JP2005105375A - 薄膜の製造方法及び薄膜の製造装置 - Google Patents

薄膜の製造方法及び薄膜の製造装置 Download PDF

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Kazuyoshi Honda
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Abstract

【課題】 安定した蒸着レートで生産性高く薄膜を真空蒸着法により製造する。また、蒸発粒子の飛散方向の制御性を向上させる。
【解決手段】 ルツボ9と開口25を有する蓋11とで密封された空間内に材料13を収容する。密封空間内に不活性ガスを導入しながら材料13を加熱し、材料の蒸発粒子を開口25から放出させ、被蒸着基板5上に薄膜を形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は真空蒸着で薄膜を作製する薄膜の製造方法及び薄膜の製造装置に関するものである。
特許文献1には、点蒸発源又は環状蒸発源を用い、蒸発源と基板との距離及び位置関係を適切に設定することで、良好なカバレージ性を有する薄膜を形成する薄膜形成装置が記載されている。
また、特許文献2には、密閉された外るつぼ内に蒸発材料を設置し、外るつぼの上部に複数の円錐形状の噴射ノズルを設けた薄膜形成装置が記載されている。これにより、噴射ノズルから蒸気を安定して噴射させることができるので、成膜速度の変動を抑えることができるとされている。
また、特許文献3には、蒸発物近傍に不活性ガス供給手段を設けたイオンプレーティング装置が記載されている。成膜しないときに不活性ガスを蒸発物近傍に導入することにより、蒸発物の表面に形成される化合物の膜厚を少なくすることができるので、成膜を再開する際の、蒸発物表面の化合物を蒸発させる除去作業時間を低減することができるとされている。
特開平6−192824号公報 特開平7−232992号公報 特開平6−264227号公報
しかしながら、従来の蒸着方法には以下のような問題があった。
即ち、材料を融解し蒸着中に、融解液面が低下し、融解液面と被蒸着基板との距離が拡大するので、蒸着レートが低下し、成膜速度が低下する。また、反応性ガスとして例えば酸素を導入しながら蒸着すると、融解液面に酸化膜が徐々に形成されるので、蒸着レートが低下又は不安定になる。更に、蒸発粒子の飛散方向を制御することが困難であるので、例えば複数の蒸発源を用いて2種類以上の材料を蒸着して混合薄膜を作製する場合には、被蒸着基板の面と平行な方向において組成が均一な薄膜が得られにくい。組成の均一化を実現するためには複数の蒸発源と被蒸着基板との距離を拡大する必要があるが、この場合には成膜速度が低下する。
本発明は、前記従来の蒸着方法の課題を解決し、安定した蒸着レートで生産性高く成膜できる薄膜の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。また、本発明は、蒸発粒子の飛散方向の制御性が向上し、複数の蒸発源を用いて2種類以上の材料からなる混合薄膜を成膜する場合には組成均一性に優れた薄膜を得ることができる薄膜の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明の薄膜の製造方法は、材料を加熱し、前記材料を蒸発させて、被蒸着面上に前記材料を含む薄膜を真空蒸着により形成する薄膜の製造方法であって、ルツボと開口を有する蓋とで前記開口を除いて密封された空間内に前記材料を収容し、前記密封された空間内に不活性ガスを導入しながら前記材料を加熱し、前記材料の蒸発粒子を前記開口から放出させることを特徴とする。
また、本発明の薄膜の製造装置は、材料を加熱し、前記材料を蒸発させて、被蒸着面上に前記材料を含む薄膜を真空蒸着により形成する薄膜の製造装置であって、前記材料を収容するためのルツボと、前記ルツボを加熱する加熱装置と、開口を備え、前記ルツボと一体化されて、前記開口を除いて密封された空間を形成する蓋と、前記蓋を加熱する加熱装置と、前記密封された空間内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入装置とを具備することを特徴とする。
本発明の薄膜の製造方法及び薄膜の製造装置によれば、融解液面が低下することによる蒸着レートの低下が防止され、また、融解液面に酸化膜などが形成されることによる蒸着レートの不安定が防止される。従って、安定した蒸着レートで、且つ、高い生産性で薄膜を形成できる。また、蒸発粒子の飛散方向の制御性が向上するので、複数の蒸発源を用いて2種類以上の材料による混合薄膜を作製する場合には、広範囲に亘って組成が均一な薄膜を効率よく形成できる。
本発明において、前記不活性ガスの導入量が0.5×10-2〜8.5×10-2Pa・m3/secであることが好ましい。不活性ガスの導入量が0.5×10-2Pa・m3/secより少ないと、蒸発粒子の飛散方向の制御が困難となる。また、融解液面に酸化膜が形成されやすくなり、蒸着レートが不安定になりやすい。一方、不活性ガスの導入量が8.5×10-2Pa・m3/secより多いと、蒸発粒子の飛散方向の指向性が強くなるので、被蒸着基板上において均一な厚み又は組成を有する薄膜が得られる範囲が狭くなる。
本発明において、前記開口が幅A×長さB×深さHのスリット状であり、H/A≧5であることが好ましい。また、B/A≧30であることが好ましい。H/A<5のときやB/A<30のときは、蒸発粒子の飛散方向の制御が困難となる。
本発明において、前記蓋の温度が前記ルツボの温度より高いことが好ましい。これにより、開口の周囲に蒸発粒子が結露したり凝固したりして、開口が塞がれるのを防止できる。
特に、前記蓋の温度T2が前記ルツボの温度T1より20〜100℃高いことが好ましい。T2−T1<20℃のときには、開口の周囲に蒸発粒子が結露したり凝固したりする可能性がある。T2−T1>100℃のときには、開口の周囲への蒸発粒子の付着防止効果は飽和してしまい、エネルギーが無駄に消費されてしまう。
本発明において、前記材料が、Li、Al、Cu、Si、S、Zn、Ge、Se、Ag、Au、In、Snからなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。これらは加熱し溶融させて蒸着可能な金属であり、用途に応じて所望する特性を有する薄膜を形成できる。
本発明において、前記材料の蒸発粒子を酸素と反応させて酸化物薄膜を形成しても良い。これにより、薄膜の特性を改質できる。また、本発明では、融解液面に酸化膜が形成されにくいから、安定して所望する機能性薄膜を形成できる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る薄膜の製造装置の一例の概略構成を示した側面断面図である。
図1において、1は真空容器であり、排気管3とメインバルブ2を介して真空ポンプ(図示せず)に接続されて、その内部は所定の真空度に維持されている。
真空容器1の下部には、第1ソース13を保持するヒーター加熱ルツボ9と、第2ソース18を保持する電子ビーム加熱ルツボ16とが並んで配置されている。10は、ヒーター加熱ルツボ9の内部に挿入されたヒータであり、ヒーター加熱ルツボ9及び第1ソース13を加熱する。17は電子ビーム蒸着用電子銃であり、これから発せられた電子ビーム17aが電子ビーム加熱ルツボ16内の第2ソース18を加熱する。
本発明において、第1ソース13は、ヒーター加熱ルツボ9で加熱されて融解する材料であればよく、例えばLi、Al、Cu、Si、S、Zn、Ge、Se、Ag、Au、In、Snなどがあげられる。また、第2ソース18は特に限定されないが、例えば、Co、Ni、Mn、Fe、V、Cu等を含有する。
第1ソース13及び第2ソース18の上方には、被蒸着基板5が基板ホルダ4により保持されている。
19は反応ガスノズルであり、反応ガス流量コントローラ21で流量がコントロールされながら反応ガス導入管20より導入された反応ガスを、被蒸着基板5の被蒸着面の近傍に導入し、所望する蒸着雰囲気を形成する。反応ガスノズル19より真空容器1に導入されるガスは、特に限定はないが、例えばO2、N2等である。
8はシャッタであり、第1ソース13及び第2ソース18と被蒸着基板5との間に設置され、開閉することにより、蒸着及びその停止を制御する。
22はプラズマ源、24はプラズマ発生ガス導入管である。プラズマ発生ガスが、プラズマ発生ガス流量コントローラ23で流量をコントロールされながら、プラズマ発生ガス導入管24によりプラズマ源22に導入される。プラズマ源22内で放電を起こさせることにより、プラズマを発生させる。プラズマ源22に導入されるガスは、特に限定はないが、例えばO2、Ar、He、Ne、Xe、N2等である。プラズマ源22は、電子ビーム加熱ルツボ16とヒーター加熱ルツボ9との間に挟まれて、被蒸着基板5に対して斜め下方に配置される。プラズマ源22から発生したプラズマは、第1ソース13と第2ソース18とからの蒸気流及び被蒸着基板5に照射される。
6は第1ソース13の蒸着レートモニタ、7は第2ソース18の蒸着レートモニタである。
本発明において、被蒸着基板5上に形成される薄膜は特に限定されないが、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiV25、Li3-αCoαN、Li3-αNiαN、Li3-αCuαN、Li3-αMnαN等とすることにより、得られた薄膜をリチウム2次電池の正極活物質層として使用することができる。LiMxy(Mは金属)の組成式で示される薄膜を形成する場合、使用するソースとしては、LiMxyの組成式で示される材料そのものを用いることも一応可能である。しかしながら、金属の中でLiの蒸気圧が相対的に高いため、金属Mとの間で蒸気圧差が発生し、所望する組成の薄膜を得ることが困難である。このため、図1に示すように、第1ソース13を金属Li、Li酸化物あるいはLi炭酸塩等からなるLi供給用ソースとし、第2ソース18を金属Mあるいは酸化物Mx'y'からなる金属M供給用ソースとすることが好ましい。また、蒸着持には、酸素欠損を防止するために、反応ガスノズル19を用いて酸素を被蒸着基板5の被蒸着領域に導入することが好ましい。
蒸着開始時の真空容器1内部の圧力は特に限定はないが、例えば電子ビーム蒸着を行う場合には、反応ガスノズル19から例えば酸素ガスを0.17×10-2〜1.7×10-1Pa・m3/secで供給しながら1.0×10-3〜6.65×10-2Pa程度の圧力を維持することが好ましい。
次に、ヒーター加熱ルツボ9に設けられたヒータ加熱蓋11及び不活性ガス導入管15から導入される不活性ガスの効果について説明する。以下では、第1ソース13に含まれる材料を第1材料と、第2ソース18に含まれる材料を第2材料と呼ぶことにする。
一般に、蒸着における蒸気分布はcos則に従う。従って、図1に示すように、被蒸着基板5の下に第1ソース13及び第2ソース18を単に並べて配置しただけでは、各ソースからの蒸気分布は各ソースに立てた垂線上にピークを有する。よって、各ソースからの蒸気分布のピーク位置が一致しないため、被蒸着基板5上に形成される第1ソース13による第1材料と第2ソース18による第2材料とからなる薄膜の第1材料と第2材料との組成比率は被蒸着基板5の被蒸着面と平行な方向において均一とはならない。
本発明では、上方から見たときに、第1ソース13,プラズマ源22,第2ソース18を、この順にほぼ一直線上に並ぶように配置し、プラズマ源22からのプラズマを、第1ソース13からの第1材料の蒸発原子、蒸発イオン又は蒸発クラスター(以下、これらを総称して蒸発粒子という)と第2ソース18からの第2材料の蒸発粒子及び被蒸着基板5に照射している。
更に、ヒーター加熱ルツボ9の上部に、スリット状の開口25を有するヒータ加熱蓋11が取り付けられている。従って、ヒーター加熱ルツボ9は開口25を除いて密封され、第1材料の蒸発粒子は開口25から放出される。図2(A)はヒーター加熱ルツボ9の概略構成を示した断面図、図2(B)は図2(A)における矢印2Bから見た開口25の拡大正面図である。開口25は、幅A×長さB×深さHを有している。
図1に示すように、ヒータ加熱蓋11の開口25を除く箇所に不活性ガス導入管15が接続されている。不活性ガスが、不活性ガス流量コントローラ14で流量を制御されて、不活性ガス導入管15より、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで密封された空間内に導入される。この結果、該密封空間内の圧力が上昇し、該密封空間内と真空容器1内との間で圧力差が生じ、この圧力差が、開口25から放出される第1材料の蒸発粒子の進行方向に対して指向性を付与する。
第2ソース18に立てた垂線32と被蒸着基板5の被蒸着面との交点を通り、且つ、開口25の開口中心を通る直線31を定義したとき、開口25の深さH方向は直線31の方向と一致する。換言すれば、開口25を通り深さH方向と平行な直線31が、第2ソース18に立てた垂線32と、被蒸着基板5の被蒸着面上で交差するように、開口25の傾きが設定されている。これにより、被蒸着基板5上に達する第1材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置は、被蒸着基板5上に達する第2材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置とほぼ一致する。その結果、被蒸着基板5上に形成される第1ソース13による第1材料と第2ソース18による第2材料とからなる薄膜の第1材料と第2材料との組成比率の被蒸着面と平行な方向におけるばらつきが改善される。
また、プラズマが被蒸着基板5に照射されることにより、被蒸着基板5に堆積する第1材料及び第2材料の蒸発粒子はエネルギーを与えられ活性化するので、これらの粒子は堆積時に再配列する。この結果、結晶性の良好な薄膜を形成できる。
以上のように、本発明では、ヒータ加熱ルツボ9を開口25を有するヒータ加熱蓋11で密封し、その密封空間内に不活性ガスを導入することにより、蒸発粒子の飛散方向を制御することができる。従って、図1のような多源蒸着を行う場合には、被蒸着面と平行な方向に組成が均一な薄膜を容易に形成できる。
また、開口25の出口が見かけ上の蒸発位置であり、ヒータ加熱ルツボ9内の第1ソース13の融解液面が時間の経過とともに低下しても、第1材料の見かけ上の蒸発位置と被蒸着基板5との間の距離は変化しない。従って、蒸着レートが時間の経過とともに低下せず、高い成膜速度を維持できる。
更に、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで囲まれた密封空間内には不活性ガスが導入されるので、反応ガスノズル19から例えば酸素ガスを導入しながら蒸着を行ったとしても、ヒータ加熱ルツボ9内の第1ソース13の融解液面に酸化膜が形成されることがない。従って、蒸着レートが低下又は不安定になったりすることがない。
本発明において、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで形成される密封空間内に導入される不活性ガスの導入量は0.5×10-2〜8.5×10-2Pa・m3/secであることが好ましい。不活性ガスの導入量が0.5×10-2Pa・m3/secより少ないと、第1材料の蒸発粒子の飛散方向の制御が困難となる。従って、図1のような多源蒸着を行う場合には、被蒸着基板5上において、第1材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置と第2材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置とを一致させることができず、被蒸着面と平行な方向に組成が均一な薄膜が得られにくくなる。また、不活性ガスの導入量が少ないと、ヒータ加熱ルツボ9内の第1ソース13の融解液面に酸化膜などの化合物膜が形成されやすくなる。一方、不活性ガスの導入量が8.5×10-2Pa・m3/secより多いと、第1材料の蒸発粒子の飛散方向の指向性が強くなる。従って、図1のような多源蒸着を行う場合には、被蒸着基板5上において均一組成の薄膜が得らる範囲が狭くなる。
また、図1において、直線31と垂線32とを含む平面と平行な方向における開口25の開口幅を幅A、該平面と直交する方向における開口25の開口幅を長さB、直線31方向における開口25の寸法を深さHとしたとき(図2(A)及び図2(B)参照)、H/A≧5であることが好ましい。また、B/A≧30であることが好ましい。H/A<5のときやB/A<30のときは、第1材料の蒸発粒子の飛散方向の制御が困難となる。従って、図1のような多源蒸着を行う場合には、被蒸着基板5上において、第1材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置と第2材料の蒸発粒子の密度分布のピーク位置とを一致させることができず、被蒸着面と平行な方向に組成が均一な薄膜が得られにくくなる。第1材料のピーク位置と第2材料のピーク位置とを一致させようとすると、ヒータ加熱ルツボ9及びヒータ加熱蓋11の位置を被蒸着基板5から遠ざけなければならず、被蒸着基板5上での薄膜の形成速度が低下する。
開口25の長さBが被蒸着基板5の長さBと同方向の幅の60%以上であることが好ましい。長さBが被蒸着基板の幅の60%未満であると、被蒸着基板5の幅方向の両端において第1材料の蒸発粒子の付着量の低下が著しくなる。従って、図1のような多源蒸着を行う場合には、被蒸着基板5の幅方向において組成が均一な薄膜が得られにくくなる。
また、ヒータ加熱蓋11は、ヒータ加熱ルツボ9と同様に、ヒータ12で加熱されることが好ましい。このとき、ヒータ加熱蓋11は、ヒータ加熱ルツボ9より高温に加熱されることが好ましい。これにより、蒸発粒子が放出される開口25の周囲に蒸発粒子が結露したり凝固したりして、開口25が塞がれるのを防止できる。特に、ヒータ加熱蓋11の温度T2がヒータ加熱ルツボ9の温度T1より20〜100℃高いことが好ましい。T2−T1<20℃のときには、開口25の周囲に蒸発粒子が結露したり凝固したりして開口25が塞がれる可能性がある。T2−T1>100℃のときには、開口25の周囲への蒸発粒子の付着防止効果は飽和してしまい、エネルギーが無駄に消費されてしまう。
上記の実施の形態では、第2ソース18を電子ビーム加熱ルツボ16により加熱したが、第2ソース18の加熱法はこれに限定されず、その材料に応じて周知の加熱法を適宜選択して用いることができる。例えば、第2ソース18を抵抗加熱又はレーザー照射加熱しても良い。
また、被蒸着面としての被蒸着基板5の材質は特に限定されず、樹脂、金属、セラミックスなどであっても良く、またその形態も特に限定されず、例えばフィルム又はシート状であっても良い。また、上記の実施の形態では被蒸着基板5は停止していたが、例えば、複数の被蒸着基板5を断続的に移動させて順に薄膜を形成しても良く、あるいは、長尺の被蒸着基板5を連続的に走行させながら薄膜を形成しても良い。
また、ソースの数は2つに限られず、1つ又は3つ以上であっても良い。上述したヒータ加熱ルツボ9及びヒータ加熱蓋11を組み合わせた蒸発源は蒸発粒子の飛散方向の制御が容易であるので、複数のソースを用いる場合には、この蒸発源を用いることにより、被蒸着面と平行な方向に組成が均一な薄膜を容易に得られる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る薄膜の製造装置の一例の概略構成を示した側面断面図である。
図3において、1は真空容器であり、排気管3とメインバルブ2を介して真空ポンプ(図示せず)に接続されて、その内部は所定の真空度に維持されている。
真空容器1の下部には、ソース13を保持するヒーター加熱ルツボ9が配置されている。10は、ヒーター加熱ルツボ9の内部に挿入されたヒータであり、ヒーター加熱ルツボ9及びソース13を加熱する。
本発明において、ソース13は、ヒーター加熱ルツボ9で加熱されて融解する材料であればよく、例えばLi、Al、Cu、Si、S、Zn、Ge、Se、Ag、Au、In、Snなどがあげられる。
ソース13の上方には、被蒸着基板5が基板ホルダ4により保持されている。
19は反応ガスノズルであり、反応ガス流量コントローラ21で流量がコントロールされながら反応ガス導入管20より導入された反応ガスを、被蒸着基板5の被蒸着面の近傍に導入し、所望する蒸着雰囲気を形成する。反応ガスノズル19より真空容器1に導入されるガスは、特に限定はないが、例えばO2、N2等である。
8はシャッタであり、ソース13と被蒸着基板5との間に設置され、開閉することにより、蒸着及びその停止を制御する。
本発明において、被蒸着基板5上に形成される薄膜は特に限定されないが、例えば、Li薄膜とすることにより、得られた薄膜をリチウム2次電池の負極活物質層として使用することができる。また、LiO2薄膜を形成する場合には、酸素欠損を防止するために、反応ガスノズル19を用いて酸素を被蒸着基板5の被蒸着領域に導入することが好ましい。
蒸着開始時の真空容器1内部の圧力は特に限定はないが、例えば抵抗加熱蒸着を行う場合には、反応ガスノズル19から例えば酸素ガスを0.17×10-2〜1.7×10-1Pa・m3/secで供給しながら1.0×10-3〜6.65×10-2Pa程度の圧力を維持することが好ましい。
次に、ヒーター加熱ルツボ9に設けられたヒータ加熱蓋11及び不活性ガス導入管15から導入される不活性ガスの効果について説明する。
一般に、蒸着における蒸気分布はcos則に従う。従って、ソースの融解液面が蒸発の進行とともに低下すると、蒸発レートは距離の自乗に比例して低下する。蒸発レートを一定に維持するためには、従来は、蒸発レートをモニターしながら、ソースの温度を徐々に上昇させて蒸発量を増加させる制御が必要であった。
また、O2等の反応性ガスを導入しながら蒸着を行う場合、ソースの融解液面が反応性ガスと反応し化合物層が形成されるので、蒸発レートが時間の経過とともに低下したり不安定になったりする。蒸発レートを一定に維持するためには、従来は、蒸発レートをモニターしながら、蒸発レートが一定になるようにソースの温度を制御する必要があった。但し、融解液面の全面が反応性ガスとの化合物で覆われてしまうと、蒸発レートの制御はもはや困難であった。
本発明では、ヒーター加熱ルツボ9の上部に、スリット状の開口25を有するヒータ加熱蓋11が取り付けられ、これらによって形成される密封空間内にソース13が収容されている。ヒータ加熱蓋11の開口25を除く箇所に不活性ガス導入管15が接続されている。不活性ガスが、不活性ガス流量コントローラ14で流量を制御されて、不活性ガス導入管15より、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで密封された空間内に導入される。この結果、該密封空間内の圧力が上昇し、該密封空間内と真空容器1内との間で圧力差が生じ、この圧力差が、開口25から放出されるソース13の蒸発粒子の進行方向に対して指向性を付与する。
開口25は、幅(図3の紙面左右方向の寸法)A×長さ(図3の紙面の垂直方向の寸法)B×深さHを有している。深さHの方向は垂直方向(図3の紙面上下方向)と平行であり、開口25に立てた垂線は被蒸着基板5の被蒸着面と直交する。
本実施の形態では、開口25の出口が見かけ上の蒸発位置であり、ヒータ加熱ルツボ9内のソース13の融解液面が時間の経過とともに低下しても、ソース13の見かけ上の蒸発位置と被蒸着基板5との間の距離は変化しない。従って、蒸着レートが時間の経過とともに低下せず、高い成膜速度を維持できる。
更に、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで囲まれた密封空間内には不活性ガスが導入されるので、反応ガスノズル19から例えば酸素ガスを導入しながら蒸着を行ったとしても、ヒータ加熱ルツボ9内のソース13の融解液面に酸化膜が形成されることがない。従って、蒸着レートが低下又は不安定になったりすることがない。
このように、本実施の形態では、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで囲まれた密封空間内にソース13を収容し、この密封空間内に不活性ガスを導入することにより、蒸着レートの制御性を改善し、安定した薄膜形成を可能にする。
更に、開口25の寸法や、密封空間内に導入される不活性ガスの供給量によって、蒸発粒子の飛散方向を制御することができる。従って、被蒸着基板5の被蒸着面のサイズが変わっても、被蒸着基板5とソース13との距離を変えることなく、所望する領域内において厚みが一定の薄膜を容易に形成できる。また、被蒸着基板5の真下にソース13を配置できない場合にも、開口25の深さ方向の傾きを調整することにより、厚みの均一な薄膜を形成できる。
本実施の形態において、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで形成される密封空間内への不活性ガスの導入量、開口25の寸法、ヒータ加熱蓋11の温度は、特に制限はないが、実施の形態1で説明したのと同様に設定することが好ましい。また、被蒸着基板5の材質や形状についても、特に制限はないが、実施の形態1で説明したのと同様に設定できる。
[実施例I]
実施の形態1に対応した実施例を示す。
図1に示した装置を用い、長さ(図1の紙面の左右方向の寸法)400mm×幅(図1の紙面の垂直方向の寸法)100mmで厚み10μmのステンレス箔からなる被蒸着基板5上に、第1ソース13としてLi、第2ソース18としてCoを用いた多源蒸着法によって、リチウム2次電池の正極活物質層として使用可能な厚さ1μmのLiCoO2層を形成した。蒸着雰囲気として、反応ガスノズル19より酸素ガスを導入することにより1.33×10-2Paの酸素ガス雰囲気を形成した。ヒータ10によりヒーター加熱ルツボ9内のLiを600℃に加熱して、Liの蒸発粒子が被蒸着基板5に堆積する速度が所定の値になるように制御した。
電子ビーム加熱ルツボ16内のCoを加熱する電子ビーム蒸着用電子銃17が発する電子ビーム17aの加速電圧は10kV、電流は0.05〜0.5Aとした。被蒸着基板5上でLiとCoとの比が1になるようにそれぞれの蒸着レートを制御した。
Li及びCoの各蒸発粒子の被蒸着基板5に堆積する速度(Li堆積速度、Co堆積速度)は、蒸着レートモニタ6,7を用いて測定した。蒸着レートモニタ6,7としては、水晶発振子の周波数変化を利用した、インフィコン社製のXTC/2を使用した。
プラズマ源22にArを導入してプラズマを発生させた。
ヒーター加熱蓋11の蒸発粒子が放出される開口25の出口と第2ソース18との水平方向距離Lは14.4cm、第1ソース13と被蒸着基板5との垂直方向距離H1は25cm、第2ソース18と被蒸着基板5との垂直方向距離H2は30cmとした。ヒーター加熱蓋11の開口25の深さH方向と平行な直線31と開口25に立てた垂線33とが角度θ=30°で交差するように、開口25の傾斜角度を設定した。
(実施例1)
ヒーター加熱蓋11の温度を650℃に加熱し、開口25の寸法を幅A=2mm、長さB=60mm、深さH=10mmとし、不活性ガス流量コントローラ14でArガス流量を0〜1.7×10-1Pa・m3/secの範囲で種々に変更して成膜を行った。
各条件下で被蒸着基板5上に形成された薄膜について、開口25に立てた垂線33が被蒸着基板5を貫く位置(開口25の真上の位置)C1を中心として、縦横方向に各2cm間隔の格子状に領域分割し、4cm2の各領域を切り出して、各領域内の薄膜のLi及びCoの重量をICP(Inductively Coupled Plasma Spectrometry)で測定した。
被蒸着基板5上でLiの重量分布を求め、Liの重量ピーク位置の上記位置C1からの距離をLiピーク位置移動量とした。また、第2ソース18に立てた垂線32が被蒸着基板5を貫く位置(Coソース18の真上の位置)C2を通り、被蒸着基板5の長手方向(図1の紙面の左右方向)と平行な直線に沿って薄膜中のLi及びCoの各組成割合(atm%)を求め、これからLi/Co組成比を求め、該方向における組成比分布を求めた。
図4に、横軸をAr導入量、縦軸をLiピーク位置移動量とした測定結果を示す。また、図5に、横軸を位置C2を原点とした被蒸着基板5の長手方向に沿った位置、縦軸を各位置でのLi/Co組成比とした測定結果を示す。
図4より、Ar導入量が0.5×10-2Pa・m3/sec以上の場合に、Liの重量ピーク位置が移動していることがわかる。即ち、被蒸着基板5上に達するLiの蒸発粒子の密度分布のピーク位置をAr導入量により制御可能であることが分かる。
また図5より、Ar導入量が0.5×10-2Pa・m3/sec以上の場合に、被蒸着基板5の長手方向においてLi/Co組成比のばらつきが少ない薄膜を形成できることが分かる。
(実施例2)
ヒーター加熱蓋11の温度を650℃に加熱し、開口25の寸法を幅A=2mm、長さB=60mm、深さH=5mmとし、不活性ガス流量コントローラ14でArガス流量を1.7×10-2Pa・m3/secにして成膜を行った。
実施例1と同様にして、Liの重量ピーク位置の上記位置C1からの距離であるLiピーク位置移動量を求めた。
図6に、横軸を開口25の深さH、縦軸をLiピーク位置移動量とした測定結果を示す。
図6より、開口25の深さHが5mm(H/A=2.5)の本実施例では、深さHが10mm(H/A=5)の実施例1に比べて、Liの重量ピーク位置の移動量が小さいことがわかる。即ち、H/Aが大きいほど、被蒸着基板5上に達するLiの蒸発粒子の密度分布のピーク位置の制御性が向上することが分かる。
(実施例3)
ヒーター加熱蓋11の温度を650℃に加熱し、開口25の寸法を幅A=5mm、長さB=60mm、深さH=10mmとし、不活性ガス流量コントローラ14でArガス流量を1.7×10-2Pa・m3/secにして成膜を行った。
実施例1と同様にして、Liの重量ピーク位置の上記位置C1からの距離であるLiピーク位置移動量を求めた。
図7に、横軸を開口25の幅A、縦軸をLiピーク位置移動量とした測定結果を示す。
図7より、開口25の幅Aが5mm(H/A=2、B/A=12)である本実施例では、幅Aが2mm(H/A=5、B/A=30)の実施例1に比べて、Liの重量ピーク位置の移動量が小さいことがわかる。即ち、H/A、B/Aが大きいほど、被蒸着基板5上に達するLiの蒸発粒子の密度分布のピーク位置の制御性が向上することが分かる。
(実施例4)
ヒーター加熱蓋11の温度を650℃に加熱し、開口25の寸法を幅A=2mm、長さB=30mm、深さH=10mmとし、不活性ガス流量コントローラ14でArガス流量を1.7×10-2Pa・m3/secにして成膜を行った。
被蒸着基板5上に形成された薄膜を、Coソース18に立てた垂線32が貫く位置(Coソース18の真上の位置)C2を中心として、縦横方向に各2cm間隔の格子状に領域分割し、4cm2の各領域を切り出して、各領域内の薄膜の断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察し、被蒸着基板5上のLiCoO2の膜厚分布を求めた。
図8に、横軸を位置C2を原点とした被蒸着基板5の幅方向(図1の紙面の垂直方向)に沿った位置、縦軸を各位置でのLiCoO2の膜厚とした測定結果を示す。縦軸は、最大膜厚を1として規格化している。
図8より、開口25の長さBが被蒸着基板5の幅の30%である本実施例(点線)では、開口25の長さBが被蒸着基板5の幅の60%である実施例1(点線)に比べて、被蒸着基板5の幅方向の両端でのLiCoO2膜厚の低下が著しい。これは、被蒸着基板5の幅方向の両端においてLiの蒸発粒子の付着量が低下しているためであると思われる。
[実施例II]
実施の形態2に対応した実施例を示す。
図3に示した装置を用い、ソース13として5gのLiを用い、反応ガスノズル19より酸素ガスを導入しながら、被蒸着基板5上にLi2O薄膜を形成した。Liの蒸発粒子の被蒸着基板5に堆積する速度(Li堆積速度)を蒸着レートモニタ6を用いて測定した。蒸着レートモニタ6としては、水晶発振子の周波数変化を利用した、インフィコン社製のXTC/2を使用した。蒸着レートモニタ6はシャッター8に対してソース13とは反対側に配置されており、シャッター8が開放されたときのみLi堆積速度を測定できる。開口25に立てた垂線上に蒸着レートモニタ6を設置した。開口25の出口と蒸着レートモニタ6との垂直方向距離は25cmとした。
ヒーター加熱ルツボ9の温度が650℃に達した時から5分経過した時を基準時とし、基準時より30分経過ごとに、1回あたり5分間シャッター8を開放し、その5分間のLi堆積厚みより1分あたりの平均堆積量を計算し蒸着レート(nm/min)とした。測定は、基準時より180分間行った。
(実施例5)
ヒーター加熱蓋11の温度を680℃に加熱し、開口25の寸法を幅A=2mm、長さB=60mm、深さH=10mmとし、ヒータ加熱ルツボ9とヒータ加熱蓋11とで密封された空間内へのArガス流量を1.7×10-2Pa・m3/secとし、反応ガスノズル19からの酸素ガス流量を1.4×10-1Pa・m3/secとして成膜を行った。
(比較例1)
Arガスの導入を行わない以外は実施例5と同条件で成膜を行った。
(比較例2)
ヒーター加熱蓋11を使用せず、Arガス導入を行わない以外は実施例5と同条件で成膜を行った。
(比較例3)
ヒーター加熱蓋11を使用せず、Arガス導入及び酸素ガス導入を行わない以外は実施例5と同条件で成膜を行った。
実施例5及び比較例1〜3のLi蒸着レートの経時変化を図9に示す。実施例5では蒸着レートはほとんど変化していないが、比較例1〜3では蒸着レートが時間の経過とともに低下していることが分かる。
本発明によって得られる薄膜の用途は特に限定されない。例えば、リチウム2次電池を薄膜積層して製造する場合に応用できる。この場合のリチウム2次電池としては、正極とセパレータと負極とからなる積層体を電解液中に浸漬した液型リチウム2次電池、及び薄膜積層技術により形成した固体電解質を用いたリチウム2次電池のいずれであってもよい。更に、その他の薄膜積層技術により製造される電子部品など、真空蒸着が行われる分野に広範囲に応用可能である。
本発明の実施の形態1に係る薄膜の製造装置の概略構成を示した側面断面図である。 図2(A)は本発明の実施の形態1に係るヒーター加熱ルツボの概略構成を示した断面図、図2(B)は図2(A)における矢印2Bから見た開口の拡大正面図である。 本発明の実施の形態2に係る薄膜の製造装置の概略構成を示した側面断面図である。 本発明の実施例1において、Ar導入量とLiピーク位置移動量との関係を示したグラフである。 本発明の実施例1において、被蒸着基板の長手方向に沿ったLi/Co組成比分布を示したグラフである。 本発明の実施例2において、開口の深さHとLiピーク位置移動量との関係を示したグラフである。 本発明の実施例3において、開口の幅AとLiピーク位置移動量との関係を示したグラフである。 本発明の実施例4において、被蒸着基板の幅方向に沿ったLiCoO2の膜厚分布を示したグラフである。 本発明の実施例5及び比較例1〜3において、蒸着レートの経時変化を示したグラフである。
符号の説明
1 真空容器
2 メインバルブ
3 排気管
4 基板ホルダ
5 被蒸着基板
6 蒸着レートモニタ
7 蒸着レートモニタ
8 シャッター
9 ヒーター加熱ルツボ
10 ヒータ
11 ヒータ加熱蓋
12 ヒータ
13 第1ソース
14 不活性ガス流量コントローラ
15 不活性ガス導入管
16 電子ビーム加熱ルツボ
17 電子ビーム蒸着用電子銃
18 第2ソース
19 反応ガスノズル
20 反応ガス導入管
21 反応ガス流量コントローラ
22 プラズマ源
23 プラズマ発生ガス流量コントローラ
24 プラズマ発生ガス導入管
25 開口

Claims (11)

  1. 材料を加熱し、前記材料を蒸発させて、被蒸着面上に前記材料を含む薄膜を真空蒸着により形成する薄膜の製造方法であって、
    ルツボと開口を有する蓋とで前記開口を除いて密封された空間内に前記材料を収容し、前記密封された空間内に不活性ガスを導入しながら前記材料を加熱し、前記材料の蒸発粒子を前記開口から放出させることを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 前記不活性ガスの導入量が0.5×10-2〜8.5×10-2Pa・m3/secである請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  3. 前記開口が幅A×長さB×深さHのスリット状であり、H/A≧5である請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  4. 前記開口が幅A×長さB×深さHのスリット状であり、B/A≧30である請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  5. 前記蓋の温度が前記ルツボの温度より高い請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  6. 前記蓋の温度が前記ルツボの温度より20〜100℃高い請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  7. 前記材料が、Li、Al、Cu、Si、S、Zn、Ge、Se、Ag、Au、In、Snからなる群から選ばれた少なくとも一種を含む請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  8. 前記材料の蒸発粒子を酸素と反応させて酸化物薄膜を形成する請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  9. 材料を加熱し、前記材料を蒸発させて、被蒸着面上に前記材料を含む薄膜を真空蒸着により形成する薄膜の製造装置であって、
    前記材料を収容するためのルツボと、
    前記ルツボを加熱する加熱装置と、
    開口を備え、前記ルツボと一体化されて、前記開口を除いて密封された空間を形成する蓋と、
    前記蓋を加熱する加熱装置と、
    前記密封された空間内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入装置と
    を具備することを特徴とする薄膜の製造装置。
  10. 前記開口が幅A×長さB×深さHのスリット状であり、H/A≧5である請求項9に記載の薄膜の製造装置。
  11. 前記開口が幅A×長さB×深さHのスリット状であり、B/A≧30である請求項9に記載の薄膜の製造装置。
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