JP2005105510A - カーボンナノチューブ含有繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カーボンナノチューブの特性を損なうことなく、カーボンナノチューブが均一分散され、導電性、機械強度に優れたカーボンナノチューブ含有繊維及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有繊維;および、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を、凝固浴中に押し出して紡糸原糸を得る紡糸工程と、紡糸原糸を延伸する延伸工程とを有するカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブ含有繊維およびその製造方法に関する。
現在、導電性を有する合成繊維(導電性繊維)が様々な手法を用いて多種類製造され、実用化されている。しかしながら、製造方法が煩雑であったり、耐久性および機械的物性などが不充分であったりという問題があり、かつ非常に高価なものとなっている。
例えば、繊維を金属もしくは金属塩でコーティングする方法(特開昭60−21912号公報(特許文献1)、特公平7−62311号公報(特許文献2)、特開平1−298279号公報(特許文献3))、繊維に導電性フィラーを練りこむ方法(特公昭55−23925号公報(特許文献4)、特公昭56−3447号公報(特許文献5))、複合繊維の1成分として高分子電解質を用いる方法(特開昭56−79716号公報(特許文献6))、金属塩を繊維中に導入する方法(特公昭57− 56581号公報(特許文献7)、特開昭60−173024号公報(特許文献8))、繊維を導電性樹脂(もしくは導電性フィラーを練り込んだ樹脂)でコーティングする方法(特公昭63− 28130号公報(特許文献9)、特開昭63−308804号公報(特許文献10))などがあり、これら以外にも多様な方法がある。
これらの製造方法のうち、最も簡便な方法は、カーボンブラックなどの導電性フィラーを繊維に添加する方法である。しかしながら、導電性フィラーの均一分散で導電性繊維を安価に製造しようとした場合、大量に導電性フィラーを添加しなくてはならず、得られる導電性繊維の機械的物性が著しく低下し、実用的に使用可能な繊維を得ることが困難である。そのため、従来では、複合繊維の1成分に高濃度に導電性フィラーを添加し、導電性と機械的物性(強伸度など)の両立を図るのが一般的であった。
また、導電性樹脂で繊維をコーティングするもしくは金属(金属塩)で繊維をメッキする方法では、得られる導電性繊維は、繊維としての風合いを損ない、耐久性にも乏しい。また、繊維中に金属塩を導入する方法などは、連続的な処理が困難で、実際の工業化は困難である。加えて、いずれの従来技術も特別な装置、設備、工程が必要で、生産性が低下したり、製品の価格が高くなりがちである。
これらの課題を解決するため、導電性カーボンブラックを繊維中に均一の含有する導電性アクリル系合成繊維及びその製造方法が提案されている(特開2002−138323号公報、特許文献11)。しかしながら、この導電性繊維においても、導電性の付与のためカーボンブラックを添加しているため、高導電性を発現させるためには添加量が多くなるなどの課題がある。
また、カーボンナノチューブを用いた織布とシート(特開平7−138838号公報、特許文献12)、カーボンナノチューブとカーボンブラックとを配合し紡糸した導電性繊維を用いた接触型帯電器(特開2001−281964号公報、特許文献13)、カーボンナノチューブを用いた、制振吸音性を有する繊維(特開2003−89923号公報(特許文献14)、特開2003−171820号公報(特許文献15)、特開2003−119624号公報(特許文献16))、及び繊維内部にカーボンナノチューブを含有するポリベンザゾール繊維(特開2003−119622号公報、特許文献17)が提案されている。これらカーボンナノチューブ含有繊維においては、カーボンナノチューブの分散が不十分であり、導電性能等のカーボンナノチューブの特性発現に課題がある。
カーボンナノチューブは、1991年に飯島等によってはじめて発見されて以来(S.Iijima,Nature,354,56(1991))(非特許文献1)、その物性評価、機能解明が行われており、その応用に関する研究開発も盛んに実施されている。しかしながら、カーボンナノチューブは、絡まった状態で製造されるため、取り扱いが非常に煩雑になるという問題がある。樹脂や溶液に混合した場合は、カーボンナノチューブはさらに凝集し、カーボンナノチューブ本来の特性が発揮できないという問題もある。
この為、カーボンナノチューブを物理的に処理したり、化学的に修飾したりして、溶媒や樹脂に均一に分散又は溶解する試みがなされている。
例えば、単層カーボンナノチューブを強酸中で超音波処理することにより単層カーボンナノチューブを短く切断して分散する方法が提案されている(R.E.Smalley等,Science,280,1253(1998))(非特許文献2)。しかしながら、強酸中で処理を実施するため、操作が煩雑となり、工業的には適した方法ではなく、その分散化の効果も十分とはいえない。
そこで、上記提案のように切断された単層カーボンナノチューブは、その両末端が開いており、カルボン酸基等の含酸素官能基で終端されていることに着目し、カルボン酸基を酸塩化物にした後、アミン化合物と反応させ長鎖アルキル基を導入し、溶媒に可溶化することが提案されている(J.Chen等,Science,282,95(1998))(非特許文献3)。しかしながら、本方法では単層カーボンナノチューブに共有結合によって長鎖アルキル基を導入しているため、カーボンナノチューブのグラフェンシート構造の損傷やカーボンナノチューブ自体の特性に影響を与えるなどの問題点が残されている。
他の試みとしては、ピレン分子が強い相互作用によってカーボンナノチューブ表面上に吸着することを利用して、ピレン分子にアンモニウムイオンを含有する置換基を導入し、これを単層カーボンナノチューブとともに水中で超音波処理し、単層カーボンナノチューブに非共有結合的に吸着させることにより水溶性の単層カーボンナノチューブを製造する方法が報告されている(Nakajima等,Chem.Lett.,638(2002))(非特許文献4)。この方法によれば、非共有結合型の化学修飾のためグラフェンシートの損傷などは抑制されるが、非導電性のピレン化合物が存在するため、カーボンナノチューブの導電性能を低下させるという課題がある。
特開昭60−21912号公報 特公平7−62311号公報 特開平1−298279号公報 特公昭55−23925号公報 特公昭56−3447号公報 特開昭56−79716号公報 特公昭57− 56581号公報 特開昭60−173024号公報 特公昭63− 28130号公報 特開昭63−308804号公報 特開2002−138323号公報 特開平7−138838号公報 特開2001−281964号公報 特開2003−89923号公報 特開2003−171820号公報 特開2003−119624号公報 特開2003−119622号公報 S.Iijima,Nature,354,56(1991) R.E.Smalley等,Science,280,1253(1998) J.Chen等,Science,282,95(1998) Nakajima等,Chem.Lett.,638(2002)
よって、本発明の目的は、カーボンナノチューブの特性を損なうことなく、カーボンナノチューブが均一分散され、導電性、機械強度に優れたカーボンナノチューブ含有繊維及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、これらの課題を解決するため鋭意研究をした結果、導電性ポリマーとカーボンナノチューブを含む組成物を用いることが、この目的に適することを見出して、本発明に到達した。
すなわち、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含有することを特徴とするものである。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)、さらに必要に応じて高分子化合物(d)、塩基性化合物(e)、界面活性剤(f)、シランカップリング剤(g)、コロイダルシリカ(h)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸してなるものであることが望ましい。
また、導電性ポリマー(a)は、水溶性導電性ポリマーであることが望ましく、さらには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーであることが望ましい。
また、導電性ポリマー(a)は、スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーであることがさらに望ましい。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法は、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を、凝固浴中に押し出して紡糸原糸を得る紡糸工程と、紡糸原糸を延伸する延伸工程とを有することを特徴とする。
本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、導電性ポリマーおよびカーボンナノチューブがこれらの特性を損なうことなく均一分散しているので、導電性、機械強度に優れる。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法によれば、このようなカーボンナノチューブ含有繊維を簡便な方法で得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含有するものである。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸してなるものであることが、導電性の点で好ましい。
<導電性ポリマー(a)>
導電性ポリマー(a)は、フェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、カルバゾリレン等を繰り返し単位として含むπ共役系高分子である。
中でも、溶媒(b)への溶解性の点で、いわゆる水溶性導電性ポリマーが本発明では好ましく用いられる。ここで、水溶性導電性ポリマーとは、π共役系高分子の骨格または該高分子中の窒素原子上に、酸性基、あるいは酸性基で置換されたアルキル基またはエーテル結合を含むアルキル基を有している導電性ポリマーである。
また、本発明においては、水溶性導電性ポリマーの中でも、溶媒(b)への溶解性、導電性、成膜性の点で、スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーが好適に用いられる。
スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとしては、例えば、特開昭61−197633号公報、特開昭63−39916号公報、特開平01−301714号公報、特開平05−504153号公報、特開平05−503953号公報、特開平04−32848号公報、特開平04−328181号公報、特開平06−145386号公報、特開平06−56987号公報、特開平05−226238号公報、特開平05−178989号公報、特開平06−293828号公報、特開平07−118524号公報、特開平06−32845号公報、特開平06−87949号公報、特開平06−256516号公報、特開平07−41756号公報、特開平07−48436号公報、特開平04−268331号公報、特開平09−59376号公報、特開2000−172384号公報、特開平06−49183号公報、特開平10−60108号公報に示された水溶性導電性ポリマーが好ましく用いられる。
スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとしては、具体的には、無置換及び置換されたフェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン及びカルバゾリレンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上を繰り返し単位として含むπ共役系高分子の骨格または該高分子中の窒素原子上に、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基、あるいはスルホン酸基及び/またはカルボキシル基で置換されたアルキル基またはエーテル結合を含むアルキル基を有している水溶性導電性ポリマーが挙げられる。この中でも特にチエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン、フェニレンビニレン、カルバゾリレン、イソチアナフテンを含む骨格を有する水溶性導電性ポリマーが好ましく用いられる。
好ましいスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーは、下記式(2)〜(10)から選ばれた少なくとも一種以上の繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含有する水溶性導電性ポリマーである。
Figure 2005105510
(式(2)中、R1 、R2 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR1 、R2 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(3)中、R3 、R4 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR3 、R4 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(4)中、R5 〜R8 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR5 〜R8 のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(5)中、R9 〜R13は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR9 〜R13のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(6)中、R14は、−SO3 -、−SO3 H、−R42SO3 -、−R42SO3 H、−COOH及び−R42COOHからなる群より選ばれ、ここで、R42は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
Figure 2005105510
(式(7)中、R52〜R57は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR52〜R57のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基であり、Htは、NR82、S、O、Se及びTeよりなる群から選ばれたヘテロ原子基であり、R82は水素及び炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、もしくは置換、非置換のアリール基を表し、R52〜R57の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と共に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよく、このように形成される環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意の位置に含んでもよく、nはヘテロ環と置換基R53〜R56を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(8)中、R58〜R66は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR58〜R66のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基であり、nは置換基R58及びR59を有するベンゼン環と置換基R61〜R64を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(9)中、R67〜R76は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR67〜R76のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基であり、nは置換基R67〜R69を有するベンゼン環とベンゾキノン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(10)中、R77〜R81は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR77〜R81のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基であり、Xa-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整数であり、pはドープ率であり、その値は0.001〜1である。)
また、好ましいスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとして、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフェートも用いられる。この水溶性導電性ポリマーは、導電性ポリマーの骨格にはスルホン酸基は導入されていないが、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸が付与している構造を有している。このポリマーは、3,4−エチレンジオキシチオフェン(バイエル社製 Baytron M)をトルエンスルホン酸鉄(バイエル社製 Baytron C)などの酸化剤で重合することにより製造することが可能である。また、このポリマーは、バイエル社製 Baytron Pとして入手可能である。
以上のスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーのうち、下記式(11)で表される繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含む水溶性導電性ポリマーが更に好ましく用いられる。
Figure 2005105510
(式(11)中、yは0<y<1の任意の数を示し、R15〜R32は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R15〜R32のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
ここで、ポリマーの繰り返し単位の総数に対するスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有量が50%以上の水溶性導電性ポリマーは、水、含水有機溶媒等の溶媒への溶解性が非常に良好なため、好ましく用いられる。スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有量は、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
また、芳香環に付加する置換基は、導電性及び溶解性の面からアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等が好ましく、特にアルコキシ基を有する水溶性導電性ポリマーが最も好ましい。これらの組み合わせの中で最も好ましい水溶性導電性ポリマーを下記式(12)に示す。
Figure 2005105510
(式(12)中、R33は、スルホン酸基、カルボキシル基、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの基であり、R34は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基、フルオロ基、クロロ基及びブロモ基からなる群より選ばれた1つの基を示し、Xは0<X<1の任意の数を示し、nは重合度を示し3以上である。)
ここで、 R33は、少なくともその一部が、遊離酸型のスルホン酸基及び/またはカルボキシル基であることが導電性向上の点から好ましい。
本発明における水溶性導電性ポリマーとしては、化学重合または電解重合などの各種合成法によって得られるポリマーを用いることができる。例えば、本発明者らが提案した特開平7−196791号公報、特開平7−324132号公報に記載の合成方法が適用される。すなわち、下記式(13)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び/または置換アンモニウム塩を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた水溶性導電性ポリマーである。
Figure 2005105510
(式(13)中、R36〜R41は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R36〜R41のうち少なくとも一つが−SO3 -、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 H、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれた基である。)
特に好ましい水溶性導電性ポリマーとしては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び/または置換アンモニウム塩を塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた水溶性導電性ポリマーが用いられる。
本発明における水溶性導電性ポリマーに含有される酸性基は、導電性向上の観点から少なくともその一部が遊離酸型であることが望ましい。また、本発明における水溶性導電性ポリマーとしては、その質量平均分子量が、GPCのポリエチレングリコール換算で、2000以上、300万以下のものが導電性、強度に優れており好ましく用いられ、質量平均分子量3000以上、100万以下のものがより好ましく、5000以上、50万以下のものが最も好ましい。
本発明における導電性ポリマー(a)としては、有機溶剤への溶解性の点で、スルホン酸基のアンモニウム塩(−SO3 -+ )及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩(−COO-+)を有するπ共役系高分子が好ましい。ここで、前記アンモニウム塩のアンモニウムイオン(M+ )は、下記式(1)で示されるものである。
Figure 2005105510
(式(14)中、R148〜R151は各々独立に水素、炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基、フェニル基、ベンジル基、−R135 OH、−CONH2 または−NH2 であり、R148〜R151のうち少なくとも一つが炭素数5以上の基であり、R135 は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
また、π共役系高分子とは、フェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、カルバゾリレン等を繰り返し単位として含むものである。
スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有するπ共役系高分子は、単なるπ共役系高分子に比べ、主に有機溶剤等への溶媒への溶解性が特段に向上し、導電性、成膜性にも優れる。
スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有するπ共役系高分子としては、具体的には、無置換及び置換されたフェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン及びカルバゾリレンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上を繰り返し単位として含むπ共役系高分子の骨格または該高分子中の窒素原子上に、スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩、あるいはスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩で置換されたアルキル基またはエーテル結合を含むアルキル基を有している導電性ポリマーが挙げられる。この中でも特にチエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン、フェニレンビニレン、カルバゾリレン、イソチアナフテンを含む骨格を有する導電性ポリマーが好ましく用いられる。
好ましいスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーは、下記式(15)〜(23)から選ばれた少なくとも一種以上の繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含有する導電性ポリマーである。
Figure 2005105510
(式(15)中、R201 、R202 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR201 、R202のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(16)中、R203 、R204 は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR203 、R204 のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(17)中、R205 〜R208 は各々独立にH、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR205 〜R208 のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(18)中、R209〜R213は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR209 〜R213 のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
Figure 2005105510
(式(19)中、R214 は、−SO3 -+ 、−R83SO3 -+ 、−COO-+及び−R83COO-+からなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R83は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
Figure 2005105510
(式(20)中、R252〜R257は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR252 〜R257 のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基であり、Htは、NR82、S、O、Se及びTeよりなる群から選ばれたヘテロ原子基であり、R82は水素及び炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、もしくは置換、非置換のアリール基を表し、R252〜R257の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と共に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよく、このように形成される環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意の位置に含んでもよく、nはヘテロ環と置換基R253〜R256を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(21)中、R258〜R266は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR258〜R266のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基であり、nは置換基R258及びR259を有するベンゼン環と置換基R261〜R264を有するベンゼン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(22)中、R267〜R276は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR267〜R276のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基であり、nは置換基R267〜R269を有するベンゼン環とベンゾキノン環に挟まれた縮合環の数を表し、0または1〜3の整数である。)
Figure 2005105510
(式(23)中、R277〜R281は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、かつR277〜R281のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基であり、Xa-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整数であり、pはドープ率であり、その値は0.001〜1である。)
以上のスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーのうち、下記式(24)で表される繰り返し単位を、ポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含む導電性ポリマーが更に好ましく用いられる。
Figure 2005105510
(式(24)中、yは0<y<1の任意の数を示し、R215〜R232は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO2 、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R215〜R232のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
ここで、ポリマーの繰り返し単位の総数に対するスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する繰り返し単位の含有量が50%以上の導電性ポリマーは、有機溶媒、含水有機溶媒等の溶媒への溶解性が非常に良好なため、好ましく用いられる。スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する繰り返し単位の含有量は、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。
また、芳香環に付加する置換基は、導電性及び溶解性の面からアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等が好ましく、特にアルコキシ基を有する導電性ポリマーが最も好ましい。これらの組み合わせの中で最も好ましい、スルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを下記式(25)に示す。
Figure 2005105510
(式(25)中、R233は、スルホン酸基、カルボキシル基、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの基であり、そのうち少なくとも一つがスルホン酸基のアンモニウム塩、カルボン酸基のアンモニウム塩からなる群より選ばれた基であり、R234は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基、フルオロ基、クロロ基及びブロモ基からなる群より選ばれた1つの基を示し、Xは0<X<1の任意の数を示し、nは重合度を示し3以上である。)
本発明におけるスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーとしては、化学重合または電解重合などの各種合成法によって得られるポリマーを用いることができる。例えば、下記式(26)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの化合物を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた導電性ポリマーである。
Figure 2005105510
(式(26)中、R236〜R241は各々独立に、H、−SO3 -、−SO3 -+ 、−SO3 H、−R35SO3 -、−R35SO3 -+ 、−R35SO3 H、−OCH3 、−CH3 、−C25、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R352 、−NHCOR35、−OH、−O- 、−SR35、−OR35、−OCOR35、−COO-+、−COOH、−R35COOH、−R35COO-+、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、M+ はアンモニウムイオンであり、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R236〜R241のうち少なくとも一つが−SO3 -+ 、−R35SO3 -+ 、−COO-+、−R35COO-+からなる群より選ばれた基である。)
また、好ましいスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーとしては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩からなる群より選ばれ、そのうち少なくとも一つがスルホン酸基置換アニリンのアンモニウム塩、カルボン酸基置換アニリンのアンモニウム塩である化合物を、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤により重合させることにより得られた導電性ポリマーが用いられる。
また、特に好ましいスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーとしては、下記式(27)で示されるアンモニウム塩類及び/または下記式(28)で示されるアミン類とスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとを、溶液中で反応させることにより得られた導電性ポリマーが用いられる。
Figure 2005105510
(式(27)中、R248〜R251は各々独立に水素、−R135 OH、炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基、フェニル基、ベンジル基、−CONH2 または−NH2 あり、かつR248〜R251のうち少なくとも一つが炭素数5以上の基であり、R135 は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、Xk z- は水酸化物イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アミド硫酸イオン、亜硫酸イオン、ホスフィン酸イオン、リン酸イオン、ピロリン酸イオン、トリポリリン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、吉草酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、酪酸イオン、蟻酸イオン、トリメチル酢酸イオン、ブロモ酢酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、フマル酸イオン、マレイン酸イオン、マロン酸イオン、アスコルビン酸イオン、アニス酸イオン、アントラニル酸イオン、安息香酸イオン、ケイ皮酸イオン、フェニル酢酸イオン、フタル酸イオン、アニリンスルホン酸イオン、チオカルボン酸イオン、メチルスルフィン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンを示し、zはXk のイオン価数であり、1〜3の整数を示し、jは1〜3の整数を示す。)
Figure 2005105510
(式(28)中、R245〜R247は各々独立に水素、炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基、フェニル基、ベンジル基、−R135 OH、−CONH2 または−NH2 であり、かつR245〜R247のうち少なくとも一つが炭素数5以上の基であり、R135 は炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)
好ましいアンモニウム塩類としては、塩化ベンザルコニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム等のハロゲン化アルキルジメチルベンジルアンモニウム;塩化アルキルジエチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム等のハロゲン化アルキルジエチルベンジルアンモニウム;塩化トリオクチルメチルアンモニウム等のハロゲン化テトラアルキルアンモニウム;水酸化トリメチルベンジルアンモニウムが用いられる。
また、好ましいアミン類としては、ベンジルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、アニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジ−n−プロピルアニリン、ジ−iso−プロピルアニリン等類が用いられる。
本発明のスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーの原料となるスルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーは、溶媒への溶解性、導電性、成膜性の点で好適に用いられる。
スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーとしては、本発明における導電性ポリマー(a)として前記に示された水溶性導電性ポリマーが好ましく用いられる。
導電性ポリマー(a)はこのままでも使用できるが、公知の方法によって酸によるドーピング処理方法を実施して、外部ドーパントを付与したものを用いることができる。例えば、酸性溶液中に、導電性ポリマー(a)を浸漬させるなどの処理をすることによりドーピング処理を行うことができる。ドーピング処理に用いる酸性溶液は、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、安息香酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの有機酸;ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸、ポリビニル硫酸及びこれらの骨格を有する誘導体などの高分子酸を含む水溶液、あるいは、水−有機溶媒の混合溶液である。これらの無機酸、有機酸、高分子酸はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
<溶媒(b)>
溶媒(b)は、導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)、さらに、必要に応じて用いられる高分子化合物(d)、塩基性化合物(e)、界面活性剤(f)、シランカップリング剤(g)及びコロイダルシリカ(h)を溶解または分散するものであれば特に限定されない。溶媒(b)としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルスルオキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類等;アニリン、N−メチルアニリン等のアニリン類が好ましく用いられる。
導電性ポリマー(a)として水溶性導電性ポリマーを用いる場合には、水溶性導電性ポリマーの溶解性、カーボンナノチューブ(c)の溶解性、分散性の点で、溶剤(b)としては、水または含水有機溶剤が好ましく用いられる。
また、導電性ポリマー(a)としてスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを用いる場合には、導電性ポリマーの溶解性、カーボンナノチューブ(c)の溶解性、分散性の点で、溶剤(b)としては、有機溶剤または含水有機溶剤が好ましく用いられる。
<カーボンナノチューブ(c)>
カーボンナノチューブ(c)は、特に限定されるものではなく、カーボンナノチューブ(c)としては、単層カーボンナノチューブ、何層かが同心円状に重なった多層カーボンナノチューブ、これらがコイル状になったものを用いることができる。
カーボンナノチューブ(c)について更に詳しく説明すると、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が、複数個入れ子構造になったものであり、nmオーダーの外径が極めて微小な物質が例示される。また、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーンやその頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質なども用いることができる。
カーボンナノチューブ(c)の製造方法は、特に限定されるものではない。具体的には、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法、気相成長法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法等が挙げられる。
以上の製造方法によって得られるカーボンナノチューブ(c)としては、好ましくは単層カーボンナノチューブであり、更に洗浄法、遠心分離法、ろ過法、酸化法、クロマトグラフ法等の種々の精製法によって、より高純度化されたカーボンナノチューブの方が、各種機能を十分に発現することから、好ましく用いられる。
また、カーボンナノチューブ(c)としては、ボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置等を用いて粉砕しているものや、化学的、物理的処理によって短く切断されているものも用いることができる。
<高分子化合物(d)>
本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物に、高分子化合物(d)を含ませることにより、繊維の強度、延伸特性は更に向上する。
高分子化合物(d)としては、溶媒(b)に溶解または分散(エマルション形成)可能であれば特に限定されるものではなく、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール類;ポリアクリルアマイド、ポリ(N−t−ブチルアクリルアマイド)、ポリアクリルアマイドメチルプロパンスルホン酸などのポリアクリルアマイド類;ポリビニルピロリドン類、ポリスチレンスルホン酸及びそのソーダ塩類、セルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂、アクリルニトリル樹脂、酢酸ビニル/アクリルニトリル共重合樹脂、ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体などが用いられる。また、これらの高分子化合物(d)は2種以上を任意の割合で混合したものであってもよい。
導電性ポリマー(a)として水溶性導電性ポリマーを用いる場合には、水溶性導電性ポリマーの溶解性、カーボンナノチューブ(c)の溶解性、分散性の点で、高分子化合物(d)の中でも、水溶性高分子化合物または水系でエマルジョンを形成する高分子化合物が、溶媒への溶解性、組成物の安定性、導電性の点で、好ましく用いられ、特に好ましくはアニオン基を有する高分子化合物が用いられる。また、その中でも、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、水系アクリル樹脂、水系ポリエステル樹脂、及び水系ウレタン樹脂のうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することが好ましい。
また、導電性ポリマー(a)としてスルホン酸基のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマーを用いる場合には、導電性ポリマーの溶解性、カーボンナノチューブ(c)の溶解性、分散性の点で、高分子化合物(d)の中でもアルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂、アクリルニトリル樹脂、酢酸ビニル/アクリルニトリル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体のうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することが好ましい。
<塩基性化合物(e)>
塩基性化合物(e)は、カーボンナノチューブ含有組成物中に添加することにより、導電性ポリマー(a)の溶解性を向上させ、カーボンナノチューブ(c)の溶媒(b)への可溶化あるいは分散化を促進する効果がある。特に、塩基性化合物(e)は、水溶性導電性ポリマーを脱ドープし、溶媒(b)への溶解性をより向上させる効果がある。また、スルホン酸基、カルボキシル基等の酸性基と塩を形成することにより水への溶解性が特段に向上するとともに、カーボンナノチューブ(c)の溶媒(b)への可溶化あるいは分散化が促進される。
塩基性化合物(e)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類やアンモニウム塩類、無機塩基などが好ましく用いられる。
塩基性化合物(e)として用いられるアミン類の構造式を下記式(29)に示す。
Figure 2005105510
(式(29)中、R45〜R46は各々互いに独立に、水素、炭素数1〜4(C1 〜C4 )のアルキル基、CH2OH 、CH2CH2OH、CONH2 またはNH2 を表す。)
塩基性化合物(e)として用いられるアンモニウム塩類の構造式を下記式(30)に示す。
Figure 2005105510
(式(30)中、R48〜R51は各々互いに独立に、水素、炭素数1〜4(C1 〜C4 )のアルキル基、CH2OH 、CH2CH2OH、CONH2 またはNH2 を表し、X- はOH- 、1/2・SO4 2-、NO3 -、1/2CO3 2-、HCO3 -、1/2・(COO)2 2-、またはR’COO- を表し、R’は炭素数1〜3(C1 〜C3 )のアルキル基である。)
環式飽和アミン類としては、ピペリジン、ピロリジン、モリホリン、ピペラジン及びこれらの骨格を有する誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリン及びこれらの骨格を有する誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物塩が好ましく用いられる。
塩基性化合物(e)は2種以上を混合して用いてもよい。例えば、アミン類とアンモニウム塩類を混合して用いることにより更に導電性を向上させることができる。具体的には、NH3 /(NH42CO3 、NH3 /(NH4)HCO3、NH3 /CH3COONH4 、NH3 /(NH42SO4 、N(CH33/CH3COONH4、N(CH33/(NH42SO4 などが挙げられる。またこれらの混合比は任意の割合で用いることができるが、アミン類/アンモニウム塩類=1/10〜10/0が好ましい。
<界面活性剤(f)>
本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物に、界面活性剤(f)を加えると更にカーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化が促進するとともに、繊維の導電性、機械強度などが向上する。
界面活性剤(f)の具体例としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、α−スルホン化脂肪酸、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸、アルキル硫酸、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびこれらの塩などのアニオン系界面活性剤;第一〜第三脂肪アミン、四級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムアルキルピリジニウム、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム、N,N−ジアルキルモルホリニウム、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の第四級アンモニウムおよびこれらの塩などのカチオン系界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのベタイン類、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアミノカルボン酸類などの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイドなどの非イオン系界面活性剤;およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。ここで、アルキル基は炭素数1〜24が好ましく、炭素数3〜18がより好ましい。なお、界面活性剤は二種以上用いても何らさしつかえない。
<シランカップリング剤(g)>
本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物に、更にシランカップリング剤(g)を含ませることができる。シランカップリング剤(g)は水溶性導電性ポリマーの酸性基と反応して、そしてシランカップリング剤(g)同士で加水分解して架橋構造を形成していると考えられている。シランカップリング剤(g)を含むカーボンナノチューブ含有組成物から得られる繊維の耐水性は著しく向上する。シランカップリング剤(g)としては、下記式(1)で示されるシランカップリング剤(g)が用いられる。
Figure 2005105510
(式(1)中、R42、R43、R44は各々独立に、水素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選ばれた基であり、Xは、
Figure 2005105510
を示し、l及びmは0〜6までの数であり、Yは、水酸基、チオール基、アミノ基、エポキシ基及びエポキシシクロヘキシル基よりなる群から選ばれた基である。)
具体的に、エポキシ基を持つものとしては、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基を持つものとしては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロポキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チオール基を持つものとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
水酸基を持つものとしてはβ−ヒドロキシエトキシエチルトリエトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシシクロヘキシル基を持つものとしては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<コロイダルシリカ(h)>
本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物に、更にコロイダルシリカ(h)を併用することができる。コロイダルシリカ(h)を併用したカーボンナノチューブ含有組成物から得られる繊維は、硬度や耐候性が著しく向上する。
本発明におけるコロイダルシリカ(h)は、特に限定されないが、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合溶媒に分散されているものが好ましく用いられる。有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類等が好ましく用いられる。
また、コロイダルシリカ(h)としては、粒子径が1nm〜300nmのものが用いられ、好ましくは1nm〜150nm、更に好ましくは1nm〜50nmの範囲のものが用いられる。ここで粒子径が大きすぎると硬度が不足し、またコロイダルシリカ自体の溶液安定性も低下してしまう。
<カーボンナノチューブ含有組成物>
前記導電性ポリマー(a)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して導電性ポリマー(a)が0.001〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜30質量部である。導電性ポリマー(a)が0.001質量部未満では、導電性が劣ったり、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低くなったりする。一方、50質量部を超えると導電性はピークに達して大きく増加しないし、高粘度化して、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低くなったりする。
前記カーボンナノチューブ(c)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してカーボンナノチューブ(c)が0.0001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量部である。カーボンナノチューブ(c)が0.0001質量部未満では、導電性等のカーボンナノチューブ(c)による性能が低下する。一方、20質量部を超えると、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるは分散化の効率が低下する。
前記高分子化合物(d)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して高分子化合物(d)が0.1〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜300質量部である。高分子化合物(d)が0.1質量部以上であれば、成形性、強度がより向上し、一方、400質量部以下の時、水溶性導電性ポリマー(a)やカーボンナノチューブ(c)の溶解性の低下が少なく、高い導電性が維持される。
前記塩基性化合物(e)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して塩基性化合物(e)が0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。塩基性化合物(e)がこの範囲にあるとき、水溶性導電性ポリマーの溶解性が良くなり、カーボンナノチューブ(c)の溶媒(b)への可溶化あるいは分散化が促進され、導電性が向上する。
前記界面活性剤(f)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対して界面活性剤(f)が0.0001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部である。界面活性剤(f)が10質量部を超えると、導電性が劣るなどの現象が生じるとともに、カーボンナノチューブ(c)の可溶化あるいは分散化の効率が低下する。
前記シランカップリング剤(g)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してシランカップリング剤(g)が0.001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜15質量部である。シランカップリング剤(g)0.001質量部未満では、耐水性及び/または耐溶剤性の向上幅が比較的小さく、一方、20質量部を超えると溶解性、平坦性、透明性、及び導電性が悪化することがある。
前記コロイダルシリカ(h)と溶媒(b)の使用割合は、溶媒(b)100質量部に対してコロイダルシリカ(h)が0.001〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜50質量部である。コロイダルシリカ(h)が0.001質量部以上であれば、耐水性、耐侯性及び硬度の向上幅が大きくなる。一方、100質量部を超えると溶解性、透明性、及び導電性が悪化することがある。
更に本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物には、必要に応じて、可塑剤、分散剤、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保存安定剤、接着助剤、増粘剤などの公知の各種物質を添加して用いることができる。
また、本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物には、その導電性を更に向上させるために導電性物質を含有させることができる。導電性物質としては、炭素繊維、導電性カーボンブラック、黒鉛等の炭素系物質、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、銀、ニッケル、銅等の金属が挙げられる
カーボンナノチューブ含有組成物の調製には、超音波、ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリットミキサーなどの撹拌又は混練装置が用いられる。特に、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、カーボンナノチューブ(c)、および他の成分を混合し、これに超音波を照射することが好ましく、この際、超音波照射とホモジナイザーを併用(超音波ホモジナイザー)して処理をすることが好ましい。
超音波照射処理の条件は、特に限定されるものではないが、カーボンナノチューブ(c)を溶媒(b)中に均一に分散あるいは溶解させるだけの十分な超音波の強度と処理時間があればよい。例えば、超音波発振機における定格出力は、超音波発振機の単位底面積当たり0.1〜2.0ワット/cm2 が好ましく 、より好ましくは0.3〜1.5ワット/cm2 の範囲であり、発振周波数は、10〜200KHzが好ましく、より好ましくは20〜100KHzの範囲である。また、超音波照射処理の時間は、1分〜48時間が好ましく、より好ましくは5分から48時間である。この後、更にボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置を用いて分散あるいは溶解を徹底化することが望ましい。
<カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法>
本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、ドープ(紡糸原液)であるカーボンナノチューブ含有組成物を、該組成物成分に対して凝固能を有する凝固用溶媒(i)を有する凝固浴中で凝固させる、いわゆる湿式紡糸で製造される。例えば、カーボンナノチューブ含有組成物を紡糸口金から凝固用溶媒(i)に押し出し、紡糸原糸を得ることによって行われる。この際、紡糸口金を凝固浴中に浸漬した状態でカーボンナノチューブ含有組成物を押し出しする方法や、紡糸口金から押し出された繊維状のカーボンナノチューブ含有組成物を空気中を経て凝固浴中に導入する方法(エアギャップ法)を採用することができる。
凝固用溶媒(i)とは、カーボンナノチューブ含有組成物を構成する溶媒(b)以外の成分(固形分成分)に対する溶解性が溶媒(b)よりも低いものである。凝固用溶媒(i)は、必ずしも該組成物中の固形分成分に対して貧溶媒である必要はなく、良溶媒であっても、固形分成分に対する溶解性が溶媒(b)よりも低ければよい。また、必要に応じて多段階で、得られた繊維をより固形分成分に対して溶解性の低い凝固用溶媒(i)に通してもよい。
凝固用溶媒(i)は、カーボンナノチューブ含有組成物を構成する溶媒(b)以外の成分(固形分成分)に対する溶解性が溶媒(b)よりも低いものであれば特に限定されるものではない。例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルスルオキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類等;アニリン、N−メチルアニリン等のアニリン類が好ましく用いられる。なお、これらの溶媒はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
繊維状物を凝固浴に通す場合は、一定速度で引っ張りながら通すことが好ましい。巻き取り速度としては0.001〜1000m/minの範囲で実施される。こうして凝固された繊維は、一旦巻き取ってから、あるいは巻き取らずに乾燥させて、あるいは乾燥させながら、あるいは乾燥前に1.01以上、好ましくは1.1倍以上、更に好ましくは3倍以上に延伸を行うことにより延伸した糸を得ることができる。延伸は0〜300℃、好ましくは5〜200℃で行うことが好ましい。
以上説明した本発明のカーボンナノチューブ含有繊維にあっては、非常に低濃度であっても良好な導電性を発現することができる導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含んでいるので、導電性を十分に発現することができる。また、カーボンナノチューブ(c)の量が少なくても導電性を十分に発現できるので、カーボンナノチューブ(c)の量を多くする必要がなく、機械強度に優れる。
また、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含むカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸してなるものであれば、カーボンナノチューブ(c)自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブ(c)が繊維中に均一に分散し、繊維の導電性、機械強度がより高くなる。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法にあっては、導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸しているので、カーボンナノチューブ(c)自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブ(c)を繊維中に均一に分散させることができる。また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維を簡便に得ることができる。
すなわち、本発明におけるカーボンナノチューブ含有組成物にあっては、カーボンナノチューブ(c)を導電性ポリマー(a)とともに溶剤(b)に加えているので、カーボンナノチューブ(c)自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブ(c)が溶媒(b)に分散化あるいは可溶化することが可能であり、長期保存においても分離、凝集しない。この理由ははっきりわかっていないが、導電性ポリマー(a)とカーボンナノチューブ(c)とがπ電子によるπ−π相互作用によって互いに吸着することにより、カーボンナノチューブ(c)が導電性ポリマー(a)とともに分散化あるいは可溶化してるものと推測される。
そして、このようにカーボンナノチューブ(c)が溶媒(b)に分散化あるいは可溶化したカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸することにより、カーボンナノチューブ(c)が均一に分散した繊維を簡便に得ることが可能となる。
実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<導電性ポリマーの製造>
(製造例1、導電性ポリマー(A−1))
ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)の合成:
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを25℃で4mol/Lのトリエチルアミン水溶液に攪拌溶解し、これにペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、ポリマー粉末15gを得られた。この導電性ポリマー(A−1)の体積抵抗値は9.0Ω・cmであった。
(製造例2、導電性ポリマー(A−2))
脱ドープ状態のポリアニリンの合成:
アニリン100mmolを25℃で1mol/L硫酸水溶液に攪拌溶解し、これにペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末8gを得た。得られたドープ状態の重合体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、1.0S/cm以下であった。この重合体を25℃で1時間で1mol/Lアンモニア水中で分散攪拌した後に濾別洗浄後乾燥し、脱ドープ状態の重合体粉末5gを得た。
(製造例3、水溶性導電性ポリマー(A−1)と塩化ベンザルコニウムとの反応によって得られる導電性ポリマー(A−3))
水溶性導電性ポリマー(A−1)5gを水95gに攪拌溶解し、水溶性導電性ポリマー水溶液を調製した。得られた水溶性導電性ポリマー水溶液に、塩化ベンザルコニウム10gを水95gに攪拌溶解した塩化ベンザルコニウム水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で1時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、スルホン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマー(A−3)10gを得た。
(製造例4、水溶性導電性ポリマー(A−1)とトリ−n−オクチルアミンとの反応によって得られる導電性ポリマー(A−4))
水溶性導電性ポリマー(A−1)5gを水95gに攪拌溶解し、水溶性導電性ポリマー水溶液を調製した。得られた水溶性導電性ポリマー水溶液にトリ−n−オクチルアミン10gを水95gに攪拌溶解したトリ−n−オクチルアミン水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で1時間更に攪拌した後に、未反応物を減圧留去した後、反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、スルホン酸基のアンモニウム塩を有する導電性ポリマー(A−4)6gを得た。
<カーボンナノチューブ含有組成物の調製>
(カーボンナノチューブ含有組成物1)
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)5質量部、カーボンナノチューブ(ILJIN社製、CVD法により製造された多層カーボンナノチューブ)0.4質量部を水100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物1を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物2)
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)1質量部、カーボンナノチューブ1.0質量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバール117)3.0質量部を水100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物2を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物3)
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)1質量部、カーボンナノチューブ1.0質量部、ポリビニルアルコール3.0質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を水100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物3を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物4)
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)1質量部、カーボンナノチューブ1.0質量部、アンモニア1質量部、ポリビニルアルコール3.0質量部を水100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物4を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物5)
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)0.5質量部、カーボンナノチューブ0.7質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5質量部、ポリビニルアルコール3.0質量部を水/メタノール混合溶媒(質量比9/1)100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物5を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物6)
上記製造例2の導電性ポリマー(A−2)0.5質量部、カーボンナノチューブ0.4質量部、アクリロニトリル系ポリマー(三菱レイヨン社製、共重合比(モル比):アクリロニトリル/酢酸ビニル=90/10)3質量部をN−メチルピロリドン100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、カーボンナノチューブ含有組成物6を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物7)
上記製造例3の導電性ポリマー(A−3)5.0質量部、カーボンナノチューブ1.0質量部をN,N−ジメチルアセトアミド94質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理した(溶液A)。一方、アクリロニトリル系ポリマー(三菱レイヨン社製、共重合比(モル比):アクリロニトリル/酢酸ビニル=90/10)30質量部をN,N−ジメチルアセトアミド70質量部に加温混合溶解した(溶液B)。これら溶液A及び溶液Bを室温にて混合してカーボンナノチューブ含有組成物7を調製した。
(カーボンナノチューブ含有組成物8)
上記製造例4の導電性ポリマー(A−4)5.0質量部、カーボンナノチューブ3.0質量部をN,N−ジメチルアセトアミド94質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理した(溶液C)。一方、アクリロニトリル系ポリマー(三菱レイヨン社製、共重合比(モル比):アクリロニトリル/酢酸ビニル=90/10)30質量部をN,N−ジメチルアセトアミド70質量部に加温混合溶解した(溶液D)。これら溶液C及び溶液Dを室温にて混合してカーボンナノチューブ含有組成物8を調製した。
<導電性組成物の調製>
上記製造例1の導電性ポリマー(A−1)1質量部、ポリビニルアルコール3.0質量部を水100質量部に室温にて混合した後、超音波ホモジナイザーで10分間処理し、導電性組成物1を調製した。
[実施例1]
カーボンナノチューブ含有組成物1を紡糸口金(ノズル径0.12mm)を通して5℃の凝固浴(アセトン)に吐出し、アセトンで紡糸原糸中の溶媒(水)を除去した後、80℃で乾燥して未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を200℃の条件下で5倍に延伸して、カーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について、ダイアインスツルメンツ製、ロレスターGPを用いて体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
カーボンナノチューブ含有組成物1をカーボンナノチューブ含有組成物2に変更した以外は実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
カーボンナノチューブ含有組成物1をカーボンナノチューブ含有組成物3に変更した以外は実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
カーボンナノチューブ含有組成物1をカーボンナノチューブ含有組成物4に変更した以外は実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
カーボンナノチューブ含有組成物1をカーボンナノチューブ含有組成物5に変更した以外は実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]
カーボンナノチューブ含有組成物6を紡糸口金(ノズル径0.12mm)を通して10℃の凝固浴(1mol/L硫酸水溶液)に吐出し、更に水で洗浄し紡糸原糸中の溶媒(N−メチルピロリドン)を除去した後、80℃で乾燥して未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を200℃の条件下で5倍に延伸して、カーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について、ダイアインスツルメンツ製、ロレスターGPを用いて体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]
カーボンナノチューブ含有組成物7を紡糸口金(ノズル径0.12mm)を通して10℃の凝固浴(水)に吐出し、更に水で洗浄し紡糸原糸中の溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド)を除去した後、80℃で乾燥して未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を200℃の条件下で5倍に延伸して、カーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について、ダイアインスツルメンツ製、ロレスターGPを用いて体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[実施例8]
カーボンナノチューブ含有組成物7をカーボンナノチューブ含有組成物8に変更した以外は実施例7と同様にしてカーボンナノチューブ含有繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
カーボンナノチューブ含有組成物1を導電性組成物1に変更した以外は実施例1と同様にして導電性繊維を得た。この繊維について体積抵抗を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005105510
本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、各種帯電防止剤、コンデンサー、電池、燃料電池及びその高分子電解質膜、電極層、触媒層、ガス拡散層、ガス拡散電極層、セパレーターなどの部材、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装用導電性プライマー、電気防食、電池の蓄電能力向上、半導体、電器電子部品などの工業用包装材料、電子写真記録材料等の帯電防止、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータ用テープ、フロッピィディスクなどの磁気記録用テープの帯電防止、電子デバイスのLSI配線、フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)の電子銃(源)及び電極、水素貯蔵剤、更に透明タッチパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイなどの入力及び表示デバイス表面の帯電防止や透明電極、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する発光材料、バッファ材料、電子輸送材料、正孔輸送材料及び蛍光材料、熱転写シート、転写シート、熱転写受像シート、受像シート、電線、スポーツ用品、建材用素材、航空機用素材、宇宙産業用素材、耐熱性素材、制振動材、吸音材として利用される。

Claims (10)

  1. 導電性ポリマー(a)およびカーボンナノチューブ(c)を含有することを特徴とするカーボンナノチューブ含有繊維。
  2. 導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を紡糸してなることを特徴とするカーボンナノチューブ含有繊維。
  3. カーボンナノチューブ含有組成物が、高分子化合物(d)をさらに含有することを特徴とする請求項2記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  4. カーボンナノチューブ含有組成物が、塩基性化合物(e)をさらに含有することを特徴とする請求項2または請求項3記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  5. カーボンナノチューブ含有組成物が、界面活性剤(f)をさらに含有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  6. カーボンナノチューブ含有組成物が、コロイダルシリカ(h)をさらに含有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  7. 導電性ポリマー(a)が、水溶性導電性ポリマーであることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  8. カーボンナノチューブ含有組成物が、下記式(1)で示されるシランカップリング剤(g)をさらに含有することを特徴とする請求項7記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
    Figure 2005105510
    (式(1)中、R42、R43、R44は各々独立に、水素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選ばれた基であり、Xは、
    Figure 2005105510
    を示し、l及びmは0〜6までの数であり、Yは、水酸基、チオール基、アミノ基、エポキシ基及びエポキシシクロヘキシル基よりなる群から選ばれた基である。)
  9. 導電性ポリマー(a)、溶媒(b)、およびカーボンナノチューブ(c)を含有するカーボンナノチューブ含有組成物を、凝固浴中に押し出して紡糸原糸を得る紡糸工程と、
    紡糸原糸を延伸する延伸工程とを有することを特徴とするカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
  10. 紡糸工程前のカーボンナノチューブ含有組成物に超音波を照射することを特徴とする請求項9記載のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
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