JP4103585B2 - 酸発生剤、スルホン酸とその誘導体および含ハロゲンノルボルナン系化合物 - Google Patents

酸発生剤、スルホン酸とその誘導体および含ハロゲンノルボルナン系化合物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸発生剤、スルホン酸とその誘導体、含ハロゲンノルボルナン系化合物および感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは、特に、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザーあるいはEUV(極紫外線)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして使用されるポジ型感放射線性樹脂組成物の感放射線性酸発生剤として好適な酸発生剤、当該酸発生剤から発生するスルホン酸、当該酸発生剤をなす化合物を合成する原料ないし中間体として有用なスルホン酸誘導体およびその前駆体、並びに当該酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィプロセスが必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィプロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルでの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.20μm以下のレベルにおける微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトルやエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち特に、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、
2 エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)、電子線等を用いる技術が注目されている。
【0003】
前記短波長の放射線に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する感放射線性酸発生剤との間の化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という。)が数多く提案されている。
化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基やフェノール性水酸基からなる酸性基を形成し、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
ところで、化学増幅型感放射性組成物における感放射線性酸発生剤に求められる特性として、放射線に対する透明性に優れ、かつ酸発生における量子収率が高いこと、発生する酸が十分強いこと、発生する酸の沸点が十分高いこと、発生する酸のレジスト被膜中での拡散距離(以下、「拡散長」という。)が適切であることなどが挙げられる。
【0004】
これらのうち、酸の強さ、沸点および拡散長に関しては、イオン性の感放射線性酸発生剤ではアニオン部分の構造が重要であり、また通常のスルホニル構造やスルホン酸エステル構造を有するノニオン性の感放射線性酸発生剤ではスルホニル部分の構造が重要となる。例えば、トリフルオロメタンスルホニル構造を有する感放射線性酸発生剤の場合、発生する酸は十分強い酸となり、フォトレジストとしての解像性能は十分高くなるが、酸の沸点が低く、また酸の拡散長が長いため、フォトレジストとしてマスク依存性が大きくなるという欠点がある。また、例えば10−カンファースルホニル構造のような大きな有機基に結合したスルホニル構造を有する感放射線性酸発生剤の場合は、発生する酸の沸点は十分高く、酸の拡散長が十分短いため、マスク依存性は小さくなるが、酸の強度が十分ではないために、フォトレジストとしての解像性能が十分ではない。
一方、パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸(PFOS)等のパーフルオロアルキルスルホニル構造を有する感放射線性酸発生剤は、十分な酸性度をもち、かつ酸の沸点や拡散長も概ね適当であるため、近年特に注目されている。
【0005】
しかしながら、PFOS等のパーフルオロアルキルスルホニル構造を有する感放射線性酸発生剤は、環境問題について考えた場合、一般に燃焼性が低く、また人体蓄積性も疑われており、米国の環境保護庁(ENVIRONMENTAL PROTECTION AGENCY)による報告(非特許文献1参照。)において、使用を規制する提案がなされている。
また、デバイスの設計寸法がサブハーフミクロン以下であり、線幅制御をより精密に行う必要がある場合に、膜表面の平滑性に劣る化学増幅型レジストを用いると、エッチング等の処理により基板にレジストパターンを転写する際に、膜表面の凹凸形状(以下、「ナノエッジラフネス」という。)が基板に転写される。その結果、パターンの寸法精度が低下し、最終的にデバイスの電気特性が損なわれるおそれがある(例えば、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照。)。したがって、設計寸法がサブハーフミクロン以下の場合には、化学増幅型レジストの性質として、解像性能が優れているだけでなく、レジストパターン形成後の膜表面の平滑性に優れていることも重要となってきている。
【0006】
したがって、微細加工の分野では、前記のパーフルオロアルキルスルホニル構造の場合におけるような欠点がなく、しかも解像性能に優れ、かつナノエッジラフネスの小さい、より優れた化学増幅型レジストを実現しうる、感放射線性酸発生剤としての機能にも優れた代替成分の開発が急務となっている。
【0007】
【特許文献1】
特公平2−27660号公報
【非特許文献1】
Perfluorooctyl Sulfonates ; Proposed Significant New Use Rule
【非特許文献2】
J. Photopolym. Sci. Tech., p.571 (1998)
【非特許文献3】
Proc. SPIE, Vol.3333, p.313
【非特許文献4】
Proc. SPIE, Vol.3333, p.634
【非特許文献5】
J. Vac. Sci. Technol. B16(1), p.69(1998)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、活性放射線、特に、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザーあるいはEUVに代表される遠紫外線や電子線等に対する透明性に優れ、これらの活性放射線に感応する感放射線性酸発生剤として、ないしは熱酸発生剤として、燃焼性が比較的高く、また人体蓄積性にも問題がなく、しかも発生する酸の酸性度および沸点が十分高く、かつレジスト被膜中での拡散長が適度に短く、またマスクパターンの疎密度への依存性が小さく、かつ表面および側壁の平滑性に優れたレジストパターンを得ることができる新規な酸発生剤、当該酸発生剤から発生するスルホン酸、当該酸発生剤を合成する原料ないし中間体として有用なスルホン酸誘導体およびそれらの前駆体、並びに当該酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、下記一般式(1)または一般式(2)で表される構造を1つ以上有する化合物からなる酸発生剤(以下、「酸発生剤(A)」という。)からなる。
ここで、「一般式(1)または下記一般式(2)で表される構造を1つ以上有する」とは、一般式(1)で表される構造のみを1つ以上有する場合、一般式(2)で表される構造のみを1つ以上有する場合、および一般式(1)で表される構造を1つ以上と一般式(2)で表される構造を1つ以上とを有する場合を包含する概念である。
以下では、一般式(1)で表される構造を「構造(1)」、一般式(2)で表される構造を「構造(2)」という。
【0010】
【化17】
Figure 0004103585
【0011】
【化18】
Figure 0004103585
【0012】
〔一般式(1)において、R1 は水素原子または1価の置換基を示し、pは1以上の整数であり、R2 が存在するとき、R1 O−とR2 とがそれらに含まれる原子を介して環を形成してもよく、またR1 O−基が複数存在する場合、少なくとも2つのR1 O−が少なくとも2個のR1 中に含まれる原子を介して相互に結合して環を形成してもよい。
一般式(1)および一般式(2)において、Z1 およびZ2 は相互に独立にフッ素原子または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Y1 は単結合、−O−、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、1−メチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、トリメチレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロ−1,2−エチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基または1,4−フェニレン基を示し、R2 は1価または2価の置換基を示し、qは0以上の整数であり、nは0〜5の整数である。〕
【0013】
本発明は、第二に、下記一般式(9)または一般式(10)で表される含ハロゲンノルボルナン系化合物からなる。
以下では、一般式(9)で表される含ハロゲンノルボルナン系化合物を「含ハロゲン化合物(9)」といい、一般式(10)で表される含ハロゲンノルボルナン系化合物を「含ハロゲン化合物(10)」という。
【0014】
【化19】
Figure 0004103585
【0015】
【化20】
Figure 0004103585
【0016】
〔一般式(9)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(9)および一般式(10)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1
2 、qおよびnと同義であり、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。〕
【0017】
本発明は、第三に、下記一般式(11)または一般式(12)で表されるスルホン酸からなる。
以下では、一般式(11)で表されるスルホン酸を「スルホン酸(11)」といい、一般式(12)で表されるスルホン酸を「スルホン酸(12)」という。
【0018】
【化21】
Figure 0004103585
【0019】
【化22】
Figure 0004103585
【0020】
〔一般式(11)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(11)および一般式(12)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義である。〕
【0021】
本発明は、第四に、下記一般式(13)または一般式(14)で表されるスルホン酸塩からなる。
以下では、一般式(13)で表されるスルホン酸塩を「スルホン酸塩(13)」といい、一般式(14)で表されるスルホン酸塩を「スルホン酸塩(14)」という。
【0022】
【化23】
Figure 0004103585
【0023】
【化24】
Figure 0004103585
【0024】
〔一般式(13)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(13)および一般式(14)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、Mはナトリウム、カリウムまたはリチウムを示す。〕
【0025】
本発明は、第五に、下記一般式(15)または一般式(16)で表されるスルホニルハライド化合物からなる。
以下では、一般式(15)で表されるスルホニルハライド化合物を「スルホニルハライド化合物(15)」といい、一般式(16)で表されるスルホニルハライド化合物を「スルホニルハライド化合物(16)」という。
【0026】
【化25】
Figure 0004103585
【0027】
【化26】
Figure 0004103585
〔一般式(15)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(15)および一般式(16)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、Aはハロゲン原子を示す。〕
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
酸発生剤(A)
酸発生剤(A)は、露光ないしは加熱により、スルホン酸(11)あるいはスルホン酸(12)を発生する成分である。
酸発生剤(A)は、その構造(1)および構造(2)中のスルホニル基のα−位に強い含フッ素系電子吸引基をもつため、発生するスルホン酸等の酸の酸性度が高く、また沸点が十分高いためフォトリソグラフィ工程中で揮発し難く、かつレジスト被膜中での酸の拡散長も適度に短く、表面および側壁の平滑性に優れたレジストパターンを得ることができる特性を有する。さらに、発生するスルホン酸中のフッ素含有量がパーフルオロアルキルスルホン酸に比べて少ないため、燃焼性が比較的高く、また人体蓄積性も低いものである。
【0031】
一般式(1)において、R1 の1価の置換基としては、例えば、−R7
−CO−R7 、−COO−R7 、−CON(R7)(R8)、−SO2 −R7 (但し、R7 およびR8 は相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは環状の1価の炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基または置換もしくは非置換の炭素数4〜30の1価のヘテロ環状有機基を示す。)等を挙げることができる。
【0032】
7 およびR8 の非置換の炭素原子数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは環状の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネン骨格を有する基、ノルボルナン骨格を有する基、イソボルニル骨格を有する基、トリシクロデカン骨格を有する基、テトラシクロドデカン骨格を有する基、アダマンタン骨格を有する基等を挙げることができる。
【0033】
また、前記炭化水素基の置換基としては、例えば、アリール基、アルケニル基や、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子等のヘテロ原子を含む有機基等を挙げることができる。
7 およびR8 の置換された炭素原子数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは環状の1価の炭化水素基としては、例えば、
メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェノキシメチル基、アセチルメチル基、トリフルオロアセチルメチル基、トリクロロアセチルメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、α−メチルフェニル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、シクロプロピルメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、アダマンチルメチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、ペンタフルオロベンゾイルメチル基、アミノメチル基、シクロヘキシルアミノメチル基、ジフェニルホスフィノメチル基、トリメチルシリルメチル基等の置換メチル基;
【0034】
1−フェネチル基、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基、1−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル基等の1−置換エチル基;
2−フェネチル基、2−メトキシエチル基、2−メチルチオエチル基、2−アミノエチル基等の2−置換エチル基;
【0035】
1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等の1−置換−n−プロピル基;
2−フルオロ−n−プロピル基等の2−置換−n−プロピル基;
3−フェニル−n−プロピル基等の3−置換−n−プロピル基;
4−メトキシシクロヘキシル基等の置換シクロアルキル基;
【0036】
トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等のシリル基;
トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等のゲルミル基
等を挙げることができる。
【0037】
また、R7 およびR8 の非置換の炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、1−フェナントリル基等を挙げることができる。
また、R7 およびR8 の非置換の炭素数4〜30の1価のヘテロ環状有機基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピラニル基、ピロリル基、チアントレニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基を挙げることができる。
また、前記アリール基および1価のヘテロ環状有機基の置換基としては、アルキル基や、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子等のヘテロ原子を含む有機基等を挙げることができる。
【0038】
7 およびR8 の置換された炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、2,3−キシリル基、p−フルオロフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ヨードフェニル基等を挙げることができる。
また、R7 およびR8 の置換された炭素数4〜30の1価のヘテロ環状有機基としては、例えば、2−ブロモフリル基、3−メトキシチエニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を挙げることができる。
【0039】
一般式(1)において、R1 は式中のノルボルナン環を構成する炭素原子の何れにも結合することができ、複数存在するR1 は相互に同一でも異なってもよい。
【0040】
一般式(1)において、R1 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、1−プロピルカルボニル基、2−プロピルカルボニル基、1−ブチルカルボニル基、2−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、1−ブトキシカルボニル基、2−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、i−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基等が好ましく、さらに好ましくは、水素原子、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メタンスルホニル基、i−プロパンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基等であり、pとしては、1または2が好ましい。
【0041】
一般式(1)および一般式(2)において、R2 の1価または2価の置換基としては、例えば、オキソ基(=O)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホルミル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のビニリデン基、炭素数1〜12の1価の環状有機基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0042】
前記炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のビニリデン基としては、例えば、カルベニル基、1,1−エチリデニル基、プロピリデニル基、1−メチルプロピリデニル基、1−エチルプロピリデニル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数1〜12の1価の環状有機基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、カンホロイル基等を挙げることができる。
【0043】
また、前記炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−ナフチル基、1−アントラセニル基、ベンジル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。
また、前記炭素数6〜20のアリーロキシ基としては、例えば、フェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基等を挙げることができる。
【0044】
また、前記炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基、ベンジルカルボニル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
また、前記炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
なお、これらの置換基は、さらに任意の置換基、例えば前記した置換基を1種以上有することもできる。
【0045】
一般式(1)および一般式(2)において、R2 は各式中のノルボルナン環を構成する炭素原子の何れにも結合することができ、複数存在するR2 は相互に同一でも異なってもよい。
一般式(1)および一般式(2)において、qとしては、0が好ましい。
【0046】
一般式(1)および一般式(2)において、Z1 およびZ2 の炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフロオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
一般式(1)および一般式(2)において、Z1 およびZ2 としては、フッ素原子、トリフルオロメチル基等が好ましい。
【0047】
一般式(1)および一般式(2)において、Y1 の2価の基としては、カルボニル基、メチレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロ−1,2−エチレン基等が好ましい。
【0048】
一般式(1)および一般式(2)において、Y1 としては、単結合、カルボニル基、メチレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロ−1,2−エチレン基等が好ましい。 また、一般式(1)および一般式(2)において、nとしては、0または1が好ましい。
【0049】
本発明において、好ましい構造(1)としては、例えば、下記式(1-1)〜(1-126)で表される構造等を挙げることができ、好ましい構造(2)としては、例えば、下記式(2-1)〜(2-14)で表される構造等を挙げることができる。
【0050】
【化27】
Figure 0004103585
【0051】
【化28】
Figure 0004103585
【0052】
【化29】
Figure 0004103585
【0053】
【化30】
Figure 0004103585
【0054】
【化31】
Figure 0004103585
【0055】
【化32】
Figure 0004103585
【0056】
【化33】
Figure 0004103585
【0057】
【化34】
Figure 0004103585
【0058】
【化35】
Figure 0004103585
【0059】
【化36】
Figure 0004103585
【0060】
【化37】
Figure 0004103585
【0061】
【化38】
Figure 0004103585
【0062】
【化39】
Figure 0004103585
【0063】
【化40】
Figure 0004103585
【0064】
【化41】
Figure 0004103585
【0065】
【化42】
Figure 0004103585
【0066】
【化43】
Figure 0004103585
【0067】
【化44】
Figure 0004103585
【0068】
【化45】
Figure 0004103585
【0069】
【化46】
Figure 0004103585
【0070】
【化47】
Figure 0004103585
【0071】
【化48】
Figure 0004103585
【0072】
【化49】
Figure 0004103585
【0073】
【化50】
Figure 0004103585
【0074】
【化51】
Figure 0004103585
【0075】
【化52】
Figure 0004103585
【0076】
【化53】
Figure 0004103585
【0077】
【化54】
Figure 0004103585
【0078】
【化55】
Figure 0004103585
【0079】
【化56】
Figure 0004103585
【0080】
【化57】
Figure 0004103585
【0081】
【化58】
Figure 0004103585
【0082】
【化59】
Figure 0004103585
【0083】
【化60】
Figure 0004103585
【0084】
【化61】
Figure 0004103585
【0085】
【化62】
Figure 0004103585
【0086】
【化63】
Figure 0004103585
【0087】
【化64】
Figure 0004103585
【0088】
【化65】
Figure 0004103585
【0089】
【化66】
Figure 0004103585
【0090】
【化67】
Figure 0004103585
【0091】
【化68】
Figure 0004103585
【0092】
【化69】
Figure 0004103585
【0093】
【化70】
Figure 0004103585
【0094】
【化71】
Figure 0004103585
【0095】
【化72】
Figure 0004103585
【0096】
【化73】
Figure 0004103585
【0097】
【化74】
Figure 0004103585
【0098】
【化75】
Figure 0004103585
【0099】
【化76】
Figure 0004103585
【0100】
【化77】
Figure 0004103585
【0101】
【化78】
Figure 0004103585
【0102】
【化79】
Figure 0004103585
【0103】
【化80】
Figure 0004103585
【0104】
【化81】
Figure 0004103585
【0105】
【化82】
Figure 0004103585
【0106】
【化83】
Figure 0004103585
【0107】
【化84】
Figure 0004103585
【0108】
【化85】
Figure 0004103585
【0109】
【化86】
Figure 0004103585
【0110】
これらの構造のうち、式(1-1) 、式(1-2)、式(1-4) 、式(1-8)、式(1-9)、式(1-11)、式(1-15)、式(1-16)、式(1-18)、式(1-29)、式(1-30)、式(1-32)、式(1-36)、式(1-37)、式(1-39)、式(1-43)、式(1-44)、式(1-46)、式(1-50)、式(1-57)、式(1-58)、式(1-60)、式(1-64)、式(1-65)、式(1-67)、式(1-71)、式(1-72)、式(1-74)、式(1-78)、式(1-79)、式(1-81)、式(1-92)、式(1-93)、式(1-95)、式(1-99)、式(1-100)、式(1-102)、式(1-106)、式(1-107)、式(1-109) 、式(1-113)、式(1-114)または式(1-116)で表される構造(1);式(2-1)、式(2-2)、式(2-4)、式(2-8)、式(2-9)または式(2-11)で表される構造(2)等が好ましい。
【0111】
酸発生剤(A)をなす化合物のうち、好ましいイオン性化合物としては、例えば、下記一般式(3)または一般式(4)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物を挙げることができる。
【0112】
【化87】
Figure 0004103585
【0113】
【化88】
Figure 0004103585
【0114】
〔一般式(3)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(3)および一般式(4)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、M+ は1価のオニウムカチオンを示す。〕
【0115】
以下では、一般式(3)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物を「スルホン酸オニウム塩化合物(3)」といい、一般式(4)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物を「スルホン酸オニウム塩化合物(4)」という。
スルホン酸オニウム塩化合物(3)は、構造(1)中のスルホニル基が酸素アニオンと結合してスルホン酸アニオンを形成した化合物であり、またスルホン酸オニウム塩化合物(4)は、構造(2)中のスルホニル基が酸素アニオンと結合してスルホン酸アニオンを形成した化合物である。
【0116】
一般式(3)および一般式(4)において、M+ の1価のオニウムカチオンとしては、例えば、O、S、Se、N、P、As、Sb、Cl、Br、I等のオニウムカチオンを挙げることができ、特に、SのオニウムカチオンおよびIのオニウムカチオンが好ましい。
【0117】
一般式(3)および一般式(4)において、好ましいM+ としては、例えば、下記一般式(5)または一般式(6)で表されるものを挙げることができる。
【0118】
【化89】
Figure 0004103585
〔一般式(5)において、各R3 は相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基を示すか、あるいは何れか2つ以上のR3 が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成している。〕
【0119】
【化90】
Figure 0004103585
〔一般式(6)において、各R4 は相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基を示すか、あるいは2つのR4 が相互に結合して式中のヨウ素原子と共に環を形成している。〕
【0120】
+ の1価のオニウムカチオン部位は、例えば非特許文献6に記載されている一般的な方法に準じて製造することができる。
【0121】
【非特許文献6】
Advances in Polymer Science, Vol.62, p.1-48 (1984)
【0122】
好ましい1価のオニウムカチオンとしては、例えば、下記式(5-1)〜(5-64)で表されるスルホニウムカチオン、下記式(6-1)〜(6-39)で表されるヨードニウムカチオン等を挙げることができる。
【0123】
【化91】
Figure 0004103585
【0124】
【化92】
Figure 0004103585
【0125】
【化93】
Figure 0004103585
【0126】
【化94】
Figure 0004103585
【0127】
【化95】
Figure 0004103585
【0128】
【化96】
Figure 0004103585
【0129】
【化97】
Figure 0004103585
【0130】
【化98】
Figure 0004103585
【0131】
【化99】
Figure 0004103585
【0132】
【化100】
Figure 0004103585
【0133】
【化101】
Figure 0004103585
【0134】
【化102】
Figure 0004103585
【0135】
【化103】
Figure 0004103585
【0136】
【化104】
Figure 0004103585
【0137】
【化105】
Figure 0004103585
【0138】
【化106】
Figure 0004103585
【0139】
【化107】
Figure 0004103585
【0140】
【化108】
Figure 0004103585
【0141】
【化109】
Figure 0004103585
【0142】
【化110】
Figure 0004103585
【0143】
【化111】
Figure 0004103585
【0144】
【化112】
Figure 0004103585
【0145】
【化113】
Figure 0004103585
【0146】
【化114】
Figure 0004103585
【0147】
【化115】
Figure 0004103585
【0148】
【化116】
Figure 0004103585
【0149】
【化117】
Figure 0004103585
【0150】
【化118】
Figure 0004103585
【0151】
【化119】
Figure 0004103585
【0152】
【化120】
Figure 0004103585
【0153】
【化121】
Figure 0004103585
【0154】
【化122】
Figure 0004103585
【0155】
【化123】
Figure 0004103585
【0156】
【化124】
Figure 0004103585
【0157】
【化125】
Figure 0004103585
【0158】
【化126】
Figure 0004103585
【0159】
【化127】
Figure 0004103585
【0160】
【化128】
Figure 0004103585
【0161】
【化129】
Figure 0004103585
【0162】
【化130】
Figure 0004103585
【0163】
【化131】
Figure 0004103585
【0164】
【化132】
Figure 0004103585
【0165】
【化133】
Figure 0004103585
【0166】
【化134】
Figure 0004103585
【0167】
【化135】
Figure 0004103585
【0168】
【化136】
Figure 0004103585
【0169】
【化137】
Figure 0004103585
【0170】
【化138】
Figure 0004103585
【0171】
【化139】
Figure 0004103585
【0172】
【化140】
Figure 0004103585
【0173】
【化141】
Figure 0004103585
【0174】
【化142】
Figure 0004103585
【0175】
これらの1価のオニウムカチオンのうち、前記式(5-1)、式(5-2)、式(5-6)、式(5-8)、式(5-13)、式(5-19)、式(5-25)、式(5-27)、式(5-29)、式(5-51)または式(5-54)で表されるスルホニウムカチオン;前記式(6-1)または式(6-11)で表されるヨードニウムカチオン等が好ましい。
【0176】
また、酸発生剤(A)をなす化合物のうち、好ましい非イオン性化合物としては、例えば、下記一般式(7)または一般式(8)で表されるN−スルホニルオキシイミド化合物を挙げることができる。
【0177】
【化143】
Figure 0004103585
【0178】
【化144】
Figure 0004103585
【0179】
〔一般式(7)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
一般式(7)および一般式(8)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、R5 およびR6 は相互に独立に水素原子または置換もしくは非置換の1価の有機基を示すか、あるいはR5 とR6 とが相互に結合してそれらが結合している炭素原子と共に環を形成しており、Y2 は単結合、二重結合または2価の基を示す。〕
以下では、一般式(7)で表されるN−スルホニルオキシイミド化合物を「N−スルホニルオキシイミド化合物(7)」といい、一般式(8)で表されるN−スルホニルオキシイミド化合物を「N−スルホニルオキシイミド化合物(8)」という。
【0180】
一般式(7)および一般式(8)において、各式中のスルホニルオキシ基(SO2 −O−)に結合した好ましいイミド基としては、例えば、下記式(i-1)〜(i-9) の基等を挙げることができる。
【0181】
【化145】
Figure 0004103585
【0182】
【化146】
Figure 0004103585
【0183】
【化147】
Figure 0004103585
【0184】
これらのイミド基のうち、式(i-1)、式(i-4)、式(i-8)または式(i-9)で表される基等が好ましい。
【0185】
本発明の酸発生剤(A)は、露光ないしは加熱によりスルホン酸(11)あるいはスルホン酸(12)を発生する作用を有し、特に、後述する感放射線性樹脂組成物における感放射線性酸発生剤として極めて好適に使用することができる。
【0186】
−スルホン酸オニウム塩化合物(3)の合成法−
スルホン酸オニウム塩化合物(3)は、例えば、前記非特許文献6や下記非特許文献7に記載されている一般的な方法に準じて合成することができる。
【0187】
【非特許文献7】
Inorganic Chemistry, Vol.32, p.5007-5011(1993)
【0188】
即ち、下記反応式 [1] に示すように、対応する前駆化合物(3a)を、無機塩基の存在下で、亜二チオン酸ナトリウムと反応させることにより、スルフィン酸塩(3b)に変換し、これを過酸化水素などの酸化剤により酸化することにより、スルホン酸塩(3c)に変換したのち、対イオン交換前駆体M+ - とイオン交換反応を行うことにより、スルホン酸オニウム塩化合物(3)を得ることができる。
【0189】
【化148】
Figure 0004103585
〔反応式 [1] において、Bは脱離性の1価の基を示し、D- は1価のアニオンを示す。〕
【0190】
前駆化合物(3a)において、Bの脱離性の1価の基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子のほか、メタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等を挙げることができ、好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子である。
前駆化合物(3a)と亜二チオン酸ナトリウムとの反応において、亜二チオン酸ナトリウムの前駆化合物(3a)に対するモル比は、通常、0.01〜100、好ましくは1.0〜10である。
【0191】
また、前記無機塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等挙げることができ、好ましくは、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等である。
無機塩基の亜二チオン酸ナトリウムに対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.0である。
【0192】
この反応は、好ましくは有機溶媒と水との混合溶媒中で行われる。
前記有機溶媒としては、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の、水との相溶性のよい溶媒が好ましく、さらに好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはアセトニトリルである。
有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応温度は、通常、40〜200℃、好ましくは60〜120℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間である。なお、反応温度が有機溶媒あるいは水の沸点より高い場合は、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
【0193】
スルフィン酸塩(3b)の酸化反応において、酸化剤としては、過酸化水素のほか、メタクロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシ硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過ホウ素酸ナトリウム、メタヨウ素酸ナトリウム、クロム酸、二クロム酸ナトリウム、ハロゲン、ヨードベンゼンジクロリド、ヨードベンゼンジアセテート、酸化オスミウム(VIII)、酸化ルテニウム(VIII)、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、酸素ガス、オゾンガス等を挙げることができ、好ましくは、過酸化水素、メタクロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシド等である。
酸化剤のスルフィン酸塩(3b)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜4.0である。
【0194】
また、前記酸化剤と共に遷移金属触媒を併用することもできる。
前記遷移金属触媒としては、例えば、タングステン酸二ナトリウム、塩化鉄(III) 、塩化ルテニウム(III) 、酸化セレン(IV)等を挙げることができ、好ましくはタングステン酸二ナトリウムである。
遷移金属触媒のスルフィン酸塩(3b)に対するモル比は、通常、0.001〜2.0、好ましくは0.01〜1.0、さらに好ましくは0.03〜0.5である。
【0195】
さらに、前記酸化剤および遷移金属触媒に加え、反応液のpH調整の目的で、緩衝剤を使用することもできる。
前記緩衝剤としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等を挙げることができる。
緩衝剤のスルフィン酸塩(3b)に対するモル比は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.03〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
【0196】
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはメタノールである。
また必要に応じて、有機溶媒と水とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒のスルフィン酸塩(3b)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0197】
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは5〜40℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間である。
また、前駆化合物(3a)をスルフィン酸塩(3b)に変換する過程では、亜二チオン酸ナトリウムに代えて、亜二チオン酸カリウムや亜二チオン酸リチウムを使用することもでき、これらの場合は、スルホン酸塩(3c)でナトリウムをカリウムやリチウムで置き換えたスルホン酸塩が生成される。
【0198】
スルホン酸塩(3c)のイオン交換反応は、例えば前記非特許文献6に記載されている一般的な方法に準じて、イオン交換クロマトグラフィー等の方法により実施することができる。
対イオン交換前駆体におけるD- の1価のアニオンとしては、例えば、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、HSO4 - 、H2 PO4 - 、BF4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロスルホン酸アニオン等を挙げることができ、好ましくは、Cl- 、Br- 、HSO4 - 、BF4 - 、脂肪族スルホン酸イオン等であり、さらに好ましくは、Cl- 、Br- 、HSO4 - である。
対イオン交換前駆体のスルホン酸塩(3c)に対するモル比は、通常、0.1〜10.0、好ましくは0.3〜4.0であり、さらに好ましくは0.7〜2.0である。
【0199】
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは水である。
また必要に応じて、水と有機溶媒とを併用することができ、この場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒の使用量は、対イオン交換前駆体100重量部に対して、通常、5〜100、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、10分〜6時間、好ましくは30分〜2時間である。
【0200】
このようにして得られたスルホン酸オニウム塩化合物(3)は、必要に応じて、有機溶剤で抽出して精製することもできる。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類等の、水と混合しない有機溶剤が好ましい。
【0201】
また、そのR1 が水素原子以外の基であるスルホン酸オニウム塩化合物(3)は、R1 が水素原子である前駆化合物(3a)を出発原料とし、前記反応式 [1] と同様にして、亜二チオン酸ナトリウムとの反応によるスルフィン酸塩(3b)への変換、スルフィン酸塩(3b)の酸化によるスルホン酸塩(3c)への変換、およびスルホン酸塩(3c)と対イオン交換前駆体M+ - とのイオン交換反応を経て、R1 が水素原子であるスルホン酸オニウム塩化合物(3')を得たのち、これを、例えば、塩基存在下で、対応するカルボン酸クロリド、対応する有機スルホニルクロリド等と反応させて、水酸基の水素原子を置換することにより合成することもできる。
【0202】
スルホン酸オニウム塩化合物(3')とカルボン酸クロリドや有機スルホニルクロリドとの反応は、公知の方法に準じて行うことができる。
これらの反応において、カルボン酸クロリドまたは有機スルホニルクロリドのスルホン酸オニウム塩化合物(3')に対するモル比は、通常、0.1〜10.0、好ましくは1.0〜5.0、さらに好ましくは1.0〜2.5である。
なお、カルボン酸クロリドや有機スルホニルクロリドに代えて、対応する酸無水物、対応するスルホン酸無水物等を使用することもできる。
【0203】
これらの反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等である。
反応溶媒のスルホン酸オニウム塩化合物(3')100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0204】
また、前記塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジ−i−プロピル・エチルアミン、2,6−ルチジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等が好ましく、さらに好ましくは、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等である。
塩基のスルホン酸オニウム塩化合物(3')に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは1.5〜3.0である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
【0205】
−スルホン酸オニウム塩化合物(4)の合成法−
スルホン酸オニウム塩化合物(4)は、例えば、前記非特許文献6および非特許文献7に記載されている一般的な方法に準じて製造することができる。
即ち、下記反応式 [2] に示すように、対応する前駆化合物(4a)を、例えば、酸触媒の存在下で、アルコール化合物またはフェノール化合物と反応させてアセタール化合物(4b)に変換し、これを無機塩基の存在下で、亜二チオン酸ナトリウムと反応させることにより、スルフィン酸塩(4c)に変換し、これを過酸化水素などの酸化剤にて酸化することにより、スルホン酸塩(4d)に変換したのち、そのアセタール基を酸触媒により脱保護してカルボニル基に変換して、スルホン酸塩(4e)とし、これを対イオン交換前駆体M+ - とイオン交換反応を行うことにより、スルホン酸オニウム塩化合物(4)を得ることができる。
【0206】
【化149】
Figure 0004103585
〔反応式 [2] において、Bは脱離性の1価の置換基を示し、D- は1価のアニオンを示し、R’は1価の有機基を示し、2個のR’はそれらに含まれる原子を介して相互に結合して環を形成してもよい。〕
【0207】
前駆化合物(4a)のアセタール化反応に使用されるアルコール化合物またはフェノール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等の1価アルコール類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール等の2価アルコール類;カテコール等の2価フェノール類等を挙げることができ、好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール等の2価アルコール類である。
アルコール化合物またはフェノール化合物の前駆化合物(4a)に対するモル比は、通常、0.01〜100、好ましくは2.0〜10である。
【0208】
前記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸等を挙げることができ、好ましくは、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸等である。
酸触媒の前駆化合物(4a)に対するモル比は、通常、0.001〜1.0、好ましくは0.005〜0.5、さらに好ましくは0.01〜0.1である。
また、前記酸触媒と共に脱水剤を併用することもできる。
前記脱水剤としては、例えば、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等のギ酸オルトエステル類の他、モレキュラーシーブ等の吸水剤を挙げることができ、好ましくはオルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等である。
脱水剤の前駆化合物(4a)に対するモル比は、通常、0.1〜20.0、好ましくは1〜10.0、さらに好ましくは2.0〜6.0である。
【0209】
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル類の他、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等である。
また、前記アルコール化合物自体を溶媒として使用することもできる。
反応溶媒の前駆化合物(4a)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、5〜200℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは1〜24時間である。なお、反応温度が反応溶媒の沸点より高い場合には、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
【0210】
また、アセタール化合物(4b)のスルフィン酸塩(4c)への変換およびスルフィン酸塩(4c)の酸化反応は、前記前駆化合物(3a)のスルフィン酸塩(3b)への変換およびスルフィン酸塩(3b)の酸化反応に準じて行うことができる。
【0211】
スルホン酸塩(4d)のスルホン酸塩(4e)への変換反応に使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることができ、好ましくは、塩酸、硫酸、酢酸等である。
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは、水、メタノールである。
また必要に応じて、前記有機溶媒と水とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒のスルホン酸塩(4d)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0212】
反応温度は、通常、5〜100℃、好ましくは5〜80℃、さらに好ましくは5〜50℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間である。
また、アセタール化合物(4b)をスルフィン酸塩(4c)に変換する過程では、亜二チオン酸ナトリウムに代えて、亜二チオン酸カリウムや亜二チオン酸リチウムを使用することもでき、これらの場合は、スルホン酸塩(4d)でナトリウムをカリウムやリチウムで置き換えたスルホン酸塩が生成される。
また、スルホン酸塩(4e)のイオン交換反応は、前記スルホン酸塩(3c)のイオン交換反応に準じて行うことができる。
【0213】
含ハロゲン化合物(9)
含ハロゲン化合物(9)は、酸発生剤(A)をなす化合物の合成原料として極めて有用であるほか、関連する各種の誘導体を合成する原料や反応中間体としても有用である。
【0214】
次に、含ハロゲン化合物(9)の合成法について説明する。
即ち、下記反応式 [3] に示すように、例えば、対応するエチレン誘導体(9a)とシクロペンタジエン系化合物とのディールス−アルダー反応により、ノルボルネン誘導体(9b)を得、また下記反応式 [4] に示すように、ノルボルネン誘導体(9b)と対応するシクロペンタジエン系化合物とのディールス−アルダー反応により、ノルボルネン誘導体(9c)を得て、さらに必要に応じて、反応式 [4] に示す手順を繰り返して、ノルボルネンに由来する環の合計数が3以上のノルボルネン誘導体を得たのち、下記反応式 [5] に示すように、ノルボルネン誘導体(9d)に対して、例えばギ酸等を付加させて、エステル化合物(9e)に変換し、これを無機塩基の存在下で、加溶媒分解してアルコール化合物(9f)に変換したのち、下記反応式 [6] または反応式 [7] に示すように、例えば、塩基の存在下、カルボン酸クロリド、有機スルホニルクロリド類等と反応させるか、あるいは下記反応式 [8] に示すように、酸触媒の存在下、イソブテン、エチルビニルエーテル、ジヒドロピラン等のアルケン類を付加させることにより、含ハロゲン化合物(9-1)〜(9-3)を得ることができる。
【0215】
【化150】
Figure 0004103585
【0216】
【化151】
Figure 0004103585
【0217】
【化152】
Figure 0004103585
【0218】
【化153】
Figure 0004103585
【0219】
【化154】
Figure 0004103585
【0220】
【化155】
Figure 0004103585
〔反応式 [6] 〜 [8] において、R’は1価の基を示す。〕
【0221】
反応式 [3] および反応式 [4] におけるディールス−アルダー反応は、例えば下記非特許文献8に記載されている一般的な方法に準じて実施することができる。
前記ディールス−アルダー反応において、エチレン誘導体(9a)のシクロペンタジエン系化合物に対するモル比、およびシクロペンタジエン系化合物のノルボルネン誘導体(9b)に対するモル比はそれぞれ、通常、0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。
これらの反応は、無溶媒下で、あるいはトルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン等の反応溶媒中で行われる。
反応温度は、通常、20〜250℃、好ましくは80〜180℃であり、反応時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは4〜12時間である。なお、反応温度が反応原料あるいは反応溶媒の沸点より高い場合は、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
【0222】
また、反応式 [5] におけるノルボルネン誘導体(9d)に対するギ酸付加反応は、例えば下記非特許文献9に記載されている一般的な方法に準じて行うことができる。
この反応に際して、ギ酸のノルボルネン誘導体(9d)に対するモル比は、通常、0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。
この反応は、通常、無溶媒下で行われる。
反応温度は、通常、20〜250℃、好ましくは80〜180℃であり、反応時間は、通常、0.5〜48時間、好ましくは4〜15時間である。なお、反応温度が反応原料の沸点より高い場合は、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
【0223】
【非特許文献8】
B. M. Trost および I. Fleming 著
「Comprehensive Organic Synthesis 」Vol.V, p.315-399
(Pergamon Press(New York) 1991年発行)
【非特許文献9】
H. E. Baumgarten 編
「Organic Synthesis 」Collecting Vol.V, p.852-855
(John Wiley & Sons(New York) 1973年発行)
【0224】
また、エステル化合物(9e)の加溶媒分解反応は、例えば、下記非特許文献10に記載されている一般的な方法に準じて行うことができる。
この反応に使用される無機塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等である。
無機塩基のエステル化合物(9e)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.0である。
【0225】
この反応は、プロトン性有機溶媒中あるいは有機溶媒と水との混合溶媒系で行われる。
前記プロトン性有機溶媒としては、例えば、低級アルコール類が好ましく、特に、メタノール、エタノール等が好ましい。
また、前記混合溶媒系で用いられる有機溶媒としては、前記低級アルコールの他、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の、水との相溶性のよい溶媒が好ましい。
前記混合溶媒系における有機溶媒の使用割合は、有機溶媒と水との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒の使用量は、エステル化合物(9e)100重量部に対して、通常、5〜100、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、5〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜5時間である。
なお、アルコール化合物(9f)は、含ハロゲン化合物(9)に含まれるものである。
【0226】
【非特許文献10】
Journal of the American Chemical Society, Vol.94, p.8613-8615 (1972)
【0227】
反応式 [6] におけるアルコール化合物(9f)のカルボン酸クロリドとの反応および反応式 [7] におけるアルコール化合物(9f)の有機スルホニルクロリドとの反応は、公知の方法に準じて行うことができる。
これらの反応において、カルボン酸クロリドまたは有機スルホニルクロリドのアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、0.1〜10.0、好ましくは1.0〜5.0、さらに好ましくは1.0〜2.5である。
これらの反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等である。
反応溶媒のアルコール化合物(9f)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0228】
また、前記塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジ−i−プロピル・エチルアミン、2,6−ルチジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等が好ましく、さらに好ましくは、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等である。
塩基のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは1.5〜3.0である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
また、カルボン酸クロリドや有機スルホニルクロリドに代えて、対応する酸無水物、スルホン酸無水物等を使用することもできる。
【0229】
反応式 [8] におけるアルコール化合物(9f)のアルケン類との反応は、公知の方法に準じて行うことができる。
この反応において、アルケン類のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、0.1〜20.0、好ましくは1.0〜1.0、さらに好ましくは1.0〜5.0である。
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム等である。
反応溶媒のアルコール化合物(9f)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0230】
また、前記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、三塩化オキソリン、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸等を挙げることができ、好ましくは、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸等である。
前記酸触媒のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、0.001〜1.0、好ましくは0.005〜0.5、さらに好ましくは0.01〜0.1である。
反応温度は、通常、−40〜+80℃、好ましくは−20〜+30℃であり、反応時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
【0231】
含ハロゲン化合物(10)
含ハロゲン化合物(10)は、酸発生剤(A)をなす化合物の合成原料として極めて有用であるほか、関連する各種の誘導体を合成する原料や反応中間体としても有用である。
次に、含ハロゲン化合物(10)の合成法について説明する。
即ち、下記反応式 [9] に示すように、前記アルコール化合物(9f)を、ジメチルスルホキシド等の酸化剤により酸化することにより、含ハロゲン化合物(10-1)を得ることができる。
【0232】
【化156】
Figure 0004103585
【0233】
前記酸化剤としては、ジメチルスルホキシドの他、メタクロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシ硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過ホウ素酸ナトリウム、メタヨウ素酸ナトリウム、クロム酸、酸化クロム(VI)、酸化クロム(VI)−ピリジン錯体、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、二クロム酸ナトリウム、N−クロロスクシンイミド−ジメチルスルフィド錯体、ハロゲン、ヨードベンゼンジクロリド、ヨードベンゼンジアセテート、酸化オスミウム(VIII)、酸化ルテニウム(VIII)、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、四酢酸鉛、炭酸銀、バナジン酸アンモニウム、アゾカルボン酸ジエチル、過酸化水素、硝酸等を挙げることができ、好ましくは、ジメチルスルホキシド、酸化クロム(VI)、酸化クロム(VI)−ピリジン錯体、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等であり、特に好ましくはジメチルスルホキシドである。
酸化剤のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜5.0である。
【0234】
酸化剤としてジメチルスルホキシドを使用する場合には、活性化剤および塩基を併用することが好ましい。
前記活性化剤としては、例えば、三酸化硫黄−ピリジン錯体、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化スルフリル、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、ジシクロヘキシルカルボジイミド、五酸化二リン、三塩化リン、三塩化オキソリン、塩化ウラヌル等を挙げることができ、好ましくは、三酸化硫黄−ピリジン錯体、塩化オキサリル、無水トリフルオロ酢酸等であり、さらに好ましくは、三酸化硫黄−ピリジン錯体、塩化オキサリル等である。
活性化剤のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜4.0である。
【0235】
また、前記塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジ−i−プロピル・エチルアミン、2,6−ルチジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等が好ましく、さらに好ましくはトリエチルアミンである。
塩基のアルコール化合物(9f)に対するモル比は、通常、1.0〜20.0、好ましくは1.5〜5.0である。
【0236】
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド等である。
反応溶媒のアルコール化合物(9f)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、−100〜+100℃、好ましくは−78〜+50℃、さらに好ましくは−40〜+40℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは1〜24時間、さらに好ましくは1〜5時間である。
【0237】
N−スルホニルオキシイミド化合物(7)の合成法
N−スルホニルオキシイミド化合物(7)は、前記反応式 [1] に示すスルフィン酸塩(3b)を用いて合成することができる。
即ち、下記反応式 [10] に示すように、スルフィン酸塩(3b)を、塩素ガス等のハロゲン化剤を用いて、スルホニルクロリド化合物(7a)等のスルホニルハライド化合物に変換し、これを対応するN―ヒドロキシイミド化合物と、塩基触媒の存在下で反応させることにより、N−スルホニルオキシイミド化合物(7)を得ることができる。
【0238】
【化157】
Figure 0004103585
【0239】
スルフィン酸塩(3b)とハロゲン化剤との反応は、例えば前記非特許文献6に記載されている一般的な方法あるいは後述する各合成例に記載した方法に準じて実施することができる。
ハロゲン化剤の添加法としては、例えば、塩素ガス等のガス状のハロゲン化剤の場合は、反応液中に吹き込む方法を採用することができ、臭素やよう素等の液状ないし固体のハロゲン化剤の場合は、そのまま反応液中に投入するか、後述の反応溶媒に溶解して滴下する方法等を採用することができる。
スルフィン酸塩(3b)に対するハロゲン化剤の使用量は、通常、大過剰量である。
【0240】
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、水や、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。
また必要に応じて、水と前記有機溶媒とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒のスルフィン酸塩(3b)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは5〜40℃であり、反応時間は、通常、5分〜12時間、好ましくは10分〜5時間である。
【0241】
また、スルホニルクロリド化合物(7a)とN−ヒドロキシイミド化合物との反応に際して、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホニルクロリド化合物(7a)に対するモル比は、通常、0.1〜10.0、好ましくは0.3〜5.0、さらに好ましくは0.5〜2.0である。
この反応は、通常、反応溶媒中で行われる。
前記反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等である。
反応溶媒のスルホニルクロリド化合物(7a)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0242】
また、前記塩基触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジ−i−プロピル・エチルアミン、2,6−ルチジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン等が好ましく、さらに好ましくは、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等である。
塩基触媒のスルホニルクロリド化合物(7a)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは1.5〜3.0である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間である。
【0243】
N−スルホニルオキシイミド化合物(8)の合成法
N−スルホニルオキシイミド化合物(8)は、前記反応式 [2] に示すスルフィン酸塩(4c)を用いて合成することができる。
即ち、下記反応式 [11] に示すように、スルフィン酸塩(4c)を、例えば、塩素ガス等のハロゲン化剤と反応させて、スルホニルクロリド化合物(8a)等のスルホニルハライド化合物に変換し、これを、前記反応式 [2] に示したスルホン酸塩(4d)のスルホン酸塩(4e)への変換反応に示す手順と同様にして、スルホニルクロリド化合物(8b)に変換したのち、反応式 [10] に示す手順と同様にして、対応するN―ヒドロキシイミド化合物と反応させることにより、N−スルホニルオキシイミド化合物(8)を得ることができる。
【0244】
【化158】
Figure 0004103585
〔反応式 [11] において、R’は1価の有機基を示し、2個のR’はそれらに含まれる原子を介して相互に結合して環を形成してもよい。〕
【0245】
スルホン酸(11)およびスルホン酸(12)
スルホン酸(11)およびスルホン酸(12)は、酸発生剤(A)が露光されることによって発生する酸であり、後述するポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物を用いるレジストパターンの形成過程において、酸触媒としての作用を示す成分である。また、レジストパターンを形成する際に設けられる下層用あるいは上層用の反射防止膜の構成成分のほか、関連する各種のスルホン酸誘導体を合成する原料や反応中間体としても有用である。
【0246】
スルホン酸塩(13)およびスルホン酸塩(14)
スルホン酸塩(13)およびスルホン酸塩(14)は、それぞれスルホン酸オニウム塩化合物(3)およびスルホン酸オニウム塩化合物(4)を合成する際の反応中間体として極めて有用であるほか、関連する誘導体を合成する原料や反応中間体としても有用である。
【0247】
スルホニルハライド化合物(15)およびスルホニルハライド化合物(16)
スルホニルハライド化合物(15)およびスルホニルハライド化合物(16)は、それぞれN−スルホニルオキシイミド化合物(7)およびN−スルホニルオキシイミド化合物(8)を合成する際の反応中間体として極めて有用であるほか、関連する誘導体を合成する原料や反応中間体としても有用である。
【0248】
その他の酸発生剤(A)
さらに、スルホン酸オニウム塩化合物(3)、スルホン酸オニウム塩化合物(4)、N−スルホニルオキシイミド化合物(7)およびN−スルホニルオキシイミド化合物(8)以外の酸発生剤(A)としては、例えば、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物、オキシムスルホネート化合物、ヒドラジンスルホネート化合物等を挙げることができる。
以下、これらの化合物について説明する。
【0249】
前記スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、例えば、下記一般式(17)、一般式(18)、一般式(19)または一般式(20)で表される化合物等を挙げることができる。
【0250】
【化159】
Figure 0004103585
〔一般式(17)および一般式(18)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0251】
【化160】
Figure 0004103585
〔一般式(19)および一般式(20)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0252】
また、前記スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
スルホン酸エステルの具体例としては、例えば、下記一般式(21)または一般式(22)で表される化合物等を挙げることができる。
【0253】
【化161】
Figure 0004103585
〔一般式(21)および一般式(22)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義であり、Qはピロガロール、α−メチロールベンゾイン等に由来するj価の有機残基を示し、jは1〜3の整数である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0254】
また、前記ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、下記一般式(23)または一般式(24)で表される化合物を挙げることができる。
【0255】
【化162】
Figure 0004103585
〔一般式(23)および一般式(24)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0256】
また、前記ジスルホニルメタン化合物としては、例えば、下記一般式(25)または一般式(26)で表される化合物等を挙げることができる。
【0257】
【化163】
Figure 0004103585
【0258】
〔一般式(25)および一般式(26)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義であり、VおよびWは相互に独立に、アリール基、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、かつVおよびWの少なくとも一方がアリール基であるか、あるいはVとWが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環または多環を形成しているか、あるいはVとWが相互に連結して下記式(ii)で表される基
【0259】
【化164】
Figure 0004103585
【0260】
(式中、V’およびW’は相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示すか、あるいは同一のもしくは異なる炭素原子に結合したV’とW’が相互に連結して炭素単環構造を形成しており、複数存在するV’およびW’はそれぞれ同一でも異なってもよく、kは2〜10の整数である。)
を形成している。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、q、n、V’およびW’はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0261】
また、前記オキシムスルホネート化合物としては、例えば、一般式(27)、一般式(28)、一般式(29)または一般式(30)で表される化合物等を挙げることができる。
【0262】
【化165】
Figure 0004103585
〔一般式(27)および一般式(28)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義であり、R9 は1価の有機基を示す。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、q、nおよびR9 はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0263】
【化166】
Figure 0004103585
〔一般式(29)および一般式(30)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義であり、R9 は1価の有機基を示す。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、q、nおよびR9 はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0264】
また、前記ヒドラジンスルホネート化合物としては、例えば、一般式(31)、一般式(32)、一般式(33)または一般式(34)で表される化合物等を挙げることができる。
【0265】
【化167】
Figure 0004103585
〔一般式(31)および一般式(32)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0266】
【化168】
Figure 0004103585
〔一般式(33)および一般式(34)において、Z1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと同義である。但し、各式中に複数存在するZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0267】
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物
本発明の酸発生剤(A)は、ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物における感放射線性酸発生剤として有用である。
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物において、酸発生剤(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、酸発生剤(A)が構造(1)および構造(2)を有する単一化合物からなるとき、および構造(1)を有する化合物と構造(2)を有する化合物との混合物であるときは、構造(1)におけるZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnと構造(2)におけるZ1 、Z2 、Y1 、R1 、p、R2 、qおよびnとは、それぞれ相互に同一でも異なってもよい。
【0268】
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、酸発生剤(A)以外の感放射線性酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」という。)を1種以上併用することができる。
他の酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物、オキシムスルホネート化合物、ヒドラジンスルホネート化合物等を挙げることができる。
【0269】
前記オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(但し、テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
また、前記スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
また、前記スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、前記スルホンイミド化合物としては、例えば、下記一般式(35)で表される化合物を挙げることができる。
【0270】
【化169】
Figure 0004103585
〔一般式(35)において、R10は2価の有機基を示し、R11は1価の有機基を示す。〕
【0271】
一般式(35)において、R10としては、例えば、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数2〜20のアラルキレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、置換されていてもよいノルボルナン骨格を有する2価の基や、これらの基を炭素数6以上のアリール基や炭素数1以上のアルコキシル基で置換基した基等を挙げることができる。
【0272】
また、R11としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基、炭素数7〜15の1価のビシクロ環含有炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基等を挙げることができる。
【0273】
また、前記ジアゾメタン化合物としては、例えば、下記一般式(36)で表される化合物を挙げることができる。
【0274】
【化170】
Figure 0004103585
〔一般式(36)において、各R12は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換シクロアルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。〕
【0275】
また、前記ジスルホニルメタン化合物としては、例えば、下記一般式(37)で表される化合物を挙げることができる。
【0276】
【化171】
Figure 0004103585
【0277】
〔一般式(37)において、各R13は相互に独立に直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、TおよびUは相互に独立にアリール基、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アラルキル基またはヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、且つTおよびUの少なくとも一方がアリール基であるか、YとUが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環もしくは多環を形成しているか、あるいはTとUが相互に連結して下記式(iii)で表される基
【0278】
【化172】
Figure 0004103585
【0279】
(但し、T’及びU’は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、または同一のもしくは異なる炭素原子に結合したT’とU’が相互に連結して炭素単環構造を形成しており、T’およびU’が複数存在する場合、複数のT’および複数のU’はそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、kは2〜10の整数である。)
を形成している。〕
【0280】
また、オキシムスルホネート化合物としては、例えば、下記一般式(38)または一般式(39)で表される化合物等を挙げることができる。
【0281】
【化173】
Figure 0004103585
〔一般式(38)および一般式(39)において、各R14および各R15は相互に独立に1価の有機基を示す。〕
【0282】
一般式(38)および一般式(39)において、R14の1価の有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、フェニル基、p−トルイル基等を挙げることができる。
また、一般式(38)および一般式(39)において、R15の1価の有機基の具体例としては、フェニル基、p−トルイル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
【0283】
また。ヒドラジンスルホネート化合物としては、例えば、下記一般式(40)または一般式(41)で表される化合物等を挙げることができる。
【0284】
【化174】
Figure 0004103585
〔一般式(40)および一般式(41)において、各R16は相互に独立に1価の有機基を示す。〕
【0285】
一般式(40)および一般式(41)において、R16の1価の有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、フェニル基、p−トルイル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
【0286】
他の酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物およびジアゾメタン化合物の群の1種または2種以上が好ましい。
特に好ましい他の酸発生剤としては、例えば、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、
【0287】
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、
【0288】
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−〔(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スルホニルオキシ〕スクシンイミド、
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−〔1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホニルオキシ〕ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]−デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン
の群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
【0289】
他の酸発生剤の使用割合は、各他の酸発生剤の種類に応じて適宜選定することができるが、酸発生剤(A)と他の酸発生剤との合計100重量部に対して、通常、95重量部以下、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。この場合、他の酸発生剤の使用割合が95重量部を超えると、本発明における所期の効果が損なわれるおそれがある。
【0290】
ポジ型感放射線性樹脂組成物
酸発生剤(A)を必須成分とする感放射線性酸発生剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物は、酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂(以下、「酸解離性基含有樹脂(B)」という。)を含有する。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂(B)を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに酸解離性基含有樹脂(B)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
【0291】
酸解離性基含有樹脂(B)における酸解離性基とは、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基中の水素原子を置換した基であり、酸の存在下で解離する基を意味する。
このような酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
【0292】
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、4−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
【0293】
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0294】
また、前記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0295】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
【0296】
また、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0297】
これらの酸解離性基のうち、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等が好ましい。
酸解離性基含有樹脂(B)において、酸解離性基は1種以上存在することができる。
【0298】
酸解離性基含有樹脂(B)中の酸解離性基の導入率(酸解離性基含有樹脂(B)中の酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合)は、酸解離性基や該基が導入される樹脂の種類により適宜選定することができるが、好ましくは5〜100%、さらに好ましくは10〜100%である。
また、酸解離性基含有樹脂(B)の構造は、前述した性状を有する限り特に限定はなく、種々の構造とすることができるが、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂、p−ヒドロキシスチレンおよび/またはp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体中のフェノール性水酸基の水素原子および/またはカルボキシル基の水素原子の一部または全部を酸解離性基で置換した樹脂等を好ましく用いることができる。
【0299】
また、酸解離性基含有樹脂(B)の構造は、使用する放射線の種類に応じて種々選定することができる。
例えば、KrFエキシマレーザーを用いるポジ型感放射線性樹脂組成物に特に好適な酸解離性基含有樹脂(B)としては、例えば、下記一般式(42)で表される繰り返し単位(以下、「繰返し単位(42)」という。)と繰返し単位(42)中のフェノール性水酸基を酸解離性基で保護した繰り返し単位とを有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(B1)」という。)が好ましい。なお、樹脂(B1)は、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザー、電子線等の他の放射線を使用するポジ型感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
【0300】
【化175】
Figure 0004103585
〔一般式(42)において、R17は水素原子または1価の有機基を示し、複数存在するR17は相互に同一でも異なってもよく、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数である。〕
【0301】
繰り返し単位(42)としては、特に、p−ヒドロキシスチレンの非芳香族二重結合が開裂した単位が好ましい。
また、樹脂(B1)は、さらに他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
前記他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル等の(メタ)アクリル酸エステル類等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる
【0302】
また、ArFエキシマレーザーを用いるポジ型感放射線性樹脂組成物に特に好適な酸解離性基含有樹脂(B)としては、例えば、下記一般式(43)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(43)」という。)および/または下記一般式(44)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(44)」という。)を少なくとも1種有し、かつ下記一般式(45)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(45)」という。)を少なくとも1種有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(B2)」という。)が好ましい。なお、樹脂(B2)は、KrFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザー、電子線等の他の放射線を用いるポジ型感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
【0303】
【化176】
Figure 0004103585
【0304】
〔一般式(43)、一般式(44)および一般式(45)において、R18、R20およびR21は相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、一般式(43)において、R19は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基または−COOR23基(但し、R23は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20の脂環式のアルキル基を示す。)を示す。
一般式(45)において、R22は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、かつR22の少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR22が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのR22が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を示す。〕
【0305】
好ましい繰り返し単位(43)としては、例えば、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3−シアノアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシルアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3,5−ジカルボキシルアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸3−メトキシカルボニル−5−ヒドロキシアダマンタン−1−イル等を挙げることができる。
【0306】
また、好ましい繰り返し単位(45)としては、例えば、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−i−プロピルアダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル等を挙げることができる。
【0307】
樹脂(B2)は、さらに他の繰り返し単位を有することもできる。
前記他の繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−4−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸(5−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)メチル、(メタ)アクリル酸(3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸無水物;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体;テトラシクロ[6.2.13,6 .02,7 ]ドデカ−3−エンまたはその誘導体等の単官能性単量体や、メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を挙げることができる。
【0308】
さらに、F2 エキシマレーザーを用いるポジ型感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる酸解離性基含有樹脂(B)としては、下記一般式(46)で表される構造単位(以下、「構造単位(46)」という。)および/または下記一般式(47)で表される構造単位(以下、「構造単位(47)」という。)を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性のポリシロキサン(以下、「樹脂(B3)」という。)が好ましい。なお、樹脂(B3)は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線等を用いるポジ型感放射線性樹脂組成物にも好適に使用することができる。
【0309】
【化177】
Figure 0004103585
〔一般式(46)および一般式(47)において、Eは相互に独立に酸解離性基を有する1価の有機基を示し、R24は置換されてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の1価の炭化水素基を示す。)
【0310】
一般式(46)および一般式(47)におけるEとしては、シクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の脂環式炭化水素基に酸解離性基を有する基や、ハロゲン化芳香族炭化水素基に酸解離性基を有する基等が好ましい。
【0311】
樹脂(ロ3)における特に好ましい構造単位(46)としては、下記式(46-1) 〜(46-4) で表される構造単位等を挙げることができる。
【0312】
【化178】
Figure 0004103585
【0313】
【化179】
Figure 0004103585
【0314】
樹脂(B3)は、前記以外の構造単位(以下、「他の構造単位」という。)を1種以上有することができる。
好ましい他の構造単位としては、例えば、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類が加水分解・縮合した構造単位;下記式(48-1) 〜(48-4) で表される構造単位等を挙げることができる。
【0315】
【化180】
Figure 0004103585
【0316】
【化181】
Figure 0004103585
【0317】
樹脂(B3)は、酸解離性基を有する1価の有機基を含有するシラン化合物を(共)重縮合させるか、予め合成した有機ポリシロキサンに酸解離性基および/または酸解離性基を有する1価の有機基を導入することにより製造することができる。
酸解離性基を有する1価の有機基を含有するシラン化合物を(共)重縮合させる場合には、触媒として酸性触媒を用いることが好ましく、特に、シラン化合物を酸性触媒の存在下で重縮合させたのち、塩基性触媒を加えてさらに反応させることが好ましい。
【0318】
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等の無機酸類;ギ酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸類を挙げることができる。
これらの酸性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0319】
また、前記塩基性触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等の有機塩基類を挙げることができる。
【0320】
酸解離性基含有樹脂(B)が重合性不飽和単量体の重合によりあるいは該重合を経て製造される場合、当該樹脂は、重合性不飽結合を2つ以上有する多官能性単量体に由来する単位および/またはアセタール性架橋基によって分岐構造を導入することができる。このような分岐構造を導入することにより、酸解離性基含有樹脂(B)の耐熱性を向上させることができる。
この場合、酸解離性基含有樹脂(B)中の分岐構造の導入率は、該分岐構造やそれが導入される樹脂の種類により適宜選定することができるが、全繰返し単位に対して10モル%以下であることが好ましい。
【0321】
酸解離性基含有樹脂(B)の分子量については特に限定はなく、適宜選定することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、1,000〜500,000、好ましくは2,000〜400,000、さらに好ましくは3,000〜300,000である。
また、分岐構造をもたない酸解離性基含有樹脂(B)のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000であり、分岐構造を有する酸解離性基含有樹脂(B)のMwは、好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは8,000〜300,000である。このような範囲のMwを有する酸解離性基含有樹脂(B)を用いることにより、得られるレジストが現像特性に優れるものとなる。
【0322】
また、酸解離性基含有樹脂(B)のMwとGPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、適宜選定することができるが、通常、1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。このような範囲のMw/Mnを有する酸解離性基含有樹脂(B)を用いることにより、得られるレジストが解像性能に優れるものとなる。
【0323】
酸解離性基含有樹脂(B)の製造方法については特に限定はないが、例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に1種以上の酸解離性基を導入する方法;酸解離性基を有する1種以上の重合性不飽和単量体を、場合によりたの重合性不飽和単量体と共に、重合する方法;酸解離性基を有する1種以上の重縮合性成分を、場合により他の重縮合性成分と共に、重縮合する方法等によって製造することができる。
【0324】
前記アルカリ可溶性樹脂を製造する際の重合性不飽和単量体の重合および前記酸解離性基を有する1種以上の重合性不飽和単量体の重合は、使用される重合性不飽和単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤あるいは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合形態で実施することができる。
また、前記酸解離性基を有する1種以上の重縮合性成分の重縮合は、好ましくは酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で実施することができる。
【0325】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、感放射線性酸発生剤の使用量は、レジストの所望の特性に応じて種々の選定とすることができるが、酸解離性基含有樹脂(B)100重量部に対して、好ましくは0.001〜70重量部、さらに好ましくは0.01〜50重量部、特に好ましくは0.1〜20質量部である。この場合、感放射線性酸発生剤の使用量を0.001重量部以上とすることにより、感度および解像度の低下を抑制でき、また70質量部以下とすることにより、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を抑制することができる。
【0326】
ネガ型感放射線性樹脂組成物
酸発生剤(A)を必須成分とする感放射線性酸発生剤を含有するネガ型感放射線性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂および酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物を含有する。
前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の酸素含有官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂からなる。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、下記一般式(49)〜(51)で表される繰り返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂等を挙げることができる。
【0327】
【化182】
Figure 0004103585
〔一般式(49)および一般式(50)において、R25およびR27は相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、R26は水酸基、カルボキシル基、
−R28COOH、−OR28COOH、−OCOR28COOHまたは
−COOR28COOH{但し、各R28は相互に独立に−(CH2)c −を示し、cは1〜4の整数である。}を示す。〕
【0328】
アルカリ可溶性樹脂は、前記一般式(49)〜(51)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、他の繰り返し単位を1種以上さらに有することもできる。
前記他の繰り返し単位としては、例えば、前述した樹脂(B1)における他の繰り返し単位と同様の単位等を挙げることができる。
【0329】
アルカリ可溶性樹脂中の一般式(49)〜(51)で表される繰り返し単位の含有率は、場合により含有される他の繰り返し単位の種類により一概に規定できないが、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
アルカリ可溶性樹脂は、一般式(49)で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰り返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、一般式(49)で表される繰り返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%を超えると、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
【0330】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、特に、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、4−ヒドロキシスチレン/4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、4−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とする樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂のMwは、ネガ型感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
前記アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0331】
−(D)成分−
ネガ型感放射性樹脂組成物における(D)成分は、酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(以下、「架橋剤」という。)からなる。
架橋剤としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂との架橋反応性を有する官能基(以下、「架橋性官能基」という。)を1種以上有する化合物を挙げることができる。
【0332】
前記架橋性官能基としては、例えば、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基、(ジメチルアミノ)メチル基、(ジエチルアミノ)メチル基、(ジメチロールアミノ)メチル基、(ジエチロールアミノ)メチル基、モルホリノメチル基等を挙げることができる。
【0333】
架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等を挙げることができる。
【0334】
これらの架橋剤のうち、メチロール基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有メラミン化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物およびアセトキシメチル基含有フェノール化合物が好ましく、さらに好ましくはメトキシメチル基含有メラミン化合物(例えばヘキサメトキシメチルメラミン等)、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物等である。メトキシメチル基含有メラミン化合物は、CYMEL300、同301、同303、同305(以上、三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物はCYMEL1174(三井サイアナミッド(株)製)等の商品名で、またメトキシメチル基含有ウレア化合物は、MX290(三和ケミカル(株)製)等の商品名で、それぞれ市販されている。
【0335】
また、架橋剤として、前記アルカリ可溶性樹脂中の酸素含有官能基の水素原子を前記架橋性官能基で置換して、架橋剤としての性質を付与した樹脂も好適に使用することができる。その場合の架橋性官能基の導入率は、架橋性官能基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、アルカリ可溶性樹脂中の全酸素含有官能基に対して、通常、5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。この場合、架橋性官能基の導入率が5モル%未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方60モル%を超えると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0336】
本発明における架橋剤としては、特に、メトキシメチル基含有化合物、より具体的には、ジメトキシメチルウレア、テトラメトキシメチルグリコールウリル等が好ましい。
前記架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0337】
ネガ型感放射線性樹脂組成物において、感放射線性酸発生剤の使用量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。この場合、感放射線性酸発生剤の配合量が0.01重量部未満では、感度や解像度が低下する傾向があり、一方70重量部を超えると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を来しやすくなる傾向がある。 また、架橋剤の使用量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは5〜95重量部、さらに好ましくは15〜85重量部、特に好ましくは20〜75重量部である。この場合、架橋剤の使用量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方95重量部を超えると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0338】
−他の添加剤−
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、露光により感放射線性酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤を配合することにより、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させることができるとともに、レジストとしての解像度をさらに向上させ、また露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、その結果、プロセス安定性に極めて優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
【0339】
このような酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
前記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(52)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(α)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(β)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(γ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。
【0340】
【化183】
Figure 0004103585
〔一般式(52)において、各R29は相互に独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、これらの各基は置換されてもよい。〕
【0341】
一般式(52)において、R29の置換されてもよいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15、好ましくは1〜10のもの、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
【0342】
また、R29の置換されてもよいアリール基としては、例えば、炭素数6〜12のもの、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
さらに、R29の置換されてもよいアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜19、好ましくは7〜13のもの、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0343】
含窒素化合物(α)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙げることができる。
【0344】
含窒素化合物(β) としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
含窒素化合物(γ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0345】
前記アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
【0346】
前記含窒素複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類の他、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、1−ピペリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0347】
また、前記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。
前記酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えば、N―(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン、N―(t−ブトキシカルボニル)イミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)−2−フェニルベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
【0348】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(α)、含窒素化合物(β) 、含窒素複素環式化合物、酸解離性基を有する含窒素有機化合物等が好ましい。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0349】
酸拡散制御剤の配合量は、酸解離性基含有樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは0.001〜10質量部、特に好ましくは0.005〜5質量部である。この場合、酸拡散制御剤の配合量を0.001質量部以上とすることにより、プロセス条件によってレジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下することを抑制でき、また15質量部以下とすることにより、レジストとしての感度や露光部の現像性をさらに向上させることができる。
【0350】
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、酸の作用により、アルカリ現像液に対する溶解性が高くなる性質を有する溶解制御剤を配合することもできる。
このような溶解制御剤としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する化合物や、該化合物中の酸性官能基の水素原子を酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができる。
前記溶解制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 溶解制御剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対し、通常、50重量部以下、好ましくは20重量部以下である。
【0351】
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を配合することもできる。
このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤のいずれでも使用することができるが、好ましくはノニオン系界面活性剤である。 前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類のほか、以下商品名で、「KP」(信越化学工業製)、「ポリフロー」(共栄社油脂化学工業製)、「エフトップ」(トーケムプロダクツ製)、「メガファック」(大日本インキ化学工業製)、「フロラード」(住友スリーエム製)、「アサヒガード」および「サーフロン」(旭硝子製)等の各シリーズ等を挙げることができる。
前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対し、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下、好ましくは1.5重量部以下である。
【0352】
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを感放射線性酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させることができる増感剤を配合することもできる。
このような増感剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
【0353】
さらに、ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、前記以外の添加剤、例えば、染料、顔料、接着助剤や、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を配合することもできる。
この場合、染料や顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、また接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
【0354】
組成物溶液の調製
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物は、通常、使用時に各成分を溶剤に溶解して均一溶液とし、その後必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより、組成物溶液として調製される。
【0355】
前記溶剤としては、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
【0356】
前記溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。
【0357】
これらの溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、乳酸エステル類、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等が、塗布時の膜面内均一性が良好となるの点で好ましい。
前記溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0358】
また必要に応じて、前記溶剤と共に、他の溶剤、例えば、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤等を使用することができる。
これらの他の溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の溶剤を使用割合は、全溶剤に対して、通常、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0359】
溶剤の合計使用量は、溶液の全固形分濃度が、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%、就中10〜25重量%となる量である。溶液の全固形分濃度をこの範囲とすることにより、塗布時の膜面内均一性が良好となる点で好ましい。
【0360】
レジストパターンの形成
ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前記のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成する。その後、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して、該レジスト被膜に露光する。
露光の際に使用することができる放射線としては、使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を挙げることができ、好ましくは遠紫外線および荷電粒子線、特に好ましくは、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)および電子線である。
また、放射線量等の露光条件は、ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
また、レジストパターンの形成に際しては、露光後に加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行うことが、レジストの見掛けの感度を向上させる点で好ましい。
PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0361】
その後、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のポジ型またはネガ型のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解したアルカリ性水溶液が使用され、特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。
また、前記アルカリ性水溶液の濃度は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度を10重量%以下とすることにより、非露光部の現像液への溶解を抑制することができる。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することが好ましく、それによりレジストに対する現像液の濡れ性を高めることができる。
なお、前記アルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0362】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
ここで、%および部は特記しない限り重量基準である。
〔酸発生剤(A)の合成〕
合成例1
ジシクロペンタジエン108.5gおよび1−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロ−3−ブテン322.4gをオートクレーブに入れ、重合禁止剤として4−メトキシフェノール0.3gをトルエン5ミリリットルに溶解した溶液を加えて、170℃で5時間攪拌したのち、85℃および25mmHgにて減圧蒸留して精製することにより、無色液状の5−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「化合物(1−a)」とする。)326gを得た。
【0363】
次いで、化合物(1−a)150gおよびギ酸253gを、1リットルナスフラスコに入れ、還流条件下で15時間攪拌した。その後、常圧蒸留により過剰のギ酸を除去して室温まで放冷したのち、酢酸エチル1,500ミリリットルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、同温度で5分間攪拌した。その後、酢酸エチル層を分離して飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下で濃縮して、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−ホルミルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−b)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−6−ホルムオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−b')」とする。)の混合物180gを得た。
【0364】
次いで、化合物(1−b)および化合物(1−b')の混合物180gをメタノール1500gに溶解した溶液を、2リットルナスフラスコに入れ、無水炭酸カリウム220gを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、反応液を吸引ろ過してろ液を減圧濃縮して、酢酸エチル1,500ミリリットルを加え、イオン交換水で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下で濃縮した。その後、得られた残渣を121℃および8mmHgにて減圧蒸留して精製することにより、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−c)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−c')」とする。)の混合物150gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図1に示す。
【0365】
次いで、化合物(1−c)および化合物(1−c')の混合物20gおよび4−ジメチルアミノピリジン0.42gを塩化メチレン100ミリリットルに溶解した溶液を、300ミリリットルナスフラスコに入れ、ジ−t−ブチルジカーボネート15gを室温で滴下したのち、同温度で12時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン400ミリリットルを加え、5%シュウ酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下で濃縮して、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−d)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−6−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−d')」とする。)の混合物25gを得た。
【0366】
次いで、亜二チオン酸ナトリウム27.3gおよび炭酸水素ナトリウム19.7gをイオン交換水150ミリリットルに溶解した溶液を、十分に窒素置換した500ミリリットルの3つ口フラスコに入れ、化合物(1−d)および化合物(1−d')の混合物25gをアセトニトリル150ミリリットルに溶解した溶液を室温で滴下し、窒素雰囲気下60℃で7時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮してアセトニトリルを除去したのち、タングステン酸ナトリウム二水和物90mgおよびリン酸水素二ナトリウム4.5gを加えて、反応液のpHを保ちつつ、30%過酸化水素水8.5gを室温で注意深く滴下したのち、60℃で1時間攪拌した。その後、減圧濃縮して水を除去し、残渣をメタノールで2回抽出したのち、減圧濃縮してメタノールを除去することにより、2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(1−e)」とする。)および2−(6−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(1−e')」とする。)の混合物20gを得た。
【0367】
次いで、トリフェニルスルホニウムブロミド4.2gをイオン交換水75ミリリットルに溶解した溶液を、200ミリリットルナスフラスコに入れ、化合物(1−e)および化合物(1−e')の混合物4.14gと塩化メチレン75ミリリットルとを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離してイオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮することにより、白色固体状のトリフェニルスルホニウム2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物6.5gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図2に示し、カチオン部分およびアニオン部分の質量分析の測定結果をそれぞれ図3および図4に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-1)とする。
【0368】
酸発生剤(A-1)および下記する酸発生剤(A1-2)〜(A1-10)の 1H−NMR分析は、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定溶媒としてCDCl3 を使用して実施した。
また、酸発生剤(A-1)および下記する酸発生剤(A1-2)〜(A1-10)の質量分析は、下記の条件で実施した。
装置 :日本電子株式会社製JMS−AX505W型質量分析計
エミッター電流:5mA(使用ガス:Xe)
加速電圧 :3.0kV
10N MULTI :1.3
イオン化法 :高速原子衝撃法(FAB)
検出イオン :カチオン(+)
測定質量範囲 :20〜1500m/z
スキャン :30sec
分解能 :1500
マトリックス :3−ニトロベンジルアルコール
【0369】
合成例2
1−n−ブトキシナフタレン4gおよび五酸化リン−メタンスルホン酸混合物10.6gを300ミリリットルナスフラスコに入れ、室温で15分間攪拌したのち、テトラメチレンスルホキシド2.4gを0℃で滴下して、20分間攪拌した。その後、徐々に室温まで昇温させて、さらに1時間攪拌した。その後、再度0℃まで冷却して、イオン交換水100ミリリットルを加え、25%アンモニア水でpHを7.0に調節して、室温で1時間攪拌した。その後、得られた水溶液をエーテルで洗浄したのち、化合物(1−e)および(1−e')の混合物4.14gおよび塩化メチレン100ミリリットルを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離して、イオン交換イオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮し、得られた粗生成物を塩化メチレン/n−ヘキサン系にて再沈処理を行うことにより、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよび1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(6−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物6.3gを得た。
この混合物のカチオン部分の質量分析の測定結果を図5に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-2)とする。
【0370】
合成例3
ジフェニルヨードニウムクロリド3.8gをイオン交換水80ミリリットルに溶解した溶液を、300ミリリットルナスフラスコに入れ、化合物(1−e)および化合物(1−e')の混合物4.14gと塩化メチレン80ミリリットルとを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離してイオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮することにより、白色固体状のジフェニルヨードニウム2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびジフェニルヨードニウム2−(6−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物6.4gを得た。
この混合物のカチオン部分の質量分析の測定結果を図6に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-3)とする。
【0371】
合成例4
化合物(1−c)および化合物(1−c')の混合物15g、トリエチルアミン10.4g、および4−ジメチルアミノピリジン0.35gを塩化メチレン60ミリリットルに溶解した溶液を、200ミリリットルナスフラスコに入れて、5℃に冷却し、ピバロイルクロリド9.3gを同温度で添加したのち、室温で12時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン250ミリリットルを加えて、5%シュウ酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下で濃縮して、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−ピバロイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−f)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−6−ピバロイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(1−f')」とする。)の混合物19.1gを得た。
【0372】
次いで、亜二チオン酸ナトリウム17.7gおよび炭酸水素ナトリウム12.8gをイオン交換水130ミリリットルに溶解した溶液を、十分に窒素置換した500ミリリットル3つ口フラスコに入れ、化合物(1−f)および化合物(1−f')の混合物19.1gをアセトニトリル130ミリリットルに溶解した溶液を室温で滴下し、窒素雰囲気下60℃で7時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮してアセトニトリルを除去したのち、タングステン酸ナトリウム二水和物84mgおよびリン酸水素二ナトリウム3.0gを加えて、反応液のpHを保ちつつ、30%過酸化水素水7gを室温で注意深く滴下したのち、60℃で1時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮して水を除去し、残渣をメタノールで2回抽出したのち、減圧蒸留してメタノールを除去することにより、2−(5−ピバロイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(1−g)」とする。)および2−(6−ピバロイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(1−g')」とする。)の混合物15gを得た。
【0373】
次いで、トリフェニルスルホニウムブロミド4.2gをイオン交換水75ミリリットルに溶解した溶液を、200ミリリットルナスフラスコに入れ、化合物(1−g)および化合物(1−g')の混合物4gおよび塩化メチレン75ミリリットルを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離してイオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮することにより、白色固体状のトリフェニルスルホニウム2−(5−ピバロイルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(6−ピバロイルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物6.0gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図7に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図8に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-4) とする。
【0374】
合成例5
亜二チオン酸ナトリウム36gおよび炭酸水素ナトリウム26gをイオン交換水260ミリリットルに溶解した溶液を、十分に窒素置換した1リットルの3つ口フラスコに入れ、化合物(1−c)および化合物(1−c')の混合物30gをアセトニトリル260ミリリットルに溶解した溶液を室温で滴下し、窒素気流下60℃で7時間反応させた。その後、反応液を減圧蒸留してアセトニトリルを除去したのち、タングステン酸ナトリウム二水和物130mgおよびリン酸水素二ナトリウム6.0gを加えて、反応液のpHを保ちつつ、30%過酸化水素水14gを室温で注意深く滴下したのち、60℃で1時間攪拌した。その後、減圧濃縮して水を除去し、残渣をメタノールで2回抽出したのち、減圧濃縮してメタノールを除去することにより、2−(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(1−h)」とする。)および2−(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム「化合物(1−h')」とする。)の混合物22gを得た。
【0375】
次いで、トリフェニルスルホニウムブロミド16.8gを水400ミリリットルに溶解した溶液を、2リットルナスフラスコに入れ、化合物(1−h)および化合物(1−h')の混合物12.6gと塩化メチレン300ミリリットルとを室温で添加して、1時間攪拌した。その後、有機層を分離してイオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮することにより、高粘性油状のトリフェニルスルホニウム2−(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(以下、「化合物(1−i)」とする。)およびトリフェニルスルホニウム2−(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(以下、「化合物(1−i')」とする。)の混合物35gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図9に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図10に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-5) とする。
【0376】
合成例6
化合物(1−i)および化合物(1−i')の混合物10g、トリエチルアミン3.7gおよび4−ジメチルアミノピリジン110mgを塩化メチレン20ミリリットルに溶解した溶液を、100ミリリットルナスフラスコに入れて5℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド3.1gを同温度で添加したのち、室温で12時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン150ミリリットルを加え、有機層を5%シュウ酸水溶液およびイオン交換水で順次洗浄して、減圧下で濃縮した。その後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1)により精製して、高粘性油状のトリフェニルスルホニウム2−(5−メタンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(6−メタンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物7.7gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図11に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図12に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-6) とする。
【0377】
合成例7
化合物(1−i)および化合物(1−i')の混合物10g、トリエチルアミン3.7gおよび4−ジメチルアミノピリジン110mgを塩化メチレン20ミリリットルに溶解した溶液を、100ミリリットルナスフラスコに入れて5℃に冷却し、i−プロパンスルホニルクロリド3.9gを同温度で添加したのち、室温で12時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン150ミリリットルを加え、有機層を5%シュウ酸水溶液およびイオン交換水で順次洗浄して、減圧下で濃縮した。その後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1)により精製して、高粘性油状のトリフェニルスルホニウム2−(5−i−プロパンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(6−i−プロパンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物6.3gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図13に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図14に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-7) とする。
【0378】
合成例8
化合物(1−i)および化合物(1−i')の混合物10g、トリエチルアミン3.7gおよび4−ジメチルアミノピリジン110mgを塩化メチレン20ミリリットルに溶解した溶液を、100ミリリットルナスフラスコに入れて5℃に冷却し、n−ヘキサンスルホニルクロリド5.0gを同温度で添加したのち、室温で12時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン150ミリリットルを加え、有機層を5%シュウ酸水溶液およびイオン交換水で順次洗浄したのち、減圧下で濃縮した。その後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=15:1)により精製して、高粘性油状のトリフェニルスルホニウム2−(5−n−ヘキサンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(6−n−ヘキサンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物7.2gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図15に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図16に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-8) とする。
【0379】
合成例9
化合物(1−c)および化合物(1−c')の混合物62gとトリエチルアミン140gとをジメチルスルホキシド1000ミリリットルに溶解した溶液を、温度計を備え付けた2リットル3つ口フラスコに入れ、反応液温を30℃以下に保ちながら、三酸化硫黄−ピリジン錯体102gを添加したのち、室温で3時間攪拌した。その後、反応液に冷水7リットルおよび6M塩酸を加えて、pHを2付近に調整したのち、水層を酢酸エチルで4回抽出した。その後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下で濃縮した。その後、得られた残渣を115℃および8mmHgにて減圧蒸留して精製することにより、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−オン(以下、「化合物(2−a)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−オン(以下、「化合物(2−a')」とする。)の混合物49gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図17に示す。
【0380】
次いで、化合物(2−a)および(2−a')の混合物32g、エチレングリコール18.3g並びにオルトギ酸トリメチル18.3gをテトラヒドロフラン61gに溶解した溶液を、500ミリリットルナスフラスコに入れ、p−トルエンスルホン酸一水和物0.472gをテトラヒドロフラン18.5ミリリットルに溶解した溶液を室温で滴下して、同温度で12時間攪拌した。その後、トリエチルアミン15.6gを加えて、減圧下で濃縮したのち、イオン交換水を加えて、水層をn−ヘキサンで2回抽出した。その後、有機層を減圧下で濃縮して、淡黄色液状の2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−(1,3−ジオキソランスピロ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(2−b)」とする。)および2−(2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−6−(1,3−ジオキソランスピロ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、「化合物(2−b')」とする。)の混合物39.3gを得た。
【0381】
次いで、亜二チオン酸ナトリウム37.5gおよび炭酸水素ナトリウム27.3gをイオン交換水240ミリリットルに溶解した溶液を、十分に窒素置換した1リットルの3つ口フラスコに入れ、化合物(2−b)および化合物(2−b')の混合物39gをアセトニトリル240ミリリットルに溶解した溶液を室温で滴下し、窒素気流下80℃で7時間攪拌した。その後、反応液を減圧下で濃縮してアセトニトリルを除去したのち、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で3回洗浄して、減圧下で濃縮することにより、白色固体の2−{5−(1,3−ジオキソランスピロ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル}−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルフィン酸ナトリウム(以下、「化合物(2−c)」とする。)および2−{6−(1,3−ジオキソランスピロ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル}−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルフィン酸ナトリウム(以下、「化合物(2−c')」とする。)の混合物39.8gを得た。
【0382】
次いで、化合物(2−c)および化合物(2−c')の混合物39.8gをイオン交換水240ミリリットルに溶解した溶液を、1リットルナスフラスコに入れ、タングステン酸ナトリウム二水和物210mgおよびリン酸水素二ナトリウム6.0gを加えて、反応液のpHを保ちつつ、30%過酸化水素水20gを室温で注意深く滴下したのち、同温度にて2時間攪拌した。その後、反応液に35%塩酸93gを滴下して、同温度で3時間攪拌したのち、反応液に塩化ナトリウム120gを添加してさらに1時間攪拌した。その後、反応液を吸引ろ過して白色固体をろ取し、得られた固体を少量の飽和食塩水で洗浄したのち、メタノールで2回抽出した。その後、減圧濃縮してメタノールを除去することにより、2−(5−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(2−d)」とする。)および2−(6−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム(以下、「化合物(2−d')」とする。)の混合物30gを得た。
【0383】
次いで、トリフェニルスルホニウムブロミド26.3gを水600ミリリットルに溶解した溶液を、2リットルナスフラスコに入れ、化合物(2−d)および化合物(2−d')の混合物20gと塩化メチレン500ミリリットルとを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離してイオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮することにより、高粘性油状のトリフェニルスルホニウム2−(5−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウム2−(6−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの混合物32gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果を図18に示し、アニオン部分の質量分析の測定結果を図19に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-9)とする。
【0384】
合成例10
化合物(2−c)および化合物(2−c')の混合物39.8gをイオン交換水84ミリリットルに溶解した溶液を、300ミリリットルナスフラスコに入れて、5℃に冷却し、同温度で過剰の塩素ガスを15分以上バブリングした。その後、水層をデカンテーションにより除去し、フラスコの底部に溜まった油状物をメタノール185gに溶解して、室温で35%塩酸93gを滴下し、同温度で1時間攪拌した。その後、反応液を減圧下にて濃縮してメタノールを除去し、塩化メチレン120ミリリットルを添加したのち、有機層をイオン交換水で4回洗浄した。その後、減圧濃縮して塩化メチレンを除去することにより、2−(5−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルクロリド(以下、「化合物(2−e)」とする。)および2−(6−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルクロリド(以下、「化合物(2−e')」とする。)の混合物28.9gを得た。
【0385】
次いで、化合物(2−e)および化合物(2−e')の混合物28.9g、アセトン173g並びにN−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド16.8gを順次500ミリリットルナスフラスコに入れて5℃に冷却し、同温度にてトリエチルアミン10gをアセトン20gに溶解した溶液を滴下して、同温度で3時間攪拌した。その後、反応液を大量の水中に滴下し、得られた析出物をメタノール/水系で2回再結晶し、得られた結晶を塩化メチレンに溶解して、有機層を5%シュウ酸水溶液およびイオン交換水で順次洗浄したのち、減圧濃縮して塩化メチレンを除去することにより、N−{2−(5−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−{2−(6−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの混合物14.5gを得た。
この混合物の 1H−NMR分析の測定結果および質量分析の測定結果をそれぞれ図20および図21に示す。
この混合物を、酸発生剤(A-10)とする。
【0386】
〔酸解離性基含有樹脂(B)の合成〕
合成例11
4−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、4−t−ブトキシスチレン42g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解したのち、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合した。重合後、反応液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。
次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えたのち、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80gおよび水15gを加え、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが16,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとスチレンと4−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-1)とする。
【0387】
樹脂(B-1)および下記する樹脂(B-2)〜(B-11)のMwおよびMnの測定は、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0388】
合成例12
4−アセトキシスチレン100g、アクリル酸t−ブチル25g、スチレン18g、AIBN6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル230gに溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合した。重合後、反応液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。
次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えたのち、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80gおよび水15gを加え、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが11,500、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとアクリル酸t−ブチルとスチレンとの共重合モル比が61:19:20の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-2)とする。
【0389】
合成例13
4−t−ブトキシスチレン176gを、テトラヒドロフラン500ミリリットル中、−78℃で、n−ブチルリチウムを触媒として、アニオン重合した。重合後、反応液をメタノール中に凝固させて、白色のポリ(4−t−ブトキシスチレン)150gを得た。
次いで、このポリ(4−t−ブトキシスチレン)150gをジオキサン600gに溶解して、希塩酸を加え、70℃で2時間加水分解反応を行ったのち、反応液を多量の水中に滴下して樹脂を凝固させた。その後、この樹脂をアセトンに溶解して、大量の水中に凝固する操作を繰返したのち、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが10,400、Mw/Mnが1.10であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(4−t−ブトキシスチレン)中のt−ブチル基の一部のみが加水分解した構造を有し、4−t−ブトキシスチレンと4−ヒドロキシスチレンとの共重合モル比が68:32の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-3)とする。
【0390】
合成例14
共重合モル比90:10の4−ヒドロキシスチレン/4−t−ブトキシスチレン共重合体25gを、酢酸n−ブチル100gに溶解して、窒素ガスにより30分問バブリングを行ったのち、エチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加して、室温で12時間反応させた。その後、反応液を1%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を凝固させて、ろ過したのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.01であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシエチル基で、10モル%がt−ブチル基で置換された構造を有することが確認されたた。
この樹脂を、樹脂(B-4)とする。
【0391】
合成例15
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル53.69gおよびメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル46.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.04gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,700であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が59.6:40.4の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-5) とする。
【0392】
合成例16
メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.90g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタンー1−イル15.47gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.64gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.02gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,200であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が36.2:15.2:48.6の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-6) とする。
【0393】
合成例17
メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル43.66g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル14.74gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.66gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.83gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mw量が9,600であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が35.6:15.1:49.3の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-7) とする。
【0394】
合成例18
メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル16.13g、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.58gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル3.29gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.99gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが8,900であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が13.7:38.2:48.1の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-8) とする。
【0395】
合成例19
アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル42.44g、アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル15.10gおよびアクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル42.46gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.17gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが10,200であり、13C−NMR分析の結果、アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとアクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が49.2:15.3:35.5の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-9) とする。
【0396】
合成例20
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナ−2−イル55.00g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル11.70gおよびアクリル酸1−エチルシクロペンチル33.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.56gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの三口フラスコを30分窒素パージした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却し、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末を2度メタノール400gと混合してスラリー状で洗浄したのち、炉別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが8,500であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸1−エチルシクロペンチルとの共重合モル比が53.7:11.1:35.2の共重合体であることが確認された。
この樹脂を、樹脂(B-10)とする。
【0397】
合成例21
3つ口フラスコに、下記式(53)で表されるシラン化合物1.52g、下記式(54)で表されるシラン化合物1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15gおよび1.75%蓚酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが2,500であった。
この樹脂を、樹脂(B-11)とする。
【0398】
【化184】
Figure 0004103585
【0399】
【化185】
Figure 0004103585
【0400】
【実施例】
〔感放射線性樹脂組成物〕
実施例および比較例における各レジストの評価は、下記の要領で実施した。
感度:
シリコンウェハー上に形成したレジスト被膜に露光し、直ちにPEBを行って、アルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量により感度を評価した。但し、ArFエキシマレーザーで露光した場合は、線幅0.16μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法を解像度とした。
【0401】
マスクパターン依存性:
最適露光量で露光したとき、設計寸法0.22umの1L10Sパターン(0.22umライン/2.2umスペース)の線幅が設計寸法(0.22um)の70%を越えるとき「良好」とし、70%以下のとき「不良」とした。但し、ArFエキシマレーザーで露光した場合は、設計寸法0.16umの1L/10Sパターン(0.16umライン/1.6umスペース)の線幅がマスク設計寸法(0.16um)の70%を越えるとき「良好」とし、70%以下のとき「不良」とした。
【0402】
ナノエッジラフネス:
設計寸法0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを走査型電子顕微鏡にて観察した。図22にパターンの模式図を示す(但し、凹凸は実際より誇張されている。)。各例において観察された形状について、該ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計線幅0.22μmとの差ΔCDを測定して、該ΔCDが0.044μm未満のとき「良好」とし、0.044μm以上のとき「不良」とした。但し、ArFエキシマレーザーで露光した場合は、設計寸法0.16umのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを走査型電子顕微鏡にて観察し、該ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における設計線幅0.16μmとの差ΔCDを測定して、該ΔCDが0.032μm未満のとき「良好」とし、0.032μm以上のとき「不良」とした。
マスクパターン忠実性:
最適露光量で露光したとき、設計寸法0.22umの1L5Sパターン(0.22umライン/1.1umスペース)の線幅と設計寸法(0.22um)との差(絶対値)を、マスクパターン忠実性とした。
【0403】
実施例1〜25および比較例1〜4
表1-1および表1-2に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、表2に示す条件でPBを行って、表2に示す膜厚のレジスト被膜を形成した。
次いで、露光光源にKrFエキシマレーザー(表2中、「KrF」と表示)を用いた実施例では、(株)ニコン製ステッパーNSR2205 EX12B(開口数0.55)を用い、露光光源にArFエキシマレーザー(表1中、「ArF」と表示)を用いた実施例では、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用い、露光光源にF2 エキシマレーザー(表1中、「F2 」と表示)を用いた実施例では、Ultratech 社製F2 エキシマレーザー露光装置XLS(開口数0.60)を用い、また露光光源に電子線を用いた実施例では、日立製作所(株)製直描用電子線描画装置HL700(加速電圧を30KeVから50KeVに改良した装置)を用いて、表2に示す条件で露光を行ったのち、表2に示す条件でPEBを行った。
次いで、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの評価結果を、表3に示す。
【0404】
実施例26〜29および比較例5〜6
表4に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、表5に示す条件でPBを行って、表5に示す膜厚のレジスト被膜を形成した。
次いで、(株)ニコン製ステッパーNSR2205 EX12B(開口数0.55)を用い、KrFエキシマレーザーで露光を行ったのち、表5に示す条件でPEBを行った。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの評価結果を、表6に示す。
【0405】
表1-1、表1-2および表4において、他の酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂、酸拡散制御剤、架橋剤、他の添加剤および溶剤は、下記のとおりである。
他の酸発生剤
a-1:N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
a-2:N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
a-3:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
a-4:トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート
a-5:1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
a-6:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
【0406】
アルカリ可溶性樹脂
C-1:4−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=78:22、Mw=3,100、Mw/Mn=1.13)
酸拡散制御剤
E-1:トリ−n−オクチルアミン
E-2:トリエタノールアミン
E-3:2―フェニルベンズイミダゾール
E-4:1,2−ジメチルイミダゾール
E-5:N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
架橋剤
D-1:N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル
他の添加剤
F-1:デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル
溶剤
S-1:乳酸エチル
S-2:3−エトキシプロピオン酸エチル
S-3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S-4:2−ヘプタノン
S-5:シクロヘキサノン
S-6:γ−ブチロラクトン
【0407】
【表1】
Figure 0004103585
【0408】
【表2】
Figure 0004103585
【0409】
【表3】
Figure 0004103585
【0410】
【表4】
Figure 0004103585
【0411】
【表5】
Figure 0004103585
【0412】
【表6】
Figure 0004103585
【0413】
【表7】
Figure 0004103585
【0414】
表3および表6から、構造(1)あるいは構造(2)を有する化合物を感放射線性酸発生剤として使用した実施例の感放射線性樹脂組成物は、比較例の感放射線性樹脂組成物と比較して、いずれもマスクパターン依存性が良好であるとともに、ナノエッジラフネスが良好であることから平滑性にも優れており、かつ高解像度および高感度であることが明らかとなる。
【0415】
【発明の効果】
本発明の酸発生剤(A)は、燃焼性が比較的高く、また人体蓄積性にも問題がなく、しかも発生する酸の酸性度および沸点が十分高いものであり、またKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2 エキシマレーザーあるいはEUVに代表される遠紫外線や電子線等に対する透明性に優れ、これらの放射線に感応して、ないしは加熱により、本発明のスルホン酸(11)あるいはスルホン酸(12)を発生する成分であり、特に、化学増幅型レジストに有用なポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物における感放射線性酸発生剤として極めて好適に使用することができ、当該ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物は、活性放射線、特に、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F 2 エキシマレーザーあるいはEUVに代表される遠紫外線や電子線に有効に感応し、感度が高く、かつレジスト被膜中での酸の拡散長が適度に短く、解像度に優れ、またマスクパターンの疎密度への依存性が小さく、平滑性にも優れており、今後ますます微細化が進行するとみられる集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野で極めて好適に使用することができる。
【0416】
本発明のスルホン酸(11)およびスルホン酸(12)は、レジストパターンを形成する際に設けられる下層用あるいは上層用の反射防止膜の構成成分として有用であり、本発明のスルホン酸塩(13)およびスルホン酸塩(14)並びに本発明のスルホニルハライド化合物(15)およびスルホニルハライド化合物(16)は、酸発生剤(A)を合成する際の反応中間体として有用であり、さらにスルホン酸(11)、スルホン酸(12)、スルホン酸塩(13)、スルホン酸塩(14)、スルホニルハライド化合物(15)およびスルホニルハライド化合物(16)並びに本発明の含ハロゲンノルボルナン系化合物(9)および含ハロゲンノルボルナン系化合物(10)は、関連する各種の化合物の合成原料や反応中間体等としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(1−c)および化合物(1−c')の混合物の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図2】酸発生剤(A-1)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図3】酸発生剤(A-1)のカチオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図4】酸発生剤(A-1)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図5】酸発生剤(A-2)のカチオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図6】酸発生剤(A-3)のカチオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図7】酸発生剤(A-4)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図8】酸発生剤(A-4)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図9】酸発生剤(A-5)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図10】酸発生剤(A-5)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図11】酸発生剤(A-6)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図12】酸発生剤(A-6)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図13】酸発生剤(A-7)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図14】酸発生剤(A-7)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図15】酸発生剤(A-8)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図16】酸発生剤(A-8)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図17】化合物(2−a)および化合物(2−a')の混合物の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図18】酸発生剤(A-9)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図19】酸発生剤(A-9)のアニオン部分の質量分析の測定結果を示す図である。
【図20】酸発生剤(A-10)の 1H−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図21】酸発生剤(A-10)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図22】ナノエッジラフネスの評価要領を説明する図である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される構造を1つ以上有する化合物からなる酸発生剤。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(1)において、R1 は水素原子または1価の置換基を示し、pは1以上の整数であり、R2 が存在するとき、R1 O−とR2 とがそれらに含まれる原子を介して環を形成してもよく、またR1 O−基が複数存在する場合、少なくとも2つのR1 O−が少なくとも2個のR1 中に含まれる原子を介して相互に結合して環を形成してもよい。
    一般式(1)および一般式(2)において、Z1 およびZ2 は相互に独立にフッ素原子または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のパーフルオロアルキル基を示し、Y1 は単結合、−O−、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、1−メチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、トリメチレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロ−1,2−エチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基または1,4−フェニレン基を示し、R2 は1価または2価の置換基を示し、qは0以上の整数であり、nは0〜5の整数である。〕
  2. 下記一般式(3)または一般式(4)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物からなる酸発生剤。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(3)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(3)および一般式(4)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、M+ は1価のオニウムカチオンを示す。〕
  3. + が下記一般式(5)で表されるスルホニウムカチオンである請求項2に記載の酸発生剤。
    Figure 0004103585
    〔一般式(5)において、各R3 は相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基を示すか、あるいは何れか2つ以上のR3 が相互に結合して式中の硫黄原子と共に環を形成している。〕
  4. + が下記一般式(6)で表されるヨードニウムカチオンである請求項2に記載の酸発生剤。
    Figure 0004103585
    〔一般式(6)において、各R4 は相互に独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基を示すか、あるいは2つのR4 が相互に結合して式中のヨウ素原子と共に環を形成している。〕
  5. 下記一般式(7)または一般式(8)で表されるN−スルホニルオキシイミド化合物からなる酸発生剤。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(7)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(7)および一般式(8)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、R5 およびR6 は相互に独立に水素原子または置換もしくは非置換の1価の有機基を示すか、あるいはR5 とR6 とが相互に結合してそれらが結合している炭素原子と共に環を形成しており、Y2 は単結合、二重結合または2価の基を示す。〕
  6. 下記一般式(9)または一般式(10)で表される含ハロゲンノルボルナン系化合物。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(9)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(9)および一般式(10)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1
    2 、qおよびnと同義であり、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。〕
  7. 下記一般式(11)または一般式(12)で表されるスルホン酸。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(11)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(11)および一般式(12)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義である。〕
  8. 下記一般式(13)または一般式(14)で表されるスルホン酸塩。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(13)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(13)および一般式(14)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、Mはナトリウム、カリウムまたはリチウムを示す。〕
  9. 下記一般式(15)または一般式(16)で表されるスルホニルハライド化合物。
    Figure 0004103585
    Figure 0004103585
    〔一般式(15)において、R1 およびpは一般式(1)におけるそれぞれR1 およびpと同義である。
    一般式(15)および一般式(16)において、Z1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnは一般式(1)および一般式(2)におけるそれぞれZ1 、Z2 、Y1 、R2 、qおよびnと同義であり、Aはハロゲン原子を示す。〕
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