JP2005105320A - メッキ装置及びメッキ処理方法 - Google Patents

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JP2005105320A JP2003338273A JP2003338273A JP2005105320A JP 2005105320 A JP2005105320 A JP 2005105320A JP 2003338273 A JP2003338273 A JP 2003338273A JP 2003338273 A JP2003338273 A JP 2003338273A JP 2005105320 A JP2005105320 A JP 2005105320A
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Fumito Ueha
文人 上羽
Hiroe Hashimoto
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Abstract

【課題】ワークの所望の部位にのみ金属メッキ層を設ける。
【解決手段】電気メッキ装置10は、第1側板24aと射出成形用金型Dのメッキ面Sとの間に構成されたメッキ槽14と、該メッキ槽14の一端面に連設されたオーバーフロー槽16と、メッキ液18を貯留する貯留槽20と、各種の前処理液を貯留する第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dとを有する。貯留槽20から揚液されたメッキ液18は、第1供給ライン48を経由してスペース40に供給され、射出成形用金型Dのメッキ面Sに接触する。この接触の際、メッキ面Sに金属メッキ層が形成される。メッキ液18は、さらに、オーバーフロー槽16にオーバーフローして、第1回収ライン50を経由し、濾過器58で不純物が除去された後、貯留槽20に回収される。
【選択図】図1

Description

本発明は、メッキ装置及びメッキ処理方法に関し、一層詳細には、ワークにおける所望の部位にのみメッキを施すことが可能であり、且つメッキ液の品質を保持することが容易なメッキ装置及びメッキ処理方法に関する。
メッキ処理、特にメッキ液の中にワークを浸漬し、且つ通電を行う電気メッキ処理は、金属の表面の特性を向上させる表面処理方法の1つとして従来から知られており、広汎に実施されている。
電気メッキ処理を行う際には、特許文献1に記載されているように、ワーク全体がメッキ液に浸漬される。この状態で、前記ワークと、該ワークとともに前記メッキ液に浸漬された電極とに通電が行われ、これに伴って電界が生じる結果、メッキ液中の金属イオンがワーク表面に金属メッキ層として析出し、ワークにメッキが施される。なお、通電がなされる最中、金属メッキ層の膜厚等を一定とするため、メッキ液の濃度や温度、pH等が所定範囲内に保持される。
近年では、メッキ液を貯留したメッキ槽を、ワークにおける金属メッキ層を析出させる部位にのみ載置させることも提案されている(特許文献2参照)。
特開平1−198493号公報(第5図) 特開平7−138783号公報(図1)
上記したように、電気メッキ処理においては、ワーク全体をメッキ液に浸漬することが通常であるが、この場合、ワークが大きくなるほどメッキ槽を大きくして多量のメッキ液を使用せざるを得ない。しかしながら、この場合、メッキ液の濃度や温度、pH等を所定範囲内に保持することが困難となる。
また、金属メッキ層を設ける必要のない部位に対しては、メッキを施す前に予めマスキング処理を行わなければならない。このため、前処理工程の工数が多くなり、結局、メッキを効率よく施すことができない。
この不具合を解消するためには、特許文献2に提案されているように、金属メッキ層を析出させる部位にのみメッキ槽を載置すればよいとも想起される。しかしながら、このようなメッキ槽は、寸法が異なるワークに対してメッキを施す場合には使用することができない。すなわち、例えば、金属メッキ層を設ける面積が大きくなる場合、メッキを繰り返して施すようにしなければならない。また、金属メッキ層を設ける面積が小さくなる場合、金属メッキ層を設けない部位に対してマスキング処理を施す必要が生じる。
しかも、特許文献2に記載された方法では、メッキ液に析出した不純物を取り除くことができない。さらに、電気メッキ処理を実施する前には、通常、ワークの表面を脱脂する等の前処理を施すが、特許文献2に記載された装置構成では、前処理を行うことができないので、前処理を行う設備が別に必要となるという不具合がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、種々の寸法のワークに対して使用することができるとともにメッキ液量を可及的に少なくすることが可能であり、しかも、メッキ液から不純物を容易に除去することができ、前処理を実施することも可能なメッキ装置及びメッキ処理方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、ワークを固定保持するワーク配置部と、
前記ワークのメッキが施される部位を用いて形成され、前記部位に対してメッキ処理を行うためのメッキ液が供給されるメッキ処理部と、
前記メッキ処理部に連設されて該メッキ処理部からオーバーフローしたメッキ液を回収するためのオーバーフロー槽と、
前記ワークに対してメッキを施す際に前記メッキ処理部に送液されるメッキ液を貯留し、且つ前記オーバーフロー槽にオーバーフローしたメッキ液を回収するための貯留槽と、
前記メッキ液を、前記メッキ処理部、前記オーバーフロー槽及び前記貯留槽に循環させるメッキ液循環系と、
を有することを特徴とする。
本発明においては、ワークのメッキが施される部位との間でメッキ処理部を構成するので、ワークの寸法や形状に応じて、適切なメッキを施すことができる。このため、メッキ槽を複数個用意する必要がなくなるので、ワークに応じてメッキ装置を用意する必要がなくなり、全体としてメッキに要するコストが低廉化する。
しかも、本発明においては、ワークのメッキが施される部位を利用してメッキ処理部を設け、このメッキ処理部に対してのみメッキ液を供給するようにしているので、メッキ装置を小型且つ簡素な構成とすることができる。
そして、この場合、メッキ液の使用量が少なくなるので、該メッキ液の濃度や温度、pH等を所定の範囲内に保持することが容易となるという利点もある。
さらに、本発明では、ワークのマスキング部位を著しく低減することができるので、マスキングに要するコストを削減することもできる。
本発明においては、電気メッキを行うことも可能である。この場合、前記メッキ処理部と前記ワークとの間に貯留されたメッキ液に浸漬される電極と、前記ワーク及び前記電極に通電するための電源とを設けるようにすればよい。
いずれの場合においても、前処理設備を付設することが好ましい。すなわち、メッキを施す前に行う前処理のための前処理液を貯留する前処理液貯留槽と、前処理液を前記メッキ処理部に供給する供給機構と、前処理液を前記メッキ処理部から回収する回収機構とをさらに設けることが好ましい。この場合、前処理とメッキ処理とを別個の装置で行う必要がない。従って、メッキ装置を設けるコストを一層低廉化することができる。
また、オーバーフロー槽にオーバーフローしたメッキ液を濾過するための濾過手段を設置することが好ましい。これにより、メッキを施す最中に析出した不純物を除去することができるので、清浄なメッキ液を循環させることができる。その結果、形成されるメッキ層の品質が一層向上する。
さらに、本発明は、ワークのメッキが施される部位を使用してメッキ処理部を形成する工程と、
メッキ液を貯留槽から前記メッキ処理部にのみ供給して、前記ワークに対してメッキを施す工程と、
前記メッキ処理部からオーバーフローしたメッキ液を、該メッキ処理部に連設されたオーバーフロー槽を介して前記貯留槽に回収する工程と、
を有することを特徴とする。
このように、本発明に係るメッキ処理方法においては、ワークとの間に形成されたメッキ処理部にのみメッキ液を供給するので、メッキ液の濃度や温度、pH等を容易に管理し且つ保持することができる。
この場合、前記メッキ処理部に電極を配設し、前記電極と前記ワークとに通電を行いながら該ワークに対してメッキを施すようにしてもよい。すなわち、本発明においては、電気メッキ処理を行うこともできる。
そして、メッキ処理部をワークとの間で形成した後、該メッキ処理部にメッキ液を供給する前に、前処理液貯留槽から前処理液を供給及び回収してワークに対して前処理を施すことが好ましい。このプロセスによれば、前処理とメッキ処理とを1つの設備で実施するので、装置構成を簡素化することができるとともに、メッキに要するコストを低廉化することができる。
いずれの場合においても、オーバーフロー槽からオーバーフローしたメッキ液を濾過した後、前記メッキ処理部に再供給することが好ましい。これにより清浄なメッキ液を循環させることができるので、ワークに形成されるメッキ層の品質を保持することができるからである。
本発明によれば、ワークのメッキが施される部位との間でメッキ処理部を形成するので、ワークの寸法や形状に応じてメッキ処理部の寸法や形状を適宜変更することができる。しかも、ワークにおけるメッキを施す面にのみメッキ液を接触させることができるので、装置構成が著しく簡素化される。このため、メッキ装置を設けるためのコストを低廉化することができる。また、メッキ液の使用量が少なくなるので、メッキ液の濃度や温度、pH等を所定の範囲内に保持することが容易となり、高品質なメッキを安定して得ることが可能となる。
以下、本発明に係るメッキ処理方法につきそれを実施するメッキ装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態において、メッキを施されるワークは、射出成形によって樹脂製品を得るための射出成形装置を構成する射出成形用金型Dであり、鋳鉄からなる。
本実施の形態に係る電気メッキ装置の全体概略構成図を図1に示す。この電気メッキ装置10は、架台12上に載置されて射出成形用金型Dを囲繞するメッキ槽14と、該メッキ槽14の一端面に連設されたオーバーフロー槽16と、鉄イオンが存在するメッキ液18を貯留する貯留槽20と、第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dとを有する。これら第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dには、それぞれ、電解脱脂液、水、化学研磨処理液、塩酸が貯留されている。
図2に示すように、メッキ槽14は、第1〜第4側板24a〜24dを有し、これら第1〜第4側板24a〜24dは、図示しない底板に連結されている。この底板と第1〜第4側板24a〜24dとの間には、それぞれ図示しないシール部材が介装されている。
第1側板24a及び第4側板24dには、長手方向に対して略垂直に立ち上がったボルト代26a、26bがそれぞれ設けられている。これらボルト代26a、26bと、第2側板24b及び第3側板24cの一端部とが、複数個のボルト28・ナット30によって互いに連結されることにより、メッキ槽14が構成されている。そして、第1側板24aと、第2側板24b及び第3側板24cとの間には、メッキ液18が漏洩することを防止するためのパッキン32が介装されている。以上から諒解されるように、メッキ槽14は、組立及び分解可能に構成されている。
射出成形用金型Dは、メッキが施される面(以下、メッキ面という)Sが第1側板24aに臨むようにして、メッキ槽14の第1〜第4側板24a〜24dに囲繞され、固定保持される。この際、前記底板、第2側板24b及び第3側板24cと、射出成形用金型Dの底面及び両側面におけるメッキ面Sの近傍との間には、メッキ液18を堰止するためのシール部材38が介在される。すなわち、本実施の形態においては、射出成形用金型Dにおけるメッキ面Sと第1側板24aとの間のスペース40にのみメッキ液18が導入され、メッキ面Sとの間でメッキ処理部が形成される。
このスペース40には、電極42が起立した状態で挿入される。該電極42及び射出成形用金型Dは、それぞれ、リード線44a、44bを介して電源46に電気的に接続される。なお、電極42は、図示しない支持部材によって支持されている。
第1側板24aにおいて、ボルト代26aが設けられた側の端面には、前記オーバーフロー槽16が溶接によって連設されている。メッキ槽14とオーバーフロー槽16とを区画する隔壁47の高さは、射出成形用金型Dのメッキ面Sに比して小さく、このため、メッキ槽14に供給されたメッキ液18は、メッキ面Sの所定の高さまで接触した後、隔壁47を越えてオーバーフロー槽16に流入する。なお、隔壁47は、第1側板24aの一部を切り欠くことによって設けられる。
ここで、図1に示すように、メッキ槽14と前記貯留槽20との間には第1供給ライン48が橋架されており、一方、オーバーフロー槽16と貯留槽20との間には第1回収ライン50が橋架されている。同様に、メッキ槽14と前記第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dとの間には第2供給ライン52が橋架されており、一方、オーバーフロー槽16と第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dとの間には、第1回収ライン50から分岐された第2回収ライン54が橋架されている。そして、第1供給ライン48、第1回収ライン50、第2供給ライン52及び第2回収ライン54には、供給機構又は回収機構として機能する第1〜第4ポンプ56a〜56dがそれぞれ介装されている。なお、図1中、参照符号57は、メッキ槽14から各種の液を排出・回収するための排出回収ラインを示す。
また、第1回収ライン50には濾過器58が介装されており、第2供給ライン52及び第2回収ライン54は、第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dのそれぞれに対応してさらに分岐されている。勿論、排出回収ライン57と第1回収ライン50との分岐点、第1回収ライン50と第2回収ライン54との分岐点、第2供給ライン52及び第2回収ライン54における第1〜第4前処理液貯留槽22a〜22dに対応する分岐点には、それぞれ、切替バルブ60が配設されている。
貯留槽20の内部には、図示しない温度検出器及びpH検出器が設置される。その一方で、貯留槽20の周囲には、該貯留槽20を囲繞するようにヒータ62が配設される。前記温度検出器とヒータ62とは、図示しない制御回路に電気的に接続されており、ヒータ62の出力は、温度検出器によって検出されたメッキ液18の温度に応じて、制御回路の制御作用下に調節される。
同様に、pH検出器も制御回路に電気的に接続されており、制御回路は、メッキ液18のpHが予め設定された設定範囲を超えた場合、警告音を発するように設定されている。
本実施の形態に係る電気メッキ装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
射出成形用金型Dに対してメッキを施すに際しては、先ず、前処理が行われる。具体的には、脱脂処理、さらにはサンドブラスト処理を行って、射出成形用金型Dのメッキ面Sを清浄する。
次に、この射出成形用金型Dの所定部位を、前記底板、第2側板24b及び第3側板24cに予め設けられたシール部材38(図2参照)に当接させる。これにより、前記底板、第2側板24b及び第3側板24cと、射出成形用金型Dの底面及び両側面におけるメッキ面Sの近傍との間に、シール部材38が介在される。
そして、射出成形用金型Dのメッキ面Sに第1側板24aを対向させるとともに、該メッキ面Sの反対面に第4側板24dを対向させる。ボルト28・ナット30を介して第1側板24aと第2側板24b及び第3側板24cとを連結し、同様にして第4側板24dと第2側板24b及び第3側板24cとを連結すれば、メッキ面Sによってその一部が形成されるメッキ処理部を有するメッキ槽14が構成される。なお、上記したように、第1側板24aと第2側板24b及び第3側板24cとの間にはパッキン32が介装される。
以上のようにして構成されたメッキ槽14の一部であるメッキ面Sに対し、次に、さらなる前処理が施される。すなわち、第2ポンプ56b(図1参照)の揚液作用下に、第1前処理液貯留槽22aから第2供給ライン52を経由して電解脱脂液が供給される。この電解脱脂液は、メッキ槽14の下方から第1側板24aと射出成形用金型Dとの間のスペース40に導入され、射出成形用金型Dのメッキ面Sの所定の高さまで接触し、さらに、メッキ槽14からオーバーフロー槽16にオーバーフローした後、第3ポンプ56cの作用下に第2回収ライン54を介して第1前処理液貯留槽22aに回収される。このようにして電解脱脂液が循環される最中、該電解脱脂液に接触する射出成形用金型Dのメッキ面Sがさらに脱脂される。この際、電解脱脂液がシール部材38によって堰止されるので、電解脱脂液が第4側板24d側に漏洩することはない。以上の過程の間、切替バルブ60が、排出回収ライン57が閉止するように設定されていることはいうまでもない。
電解脱脂液の循環、及び排出回収ライン57を開放しての電解脱脂液の回収が終了した後、上記と同様にして、第2前処理液貯留槽22bから水、第3前処理液貯留槽22cから化学研磨処理液、再度第2前処理液貯留槽22bから水、第4前処理液貯留槽22dから塩酸をこの順序で循環させ、メッキ面Sのさらなる前処理を行う。この前処理の間、各液が第2ポンプ56bの揚液作用下に各貯留槽22b〜22dから第2供給ライン52を経由して供給され、オーバーフロー槽16から、第3ポンプ56cの作用下に第2回収ライン54を介して各貯留槽22a〜22dに回収されること、処理終了後は排出回収ライン57を介してメッキ槽14から排出・回収されることは上記と同様である。勿論、この際には、排出回収ライン57、第2供給ライン52及び第2回収ライン54に配設された各切替バルブ60が適宜切り替えられる。
以上のようにして前処理を行う間、制御回路の制御作用下に、温度検出器及びヒータ62によって貯留槽20内のメッキ液18を所定の温度範囲内に昇温して保持する。また、pH検出器によってpHを監視する。
次に、本実施の形態に係る電気メッキ処理方法を実施する。
第2供給ライン52の切替バルブ60を全て閉止するとともに、排出回収ライン57と第1回収ライン50との分岐点に配設された切替バルブ60を第1回収ライン50側に切り換え、且つ第2回収ライン54と第1回収ライン50との分岐点に配設された切替バルブ60を第1回収ライン50側に切り換えた後、第1ポンプ56a及び第4ポンプ56dを付勢する。貯留槽20内のメッキ液18は、第1ポンプ56aの揚液作用下に、第1供給ライン48を経由して、メッキ槽14の下方から第1側板24aと射出成形用金型Dとの間のスペース40に供給される。その一方で、電源46を付勢して、電極42及び射出成形用金型Dに通電する。
メッキ液18の供給が続行されると液位が上昇し、最終的に、図3に示すように、射出成形用金型Dにおけるメッキ面Sの所定の高さまでメッキ液18が到達する。ここで、射出成形用金型D及び電極42に対しては、上記したように通電がなされている。このため、メッキ液18が第1側板24aと射出成形用金型Dとの間のスペース40を満たすと、メッキ液18中に存在する鉄イオンが電界の作用によって還元され、射出成形用金型Dのメッキ面Sに鉄からなる金属メッキ層として析出する。その一方で、メッキ液18中には、不純物が析出して浮遊する。
メッキ液18の供給がさらに続行されると、メッキ液18は、図3に示すように、第1側板24aと射出成形用金型Dとの間のスペース40からオーバーフロー槽16へとオーバーフローし始める。このオーバーフローしたメッキ液18は、第4ポンプ56dによって第1回収ライン50を経由して貯留槽20に回収される。
この際には、メッキ液18中に浮遊する不純物もともにオーバーフローし、第1回収ライン50に流入する。そして、該第1回収ライン50に介装された濾過器58によってメッキ液18から分離される。すなわち、不純物は濾過器58によって捕集され、貯留槽20には清浄なメッキ液18のみが戻される。以上の過程において、メッキ液18は、シール部材38によって堰止される。従って、メッキ液18が第4側板24d側に漏洩することはない。
上記のようなメッキ液18の循環が所定の時間続行されることにより、射出成形用金型Dのメッキ面Sに、所定の肉厚の鉄からなる金属メッキ層(図示せず)が形成される。この間、メッキ液18の温度は、貯留槽20に設置された図示しない温度検出器で監視され、その検出結果に基づいて前記制御回路の作用下にヒータ62の出力が調整されることにより、一定の範囲内に保持される。
同時に、貯留槽20に設置された図示しないpH検出器によってメッキ液18のpHが監視される。メッキ液18のpHが所定の範囲を超えて警告音が発せられた場合、作業者は、pH値に応じて酸性又はアルカリ性の液を添加するようにすればよい。
このように、本実施の形態に係る電気メッキ装置10によれば、前処理を行うための前処理液を循環させる供給機構と回収機構とが付設されているので、同一のメッキ槽14で前処理と電気メッキ処理とを実施することができる。このため、槽を複数個設ける必要がないので、電気メッキ処理を行う設備を設けるためのコストが高騰することはない。
また、本実施の形態では、金属メッキ層を設ける部位にのみメッキ液18を接触させるようにしている。すなわち、ワークの金属メッキ処理を施す部位(メッキ面S)との間でメッキ処理部を形成し、射出成形用金型D全体をメッキ液18に浸漬することなく金属メッキ層を設けるようにしている。このため、メッキ槽14が大がかりとなることはなく、多量のメッキ液18を使用する必要がない。従って、メッキ液18の濃度や温度、pH等を所定の範囲内に保持することが容易となる。
しかも、この場合、メッキ槽14に供給されたメッキ液18においては、空気に接触する液面の面積が小さいので、メッキ液18が酸化することが抑制されるという利点がある。
また、寸法や形状が異なる別の射出成形用金型Dに対して金属メッキ層を設ける場合、メッキ槽14を分割し、底板と、第1〜第4側板24a〜24dの少なくともいずれか1つとを、当該射出成形用金型Dの寸法や形状に応じたものに交換して再度メッキ槽14を組み立てるようにすればよい。このように、本実施の形態においては、メッキ槽14が分割可能であるので、金属メッキ層を形成するワークの寸法や形状に応じてメッキ槽14を組み立てることができ、しかも、メッキ槽14を複数個用意する必要もない。このため、金属メッキ処理を行う設備に対するコストを一層低廉化することができる。
なお、上記した実施の形態は、ワークとして鋳鉄製の射出成形用金型Dを使用した場合を例として説明したが、ワークが特にこれに限定されるものではないことはいうまでもない。勿論、金属メッキ層も、鉄からなるものに限定されるものではない。
また、濾過器58を第1回収ライン50に介装することに代え、貯留槽20の近傍に配設するとともに貯留槽20との間の循環ラインを構築するようにしてもよい。この場合、貯留槽20に回収された不純物を含むメッキ液18を濾過器58に送液し、濾過器58で不純物を除去して清浄となったメッキ液18を貯留槽20に戻すようにすればよい。
さらに、ヒータ62を設置することに代えて熱交換器を設置し、メッキ液18の温度を該熱交換器にて制御するようにしてもよい。
さらにまた、本発明は、上記した電気メッキに限定されるものではなく、化学メッキ等に適用することもできる。この場合、電極42や電源46を用いる必要は特にない。
本実施の形態に係る電気メッキ装置の全体概略構成図である。 図1の電気メッキ装置を構成するメッキ槽によってワークである射出成形用金型を囲繞した状態を示す平面説明図である。 メッキ槽及びオーバーフロー槽の一部切欠側面図である。
符号の説明
10…電気メッキ装置 14…メッキ槽
16…オーバーフロー槽 18…メッキ液
20…貯留槽 22a〜22d…前処理液貯留槽
24a〜24d…側板 40…スペース
42…電極 46…電源
48、52…供給ライン 50、54…回収ライン
56a〜56d…ポンプ 57…排出回収ライン
58…濾過器 62…ヒータ

Claims (8)

  1. ワークを固定保持するワーク配置部と、
    前記ワークのメッキが施される部位を用いて形成され、前記部位に対してメッキ処理を行うためのメッキ液が供給されるメッキ処理部と、
    前記メッキ処理部に連設されて該メッキ処理部からオーバーフローしたメッキ液を回収するためのオーバーフロー槽と、
    前記ワークに対してメッキを施す際に前記メッキ処理部に送液されるメッキ液を貯留し、且つ前記オーバーフロー槽にオーバーフローしたメッキ液を回収するための貯留槽と、
    前記メッキ液を、前記メッキ処理部、前記オーバーフロー槽及び前記貯留槽に循環させるメッキ液循環系と、
    を有することを特徴とするメッキ装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記メッキ処理部と前記ワークとの間に貯留されたメッキ液に浸漬される電極と、前記ワーク及び前記電極に通電するための電源とをさらに有することを特徴とするメッキ装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、メッキを施す前に行う前処理のための前処理液を貯留する前処理液貯留槽と、前記前処理液を前記メッキ処理部に供給する供給機構と、前記前処理液を前記メッキ処理部から回収する回収機構とをさらに有することを特徴とするメッキ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置において、前記オーバーフロー槽にオーバーフローした前記メッキ液を濾過するための濾過手段を有することを特徴とするメッキ装置。
  5. ワークのメッキが施される部位を使用してメッキ処理部を形成する工程と、
    メッキ液を貯留槽から前記メッキ処理部にのみ供給して、前記ワークに対してメッキを施す工程と、
    前記メッキ処理部からオーバーフローしたメッキ液を、該メッキ処理部に連設されたオーバーフロー槽を介して前記貯留槽に回収する工程と、
    を有することを特徴とするメッキ処理方法。
  6. 請求項5記載の処理方法において、前記メッキ処理部に電極を配設し、前記電極と前記ワークとに通電を行いながら該ワークに対してメッキを施すことを特徴とするメッキ処理方法。
  7. 請求項5又は6記載の処理方法において、前記メッキ処理部を形成した後、該メッキ処理部に前記メッキ液を供給する前に、前処理液貯留槽から前処理液を供給及び回収して前記ワークに対して前処理を施すことを特徴とするメッキ処理方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の処理方法において、前記オーバーフロー槽からオーバーフローした前記メッキ液を濾過した後、前記メッキ処理部に再供給することを特徴とするメッキ処理方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138256A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Zhiliang Liao 基板上の水平電気めっき電着方法及び水平無電めっき方法
WO2019138818A1 (ja) * 2018-01-15 2019-07-18 株式会社 東芝 電気めっき装置、電気めっき用電極ならびにステータコイル組み立て方法

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