JP2005104956A - 感放射線性酸発生剤、オニウム塩化合物およびポジ型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 感放射線性酸発生剤は、カチオン部分が一般式(1)で表されるオニウム塩化合物を含有する。
【化1】
〔式中、AはIまたはS、mは1以上の整数、nは0以上の整数、xは1〜15の整数、Ar1 およびAr2 は1価の(置換)芳香族炭化水素基等示し、Rは(置換)アルキル基、1価の(置換)脂環式炭化水素基等を示す。〕
オニウム塩化合物は、カチオン部分が一般式(1)で表され、式中のRが(置換)脂環式炭化水素基である化合物からなる。
ポジ型感放射線性樹脂組成物は、(A)該感放射線性酸発生剤および(B)酸解離性基含有樹脂を含有する。
【選択図】 なし
Description
このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトルやエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができ、これらのうち、特に、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)あるいはEUV(波長13nm等)等の(超)遠紫外線、および電子線等が注目されている。
しかしながら、従来の化学増幅型感放射線性組成物に使用されている感放射線性酸発生剤では、感度が不十分のものがほとんどであり、また従来最も感度が高いとされるスルホニウム塩化合物では耐塩基性が非常に低く、組成物の貯蔵安定性に大きな問題があり、またレジストとしてのプロセス安定性を改善をする塩基性添加剤成分である酸拡散抑制剤の種類も制限されるという欠点がある。
また、本発明の別の課題は、前記放射線に感応し、優れた保存安定性を有するとともに、パターン形状にも優れ、しかも高感度で高解像度の化学増幅型フォトレジストをもたらしうる感放射線性酸発生剤として好適なオニウム塩化合物、当該(フォトレジスト用)感放射線性酸発生剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
カチオン部分が下記一般式(1)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(1)」という。)を少なくとも1種含有することを特徴とするフォトレジスト用感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(A1)」という。)、
によって達成される。
カチオン部分が下記一般式(2)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(2)」という。)、
によって達成される。
−N(R'')2基(但し、各R''は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2個のR''が相互に結合して、式中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成している。)を示し、pは0〜16の整数であり、qは0〜8の整数である。〕 以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(2)を、「酸発生剤(A2)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(3)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(3)」という。)、
によって達成される。
−N(R''')2 基(但し、各R''' は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2個のR''' が相互に結合して、式中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成している。)を示し、rは0〜6の整数であり、sは0〜5の整数であり、各vは相互に独立に1〜3の整数である。〕
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(3)を、「酸発生剤(A3)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(4)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(4)」という。)、
によって達成される。
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(4)を、「酸発生剤(A4)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(5)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(5)」という。)、
によって達成される。
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(5)を、「酸発生剤(A5)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(6)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(6)」という。)、
によって達成される。
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(6)を、「酸発生剤(A6)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(7)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(7)」という。)、
によって達成される。
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(7)を、「酸発生剤(A7)」ともいう。
カチオン部分が下記一般式(8)で表されるオニウム塩化合物(以下、「オニウム塩化合物(8)」という。)、
によって達成される。
以下では、感放射線性酸発生剤として使用されるオニウム塩化合物(8)を、「酸発生剤(A8)」ともいう。
オニウム塩化合物(2)、オニウム塩化合物(3)、オニウム塩化合物(4)、オニウム塩化合物(5)、オニウム塩化合物(6)、オニウム塩化合物(7)またはオニウム塩化合物(8)からなる感放射線性酸発生剤、
によって達成される。
(A)酸発生剤(A1)〜(A8) の群から選ばれる少なくとも1種を必須成分とする感放射線性酸発生剤、並びに(B)酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂を含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物、
によって達成される。
酸発生剤(A1)およびオニウム塩化合物(2)〜(4)
ここでは、酸発生剤(A1)およびオニウム塩化合物(2)〜(4)の共通事項について説明する。
一般式(1)〜(4)において、Aは硫黄原子が好ましく、またxは1〜3が好ましい。
Ar1 およびAr2 の非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、9−アントリル基等を挙げることができる。
また、Ar1 の非置換の炭素数6〜20の2〜(x+1)価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン、ナフタレン、アントラセン等に由来する基を挙げることができる。これらの基における2〜(x+1)個の結合手は、芳香環を構成している炭素原子に結合しても側鎖炭素原子に結合してもよい。
Ar1 およびAr2 の非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−モルホリニル基、3−モルホリニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基、4−ピペリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基等を挙げることができる。
また、Ar1 の非置換の炭素数3〜20の2〜(x+1)価の複素環式基としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジン、イミダゾリン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン等に由来する基を挙げることができる。これらの基における2〜(x+1)個の結合手は、複素環を構成している炭素原子に結合しても側鎖炭素原子に結合してもよい。
これらの置換基は、Ar1 およびAr2 中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
(例えば、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基等のアルキレン基や、−NH−基、−CO−基、−SO2 −基等)を介して結合することにより、一般式(1)中のA+ と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、A+ を含めて、好ましくは5〜6である。
一般式(1)〜(4)中に複数存在するAr1 およびAr2 はそれぞれ、相互に同一でも異なってもよい。
これらのアニオンのうち、特にスルホン酸アニオンが好ましく、その具体例としては、CH3 SO3 - 、n−C4 H9 SO3 - (n−ブタンスルホン酸アニオン)、
n−C8 H17SO3 - (n−オクタンスルホン酸アニオン)、
p−CH3 C6 H4 SO3 - (p−トルエンスルホン酸アニオン)、CF3 SO3 - 、
n−C4 F9 SO3 - (ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸アニオン)、
n−C8 F17SO3 - (パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸アニオン)、下記式(i)で表されるスルホン酸アニオン(以下、「スルホン酸アニオン(i)」という。)等を挙げることができ、特に好ましくは、CF3 SO3 - 、n−C4 F9 SO3 - 、スルホン酸アニオン(i)等である。
一般式(1)において、RおよびR’の非置換の炭素数1〜20のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜15、特に好ましくは1〜12である。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、t−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等を挙げることができる。
前記1価の脂環式炭化水素基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、3−メチル−1−アダマンチル基、3−メチル−3−アダマンチル基、3−エチル−1−アダマンチル基、3−エチル−3−アダマンチル基、3−n−ブチル−1−アダマンチル基、3−n−ブチル−3−アダマンチル基等の炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基等を挙げることができる。
前記アルケニル基の具体例としては、ビニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等を挙げることができる。
前記1価の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、9−アントリル基等を挙げることができる。
前記1価の複素環式基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−モルホリニル基、3−モルホリニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基、4−ピペリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基等を挙げることができる。
これらの置換基は、RおよびR’中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
−CO−基、−SO2 −基等)を介して結合することにより、−N(R')2 基中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、−N(R')2 基中の窒素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
また、Rとしては、−N(R')2 基も好ましく、さらに好ましくは、−N(CH3)2 基、−N(C2 H5)2 基等である。
一般式(1)において、複数存在するRは相互に同一でも異なってもよい。
一般式(2)において、R1 およびR''の非置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基および非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、前記一般式(1)におけるRおよびR’について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
また、これらの基の置換基としては、前記Ar1 およびAr2 の置換の芳香族炭化水素基および置換の複素環式基について例示した置換基と同様のものを挙げることができる。 これらの置換基は、R1 およびR''中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
−CO−基、−SO2 −基等)を介して結合することにより、−N(R'')2基中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、−N(R'')2基中の窒素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
一般式(2)において、複数存在するR1 は相互に同一でも異なってもよい。
一般式(2)において、pは0〜2が好ましく、qは1〜3が好ましい。
一般式(3)において、R2 およびR''' の非置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基および非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、前記一般式(1)におけるRおよびR’について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
また、これらの基の置換基としては、前記Ar1 およびAr2 の置換の芳香族炭化水素基および置換の複素環式基について例示した置換基と同様のものを挙げることができる。 これらの置換基は、R2 およびR''' 中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
この場合、該環状構造の原子数は、−N(R''')2 基中の窒素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
一般式(3)において、複数存在するR2 は相互に同一でも異なってもよい。
一般式(3)において、rは0〜2が好ましく、sは0〜2が好ましく、vは1または2が好ましい。
一般式(4)において、R3 およびR4 の非置換の炭素数1〜20のアルキル基および非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、前記一般式(1)におけるRおよびR’について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
また、これらの基の置換基としては、前記Ar1 およびAr2 の置換の芳香族炭化水素基および置換の複素環式基について例示した置換基と同様のものを挙げることができる。 これらの置換基は、R3 およびR4 中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
−SO2 −基等)を介して結合することにより、式中の1個の炭素原子および2個の酸素原子と共に原子数4〜10の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、式中の1個の炭素原子および2個の酸素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
一般式(4)中に複数存在するR3 およびR4 はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。
一般式(4)において、tおよびsはそれぞれ、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1または2である。
一般式(5)において、Ar3 の非置換の炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜12、さらに好ましくは6〜10、特に好ましくは6〜8である。
前記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン、ナフタレン、アントラセン等に由来する基を挙げることができる。これらの2価の芳香族炭化水素基における2つの結合手は、芳香環を構成している炭素原子に結合しても側鎖炭素原子に結合してもよい。
前記2価の複素環式基としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジン、イミダゾリン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン等に由来する基を挙げることができる。これらの2価の複素環式基における2つの結合手は、複素環を構成している炭素原子に結合しても側鎖炭素原子に結合してもよい。
これらの置換基は、Ar3 中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
また、これらの基の置換基としては、前記Ar1 およびAr2 の置換の芳香族炭化水素基および置換の複素環式基について例示した置換基と同様のものを挙げることができる。 これらの置換基は、R5 、R6 およびR''''中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
−N(R'''')2基中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、−N(R'''')2基中の窒素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
R''''の好ましい具体例としては、前記一般式(1)におけるR’の好ましい具体例とし
て挙げた基と同様のものを挙げることができる。
一般式(5)において、複数存在するR5 およびR6 はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。
一般式(5)において、wは1〜3が好ましく、yは0〜2が好ましく、vは1〜3が好ましい。
これらのアニオンのうち、特にスルホン酸アニオンが好ましく、その具体例としては、CH3 SO3 - 、n−C4 H9 SO3 - (n−ブタンスルホン酸アニオン)、
n−C8 H17SO3 - (n−オクタンスルホン酸アニオン)、
p−CH3 C6 H4 SO3 - (p−トルエンスルホン酸アニオン)、CF3 SO3 - 、
n−C4 F9 SO3 - (ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸アニオン)、
n−C8 F17SO3 - (パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸アニオン)、スルホン酸アニオン(i)等を挙げることができ、特に好ましくは、CF3 SO3 - 、
n−C4 F9 SO3 - 、スルホン酸アニオン(i)等である。
オニウム塩化合物(6)は、オニウム塩化合物(5)中のAr3 基が置換もしくは非置換のナフタレンに由来する2価の基であり、そのS+ がナフタレン環の1−位に結合した化合物を示している。
一般式(6)において、R7 およびR''''' の非置換の炭素数1〜20のアルキル基、非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基および非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、前記一般式(1)におけるRおよびR’について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
また、これらの基の置換基としては、前記Ar1 およびAr2 の置換の芳香族炭化水素基および置換の複素環式基について例示した置換基と同様のものを挙げることができる。 これらの置換基は、R7 およびR''''' 中にそれぞれ1個以上あるいは1種以上存在することができる。
R''''' からそれぞれ1個の原子または1個の基を除去して形成された2つの残基が直接結合するか、該2つの残基が他の2価の原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)または2価の結合基(例えば、メチレン基、1,2−エチレン基等のアルキレン基や、−NH−基、−CO−基、−SO2 −基等)を介して結合することにより、
−N(R''''')2 基中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成しているという意味である。
この場合、該環状構造の原子数は、−N(R''''')2 基中の窒素原子を含めて、好ましくは5〜6である。
一般式(6)において、複数存在するR5 、R6 およびR7 はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。
オニウム塩化合物(7)は、オニウム塩化合物(6)中のスルホニウムカチオンがテトラヒドロチオフェニウムカチオンをなしている化合物を示している。
オニウム塩化合物(7)の好ましい具体例としては、下記式(7−1)〜(7−2) で表される化合物等を挙げることができる。
オニウム塩化合物(8)は、オニウム塩化合物(7)中のwが1であり、その
−SO2 R5 基がナフタレン環の4−位に結合した化合物を示している。
オニウム塩化合物(8)の好ましい具体例としては、下記式(8−1)〜(8−8) で表される化合物等を挙げることができる。
オニウム塩化合物(1)は、例えば、非特許文献2に記載されている方法により、下記反応式(イ)に示す過程を経て合成することができる。
即ち、前駆オニウム塩化合物(a)とチオール化合物(b)とを塩基性化合物の存在下で反応(以下、「チオエーテル化反応」という。)させることにより、−SR基を有するオニウム塩化合物(c)に変換したのち、オニウム塩化合物(c)を過酸化水素水等の酸化剤で酸化することにより、オニウム塩化合物(1)を合成することができる。また、オニウム塩化合物(2)〜(4)も、オニウム塩化合物(1)の合成方法に準じて合成することができる。
p−CH3 C6 H4 SO3 −基(p−トルエンスルホネート残基)等を挙げることができ、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。
チオエーテル化反応時の塩基性化合物のチオール化合物(b)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.0である。
前記有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、酢酸エチル等が好ましく、さらに好ましくはジクロロメタン、クロロホルム等である。
有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
酸化反応時の酸化剤のオニウム塩化合物(c)に対するモル比は、通常、1.0〜20.0、好ましくは1.5〜10.0である。
前記遷移金属触媒としては、例えば、タングステン酸二ナトリウム、塩化鉄(III)、塩化ルテニウム(III)、酸化セレン(IV)等を挙げることができ、好ましくはタングステン酸二ナトリウムである。
酸化反応時の遷移金属触媒のオニウム塩化合物(7)に対するモル比は、通常、0.001〜2.0、好ましくは0.01〜1.0、さらに好ましくは0.03〜0.5である。
前記緩衝剤としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等を挙げることができる。 酸化反応時の緩衝剤のオニウム塩化合物(7)に対するモル比は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.03〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
前記溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくはメタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはメタノールである。
溶媒の使用量は、オニウム塩化合物(c)100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
また必要に応じて、前記有機溶媒と水とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
オニウム塩化合物(5)は、例えば、非特許文献3に記載されている方法により、下記反応式(ロ)に示す過程を経て合成することができる。
即ち、前駆化合物(d)とチオール化合物(e)とを遷移金属触媒および塩基性化合物の存在下で反応(以下、「スルフィド化反応」という。)させることにより、−SR5 基を有するスルフィド化合物(f)に変換したのち、スルフィド化合物(f)とスルホキシド化合物とを強酸性化合物の存在下で求電子置換反応させることにより、スルホニウム塩化合物(g)を得る。その後、スルホニウム塩化合物(g)を過酸化水素水等の酸化剤で酸化することにより、オニウム塩化合物(5)を合成することができる。また、オニウム塩化合物(6)〜(8)も、オニウム塩化合物(5)の合成方法に準じて合成することができる。
p−CH3 C6 H4 SO3 −基(p−トルエンスルホネート残基)等を挙げることができ、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子である。
スルフィド化反応時の塩基性化合物のチオール化合物(e)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.0である。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、n−ヘキサン、酢酸エチル等が好ましく、さらに好ましくはメタノール、エタノール等である。 有機溶媒の使用量は、前駆化合物(d)100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
求電子置換反応の条件は、反応温度が、通常、−20〜+50℃、好ましくは0〜40℃であり、反応時間が、通常、0.1〜5時間、好ましくは0.5〜2時間である。
酸化反応時の酸化剤のスルホニウム塩化合物(g)に対するモル比は、通常、1.0〜20.0、好ましくは1.5〜10.0である。
前記遷移金属触媒としては、例えば、タングステン酸二ナトリウム、塩化鉄(III)、塩化ルテニウム(III)、酸化セレン(IV)等を挙げることができ、好ましくはタングステン酸二ナトリウムである。
酸化反応時の遷移金属触媒のオニウム塩化合物(g)に対するモル比は、通常、0.001〜2.0、好ましくは0.01〜1.0、さらに好ましくは0.03〜0.5である。
前記緩衝剤としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等を挙げることができる。
酸化反応時の緩衝剤のオニウム塩化合物(g)に対するモル比は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.03〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
前記溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくはメタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはメタノールである。
溶媒の使用量は、スルホニウム塩化合物(g)100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。 また必要に応じて、前記有機溶媒と水とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
−(A)酸発生剤−
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物における(A)成分は、酸発生剤(A1)〜(A8)の群から選ばれる少なくとも1種を必須成分とする感放射線性酸発生剤(以下、「(A)酸発生剤」という。)からなる。
酸発生剤(A1)〜(A4)においては、一般式(1)〜(4)の各式中のA、Ar1 、m、Ar2 、nおよびxがそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。
また、酸発生剤(A5)〜(A8)においては、一般式(5)〜(8)の各式中のR5 、w、R6 、yおよびvがそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、一般式(6)〜(8)の各式中のR7 およびzがそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、酸発生剤(A1)〜(A8)は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物等を挙げることができる。
また、前記スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
また、前記スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、前記スルホンイミド化合物としては、例えば、下記一般式(9)で表される化合物を挙げることができる。
を形成している。〕
特に好ましい他の酸発生剤としては、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ〕スクシンイミド、ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]−デカン−7−スルホニル)ジアゾメタンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物における(B)成分は、酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂(以下、「(B)酸解離性基含有樹脂」という。)からなる。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、(B)酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに(B)酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
このような酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
(B)酸解離性基含有樹脂において、酸解離性基は1種以上存在することができる。
また、(B)酸解離性基含有樹脂の構造は、前述した性状を有する限り特に限定はなく、種々の構造とすることができるが、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂、p−ヒドロキシスチレンおよび/またはp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体中のフェノール性水酸基の水素原子および/またはカルボキシル基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂等を好ましく用いることができる。
また、樹脂(B1)は、さらに他の繰り返し単位を少なくとも1種含むこともできる。 前記他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル等の(メタ)アクリル酸エステル類等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる
R15は相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、一般式(13)において、各R13は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基または−COOR17(但し、R17は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20の環状のアルキル基を示す。)を示し、一般式(15)において、各R16は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、かつR16の少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR16が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのR16が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を示す。〕
1−イル等を挙げることができる。
樹脂(B2)において、繰り返し単位(13)および繰り返し単位(14)はそれぞれ、単独でまたは2種以上が存在することができる。
前記他の繰り返し単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−4−イル、(メタ)アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンやその誘導体類、テトラシクロ[6.2.13,6 .02,7 ]ドデカ−3−エンやその誘導体類等の単官能性単量体や、メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を挙げることができる。
前記環状構造を有する基としては、炭素数3〜8のシクロアルカン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等に由来する脂環式環状構造を有する基や、炭素数6〜20のハロゲン化芳香族環状構造を有する基が好ましい。
特に好ましい繰り返し単位(16)の具体例としては、下記式(16−1)〜(16−4)で表される単位等を挙げることができる。
樹脂(B3)は、さらに他の繰り返し単位を少なくとも1種含むこともできる。
前記他の繰返し単位としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類の加水分解により形成される単位や、下記式(18−1)〜(18−4)で表される繰り返し単位等が好ましい。
酸解離性基を有するシラン化合物を樹脂合させる際には、触媒として、酸性触媒を用いることが好ましく、特に、該シラン化合物を酸性触媒の存在下で重縮合させたのち、塩基性触媒を加えてさらに反応させることが好ましい。
これらの酸性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、しゅう酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
前記酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記塩基性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この場合、(B)酸解離性基含有樹脂中の分岐構造の導入率は、該分岐構造やそれが導入される樹脂の種類により適宜選定することができるが、全繰返し単位に対して10モル
%以下であることが好ましい。
また、分岐構造をもたない(B)酸解離性基含有樹脂のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000であり、分岐構造を有する(B)酸解離性基含有樹脂のMwは、好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは8,000〜300,000である。このような範囲のMwを有する(B)酸解離性基含有樹脂を用いることにより、得られるレジストが現像特性に優れるものとなる。
また、酸解離性基を有する1種以上の重縮合性成分の重縮合は、好ましくは酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で実施することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、(A)酸発生剤の使用量は、レジストの所望の特性に応じて種々の選定とすることができるが、(B)酸解離性基含有樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜70重量部、さらに好ましくは0.01〜50重量部、特に好ましくは0.1〜20質量部である。この場合、(A)酸発生剤の使用量を0.001重量部以上とすることにより、感度および解像度の低下を抑制でき、また70質量部以下とすることにより、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を抑制することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、露光により(A)酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤を配合することにより、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上させることができるとともに、レジストとしての解像度がさらに向上させ、また露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、その結果、プロセス安定性に極めて優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
前記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(19)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。
さらに、R19の置換されていてもよいアラルキル基としては、例えば、炭素数が7〜19、好ましくは7〜13のもの、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基等を挙げることができる。
また、含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えば、N―(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン、N―(t−ブトキシカルボニル)イミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)2フェニルベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ジオクチルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、酸の作用により、アルカリ現像液に対する溶解性が高くなる性質を有する溶解制御剤を配合することもできる。
このような溶解制御剤としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する化合物や、該化合物中の酸性官能基の水素原子をを酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができる。
前記溶解制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶解制御剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対し、通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を配合することもできる。
このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤のいずれでも使用することができるが、好ましくはノニオン系界面活性剤である。 前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類のほか、以下商品名で、「KP」(信越化学工業製)、「ポリフロー」(共栄社油脂化学工業製)、「エフトップ」(トーケムプロダクツ製)、「メガファック」(大日本インキ化学工業製)、「フロラード」(住友スリーエム製)、「アサヒガード」および「サーフロン」(旭硝子製)等の各シリーズ等を挙げることができる。
前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対し、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下、好ましくは1.5重量部以下である。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを(A)酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させることができる増感剤を配合することもできる。
このような増感剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
さらに、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、前記以外の添加剤、例えば、染料、顔料、接着助剤や、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を配合することもできる。
この場合、染料や顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、また接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、通常、使用時に各成分を溶剤に溶解して均一溶液とし、その後必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより、組成物溶液として調製される。
前記溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの他の溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の溶剤を使用割合は、全溶剤に対して、通常、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前記のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成する。その後、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して、該レジスト被膜に露光する。
露光の際に使用することができる放射線としては、使用される(A)酸発生剤の種類に応じて、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を挙げることができ、好ましくは遠紫外線および荷電粒子線であり、特に好ましくはKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)および電子線である。
また、放射線量等の露光条件は、ポジ型感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
また、レジストパターンの形成に際しては、露光後に加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行うことが、レジストの見掛けの感度を向上させる点で好ましい。
PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
前記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解したアルカリ性水溶液が使用され、特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。
また、前記アルカリ性水溶液の濃度は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度を10重量%以下とすることにより、非露光部の現像液への溶解を抑制することができる。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することが好ましく、それによりレジストに対する現像液の濡れ性を高めることができる。
なお、前記アルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
また、これらの酸発生剤を用いた本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、特に保存安定性に優れるとともに、パターン形状にも優れ、しかも高感度および高解像度であり、特に、今後ますます微細化が進行すると予想される集積回路素子製造用の化学増幅型フォトレジストとして極めて有用である。
また、本発明のオニウム塩化合物(2)、オニウム塩化合物(3)、オニウム塩化合物(4)、オニウム塩化合物(5)、オニウム塩化合物(6)、オニウム塩化合物(7)およびオニウム塩化合物(8)は、特に、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザーあるいはEUVに代表される遠紫外線、電子線等に感応する感放射線性酸発生剤として極めて好適に使用することができる。
〔酸発生剤の合成〕
合成例1
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.8g、n−ブタンチオール6.71g加えて、室温で30分間攪拌し、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、4−n−ブチルチオフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート17.8gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.8g、シクロヘキサンチオール6.71g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、4−シクロヘキシルチオフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート19.2gを得た。
反応フラスコ内で、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液600g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.8g、n−ブタンチオール20.1gを加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、ジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、トリス(4−n−ブチルチオフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート23.4gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン―7−チオール11.8g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、〔4−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン―7−イルスルファニル)フェニル〕ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート25.3gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン―7−チオール14.6g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、〔4−(3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン―7−イルスルファニル)フェニル〕ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート25.6gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−チオール8.7g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、〔4−(ビシクロ[2.2.2]ヘプタン−2−イルスルファニル)フェニル〕ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート25.6gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、メタンチオール6.71g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、4−メチルチオフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート19.8gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、アントラセン−9−ニルメタンチオール15.2g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、〔4−(アントラセン−9−イルメタンスルファニル)フェニル〕ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート27.2gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.8g、シクロヘキサンチオール6.71g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、4−シクロヘキシルチオフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート19.2gを得た。
反応フラスコ内で、シクロヘキサンチオール33.5g、ナトリウムエトキサイド37.4g、1−ヨードナフタレン70gをエタノール1リットルに溶解して、窒素置換を行った。その後、テトラキス(トリフェニルホスホニウム)パラジウム3.2gを加え、90℃で11時間攪拌した。その後、エタノールを減圧留去により除去して、メチルイソブチルケトン1リットル、蒸留水1リットルを加え、得られた溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水1リットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られた溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過したのち、乾燥後の溶液からメチルイソブチルケトンを留去した。その後、残留液体を減圧乾燥し、n−ヘキサンを展開溶媒としてシリカゲルカラムで精製したのち、n−ヘキサンを減圧留去することにより、1−シクロヘキシルチオナフタレン46gを得た。
反応フラスコ内で、4−フルオロフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート26.7gをジクロロメタン200gに溶解して、窒素置換を行った。その後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液200g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.8g、メタンチオール6.71g加え、室温で30分間攪拌した。その後、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、さらに蒸留水300ミリリットルを加えて振とうして、静置したのち、水層を除去した。その後、得られたジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、乾燥後の溶液からジクロロメタンを留去したのち、残留液体を減圧乾燥することにより、4−メチルチオフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート19.2gを得た。
十分乾燥した容量100ミリリットルのナス型フラスコに攪拌子を入れ、1−シクロヘキシルチオナフタレン18.1g、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物39.7gを仕込んで、氷浴により0℃に冷却して攪拌した。その後、この混合物に対して、テトラメチレンスルホキシド8.9gを5分以上かけて滴下し、同温度にて10分間攪拌したのち、氷浴を除去し、反応温度を45℃として、さらに4時間攪拌を続けた。その後、反応混合物を再度氷浴により0℃に冷却し、イオン交換水450ミリリットルおよび25重量%アンモニア水を順次滴下して、反応混合物のpHを7に調整したのち、氷浴を除去して、25℃で1時間攪拌を続け、その後不溶分をろ別した。
酸発生剤(A-1) 〜(A-12)について、日本電子(株)製「JMS−AX505W型質量分析計」を用いて質量分析を行った。分析条件は下記の通りである。各酸発生剤のカチオン部分についてのスペクトルを、図1〜12に示す。
エミッター電流 :5mA(使用ガス:Xe)
加速電圧 :3.0kV
10N MULTI:1.3
イオン化法 :高速原子衝撃法(FAB)
検出イオン :カチオン(+)
測定質量範囲 :20〜1,500m/z
スキャン :30秒
分解能 :1,500
マトリックス :3−ニトロベンジルアルコール
酸発生剤(A-1) 〜(A-12)について、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用いて 1H−NMR分析を行った。使用した測定溶媒は、重水素化クロロホルムである。得られたスペクトルを、図13〜24に示す。
以下に記載する方法により、(B)酸解離性基含有樹脂を合成した。
(B)酸解離性基含有樹脂のMwおよびMnは、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
p−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、p−t−ブトキシスチレン42g、アゾビスイソブチロニトリル6g、t−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合した。重合後、反応溶液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、樹脂を凝固精製した。その後、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80g、水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが16,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23であった。この樹脂を「樹脂(B-1) 」とする。
p−アセトキシスチレン100g、アクリル酸t−ブチル25g、スチレン18g、アゾビスイソブチロニトリル6g、t−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル230gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合した。重合後、反応溶液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、樹脂を凝固精製した。その後、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80g、水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが11,500、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとアクリル酸t−ブチルとスチレンとの共重合モル比が61:19:20であった。この樹脂を「樹脂(B-2) 」とする。
p−アセトキシスチレン97g、p−t−ブトキシスチレン51g、アゾビスイソブチロニトリル6g、t−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合した。重合後、反応溶液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、樹脂を凝固精製した。その後、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80g、水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが16,500、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が67:33であった。この樹脂を「樹脂(B-3) 」とする。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)25gを酢酸n−ブチル80gに溶解して、窒素により30分間バブリングを行った。その後、この溶液にジ−t−ブチルジカーボネート49gを加え、触媒としてトリエチルアミン25gを加えて、60℃で7時間反応させた。その後、酢酸n−ブチルを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、大量の水中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが12,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の26モル%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を「樹脂(B-4) 」とする。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素により30分間バブリングを行った。その後、この溶液にエチルビニルエーテル4.8gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを加えて、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の34モル%がエトキシキシエチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を「樹脂(B-5) 」とする。
共重合モル比が92:8のp−ヒドロキシスチレン/p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン共重合体25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素により30分間バブリングを行った。その後、この溶液にエチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを加えて、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.8であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%が1−エトキシキシエチル基で、8モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を「樹脂(B-6) 」とする。
共重合モル比が90:10のp−ヒドロキシスチレン/p−t−ブトキシスチレン共重合体25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素により30分間バブリングを行った。その後、この溶液にエチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを加えて、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を凝固させ、析出した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.01であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシキシエチル基で、10モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を「樹脂(B-7)」とする。
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル53.69g、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル46.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.04gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,700、Mw/Mnが1.91であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が59.6:40.4の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-8)」とする。
メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.90g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル15.47g、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.64gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.02gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,200、Mw/Mnが2.02であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が36.2:15.2:48.6の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-9)」とする。
メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル43.66g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル14.74g、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.66gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.83gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,600、Mw/Mnが1.85であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルエステルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が35.6:15.1:49.3の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-10)」とする。
メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル16.13g、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.58g、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.29gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.99gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが8,900、Mw/Mnが1.88であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が13.7:38.2:48.1の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-11)」とする。
アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル42.44g、アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル15.10g、アクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル42.46gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.17gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが10,200、Mw/Mnが2.05であり、13C−NMR分析の結果、アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとアクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が49.2:15.3:35.5の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-12)」とする。
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル55.00g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル11.70g、アクリル酸1−エチルシクロペンチル33.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.56gを投入したモノマー溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットル三口フラスコを30分窒素パージしたのち、内容物を攪拌しながら80℃に加熱して、前記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却して、2−プロパノール/n−ヘプタン=1/2(重量比)の混合溶媒2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度2−プロパノール/n−ヘプタン=1/2(重量比)の混合溶媒400gによりスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂はMwが、8,500、Mw/Mnが1.99であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸1−エチルシクロペンチルとの共重合モル比が53.7:11.1:35.2の共重合体であった。この樹脂を「樹脂(B-13)」とする。
撹拌機、寒流冷却器および温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(16−2)で表される繰り返し単位を与えるトリエトキシシラン化合物1.52g、前記式(18−1)で表される繰り返し単位を与えるトリエトキシシラン化合物1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%しゅう酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して水層を除去し、さらにイオン交換水を加えて有機層を水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去した。
得られた樹脂は、Mwが2,000、Mw/Mnが2.32であり、13C−NMR分析の結果、式(16−2)で表される繰り返し単位と式(18−1)で表される繰り返し単位とのモル比が60:40の樹脂であった。この樹脂を「樹脂(B-14)」とする。
表1-1および表1-2(但し、「部」は重量基準である。)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、実施例1〜24および比較例1〜2の各組成物溶液を調製した。
各実施例および比較例で用いた酸発生剤(A-1) 〜(A-12)および樹脂(B-1) 〜(B-14)以外の各成分は下記の通りである。
他の酸発生剤
a-1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
a-2:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート a-3:N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト− 5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
C-1:トリ−n−ヘキシルアミン
C-2:トリエタノールアミン
C-3:2−フェニルベンズイミダゾール
C-4:1,2−ジメチルイミダゾール
C-5:3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール
溶解制御剤
D-1:デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル
溶剤
S-1:乳酸エチル
S-2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S-3:2−ヘプタノン
S-4:γ−ブチロラクトン
実施例1〜26および比較例1〜2の各液状組成物をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、表2-1および表2-2に示す条件でPBを行って、表2-1および表2-2に示す膜厚のレジスト被膜を形成した。その後、表2-1および表2-2に示す条件で露光を行ったのち、表2-1および表2-2に示す条件でPEBを行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥することにより、レジストパターンを形成した。
感度
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光量を変えて露光したのち、直ちにPEBを行い、その後現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
解像度
最適露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法を解像度とした。
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定し、0.85≦Lb/La≦1の条件を満足するものを「良好」とし、この条件を満たさないものを「不良」とした。
保存安定性
各液状組成物について、調製直後の感度、および室温で1月間静置後の感度を評価して、1月間静置後の感度の調製直後の感度に対する変化量が10%未満のものを「良好」とし、10%以上ものを「不良」とした。
Claims (15)
- カチオン部分が下記一般式(1)で表されるオニウム塩化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするフォトレジスト用感放射線性酸発生剤。
- 一般式(1)中のAが硫黄原子である、請求項1に記載のフォトレジスト用感放射線性酸発生剤。
- カチオン部分が下記一般式(2)で表されるオニウム塩化合物。
−N(R'')2 基(但し、各R''は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2個のR''が相互に結合して、式中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成している。)を示し、pは0〜16の整数であり、qは0〜8の整数である。〕 - 一般式(2)中のAが硫黄原子である、請求項3に記載のオニウム塩化合物。
- カチオン部分が下記一般式(3)で表されるオニウム塩化合物。
の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基または
−N(R''')2 基(但し、各R''' は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または置換もしくは非置換の原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2個のR''' が相互に結合して、式中の窒素原子と共に原子数3〜8の環状構造を有する基を形成している。)を示し、rは0〜6の整数であり、sは0〜5の整数であり、各vは相互に独立に1〜3の整数である。〕 - 一般式(3)中のAが硫黄である、請求項5に記載のオニウム塩化合物。
- 一般式(4)中のAが硫黄である、請求項7に記載のオニウム塩化合物。
- カチオン部分が下記一般式(5)で表されるオニウム塩化合物。
- カチオン部分が下記一般式(6)で表されるオニウム塩化合物。
- 請求項3〜12の何れかに記載のオニウム塩化合物からなる感放射線性酸発生剤。
- (A)請求項1または請求項2に記載のフォトレジスト用感放射線性酸発生剤および請求項13に記載の感放射線性酸発生剤の群から選ばれる少なくとも1種を必須成分とする感放射線性酸発生剤、並びに(B)酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂を含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
- さらに(C)酸拡散制御剤を含有することを特徴とする、請求項14に記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
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