JP2005106142A - 圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐圧強度が高く、安全でかつ軽量な圧力容器を安価に提供することを目的とする。
【解決手段】 圧力容器1を、円筒部3の両端にドーム部4を有するライナー2と、ライナー2の表面に形成された繊維強化複合材製の外殻5とを有する構成とする。外殻5は、ライナー2の表面に対して巻付繊維Fが巻付けられてなる繊維部と、この繊維部に含浸されるエポキシ樹脂等の合成樹脂(図示せず)とによって構成する。繊維部を、ライナー2の表面に巻付繊維Fをヘリカル巻きしてなる第一ヘリカル巻部H1と、第一ヘリカル巻部H1の上にこの順番で形成される第二、第三、第四、第五ヘリカル巻部H2,H3,H4,H5によって構成する。これら第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5を、それぞれ巻付繊維Fが異なる巻付角度θ1〜θ5で巻付けられてなる構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力容器に関するものである。
圧力容器は、各種の加圧流体を収容するための容器であって、例えば、円筒部の両端にドーム部を有するライナーと、ライナーの表面に形成された繊維強化複合材製の外殻とによって構成される。
ここで、ライナーは、少なくとも一端のドーム部の頂点に、加圧流体を出し入れするための口金が設けられている。
外殻は、ライナーの表面にフィラメントワインディング法によって巻付繊維を巻付けて、これを樹脂等によって固めたものである。
ライナーに対する巻付繊維の巻付方法としては、ライナーにおいて口金が設けられる端部に対して、口金付け根からライナー表面に対して測地線に沿って巻付繊維を巻付けてゆき、ライナーの円筒部及び他端側を含めて巻付繊維を巻付けてゆくヘリカル巻きがある。また、ライナーの円筒部に対して周方向に巻付繊維を巻付けてゆき、このようにして巻付繊維を円筒部の表面を軸線方向の一端側から他端側まで巻付けるフープ巻きがある。
ヘリカル巻きの場合、ドーム部の頂点付近では巻付繊維の繊維方向がライナーに加わる主応力方向に近いが、円筒部との接続部に近付くにつれて繊維方向が主応力方向からずれてゆくので、ドーム部において円筒部近傍の部分、及び円筒部の補強効果が低い。従来は、ヘリカル巻きした上にさらにフープ巻きを施すことで、円筒部の補強効果を得ている。
このような圧力容器としては、後記の特許文献1に記載のものがある。
特許文献1には、ライナーに対して巻付けられる巻付繊維の軌道が、口金に接する軌道と、口金に接しない軌道の2種類存在し、口金に接しない軌道を通る巻付繊維は、ドーム部から次第に配列角度が大きくなって円筒部に配列されるフープ巻きに連続するように配列されている。
特開2000−337594号公報(段落[0012]〜[0015],及び図1)
しかし、特許文献1に記載の技術では、ライナーを、口金に接する軌道を通る巻付繊維と、口金に接しない軌道を通る巻付繊維との二段によって補強しているのみであるので、ドーム部の補強が不十分となる。
また、口金に接しない軌道を通る巻付繊維は、ドーム部の測地線から次第にずれてゆくように巻きつけられているので、巻付繊維の横滑りが生じるなどして巻付繊維に緩みが生じる可能性がある。
このため、ライナーの補強が十分でなく、より高圧の充填を可能にするためには、巻付繊維の巻付量を多くするか、ライナーの肉厚を増加させる必要がある。しかし、この場合には、圧力容器の重量が増加してしまい、また、巻付作業の作業量や巻付繊維の使用量が増加するために製造コストが高くなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、耐圧強度が高く、安全でかつ軽量な圧力容器を安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の圧力容器は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる圧力容器は、円筒部の両端にドーム部を有するライナーと、該ライナーの表面に形成された繊維強化複合材製の外殻とを有する圧力容器であって、前記外殻は、前記ライナーの表面に対して巻付繊維が巻付けられてなる繊維部が厚み方向に三段以上形成された構成とされており、該繊維部のうち、少なくとも二段以上は、前記巻付繊維を前記ライナーに対してヘリカル巻きしてなるヘリカル巻部によって構成されており、これらヘリカル巻部は、前記巻付繊維がそれぞれ前記ライナーの前記ドーム部の測地線に沿って巻付けられているとともに、各ヘリカル巻部で、前記ドーム部に対する巻付角度θがそれぞれ異なっていることを特徴とする。
このように構成される圧力容器は、外殻が、三段以上の繊維部によって構成されているので、ドーム部をより確実に補強することができる。
さらに、繊維部は、それぞれ巻付繊維の巻付角度の異なる複数段のヘリカル巻部を有している。これらヘリカル巻部は、それぞれドーム部に対する巻付角度θがそれぞれ異なっていて、繊維の方向が交差している。
このため、いずれかのヘリカル巻部においてライナーを補強する効果の弱い方向(繊維方向に直交または大きな角度で交差する方向)に力が加わっても、他のヘリカル巻部では、繊維方向がこの力に対してより小さい角度で交差しているため、この力を十分に受け止めることができる。
ここで、巻付繊維の巻付角度θとは、ライナーの軸線に対する巻付繊維の傾斜角度を指している。なお、巻付繊維はライナーに対して測地線に沿って巻付けられているので、一つのヘリカル巻部に限ってみても、ドーム部では、巻付繊維の巻付角度は連続的に変化している。しかし、巻付繊維は測地線に沿って巻付けられているので、この巻付角度の変化パターンは、各ヘリカル巻部を構成する巻付繊維の巻付開始角度が決まれば、一意に定まる。言い換えれば、巻付開始角度が異なるヘリカル巻部は、巻付角度の変化パターンも異なる。すなわち、ここでいう「各ヘリカル巻部で巻付繊維の巻付角度が異なっている」ということは、「各ヘリカル巻部で巻付繊維の巻付開始角度が異なっている」ということである。
また、各ヘリカル巻部の巻付角度θは適宜選択可能であり、巻付角度θを調整することで、ライナーの補強方向を調整することができる。そして、巻付角度θの異なるヘリカル巻部の数を増やすことで、より多くの方向に対してライナーの補強を行うことができる。
これにより、ドーム部の形状によらず、繊維の方向を、ライナーに生じる主応力方向に対してより小さい角度で交差するように設定することが可能であり、ライナーの形状に合わせて、最適な補強を行うことができる。
さらに、各ヘリカル巻部では、それぞれ巻付繊維がドーム部の測地線に沿って巻付けられているので、ドーム部に巻きつけられている繊維の横滑りが生じにくい。これにより、巻付繊維に緩みが生じにくく、ライナーの補強がより確実に行われる。
また、各ヘリカル巻部は、巻付け部の頂点よりも円筒部側にのみ形成されるので、各ヘリカル巻部は、ドーム部の頂点近傍では重複しない。このため、ドーム部の頂点近傍で使用される巻付繊維の量が必要最低限で済む。
このように、本発明にかかる圧力容器は、外殻を構成する繊維部が、三段以上設けられており、また、複数の異なる方向からライナーを補強しているので、局所的な脆弱部分が生じず、耐圧性能が高い。
また、巻付繊維の使用量が従来よりも少なくて済むので軽量かつ低コストである。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図4を用いて説明する。
本実施形態にかかる圧力容器1は、燃料電池自動車用水素タンク、CNGタンク、医療用酸素タンク、またはスキューバダイビング用のエアタンク等、内部に高圧の加圧流体を収容するためのものである。
圧力容器1は、図1の正面図に示すように、円筒部3の両端にドーム部4を有するライナー2と、ライナー2の表面に形成された繊維強化複合材製の外殻5とを有する圧力容器である。
ライナー2は、容積35Lの均一な板厚(例えば4.5mm)の金属製の容器であって、円筒部3の軸線O周りに回転対称となる形状とされている。また、ライナー2のドーム部4は、半球よりも扁平な扁平形状とされており、これらドーム部4のうち、少なくともいずれか一方の頂点には、加圧流体を出し入れするための口金6が設けられている。
外殻5は、ライナー2の表面に対して、グラスファイバーやカーボンファイバー等の巻付繊維Fが巻付けられてなる繊維部と、この繊維部に含浸されるエポキシ樹脂等の合成樹脂(図示せず)とによって構成されている。
繊維部は、ライナー2の表面に巻付繊維Fをヘリカル巻きしてなる第一ヘリカル巻部H1と、第一ヘリカル巻部H1の上にこの順番で形成される第二、第三、第四、第五ヘリカル巻部H2,H3,H4,H5と、これら五段の繊維部の上から、ライナー2の円筒部3上に巻付繊維をフープ巻きしてなるフープ巻部Hとの、計六段の繊維部によって構成されている。
なお、「ヘリカル巻き」とは、巻付繊維Fをライナー2の一方のドーム部4に対してある巻付角度θで巻付けてゆき、さらに円筒部3及び他方のドーム部4に対して巻きつけて、他方のドーム部4から折り返し一方のドーム部4の巻付け開始点まで巻きつける巻き方である。ここでは、このような巻き方で図2の平面図に示すように一周ずつわずかにずらして巻いてゆき、ライナー2の周方向に一周するまで巻くことを、「ヘリカル巻きで一周させる」という。
第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5自体は、ライナー2を一周ヘリカル巻きしてなる一層構造、または複数周ヘリカル巻きしてなる多層構造とされている。
本実施形態では、第一〜第四ヘリカル巻部H1〜H4は、それぞれライナー2を二周ヘリカル巻きしてなる二層構造とされており、第五ヘリカル巻部H5は、ライナー2を三周ヘリカル巻きしてなる三層構造とされている。すなわち、繊維部において、第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5によって構成される部分は、五段11層とされている。
また、フープ巻部hは、フープ巻きを18回繰り返してなる18層構造とされている。
各ヘリカル巻部では、ドーム部4に対する巻付角度θがそれぞれ異なっている。
ここで、巻付繊維Fはライナー2に対して測地線に沿って巻付けられているので、一つのヘリカル巻部に限ってみても、ドーム部4では、巻付繊維Fの各部における巻付角度θは連続的に変化する。
具体的には、この巻付角度θは、以下の数式で表される。
円筒部3における巻付角度θ: θ=sin-1ρ
ドーム部4における巻付角度θ: θ=tan-1/√(ρ2−ρ 2)}
なお、これらの式中の変数ρは、各ヘリカル巻き部のドーム部4での巻付繊維Fの頂点Pにおける圧力容器1の半径Rpと円筒部3の半径Rcとの比である(すなわちρ=Rp/Rc)。また、変数ρは、ドーム4上の任意点における圧力容器1の半径Rと円筒部3の半径Rcとの比である(すなわちρ=R/Rc)。
しかし、この巻付角度θの変化パターンは、各ヘリカル巻部を構成する巻付繊維Fの巻付開始角度が決まれば、一意に定まる。言い換えれば、巻付開始角度が異なるヘリカル巻部は、巻付角度の変化パターンも異なる。
すなわち、ここでいう「各ヘリカル巻部で巻付繊維の巻付角度θが異なっている」ということは、「各ヘリカル巻部で巻付繊維の巻付開始角度が異なっている」ということである。
以下、各ヘリカル巻部の構成について詳細に説明する。ここで、以下では、図1に示すように、ドーム部4における巻付繊維Fの巻付け部の頂点とライナー2の軸線Oとを含む平面を「基準面」と呼ぶ。
本実施形態において、各ヘリカル巻部では、基準面に直交する方向から見て、巻付け部の頂点を始点として、この頂点から円筒部3とドーム部4の境界線と軸線Oとの交差点Cに向けて巻付けが始められている。ここで、基準面に直交する方向から見て、頂点における巻付繊維Fの巻付方向と軸線Oとのなす角度(すなわち巻付開始角度)を、巻付角度θとする。
第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5は、図1に示すように、それぞれドーム部4に対する巻付角度θを異ならせて、巻付繊維Fをライナー2のドーム部4の測地線に沿って巻付けることによって構成されている。
ここで、図1では、第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5のそれぞれの巻き方をわかりやすくするために、第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5の交差点Cがそれぞれ一致しているように図示したが、実際には、これらの交差点Cは必ずしも一致していない。
具体的には、第一ヘリカル巻部H1では、巻付繊維Fは、ライナー2においてドーム部4における巻付繊維Fの巻付け部の頂点P1から巻付角度θ1で巻付けられている。
同様に、第二、第三、第四、第五ヘリカル巻部H2,H3,H4,H5では、それぞれ巻付繊維Fが、ライナー2においてドーム部4における巻付繊維Fの巻付け部の頂点P2,P3,P4,P5から巻付け角度θ2,θ3,θ4,θ5で巻付けられている。
これら巻付角度θ1〜θ5の大きさは、θ1<θ2<θ3<θ4<θ5となっている。
ここで、ヘリカル巻部は、巻付角度が小さいほど、ドーム部4の頂点近傍に近い領域を覆うものである。本実施の形態では、第一ヘリカル巻部H1は、口金6の付け根まで覆うものであり、以下、第二、第三、第四、第五ヘリカル巻部H2,H3,H4,H5は、この順にドーム部4の頂点から離間している。
具体的には、第一ヘリカル巻部H1は、図2及び図3の平面図に示すように、口金6の付け根まで覆っている。ここで、図2では、ヘリカル巻部のうち、第一、第二ヘリカル層H1,H2のみ図示しており、図3では、ヘリカル巻部のうち、第一ヘリカル層H1のみ図示している。
また、第二ヘリカル巻部H2は、図2及び図4の平面図に示すように、口金6から離間した位置を覆っている。ここで、図4では、ヘリカル巻部のうち、第二ヘリカル巻部H2のみ図示している。
そして、第三〜第五ヘリカル巻部H3〜H5は、順次口金6から離間した位置を覆っている。
以下、このように構成される圧力容器1の製造方法について説明する。
まず、ライナー2を、フィラメントワインディング装置のマンドレル支持部に装着して、軸線周りの回転可能にして支持する。
ついで、ライナー2の周面に、樹脂を含浸させた巻付繊維Fを、口金6の付け根に接する位置(図1に示す頂点P1)に固定し、この状態でライナー2を軸線周りに回転させながら、ライナー2にその測地線に沿って巻付繊維Fを巻付けてゆく。このようにして二周のヘリカル巻きを行うことで、第一ヘリカル巻部H1を形成する。
ここで、このときの巻付繊維Fの巻付角度はθ1であるが、巻付繊維Fは測地線に沿って巻付けられるので、この巻付角度は、頂点P1の位置によって一意に定まるものである。逆に言えば、頂点P1の位置(軸線O方向位置)は、巻付角度が定まると一意に定まる。本実施の形態では、巻付角度θ1は、8°である。
第一ヘリカル巻部H1を形成したのちは、図1に示す頂点P2の位置から、再び測地線に沿ってライナー2に巻付繊維Fを巻付けてゆき、二周のヘリカル巻きを行うことで、第二ヘリカル巻部H2を形成する。
なお、このときの巻付繊維Fの巻付角度はθ2であるが、これも頂点P2の位置によって一意に定まるものである。本実施の形態では、巻付角度θ2は、10°である。
ここで、第一ヘリカル巻部H1の形成作業から第二ヘリカル巻部H2の形成作業に移行する際には、一旦巻付繊維Fを切断して第一ヘリカル巻部H1側の末端を第一ヘリカル巻部H1の表面に固定する。そして、巻付繊維Fの他方の末端を、第一ヘリカル巻部H1上の頂点P2に固定して、この頂点P2からヘリカル巻きを開始して、第二ヘリカル巻部H2を形成する。
なお、第一ヘリカル巻部H1を形成したのちは、上記のように巻付繊維Fを切断せずに、第一ヘリカル巻部H1上で第一ヘリカル巻部H1の終点から頂点P2まで巻付繊維Fを這わせて、頂点P2からヘリカル巻きを行ってもよい。
そして、第二ヘリカル巻部H2を形成したのちは、同様の手順で、第三、第四、第五ヘリカル巻部H3,H4,H5を形成する。
ここで、第五ヘリカル巻部H5では、第一〜第四ヘリカル巻部H1〜H4とは異なり、ヘリカル巻きを三周行う。
ここで、第三、第四、第五ヘリカル巻部H3,H4,H5における巻付繊維Fの巻付角度θ3,θ4,θ5は、それぞれこの順番に、15°、17°、20°とされている。
このようにして第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5を形成したのち、巻付繊維Fに含浸させた樹脂を硬化させて巻付繊維Fを固定し、一体の外殻5とすることで、圧力容器1を得る。
このように構成される圧力容器1は、外殻5が、三段以上の繊維部によって構成されているので、ドーム部4をより確実に補強することができる。
さらに、外殻5を構成する繊維部は、それぞれ巻付繊維Fの巻付角度の異なる第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5を有している。これら第一〜第五ヘリカル巻部H1〜H5は、繊維の方向が交差している。
このため、いずれかのヘリカル巻部においてライナー2を補強する効果の弱い方向(繊維方向に直交または大きな角度で交差する方向)に力が加わっても、他のヘリカル巻部では、繊維方向がこの力に対してより小さい角度で交差しているため、この力を十分に受け止めることができる。
また、各ヘリカル巻部の巻付角度θは、巻付開始点である頂点Pの位置を変更することで適宜選択可能であり、この巻付角度θを調整することで、ライナー2の補強方向を調整することができる。そして、巻付角度θの異なるヘリカル巻部の数を増やすことで、より多くの方向に対してライナー2の補強を行うことができる。
これにより、ドーム部4の形状によらず、巻付繊維Fの巻付方向を、ライナー2に生じる主応力方向に対してより小さい角度で交差するように設定することが可能であり、任意の形状のライナーについて最適な補強を行うことができる。
さらに、各ヘリカル巻部では、それぞれ巻付繊維Fがドーム部4の測地線に沿って巻付けられていて、ドーム部4に巻きつけられている繊維の横滑りが生じにくいので、ライナー2の補強がより確実に行われる。
また、各ヘリカル巻部は、巻付け部の頂点よりも円筒部3側にのみ形成されるので、各ヘリカル巻部は、ドーム部4の頂点近傍では重複しない。このため、ドーム部の頂点近傍で使用される巻付繊維の量が必要最低限で済む。
ここで、本実施形態に示す圧力容器1の試作品を実際に作成し、その性能を検証した。
この試作品では、ライナー2として、円筒部3の軸線方向長さが388mm、直径が300mm、口金部6を除いた軸線方向の長さが613mm、肉厚が4.5mmで、重量7.9kgのアルミ合金製のものを用いた。また、外殻5は、巻付繊維Fとしてカーボンファイバーを用いて、この巻付繊維Fをエポキシ樹脂によって固めた構成とした。なお、外殻5を構成する繊維部は、5段11層のヘリカル巻部と、18層のフープ巻部hとによって構成した。この外殻の総重量は10.1kgであった。すなわち、容器重量は18.0kgであった。
この圧力容器1は、耐圧性能試験の結果、使用圧力が70MPaに対して、破裂圧力は179MPaであり、従来の圧力容器に比べて高い耐圧性能を有していることがわかる。
ここで、上記実施の形態では、ライナー2を鉄製とした例を示したが、これに限られることなく、十分な漏れ防止機能を有しているものであれば、樹脂製としても構わない。
また、ライナー2として、ドーム部4が扁平形状のものを用いた例を示したが、これに限られることなく、任意形状のドーム部4を有するライナー2を用いることができる。
また、上記実施の形態では、外殻5を構成する繊維部として、五段11層のヘリカル巻部とフープ巻部hとを設けた例を示したが、ヘリカル巻部のみによって十分ライナー2の補強を行うことができる場合には、フープ巻部hを省略してもよい。
また、ヘリカル巻部は、五段11層に限らず、11段11層にしてもよい。
本発明にかかる圧力容器の構成を示す正面図である。 図1の平面図であって、外殻を構成する繊維部のうち、第一、第二ヘリカル巻部のみ図示したものである。 図1の平面図であって、外殻を構成する繊維部のうち、第一ヘリカル巻部のみ図示したものである。 図1の平面図であって、外殻を構成する繊維部のうち、第二ヘリカル巻部のみ図示したものである。
符号の説明
1 圧力容器
2 ライナー
3 円筒部
4 ドーム部
5 外殻
F 巻付繊維
H1〜H5 ヘリカル巻部
θ1〜θ5 巻付角度

Claims (1)

  1. 円筒部の両端にドーム部を有するライナーと、
    該ライナーの表面に形成された繊維強化複合材製の外殻とを有する圧力容器であって、
    前記外殻は、前記ライナーの表面に対して巻付繊維が巻付けられてなる繊維部が厚み方向に三段以上形成された構成とされており、
    該繊維部のうち、少なくとも二段以上は、前記巻付繊維を前記ライナーに対してヘリカル巻きしてなるヘリカル巻部によって構成されており、
    これらヘリカル巻部は、前記巻付繊維がそれぞれ前記ライナーの前記ドーム部の測地線に沿って巻付けられているとともに、各ヘリカル巻部で、前記ドーム部に対する巻付角度θがそれぞれ異なっていることを特徴とする圧力容器。
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