JP2005105378A - 取鍋精錬装置 - Google Patents

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Koji Tanda
浩司 丹田
Shinya Hirotsune
真也 広常
Ryoji Hayashi
亮二 林
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Abstract

【課題】取鍋精錬装置において水冷炉蓋と取鍋間の局部的な隙間を無くすことにより、取鍋内を大気より高めの正圧に維持して大気の流入を防いで酸化を防止し、取鍋内の雰囲気を還元性あるいは無酸化性雰囲気に保ちながら還元精錬を良好に行うことができる取鍋精錬装置を提供する。
【解決手段】底部3にポーラスプラグ4を具備する取鍋2の取鍋上端縁5に水冷炉蓋6を載置して取鍋を被覆し、水冷炉蓋を貫通する黒鉛電極7を水冷炉蓋の上方で電極支持設備9により支持し、電極支持設備を覆う集塵フード10を上方に離間して配設してなるアーク加熱により溶鋼を還元精錬するための取鍋精錬装置1において、すそ広がり形状の外周壁12を有する環状台11を取鍋上部外周に設け、環状台のすそ広がり形状の外周壁と密着する環状ツバ13を水冷炉蓋の下部外周に設けて水冷炉蓋と取鍋との間の隙間を密閉した。
【選択図】図4

Description

底部にポーラスプラグを具備する取鍋の上縁に水冷炉蓋を載置して取鍋を被覆し、該水冷炉蓋を貫通する黒鉛電極を貫通配設した溶鋼をアーク加熱して還元精錬するための取鍋精錬装置に関する。
取鍋精錬装置において取鍋内の還元精錬を良好に行うためには、雰囲気を還元性あるいは無酸化性雰囲気に保つことが重要である。従来の技術では取鍋精錬装置(例えば、特許文献1参照。)あるいは他の取鍋精錬装置(例えば、特許文献2参照。)が用いられている。
上記の特許文献1の取鍋精錬装置21は、図1に示すように取鍋22の炉蓋を中蓋23と上蓋24の二重構造とし、それらの間の中空部25に設けた排ガス吸引口26から排ガスを吸引し、上蓋24上の電極27の周囲に直接設けた集塵フード28から粉塵を吸引する構造とすることにより、中蓋23と取鍋22内の溶鋼29上のスラグ30上の空間31の圧力を中蓋23と上蓋24の間の中空部25の圧力を高くすることで、中蓋23と取鍋22の上縁32との隙間33からの空気の侵入を防止して取鍋22内の溶鋼29上への空気の侵入を防止した方法である。
上記の取鍋精錬装置21をさらに改良した装置として、図2に示すように、特許文献2に示す取鍋精錬装置41では取鍋42および水冷炉蓋43の下部44の両者を不活性ガス雰囲気とした容器45で覆うことにより、水冷炉蓋43と取鍋42との隙間46から容器45内の不活性ガス以外は取鍋42内に侵入できないようにするとともに、集塵機47を水冷炉蓋43から離して設置することにより、水冷炉蓋43と溶鋼48上のスラグ49との空間50の負圧の発生を軽減する方法がある。
しかしながら、これらの取鍋精錬装置には二重蓋構造とするなどの格別の手段が必要であったり、不活性ガス雰囲気とした特別の容器を使用する必要があるなどの問題があった。
そこでこれらの問題を解決するための技術として、特許文献3に開示の取鍋精錬装置51が開発されている。この装置は、図3に示すように、取鍋精錬装置51の取鍋52および水冷炉蓋53並びに電極54を支持する電極支持設備55を覆う集塵フード57を取鍋52および電極支持設備55の上方に離間して配設している。集塵フード57を配設することにより、水冷炉蓋53の電極孔56から舞い上がった粉塵および集塵フード57の周囲の空気を集塵フード57の吸引口58から吸引して除く間接吸引による方法である。
しかしながら、上記の取鍋精錬装置51においては、受鋼、精錬、鋳込みを繰り返して行う取鍋52の上端縁部59上に生じるスラグや溶鋼の局部的堆積のため、水冷炉蓋53を取鍋52上に載置しても水冷炉蓋53と取鍋52間に局部的な隙間60ができるという問題点があった。この状態では溶鋼61上のスラグ62の上と水冷炉蓋53との間の空間63に負圧が発生し、水冷炉蓋53と取鍋52間に生じる隙間60から空気が侵入することを防止できなくなる問題があった。
特開昭61−186413号公報 特開昭63−171247号公報 特開2002−47510号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の取鍋精錬装置において水冷炉蓋と取鍋間の局部的な隙間を無くすことにより、取鍋内を大気より高めの正圧に維持して大気の流入を防いで酸化を防止し、取鍋内の雰囲気を還元性あるいは無酸化性雰囲気に保ちながら還元精錬を良好に行うことができる取鍋精錬装置を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、底部3にポーラスプラグ4を具備する取鍋2の取鍋上端縁5に水冷炉蓋6を載置して取鍋2を被覆し、この水冷炉蓋6を貫通する黒鉛電極7を水冷炉蓋6の上方で電極支持設備9により支持し、この電極支持設備9を覆う集塵フード10を上方に離間して配設してなるアーク加熱により溶鋼を還元精錬するための取鍋精錬装置1において、すそ広がり形状の外周壁12を有する環状台11を取鍋上部外周に設け、この環状台11のすそ広がり形状の外周壁12と密着する環状ツバ13を水冷炉蓋6の下部外周に設けて水冷炉蓋6と取鍋2との間の隙間を密閉したことを特徴とする取鍋精錬装置1である。
本発明は、底部にポーラスプラグを具備する取鍋の上縁に水冷炉蓋を載置し、この水冷炉蓋の上方で電極支持設備により支持した黒鉛電極を水冷炉蓋に貫通し、この電極支持設備を覆う集塵フードを上方に離間して配設したアーク加熱により溶鋼を還元精錬するための取鍋精錬装置において、取鍋上部外周にすそ広がり状の外周壁を有する環状台を設け、この環状台と密着する環状ツバを水冷炉蓋下部外周に設けたことで、水冷炉蓋を閉じて精錬をするとき、水冷炉蓋と取鍋間の局部的な隙間が環状ツバにより塞がれ、外部の空気が炉外から取鍋内の溶鋼上へ侵入することが防止できるので、この結果、取鍋内の雰囲気を還元性あるいは無酸化性雰囲気に保つことができ、還元精錬を一層良好に行うことができるという優れた効果を奏するものである。
本発明を実施するための最良の形態を図4を参照して説明する。本発明の実施の形態の取鍋精錬装置1は、取鍋2の底部3に溶鋼8と溶鋼上のスラグ17を攪拌するための撹拌ガスを流入するためのポーラスプラグ4を有し、さらに取鍋2の上部外周に上部から下部にかけてすそ広がりの形状の外周壁12を有する環状台11を具備している。この取鍋2の上部の外周を囲む環状台11の上には、水冷炉蓋6の下部外周14に取鍋2の上部に設けた環状台11と密着する環状ツバ13を設けた水冷炉蓋6を載置して取鍋2を被蓋する。ところで取鍋2の上部外周を囲む環状台11上には取鍋上端縁5ほどスラグ17や溶鋼8が局部的に堆積することはない。水冷炉蓋6は電極孔15を有し、電極孔15を貫通した黒鉛電極7が水冷炉蓋6の上方で電極支持設備9により側方から支持されている。
以上の取鍋精錬装置1において、取鍋2内の溶鋼8は黒鉛電極7のアーク加熱により還元性あるいは無酸化性雰囲気の下で還元精錬される。取鍋精錬装置1および電極支持設備9から離間した上方には、さらに取鍋精錬装置1および電極支持設備9を覆う形状をした集塵フード10が設置されている。集塵フード10は吸引口16を有し、集塵フード10で集塵した粉塵を吸引口16から吸引して装置外の適宜集塵装置に搬送し粉塵を除去している。
ところで、上記のように上部から下部にかけてすそ広がりに広がった形状を持ち、かつ取鍋2上部の外周を囲む環状台11を設け、かつ上記取鍋2に設置した取鍋2上部の外周を囲む環状台11と密着する環状ツバ13を水冷炉蓋6の下部外周14に設けたことにより、水冷炉蓋6と取鍋2との間に局部的な隙間18があっても、外気との接触は環状ツバ13により防止される。従って、取鍋2内の溶鋼8上への外気からの空気の侵入が防止され、さらにポーラスプラグ3から供給された撹拌ガスおよび還元精錬反応で発生したCOガスにより、水冷炉蓋6と取鍋42内の溶鋼8上のスラグ17との間の空間19は還元性あるいは無酸化性雰囲気に保たれるので、本装置により還元精錬が一層良好に行うことができることとなった。
従来の取鍋精錬装置の模式的な説明図である。 従来の取鍋精錬装置の模式的な説明図である。 従来の集塵フードを設けた取鍋精錬装置の模式的な説明図である。 本発明の実施の形態の取鍋上部外周に環状台を設け、水冷炉蓋下部外周に環状ツバを設けた取鍋精錬装置の模式的説明図である。
符号の説明
1 取鍋精錬装置
2 取鍋
3 底部
4 ポーラスプラグ
5 取鍋上端縁
6 水冷炉蓋
7 黒鉛電極
8 溶鋼
9 電極支持設備
10 集塵フード
11 環状台
12 外周壁
13 環状ツバ
14 下部外周
15 電極孔
16 吸引口
17 スラグ
18 隙間
19 空間

Claims (1)

  1. 底部にポーラスプラグを具備する取鍋の上縁に水冷炉蓋を載置して取鍋を被覆し、該水冷炉蓋を貫通する黒鉛電極を該水冷炉蓋の上方で電極支持設備により支持し、該電極支持設備を覆う集塵フードを上方に離間して配設してなるアーク加熱により溶鋼を還元精錬するための取鍋精錬装置において、すそ広がり形状の外周壁を有する環状台を取鍋上部外周に設け、該環状台の外周壁と密着する環状ツバを水冷炉蓋下部外周に設けて水冷炉蓋と取鍋との間の隙間を密閉したことを特徴とする取鍋精錬装置。
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