JP4329462B2 - 酸発生剤、スルホン酸とその誘導体および感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、従来のリソグラフィプロセスでは一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられており、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルでの微細加工が極めて困難であるとされている。
そこで、0.20μm以下のレベルにおける微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトルやエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち特に、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)、電子線等を用いる技術が注目されている。
化学増幅型感放射線性組成物としては、例えば特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有する組成物が提案されている。この組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基やフェノール性水酸基からなる酸性基を形成し、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
ところで、化学増幅型感放射性組成物における感放射線性酸発生剤に求められる特性として、放射線に対する透明性に優れ、かつ酸発生における量子収率が高いこと、発生する酸が十分強いこと、発生する酸の沸点が十分高いこと、発生する酸のレジスト被膜中での拡散距離(以下、「拡散長」という。)が適切であることなどが挙げられる。
一方、パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸(PFOS)等の高級パーフルオロアルカンスルホニル構造を有する感放射線性酸発生剤は、十分な酸性度をもち、かつ酸の沸点や拡散長も概ね適当であるため、近年特に注目されている。
また、デバイスの設計寸法がサブクオーターミクロン以下であり、線幅制御をより精密に行う必要がある場合に、膜表面の平滑性に劣るフォトレジストを用いると、エッチング等の処理により基板にレジストパターンを転写する際に、膜表面の凹凸形状(以下、「ナノエッジラフネス」という。)が基板に転写される。その結果、パターンの寸法精度が低下し、最終的にデバイスの電気特性が損なわれるおそれがある(例えば、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照。)。そのため、設計寸法がサブクオーターミクロン以下の場合には、フォトレジストの特性として、解像性能が優れているだけでなく、ナノエッジラフネスが小さいことも重要となってきている。
下記一般式(1)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物(以下、「スルホン酸オニウム塩化合物(1)」という。)からなる酸発生剤からなる。
本発明は、第二に、
下記一般式(2)で表されるN−スルホニルオキシイミド化合物(以下、「N−スルホニルオキシイミド化合物(2)」という。)からなる酸発生剤からなる。
以下では、スルホン酸オニウム塩化合物(1)およびN−スルホニルオキシイミド化合物(2)の群から選ばれる酸発生剤を、「酸発生剤(I)」という。
下記一般式(I−a)で表されるスルホン酸からなる。
下記一般式(I−b)で表されるスルホン酸塩からなる。
下記一般式(I−c)で表されるスルホニルハライド化合物からなる。
(A)酸発生剤(I)を必須成分とする感放射線性酸発生剤および(B)酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂を含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物からなる。
(A)酸発生剤(I)を必須成分とする感放射線性酸発生剤、(C)アルカリ可溶性樹脂および(D)酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物を含有することを特徴とするネガ型感放射線性樹脂組成物からなる。
酸発生剤(I)
酸発生剤(I)は、下記一般式(I)で表される構造(以下、「構造(I)」という。)を有し、露光ないしは加熱により前記一般式(I−a)で表されるスルホン酸(以下、「スルホン酸(I−a)」という。)を発生する成分である。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のビニリデン基としては、例えば、カルベニル基、1,1−エチリデニル基、プロピリデニル基、1−メチルプロピリデニル基、1−エチルプロピリデニル基等を挙げることができる。
炭素数3〜12の1価の脂環式有機基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、カンホロイル基等を挙げることができる。 炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、1−ナフチル基、1−アントラセニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリーロキシ基としては、例えば、フェノキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等を挙げることができる。
炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基等を挙げることができる。 炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基、o−トリルカルボニル基、m−トリルカルボニル基、p−トリルカルボニル基等を挙げることができる。
炭素数8〜20のアラルキルカルボニル基としては、例えば、ベンジルカルボニル基、フェネチルカルボニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基としては、例えば、フェニルカルボニルオキシ基、o−トリルカルボニルオキシ基、m−トリルカルボニルオキシ基、p−トリルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
炭素数8〜20のアラルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンジルカルボニルオキシ基、フェネチルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、o−トリルオキシカルボニル基、m−トリルオキシカルボニル基、p−トリルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、4−ヒドロキシフェニルチオ基、o−トリルチオ基、m−トリルチオ基、p−トリルチオ基、1−ナフチルチオ基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等を挙げることができる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、i−プロピルスルフィニル基、n−ブチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、o−トリルスルフィニル基、m−トリルスルフィニル基、p−トリルスルフィニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキルスルフィニル基としては、例えば、ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキルスルホニル基としては、例えば、ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基等を挙げることができる。
炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシスルホニル基としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、n−プロポキシスルホニル基、i−プロポキシスルホニル基、n−ブトキシスルホニル基、t−ブトキシスルホニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリーロキシスルホニル基としては、例えば、フェノキシスルホニル基、o−トリルオキシスルホニル基、m−トリルオキシスルホニル基、p−トリルオキシスルホニル基等を挙げることができる。
炭素数7〜20のアラルキルオキシスルホニル基としては、例えば、ベンジルオキシスルホニル基、フェネチルオキシスルホニル基等を挙げることができる。
また、mとしては0〜2が好ましく、nとしては1および2がともに好ましい。
Se、N、P、As、Sb、Cl、Br、I等のオニウムカチオンを挙げることができる。
これらのオニウムカチオンのうち、SのオニウムカチオンおよびIのオニウムカチオンが好ましい。
R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の置換の炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、ベンジル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、フェノキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロプロピル基、(トリフルオロアセチル)メチル基、(トリクロロアセチル)メチル基、(ペンタフルオロベンゾイル)メチル基、アミノメチル基、(シクロヘキシルアミノ)メチル基、(ジフェニルホスフィノ)メチル基、(トリメチルシリル)メチル基、2−フェニルエチル基、2−アミノエチル基、3−フェニルプロピル基等を挙げることができる。
R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の置換の炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、4−メトキシクロヘキシル基、4−オキソシクロヘキシル基、4−アミノシクロヘキシル基、4−トリフルオロメチルシクロヘキシル基等を挙げることができる。
R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の置換の炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基等を挙げることができる。
R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 の置換の原子数4〜30の1価のヘテロ環状有機基としては、例えば、2−ブロモフリル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−メトキシチエニル基等を挙げることができる。
スルホン酸オニウム塩化合物(1)は、例えば、前記非特許文献6や下記非特許文献7に記載されている一般的な方法に準じて合成することができる。
前駆化合物(1a)と亜二チオン酸ナトリウムとの反応において、亜二チオン酸ナトリウムの前駆化合物(1a)に対するモル比は、通常、0.01〜100、好ましくは1.0〜10である。
無機塩基の亜二チオン酸ナトリウムに対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは2.0〜4.0である。
前記有機溶媒としては、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の、水との相溶性のよい溶媒が好ましく、さらに好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくはアセトニトリルである。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応温度は、通常、40〜200℃、好ましくは60〜120℃であり、反応時間は、通常、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間である。なお、反応温度が有機溶媒あるいは水の沸点より高い場合は、オートクレーブなどの耐圧容器を使用する。
酸化剤のスルフィン酸塩(1b)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜4.0である。
前記遷移金属触媒としては、例えば、タングステン酸二ナトリウム、塩化鉄(III) 、塩化ルテニウム(III) 、酸化セレン(IV)等を挙げることができ、好ましくはタングステン酸二ナトリウムである。これらの遷移金属触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
遷移金属触媒のスルフィン酸塩(1b)に対するモル比は、通常、0.001〜2.0、好ましくは0.01〜1.0、さらに好ましくは0.03〜0.5である。
前記緩衝剤としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等を挙げることができる。これらの緩衝剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
緩衝剤のスルフィン酸塩(1b)に対するモル比は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.03〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは水、メタノールである。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また必要に応じて、水と有機溶媒とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒のスルフィン酸塩(1b)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
また、前駆化合物(1a)をスルフィン酸塩(1b)に変換する過程では、亜二チオン酸ナトリウムに代えて、亜二チオン酸カリウムや亜二チオン酸リチウムを使用することもでき、これらの場合は、スルホン酸塩(1c)でナトリウムをカリウムやリチウムで置き換えたスルホン酸塩が生成される。
対イオン交換前駆体におけるD- の1価のアニオンとしては、例えば、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、HSO4 - 、H2 PO4 - 、BF4 - 、PF6 - 、
SbF6 - 、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロスルホン酸アニオン等を挙げることができ、好ましくは、Cl- 、Br- 、HSO4 - 、BF4 - 、脂肪族スルホン酸イオン等であり、さらに好ましくは、Cl- 、Br- 、HSO4 - である。
対イオン交換前駆体のスルホン酸塩(1c)に対するモル比は、通常、0.1〜10.0、好ましくは0.3〜4.0、さらに好ましくは0.7〜2.0である。
前記反応溶媒としては、水や、例えば、低級アルコール類、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等であり、特に好ましくは水である。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また必要に応じて、水と有機溶媒とを併用することができ、この場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒の使用量は、対イオン交換前駆体100重量部に対して、通常、5〜100、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、10分〜6時間、好ましくは30分〜2時間である。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類等の、水と混合しない有機溶剤が好ましい。
N−スルホニルオキシイミド化合物(2)は、前記反応式 [1] に示すスルフィン酸塩(1b)を用いて合成することができる。
即ち、下記反応式 [2] に示すように、スルフィン酸塩(1b)を、塩素ガスなどのハロゲン化剤を用いて、スルホニルクロリド化合物(2a)等のスルホニルハライド化合物に変換し、これを対応するN―ヒドロキシイミド化合物と、塩基触媒の存在下で反応させることにより、N−スルホニルオキシイミド化合物(2)を得ることができる。
ハロゲン化剤の添加法としては、例えば、塩素ガス等のガス状のハロゲン化剤の場合は、反応液中に吹き込む方法を採用することができ、臭素やヨウ素等の液状ないし固体のハロゲン化剤の場合は、そのまま反応液中に投入するか、後述する反応溶媒に溶解して滴下する方法等を採用することができる。
スルフィン酸塩(1b)に対するハロゲン化剤の使用量は、通常、大過剰量である。
前記反応溶媒としては、例えば、水や、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水、メタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また必要に応じて、水と前記有機溶媒とを併用することもでき、その場合の有機溶媒の使用割合は、水と有機溶媒との合計100重量部に対して、通常、5重量部以上、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは20〜90重量部である。
反応溶媒のスルフィン酸塩(1b)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは5〜40℃であり、反応時間は、通常、5分〜12時間、好ましくは10分〜5時間である。
前記反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒が好ましく、さらに好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等である。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
反応溶媒のスルホニルクロリド化合物(2a)100重量部に対する使用量は、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
塩基触媒のスルホニルクロリド化合物(2a)に対するモル比は、通常、1.0〜10.0、好ましくは1.5〜5.0、さらに好ましくは1.5〜3.0である。
反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは5〜30℃であり、反応時間は、通常、5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間である。
スルホン酸(I−a)は、酸発生剤(I)が露光ないしは加熱されることによって発生する酸であり、後述するポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物
を用いるレジストパターンの形成過程において、酸触媒としての作用を示す成分である。また、レジストパターンを形成する際に設けられる下層用あるいは上層用の反射防止膜の構成成分のほか、関連する各種のスルホン酸誘導体を合成する原料や中間体としても有用である。
前記一般式(I−b)で表されるスルホン酸塩(以下、「スルホン酸塩(I−b)」という。)は、スルホン酸オニウム塩化合物(1)を合成する中間体として極めて有用であるほか、関連する誘導体を合成する原料や中間体としても有用である。
前記一般式(I−c)で表されるスルホニルハライド化合物(以下、「スルホニルハライド化合物(I−c)」という。)は、N−スルホニルオキシイミド化合物(2)を合成する中間体として極めて有用であるほか、関連する誘導体を合成する原料や中間体としても有用である。
−(A)成分−
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物における(A)成分は、酸発生剤(I)を必須成分とする感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(A)」という。)からなる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物において、酸発生剤(I)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物において、酸発生剤(I)の使用量は、酸発生剤(I)や場合により使用される下記他の酸発生剤の種類によっても異なるが、後述する酸解離性基含有樹脂(B)またはアルカリ可溶性樹脂(C)100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは0.2〜12重量部である。この場合、酸発生剤(I)の使用量が0.1重量部未満では、本発明の所期の効果が十分発現され難くなるおそれがあり、一方20重量部を超えると、放射線に対する透明性、パターン形状、耐熱性等が低下するおそれがある。
他の酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、ジスルホニルメタン化合物、オキシムスルホネート化合物、ヒドラジンスルホネート化合物等を挙げることができる。
また、前記スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
また、前記スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、前記スルホンイミド化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
を形成している。〕
また、R14の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
特に好ましい他の酸発生剤としては、例えば、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(5−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(6−t−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム1,1−ジフルオロ−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エタンスルホネート、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1−ジフルオロ−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エタンスルホネート、
ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン
等を挙げることができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物における(B)成分は、酸解離性基を有するアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂(以下、「酸解離性基含有樹脂(B)」という。)からなる。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂(B)を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに酸解離性基含有樹脂(B)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
このような酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
酸解離性基含有樹脂(B)において、酸解離性基は1種以上存在することができる。
また、樹脂(B1)は、さらに他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
前記他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アダマンタン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル等の(メタ)アクリル酸エステル類の重合性不飽和結合が開裂した単位等を挙げることができる
R20は相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、一般式(11)において、各R18は相互に独立に水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基または−COOR22(但し、R22は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基を示す。)を示し、一般式(13)において、各R21は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、かつR21の少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR21が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのR21が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を示す。〕
前記他の繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−4−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸(5−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)メチル、(メタ)アクリル酸(3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸無水物;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体;テトラシクロ [6.2.13,6 .02,7 ]ドデカ−3−エンまたはその誘導体等の単官能性単量体や、メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を挙げることができる。
好ましい他の構造単位としては、例えば、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類が加水分解・縮合した構造単位;下記式(16−1)〜(16−4)で表される構造単位等を挙げることができる。
これらの酸性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
この場合、酸解離性基含有樹脂(B)中の分岐構造の導入率は、該分岐構造やそれが導入される樹脂の種類により適宜選定することができるが、全繰返し単位に対して10モル%以下であることが好ましい。
また、分岐構造をもたない酸解離性基含有樹脂(B)のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000であり、分岐構造を有する酸解離性基含有樹脂(B)のMwは、好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは8,000〜300,000である。
このような範囲のMwを有する酸解離性基含有樹脂(B)を用いることにより、得られるレジストが現像性に優れるものとなる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、前記酸解離性基含有樹脂(B)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記酸解離性基を有する重縮合性成分の重縮合は、好ましくは酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で実施することができる。
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物における(C)成分は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の酸素含有官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶なアルカリ可溶性樹脂(以下、「アルカリ可溶性樹脂(C)」という。)からなる。 このようなアルカリ可溶性樹脂(C)としては、例えば、下記一般式(17)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(17)」という。)、下記一般式(18)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(18)」という。)および下記一般式(19)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(19)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種を有する付加重合系樹脂等を挙げることができる。
−OR27COOH、−OCOR27COOHまたは−COOR27COOH{但し、各R27は相互に独立に−(CH2)d −を示し、dは1〜4の整数である。}を示す。〕
前記他の繰り返し単位としては、例えば、前述した樹脂(B1)における他の繰り返し単位と同様の単位等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、繰り返し単位(17)のような炭素−炭素不飽和結合を有する繰り返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、該当する繰り返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%を超えると、アルカリ可溶性樹脂(C)のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
アルカリ可溶性樹脂(C)のMwは、ネガ型感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、通常、1,000〜150,000、好ましくは3,000〜100,000である。
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂(C)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のネガ型感放射性樹脂組成物における(D)成分は、酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(以下、「架橋剤(D)」という。)からなる。
架橋剤(D)としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂(C)との架橋反応性を有する官能基(以下、「架橋性官能基」という。)を1種以上有する化合物を挙げることができる。
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物において、架橋剤(D)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、架橋剤(D)の使用量は、アルカリ可溶性樹脂(C)100重量部に対して、好ましくは5〜95重量部、さらに好ましくは15〜85重量部、特に好ましくは20〜75重量部である。この場合、架橋剤(D)の使用量が5重量部未満では、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来しやすくなる傾向があり、一方95重量部を超えると、露光部の現像性が低下する傾向がある。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物には、露光により酸発生剤(A)から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤を配合することにより、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させることができるとともに、レジストとしての解像度をさらに向上させ、また露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、その結果、プロセス安定性に極めて優れた感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
前記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(20)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(α)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(β)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(γ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。
さらに、R28の置換されてもよい前記アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜19、好ましくは7〜13のもの、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基等を挙げることができる。
含窒素化合物(γ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えば、N―(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン、N―(t−ブトキシカルボニル)イミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)−2−フェニルベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
このような溶解制御剤としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する化合物や、該化合物中の酸性官能基の水素原子を酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができる。
溶解制御剤は低分子化合物でも高分子化合物でもよく、ネガ型感放射線性樹脂組成物における高分子溶解制御剤としては、例えば、ポジ型感放射線性樹脂組成物における酸解離性基含有樹脂(B)を使用することができる。
前記溶解制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶解制御剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは20重量部以下である。
このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤のいずれでも使用することができるが、好ましくはノニオン系界面活性剤である。 前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類のほか、以下商品名で、「KP」(信越化学工業(株)製)、「ポリフロー」(共栄社化学(株)製)、「エフトップ」(ジェムコ(株)製)、「メガファック」(大日本インキ化学工業(株)製)、「フロラード」(住友スリーエム(株)製)、「アサヒガード」および「サーフロン」(旭硝子(株)製)等の各シリーズ等を挙げることができる。
前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下、好ましくは1.5重量部以下である。
このような増感剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
前記増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
この場合、染料や顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、また接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物は、通常、使用時に各成分を溶剤に溶解して均一溶液とし、その後必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより、組成物溶液として調製される。
これらの溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、乳酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等が、塗布時の膜面内均一性が良好となるの点で好ましい。
前記溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの他の溶剤のうち、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
前記他の溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の溶剤の使用割合は、全溶剤に対して、通常、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前記のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成する。その後、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して、該レジスト被膜に露光する。
露光の際に使用することができる放射線としては、使用される酸発生剤(A)の種類に応じて、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を挙げることができ、好ましくは遠紫外線および荷電粒子線、特に好ましくはKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)および電子線である。
また、放射線量等の露光条件は、ポジ型感放射線性樹脂組成物およびネガ型感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
また、レジストパターンの形成に際しては、露光後に加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが、レジストの見掛けの感度を向上させる点で好ましい。
PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
前記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解したアルカリ性水溶液が使用され、特に好ましいアルカリ現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液である。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度を10重量%以下とすることにより、非露光部の現像液への溶解を抑制することができる。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することができ、それによりレジスト被膜に対する現像液の濡れ性を高めることができる。
なお、前記アルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
本発明のスルホニルハライド化合物(I−c)は、N−スルホニルオキシイミド化合物(2)を合成する中間体として極めて有用であるほか、関連する誘導体を合成する原料や中間体としても有用である。
ここで、%および部は特記しない限り重量基準である。
〔酸発生剤(I)の合成〕
下記する酸発生剤(A-1) および酸発生剤(A-2) 並びに化合物(a)の質量分析は、下記の条件で実施した。
装置 :日本電子(株)製JMS−AX505W型質量分析計
エミッター電流:5mA(使用ガス:Xe)
加速電圧 :3.0kV
10N MULTI :1.3
イオン化法 :高速原子衝撃法(FAB)
検出イオン :アニオン(−)またはカチオン(+)
測定質量範囲 :20〜1500m/z
スキャン :30秒
分解能 :1500
マトリックス :3−ニトロベンジルアルコール
また、酸発生剤(A-1) 〜(A-3) 並びに化合物(a)の 1H−NMR分析は、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定溶媒としてCDCl3 を使用して実施した。
合成例1
ノルボルナジエン55gおよび1−ブロモ−2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエタン184gを、予め窒素ガスによりバブリングしたn−ヘプタン300ミリリットルに溶解した原料溶液を準備した。
別に、十分に窒素置換した2,000ミリリットルの3つ口フラスコに、ジメチルアゾビスブチレート6.9gおよび前記原料溶液のうち10体積%を投入した。その後、内容物を攪拌しながら、窒素気流下で80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記原料溶液の残りを2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度でさらに1時間攪拌し、その後還流条件下でさらに1時間攪拌を続けた。その後、反応溶液を30℃以下に冷却し、減圧下で濃縮したのち、得られた残渣を85℃および1mmHgにて減圧蒸留して精製することにより、無色液状の3−(2−ブロモー1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−5−ヨードトリシクロ[2.2.1.02.6 ]ヘプタン(以下、「化合物(a)」とする。)246gを得た。
1H−NMR(σppm):
1.32〜1.48(5H、m、CH2 ×2、CH)、1.52〜1.60(1H、m 、CH)、2.08〜2.22(3H、m、CH、CH2 )、3.33〜3.42(1 H、m、CH)
この化合物を、酸発生剤(A-1) とする。
1H−NMR(σppm):
1.12〜1.42(6H、m、CH2 ×2、CH×2)、1.78(1H、d、J= 10.5Hz、CH)、2.33(1H、s、CH)、2.63(1H、t、J=16 .4Hz、CH)、7.26〜7.78(15H、m、フェニル基)
300ミリリットルのナスフラスコに、1−n−ブトキシナフタレン4gおよび五酸化リン−メタンスルホン酸混合物10.6gを入れ、室温で15分間攪拌したのち、0℃でテトラメチレンスルホキシド2.4gを滴下して、20分間攪拌した。その後、反応溶液を徐々に室温まで昇温させて、さらに1時間攪拌したのち、再度0℃まで冷却して、イオン交換水100ミリリットルを加え、25%アンモニア水でpHを7.0に調節して、室温で1時間攪拌した。その後、反応溶液をジエチルエーテルで洗浄したのち、化合物(d)3gおよび塩化メチレン100ミリリットルを室温で添加して、同温度で1時間攪拌した。その後、有機層を分離して、イオン交換水で5回洗浄したのち、減圧濃縮し、得られた濃縮物を塩化メチレン/n−ヘキサン系にて再沈処理を行うことにより、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(トリシクロ [2.2.1.02.6 ] へプタン−3−イル)エタンスルホネート5gを得た。
この化合物を、酸発生剤(A-2) とする。
1H−NMR(σppm):
1.03(3H、t、J=7.3Hz、CH3 )、1.12〜1.42(6H、m、
CH2 ×2、CH×2)、1.53〜1.67(4H、m、CH2 ×2)、1.78( 1H、d、J=10.8Hz、CH)、1.88〜2.06(2H、m、CH2 )、2 .35(1H、s、CH)、2.59〜2.64(3H、m、CH、CH2 )、3.6 1〜3.71(2H、m、CH2 )、4.11〜4.34(4H、m、CH2 ×2)、 6.64(1H、t、J=7.8Hz、芳香環)、7.04(1H、d、J=8.6H z、芳香環)、7.75(1H、t、J=7.9Hz)、7.95(1H、d、J=8 .3Hz、芳香環)、8.27(1H、d、J=8.6Hz、芳香環)、8.38(1 H、d、J=7.8Hz、芳香環)
化合物(c)80gを水250ミリリットルに溶解した溶液を、2リットルのナスフラスコに入れ、室温で攪拌しつつ、過剰の塩素ガスにより15分以上バブリングした。その後、フラスコの底部に溜まった油状物を塩化メチレンで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧下で塩化メチレンを留去することにより、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(トリシクロ[2.2.1.02.6 ]ヘプタン−3−イル)エタンスルホニルクロライド(以下、「化合物(e)とする。」)68gを得た。
1H−NMR(σppm):
1.12〜1.42(6H、m、CH2 ×2、CH×2)、1.58(1H、d、J= 8.2Hz、CH2 )、1.78(1H、d、J=10.5Hz、CH)、1.82( 1H、d、J=8.2Hz、CH2 )、2.33(1H、s、CH)、2.63(1H 、t、J=16.4Hz、CH)、3.38(2H、s、CH×2)、3.55(2H 、s、CH×2)、6.20(2H、s、CH×2)
製造例1
4−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、4−t−ブトキシスチレン42g、AIBN6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解したのち、窒素雰囲気下、70℃で16時間重合した。その後、反応溶液を大量のn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製した。
次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール300g、トリエチルアミン80gおよび水15gを加えたのち、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。その後、溶剤およびトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解したのち、大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ別し、減圧下50℃で一晩乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが16,000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、4−ヒドロキシスチレンとスチレンと4−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-1) とする。
共重合モル比90:10の4−ヒドロキシスチレン/4−t−ブトキシスチレン共重合体25gを、酢酸n−ブチル100gに溶解して、窒素ガスにより30分問バブリングしたのち、エチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加して、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を凝固させて、ろ別したのち、減圧下50℃で一晩乾燥した。
得られた樹脂は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.01であり、13C−NMR分析の結果、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシエチル基で、10モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。
この樹脂を、樹脂(B-2) とする。
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル53.69gおよびメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル46.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.04gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,700、Mw/Mnが2.14であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が59.6:40.4の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-3)とする。
メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.90g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル15.47gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.64gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.02gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,200、Mw/Mnが2.00であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.
03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が36.2:15.2:48.6の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-4)とする。
メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル43.66g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル14.74gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル43.66gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.83gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが9,600、Mw/Mnが1.96であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が35.6:15.1:49.3の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-5)とする。
メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル16.13g、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イル40.58gおよびメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル3.29gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスイソブチレート3.99gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが8,900、Mw/Mnが2.00であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルとメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとの共重合モル比が13.7:38.2:48.1の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-6)とする。
アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル42.44g、アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル15.10gおよびアクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イル42.46gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.17gを投入した単量体溶液を準備した。 別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが10,200、Mw/Mnが1.75であり、13C−NMR分析の結果、アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとアクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルとの共重合モル比が49.2:15.3:35.5の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-7)とする。
メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル55.00g、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル11.70gおよびアクリル酸1−エチルシクロペンチル33.31gを2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチルアゾビスブチレート4.56gを投入した単量体溶液を準備した。
別に、2−ブタノン100gを投入した1,000ミリリットルの3つ口フラスコを、窒素ガスにより30分問バブリングした。その後、内容物を攪拌しながら80℃に加熱し、滴下漏斗を用いて前記単量体溶液を4時間かけて滴下して、滴下開始を重合開始時間とし、6時間重合した。重合後、反応溶液を水冷して30℃以下に冷却したのち、メタノール2,000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。その後、得られた白色粉末をメタノール400gと混合してスラリー状で洗浄する操作を2回行ったのち、ろ別し、減圧下50℃で17時間乾燥して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが8,500、Mw/Mnが1.75であり、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルとメタクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルとアクリル酸1−エチルシクロペンチルとの共重合モル比が53.7:11.1:35.2の共重合体であった。
この樹脂を、樹脂(B-8) とする。
3つ口フラスコに、下記式(21)で表されるシラン化合物1.52g、下記式(22)で表されるシラン化合物1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15gおよび1.75%蓚酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂は、Mwが2,500であり、前記式(14−2)で表される構造単位と前記式(16−1)で表される構造単位とのモル比が54.7:45.3の樹脂であった。
この樹脂を、樹脂(B-9) とする。
感度:
シリコンウェハー上に形成したレジスト被膜に露光量を変えて露光して、直ちにPEBを行ったのち、アルカリ現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、露光光源がArFエキシマレーザー以外の場合は線幅0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、また露光光源がArFエキシマレーザーの場合は線幅0.16μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量として、それぞれの最適露光量を感度とした。
解像度:
最適露光量で露光したときに解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法を解像度とした。
最適露光量で露光して、露光光源がArFエキシマレーザー以外の場合は設計寸法0.22μmの1L10Sパターン(0.22μmライン/2.2μmスペース)を形成し、また露光光源がArFエキシマレーザーの場合は設計寸法0.16μmの1L/10Sパターン(0.16μmライン/1.6μmスペース)を形成したとき、方形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。このとき、0.85≦Lb/La≦1の条件を満足するものを、パターン形状が「良好」であるとし、この条件を満たさないものを、パターン形状が「不良」であると評価した。
露光光源がArFエキシマレーザー以外の場合は、設計寸法0.22μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を形成して、ラインパターンを走査型電子顕微鏡により観察し、図1に示すように(但し、凹凸は実際より誇張されている。)、ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計寸法0.22μmとの差ΔCD(絶対値)を測定して、該ΔCDが0.044μm未満の場合を「良好」とし、0.044μm以上の場合を「不良」とした。
また、露光光源がArFエキシマレーザーの場合は、設計寸法0.16μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を形成して、ラインパターンを走査型電子顕微鏡により観察し、図1に示すように、ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計寸法0.16μmとの差ΔCD(絶対値)を測定して、該ΔCDが0.032μm未満の場合を「良好」とし、0.032μm以上の場合を「不良」とした。
表1に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、表2に示す条件でPBを行って、表2に示す膜厚のレジスト被膜を形成した。
次いで、露光光源がKrFエキシマレーザー(表2中、「KrF」と表記)の場合は、(株)ニコン製ステッパーNSR2205 EX12B(開口数0.55)を用い、露光光源がArFエキシマレーザー(表2中、「ArF」と表記)の場合は、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用い、露光光源がF2 エキシマレーザー(表2中、「F2 」と表記)の場合は、Ultratech 社製F2 エキシマレーザー露光装置XLS(開口数0.60)を用い、また露光光源が電子線の場合は、日立製作所(株)製直描用電子線描画装置HL700(加速電圧を30KeVから50KeVに改良した装置)を用いて、露光したのち、表2に示す条件でPEBを行った。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像したのち、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの評価結果を、表3に示す。
他の酸発生剤
a-1:N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト− 5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
a-2:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
a-3:トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート
a-4:1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノ ナフルオロ−n−ブタンスルホネート
a-5:1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパ ーフルオロ−n−オクタンスルホネート
a-6:ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン
C-1:4−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=78:22、Mw =3,100、Mw/Mn=1.13)
架橋剤(D)
D-1:N,N' ,N'',N''' −テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル
酸拡散制御剤
E-1:トリ−n−オクチルアミン
E-2:トリエタノールアミン
E-3:2―フェニルベンズイミダゾール
E-4:N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
他の添加剤
F-1:デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル
溶剤
S-1:乳酸エチル
S-2:3−エトキシプロピオン酸エチル
S-3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S-4:2−ヘプタノン
S-5:シクロヘキサノン
S-6:γ−ブチロラクトン
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表されるスルホン酸オニウム塩化合物からなる酸発生剤。
- M+ が下記一般式(i)で表されるスルホニウムカチオンである請求項1に記載の酸発生剤。
- M+ が下記一般式(ii)で表されるヨードニウムカチオンである請求項1に記載の酸発生剤。
- (A)請求項1に記載のスルホン酸オニウム塩化合物および請求項4に記載のN−スルホニルオキシイミド化合物の群から選ばれる酸発生剤を必須成分とする感放射線性酸発生剤および(B)酸解離性基を有するアルカリ可溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性基が解離したときにアルカリ易溶性となる樹脂を含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
- (A)請求項1に記載のスルホン酸オニウム塩化合物および請求項4に記載のN−スルホニルオキシイミド化合物の群から選ばれる酸発生剤を必須成分とする感放射線性酸発生剤、(C)アルカリ可溶性樹脂および(D)酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物を含有することを特徴とするネガ型感放射線性樹脂組成物。
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