正転用の圧力操作部及び逆転用の圧力操作部の夫々に対して作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ前記排出状態に復帰付勢された一対の電磁弁と、パルス電流を供給することにより前記一対の電磁弁を制御して、前記弁本体から作動流体を出力させる制御手段とが備えられ、前記制御手段が、前記スプールの正方向出力位置及び逆方向出力位置での位置調整によって出力される作動流体の流量を変更調整すべく、前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比を変更調整するように構成されている弁制御装置であって、前記制御手段が、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において、前記各電磁弁に低出力用のデューティ比でパルス電流を供給する場合には、その供給開始前に、高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給するように構成されている点にある。
上記第1特徴構成によれば、弁本体のスプールが中立位置にある状態において、弁本体から出力すべき作動流体の出力値に対応するデューティ比として、低出力用のデューティ比が設定された状態で電磁弁にパルス電流を供給する場合に、その低出力用のデューティ比のパルス電流の供給開始前に、高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給することになる。つまり、低出力用のデューティ比でパルス電流が供給されて低出力用の流量の作動流体が正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部に供給される前に、電磁弁に前記初期用のパルス電流が供給されることで、高出力用の多めの流量の作動流体が正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部に供給されることになる。
その結果、初期用のパルス電流を供給することによって、電磁弁にパルス電流を供給し始めてから圧力操作部に作動用流体が満たされて復帰付勢力に抗してスプールを移動操作させるまでの時間が短いもので済むことになり、しかも、中立位置で静止しているスプールを正方向出力位置や逆方向出力位置に向けて移動開始させるのに必要な圧力に上昇するまでの時間を少ないものにすることが可能となる。つまり、その後に供給される低出力用のデューティ比のパルス電流に基づいてスプールの正方向出力位置あるいは逆方向出力位置での位置調整によって所望の流量の作動流体を出力する状態になるまでの遅れ時間を少ないものにすることができる。
従って、電磁弁にパルス電流を供給し始めてから、極力時間遅れが少ない状態で、弁本体が所望の流量の作動流体を出力する状態に切り換えることが可能となる弁制御装置を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、前記制御手段が、前記初期用のパルス電流として、100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給するように構成されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、初期用のパルス電流として、デューティ比を調整可能な範囲の最大値である100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給するようにしたので、低出力用のデューティ比でパルス電流が供給されて低出力用の流量の作動流体が供給される前に、高出力用として最も多い流量に設定された作動流体が正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部に供給されることになるから、電磁弁にパルス電流の供給を開始してから弁本体が所望の流量の作動流体を出力する状態に極力短時間で切り換えることが可能となる。
本発明の第3特徴構成は、上記第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より大きいときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給し、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より小であるときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比のパルス電流を供給するように構成されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より大きいときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給するので、第2特徴構成について説明したように、低出力用のデューティ比でパルス電流が供給されて低出力用の流量の作動流体が供給される前に、高出力用として最も多い流量に設定された作動流体が正転用の圧力操作部又は逆転用の圧力操作部に供給されることになるから、電磁弁にパルス電流を供給開始してから弁本体が所望の流量の作動流体を出力する状態に極力短時間で切り換えることが可能となる。
そして、電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より小であるときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比のパルス電流を供給することになる。このように設定値より小さいデューティ比に設定して弁本体から少ない流量を出力させるときに、初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給するようにすると、前記圧力操作部に供給される作動流体が多くなり過ぎて、スプールの正方向出力位置あるいは逆方向出力位置での位置調整を行うときに所望の流量(小流量)を越えてオーバーシュートする等、位置調整が行い難いものになるおそれがある。そこで、このような場合には、初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比のパルス電流を供給することによって、弁本体から少ない流量を出力させるときであっても適正な流量調整を行うことが可能となるのである。
本発明の第4特徴構成は、上記第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記制御手段が、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令するとともに、その制御用パルス信号の出力を反転させた状態で前記パルス電流として出力するように構成され、且つ、前記制御用パルス信号として、最初のパルスを零デューティ比のパルスとして指令し、その後は、前記各電磁弁に供給すべきデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルスとして指令するように構成されている点にある。
上記第4特徴構成について、図面を参照しながら説明を加えると、図11に電磁弁に供給するためのパルス電流についてのタイムチャートを示している。図11(イ)は、制御手段が指令する制御用パルス信号を示し、図11(ロ)は電磁弁に出力されるパルス電流を示している。ちなみに、この場合の電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比としては75パーセントを例示している。そして、このようなパルス電流を供給する場合、制御用パルス信号として、図11(イ)に示すように、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態であるが、最初のパルスを零デューティ比のパルスとして指令し、その後は、75パーセントのデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルス,つまり25パーセントのデューティ比のパルス電流として指令するようにしている。
そして、制御用パルス信号の出力のオン・オフを反転させた状態でパルス電流として出力するようにしている。このようにして、図11(ロ)に示すように、75パーセントのデューティ比のパルス電流の前に初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比でのパルス信号を適正に出力させることができるのである。
尚、ここでは、理解し易いように具体的な数値を例示したが、パルス電流のデューティ比としては75パーセントに限らず、どのようなデューティ比に設定するものでもよい。
本発明の第5特徴構成は、上記第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記制御手段が、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ、前記初期用のパルス電流を供給するように構成されている点にある。
上記第5特徴構成によれば、制御手段は、弁本体のスプールが中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ、前記初期用のパルス電流を供給することになる。すなわち、制御手段が前記各電磁弁に対するデューティ比を変更調整することにより弁本体から出力させる作動流体の流量を制御する場合において、その作動流体の目標流量が例えば零の状態と設定流量になる状態とが交互に前記設定時間よりも短い時間で繰り返し発生するような場合に、目標流量が零の状態から目標流量が設定流量である状態に切り換わる毎に、上記したような初期用のパルス電流を供給するようにすると、パルス電流が多くなり過ぎてスプールが過剰操作されてハンチング現象が生じてしまうおそれがある。
そこで、スプールが中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ初期用のパルス電流を供給する構成とすることで、パルス電流が多くなり過ぎてスプールが過剰操作されることに起因したハンチングの発生を回避させて安定した制御を行うことが可能となる。
以下、本発明に係る弁制御装置を作業車としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な直進変速用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な操作用の無段変速装置8と、それらの無段変速装置7、8からの動力が入力され、左右の走行装置1R、1Lへの動力が出力されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。前記直進変速用の無段変速装置7と旋回操作用の無段変速装置8は、コンバインの車体に搭載されているエンジンからの動力によって駆動される可変油圧ポンプ7A、8Aと、その可変油圧ポンプ7A、8Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター7B、8Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。ちなみに、エンジンの動力は、伝動ベルト10及び伝動プーリ11を介して可変油圧ポンプ7A、8Aの伝動軸12に伝達される。
前記ミッションケース9は、その内部に、前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20と、前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21との夫々が内挿され、これら両出力軸20、21からの動力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される一方、直進変速用の無段変速装置7の動力が刈取搬送装置3に伝達される構成となっている。前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20には、副変速用の大小一対の出力ギヤ20a、20b及び刈取部駆動用の出力ギア20cが固着されている。
副変速軸22には、前記出力ギヤ20a、20bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ22aと大径ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ22a、22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する副変速用シフトギヤ22dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ22dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸22には出力ギア22eが固着されており、この出力ギア22eに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。
前記支持軸23には、センターギヤ24を挾む両側に、そのセンターギヤ24を通して伝えられる動力を前記各無段変速装置7、8のうちの何れの駆動系から入力させるかを左右各別に切り換え自在な伝動経路切り換え機構が設けられている。この伝動経路切り換え機構は、外周部に旋回操作用の無段変速装置8の伝動系に連係された外周ギヤ部25aを備える左右一対の多板式の摩擦クラッチ25、25と、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギア26との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ27、27とで構成されている。前記左右のシフトギア26は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、噛み合いクラッチ27が噛み合う状態と、多板式の摩擦クラッチ25が圧接して伝動入りとなる状態とに切り換え自在に構成され、左右一対の噛み合いクラッチ27、27が夫々噛み合う状態では左右の摩擦クラッチ25、25は夫々切り状態となる。つまり、クラッチ27、27が夫々噛み合い左右のシフトギア26が共にセンターギヤ24に係合している状態では、シフトギア26を介して、左右の走行装置1R、1Lが同方向に同速駆動される機体直進状態となる。
前記左右のシフトギア26、26は夫々、押圧スプリング29、29による押圧力に抗して操向用油圧シリンダ30R、30Lでシフト操作することにより、噛み合いクラッチ27、27を切り操作して摩擦クラッチ25、25を入り操作可能に構成されており、この操向用油圧シリンダ30R、30Lの操作は、図3に示すように、電磁弁32、33を切り換え操作することにより行うように構成されている。左右いずれかのシフトギア26が摩擦クラッチ25の入り状態になると、それに連動される走行装置は、旋回操作用の無段変速装置8の変速動力が伝達される状態となる。
前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21には、その両端部に伝動ギヤ21a、21bが固着され、両伝動ギヤ21a、21bのそれぞれに前記各摩擦クラッチ25、25の外周ギヤ部25a、25aが噛合されている。前記左右のシフトギア26、26のうちの一方を、センターギヤ24との噛み合いを外す側にシフト操作すると、そのシフトギア26の移動した側の摩擦クラッチ25が圧接されて入り状態となり、その摩擦クラッチ25を介して旋回操作用の無段変速装置8の動力がシフトギア26に伝達され、シフトギア26から中継ギア34及びファイナルギア35を介して一方の走行装置に伝達され、機体旋回状態となる。このシフトギア26はセンターギヤ24に噛合しているときも、摩擦クラッチ25の入り側に操作されているときにも常時走行装置への伝動系の中継ギヤ34に噛合するように構成されている。
前記直進変速用の無段変速装置7は、中立位置から正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、又、搭乗運転部6には前後方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり手動操作によって揺動可能な主変速レバー14が設けられている。そして、図3に示すように、可変油圧ポンプ7Aの斜板13が油圧サーボ機構SVを介して主変速レバー14に連係され、主変速レバー14の操作指令に基づいて斜板13の角度を変更することにより油圧モーター7B側の出力状態を無段階に変更するように構成されている。つまり、主変速レバー14に対する手動操作があれば、その操作に対して油圧サーボ機構SVの作用により油圧操作力にてアシスト操作を行うことにより変速操作を軽く操作することができる構成となっている。
そして、図8に示すように、変速レバー14が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記斜板13が中立状態となり油圧モーター7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー14からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速レバー14の操作指令に応じて油圧サーボ機構SVによって斜板13の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力によって主変速レバー14による指令量だけ傾倒操作され、油圧モーター7Bが指令に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
一方、旋回操作用の無段変速装置8も前記直進変速用の無段変速装置7と同様に、正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっている。しかし、この旋回操作用の無段変速装置8は手動操作で変速を行うのではなく、可変油圧ポンプ8Aの斜板15が油圧式の旋回用操作機構16に連係され、この旋回用操作機構16により斜板角を変更することにより油圧モーター8B側の出力状態を変更するように構成されている。この旋回用操作機構16は、図3に示すように、旋回操作用の無段変速装置8における斜板15に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ17と、この変速用油圧シリンダ17に対する油圧制御を行う油圧制御ユニットVUとを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ17は、内装される左右一対のバネ17a、17bの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
次に、前記油圧制御ユニットVUの構成について説明する。
この油圧制御ユニットVUは、図4に示すように、変速用油圧シリンダ17を中立変速位置から正転方向及び逆転方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する弁本体としての油圧パイロット式の制御弁36を備えて構成されている。この制御弁36は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプール37と、そのスプール37を前記中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ38、39とを備えて構成されている。
又、この制御弁36には、前記スプール37を正方向に移動させるために作動用流体としての作動油が供給される正転用の圧力操作部40、及び、前記スプール37を逆方向に移動させるために作動用流体としての作動油が供給される逆転用の圧力操作部41が夫々備えられ、正転用の圧力操作部40及び逆転用の圧力操作部41の夫々に対する作動油の供給状態を制御する一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43が、作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ排出状態に復帰付勢される状態で設けられている。
つまり、前記一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43は図示しない油圧ポンプから供給される作動用流体としての作動油を前記各圧力操作部40、41に供給する供給状態と油圧ポンプからの供給を停止して圧力操作部40、41を排油路44に接続する排出状態との二位置に切り換え自在な二位置切り換え式の電磁弁で構成され、これらのパイロット圧制御用の電磁弁42、43はバネ45、46により前記排出状態に復帰付勢される構成であり、ソレノイド47、48に通電して励磁することでバネ45、46の付勢力に抗して弁体を操作して前記供給状態に切り換える構成となっている。従って、このパイロット圧制御用の電磁弁42、43は通電を停止すると常に排出状態になりその状態を維持することになる。
そして、前記制御弁36には、変速用の油圧シリンダ17の一対の作動油室17A、17Bに各別に接続される一対の出力ポートOP1、OP2が設けられ、前記スプール37が前記正方向出力位置に移動すると一対の出力ポートOP1、OP2のうちの一方の正方向出力ポートOP1を入力ポートIPに接続し、且つ、他方の逆方向出力ポートOP2を排出ポートDPに接続する状態となり、前記スプール37が前記逆方向出力位置に移動すると、前記逆方向出力ポートOP2を入力ポートIPに接続し且つ前記正方向出力ポートOP1を排出ポートDPに接続する状態となるように構成されている。
又、前記スプール37が、前記中立位置と前記正方向出力位置との間の正方向保持位置、及び、前記中立位置と前記逆方向出力位置との間の逆方向保持位置に移動自在に構成され、前記中立位置において前記一対の出力ポートOP1、OP2夫々を前記排出ポートDPに接続する状態となり、前記正方向保持位置及び前記逆方向保持位置の夫々において、前記一対の出力ポートOP1、OP2を前記入力ポートIP及び前記排出ポートDPのいずれにも接続されない状態となるように構成されている。
説明を加えると、前記スプール37を軸芯方向にスライド自在に支持する弁本体の摺動用の内周面には、スプール37の軸芯方向の中央部分に入力ポートIPに連通する入力ポート用油路49が形成され、その入力ポート用油路49の軸芯方向の両外側部に一対の出力ポートOP1、OP2に夫々連通する出力ポート用油路50、51が形成されている。それらの一対の出力ポート用油路50、51よりも更に軸芯方向の両外側部には排出ポートDPに夫々連通する排出ポート用油路52、53が夫々形成されている。前記スプール37の外周部には、前記各出力ポート用油路50、51と前記各排出ポート用油路52、53とを連通させたり、前記各出力ポート用油路50、51と入力ポート用油路49とを連通させるための一対の連通路54、55が夫々形成されている。
そして、図4に示すような中立位置では前記各連通路54、55が前記各出力ポート用油路50、51と前記各排出ポート用油路52、53とを接続する状態となる。そして、この中立位置からスプール37を正方向に設定量移動させると、図5(イ)に示すような正方向出力位置になり、この正方向出力位置では、一対の連通路54、55のうちの一方の連通路54が正方向出力ポートOP1に対応する出力ポート用油路50と前記入力ポート用油路49とを接続し、他方の連通路55が逆方向出力ポートOP2に対応する出力ポート用油路51と前記排出ポート用油路53とを接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は正方向(前進増速方向)に移動操作されることになる。
又、中立位置からスプール37を逆方向に設定量移動させると、図5(ロ)に示すような逆方向出力位置になり、この逆方向出力位置では、一対の連通路54、55のうちの他方の連通路55が逆方向出力ポートOP2に対応する出力ポート用油路51と前記入力ポート用油路49とを接続し、前記一方の連通路54が正方向出力ポートOP1に対応する出力ポート用油路51と前記排出ポート用油路52とを接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は逆方向(後進増速方向)に移動操作される。
前記中立位置からスプール37を正方向に前記設定量よりも小さい小操作量を移動させると、図6(イ)に示すような、中立位置と正方向出力位置との間の正方向保持位置になる。この正方向保持位置では、前記一対の連通路54、55は夫々一対の出力ポート用油路50、51に接続しているが、入力ポート用油路49及び排出ポート油路52、53のいずれにも接続されない状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
そして、前記中立位置からスプール37を逆方向に前記設定量よりも小さい小操作量を移動させると、図6(ロ)に示すような、中立位置と逆方向出力位置との間の逆方向保持位置になる。この逆方向保持位置では、正方向保持位置と同様に、一対の連通路54、55は夫々一対の出力ポート用油路50、51に接続しているが、入力ポート用油路49及び排出ポート油路52、53のいずれにも接続されない状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
上記したような無段変速装置7、8の変速動作について説明を加えると、例えば図7に示すように、斜板13、15の変速位置が中立位置Nを含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(走行速度)は零速となり、斜板13、15の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、斜板13、15が中立域から所定方向と反対方向に操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
そして、搭乗運転部6には、中立位置から左右方向に沿って所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な旋回指令手段としての旋回レバー56が備えられ、図3に示すように、その旋回レバー56の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる旋回レバーセンサ57、一対の無段変速装置7、8夫々の出力回転速度を前記ギア22e及びギア21aの歯数をカウントすることにより検出する回転センサ58、59、前記各無段変速装置7、8の斜板角を各別に検出する変速位置検出手段としてのポテンショメータ式の変速位置センサ60、61、ダイヤル操作により旋回モードを3段階に切り換える旋回モード切換え操作具62等が備えられ、これらの入力情報に基づいて旋回用操作機構16及び操向用油圧シリンダ30R、30Lの動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられている。
次に、制御装置Hによる旋回制御について説明を加えると、図8のフローチャートに示すように、例えば、主変速レバー14を操作して直進走行しているときに、旋回レバー56が中立位置から左右いずれかに旋回操作されると、旋回中心側つまり旋回方向が右であれば右側の操向用油圧シリンダ30Rを作動させて右側の走行装置1Rに旋回用の無段変速装置8の変速動力を伝達させる状態に切り換える(ステップ1〜4)。つまり、旋回中心側(右側)の走行装置が旋回用の無段変速装置8にて駆動され、旋回中心側とは反対側(左側)の走行装置が直進用の無段変速装置7にて駆動される伝動状態に切り換わる。そして、左右の走行装置1R、1Lが回転方向が同じであってそれらの回転速度の速度比率が旋回レバー56にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように、旋回用の無段変速装置の目標変速位置を求める(ステップ5)。
その目標変速位置を求める処理について説明を加えると、旋回レバー56の旋回指令操作領域における直進指令位置から離れる方向への移動量と旋回半径に対応する速度比率との関係が図8に示すように二次関数に対応する関係として定めて記憶されている。一方、前記変速位置センサ60によって検出される直進用の無段変速装置7の斜板角検出値と、図9に示すような関係の関数とから、旋回用の無段変速装置8の目標変速位置すなわち目標斜板位置を求めるのである。そして、変速位置センサ60によって検出される旋回用の無段変速装置8の変速位置が目標変速位置になるように旋回用操作機構16の作動を制御して変速操作を行う(ステップ6〜8)。前記直進変速用の無段変速装置7は変速レバー14に対する手動操作にて変速位置が調整されることになる。
図9に示す関係について説明を加えると、図9のラインL1は基準となる直進側の無段変速装置の速度を示している。ラインL2は緩旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL3は信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL4は超信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示しており、前記旋回モード切換え操作具62にて指定された旋回モードが選択されることになる。説明を加えると、ラインL2にて示す緩旋回モードでは、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置が反対側の走行装置の走行速度Vの約1/3の速度にまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する、左右の走行装置1R、1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。ラインL3で示す信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が零となるまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。又、ラインL4に示す超信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度になるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。
次に、油圧制御ユニットVUの作動を制御する処理について説明する。
前記制御装置Hがパイロット圧制御用の電磁弁42、43に供給されるパルス電流のデューティ比を変更調整することにより、スプール37が正方向出力位置及び逆方向出力位置に操作されたときに制御弁36の出力ポートOP1,OP2から出力される作動流体の流量、つまり、変速用の油圧シリンダ17に供給される作動油流量を変更調整可能に構成されている。
具体的に説明すると、各電磁弁42,43に供給されるパルス電流のデューティ比、つまり、一定周期T毎にオン状態とオフ状態とを繰り返すパルス信号の周期Tのうち、周期Tに対するオン時間の比率を変更調整することで、そのデューティ比に応じて変化する流体圧としての油圧力と、スプール37に対するバネ38、39による中立位置への復帰付勢力とがバランスすることにより、スプール37の正方向出力位置及び逆方向出力位置での位置調整を行い、油圧シリンダ17に供給される作動油流量を調整することが可能な構成となっている。そして、図10に示すように、デューティ比が大になるほど作動油流量が大になるように、デューティ比と流量との関係が予め設定されている。又、この図から明らかなようにデューティ比が低い場合には作動油流量が流れない構成となっており、デューティ比を約30パーセント程度に調整することにより、スプール37を前記逆方向保持位置あるいは正方向保持位置に位置調整することができる構成となっている。
そして、制御装置Hは、前記スプール37が中立位置にある状態において、前記各電磁弁42,43に低出力用のデューティ比、例えば40〜80パーセント程度のパルス電流を供給する場合には、その供給開始前に、高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給するように構成されている。具体的には、スプール37が中立位置にある状態において各電磁弁42,43に供給するパルス電流のデューティ比が設定値(50パーセント)より大きいときは、初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給し、スプール37が中立位置にある状態において各電磁弁42,43に供給するパルス電流のデューティ比が設定値(50パーセント)より小であるときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比、例えば、80パーセントのパルス電流を供給するように構成されている。
又、制御装置Hは、スプール37が中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ前記初期用のパルス電流を供給するように構成されている。具体的には、パルス信号の10周期分の時間よりも長い時間が経過する間連続して零パーセントのデューティ比の指令が続いて発生した場合には、その後シリンダ駆動用のデューティ比にて出力をするときに前記初期用のパルス電流を供給するようになっている。
前記制御装置Hは、パルス電流を出力するときの信号処理の具体構成として、次のように処理を実行するように構成されている。つまり、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令するとともに、その制御用パルス信号の出力を反転させた状態でパルス電流として出力するように構成され、且つ、制御用パルス信号として、最初のパルスをデューティ比が零パーセントのパルスとして指令し、その後は、前記各電磁弁42,43に供給すべきデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルスとして指令するように構成されている。
説明を加えると、前記電磁弁42,43に前記低出力用のデューティ比のパルス電流PU2を供給する場合には、前記初期用のパルス電流として100パーセントのパルス電流PU1を供給することになるので、図11(ロ)に示すようなパルス電流を供給することになる。図11には低出力用のデューティ比として75パーセントのデューティ比のパルス電流を供給する場合を例示している。
この場合、制御用パルス信号として、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令する構成として、そのままパルス電流として出力させる構成とした場合には、図12(イ)に示すような75パーセントのデューティ比のパルス電流の最初のパルスを、初期用のパルス電流として100パーセントに変更させると、そのパルスは次回のパルスとの間にオフ時間が無くなり、結果として175パーセントのパルスとなってしまう(図12(ロ)参照)。このような長いパルスを供給すると、作動油流量が多くなり過ぎて、75パーセントのデューティ比に対応する流量よりも一時的に過大になってしまうおそれがある。
そこで、制御装置Hは、図11(ロ)に示すような75パーセントのデューティ比のパルス電流を供給する場合には、制御用パルス信号として、図11(イ)に示すように、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態であるが、最初のパルスを零デューティ比のパルスとして指令し、その後は、75パーセントのデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルス、つまり、25パーセントのデューティ比のパルス電流として指令するようにして、その制御用パルス信号の出力のオン・オフを反転させた状態でパルス電流として出力するようにしている。その結果、図11(ロ)に示すように、75パーセントのデューティ比のパルス電流の前に初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比でのパルス信号を適正に出力させることができるのである。
図13及び図14には、上記したような高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給する構成とした場合と、そのような初期用のパルス電流を供給しない場合の夫々における本出願人による実験データを示している。すなわち、図13には、デューティ比を60パーセントとして設定したパルス電流を電磁弁42,43に供給する場合において、初期用のパルス電流を供給しない場合における、旋回用の無段変速装置8の斜板15の角度の検出値(L5)、作動油が供給される圧力操作部40、41の内部のチャージ圧(L6)、変速用油圧シリンダ17の作動油室内の負荷圧(L7)等のデータの時間の経過に伴う変化を示している。又、図14には、100パーセントの初期用のパルス電流PU1を出力させた場合について、同様なデータの時間経過に伴う変化を示しており、変速用油圧シリンダ17の作動が迅速に行われていることが示されている。
前記旋回用の無段変速装置8を変速操作するときの動作について説明を加えると、例えば、旋回レバー56の操作に伴って旋回用の無段変速装置8を前進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を正方向出力位置に移動操作させる。具体的には、正転用の圧力操作部40に対するパイロット圧制御用の電磁弁42におけるソレノイド47に設定周期毎にオンとオフとを繰り返すパルス電流を供給するようにしており、そのデューティ比を変更調整する。そのときの目標とすべきデューティ比は、旋回用の無段変速装置8の斜板15の操作位置と目標変速位置との偏差が大きいほど変速操作速度が大となるように、そのときの位置偏差に応じて設定されることになる。このようにパルス電流を供給することによりスプール37がバネ39の付勢力に抗して移動操作され、正方向出力位置に移動してデューティ比に対応する作動油流量を出力ポートOP1から出力させるのである。旋回用の無段変速装置8を後進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を逆方向出力位置に移動操作させるが、このときは、逆転用の圧力操作部41に対するパイロット圧制御用の電磁弁43を同様にして制御することになる。
そして、増速操作によって旋回用の無段変速装置8の変速位置が目標変速位置になると、前記スプール37を前記正方向保持位置に移動させる。つまり、前記ソレノイド47に対するパルス電流のデューティ比を保持用のデューティ比、つまり、30パーセントになるように変更調整するのである。そのことにより、ソレノイド47の電磁力とバネ39の付勢力とが釣り合ってスプール37はその位置で保持され、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する。尚、逆方向保持位置で保持させる場合にもこのような正方向保持位置での操作を同様な処理を行う。
旋回用の無段変速装置8を中立位置に戻すときは、前記各パイロット圧制御用の電磁弁42、43に対するソレノイド47、48を夫々無通電状態に切り換えると、スプール37はバネ38、39の付勢力によって中立位置に復帰する。この中立位置では、変速用油圧シリンダ17の各作動油室17A、17Bが共に排油状態となって、変速用油圧シリンダ17は、前記バネ17a、17bの付勢力並びに旋回用の無段変速装置8の斜板15の中立復元力によって中立位置に復帰することになる。
そして、図8に示すように、旋回レバー56が中立位置にあるときは直進走行用の速度同期処理を実行する(ステップ9)。この速度同期処理は、左右の操向用油圧シリンダ30R、30Lはいずれも作動させないので走行装置の走行速度を自動制御によって変速させる機能はないが、手動の変速操作によって変速される直進変速用の無段変速装置7の回転方向と同じ方向にその出力回転速度と略同じ出力回転速度で常に回転するように、前記各回転センサ58、59の検出情報に基づいて旋回用無段変速装置8の斜板15を変速操作する処理が行われることになる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、前記制御装置は、前記電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より大きいときは、初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を1パルスだけ供給し、電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より小であるときは、初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比として80パーセントのデューティ比のパルス電流を1パルスだけ供給するように構成するものを例示したが、このような構成に限らず、次のように構成するものでもよい。
前記初期用のパルス電流として、常に一定のデューティ比のパルス電流、例えば、100パーセントのデューティ比のパルス電流、あるいは、それよりも少ないデューティ比、例えば90〜100パーセントの中間のパルス電流を供給するようにしてもよい。
前記電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より小であるときに、初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比として80パーセントよりも小さいデューティ比に設定したり、80パーセントよりも大きいデューティ比を設定してもよい。
前記初期用のパルス電流として、1つのパルスだけを供給するもの代えて複数のパルスを出力させる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、前記制御手段が、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令するとともに、その制御用パルス信号の出力を反転させた状態で前記パルス電流として出力するように構成され、且つ、前記制御用パルス信号として、前記初期用のパルス電流に対応する最初のパルスを零デューティ比のパルスとして指令し、その後は、前記各電磁弁に供給すべきデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルスとして指令するように構成したが、このような構成に代えて次のように構成してもよい。
つまり、制御用パルス信号として、オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令して、そのままパルス電流として出力させる構成とし、前記初期用のパルス電流に対応する最初のパルスを高出力側のデューティ比(例えば、100パーセント)に対応するパルス信号とし、その後のパルス信号を、オフ信号が先に出力された後にオン信号となる形態で各電磁弁に供給すべきデューティ比(例えば、75パーセント)の制御用パルス信号を指令して、そのまま反転させることなくパルス電流として出力させる構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、前記スプールが中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ前記初期用のパルス電流を供給する構成として、前記設定時間以としてパルス信号の10周期分の時間として設定したものを例示したが、このような構成に限らず、設定時間としてはパルス信号の10周期分に限らず、それよりも長い時間を設定してもよく、又、5周期〜10周期分の期間のうちのいずれかを設定するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、前記制御弁が、パイロット油圧によりスプールが移動操作される状態で油圧パイロット操作式に構成され、正転用の圧力操作部や逆転用の圧力操作部に作動用流体としての作動油が供給されるものを例示したが、作動油を供給するものに限らず空気圧にて操作されるもの等、他の流体を用いて操作するものでもよい。
(5)上記実施形態では、前記弁制御装置を旋回用の無段変速装置を変速操作する変速操作装置に適用したものを例示したが、前記弁制御装置としては、前記電磁弁に対するパルス電流のデューティ比を変更調整して前記弁本体から油圧シリンダ等の被操作対象に対する作動流体の流量を調整するものであれば、変速操作装置に限らずどのような装置にも適用することができる。例えば、作業装置を昇降操作させるための昇降用油圧シリンダに対する流量調整を行う構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、前記弁制御装置が備えられる作業車としてコンバインを例示したが、コンバインに限らず、トラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
コンバインの全体側面図 伝動構造を示す概略構成図 制御ブロック図 中立状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速操作状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速位置保持状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速位置と変速出力との関係を示す図 制御動作のフローチャート 旋回レバーの操作位置と速度比率との関係を示す図 デューティ比と流量との関係を示すグラフ パルス電流を示す図 パルス電流の比較例を示す図 実験データを示す図 実験データを示す図
符号の説明
36 弁本体
37 スプール
40、41 圧力操作部
42、43 電磁弁
H 制御手段
PU1 初期用のパルス電流

Claims (5)

  1. 復帰付勢された中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプールを備えた弁本体と、前記スプールを正方向に移動させるために作動用流体が供給される正転用の圧力操作部と、前記スプールを逆方向に移動させるために作動用流体が供給される逆転用の圧力操作部と、前記正転用の圧力操作部及び逆転用の圧力操作部の夫々に対して作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ前記排出状態に復帰付勢された一対の電磁弁と、パルス電流を供給することにより前記一対の電磁弁を制御して前記弁本体から作動流体を出力させる制御手段とが備えられ、
    前記制御手段が、
    前記スプールの正方向出力位置及び逆方向出力位置での位置調整によって出力される作動流体の流量を変更調整すべく、前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比を変更調整するように構成されている弁制御装置であって、
    前記制御手段が、
    前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において、前記各電磁弁に低出力用のデューティ比でパルス電流を供給する場合には、その供給開始前に、高出力側のデューティ比に対応する初期用のパルス電流を供給するように構成されている弁制御装置。
  2. 前記制御手段が、
    前記初期用のパルス電流として、100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給するように構成されている請求項1記載の弁制御装置。
  3. 前記制御手段が、
    前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より大きいときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントのデューティ比のパルス電流を供給し、
    前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある状態において前記各電磁弁に供給するパルス電流のデューティ比が設定値より小であるときは、前記初期用のパルス電流として100パーセントよりも小さいデューティ比のパルス電流を供給するように構成されている請求項1または2記載の弁制御装置。
  4. 前記制御手段が、
    オン信号が先に出力された後にオフ信号となる形態で制御用パルス信号を指令するとともに、その制御用パルス信号の出力を反転させた状態で前記パルス電流として出力するように構成され、且つ、
    前記制御用パルス信号として、最初のパルスを零デューティ比のパルスとして指令し、その後は、前記各電磁弁に供給すべきデューティ比のパルス電流の出力を反転させた状態のパルスとして指令するように構成されている請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の弁制御装置。
  5. 前記制御手段が、前記弁本体の前記スプールが前記中立位置にある出力停止期間が設定時間以上継続している場合にのみ、前記初期用のパルス電流を供給するように構成されている請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の弁制御装置。
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