JP2005105782A - 型枠支持装置 - Google Patents

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Ryuji Okugawa
竜二 奥川
Ryoji Asano
良治 浅野
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Abstract

【課題】特にメタルフォームに対して好適に利用でき、かつ使い勝手や経済性にも優れた型枠支持装置を提供する。
【解決手段】本発明の型枠支持装置1は、丸鋼管からなる控えパイプ2の上端部に長さ調整手段を介して型枠受部7が取り付けられるとともに、控えパイプ2の下端部に受圧板3が設けられたものである。型枠受部7は、所定間隔で対向する一対の受片を備え、各受片の先端に略U字形のピン受け凹部が形成される。長さ調整手段は、内面に雌ネジが形成されたスクリュージャッキ4を、控えパイプ2の上端部に回転自在かつ離脱不能に取り付け、型枠受部7に連結したボルト部材6をスクリュージャッキ4の雌ネジに螺合して形成される。受圧板3は、略平坦な鋼板が、控えパイプ2の軸心から偏心するように取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、布基礎や壁部の型枠がコンクリートの側圧で変位するのを防ぐために利用される型枠支持装置に関する。
鉄筋コンクリート構造からなる布基礎や壁部の施工においては、所定の直立状態で建て込まれた型枠がコンクリートの側圧で傾倒したりずれたりするのを防止するため、型枠の外側と地盤との間に方杖等の支持材を斜めに固定して型枠を支持している。かかる支持材は、一端が型枠の桟木、または型枠の外側に配設されるバタ材等に固着され、他端が地中に打ち込まれた木杭に固着されるのが一般的である。
しかし、支持材の各部を釘打ち等で固着するのは組立てや解体に際して不便を生じ、また微妙な位置調整も困難になる。そこで、例えば特許文献1には、型枠への取り付けや地盤への固定が容易であり、かつ、型枠の建て込み位置も容易に微調整することのできる鋼製の枠支持装置が提案されている。
この型枠支持装置は、図4に示すように、地中に打ち込まれる杭部材91と、この杭部材91に連結されて型枠Fを斜めに支持する控え部材92とが、いずれも鋼材によって形成されている。控え部材92は、その頭部が型枠Fの桟木Gに釘打ちできるように形成されるとともに、ターンバックル93による長さ調整手段を備えている。また、杭部材91には、横向き荷重に抗するため、矢羽状のブレード94が取り付けられている。
特開平9−287288号公報
ところで本出願人は、布基礎、擁壁、半地下構造物の壁部等を形成するための型枠工事において、耐久性や施工精度に優れたメタルフォーム(鋼製型枠パネル)を多用している。図5に示すように、このメタルフォームMは、堰板Sの裏面四周に矩形断面の鋼管からなるリブRを設けたもので、リブRには予め連結ピンを挿通させるためのピン孔Hが形成されている。隣接するメタルフォームMの連結は、U字状のクリップCと一体化された連結ピンPを、隣接するメタルフォームMの両リブRに挿通させ、クリップCで両リブRを挟み込むことにより行われる。
しかしながら、上記特許文献1記載のような型枠支持部材は、控え部材の頭部を桟木に釘打ちするように構成されているので、このようなメタルフォームには直接、連結することができない。そこで本発明は、上記のようなメタルフォームに対して好適に利用することができ、かつ使い勝手や経済性にも優れた新規な構成の型枠支持装置を提供することを解決課題とする。
上記した目的を達成するため、本発明の型枠支持装置は、丸鋼管からなる控えパイプの上端部に、軸方向の長さ調整手段を介して型枠受部が取り付けられるとともに、上記控えパイプの下端部に受圧板が設けられた型枠支持装置であって、上記型枠受部は、控えパイプの軸心を挟んで所定間隔で対向するように保持された一対の受片を備え、各受片の先端に略U字形のピン受け凹部が形成されてなり、上記長さ調整手段は、控えパイプの内径よりも小径の雌ネジが内面に形成されたスクリュージャッキを、控えパイプの上端部に回転自在かつ離脱不能に取り付け、上記型枠受部に連結したボルト部材を上記スクリュージャッキの雌ネジに螺合して形成され、上記受圧板は、略平坦な鋼板が、控えパイプの軸心と直交し、かつ控えパイプの軸心から偏心するように取り付けられてなることを特徴とする。
この構成によれば、型枠受部を、図5に示したような連結ピンの両端近傍に直接係合させることにより、極めて簡単かつ確実に、型枠に加わるコンクリート側圧を控えパイプで支持することができる。しかも、支持位置がメタルフォーム同士の隣接部になり、隣接するメタルフォームのリブを貫通する連結ピンに係合させることができるので、メタルフォームの建て込み状態を精度良く支保することができる。
また、上記の構成によれば、スクリュージャッキを回転させて、型枠受部に連結されたボルト部材を控えパイプから出没させることにより、型枠の建て込み位置の微調整を容易に行うことができる。スクリュージャッキのハンドルをやや長めにし、ボルト部材の径もやや太めに設計すれば、ターンバックルを利用した長さ調整手段等に比べて調整作業が格段に楽になり、ネジ山部分にコンクリートや土が付着するのも防ぎやすくなる。また、スクリュージャッキは、控えパイプから離脱しないように取り付けられるので、紛失や移送時の落下を防ぐこともできる。
また、上記の構成では、受圧板が控えパイプの軸心から偏心するように取り付けられているので、軸心からの張り出し幅が大きいほうを土中に埋設することにより、荷重の支持状態が安定し、控えパイプの下端部が土中にめり込むのを防止することができる。さらに、このような使用態様では、軸心からの張り出し幅の小さいほうが土の上に露出することになるので、他の型枠作業の邪魔にもなりにくい。
また、上記の構成に加えて、型枠受部とボルト部材とを着脱可能に連結するとともに、受圧板の底面に控えパイプの内周面を開口させれば、型枠受部を取り外したボルト部材を他の型枠支持装置の下端側から控えパイプ内に挿入することができる。これにより、本装置同士を簡単に継ぎ足し、軸長を伸ばして使用することができる。
上述のように構成される本発明の型枠支持装置によれば、裏面四周に設けられたリブ同士を連結ピンで連結するタイプのメタルフォーム、あるいは同様の形態を具備する他の金属製型枠パネルを、きわめて簡単に支保することができる。さらに、本発明の型枠支持装置は、型枠パネル同士の隣接部に取り付けられ、長さ調整手段も型枠の近傍に設けられるので、型枠の建て込み状態の微調整が容易になり、建て込み精度も良好に保持される。
また、本発明の型枠支持装置は、主要部が丸鋼管、平坦な鋼板、寸切りボルト等の簡素な部材によって構成されるので、経済的に製作することができる。さらに各部の構成部品がひとつの装置として一体に連結されているので、部品の分散、紛失、脱落等を防ぐことができるとともに、現場で部品同士を組み合わせる作業も必要なく、作業性に優れる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の型枠支持装置1の使用状態を示す斜視図であり、図2は同型枠支持装置1の要部の構造を示す側面図(一部断面図)である。図1に示した型枠の構成(メタルフォームM、連結ピンP、クリップC等)は図5に示したものと同様であり、同一の部位には同一の符号を付して説明を省略する。なお、図1においては、表現の簡略化のため、型枠内に組み立てられる配筋や緊結部材等の図示は省いている。
控えパイプ2は、例えば型枠のバタ材や鋼管足場に利用されるような単管を利用して形成される。控えパイプ2の長さは数十cm〜1m程度が実用的である。
この控えパイプ2の下端部には、平坦な鋼板からなる受圧板3が、控えパイプ2の軸心と直交し、かつ軸心に対して偏心するように取り付けられている。例示の受圧板3は平面視矩形であるが、控えパイプ2の軸心から大きく張り出す側の一辺を、土中に突き刺しやすいよう、例えば山形に形成してもよい。この受圧板3の底面には、図1に示すように、控えパイプ2の内周面が円形に開口している。
控えパイプ2の上端部には、スクリュージャッキ4を利用した長さ調整手段が設けられている。図2に示すように、スクリュージャッキ4は、控えパイプ2の内径よりもやや小径の雌ネジが内周面に形成されたナット部41と、控えパイプ2の外径よりも大きな内径を有する大径短筒部42とが、軸方向に結合された部材である。大径短筒部42の外側には、適当な長さのハンドル43が2本程度取り付けられている。
このスクリュージャッキ4は、2個のスナップリング51,52と1個の丸座金53を介して、控えパイプ2に取り付けられている。第一のスナップリング51は、控えパイプ2の上端部近傍の外周面に形成されたリング溝に嵌合されている。丸座金53は、第一のスナップリング51の下側に重ねられる。そして、第一のスナップリング51と丸座金53を取り付けた控えパイプ2がスクリュージャッキ4の大径短筒部42内に下側から挿入された状態で、大径短筒部42の端面近傍の内周面に形成されたリング溝に第二のスナップリング52が嵌合される。これにより、スクリュージャッキ4が控えパイプ2に対し、回転自在に、かつ離脱不能に保持される。この構造は一例であるが、スクリュージャッキ4が控えパイプ2に対し、回転自在に、かつ離脱不能に保持されるものであれば、例えばスナップリング51,52や丸座金53に替わる他の係合手段を利用する構造であってもよい。スクリュージャッキ4のナット部41には適当な長さのボルト部材6が螺合され、このボルト部材6の上端部に型枠受部7が連結されている。
型枠受部7は、控えパイプ2の軸心を挟んで所定間隔で対向する一対の受片71,71と、控えパイプ2の軸心と直交するように配される結合板72とを、正面視略溝形となるように結合した部材である。結合板72には連結ナット73が固着されて、この連結ナット73にボルト部材6の頭部が螺合されている。受片71,71同士は、メタルフォームのリブRを2本、隣接させて挟み込める間隔をもって対向している。各受片71,71は、先端部側に向かって幅が狭くなる側面形状(図2の上段左側参照)を有しており、各受片71の先端部には、メタルフォームMのリブRに挿入される連結ピンPに係合可能な略U字形のピン受け凹部74が形成されている。
型枠支持装置1の使用方法は以下の通りである。予め、スクリュージャッキ4に対してボルト部材6を螺合させ、ボルト部材6を適宜の長さで突出させておく。そして、メタルフォームMの隣接部に挿通された連結ピンPの両端近傍に、斜め下方から型枠受部7の受片71を当てがい、ピン受け凹部74内に連結ピンPを係合させる。そのまま、控えパイプ2の下端部を接地させ、受圧板3を地中に打ち込む。次いで、スクリュージャッキ4を回転させ、型枠受部7が確実に連結ピンPを支持するように、ボルト部材6の突出長を調整する。
このように、本発明の型枠支持装置1は、メタルフォームMを連結する連結ピンPに型枠受部7がちょうど係合するように構成されているので、釘打ち等の手間が不要であり、
したがって釘打ちの衝撃による型枠のずれも生じない。また、型枠受部7のすぐ近傍にスクリュージャッキ4が設けられるので、メタルフォームMの建て込み状態を視認しながら容易に調整作業を行うことができる。
この実施形態では、型枠受部7とボルト部材6とが着脱可能に螺合されているが、これらは溶接等によって一体に固着されていてもよい。ただし、型枠受部7とボルト部材6とを着脱可能とすれば、図3に示すように、型枠受部7を取り外したボルト部材6を他の型枠支持装置1の下端側から控えパイプ2内に挿入して、本型枠支持装置1を複数本、連結することができる。このように控えパイプ2を継ぎ足して使用することができれば、控えパイプ2の軸長についても多種類を準備する必要がなくなるので、資材管理の面からも効率的になる。
なお、この型枠支持装置1は、例示のようなメタルフォームMだけに限らず、裏面四周に設けられたリブ同士を連結ピン、若しくはこれに類似したピン状の部材で連結するタイプの各種金属製型枠パネルや、同様の構造を備えた木質型枠パネルに対しても使用することができる。
本発明の型枠支持装置の使用状態を示す斜視図である。 上記型枠支持装置の要部の構造を示す側面図(一部断面図)である。 本発明の型枠支持装置を継ぎ足して使用する状態の側面図である。 特許文献1に記載された型枠支持装置の構成を示す斜視図である。 メタルフォーム型枠の構成と建て込み状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 型枠支持装置
2 控えパイプ
3 受圧板
4 スクリュージャッキ
6 ボルト部材
7 型枠受部
71 受片
74 ピン受け凹部

Claims (2)

  1. 丸鋼管からなる控えパイプの上端部に、軸方向の長さ調整手段を介して型枠受部が取り付けられるとともに、上記控えパイプの下端部に受圧板が設けられた型枠支持装置であって、
    上記型枠受部は、控えパイプの軸心を挟んで所定間隔で対向するように保持された一対の受片を備え、各受片の先端に略U字形のピン受け凹部が形成されてなり、
    上記長さ調整手段は、控えパイプの内径よりも小径の雌ネジが内面に形成されたスクリュージャッキを、控えパイプの上端部に回転自在かつ離脱不能に取り付け、上記型枠受部に連結したボルト部材を上記スクリュージャッキの雌ネジに螺合して形成され、
    上記受圧板は、略平坦な鋼板が、控えパイプの軸心と直交し、かつ控えパイプの軸心から偏心するように取り付けられてなることを特徴とする型枠支持装置。
  2. 型枠受部とボルト部材とが着脱可能に連結されるとともに、受圧板の底面に控えパイプの内周面が開口していることを特徴とする請求項1に記載の型枠支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021075970A (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 鹿島建設株式会社 型枠システム及びこの型枠システムを用いたコンクリート構造物の構築方法

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