JP2005104863A - 3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法 - Google Patents

3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の簡便かつ効率的な製造法を提供すること。
【解決手段】 一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから得られる一般式(4)で表される化合物を経由することを特徴とする、一般式(1)で表される3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
【化1】
Figure 2005104863

式中、R1およびR1’はそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2はアルキル基またはアリール基を表す。Lは窒素原子で結合したヘテロ環基を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば写真感光材料用カプラー中間体、カラーマーキング材料中間体として有用な3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法に関する。
ピラゾロン残基を有するエチレン型不飽和単量体から誘導される繰り返し単位を有する単独重合体または共重合体であるマゼンタ色像形成2当量カプラーは、減色法カラー写真のマゼンタカプラーとして特に有用である(例えば、特許文献1および2参照。)。
このポリマーカプラーの繰り返し単位を与えるピラゾロン残基を有するエチレン型不飽和単量体は、4−位に現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱し得る基(以下、「カップリング離脱基」という。)を導入する工程を含み、3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の3−位のアミノ基に、エチレン型不飽和基を有する残基を結合することにより合成することができる。ここで中間体である3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類は、従来、下記スキーム1に示されるように、3−アミノ−2−ピラゾリン−5−オン体(A)を出発原料として、3−位アミノ基をアセチル基で保護した後、4−ハロゲン体(C)に導き、置換工程で離脱基を導入し、続いてアセチル基を脱保護することで得られていた。
スキーム1
Figure 2005104863
この方法における鍵反応工程は化合物(C)から化合物(D)を導く置換工程である。しかしこの工程は非常に収率が低く、また副生成物も多いという問題があった。この問題を解決するために、3−位アミノ基の保護基にベンゾイル基を用い、さらにベンゾイル基の脱保護をアルカリ条件で行うことで、各工程の収率を改善できることが報告されている(例えば、特許文献3および4参照。)。
しかしながら、これらのルートにおいても化合物(C)から化合物(D)を導く置換工程を収率よく進行させるためには、化合物(C)に対して求核剤(LH)を過剰(〜3当量)に使用する必要があった。特に、求核剤(LH)が高価な含窒素へテロ環の場合にはこれら従来の製造法では経済的に不利であり、3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類をさらに安価に製造することができる抜本的な改良ルートの開発が望まれていた。
3−アミノ−4−置換−5−ピラゾロン類のその他の製造法としては、1−フェニル−3−アジドカルボニル−4−フェノキシ(or p-トリルオキシ)−5−ピラゾロンのクルチウス(Curtius)反応により1−フェニル−2−アセチル−3−アミノ−4−フェノキシ(or p-トリルオキシ)−3−ピラゾリン−5−オンを合成する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)が、いずれも低収率でしか製造できないものであった。
米国特許第4367282号明細書
特開昭58−224352号公報
特開昭62−070363号公報
特開2002−338548号公報
ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)、37巻、2400頁、1972年
本発明の目的は、3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の簡便かつ効率的な製造法を提供することにある。
鋭意検討を重ねた結果、本発明の目的は下記(1)〜(3)により達成された。
(1) 一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから得られる一般式(4)で表される化合物を経由することを特徴とする、一般式(1)で表される3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
Figure 2005104863
式中、R1およびR1’はそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2はアルキル基またはアリール基を表す。Lは窒素原子で結合したヘテロ環基を表す。
(2) 前記一般式(4)で表される化合物を下記一般式(5)で表されるヒドラジド化合物とした後、該ヒドラジド化合物に亜硝酸塩を作用させて転位反応せしめることを特徴とする前記(1)に記載の3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
Figure 2005104863
式中、R2はアルキル基またはアリール基を表す。Lは窒素原子で結合したヘテロ環基を表す。
(3) R2が2,4,6−トリクロロフェニル基、Lがピラゾリル基であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
本発明により、例えば写真感光材料用カプラー中間体、カラーマーキング材料中間体として有用な3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類を簡便且つ効率的に製造することができるようになった。
以下に本発明の製造法について詳しく説明する。
先ずは、本発明の製造法における各化合物について詳しく説明する。
一般式(2)においてR1およびR1’はそれぞれ独立にアルキル基を表す。R1およびR1’で表されるアルキル基は好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは1〜4であり、直鎖状でも分岐鎖状でも環状であってもよく、また、置換基を有していても無置換でもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が挙げられる。また、置換基の例としては、 ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルキル基(例えばメチル、エチル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニリオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ヘテロ環類などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていてもよく、置換基が複数ある場合は、同じでも異なってもよい。以下同様の意味で置換基を用いる。
1およびR1’は好ましくはメチル基またはエチル基である。
一般式(2)において、Lは窒素原子で結合したヘテロ環基であり、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、窒素原子以外のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子を有していてもよく、窒素原子の数は、1〜3個であり、置換基を有していても無置換であっても、ベンゼン環等が縮合していてもよい。Lで表されるヘテロ環基の具体例としては、1−ピペリジル基、4−モルホリノ基、イミド基(例えば5,5−ジメチル−3−ヒダントイニル)、イミダゾリル基(例えば1−イミダゾリル、2−メチル−1−イミダゾリル、1−ベンズイミダゾリル)、ピラゾリル基(例えば1−ピラゾリル、4−メチル−1−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリル、4−クロロ−1−ピラゾリル、4−ブロモ−1−ピラゾリル)、またはトリアゾリル基(1−トリアゾリル、3−クロロ−1−トリアゾリル、5,6−ジメチル−1−ベンゾトリアゾリル、5−メトキシカルボニル−1−ベンゾトリアゾリル)、4−チオモルホリノ、5,5−ジメチル−2,4−ジオキソ−3−チアゾリジニル等が挙げられ、より好ましくはピラゾリル基、イミダゾリル基およびベンズイミダゾリル基であり、ピラゾリル基が特に好ましい。
一般式(3)においてR2はアルキル基またはアリール基を表す。R2で表されるアルキル基は好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは1〜4であり、直鎖状でも分岐鎖状でも環状であってもよく、また、置換基を有していても無置換でもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が挙げられる。R2で表されるアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、置換基を有していても無置換でもよく、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。R2は好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基であり、塩素原子が1〜3個置換したフェニル基が特に好ましい。
一般式(4)におけるR1、R2、Lおよび一般式(1)、一般式(5)におけるR2、Lは上記と同義である。
以下に本発明の一般式(1)〜(4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005104863
Figure 2005104863
Figure 2005104863
Figure 2005104863
Figure 2005104863
次に本発明の製造法における各工程の内容について詳しく説明する。
第一工程
本工程は、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから下記中間体Aを経由して一般式(4)で表される化合物を製造する工程である。
Figure 2005104863
本工程に用いる溶媒としては、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アミド類(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン)、炭化水素類(例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン)、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。また、これらの溶媒の2種類以上を適宜混合したものを用いてもよい。さらに、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから中間体Aを得る工程と、中間体Aから一般式(4)を得る工程で溶媒を変更してもよい。本工程の好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、酢酸ブチル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等である。
本工程は酸性条件、中性条件、塩基性条件のいずれで行ってもよいが、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから中間体Aを得る工程においては、中性〜酸性条件で行うのが好ましく、また、中間体Aから一般式(4)を得る工程では中性〜塩基性条件で行うのが好ましい。一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから中間体Aを得る工程で用いることのできる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等のブレンステッド酸や、塩化アルミニウム、アルミニウムテトライソプロポキシド、四塩化チタン、三フッ化ホウ素・エーテル錯体等のルイス酸を挙げることができる。一般式(3)で表される化合物の塩酸塩および硫酸塩として用いるのがより好ましい。また、中間体Aから一般式(4)を得る工程で用いることのできる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基およびピリジン、トリエチルアミン、ジイソブチルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等の有機塩基を挙げることができる。好ましくは無機塩基であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が特に好ましい。これらの塩基は一般式(2)で表される化合物に対し、0.1〜5当量用いるのが好ましく、0.9〜2当量用いるのがより好ましい。
一般式(2)で表される化合物に対し、一般式(3)で表される化合物は、0.5〜2当量用いるのが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5当量であり、さらに好ましくは0.9〜1.2当量である。
本工程の反応温度としては、0〜200℃が好ましく、より好ましくは25〜150℃であり、さらに好ましくは50〜120℃である。反応時間は、溶媒、用いる酸や塩基、反応温度等の条件によって左右されるが、中間体Aを得る工程および中間体Aから一般式(4)で表される化合物を得る工程いずれも15分〜10時間で行うのが好ましく、より好ましくは30分〜5時間である。
本工程の一般式(2)で表される化合物は、例えば「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソシエティー(J. Am. Chem. Soc.)、70巻、2857ページ、1948年」に記載されているジエチルオキサロアセテートの合成法と同様の方法、すなわち、ヘテロ環置換酢酸エステルとシュウ酸エステルとの縮合反応により容易に得ることができる。また、一般式(3)で表されるヒドラジン化合物は、市販のものを利用することもできるし、アニリン誘導体をジアゾ化した後、塩化スズ(II)などで還元する方法(例えば「シンセティック コミニュケーション(Synth. Commun.)15巻、697ページ、1985年」参照。)やアニリン化合物をアミノ化する方法(例えば「オーガニック シンセシス(Org. Synth.)5巻、43ページ、1973年」参照。)で容易に得ることができる。
第二工程
本工程は、一般式(4)で表される化合物を、転位反応を利用して一般式(1)で表される化合物へと変換する工程である。転位反応としては、一般式(4)で表される化合物をヒドロキサム酸誘導体とした後、塩基を作用させる反応(Lossen 転位)、一般式(4)で表される化合物をアミドとした後、塩素または臭素と塩基を作用させる反応(Hofmann 転位)、一般式(4)で表される化合物をアジドとした後、加熱する反応(Crutius 転位)を利用することができる。これらの中では、Crutiusu転位反応を利用するのが好ましく、下記スキームに示すように、ヒドラジンとの反応により一旦一般式(5)で表されるヒドラジド化合物とした後に、該ヒドラジド化合物に酸性条件下、亜硝酸塩を作用させる反応が特に好ましい。
Figure 2005104863
一般式(4)で表される化合物をヒドラジンと反応させて一般式(5)で表されるヒドラジド化合物に変換する反応において、ヒドラジンとしては、無水ヒドラジン、ヒドラジン1水和物、ヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン硫酸塩等を使用することができるが、ヒドラジン1水和物を用いるのが好ましい。一般式(4)で表される化合物に対してヒドラジンは、0.5〜50当量用いるのが好ましく、より好ましくは0.8〜20当量であり、0.9〜10当量がさらに好ましい。
本反応は無溶媒で行ってもいいし、溶媒を用いてもよい。用いることのできる溶媒としては、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)、アセト二トリル、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アミド類(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、スルホラン等であり、好ましくはアルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)やアセト二トリルである。
反応温度としては、20〜200℃が好ましく、より好ましくは30〜150℃であり、さらに好ましくは50〜120℃である。反応時間は、溶媒、ヒドラジン類の当量数、反応温度等の条件によって左右されるが、30分〜24時間で行うのが好ましく、より好ましくは1時間〜10時間である。
一般式(5)で表される化合物に酸性条件下、亜硝酸塩を作用させて一般式(1)で表される化合物に変換する反応において、亜硝酸塩としては、亜硝酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられる。好ましくは亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウムである。また、亜硝酸塩以外にも亜硝酸イソアミル等の亜硝酸エステルを使用することもできる。一般式(5)で表される化合物に対し、亜硝酸塩は0.5〜2当量用いるのが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5当量であり、0.9〜1.2当量がさらに好ましい。
本反応で用いることのできる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸等が好ましく、また、これらを混合して用いてもよい。用いる酸の当量数としては、一般式(5)で表される化合物に対し0.5〜200当量が好ましく、より好ましくは0.8〜100当量であり、さらに好ましくは0.9〜50当量である。
本反応の溶媒として好ましくは、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)、上記の酸等であり、より好ましくは水および酢酸である。
反応温度としては、-20〜200℃が好ましく、より好ましくは-10〜150℃であり、さらに好ましくは0〜120℃である。反応時間は、溶媒、用いる酸、反応温度等の条件によって左右されるが、30分〜10時間で行うのが好ましく、より好ましくは1時間〜5時間である。
反応手順としては一般式(5)で表される化合物の溶液に0℃前後の温度で亜硝酸塩の水溶液を滴下後、昇温するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の製造法を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の%は、特記しない限り重量%を示す。
下記スキームにしたがって化合物(1a)を合成した。
Figure 2005104863
化合物4aの合成
化合物2a(8.1g)[本化合物は水素化ナトリウム存在下、ピラゾリル酢酸エチル{本化合物は炭酸カリウム存在下等量のクロロ酢酸エチルとピラゾールとから高収率で得られる。}とシュウ酸ジエチルとの縮合反応により高収率で得られる。]および化合物3aの塩酸塩(7.9g)をトルエン(50ml)中、還流温度で2.5時間攪拌した。反応液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。この濃縮残渣(NMR, Massにより2aと3aとの脱水縮合物であることを確認した。)にジメチルホルムアミド(50ml)および炭酸カリウム(4.8g)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(100ml)/1mol/L塩酸水(100ml)に注加し、分液後有機層を水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより化合物4a(11.4g, 89% from 2a)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
1H-NMR(300MHz:溶媒DMSO、内部標準:TMS) δppm 1.09(t,3H)、4.74(q.2H)、6.41(t,1H)、7.64(d,1H)、7.85(d,1H)、8.02(s,2H)
化合物5aの合成
化合物4a(6.8g)、ヒドラジン一水和物(14ml)およびエタノール(40ml)を還流温度で5時間攪拌した。減圧にて濃縮後、酸性になるまで濃塩酸(約16ml)を加えた。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥することにより、化合物5a(6.2g, 86%)を塩酸塩として得た。構造はMassスペクトルおよび元素分析により確認した。
化合物1aの合成
化合物5a(3.9g)の酢酸(50ml)懸濁液に亜硝酸ナトリウム(0.7g)の水(10ml)溶液を5℃にて滴下した。反応液を90℃で10分攪拌後、水20mlを加え、さらに90℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、析出した結晶をろ過した。得られた結晶を乾燥後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより、化合物1a(2.8g,81%)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
1H-NMR(300MHz:溶媒DMSO、内部標準:TMS) δppm 6.38(t,1H)、6.77(s,2H)、7.61(d,1H)、7.83(s,2H)、8.10(d,1H)、10.17(s,1H)
下記スキームにしたがって化合物(1t)を合成した。
Figure 2005104863
化合物4tの合成
化合物2q(9.7g)[本化合物は水素化ナトリウム存在下、イミダゾリル酢酸エチル{本化合物は炭酸カリウム存在下等量のクロロ酢酸エチルとイミダゾールとから高収率で得られる。}とシュウ酸ジエチルとの縮合反応により高収率で得られる。]および化合物3aの塩酸塩(9.5g)をトルエン(50ml)中、還流温度で3時間攪拌した。反応液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。この濃縮残渣(NMR, Massにより2qと3aとの脱水縮合物であることを確認した。)にジメチルホルムアミド(50ml)および炭酸カリウム(5.8g)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(150ml)/1mol/L塩酸水(150ml)に注加し、分液後有機層を水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより化合物4t(13.0g, 85% from 2q)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
化合物5tの合成
化合物4t(7.3g)、ヒドラジン一水和物(14ml)およびエタノール(40ml)を還流温度で6時間攪拌した。減圧にて濃縮後、酸性になるまで濃塩酸(約16ml)を加えた。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥することにより、化合物5t(6.2g, 80%)を塩酸塩として得た。構造はMassスペクトルおよび元素分析により確認した。
化合物1tの合成
化合物5t(5g)の酢酸(70ml)懸濁液に亜硝酸ナトリウム(0.9g)の水(13ml)溶液を5℃にて滴下した。反応液を90℃で10分攪拌後、水20mlを加え、さらに90℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、析出した結晶をろ過した。得られた粗結晶をシリカゲルカルムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより化合物1t(3.5g,79%)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
1H-NMR(300MHz:溶媒DMSO、内部標準:TMS) δppm 6.75(s,2H)、7.18(s,1H)、7.55(s,1H)、7.81(s,2H)、8.22(s,1H)、9.55(s,1H)
下記スキームにしたがって化合物(1b)を合成した。
Figure 2005104863
化合物4bの合成
化合物2a(8.1g)および化合物3bの塩酸塩(6.8g)をトルエン(50ml)中、還流温度で2.5時間攪拌した。反応液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。この濃縮残渣(NMR, Massにより2aと3bとの脱水縮合物であることを確認した。)にジメチルホルムアミド(50ml)および炭酸カリウム(5.0g)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(100ml)/1mol/L塩酸水(100ml)に注加し、分液後有機層を水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより化合物4b(10.0g, 86% from 2a)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
化合物5bの合成
化合物4b(7.0g)、ヒドラジン一水和物(14ml)およびエタノール(40ml)を還流温度で6.5時間攪拌した。減圧にて濃縮後、酸性になるまで濃塩酸(約16ml)を加えた。析出した結晶をろ過、水洗、乾燥することにより、化合物5b(5.4g, 80%)を塩酸塩として得た。構造はMassスペクトルおよび元素分析により確認した。
化合物1bの合成
化合物5b(5g)の酢酸(70ml)懸濁液に亜硝酸ナトリウム(1.0g)の水(15ml)溶液を5℃にて滴下した。反応液を90℃で10分攪拌後、水20mlを加え、さらに90℃で3.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、析出した結晶をろ過した。得られた粗結晶をシリカゲルカルムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより化合物1b(3.6g,81%)を得た。構造はNMRおよびMassスペクトルにより確認した。
1H-NMR(300MHz:溶媒DMSO、内部標準:TMS) δppm 6.37(t,1H)、6.76(s,2H)、7.40(dd,1H)、7.50(d,1H)、7.54-7.60(m,2H)、8.08(d,1H)、10.14(s,1H)
以上の結果より、本発明の製造法は従来法と比べて、保護、脱保護工程といった無駄な工程がなく、また、高価なヘテロ環化合物を過剰に使用することなく、短工程で簡便に3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類を製造できることがわかる。

Claims (3)

  1. 一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とから得られる一般式(4)で表される化合物を経由することを特徴とする、一般式(1)で表される3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
    Figure 2005104863
    式中、R1およびR1’はそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2はアルキル基またはアリール基を表す。Lは窒素原子で結合したヘテロ環基を表す。
  2. 前記一般式(4)で表される化合物を下記一般式(5)で表されるヒドラジド化合物とした後、該ヒドラジド化合物に亜硝酸塩を作用させて転位反応せしめることを特徴とする請求項1に記載の3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
    Figure 2005104863
    式中、R2はアルキル基またはアリール基を表す。Lは窒素原子で結合したヘテロ環基を表す。
  3. 2が2,4,6−トリクロロフェニル基、Lがピラゾリル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の3−アミノ−4−ヘテリル−2−ピラゾリン−5−オン類の製造方法。
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