JP2005106060A - 気化器装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡潔で製造が容易な気化器装置を提供する。
【解決手段】仕切り壁(11)によって空気通路(8)と混合気通路(21)とに分割され、混合気通路(21)に燃料を内燃エンジンに供給するための燃料穴(27,28)が開口している吸気通路(22)と、気化器ケース(18)を有し、該気化器ケース(18)に吸気通路部分(32)が形成され且つスロットルバルブ(24)が回動可能に支持されている気化器(17)とを備えた気化器装置。スロットルバルブ(24)の上流側に、吸気通路(22)内で保持される別個の部材として仕切り壁部分(48)を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、仕切り壁によって空気通路と混合気通路とに分割され、燃料を内燃エンジンに供給するための燃料穴が混合気通路に開口している吸気通路と、気化器ケースを有し、該気化器ケースに吸気通路部分が形成され且つスロットルバルブが回動可能に支持されている気化器とを備えた気化器装置、特にパワーソー、切断研削機等の手で操縦される作業機における2サイクルエンジンの気化器装置に関するものである。
特許文献1から知られている2サイクルエンジンの気化器装置では、吸気通路は仕切り壁により混合気通路と空気通路とに分割されている。仕切り壁は気化器内に支持されているスロットルバルブの下流側にも上流側にも延在している。
ドイツ連邦共和国特許公開第10160539A1号公報
本発明の課題は、構成が簡潔で製造が容易なこの種の気化器装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、スロットルバルブの上流側に、吸気通路内で保持される別個の部材として仕切り壁部分が形成されていることを特徴とするものである。
仕切り壁部分を別個の部材として構成することにより、仕切り壁部分を気化器ケースとは独立に製造することができる。この場合、仕切り壁の成形が気化器の脱型方向によって制限を受けないので、仕切り壁の幾何学的形状を任意に選定できる。
仕切り壁部分が吸気通路長手方向中心軸線に対し平行に延びている溝で案内されているならば、仕切り壁を吸気通路に簡単に固定させることができる。溝は気化器ケースの製造の際に同じ製造工程で一緒に形成させることができる。溝を吸気通路長手方向中心軸線に対し平行に配置することにより、仕切り壁部分を吸気通路長手方向中心軸線の方向において気化器ケース内の吸気通路部分内へ押し込むことができる。この溝により仕切り壁は確実に保持され、補助的な固定手段を必要としない。溝は吸気通路内へ突出する少なくとも1つの縦細条部により画成されている。この場合、溝底が吸気通路壁と面一であるのが合目的である。他方、溝が吸気通路壁に設けた凹部として形成されているのも合目的である。これにより、吸気通路の流動横断面積が仕切り壁部分の保持により阻害されることはない。他方、溝底が吸気通路壁に対し隆起するように形成されているのも合目的である。
吸気通路内に仕切り壁部分を固定するため、仕切り壁部分は吸気通路内での該仕切り壁部分の位置を決定するストッパーを有している。ストッパーは気化器ケースの上流側端面において気化器ケースに当接するのが有利である。これにより、仕切り壁を上流側にある端面から吸気通路内へ差し込むことができる。この場合、仕切り壁はスロットルバルブとスロットル軸とを取り付けた後に差し込むことができる。したがって、スロットルバルブをスロットル軸に取り付ける(通常はねじで固定する)際のアクセス性が改善される。よって取付けが簡単になる。他方、溝のスロットル軸側に段部が形成され、該段部にストッパーが当接するのも合目的である。この場合、仕切り壁を気化器ケースの下流側から吸気通路部分内へ押し込むことができ、引き続き行なわれるスロットル軸の取り付けにより吸気通路内に固定することができる。気化器ケースが吸気通路からケース外面へ延びる支持穴を有し、該支持穴をスロットル軸が貫通突出しているのが合目的である。溝は気化器ケースの上流側端面からスロットル軸の支持穴まで延びている。特に、溝は気化器ケースの全長にわたって延びている。これにより、凹部として形成される溝を簡単に形成できる。溝によってスロットル軸の支持が阻害されないようにするため、スロットル軸は支持穴内に配置される支持ブシュで支持され、仕切り壁部分は支持ブシュに当接する。したがって支持ブシュは、吸気通路内への仕切り壁の押し込み深さを制限するストッパーをも形成している。
仕切り壁部分がスリーブと一体に形成され、スリーブに吸気通路部分が形成されているのが有利である。この場合、仕切り壁部分はスリーブと一緒に気化器ケース内へ押し込まれる。したがって、スリーブと仕切り壁との成形は気化器ケースの成形とは独立である。吸気通路内でのスリーブの位置を固定するため、スリーブは気化器ケースに設けた段部に当接する。段部は円環状であるのが有利である。その結果スリーブは段部に対し周回するように当接する。円環状の段部は吸気通路に簡単に形成できる。
スロットルバルブ上流側での空気通路と混合気通路との好適な分離を達成するため、仕切り壁部分はエッジを有し、該エッジにスロットルバルブが開弁位置で当接する。この場合、仕切り壁部分はスロットル軸まで達しているのが有利であり、その結果スロットルバルブの開弁位置で該スロットルバルブによる仕切り壁部分の高度なカバーリングが得られる。これにより混合気通路を空気通路から十分密に切り離すことができる。仕切り壁部分に、混合気通路内へ突出して混合気通路の流動横断面積を縮小させている突起が配置されているのが有利である。この種の流動横断面積の縮小は、供給される空気と混合気との比率を互いに整合させるために用いる。突起は仕切り壁に簡単に一体成形させることができる。
空気通路と混合気通路との好適な切り離しを達成するため、仕切り壁部分は上流側端面で気化器ケースから突出するように延びている。仕切り壁部分が、気化器の端面から突出している部分で、吸気通路長手方向軸線に対し屈曲するように形成されているのが合目的である。仕切り壁部分は第1の部分で混合気通路のほうへ屈曲しているのが有利である。
仕切り壁部分は第2の部分で空気通路のほうへ屈曲している。仕切り壁部分が空気通路のほうへ屈曲していることにより、空気通路は空気を混合気通路とは逆の側の領域から吸込む。内燃エンジンの作動時には、エンジンの脈動により燃料は混合気通路を通じて気化器上流側の領域にも達し、特にエアフィルタに達する。そこで燃料は燃料蒸気を形成し、空気通路内へ吸込まれる。仕切り壁が空気通路の方向へ屈曲していることにより空気通路は空気を混合気通路とは逆の側の領域から吸込むので、混合気が空気通路内へ達することが阻止される。仕切り壁を案内している溝がスロットル軸の回転軸線に対し間隔をもっているのが合目的である。この場合、スロットル軸は特に溝に対しずれているので、溝によりスロットル軸の案内が阻害されることはない。
次に、本発明の実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1に図示した2サイクルエンジン1は、シリンダ2内に形成された燃焼室3を有している。燃焼室3はピストン5によって画成されている。ピストン5はシリンダ2内を往復動するように支持され、連接棒6を介して、クランクケース4内に支持されているクランク軸7を駆動する。シリンダ2には、吸気口20を備えた混合気通路21と、空気窓9を備えた空気通路8とが開口している。吸気口20と空気窓9とはピストン5のピストンボディ30によって開口制御される。ピストン5が図1に図示した下死点にあるとき、クランクケース4は2つの搬送通路12,15を介して燃焼室3と連通している。搬送通路12,15は搬送窓13,16によって燃焼室3に開口する。これら搬送通路12,15を介して燃料・空気混合気がクランクケース4から燃焼室3内へ流入する。ピストン5はピストン溝14を有している。ピストン溝14はピストン5が所定の位置にあるときに空気窓9を搬送通路12,15の搬送窓13,16と連通させる。
2サイクルエンジン1の作動時にピストン5が図1に図示した下死点の位置にあるとき、燃料・空気混合気はクランクケース4から搬送通路12,15を介して燃焼室3内へ流入する。ピストン5が上昇行程にあるときに燃焼室3内の燃料・空気混合気は圧縮される。ピストン5が上昇行程を行っているときに空気窓9はピストン溝14を介して搬送窓13,16と連通する。空気通路8からは燃料をほとんど含んでいない空気が搬送通路12,15内へ流入し、搬送通路12,15内の混合気をクランクケース4の方向へ押しのける。ピストン5が上死点領域にあるときに燃焼室3内の燃料・空気混合気が点火され、ピストン5をクランクケース4の方向へ加速させる。ピストン5が下降行程を行なうと、排気口10がピストン5により開放されて排ガスがこの排気口10を通じて燃焼室3から離れる。搬送窓13,16がピストン5によって開放されると、搬送通路12,15に予め蓄積されていた空気とクランクケース4からの燃料・空気混合気とが燃焼室3内へ流入する。この場合、搬送通路12,15に予め蓄積されていた空気は排ガスを燃料・空気混合気から分離させて、新鮮な燃料が排気口10を通じて逃げないようにする。
空気通路8と混合気通路21とは吸気通路22内に形成されている。吸気通路22は仕切り壁11によって空気通路8と混合気通路21とに仕切られている。燃料・空気混合気を形成させるため、吸気通路部分32を内設した気化器17が設けられている。気化器17は気化器ケース18を有し、気化器ケース18内にはスロットル軸25を備えたスロットルバルブ24が回動可能に支持されている。気化器17内にはスロットルバルブ24の上流側にベンチュリー23が形成されている。混合気通路21にはアイドリングノズル27が開口し、且つベンチュリー23の領域には燃料メインノズル28が開口している。スロットルバルブ24の上流側には仕切り壁部分31が配置され、仕切り壁部分31は流動方向26に関しスロットルバルブ24の上流側で空気通路8を混合気通路21から仕切っている。気化器17の上流側にはエアフィルタ41が配置され、そのエアフィルタ底部40に気化器17が配置されている。この場合、仕切り壁部分31はエアフィルタ41の内部まで突出するように延びている。したがって、仕切り壁11は吸気通路長手方向軸線43に対し平行に測った気化器ケース18の全長lにわたって延びている。
スロットルバルブ24の開弁位置では、該スロットルバルブ24は吸気通路長手方向軸線43に対しほぼ平行になるように位置する。仕切り壁部分31と仕切り壁11のスロットルバルブ24側の部分とにはそれぞれエッジ35が形成されている。エッジ35はパッキン37を備えている。エッジ35にはスロットルバルブ24のバルブエッジ36が当接し、その結果スロットルバルブ24は仕切り壁11と密接して空気通路8を混合気通路21から完全に分断する。図1に図示したようにスロットルバルブ24がわずかに開弁している場合には、スロットルバルブ24と仕切り壁11との間にはスロットルバルブ24の上流側にも下流側に連通穴34が形成され、この連通穴34を介して空気通路8は混合気通路21と連通する。これにより2サイクルエンジン1の負荷が低い場合の空気通路8内の負圧が補償される。エアフィルタ41内にはフィルタエレメント42が配置され、フィルタエレメント42は大気と連通しているエアフィルタ41の空気未処理側を、吸気通路22に連通している浄化側から分離させている。気化器17を簡単に製造できるように、仕切り壁部分31はスロットルバルブ24の上流側に別個の部材として形成されている。この場合仕切り壁部分31は吸気通路22内で吸気通路長手方向軸線43の方向へ延びている。
図2は仕切り壁部分48を差し込んだ気化器17の実施形態を示している。気化器ケース18内には吸気通路部分32が形成され、スロットルバルブ24がスロットル軸25により回動可能に支持されている。スロットルバルブ24の上流側で吸気通路22は仕切り壁部分48により空気通路8と混合気通路21とに仕切られている。仕切り壁部分48は別個の部材として構成され、吸気通路22に設けた溝29で案内されている。溝29は図1に図示した吸気通路長手方向軸線43に平行に延びている。吸気通路長手方向軸線43は流動方向26に延びており、各流動横断面の幾何学的中心を結ぶ線である。仕切り壁部分48は上流側にある気化器17の端面33から吸気通路22内へ差し込み可能である。図2では、仕切り壁部分48は溝29に半分差し込んだ状態にある。仕切り壁部分48はストッパー47を有し、ストッパー47は仕切り壁部分48によって形成される面内で仕切り壁部分48の側方へ延びている。仕切り壁部分48を吸気通路22内へ完全に押し込むと、ストッパー47は気化器ケース18の端面33に当接する。混合気通路21内には燃料ノズル28が開口しており、燃料ノズル28は燃料配量システムから燃料の供給を受ける。燃料ノズル28はスロットルバルブ24の下流側においても混合気通路21に開口している。しかし気化器17はダイヤフラム気化器として構成してもよいので、燃料ノズル28の領域にベンチュリー部分を形成させてもよい。
図3からもわかるように、混合気通路壁部分44はスロットルバルブ24の上流側で吸気通路22内へずれ込んでおり、その結果混合気通路21内での流動横断面は小さくなっている。混合気壁部分44はスロットルバルブ24の領域で通路壁45に対し段部39を形成している。溝29は空気通路8側で縦細条部19により画成されている。仕切り壁部分48は混合気通路21側で、混合気通路壁部分44に設けた段部38に当接している。したがって混合気通路壁部分44は溝29を混合気通路21側で画成している。溝底46は吸気通路壁45へ平坦に移行している。仕切り壁部分48はスロットルバルブ24の領域にエッジ49を有し、仕切り壁部分48を完全に押し込むと、スロットルバルブ24は図2に図示した開弁位置52でこのエッジ49に当接する。エッジ49には半円形の繰り抜き部50が設けられ、この繰り抜き部50の領域に、スロットルバルブ24をスロットル軸25に固定するための固定ねじ(図示せず)が配置されている。
図4は気化器17の他の実施形態を示している。気化器ケース18に形成された吸気通路部分32には溝59が形成され、溝59は図1に図示した吸気通路長手方向中心軸線43に対し平行に延びている。図5からもわかるように、溝底56は吸気通路壁45に対して隆起するように形成されて吸気通路22内へ突出している。仕切り壁部分58が設けられ、仕切り壁部分58はスロットル軸25側から溝59に差し込むことができる。仕切り壁部分58はスロットル軸25側の側面にストッパー57を有している。仕切り壁部分58を溝59に完全に差し込むと、ストッパー57は、混合気通路壁部分53と吸気通路壁45との間に形成されている段部55に当接する。混合気通路壁部分53はスロットル軸25側で混合気通路21を画成している壁部分であり、図5に図示したように、吸気通路22の中へずれ込んでいて混合気通路21の流動横断面積を縮小させている。互いに対向するように配置された2つの溝59は空気通路8側で縦細条部54によって画成され、反対側の混合気通路21側で混合気通路壁部分53によって画成されている。図4に示すように、気化器ケース18は支持穴51を有している。支持穴51は、仕切り壁部分58を溝59のなかへ完全に差し込んだ後にスロットル軸25を支持する。このときスロットル軸25は仕切り壁部分58を吸気通路22内で位置固定する。仕切り壁部分40はスロットルバルブ24側の側面にエッジ49を有し、エッジ49にはスロットルバルブ24が開弁位置で当接する。また、仕切り壁部分40はスロットルバルブ24の固定ねじのための繰り抜き部50も有している。
図6と図7は気化器17の他の実施形態を示している。気化器17の気化器ケース18は互いに対向しあう溝69を有している。これらの溝69は吸気通路壁45の凹部として形成され、気化器ケース18の全長lにわたって延びている。この場合、溝69はスロットル軸25のための支持穴65と交差している。支持穴65には支持ブシュ64が配置され、該支持ブシュ64でスロットル軸25が支持されている。したがって支持ブシュ64はスロットル軸25側で溝69を閉鎖している。スロットル軸25の上流側で空気通路8と混合気通路21とを切り離すため、仕切り壁部分68が設けられている。仕切り壁部分68はスロットル軸25側の側面に繰り抜き部70を有し、この繰り抜き部70に支持ブシュ64が配置されている。この場合、支持ブシュ64と繰り抜き部70は仕切り壁部分68のためのストッパーを形成することができる。或いは、仕切り壁部分68から吸気通路長手方向軸線43のほうへ半径方向外側へ延びて気化器ケース18の端面33に当接するようなストッパー67(図6)を付加的に設けてもよい。本実施形態の仕切り壁部分68も、繰り抜き部50を備えたエッジ49を有しており、スロットルバルブ24は開弁位置52でこのエッジ49に当接する。図7に示すように、溝底66は吸気通路壁45に設けた凹部として形成され、吸気通路壁45に対し半径方向外側へ吸気通路長手方向軸線43のほうへずれている。
図8ないし図10は気化器17の他の実施形態を示している。スロットルバルブ24の上流側には、気化器ケース18内にスリーブ76が配置され、スリーブ76に吸気通路部分74が形成されている。スリーブ76の内径は吸気通路22の内径よりも小さく、スリーブ76の外径は吸気通路22の外径よりも大きい。気化器ケース18に形成された吸気通路壁75とスロットルバルブ24の上流側に形成された部分との間に段部79が形成され、この段部79にスリーブ76はその下流側にある端面81により全長にわたって当接している。スリーブ76は該スリーブと一体に形成された仕切り壁部分78を有している。仕切り壁部分78はストッパー77を有し、ストッパー77は気化器ケース18の端面33に当接しているとともに、気化器ケース18内へのスリーブ76の押し込み深さを制限している。スリーブ76の、上流側にある端面80は、気化器ケース18の端面33と面一になっている。燃料ノズル28は気化器ケース18からスリーブ76を貫通して突出している。仕切り壁部分78はスロットルバルブ24側の側面に、繰り抜き部50を備えたエッジ49を有し、スロットルバルブ24は図8に図示した開弁位置でこのエッジ49に当接する。
図9に示すように、仕切り壁部分78は互いに直径方向に対向配置されている2つのストッパー77を有している。図10はスリーブ76を備えた仕切り壁部分78の斜視図である。仕切り壁部分78は両端面80,81においてスリーブ76から突出している。
図11は気化器17の他の実施形態を示している。気化器ケース18には、上流側にある端面33から吸気通路22内へ仕切り壁部分88が押し込まれている。仕切り壁部分88はその長手側を、吸気通路22の長手方向に延び縦細条部19により画成されている2つの溝で案内されている。スロットルバルブ24の上流側の混合気通路壁部分53は吸気通路壁45に対し吸気通路22のほうへずれ込んでおり、その結果スロットルバルブ24の上流側で混合気通路21の流動横断面積は縮小している。さらに仕切り壁部分88には突起89が一体成形され、突起89は混合気通路21内へ突出して混合気通路21の流動横断面積を燃料ノズル28の高さ方向でさらに縮小させている。仕切り壁部分88は端面33から突出して、気化器17の上流側に配置されるエアフィルタ41(図1)のほうへ延長されている。特に図12と図13に示すように、仕切り壁部分88は混合気通路21の方向で吸気通路長手方向軸線43に対し屈曲している第1の屈曲部分85を有している。第1の屈曲部分85には第2の屈曲部分86が接続し、第2の屈曲部分86は空気通路8側へ屈曲している。この第2の屈曲部分86は吸気通路長手方向軸線43と角度αを成し、角度αは特に45゜よりも大きく、有利には60゜以上である。これによりエアフィルタ41の、混合気通路21からの燃料が存在しない領域から、空気が空気通路8内へ吸込まれるよう保証されている。第1の屈曲部分85の領域には、側方へ突出する2つのストッパー87が仕切り壁部分88に一体成形して設けられている。ストッパー87は仕切り壁部分88を吸気通路22に押し込んだときに気化器ケース18の端面33に当接する。
図14は吸気通路22に押し込まれた仕切り壁部分98を概略的に図示したものである。仕切り壁部分98は溝99で案内され、吸気通路22を空気通路8と混合気通路21とに分割している。仕切り壁部分98の溝99はスロットル軸25の回転軸線96に対し間隔aを有している。間隔aは溝99がスロットル軸25の支持穴と交差しないように選定され、その結果溝99がスロットル軸25の支持に影響することはない。仕切り壁部分98は吸気通路長手方向軸線43の方向に屈曲するように構成され、吸気通路壁に沿って延びる壁部分95を有している。仕切り壁部分98はスロットルバルブ24側の側面にエッジ97を有し、エッジ97にはスロットルバルブ24が図14に図示した開弁位置52で当接する。
仕切り壁部分は差し込み可能な構成であるため、該仕切り壁部分の幾何学的形状は気化器ケース18の脱型方向とは関係なく選定することができ、気化器17の製造を阻害しない。
本発明による気化器装置を備えた内燃エンジンの概略断面図である。 仕切り壁部分を部分的に押し込んだ気化器の破断斜視図である。 図2の気化器の側面図である。 破断して図示した気化器とこれとは別個に図示した仕切り壁部分との斜視図である。 図4の気化器の側面図である。 破断して図示した気化器の分解斜視図である。 図6の気化器の側面図である。 破断して図示した気化器の斜視図である。 図8の気化器の側面図である。 図9の仕切り壁を備えたスリーブの斜視図である。 破断して図示した気化器の斜視図である。 図11の気化器の仕切り壁の斜視図である。 図12の仕切り壁の側面図である。 気化器の概略縦断面図である。
符号の説明
1 2サイクルエンジン
2 シリンダ
8 空気通路
11 仕切り壁
17 気化器
18 気化器ケース
21 混合気通路
22 吸気通路
24 スロットルバルブ
25 スロットル軸
27 アイドリングノズル
28 燃料メインノズル
29,59,69,79,99 溝
31,48,58,68,78,88,98 仕切り壁部分
41 エアフィルタ
43 吸気通路長手方向軸線
45 吸気通路壁
47,57,67,77,87 ストッパー
51 支持穴
55 段部
65 支持穴
76 スリーブ

Claims (24)

  1. 仕切り壁(11)によって空気通路(8)と混合気通路(21)とに分割され、燃料を内燃エンジンに供給するための燃料穴(27,28)が混合気通路(21)に開口している吸気通路(22)と、気化器ケース(18)を有し、該気化器ケース(18)に吸気通路部分(32)が形成され且つスロットルバルブ(24)が回動可能に支持されている気化器(17)とを備えた気化器装置において、
    スロットルバルブ(24)の上流側に、吸気通路(22)内で保持される別個の部材として仕切り壁部分(31,48,58,68,78,88,98)が形成されていることを特徴とする気化器装置。
  2. 仕切り壁部分(31,48,58,68,78,88,98)が溝(29,59,69,79,99)で案内されていることを特徴とする、請求項1に記載の気化器装置。
  3. 溝(29,59)が吸気通路(22)内へ突出する少なくとも1つの縦細条部(19,54)により画成されていることを特徴とする、請求項2に記載の気化器装置。
  4. 溝壁(46)が吸気通路壁(45)と面一になっていることを特徴とする、請求項2または3に記載の気化器装置。
  5. 溝(69,99)が吸気通路壁(45)に設けた凹部として形成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の気化器装置。
  6. 溝底(56)が吸気通路壁(45)に対し隆起するように形成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の気化器装置。
  7. 仕切り壁部分(48,58,68,78,88)が吸気通路(22)内での該仕切り壁部分の位置を決定するストッパー(47,57,67,77,87)を有していることを特徴とする、請求項2から6までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  8. ストッパー(47,57,67,77,87)が気化器ケース(18)の上流側端面(33)において気化器ケース(18)に当接することを特徴とする、請求項7に記載の気化器装置。
  9. 溝(59)のスロットル軸(25)側に段部(55)が形成され、該段部(55)にストッパー(57)が当接することを特徴とする、請求項7に記載の気化器装置。
  10. 気化器ケース(18)が支持穴(51,65)を有し、該支持穴をスロットル軸(25)が貫通して突出していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  11. 溝(69)が気化器ケース(18)の上流側端面(33)からスロットル軸(25)の支持穴(65)へ延びていることを特徴とする、請求項10に記載の気化器装置。
  12. 溝(69)が気化器ケース(18)の全長にわたって延びていることを特徴とする、請求項11に記載の気化器装置。
  13. スロットル軸(25)が支持穴(65)内に配置される支持ブシュ(64)で支持され、仕切り壁部分(68)が支持ブシュ(64)に当接することを特徴とする、請求項11または12に記載の気化器装置。
  14. 仕切り壁部分(78)がスリーブ(76)と一体に形成され、スリーブ(76)に吸気通路部分(74)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の気化器装置。
  15. スリーブ(76)が気化器ケース(18)に設けた段部(79)に当接することを特徴とする、請求項14に記載の気化器装置。
  16. 段部(79)が円環状であることを特徴とする、請求項15に記載の気化器装置。
  17. 仕切り壁部分(31,48,58,68,78,88,98)がエッジ(35,49,97)を有し、該エッジにスロットルバルブ(24)が開弁位置(52)で当接することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  18. 仕切り壁部分(48,58,68,78,88,98)がスロットル軸(25)まで達していることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  19. 仕切り壁部分(88)に、混合気通路(21)内へ突出して混合気通路(21)の流動横断面積を縮小させている突起(89)が配置されていることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  20. 仕切り壁部分(48,68,78,88)が上流側端面(33)で気化器ケース(18)から突出していることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか一つに記載の気化器装置。
  21. 仕切り壁部分(88)が、気化器(17)の端面(33)から突出している部分(85,86)で、吸気通路長手方向軸線(43)に対し屈曲するように形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の気化器装置。
  22. 仕切り壁部分(88)が第1の部分(85)で混合気通路(21)のほうへ屈曲していることを特徴とする、請求項21に記載の気化器装置。
  23. 仕切り壁部分(88)が第2の部分(86)で空気通路(8)のほうへ屈曲していることを特徴とする、請求項21または22に記載の気化器装置。
  24. 仕切り壁(98)を案内している溝(99)がスロットル軸(25)の回転軸線(96)に対し間隔(a)をもっていることを特徴とする、請求項1から23までのいずれか一つに記載の気化器装置。
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