JP2005104624A - 車両用部品在庫管理システム及び方法 - Google Patents

車両用部品在庫管理システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記部品を保有させるための車両用部品在庫管理システム及び方法において、各拠点における部品の在庫量を少なくしながら、部品の受注に対して迅速に対応する。
【解決手段】 管理サーバは、少なくとも将来の所定期間における各拠点の各部品の受注予測数と各拠点の各部品の目標保有率に基づいて、将来の所定期間における各拠点の各部品の保有在庫量を算出する。管理サーバは、各拠点間で相互方向持ち合い関係がある場合には、これらの拠点を1つの拠点として保有在庫量を算出する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動車等の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記部品を保有させるための車両用部品在庫管理システム及び方法に関する。
一般に、車両用部品の在庫拠点は、下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられている。すなわち、部品を顧客に直接販売する販売拠点が最下層の拠点として存在し、その販売拠点を都道府県単位等で管轄しかつ販売拠点に部品を供給する拠点(物流拠点等)が、中間層の拠点として存在し、その物流拠点等を管轄しかつ物流拠点等に部品を供給する部品庫が最上層の拠点として存在しており、これら最上層から最下層の拠点まで階層構造的に設けられている。
上記各拠点における部品の在庫・補充を管理する在庫補充管理システムとしては、例えば、特許文献1に示されているものが知られている。この在庫補充管理システムは、管理サーバと、販売拠点に設けられた販売拠点端末と、物流拠点に設けられた物流拠点端末とを備えている。管理サーバは、販売拠点端末からの部品の受注の情報に基づいて、販売拠点における目標在庫量を演算するとともに、新規受注量と目標在庫量の変動量とに基づいて、販売拠点における部品の補充量を演算し、その補充量分の部品を販売拠点に補充することを物流拠点に対して指示する。また、管理サーバは、販売拠点における目標在庫量と引当可能実在庫量との差に基づいて、販売拠点の過剰在庫量を演算し、その過剰在庫量分の部品を回収することを物流拠点に対して指示する。そして、上記目標在庫量の計算は、所定期間内の受注量を調査し、そして、その期間内の所定の連続期間の受注量の合計を演算し、その合計値の中の最大値(最大累計受注数量)を求めることにより行う。
特開2002−342431号公報
ところで、車両が故障した場合には、容易に買換えることができないため、通常、故障した部品を交換することで対応する。この交換部品が、すぐに入手できないと、車両を使用できない状態で顧客を長期間待たせることとなり、顧客に対するサービス性が大幅に低下する。特に、海外の部品メーカから部品を取り寄せる場合には、顧客をさらに長時間待たせることとなる。このため、部品を供給販売する拠点は、顧客を長時間待たせることがないように、上記従来例の如く、各拠点の過去の受注数から将来の受注予測量を算出するが、各拠点の在庫スペースなどの諸事情により、その全てを予め各拠点に補充しておくことはできないため、受注予測量と所定割合である保有率とから算出される目標在庫量を、予め保有することで、顧客へのサービス性の低下を防止しつつ、在庫スペースの増大等が生じないようにしている。
しかしながら、この在庫補充管理システムでは、目標在庫量の算出を最大累計受注数量を求めることにより行っていることからも明らかなように、顧客の注文に対して迅速に対応するために、販売拠点の目標在庫量を大きめに設定している。そのうえ、拠点間の在庫に極端なアンバランスがある場合には在庫の移送を行い平均化を図るものの、各拠点の目標在庫量の算出は、部品の補充が常に上位拠点から下位拠点へ行われるという一方方向持ち合い関係を前提として、各拠点毎に別々に行われているため、拠点の部品の在庫量を少なくできないという不具合が生じていた。
そこで、本発明者たちは、拠点間で相互に部品を供給しあうこととして目標在庫量を算出することにより、各拠点における部品の在庫量を少なくしながら、顧客の部品の注文に対して速やかに対応し得る車両用部品在庫管理システムを開発した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車等の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記部品を保有させるための車両用部品在庫管理システム及び方法において、顧客の部品の注文に対する即納性を確保しながら、各拠点の部品の在庫量を少なくすることができる技術を提供することにある。
第1の発明は、下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられ且つ複数種の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記各部品を保有させるための車両用部品在庫管理システムであって、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の受注予測量を予測する予測手段と、上記各拠点毎に設定され且つ上記将来の所定期間において上記各部品の上記受注予測量に対して該各拠点が保有する量の割合を示す、上記各部品の目標保有率を、記憶する目標保有率記憶手段と、上記拠点間で設定可能で且つ該拠点間で相互に部品供給可能とする相互方向持ち合い関係及び上記拠点間で設定可能で且つ一方の拠点が他方の拠点に部品供給可能とする一方方向持ち合い関係のいずれか一方を、拠点間毎に記憶する持ち合い関係記憶手段と、少なくとも上記受注予測量と上記目標保有率とに基づいて、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を上記各拠点に対して指示する制御手段とを備え、上記制御手段が、上記持ち合い関係記憶手段に記憶された上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、上記相互方向持ち合い関係でない場合に比べて、上記目標保有率を満たす保有在庫量を少なくするように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、部品の受注予測量の変動に対して部品を相互に供給しあうことによって対処する事とした場合には、保有在庫量を、部品の受注予測量の変動に対して夫々の拠点で独立して対処する事とした場合よりも少ない量で、同じ目標保有率を達成することができる。そのため、顧客の部品の注文に対する即納性を確保しながら、各拠点の部品の在庫量を少なくすることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御手段が、上記持ち合い関係記憶手段に記憶された上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、該相互方向持ち合い関係にある拠点を1つの拠点として保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を保有するよう指示するように構成されていることを特徴とするものである。
これにより、相互方向に部品を供給しあう拠点が、これらの拠点に生じる受注予測量の変動量に対して対処することとなるため、その変動量を、各拠点が夫々独立の拠点とした場合における各拠点の夫々に生じる受注予測量の変動量の総和よりも小さくすることができる。そのため、その小さな変動量に対応した保有在庫量を指示すればよく、保有在庫量を少なくすることができる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記持ち合い関係が、上記部品単位又は部品グループ単位で設定可能であることを特徴とするものである。
これにより、持ち合い関係は部品単位又は部品グループ単位で設定可能であるため、拠点間の事情、及び部品の受注形態に応じた持ち合い関係を結ぶことができる。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、上記相互方向持ち合い関係にある場合における保有在庫量が、該相互方向持ち合い関係にある拠点の数が多い程、少なくなることを特徴とするものである。
これにより、相互方向に部品を供給しあう拠点数が多い程、これらの拠点に生じる受注予測量の変動量に対して多くの拠点で対処することとなるため、その変動量を、各拠点が夫々独立の拠点とした場合における各拠点の夫々に生じる受注予測量の変動量の総和よりもさらに小さくすることができる。そのため、そのさらに小さな変動量に対応した保有在庫量を指示すればよく、上記相互方向持ち合い関係の拠点の数を多くすることにより、保有在庫量をさらに少なくすることができる。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記相互方向持ち合い関係にある場合における保有在庫量が、該相互方向持ち合い関係にある拠点間の距離が近い程、少なくなることを特徴とするものである。
これにより、相互方向持ち合い関係の拠点間の距離が遠くて、部品の移送に要する期間が長くなる場合には、この部品の移送期間を考慮して、保有在庫量をより多めに設定することになるため、在庫切れを回避することができる。よって、顧客の部品の注文に対する即納性を確保することができる。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、上記相互方向持ち合い関係が、予め双方の拠点の承認を得ることにより設定されていることを特徴とするものである。
これにより、相互方向持ち合い関係は、予め双方の拠点の承認を得ることにより設定されているため、それらの拠点にとって不本意な持ち合い関係が締結されることを防ぐことができる。
第7の発明は、下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられ且つ複数種の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記各部品を保有させるための車両用部品在庫管理方法であって、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の受注予測量を予測する工程と、上記各拠点毎に設定され且つ上記将来の所定期間において上記各部品の上記受注予測量に対して該各拠点が保有する量の割合を示す、上記各部品の目標保有率を、記憶する工程と、上記拠点間で設定可能で且つ該拠点間で相互に部品供給可能とする相互方向持ち合い関係及び上記拠点間で設定可能で且つ一方の拠点が他方の拠点に部品供給可能とする一方方向持ち合い関係のいずれか一方を、拠点間毎に記憶する工程と、少なくとも上記受注予測量と上記目標保有率とに基づいて、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を上記各拠点に対して指示する工程と、上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、上記相互方向持ち合い関係でない場合に比べて、上記目標保有率を満たす保有在庫量を少なくする工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、部品の受注予測量の変動に対して部品を相互に供給しあうことによって対処する事とした場合には、保有在庫量を、部品の受注予測量の変動に対して夫々の拠点で独立して対処する事とした場合よりも少ない量で、同じ目標保有率を達成することができる。そのため、顧客の部品の注文に対する即納性を確保しながら、各拠点の部品の在庫量を少なくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る車両用部品在庫管理システム1は、下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられ且つ複数種の車両用部品(以下、部品という)を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記各部品を保有させるために、使用されるものである。
基本的な階層構造は、図1に示すように、部品を顧客に直接販売する販社拠点(販売拠点)2が下層の拠点として存在し、その販社拠点2を管轄しかつ販社拠点2に部品を供給する子拠点3が、第1中層の拠点として存在し、その販社拠点2又は子拠点3を管轄しかつ販社拠点2又は子拠点3に部品を供給する親拠点4(子拠点3が存在しない場合には販社拠点2を直接管轄しかつ該販社拠点2に部品を供給し、子拠点3が存在する場合にはその子拠点3を直接管轄しかつ該子拠点3に部品を供給する)が、第2中層の拠点として存在し、その親拠点4を管轄しかつ親拠点4に部品を供給する国内用部品庫5が上層の拠点として存在しており、これら上層から下層の拠点まで階層構造的に設けられている。
国内用部品庫・親拠点・子拠点・販社拠点の各拠点2,3,4,5はそれぞれ、各部品を各自で保有し管理している。また、国内用部品庫5を除く各拠点2,3,4は、部品が目標在庫量を下回った場合には、自拠点の直上に位置している拠点からその部品を補充する。すなわち、販社拠点2を除く各拠点3,4,5は、自拠点の直下に位置している拠点における部品が目標在庫量を下回った場合には、その部品をその拠点に対して補充する。この基本的な階層構造では、販社拠点2は、部品が目標在庫量を下回った場合には、直上に位置している子拠点3又は親拠点4からその部品を補充し、子拠点3は、直上に位置している親拠点4からその部品を補充し、親拠点4は、国内用部品庫5からその部品を補充する。
国内用部品庫5は、後述するサプライヤ6から供給された各部品を親拠点4に対して補充する拠点であり、例えば、日本国内に1つだけ設置されている。本実施形態では、国内用部品庫5は第1及び第2親拠点4a,4bを管轄している。
サプライヤ6は、各部品を製造するとともに、製造したその各部品を国内用部品庫5及び後述する海外用部品庫7に対して供給するものであり、例えば、日本国内に数百存在している。
また、海外用部品庫7は、海外向けの各部品をアメリカ・ヨーロッパ等の海外拠点8に対して補充する拠点であり、例えば、日本国内に1つだけ設置されている。さらに、国内用部品庫5は各部品を直取販社9に対しても補充する。
親拠点4は、例えば、関東地方・近畿地方・中国地方等の地方単位毎に配置されている。この基本的な階層構造では、第1親拠点4aは第1及び第2子拠点3a,3bを管轄し、第2親拠点4bは第5〜第8販社拠点2e,2f,2g,2hを管轄している。また、親拠点4は各部品を部品商10及び整備業者11に対しても補充する場合がある(この場合、親拠点4は販社拠点2と同様に機能していることになる)。
子拠点3は、例えば、東京都・大阪府・広島県等の都道府県単位毎に配置されている。この基本的な階層構造では、第1子拠点3aは第1及び第2販社拠点2a,2bを管轄し、第2子拠点3bは第3及び第4販社拠点2c,2dを管轄している。
販社拠点2は各部品を顧客に対して実際に供給する拠点であり、例えば、市町村・区等の地域単位毎に配置されている。また、子拠点3は、上述の親拠点4と同様に、各部品を不図示の部品商及び整備業者に対しても補充する場合がある(この場合、子拠点3は販社拠点2と同様に機能していることになる)。
この基本的な階層構造に対し、本発明の実施形態1に係る階層構造を、図5に示す。図中において、各拠点間の部品の持ち合い関係は、一方方向持ち合い関係及び相互方向持ち合い関係のいずれか一方であり、矢印で表示されている(図6においても同様)。具体的には、子拠点3aから親拠点4aに向かって延びている一方方向の矢印は、部品の在庫量が不足した場合において、子拠点3aから親拠点4aにその部品を発注して子拠点3aが親拠点4aからその部品の供給を受けることは可能であるが、その逆、すなわち、親拠点4aが子拠点3aに対して発注を行って親拠点4aが子拠点3aから部品供給を受けることは不可能であるという、一方方向持ち合い関係を示している。また、子拠点3aと子拠点3bとの間に延びている相互方向の矢印は、部品の在庫量が不足した場合において、子拠点3aと子拠点3bとの間でいずれの拠点からも他方の拠点に対してその部品を発注してその部品の供給を受けることが可能であるという、相互方向持ち合い関係を示している。
実施形態1においては、各拠点間では、以下のような持ち合い関係が予め設定されている。なお、拠点間の相互方向持ち合い関係は、予め双方の拠点の承認を得ることにより設定することができる。
国内用部品庫5と第1親拠点4aとは国内用部品庫方向の持ち合い関係にある。第1親拠点4aと第1及び第2子拠点3a,3bとは第1親拠点方向の持ち合い関係にあり、第1子拠点3aと第2子拠点3bとは相互方向の持ち合い関係にある。第1子拠点3aと第1販社拠点2aとは第1子拠点方向の持ち合い関係にあり、第2子拠点3bと第4販社拠点2dとは第2子拠点方向の持ち合い関係にある。
このうち、相互方向の持ち合い関係にある第1子拠点3aと第2子拠点3bにおいて、第1子拠点3aは、部品が目標在庫量を下回った場合には、まず、兄弟拠点である第2子拠点3bからその部品を補充し、それでもその部品が目標在庫量を下回る場合には、第1親拠点4aからその部品を補充する。同様に、第2子拠点3bは、部品が目標在庫量を下回った場合には、まず、兄弟拠点である第1子拠点3aからその部品を補充し、それでもその部品が目標在庫量を下回る場合には、第1親拠点4aからその部品を補充する。これにより、相互方向の持ち合い関係にある第1子拠点3a及び第2子拠点3bをあたかも1つの拠点とみなすことができる。
図2に示すように、上記車両用部品在庫管理システム1は、予測手段及び制御手段としての管理サーバ12と、目標保有率記憶手段及び持ち合い関係記憶手段としての管理用データベース13と、国内用部品庫5に設けられた国内用部品庫端末14と、各親拠点4のそれぞれに設けられた親拠点端末15と、各子拠点3のそれぞれに設けられた子拠点端末16と、各販社拠点2のそれぞれに設けられた販社拠点端末17とを備えている。管理サーバ12は、国内用部品庫端末14、各親拠点端末15、各子拠点端末16及び各販社拠点端末17のそれぞれと、通信回線を介して接続されている。なお、本発明に係る予測手段及び制御手段は管理サーバ12に対応し、目標保有率記憶手段及び持ち合い関係記憶手段は管理用データベース13に対応する。
管理サーバ12は、各拠点2,3,4,5に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で各部品を保有させるために、種々の動作を行うものである。管理サーバ12の動作の概要については後述する。
管理用データベース13は管理サーバ12からアクセス可能に構成され、各拠点2,3,4,5に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で各部品を保有させるために必要な各種データ(情報)を記憶するものである。各種データには、受注データと、部品グループデータと、拠点間持合関係データと、保有率データと、一過性データ抽出用データとが含まれている。受注データとは、各拠点2,3,4,5における各部品毎の受注のデータである。
部品グループデータとは、複数の基本部品グループのデータである。ここで、基本部品グループとは、複数の部品を、互いに関連性のある部品同士のグループに分けたものである。これらの基本部品グループのベースデータは予め入力されていて、管理用データベース13はそのベースデータを記憶している。また、基本部品グループのベースデータに対して、部品の追加、変更又は削除を行うことができる。さらに、これらの基本部品グループのうちいくつかを組み合わせること等により、組合せ部品グループを設定することができる。
上記拠点間持合関係データとは、上述したように、各拠点間の部品の持ち合い関係を示すデータであり、ここで、持ち合い関係とは、2つの拠点間で少なくとも一方の拠点から他方の拠点へ部品を供給する関係をいう。この持ち合い関係は、2つの拠点間において、各部品単位又は各組合せ部品グループ単位で設定することができる。
上記保有率データとは、目標保有率である最低保有率のデータであり、管理サーバ12から各拠点2,3,4,5に対し指示される保有率データである。ここで、最低保有率のデータには、「部品の最低保有率」のデータと「組合せ部品グループの最低保有率」のデータと「部品トータルの最低保有率」のデータとが含まれている。「部品の最低保有率」のデータとは、将来の所定期間において部品の受注予測量に対して各拠点2,3,4,5が最低限保有すべき量の割合を示すものである。「組合せ部品グループの最低保有率」とは、将来の所定期間において組合せ部品グループの受注予測量に対して各拠点2,3,4,5が最低限保有すべき量の割合を示すものである。「部品トータルの最低保有率」とは、将来の所定期間において部品トータルの受注予測量に対して各拠点2,3,4,5が最低限保有すべき量の割合を示すものである。「部品の最低保有率」及び「組合せ部品グループの最低保有率」は、各拠点2,3,4,5において、各部品単位及び各組合せグループ単位で設定することができる。「部品トータルの最低保有率」は、上述のように「部品の最低保有率」及び「組合せ部品グループの最低保有率」を設定することにより、各拠点2,3,4,5毎に自動的に設定される。
上記一過性データ抽出用データとは、一過性データを抽出するためのデータである。ここで、一過性データとは、災害の発生や販促キャンペーン等を原因とした一過性の受注データである。
上記国内用部品庫端末14は入力用のキーボードと出力用のディスプレイとを有し、国内用部品庫5における各部品の受注データ及び各部品の現保有在庫量のデータを、管理サーバ12に対して送信する機能と、国内用部品庫5における各部品の保有在庫量・目標保有率のデータを、管理サーバ12から受信する機能とを有している。ここで、現保有在庫量とは、各拠点2,3,4,5が現在実際に保有しているとみなされる在庫量であり、保有在庫量とは、各拠点2,3,4,5が将来の所定期間において保有すべき在庫量である。
上記親拠点端末15はキーボード及びディスプレイを有し、その親拠点4における各部品の受注データ及び各部品の現保有在庫量のデータを、管理サーバ12に対して送信する機能と、その親拠点4における各部品の保有在庫量・目標保有率のデータを、管理サーバ12から受信する機能とを有している。
上記子拠点端末16はキーボード及びディスプレイを有し、その子拠点3における各部品の受注データ及び各部品の現保有在庫量のデータを、管理サーバ12に対して送信する機能と、その子拠点3における各部品の保有在庫量・目標保有率のデータを、管理サーバ12から受信する機能とを有している。
上記販社拠点端末17はキーボード及びディスプレイを有し、その販社拠点2における各部品の受注データ及び各部品の現保有在庫量のデータを、管理サーバ12に対して送信する機能と、その販社拠点2における各部品の保有在庫量・目標保有率のデータを、管理サーバ12から受信する機能とを有している。
−車両用部品在庫管理システムの動作−
ここで、各拠点2,3,4,5が部品の注文を受けた場合の、車両用部品在庫管理システム1の動作の概要を、図3のフローチャート及び図4を用いながら説明する。なお、各拠点間では、上述した図5に示す持ち合い関係が予め設定されている。
まず、各拠点の端末14,15,16,17に、受注した部品の品番及び数量等の受注データが入力される(ステップS1)。次に、入力された受注データは各拠点の端末14,15,16,17から管理サーバ12に送信され、管理用データベース13はこの受注データを記憶する(ステップS2)。
次に、管理サーバ12は、記憶している受注データの中から一過性データを抽出し、抽出した一過性データに対して所定の加工を行う(ステップS3)。次に、管理サーバ12は、記憶している受注データ、すなわち、実需実績に基づいて、各拠点2,3,4,5における各部品の1日当りの平均受注予測数を算出し、その後、該1日当りの平均受注予測数と、拠点間の距離に応じた部品の移送に要する期間を含むリードタイム及び各拠点2,3,4,5の発注方式により決定される将来の所定期間とにより、将来の所定期間の平均受注予測数を算出する(ステップS4)。なお、拠点間の距離が長い場合には、部品の移送に要する期間が長いとされる一方、距離が短い場合には、部品の移送に要する期間が短いとされる。
次に、管理サーバ12は、各拠点2,3,4,5のスペースなどの事情に応じて、各組合せ部品グループ毎又は各部品毎に目標保有率を設定・記憶する(ステップS5)。
次に、管理サーバ12は、少なくとも各拠点2,3,4,5における各部品の将来の所定期間の平均受注予測数と目標保有率とから、将来の所定期間における各拠点2,3,4,5の各部品の保有在庫量を算出する(ステップS6,この算出方法の詳細については後述する)。
次に、管理サーバ12は、各拠点2,3,4,5における各組合せ部品グループ毎又は各部品毎に設定・記憶された目標保有率の情報と、将来の所定期間における各拠点2,3,4,5の各部品の保有在庫量の情報とを、各拠点の端末14,15,16,17に送信する。その後、各拠点の端末14,15,16,17には、各組合せ部品グループ毎又は各部品毎に設定・記憶された目標保有率と、将来の所定期間における各拠点2,3,4,5の各部品の保有在庫量とが表示される。ここで、下位拠点とは、販社拠点2を除く各拠点3,4,5の直下に位置しているすべての拠点である。
ここで、将来の所定期間における相互方向持ち合い関係にある拠点の各部品の目標保有率を満たす保有在庫量は、下記の方法により算出される。
まず、上述のステップS1にて、各拠点毎、及び各部品毎に記憶された過去の所定期間の受注データから、予め、複数の受注パターンとして記憶されている受注パターンのなかから最適なパターンを抽出し、この抽出した受注パターンに受注データを当て嵌め、各拠点及び各部品の将来の所定期間の受注数を予測するために用いる関数を算出する。そして、この算出した関数を用いて、各拠点の各部品の将来の所定期間の平均受注予測数を算出し、相互方向持ち合い関係にある拠点における将来の所定期間の平均受注予測数は、あたかも1つの拠点とみなして加算される。それから、加算された平均受注予測数と目標保有率とに基づいて、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、目標保有率を満たす保有在庫量を求める。これにより、拠点間で相互方向持ち合い関係がある場合には、拠点間で相互方向持ち合い関係がない場合に比べて、目標保有率を満たす保有在庫量を少なくすることができる。
具体的には、図5中の第1子拠点3aのA部品に対して、第1子拠点3aのA部品の過去の所定期間における受注データにより、予め、記憶されている複数の受注パターンのなかから最適なパターンを抽出し、この抽出した受注パターンに受注データを当て嵌め、第1子拠点3aのA部品の将来の1日当たりの受注数を予測するために用いる関数を算出する。そして、この算出した関数を用いて、第1子拠点3aのA部品の将来の1日当たりの受注予測数λ3aを算出し、部品のリードタイム及び拠点の発注方式により決まる将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3aを求める。この将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3aは、部品の供給を受ける相手拠点である第2子拠点3bまでの距離が長い程、すなわち、部品の移送に要する期間が長い程、多くなる。
同様にして、第2子拠点3bのA部品の過去の所定期間の受注データから、将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3bを算出する。そして、第1子拠点3aと第2子拠点3bとが相互方向持ち合い関係にあることから、第1子拠点3aと第2子拠点3bとを1つの拠点とみなし、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aと第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bとを加算し、
第1子拠点3a及び第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3ab=第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3a+第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3b
を求める。
そして、第1子拠点3a及び第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3abと目標保有率とから、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、第1子拠点3aと第2子拠点3bの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abを求める。
なお、該目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abは、平均受注予測数L・λ3abと目標保有率を満たす安全在庫分Δ3abとにより、
ROP3ab=L・λ3ab+Δ3ab…(1−1)
と表わすことができる。
一方、第1子拠点3aと第2子拠点3bとを上述のように1つの拠点とみなすことなく、夫々独立の拠点とした場合における目標保有率を満たす保有在庫量ROP3a3bは、以下のようになる。
まず、第1子拠点3aの将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3aは、上述と全く同じ方法により求められる。そして、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aと目標保有率とから、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、第1子拠点3aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3aを求める。
なお、該目標保有率を満たす保有在庫量ROP3aは、平均受注予測数L・λ3aと目標保有率を満たす安全在庫分Δ3aとにより、
ROP3a=L・λ3a+Δ3a…(1−2)
と表わすことができる。
同様にして、第2子拠点3bの将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3bも、上述と同じ方法により求められる。そして、第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bと目標保有率とから、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、第2子拠点3bの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3bを求める。
なお、該目標保有率を満たす保有在庫量ROP3bは、平均受注予測数L・λ3bと目標保有率を満たす安全在庫分Δ3bとにより、
ROP3b=L・λ3b+Δ3b…(1−3)
と表わすことができる。
これより、第1子拠点3a及び第2子拠点3bの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3a3bは、第1子拠点3aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3aと第2子拠点3bの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3bとにより、
ROP3a3b=ROP3a+ROP3b
となる。
さらに、式(1−2)及び式(1−3)より、
ROP3a3b=(L・λ3a+Δ3a)+(L・λ3b+Δ3b)=(L・λ3a+L・λ3b)+(Δ3a+Δ3b)…(1−4)
となる。
第1子拠点3aと第2子拠点3bを1つの拠点とみなして算出した、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3ab(式(1−1)を参照)と、第1子拠点3aと第2子拠点3bを夫々別々の拠点とみなして算出した、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3a3b(式(1−4)を参照)において、
L・λ3ab=(L・λ3a+L・λ3b)
Δ3ab<(Δ3a+Δ3b)
が成立することから、同じ目標保有率に対して、
ROP3ab<(ROP3a+ROP3b)…(1−5)
が成立する。
よって、式(1−5)に示されるように、相互方向持ち合い関係にある、第1子拠点3aと第2子拠点3bとをあたかも1つの拠点とみなして、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aと第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bの加算値L・λ3abから、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abを算出することにより、第1子拠点3aと第2子拠点3bを夫々別々の拠点とみなして、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aから目標保有率を満たす保有在庫量ROP3aを求めるとともに第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bから目標保有率を満たす保有在庫量ROP3bを求めた後、それらを加算することにより求められる目標保有率を満たす保有在庫量ROP3a3bよりも、目標保有率を低下させることなく、第1子拠点3a及び第2子拠点3bの保有在庫量を少なくすることができる。
次に、図3及び図4に示すように、各拠点の端末14,15,16,17は、各拠点2,3,4,5の各部品の不足分を示す、緊急発注数又は補充発注数を算出する(ステップS7)。各拠点2,3,4,5の各部品の緊急発注数及び補充発注数は以下の式(2)及び(3)によりそれぞれ求められる。
各拠点の各部品の緊急発注数=(各拠点の各部品の受注数)−(各拠点の各部品の現保有在庫量)…(2)
各拠点の各部品の補充発注数=(将来の所定期間における各拠点の各部品の保有在庫量)−(各拠点の各部品の現保有在庫量)…(3)
上式(3)中の「各拠点の各部品の現保有在庫量」は、以下の式(4)により求められる。
各拠点の各部品の現保有在庫量=(現在実際に保有している数)+(既に発注しているが、まだ入庫されていない数)−(既に受注しているが、まだ出荷していない数)…(4)
次に、管理サーバ12は、各拠点2,3,4,5の各部品の保有在庫量及び緊急発注数又は補充発注数等の情報を、各拠点の端末14,15,16,17に送信し、そして、各拠点の端末14,15,16,17には、各部品の保有在庫量及び緊急発注数又は補充発注数(補充必要分)等の情報が表示される。
次に、緊急発注数又は補充発注数等に応じて、各拠点の端末14,15,16,17に、発注する部品の品番及び数量、発注時刻等の発注データが入力され(ステップS8)、入力された発注データは各拠点の端末14,15,16,17から管理サーバ12に送信される。
次に、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、発注データに基づいて、発注方式の判別を行う(ステップS9)。具体的には、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、発注した時刻が発注元の拠点の営業時間内であると判定すると、その拠点が発注した部品は緊急部品であると判定する。ここで、緊急部品とは、受注したにも拘わらず在庫がないため、至急必要となる部品である。そして、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、その拠点の直上に位置している拠点を、緊急発注数分の部品の発注先とする。
一方、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、発注した時刻が発注元の拠点の営業時間外であると判定すると、その拠点が発注した部品は補充部品であると判定する。ここで、補充部品とは、将来の所定期間における保有在庫量と現保有在庫量との差に基づいて、補充する部品である。そして、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、第1子拠点3aと第2子拠点3b、を除いて、その拠点の直上の拠点を、補充発注分の部品の発注先とするが、第1子拠点3aは第2子拠点3bを、第2子拠点3bは第1子拠点3aを、夫々、補充発注分の部品の発注先とし、第1子拠点3aと第2子拠点3bで、相互に部品を供給しあったとしても、なお、保有在庫量に対して不足する数量に対して、その拠点の直上の拠点、すなわち、第1子拠点3aと第2子拠点3bに対しては親拠点4aが発注先とされる。
次に、管理サーバ12又は各拠点の端末14,15,16,17は、発注元の拠点が発注した部品が緊急部品であると判定したときには、その拠点の直上に位置している拠点の端末に、緊急発注数分の部品を発注元の拠点に対して補充することを指示する情報を送信する一方、発注元の拠点が発注した部品が補充部品であると判定したときには、第1子拠点3aと第2子拠点3bを除いて、その拠点の直上に位置している拠点の端末に、第1子拠点3aの場合は第2子拠点3b、第2子拠点3bの場合は第1子拠点3aの端末に、補充発注数分の部品を発注元の拠点に対して補充することを指示する情報を出力する(ステップS10)。
最後に、国内用部品庫端末14は、サプライヤ6に対して、各部品の必要数の調達を指示する。
なお、上記の補充発注分の部品の発注先に代えて、各拠点の補充発注分の部品の発注先を全て、国内用部品庫5としてもよく、これにより、各拠点と国内用部品庫5間にて、直接、部品の発注、及び部品の供給を行うことで、中間拠点での補充発注分の在庫管理を軽減することができる。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、部品の受注予測量の変動に対して部品を相互に供給しあうことによって対処する事とした場合には、保有在庫量を、部品の受注予測量の変動に対して夫々の拠点で独立して対処する事とした場合よりも少ない量で、同じ目標保有率を達成することができる。そのため、顧客の部品の注文に対する即納性を確保しながら、各拠点の部品の在庫量を少なくすることができる。
また、相互方向に部品を供給しあう拠点が、これらの拠点に生じる受注予測量の変動量に対して対処することとなるため、その変動量を、各拠点が夫々独立の拠点とした場合における各拠点の夫々に生じる受注予測量の変動量の総和よりも小さくすることができる。そのため、その小さな変動量に対応した保有在庫量を指示すればよく、保有在庫量を少なくすることができる。
また、持ち合い関係は部品単位又は部品グループ単位で設定可能であるため、拠点間の事情、及び部品の受注形態に応じた持ち合い関係を結ぶことができる。
また、相互方向持ち合い関係の拠点間の距離が遠くて、部品の移送に要する期間が長くなる場合には、この部品の移送期間を考慮して、保有在庫量をより多めに設定することになるため、在庫切れを回避することができる。よって、顧客の部品の注文に対する即納性を確保することができる。
また、相互方向持ち合い関係は、予め双方の拠点の承認を得ることにより設定されているため、それらの拠点にとって不本意な持ち合い関係が締結されることを防ぐことができる。
(実施形態2)
本実施形態2は、図6に示すように、各拠点間における持ち合い関係の状態が、実施形態1と異なるものであり、具体的には、実施形態1においては、第1子拠点3aと第2子拠点3bの2つの拠点が相互方向持ち合い関係にあるのに対し、本実施形態2は、第1親拠点4aと第1子拠点3aと第2子拠点3bの3つの拠点が相互方向持ち合い関係にある点が相違し、その他の点に関しては、実施形態1と同様である。
図6に示すように、各拠点間においては、以下のような持ち合い関係が予め設定されている。
国内用部品庫5と第1親拠点4aとは国内用部品庫方向の持ち合い関係にあり、第1親拠点4aと第1子拠点3aとは相互方向の持ち合い関係にある。第1親拠点4aと第2子拠点3bとは相互方向の持ち合い関係にあり、第1子拠点3aと第2子拠点3bとは相互方向の持ち合い関係にある。第1子拠点3aと第1販社拠点2aとは第1子拠点方向の持ち合い関係にあり、第2子拠点3bと第4販社拠点2dとは第2子拠点方向の持ち合い関係にある。
ここで、本実施形態の第1子拠点3aと第2子拠点3b及び第1親拠点4aとは、相互方向の持ち合い関係を結んでいるため、これらをあたかも1つの拠点とみなして、上述と同様にして、第1親拠点4aと第1子拠点3aと第2子拠点3bの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abaを算出する。
具体的には、図6中の第1子拠点3aのA部品に対して、第1子拠点3aのA部品の過去の所定期間の受注データにより、予め、記憶されている複数の受注パターンのなかから最適なパターンを抽出し、この抽出した受注パターンに受注データを当て嵌め、第1子拠点3aのA部品の将来の1日当たりの受注数を予測するために用いる関数を算出する。そして、この算出した関数を用いて、第1子拠点3aのA部品の将来の1日当たりの受注予測数λ3aを算出し、部品のリードタイム及び拠点の発注方式により決まる将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3aを求める。この将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3aは、部品の供給を受ける相手拠点である第2子拠点3b又は第1親拠点4aまでの距離が長い程、すなわち、部品の移送に要する期間が長い程、多くなる。
同様にして、第2子拠点3bのA部品の過去の所定期間の受注データから、将来の所定期間の平均受注予測数L・λ3bを算出する。また、同様にして、第1親拠点4aのA部品の過去の所定期間の受注データから、将来の所定期間の平均受注予測数L・λ4aを算出する。そして、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aとが相互方向持ち合い関係にあることから、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aとを1つの拠点とみなして、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aと第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bと第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ4aとを加算し、
第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ3aba=第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3a+第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3b+第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ4a
を求める。
そして、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ3abaと目標保有率とから、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abaを求める。
なお、該目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abaは、平均受注予測数L・λ3abaと目標保有率を満たす安全在庫分Δ3abaとにより、
ROP3aba=L・λ3aba+Δ3aba…(1−6)
と表わすことができる。
一方、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aを上述のように1つの拠点とみなすことなく、第1子拠点3aと第2子拠点3bを1つの拠点とみなすとともに第1親拠点4aを別の独立した拠点とみなした場合における目標保有率を満たす保有在庫量ROP3ab4aは、以下のようになる。
まず、第1子拠点3aと第2子拠点3bとを1つの拠点とした場合における目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abは上記の実施形態1の方法により求められて、式(1−1)より、
ROP3ab=L・λ3ab+Δ3ab
と表わすことができる。
また、第1親拠点4aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP4aも、上述と同じ方法により求められる。すなわち、第1親拠点4aのA部品の過去の所定期間の受注データにより、予め、記憶されている複数の受注パターンのなかから最適なパターンを抽出し、この抽出した受注パターンに受注データを当て嵌め、第1親拠点4aのA部品の将来の1日当たりの受注数を予測するために用いる関数を算出する。そして、この算出した関数を用いて、第1親拠点4aのA部品の将来の1日当たりの受注予測数λ4aを算出し、部品のリードタイム及び拠点の発注方式により決まる将来の所定期間の平均受注予測数L・λ4aを求める。そして、第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ4aと目標保有率とから、予めテーブル値として管理サーバに記憶されている確率分布表により、第1親拠点4aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP4aを求める。
なお、該目標保有率を満たす保有在庫量ROP4aは、平均受注予測数L・λ4aと目標保有率を満たす安全在庫分Δ4aとにより、
ROP4a=L・λ4a+Δ4a…(1−7)
と表わすことができる。
これより、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP3ab4aは、第1子拠点3aと第2子拠点3bを1つの拠点とした場合における目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abと、第1親拠点4aの目標保有率を満たす保有在庫量ROP4aとにより、
ROP3ab4a=ROP3ab+ROP4a
となる。
さらに、式(1−1)及び式(1−7)より、
ROP3ab4a=(L・λ3ab+Δ3ab)+(L・λ4a+Δ4a)=(L・λ3ab+L・λ4a)+(Δ3ab+Δ4a)…(1−8)
となる。
第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aを1つの拠点とみなして算出した、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3aba(式(1−6)を参照)と、第1子拠点3aと第2子拠点3bを1つの拠点とみなし且つ第1親拠点4aを別の拠点とみなして算出した、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3ab4a(式(1−8)を参照)において、
L・λ3aba=(L・λ3ab+L・λ4a)
Δ3aba<(Δ3ab+Δ4a)
が成立することから、同じ目標保有率に対して、
ROP3aba<(ROP3ab+ROP4a)…(1−9)
が成立する。
よって、式(1−9)に示されるように、相互方向持ち合い関係にある、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの3つの拠点をあたかも1つの拠点とみなして、第1子拠点3aの平均受注予測数L・λ3aと第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3bと第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ4aの加算値L・λ4abaから、目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abaを算出することにより、第1子拠点3aと第2子拠点3bの2つのみをあたかも1つの拠点とみなすとともに第1親拠点4aを別の拠点とみなして、第1子拠点3aと第2子拠点3bの平均受注予測数L・λ3abから目標保有率を満たす保有在庫量ROP3abを求め且つ第1親拠点4aの平均受注予測数L・λ4aから目標保有率を満たす保有在庫量ROP4aを求めた後、それらを加算することにより求められる目標保有率を満たす保有在庫量ROP3ab4aよりも、目標保有率を低下させることなく、第1子拠点3aと第2子拠点3bと第1親拠点4aの保有在庫量を少なくすることができる。
すなわち、相互方向持ち合い関係にある拠点の保有在庫量を算出する場合には、1つの拠点とみなして保有在庫量を算出する拠点数が多い程、保有在庫量を少なくすることができる。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、相互方向に部品を供給しあう拠点数が多い程、これらの拠点に生じる受注予測量の変動量に対して多くの拠点で対処することとなるため、その変動量を、各拠点が夫々独立の拠点とした場合における各拠点の夫々に生じる受注予測量の変動量の総和よりもさらに小さくすることができる。そのため、そのさらに小さな変動量に対応した保有在庫量を指示すればよく、上記相互方向持ち合い関係の拠点の数を多くすることにより、保有在庫量をさらに少なくすることができる。
以上説明したように、本発明は、自動車等の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記部品を保有させるためのシステム等について有用である。
本発明の実施形態に係る車両用部品在庫管理システムに適用される拠点の階層構造を示す図である。 車両用部品在庫管理システムの概略構成図である。 車両用部品在庫管理システムの動作を示すフローチャートである。 拠点の保有在庫量を示す図である。 各拠点間の持ち合い関係を示す図である。 各拠点間の持ち合い関係を示す図である。
符号の説明
1 車両用部品在庫管理システム
2 販社拠点
3 子拠点
4 親拠点
5 国内用部品庫
12 管理サーバ(制御手段)
13 管理用データベース(目標保有率記憶手段、持ち合い関係記憶手段)
14 国内用部品庫端末
15 親拠点端末
16 子拠点端末
17 販社拠点端末

Claims (7)

  1. 下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられ且つ複数種の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記各部品を保有させるための車両用部品在庫管理システムであって、
    上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の受注予測量を予測する予測手段と、
    上記各拠点毎に設定され且つ上記将来の所定期間において上記各部品の上記受注予測量に対して該各拠点が保有する量の割合を示す、上記各部品の目標保有率を、記憶する目標保有率記憶手段と、
    上記拠点間で設定可能で且つ該拠点間で相互に部品供給可能とする相互方向持ち合い関係及び上記拠点間で設定可能で且つ一方の拠点が他方の拠点に部品供給可能とする一方方向持ち合い関係のいずれか一方を、拠点間毎に記憶する持ち合い関係記憶手段と、
    少なくとも上記受注予測量と上記目標保有率とに基づいて、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を上記各拠点に対して指示する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記持ち合い関係記憶手段に記憶された上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、上記相互方向持ち合い関係でない場合に比べて、上記目標保有率を満たす保有在庫量を少なくするように構成されていることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  2. 請求項1記載の車両用部品在庫管理システムにおいて、
    上記制御手段は、上記持ち合い関係記憶手段に記憶された上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、該相互方向持ち合い関係にある拠点を1つの拠点として保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を保有するよう指示するように構成されていることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  3. 請求項1又は2記載の車両用部品在庫管理システムにおいて、
    上記持ち合い関係は、上記部品単位又は部品グループ単位で設定可能であることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用部品在庫管理システムにおいて、
    上記相互方向持ち合い関係にある場合における保有在庫量は、該相互方向持ち合い関係にある拠点の数が多い程、少なくなることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用部品在庫管理システムにおいて、
    上記相互方向持ち合い関係にある場合における保有在庫量は、該相互方向持ち合い関係にある拠点間の距離が近い程、少なくなることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用部品在庫管理システムにおいて、
    上記相互方向持ち合い関係は、予め双方の拠点の承認を得ることにより設定されていることを特徴とする車両用部品在庫管理システム。
  7. 下層側と該下層側を管轄する上層側との複数の階層をなすように設けられ且つ複数種の車両用部品を保有し管理する複数の拠点に対して、将来の所定期間において適正な在庫量で上記各部品を保有させるための車両用部品在庫管理方法であって、
    上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の受注予測量を予測する工程と、
    上記各拠点毎に設定され且つ上記将来の所定期間において上記各部品の上記受注予測量に対して該各拠点が保有する量の割合を示す、上記各部品の目標保有率を、記憶する工程と、
    上記拠点間で設定可能で且つ該拠点間で相互に部品供給可能とする相互方向持ち合い関係及び上記拠点間で設定可能で且つ一方の拠点が他方の拠点に部品供給可能とする一方方向持ち合い関係のいずれか一方を、拠点間毎に記憶する工程と、
    少なくとも上記受注予測量と上記目標保有率とに基づいて、上記将来の所定期間における上記各拠点の上記各部品の保有在庫量を算出し、該算出した保有在庫量を上記各拠点に対して指示する工程と、
    上記拠点間の持ち合い関係が上記相互方向持ち合い関係である場合には、上記相互方向持ち合い関係でない場合に比べて、上記目標保有率を満たす保有在庫量を少なくする工程と、
    を備えたことを特徴とする車両用部品在庫管理方法。
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