JP2005105125A - 塗料組成物、塗料用樹脂組成物及び塗装方法 - Google Patents

塗料組成物、塗料用樹脂組成物及び塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレヒート工程の簡素化を図りつつ、ピンホールの発生を抑制する。
【解決手段】水性ベース塗料が、塗料用樹脂組成物、水を含有しており、その水性ベース塗料中の固形分の割合を、全体に対して30質量%以上として、塗膜に残存することになる水分量を減少させる。該塗料用樹脂組成物にコア・シェル構造を粒子径50〜00nmの下で形成し、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、前記反応性微粒子の質量と前記水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされている塗料組成物である。
【選択図】図3

Description

本発明は、塗料組成物、その塗料組成物に用いられる塗料用樹脂組成物、及び塗料組成物を用いた塗装方法に関する。
塗料組成物には、特許文献1に示すように、コア成分がアクリル酸のエポキシ含有アルキルエステル及び/又は多価エポキシ化合物のビニル重合体からなり、シェル成分がカルボキシル基含有重合性不飽和単量体のビニル重合体からなるコア/シェル型水性エマルジョンと、水溶性珪酸塩とを含むものがある。このものによれば、耐水性、耐候性、使用時までの保存安定性等に優れ、かつ多孔質基材及び上塗り塗料双方との密着性にも優れる水性塗料組成物を提供できることになる。
特開2000−086935号公報
ところで、塗装工程から排出される溶剤量を削減するため、溶剤含有率が低い水性ベース塗料の実用化が進んでおり、水性ベース塗料は、一般に、固形分20%、有機溶剤10%及び水70%として構成されている。しかし、このような水性ベース塗料とクリア塗料とをウェット・オン・ウェット塗装して、140℃前後で20分程度焼き付けると、ベース塗膜に含まれる多量の水が急激に蒸発するためにピンホールが発生することになる。このため、従来においては、ピンホール発生の抑制のため、水性ベース塗料の塗装後であってクリア塗料の塗装前に、プレヒート工程(予備乾燥工程)を設け、そのプレヒート工程において、80℃で3〜5分程度プレヒートすることにより、塗膜の水をほとんど蒸発させることが行われている。これにより、溶剤量削減とピンホールの発生の抑制とを図ることができることになる。
しかし、上記プレヒート工程により、溶剤量削減とピンホールの発生の抑制を図ることができるものの、そのプレヒート工程においては、プレヒートのための熱エネルギと一定の作業時間とが特別に必要となり、これらは、省エネルギ化を図る観点からは好ましくないものとなっている。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、プレヒート工程の簡素化を図りつつ、ピンホールの発生を抑制できる塗料組成物を提供することにある。
第2の技術的課題は、上記塗料組成物に利用される塗料用樹脂組成物を提供することにある。
第3の技術的課題は、上記塗料組成物を用いた塗装方法を提供することにある。
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
塗料用樹脂組成物と水とが含有されている塗料組成物において、
固形分の割合が、全体に対して30質量%以上とされている構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2に記載の通りとなる。
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項3に係る発明)にあっては、
塗料組成物に用いられる塗料用樹脂組成物であって、
コア部及びシェル部からなるコア・シェル構造を粒子径50〜500nmの下で形成しており、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、
カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、
前記反応性微粒子の質量と前記水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされている構成としてある。この請求項3の好ましい態様としては、請求項4に記載の通りとなる。
前記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項5に係る発明)にあっては、
前記請求項2に記載の塗料組成物を用いた塗装方法であって、
前記塗料組成物を所定の基材上に塗装した後、該塗料組成物上に別の熱硬化性塗料組成物をウェット・オン・ウェット塗装する構成としてある。
請求項1に記載された発明によれば、本発明者の知見に基づき、固形分の割合を、全体に対して30質量%以上とすることにより、塗膜中に残存することになる水分を減らし、塗装の際、プレヒート工程が低温、短時間であっても、焼き付け処理等において塗膜中の残存水分が急激に蒸発することに起因して、ピンホールが塗膜に発生することを抑制できることになる。このため、プレヒート工程の簡素化を図りつつ、ピンホールの発生を抑制できる塗料組成物を提供できることになる。
請求項2に記載された発明によれば、鱗片状の光揮材及び/又は光干渉材が含有され、塗料用樹脂組成物に、コア部及びシェル部からなるコア・シェル構造を粒子径50〜500nmの下で形成しており、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、反応性微粒子の質量と水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされていることから、固形分の割合を全体に対して30質量%以上とした場合、所望のチキソトロピーが得られず光揮材及び/又は光干渉材の配向性が乱されて、光揮感が悪化しようとするが、上記塗料用樹脂組成物の特性等に基づき、所望のチキソトロピーを得ることができることになり、優れた光揮感を得ることができることになる。
請求項3に記載された発明によれば、塗料組成物に用いられる塗料用樹脂組成物であって、コア部及びシェル部からなるコア・シェル構造を粒子径50〜500nmの下で形成しており、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、反応性微粒子の質量と水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされていることから、当該塗料用樹脂組成物を、固形分の割合を全体に対して30質量%以上とされた塗料組成物に用いた場合、プレヒート工程の簡素化を図りつつピンホールの発生を抑制できるだけでなく、光揮材及び/又は光干渉材の高い配向性を実現して優れた光揮感を得ることができることになる。
請求項4に記載された発明によれば、反応性微粒子及び水溶性樹脂の少なくとも一方が、カルボキシル基に対して90℃以下では反応せず100℃以上で反応する官能基を有していることから、樹脂合成時の反応硬化を防止しつつ、焼き付け処理時にその際の熱を有効に利用して塗膜を的確に反応硬化させることができることになる。
請求項5に記載された発明によれば、前記請求項2に記載の塗料組成物を用いた塗装方法であって、前記塗料組成物を所定の基材上に塗装した後、該塗料組成物上に別の熱硬化性塗料組成物をウェット・オン・ウェット塗装することから、当該塗装方法を用いることにより、プレヒート工程の簡素化を図りつつピンホールの発生を抑制できると共に、光揮材及び/又は光干渉材の高い配向性を実現して優れた光揮感を得ることができることになる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本発明に係る塗料組成物(以下、水性ベース塗料と称す)は、塗料用樹脂組成物、鱗片状の光揮材及び/又は光干渉材、水等を含有させて構成され、その水性ベース塗料中の固形分は、全体に対して30質量%以上とされている。
[塗料用樹脂組成物]
上記塗料用樹脂組成物は、図1に示すように、上記水性ベース塗料の成分となるべく、反応性微粒子Aと水溶性樹脂Bとが含有された状態で構成されている。この反応性微粒子Aは、粘度制御を目的の一つとし、水溶性樹脂Bは、顔料分散を目的の一つとしている。
[反応性微粒子A]
(1)反応性微粒子Aは、粒子径が50〜500nm(ナノメートル)とされている。これは、50nm未満では高粘度となって、水性ベース塗料において、固形分30質量%以上とすることが困難となるからであり、500nmを超えると、塗膜の平滑性が低下するからである。このため、反応性微粒子Aの粒子径は、50〜500nmの範囲内の100〜400nmが好ましく、150〜300nmがより好ましい。
(2)反応性微粒子Aは、図2に示すように、コア・シェル構造1を形成しており、該反応性微粒子Aは、その中心において略球状に形成されるコア部2と、そのコア部2の周囲に形成されたシェル部3とを有している。このコア部2の粒子径とシェル部の粒子径(反応性微粒子Aの粒子径)との粒子径比(コア部2の粒子径/シェル部3の粒子径)は、1/2以上に設定されている。1/2未満では粘性が発現せず、光揮材等の乱れにより光揮感が低くなるからである。このため、上記粒子径比は、1/2以上の2/3以上が好ましく、特に3/4以上がより好ましい。
(3)反応性微粒子Aは、図1に示すように、そのシェル部3にカルボキシル基を有し、そのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている。酸価が3未満では粘性が発現せず、光揮材等の乱れにより光揮感が低くなるからであり、酸価が50を超えると、反応性微粒子Aが凝集して合成が困難となるからである。このため、酸価は、3〜50の範囲内の10〜40が好ましく、特に10〜30がより好ましい。
(4)反応性微粒子Aは、本実施形態においては、図1に示すように、カルボキシル基に対して、90℃で反応せず100℃以上で反応する官能基4を有している。この官能基4は、樹脂合成時において反応硬化することを防止する一方、焼き付け処理時にカルボキシル基と有効に反応して塗膜を硬化させることを目的としている。
(5)このような反応性微粒子Aは、例えば下記のようにして合成される。
アクリルエマルジョンを取り上げて説明すれば、攪拌機、不活性ガス導入口、温度計、冷却器を備えた4つ口フラスコに過硫酸アンモニウム0.77部とイオン交換水2640部を仕込み、80℃に昇温する。続いて、アクリル酸エチル200部、アクリル酸メチル143部、HS−10(第一工業製薬製)10.29部からなる混合液を3時間かけて滴下し、1時間熟成する。更に、アクリル酸13.5部、アクリル酸エチル100部、アクリル酸メチル55.5部、HS−10(第一工業製薬製)5.07部からなる混合液を1時間熟成する。その後、水を減圧除去すれば、不揮発分が50%のアクリルエマルジョン溶液を得ることができる。
[水溶性樹脂B]
(1)水溶性樹脂Bは、カルボキシル基を含有しており、そのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている。酸価が10未満では水溶化が困難だからであり、酸価が150を超えると塗膜の耐水性が低下するからである。このため、酸価は、10〜150の範囲内の10〜100が好ましく、特に30〜100がより好ましい。
(2)本実施形態においては、図1に示すように、水溶性樹脂Bも、カルボキシル基に対して、90℃で反応せず100℃以上で反応する官能基5を有している。この官能基5も、樹脂合成時において反応硬化することを防止する一方、焼き付け処理時にカルボキシル基と有効に反応して塗膜を硬化させることを目的としている。
(3)このような水溶性樹脂Bは、例えば下記のようにして合成される。
アクリル樹脂を取り上げて説明すれば、攪拌機、不活性ガス導入口、温度計、冷却器を備えた4つ口フラスコにイソプロピルアルコール102部を仕込み、80℃に昇温する。続いて、アクリル酸2部、アクリル酸ブチル47部、メタクリル酸2−エチルヘキシル10部、メタクリル酸メチル41部、パーブチルO(日本油脂製)2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、加熱攪拌する。更に、同温度で2時間反応を継続し、不揮発分が50%のアクリル樹脂溶液を得る。その後、イソプロピルアルコールを減圧除去すれば、アクリル樹脂B1(後述の表2参照)を得ることができる。
[反応性微粒子Aの質量/水溶性樹脂Bの質量]
上記塗料用樹脂組成物において、反応性微粒子Aと水溶性樹脂Bとの質量比(反応性微粒子Aの質量/水溶性樹脂Bの質量)は、6/4〜9/1に設定されている。質量比が6/4未満では、粘性が発現せず、光揮材等の乱れにより光揮感が低くなるからであり、9/1を超えると、顔料分散が困難となるからである。このため、質量比は、6/4〜9/1の範囲内の6/4〜8/2が好ましく、特に7/3〜8/2がより好ましい。
[光揮材、光干渉材]
上記光揮材、光干渉材は、水性ベース塗料において、所望の発色(光揮感等)を発現させることを目的としており、この光揮材又は光干渉材としては、例えばアルミフレークが用いられる。この光揮材等は、チキソトロピーを利用して配向が決定されることになっており、優れた光揮感を得るためには塗料の所望のチキソトロピーを利用して、光揮材が高い配向性(下地に対して水平に配置される特性)を得る必要があるが、前述の塗料用樹脂組成物の特性等に基づき、所望のチキソトロピーを実現して、光揮材が高い配向性を得ることになっている。
[塗料組成物(水性ベース塗料)]
(1)本発明に係る水性ベース塗料は、前述した如く、その固形分が全体に対して30質量%以上(実際的には、上限は50質量%程度まで)とされている。これは、固形分が全体に対して30質量%未満では塗膜にピンホールが発生するおそれが高い一方、固形分が全体に対して30質量%以上とした場合には、塗装後に行うプレヒート工程を低温、短時間の下で行っても、図3に示すように、ピンホールを抑制できることを本発明者が見出し、その知見を有効に利用しようとしているのである。
しかし、水性ベース塗料中の固形分の比率を単純に上げると、塗料の粘性が高まることから、塗装時における作業性を考慮して粘性を所定状態に保つべく、固形分の比率が増加するに従って、分子量、官能基濃度を低下させる等して塗料の粘性を下げる必要がある。このため、これに伴い、所望のチキソトロピーが得られなくなり、優れた光揮感を得るための光揮材等の高い配向性(下地に対して水平に配置される特性)が、図3の二点鎖線に示すように、固形分の比率が増加するに従って低下することになる。
そこで、本発明においては、固形分の比率が増加しても、光揮材等の高い配向性を実現すべく(図3において実線参照)、図2(従来技術の組成参照)に示すように、従来において塗膜硬化のために用いられていた硬化剤がチキソトロピーを低下させることに着目し、その硬化剤の全てを排除し、チキソトロピー付与に必要な反応性微粒子Aと、顔料分散に必要な水溶性樹脂Bのみで、本発明に係る塗料用樹脂組成物を構成している。その一方、塗膜硬化に関しては、反応性微粒子A、水溶性樹脂Bに設けられる前述の官能基4,5が焼き付け処理時の熱により反応して塗膜を硬化させることになり、官能基4(5)と焼き付け処理時の熱とが塗膜硬化を担保することになっている。勿論この場合、反応性微粒子A、水溶性樹脂Bのいずれか一方に前述の官能基を設けるようにしてもよい。
(2)このような水性ベース塗料は、例えば下記のようにして作製される。
一例を示せば、前記反応性微粒子A1200部、前記水溶性樹脂B167部、ジエチルエタノールアミン4.9部、アルミペーストMH8801(アサヒ化成製)を均一分散し、イオン交換水303部を加える。これにより、固形分が32質量%の水性ベース塗料が作製される。
[塗装方法]
このような水性ベース塗料は、ボディ等の所定の基材上に塗布され、この後、好ましくはプレヒートが行われる。このプレヒートに関しては、従来の場合(80℃で3〜5分)に比して、低温で短時間である40℃で2分程度のプレヒートが行われることになる。固形分の割合が高められて、水の存在が低下されているからである。
このプレヒートの後、その塗膜上に別の熱硬化性塗料組成物としてのクリア塗料がウェット・オン・ウェット塗装され、その塗装後、焼き付け処理が行われる。これにより、反応性微粒子A、水溶性樹脂Bの少なくとも一方(本実施形態においては両方)に設けられる官能基と、反応性微粒子A及び水溶性樹脂Bのカルボキシル基とが、焼き付け処理の熱を受けて反応し、塗膜を硬化させることになる。
上記内容は、下記実験内容によって裏付けられている。
[実験に用いた反応性微粒子A]
表1には、実験に用いた反応性微粒子Aの特性及び組成が示されている。この各反応性微粒子Aは、特性等が異なるのみで、前述した反応性微粒子Aの合成方法と同じ手順に従って合成されている。
尚、表1において、粒子径についての数値の単位はナノメートル(nm)、組成についての数値の単位は重量部である。また、表1中において使用されている符号は、下記の内容を示す(以下、表2,3においても同じ)。
AA:アクリル酸
BA:アクリル酸ブチル
EA:アクリル酸エチル
EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
MA:アクリル酸メチル
MMA:メタクリル酸メチル
B−IEM:メタクリル酸イソシアネートエチルをN−メチルアセトアミドでブロックしたもの(分子量:228)
A200:サイクロマーA200(ダイセル化学製、分子量:約200)
P−O:パーブチルO
IPA:イソプロピルアルコール
APS:過硫酸アンモニウム
MH8801:旭化成製アルミペースト
Mn:数平均分子量
Mw:重量平均分子量
Tg:ガラス転移温度
Figure 2005105125
[実験に用いた水溶性樹脂B]
表2には、実験に用いた水溶性樹脂Bの特性及び組成が示されている。この各水溶性樹脂Bは、特性等が異なるのみで、前述した水溶性樹脂Bの合成方法と同じ手順に従って合成されている。
Figure 2005105125
[実験に用いた水性ベース塗料]
表1に示す反応性微粒子A、表2に示す水溶性樹脂B、ジメチルエタノールアミン、アルミペーストMH8801(旭化成製)を均一分散し、それにイオン交換水を加えることにより、固形分が所定割合に調整されている。表3には、調整された各種水性ベース塗料P1〜P11、PR1〜PR6が示されている。
Figure 2005105125
[水性ベース塗料の評価方法]
上記のように調整された水性ベース塗料に関し、テストピースを用いて、光揮感、塗膜の平滑性、ピンホール発生限界膜厚、塗膜の耐水性について評価した。以下、テストピース、各評価方法について説明する。
テストピース(塗装板)の作製
鋼板に電着塗料PN120M(日本ペイント製)を20マイクロメートル(μm)塗装した電着塗装板上に、中塗り塗料H870グレー(日本ペイント製)を乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、10分間室温放置した後、140℃で30分焼き付け乾燥して、中塗り塗装板を得た。
そしてこの後、下記処理により、光揮感、平滑性、耐水性評価用のテストピース1と、ピンホール発生限界膜厚評価用のテストピース2とを得た。
テストピース1に関しては、上記中塗り塗装板に水性ベース塗料を乾燥膜厚が15μmになるように塗装し、1分間放置した後、40℃で2分予備乾燥した。更に5分室温放置した後、クリア塗料OTO−563(日本ペイント製)を乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、10分間室温放置した後、140℃で30分焼き付け乾燥した。
テストピース2に関しては、上記中塗り塗装板に水性ベース塗料を乾燥膜厚が3〜50μmになるように勾配塗装し、1分間放置した後、40℃で2分予備乾燥した。更に5分室温放置した後、クリア塗料OTO−563(日本ペイント製)を乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、10分間室温放置した後、140℃で30分焼き付け乾燥した。
光揮感
変角光度計MA−68(X-Rite社製)を用いてテストピース1の光揮感(フロップインデックス)を測定した。そして、評価に際しては、その高い順に、次のように評価した。
◎:フロップインデックスが12以上
○:フロップインデックスが10以上12未満
×:フロップインデックスが10未満
平滑性
視覚鮮明度光沢計PGD3(日本色彩研究所製)を用いてテストピース
1の平滑性(Gd)を測定した。そして、評価に際しては、その高い順に、次のように評価した。
○:Gdが0.9以上
×:Gdが0.9未満
ピンホール発生限界膜厚
テストピース2を観察してピンホールが発生しない位置を特定し、その位置の膜厚を測定してピンホール発生限界膜厚とした。そして、評価に際しては、その高い順に、次のように評価した。
◎:ピンホール発生限界膜厚が25μm以上
○:ピンホール発生限界膜厚が15μm以上25μm未満
×:ピンホール発生限界膜厚が15μm未満
耐水性
テストピース1を40℃の水に7日間浸漬し、1時間放置した後、JISK5400 8.5.15碁盤目法に準じて付着性を評価した。そして、評価に際しては、その高い順に、次のように評価した。
◎:はがれ部分の面積が全正方面積の15%未満
○:はがれ部分の面積が全正方面積の15以上35%未満
×:はがれ部分の面積が全正方面積の35%以上
前述の表3には、本発明の実施例に係る水性ベース塗料P1〜P11、比較例に係る水性ベース塗料PR1〜PR6に関し、各評価結果も示されている。尚、組成についての数値の単位は重量部、塗料固形分についての数値の単位は質量%である。
本発明の実施例に係る水性ベース塗料P1〜P11に関しては、前述した全ての評価項目について良好な評価結果が得られた。特に、反応性微粒子Aが官能基4(ブロックイソシアネート、脂環エポキシ)を有するP9,P10、水溶性樹脂Bが官能基5(ブロックイソシアネート、脂環エポキシ)を有するP11については、塗膜の耐水性だけでなく光揮感についても、優れた性能を示した。
比較例に係る水性ベース塗料PR1〜PR6に関しては、いずれか1つの評価項目について良好な評価結果が得られなかった。具体的に比較例に係る水性ベース塗料PR1〜PR6について説明する。
比較例に係る水性ベース塗料PR1は、反応性微粒子Aの粒子径が上限500nmを超える550nmとされている場合であり、この場合には、塗装面において十分な平滑性を得ることができなかった。
比較例に係る水性ベース塗料PR2は、コア/粒子径比が、下限1/2未満の0/1の場合であり、この場合には、良好な光揮感を得ることができなかった。
比較例に係る水性ベース塗料PR3は、反応性微粒子Aの酸価が、下限3未満の0であり、この場合にも、良好な光揮感を得ることができなかった。
比較例に係る水性ベース塗料PR4は、水溶性樹脂Bの酸価が、上限150を超える156であり、この場合には、塗膜の耐水性に関して良好な結果を得ることができなかった。
比較例に係る水性ベース塗料PR5は、反応性微粒子Aの質量と水溶性樹脂Bの質量との質量比が、下限6/4未満の5/5であり、この場合にも、良好な光揮感を得ることができなかった。
比較例に係る水性ベース塗料PR6は、塗料の固形分が、下限30未満の25.041であり、この場合には、ピンホール発生限界膜厚に関して、良好な結果を得ることができなかった。
[反応性微粒子Aの具体例]
本発明に使用する反応性微粒子Aの種類は、カルボキシル基を含有するものであれば特に限定されない。例えば前述したアクリルエマルジョン等を好適に使用することができる。
重合方法
反応性微粒子Aは、カルボキシル基を有するモノマーと、カルボキシル基と90℃以下で反応せず100℃以上で反応する官能基を有するモノマーを乳化重合することによって合成することができる。これらのモノマーの重合方法は公知の慣用手段で行うことができる。乳化重合法には特に制限が無く、例えば、シード重合法、二段乳化重合法等を適用することができる。
乳化重合用の溶剤
乳化重合用の溶剤としては、乳化重合において従来公知の溶剤を用いることができる。例えば、脱イオン水を使用することができる。
反応開始剤
反応開始剤には特に制限が無く、有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ系重合開始剤、およびレドックス系重合開始剤等が使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノール等の過酸化物や、アゾビスバレロニトリル、アゾビスブチルニトリル、アゾビス(2-メチルプロピオニトル)等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物が挙げられる。
乳化剤
乳化重合に使用する乳化剤としては、アニオン系、非イオン系が好ましい。このような乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルフェニルポリオキシエチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルフェニルポリオキシエチレンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマー
分子中に1個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸が好ましい。分子中に2個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、イタコン酸、マレイン酸、メサコン酸、フマル酸等が挙げられる。また、無水マレイン酸や無水イタコン酸に、炭素数1〜18のアルコール類やアミンを反応させたものでも良い。このようなアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールを挙げることができる。また、アミンとしては、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、n-ブチルアミン等の脂肪族アミンや、アニリン、トルイジン等の芳香族アミンを挙げることができる。
カルボキシル基と90℃以下で反応せず100℃以上で反応する官能基を有するモノマー
(1)脂環エポキシ基を有するモノマー
脂環エポキシ基を有するモノマーとしては、脂環エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーやビニルモノマーであれば特に限定されない。例えば、サイクロマーM100(ダイセル化学製)、サイクロマーA200(ダイセル化学製)、セロキサイド2000(ダイセル化学製)等を挙げることができる。
(2)ブロックイソシアネート基を有するモノマー
ブロックイソシアネート基を有するモノマーとしては、メタクリル酸イソシアネートエチルを既知の方法でブロックしたものが好ましい。ブロック剤としてはオキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類アミド類等を挙げることができる。
また、ヘキサメチレンジイソシアネートモノマー等の2官能のイソシアネートモノマーと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを1:1で反応させ、未反応のイソシアネート基を上記既知のブロック剤でブロックした(メタ)アクリルモノマーを使用することもできる。
その他のモノマー
上記カルボキシル基を有するビニル重合オリゴマーを共重合する場合には、他のα、β-エチレン性不飽和モノマーを併用してもよい。例えば、以下のモノマーを挙げることができる。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸エステル
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18個のアルキル基エステル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基を有するアクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸エステルの炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル、アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18個のアルケニルオキシアルキルエステル。
(2)ビニル化合物
例えば、酢酸ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロオロプロピレン、スチレン、α-メチルスチレン。ビニルトルエン、p-クロルスチレン。
(3)ポリオレフィン系化合物
例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン。
(4)アリルエーテル類
ヒドロキシアリルエーテル等。
[水溶性樹脂B(反応性オリゴマー)Bの具体例]
本発明に使用する水溶性樹脂B(反応性オリゴマー)の種類は、カルボキシル基を含有するものであれば特に限定されない。具体的には、ビニル重合オリゴマー、ポリエステルオリゴマー等を適用することができるが、耐候性が優れるという理由から、ビニル重合オリゴマーが好ましい。
重合方法
カルボキシル基を有するビニル重合オリゴマーは、カルボキシル基を有するモノマーを重合(共重合)することによって合成することができる。これらのモノマーの重合方法は、公知の慣用手段で行うことができる。例えば、アニオン重合や、カチオン重合等のイオン重合、若しくは、ラジカル重合によって重合することができる。本発明においては、重合の容易性の観点から、ラジカル重合によることが好ましい。
溶剤
ラジカル重合は、溶液中で行うことが望ましい。そのようなラジカル重合に使用される溶剤としては、従来、アクリルモノマー等のビニル重合性モノマーの重合に使用される溶剤を制限無く使用することができる。例えば、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルエチルケトン、ソルベッソ(エクソン製)等が挙げられる。
反応開始剤
ラジカル重合に使用されるラジカル反応開始剤としては、従来、ラジカル重合において使用される反応開始剤を制限無く使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノール等の過酸化物や、アゾビスバレロニトリル、アゾビスブチルニトリル、アゾビス(2-メチルプロピオニトル)等のアゾ化合物を挙げることができる。
カルボキシル基を有するモノマー
分子中に1個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸が好ましい。分子中に2個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、イタコン酸、マレイン酸、メサコン酸、フマル酸等が挙げられる。また、無水マレイン酸や無水イタコン酸に、炭素数1〜18のアルコール類やアミンを反応させたものでも良い。このようなアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールを挙げることができる。また、アミンとしては、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、n-ブチルアミン等の脂肪族アミンや、アニリン、トルイジン等の芳香族アミンを挙げることができる。
カルボキシル基と90℃以下で反応せず100℃以上で反応する官能基を有するモノマー
(1)脂環エポキシ基を有するモノマー
脂環エポキシ基を有するモノマーとしては、脂環エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーやビニルモノマーであれば特に限定されない。例えば、サイクロマーM100(ダイセル化学製)、サイクロマーA200(ダイセル化学製)、セロキサイド2000(ダイセル化学製)等を挙げることができる。
(2)ブロックイソシアネート基を有するモノマー
ブロックイソシアネート基を有するモノマーとしては、メタクリル酸イソシアネートエチルを既知の方法でブロックしたものが好ましい。ブロック剤としてはオキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類アミド類等を挙げることができる。
また、ヘキサメチレンジイソシアネートモノマー等の2官能のイソシアネートモノマーと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを1:1で反応させ、未反応のイソシアネート基を上記既知のブロック剤でブロックした(メタ)アクリルモノマーを使用することもできる。
その他のモノマー
上記カルボキシル基を有するビニル重合オリゴマーを共重合する場合には、他のα、β-エチレン性不飽和モノマーを併用してもよい。例えば、以下のモノマーを挙げることができる。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸エステル
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18個のアルキル基エステル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基を有するアクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸エステルの炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル、アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18個のアルケニルオキシアルキルエステル。
(2)ビニル化合物
例えば、酢酸ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフロオロプロピレン、スチレン、α-メチルスチレン。ビニルトルエン、p-クロルスチレン。
(3)ポリオレフィン系化合物
例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン。
(4)アリルエーテル類
ヒドロキシアリルエーテル等。
[中和アミン]
本発明で使用する反応性微粒子Aと反応性オリゴマーBは合成後、塩基性物質にて中和して使用する。塩基性物質としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンのような有機アミン等を挙げることができる。
[光揮材顔料]
本発明で使用される光輝材顔料としては、形状は特に限定されず、また着色されていてもよいが、例えば平均粒子径が2〜50μmであり、かつ厚さが0.1〜5μmであるものが好ましい。また、平均粒子径が10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、更に好適に使用できる。具体的にはアルミニウム、銅、鉄、ニッケル、錫、酸化アルミニウム等の金属又は合金等の無着色あるいは着色された金属製光輝剤およびその混合物が挙げられる。また、干渉マイカ、ホワイトマイカ、グラファイト顔料、ガラスフレーク顔料等も含むことができる。
[着色顔料]
本発明では必要に応じて着色顔料を使用することができる。例えば、有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料が挙げられる。また、無機系では、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等が挙げられる。
[触媒]
(1)カルボキシル基と脂環エポキシ基の触媒
本発明に使用される触媒は、カルボキシル基と脂環エポキシ基の反応を促進する水溶性の触媒であれば、全て好適に使用することができる。例えば、3級アミン、4級アンモニウム化合物等の塩基性触媒を挙げることができる。
(2)カルボキシル基とイソシアネート基の触媒
本発明では、ブロックイソシアネートの熱解離性を高め、硬化性を高めるため触媒を使用することが望ましい。硬化触媒としては、有機錫化合物及び又は4級アンモニウム化合物が好適に使用される。
[粘性制御剤]
本発明では、ベースコート塗料には、クリア塗料とのなじみ防止や塗装作業性確保のため、粘性制御剤を添加することができる。一般にチキソトロピー性を示すものを使用でき、例えば脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状分散体等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、珪酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料等を挙げることができる。
[添加剤]
本発明では、塗料に通常添加される添加剤、例えば表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤等を配合することができる。
[有機溶剤]
本発明の水性塗料組成物には、必要に応じて、各種の有機溶剤を加えることができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘキシルアルコール等のアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル等が挙げられる。
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
実施形態に係る塗料用樹脂組成物の含有内容を従来に係るものとの比較で説明する説明図。 実施形態に係るコア・シェル構造を説明する説明図。 水性ベース塗料における固形分の割合と光揮材等の配向性との関係を説明する説明図。
符号の説明
1 コア・シェル構造
2 コア部
3 シェル部
4 官能基
5 官能基
A 反応性微粒子
B 水溶性樹脂

Claims (5)

  1. 塗料用樹脂組成物と水とが含有されている塗料組成物において、
    固形分の割合が、全体に対して30質量%以上とされている、
    ことを特徴とする塗料組成物。
  2. 請求項1において、
    鱗片状の光揮材及び/又は光干渉材が含有され、
    前記塗料用樹脂組成物に、
    コア部及びシェル部からなるコア・シェル構造を粒子径50〜500nmの下で形成しており、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、
    カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、
    前記反応性微粒子の質量と前記水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされている、
    ことを特徴とする塗料組成物。
  3. 塗料組成物に用いられる塗料用樹脂組成物であって、
    コア部及びシェル部からなるコア・シェル構造を粒子径50〜500nmの下で形成しており、コア部の粒子径/シェル部の粒子径が1/2以上に設定されていると共に、シェル部にカルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が3〜50に設定されている反応性微粒子と、
    カルボキシル基が設けられてそのカルボキシル基に由来する酸価が10〜150に設定されている水溶性樹脂と、が含有され、
    前記反応性微粒子の質量と前記水溶性樹脂の質量との質量比が6/4〜9/1とされている、
    ことを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  4. 請求項3おいて、
    前記反応性微粒子及び前記水溶性樹脂の少なくとも一方が、カルボキシル基に対して90℃以下では反応せず100℃以上で反応する官能基を有している、
    ことを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  5. 前記請求項2に記載の塗料組成物を用いた塗装方法であって、
    前記塗料組成物を所定の基材上に塗装した後、該塗料組成物上に別の熱硬化性塗料組成物をウェット・オン・ウェット塗装する、
    ことを特徴とする塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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