JP2005104130A - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複雑な構造からなる幅寄せ機構が不要で、且つ、記録材料の所定位置に画像を形成することができる画像記録装置及び画像記録方法を提供する。
【解決手段】 画像データに基づいて変調されたレーザ光Lを記録材料Fの搬送方向とは直交する方向に走査露光する光走査装置19と、記録材料Fの搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出する位置検出手段20と、この位置検出手段20からの端部位置の検出信号に基づいて、記録材料Fに画像を露光するレーザ光Lの照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整する制御部40とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、搬送経路に沿って搬送される記録材料にレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録装置及び画像記録方法に関するものである。
近年、搬送経路に沿って搬送される記録媒体に走査露光部からレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録装置が知られている。
このような画像記録装置として、従来、熱現像記録材料にレーザ光を走査露光して潜像を形成し、その後、該熱現像記録材料を熱現像する熱現像記録装置が知られている。このような熱現像記録装置では、記録媒体である熱現像記録材料を走査露光部からのレーザ光が走査露光される画像露光位置に適正に位置決めするために、この熱現像記録材料を搬送方向と直交する幅方向に幅寄せする幅寄せ機構を備えている。
この幅寄せ機構は、例えば、熱現像記録材料の一方の側端部を一対のローラからなる押し込み体で押し込み、熱現像記録材料の他方の側端部を基準となる一対のローラからなる回転体に押し当てる構造である(例えば、特許文献1参照)。
特開平11―314802号公報
ところで、上記幅寄せ機構は、押し込み体を支持する可動台、該可動台を移動させるタイミングベルト及び該タイミングベルトを駆動させるモータなど、各種の部品から構成された複雑なものであった。このため、熱現像記録装置の組立てにかかるコストが嵩んでしまい、また、装置のコンパクト化にも限度があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、複雑な構造からなる幅寄せ機構が不要で、且つ、記録材料の所定位置に画像を形成することができる画像記録装置及び画像記録方法を提供することである。
本発明の上記目的は、搬送経路に沿って搬送される記録材料に入力される画像データに応じてレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録装置であって、前記画像データに基づいて変調されたレーザ光を前記記録材料の搬送方向とは直交する方向に走査露光する光走査装置と、前記記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からの前記端部位置の検出信号に基づいて、前記記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整する制御部とを備えていることを特徴とする画像記録装置によって達成される。
本発明の画像記録装置は、記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出する位置検出手段を備えているため、搬送されてくる記録材料が、走査露光される所定位置に対して搬送方向及び走査方向において位置がどの程度ずれているかを検出することができる。そして、位置検出手段からの検出信号に基づいて、記録材料の搬送方向の先端位置を検出することで走査領域を通過するタイミングを調整することができるとともに、上記ずれを考慮して記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させることで、記録材料の所定位置に画像を適正に形成することができる。
このため、本発明の画像形成装置は、走査露光位置に一致するように記録材料の位置を機械的に調整するといった幅寄せ機構が不要であるため、構成をより単純にすることができるとともに、幅寄せ機構を省略することで装置全体をより小型化することが可能となる。
上記画像記録装置において、位置検出手段が、複数の受光素子を直線状に配列してなるラインセンサを有していることが好ましい。こうすれば、各受光素子における受光量の変化に基づいて、記録材料の位置をより正確に検出することができる。つまり、これら複数の受光素子が走査方向に対して平行に配列されたラインセンサとすれば、記録材料の走査方向に対する端部位置を検出することができる。また、これら複数の受光素子が搬出方向に対して平行に配列されたラインセンサとすれば、記録材料の搬送方法に対する端部位置を検出することができる。さらに、このようなラインセンサを走査方向及び搬送方向との両方に沿って設けることで、基準となる位置に対して記録材料のずれとともに傾き量をより一層正確に検出することができる。
上記画像記録装置において、位置検出手段が、記録材料との接触を検出可能な複数の接触子を備え、該複数の接触子と記録材料との接触に基づいて上記検出信号を出力する機械式センサであることが好ましい。こうすれば、搬送方向及び走査方向に直線状に複数の接触子を配列することで、複数の接触子のうち一部が記録材料の搬送方向の端部に接触した状態となるとともに、残りの接触子が記録材料の搬送方向の端部に接触しない状態となる。このとき、記録材料に対して接触の状態にある接触子及び非接触の状態にある接触子による出力に応じて記録材料の端部位置を検出することができる。そして、記録材料の端部位置を検出信号として上記制御部に出力すれば、該検出信号に基づいて記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を制御することができる。
上記画像記録装置において、位置検出手段が、記録材料との接触に基づいて回動する駆動側アクチュエータと、駆動側アクチュエータの回動に協働して回動する従動側アクチュエータと、記録材料が駆動側アクチュエータに接触した際に、従動側アクチュエータの周縁部に形成されたスリット部の通過に基づいて記録材料の端部位置を検出する位置検出センサとを備え、駆動側アクチュエータと従動側アクチュエータとがギア部によって連結されていることが好ましい。こうすれば、ギアの比率を調整することで高分解能と省スペースとを実現することができる。
また、本発明の上記目的は、搬送経路に沿って搬送される記録材料に入力される画像データに応じてレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録方法であって、前記画像データに基づいて変調されたレーザ光を前記記録材料の搬送方向と直交する方向に走査露光し、該記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を位置検出手段によって検出し、該位置検出手段の検出信号に基づいて、前記記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整することを特徴とする画像記録方法によって達成することができる。
本発明の画像記録方法は、位置検出手段によって記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出し、この検出信号に基づいて、記録材料が走査露光される所定位置に対して搬送方向及び走査方向において位置がどの程度ずれているかを検出し、該記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させている。このため、搬送されてくる記録材料に幅寄せなどの位置調整を施す工程を省略することができる上、記録材料の所定位置に対して適正に画像を形成することができる。
上記画像記録方法において、走査方向に対する前記端部位置による前記位置検出信号に応じて走査ラインごとに照射開始位置を制御することが好ましい。こうすれば、記録材料の走査方向端部が搬送方向に対して傾いた状態で搬送された場合であっても、各走査ラインごとに適正な位置から画像データに応じたレーザ光が走査露光されるため、記録材料に対して傾いた状態で画像が形成されてしまうことを防止できる。
本発明の画像記録装置及び画像記録方法によれば、複雑な構造からなる幅寄せ機構が不要で、且つ、記録材料の所定位置に画像を形成することができる画像記録装置及び画像記録方法を提供できる。
以下、本発明にかかる画像記録装置及び画像記録方法の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる画像記録装置の構成図である。
図1に示すように、この画像記録装置10は、入力される画像データに応じて変調されたレーザ光Lを走査露光して、図中一点鎖線で示される搬送経路に沿って搬送される記録媒体に照射して、該記録媒体に画像を形成する、所謂、熱現像記録装置である。しかし、本発明にかかる画像記録装置10は、熱現像記録装置に限定されず、記録媒体に走査露光して画像を形成するものに適用することができる。
画像記録装置10は、湿式の現像処理を必要としない熱現像記録材料(以下、記録材料)Fを用い、レーザ光Lを走査露光することによって記録材料Fを露光して潜像を形成した後に、熱現像を行い、可視像を得てその後常温まで冷却する構成である。
画像記録装置10は、記録材料Fの搬送方向順に、熱現像記録材料供給部Aと、画像露光部Bと、熱現像部Cと、冷却部Dとを備えており、また、記録材料Fを搬送するための搬送手段が各部間の要所に備え、各部を駆動し制御する電源/制御部Eを備えている。
画像記録装置10において、最下段に電源/制御部E、その上段に熱現像記録材料供給部A、更に、その上段に画像露光部Bと熱現像部Cと冷却部Dとが配置され、また、画像露光部Bと熱現像部Cとが互いに隣接するように配置されている。
この構成によれば、露光工程と熱現像工程を短い搬送距離内で行うことができ、記録材料Fの搬送パス長を最短化し、一枚の出力時間を短縮することができる。また、記録材料Fに対して露光工程と熱現像工程との両工程を同時に実施することが可能となる。
本実施形態において記録材料Fとしては、熱現像感光材料または感光感熱記録材料を使用することができる。熱現像感光材料は、レーザ光によって画像を記録(露光)し、その後、熱現像して発色させる記録材料である。また、感光感熱記録材料は、光ビームによって画像を記録し、その後、熱現像して発色させるか、あるいは、レーザ光のヒートモード(熱)によって画像を記録すると同時に発色させ、その後、光照射で定着する記録材料である。
熱現像記録材料供給部Aは、記録材料Fを一枚ずつ取り出して、記録材料Fの搬送方向の下流に位置する画像露光部Bに供給する部分であり、複数(本実施形態においては3つ)の装填部11a、11b、11cと、各装填部11a、11b、11cにそれぞれ配置される供給ローラ対13a、13b、13cと、不図示の搬送ローラ及び搬送ガイドとを有している。また、三段構成となっている各装填部11a、11b、11cの内部には、異なるサイズの記録材料Fが収容されたマガジン15a、15b、15cが挿入され、各段に装填されたサイズや向きの、いずれかを選択的に使用できるようにしている。
画像露光部Bは、熱現像記録材料供給部Aから搬送されてきた記録材料Fに対してレーザ光Lを主走査方向に走査露光し、また、主走査方向に略直行する副走査方向(即ち、搬送方向)に搬送することで、所望の画像に応じた潜像を記録材料F表面に設けられた画像形成層に形成する。
熱現像部Cは、走査露光後の記録材料Fを搬送しながら昇温処理して、熱現像を行う。そして、冷却部Dにおいて現像処理後の記録材料Fを冷却して、排出トレイ16に搬出する。
画像露光部Bは、レーザ光Lを走査露光することによって記録材料Fを露光する部位であり、記録材料Fの搬送面からのばたつきを防止しつつ搬送するばたつき防止機構を有した副走査搬送部18と、走査露光部19とを備えている。走査露光部19は、別途用意された画像データに従ってレーザの出力を制御しつつ、このレーザ光Lを走査(主走査)させる。このとき記録材料Fを副走査搬送部18によって副走査方向に移動させる。ここで、走査露光部19が光走査装置として機能する。
副走査搬送部18は、走査するレーザ光Lの走査領域を挟んで、該走査領域に対してそれぞれの回転軸が略平行に配置された2本の駆動ローラ21、22と、これら駆動ローラ21、22に対向して配置され、記録材料Fを支持するガイド板24とを備えている。ガイド板24は、各駆動ローラ21、22との間に挿入される記録材料Fを、これら駆動ローラ21、22同士間の搬送方向外側において駆動ローラ21、22周面の一部に沿って撓ませることで生じる記録材料Fの弾性反発力によって、駆動ローラ21、22同士間の部位(押し当て部)25に当接せしめて支持している。
こうすることで、記録材料F自身の弾性反発力によって該記録材料Fと駆動ローラ21、22との間に適宜な摩擦力が生じ、駆動ローラ21、22から記録材料Fへ確実に搬送駆動力が伝達され、記録材料Fが搬送される。
駆動ローラ21、22は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力を、歯車やベルト等の伝達手段を介して受け、図1中時計回り方向へそれぞれ回転するように構成されている。
また、ガイド板24の上面の押し当て部25においては、記録材料Fが自身の弾性反発力によって押し当て部25に押し付けられることによって、記録材料Fが搬送面上においてばたつくこと、即ち、上下方向のばたつくことが抑制される。そして、この駆動ローラ21、22同士間の記録材料Fに向けてレーザ光Lを照射することで、露光位置ずれのない良好な記録が行えることになる。
熱現像部Cには、記録材料Fを加熱処理する加熱手段として記録材料Fの搬送方向に沿って並ぶ複数のプレートヒータ51a、51b、51cが設けられ、これらプレートヒータ51a、51b、51cが円弧状に配置されている。
各プレートヒータ51a、51b、51cには凹面が設けられ、記録材料Fを各凹面に対して接触させるとともに、各凹面に沿って滑らせて相対的に移動させることで熱現像する。また、熱現像部Cには、記録材料Fの移送手段として、供給ローラ53と、各プレートヒータ51a、51b、51cに向かって記録材料を押し付ける複数の押さえローラ55とが配設されている。
押さえローラ55は、中空円筒状の回転体52の周面に当接しつつ、回転体52の回転に従動して回転駆動される。このような押さえローラ55としては、金属ローラ、樹脂ローラ、ゴムローラ等が利用できる。そして、熱現像部Cには、熱現像が施された記録材料Fを更に搬送方向下流へ移送する排出ローラ57が配設されている。
熱現像部Cは、上記のプレートヒータ51a、51b、51cに限定されず、他の平坦な形状を有するプレートヒータや加熱ドラムを用いてエンドレスベルトと剥離爪とを備える構成のものであってもよい。
そして、記録材料Fは、熱現像部Cから搬出された後、冷却部Dでシワや湾曲ぐせが生じないように適宜に冷却される。冷却部Dから排出された記録材料Fは、搬送路途中に設けられた冷却ローラ対59によりガイドプレート61内に案内され、さらに、排出ローラ63から排出トレイ16に排出される。
冷却部D内には、複数の冷却ローラ対59が記録材料Fの搬送経路に所望の一定曲率Rを与えるように配置されている。こうすることで、記録材料Fがその材料のガラス転移点以下に冷却されるまで曲率Rで湾曲した状態で搬送され、記録材料Fに積極的に曲率をつけることで、ガラス転移点以下に冷却される前に余計なカールがつくことを防止している。
次に、本実施形態の画像記録装置における走査露光部について説明する。
図2は、画像記録装置を構成する走査露光部の概略構成図である。
図2に示すように、走査露光部19において、光源部(レーザ光源)31は、図示しない半導体レーザ及びコリメータレンズを有する。コリメータレンズは半導体レーザが発行したレーザビーム(光ビーム)を平行ビームに変換する。コリメータレンズによって平行ビームにされたレーザ光は、ハーフミラー33に照射され、その一部が反射されて集光レンズ34を介して受光センサ35にて受光される。
ハーフミラー33を通過したレーザ光は、シリンドリカルレンズ36を通過してビーム整形され、高速回転駆動しているポリゴンミラー37に照射される。
ポリゴンミラー37によって偏向されたレーザ光は、fθレンズ38、39及びシリンドリカルレンズ41を透過し、シリンドリカルミラー42で下方に反射され、その後、記録材料F上で結像して走査する。
ここで、ハーフミラー33に反射されて集光レンズ34を介して照射される光が受光センサ35によって受光され、この受光センサ35が受光して得られた出力電圧がAPC(Auto Power Control)回路によって基準電圧と比較され、受光センサ35の出力電圧が基準電圧と一定の関係となるように半導体レーザへの電流値が調整されて光強度が一定に制御される。
図3は、本実施形態の画像記録装置における位置検出手段を、記録材料の走査露光面側から見た状態を示す説明図である。
図1及び図3に示すように、本実施形態の画像記録装置10において、熱現像記録材料供給部Aと画像露光部Bとの間の搬送路に位置検出手段20が設けられている。図3に示すように、本実施形態の位置検出手段20は、複数の受光素子20aを直線状に配列してなるラインセンサ(例えば、CCDラインイメージセンサ)を有している。位置検出手段20は、記録材料Fにおける走査露光面の反対側の面に各受光素子20aが対向するように配置されている。
複数の受光素子20aは、搬送方向(図中矢印X方向)に対して垂直方向(図中矢印Y方向)に直線状に配列されている。図中矢印方向に搬送される記録材料Fの搬送方向端部が位置検出手段20における複数の受光素子20aの上方を通過すると、これら複数の受光素子20aに受光される光の光量が変化することで、搬送方向の端部位置を検出することができる。また、複数の受光素子20aのうち受光される光の光量が変化した受光素子20aのみを特定することによって記録材料Fの走査方向の端部位置を検出することができる。そして、記録材料Fが走査記録位置Sを通過する際に、上記のように得られた搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置の検出信号に応じて変調されたレーザ光Lが所定のタイミングで照射される。このように、本実施形態の画像記録装置10は、単一の位置検出手段20によって記録材料Fの先端位置(搬送方向において先に走査領域に進入する側の端部)を検出するともに走査方向の端部位置を検出している。
図4は、本実施形態の画像記録装置の制御系を示すブロック図である。
図4に示すように、画像記録装置10は、位置検出手段20及び走査露光部19(図2参照)の受光部31に電気的に接続された制御部40を備えている。位置検出手段20は、上記のように検出した端部位置を検出信号として制御部40へ出力する。制御部40は、この検出信号に基づいて受光部31から照射されるレーザ光Lのタイミングを制御する。
次に、具体的に、本実施形態の画像記録装置において記録材料に対して走査露光する位置を調整する手段を説明する。
図5は、走査露光部においてレーザ光Lを走査させている状態を示す説明図である。図5に示すように、走査露光部19では、ポリゴンミラー37が図中反時計回りの方向に回転することで、該ポリゴンミラー37によって反射されたレーザ光Lが走査位置L0から走査位置L1の範囲(走査ライン)において走査される。このとき、ポリゴンミラー37によって反射されたレーザ光Lが、走査方向の一端側(図5中右側)に設置された平行板ミラー39に照射され、走査方向の他端側(図5中左側)に設置された光センサ44に照射されるように構成されている。つまり、ポリゴンミラー37の回転時にこの光センサ44でレーザビームを受光した時点を主走査の画像形成開始のトリガとして、タイミング信号を形成している。そして、このタイミング信号に応じて、レーザ光Lが走査位置Lsから走査位置Leの範囲(主走査範囲ΔL)を通過する際に、予め用意された画像データに応じて該レーザ光Lが変調されつつ走査されることで、記録材料Fにおける所定の位置に画像が形成されるように制御される。
図5に示すように、主走査範囲ΔLの走査方向両側には変調されないレーザ光が照射されるオフセット領域Δfが設けられている。これらのオフセット領域Δfによって、記録材料Fの走査方向両端側から所定のスペースを隔てて画像が形成されるようになる。
図6は、時間軸に対する光源部から照射されるレーザ光の光量を表すグラフである。図5,図6に示すように、レーザ光Lが主走査範囲ΔLを通過する際に画像データに応じて光源部31から照射されるレーザ光Lの光量が変調される。具体的には、レーザ光Lが主走査範囲ΔLの走査位置Lsにある時点をTsとし、レーザ光Lが主走査範囲ΔLの走査位置(照射開始位置)Leにある時点をTeとしたとき、時間TsからTeの時間幅(ΔT)だけレーザ光Lが画像データに応じて変調される。
本実施形態の画像形成装置は、位置検出手段20からの記録材料Fの端部位置の検出信号に基づいて、制御部40によって記録材料Fに画像を露光するレーザ光Lの照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整している。以下、具体的に説明する。
図7(a)は、走査ラインにおいてレーザ光の照射開始位置を変化させる前の状態を示す説明図であり、図7(b)は、走査ラインにおいてレーザ光の照射開始位置を変化させた後の状態を示す説明図である。
図3,図7(a)及び図7(b)に示すように、位置検出手段20によって搬送された記録材料Fの走査方向位置が図3中矢印Y方向において基準となる位置よりΔαだけ変位していること検出した場合、照射開始位置である走査位置Ls0を走査位置Ls1へΔαだけ変位させ、また、照射終了位置である走査位置Le0を走査位置Le1へΔαだけ同じ走査方向に変位させることで、主走査範囲ΔL全体をΔαだけ一方のオフセットΔf側に変位させる。こうすることで、搬送される記録材料Fの走査方向に対するずれに対して画像記録位置を調整することができる。
ここで、記録材料Fは、その走査方向端部が搬送方向に対して平行にずれている場合と、走査搬送方向に対して傾斜した状態でずれている場合との2つが考えられる。記録材料Fの走査方向端部が搬送方向に対して平行にずれている場合には、最初の走査ラインを上記のように所定の量だけ走査方向に変位させて主走査範囲ΔLを変位させることで、その後の走査方向の同一位置に照射開始位置Lsがくるように調整すればよい。また、記録材料Fの走査方向端部が搬送方向に対して傾斜した状態でずれている場合には、各走査ラインごとに、上記検出信号に基づいてずれ量を検出して照射開始位置を調整するように制御すればよい。記録材料Fの走査方向端部が搬送方向に対して傾斜した状態でずれている場合には、その傾斜角度を測定し、該傾斜角度から記録材料の搬送方向のずれ量の増加率(又は、減少率)を求めて一定の割合で主走査範囲ΔLが変位するように、各走査ラインごとに照射開始位置を制御してもよい。
本実施形態の画像記録装置10によれば、記録材料Fの搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出する位置検出手段20を備えているため、搬送されてくる記録材料Fが、走査露光される所定位置に対して搬送方向及び走査方向において位置がどの程度ずれているかを検出することができる。そして、位置検出手段20からの検出信号に基づいて、記録材料Fの搬送方向の先端位置を検出することで走査領域を通過するタイミングを調整することができるとともに、上記ずれを考慮して記録材料Fに画像を露光するレーザ光Lの照射開始位置を変化させることで、記録材料Fの所定位置に画像を適正に形成することができる。
このため、画像形成装置10は、記録材料Fの搬送方向の先端位置を検出する先端検出機構や、走査露光位置に一致するように記録材料Fの位置を機械的に調整するといった幅寄せ機構が不要であるため、構成をより単純にすることができる。また、幅寄せ機構を省略することで装置全体をより小型化することが可能となる。
したがって、複雑な構造からなる幅寄せ機構が不要で、且つ、記録材料Fの所定位置に画像を形成することができる。
本実施形態の画像記録装置10において、位置検出手段20が、複数の受光素子20aを直線状に配列してなるラインセンサを有しているため、各受光素子20aにおける受光量の変化に基づいて、記録材料Fの端部位置をより正確に検出することができる。このとき、これら複数の受光素子20aが走査方向に対して平行に配列されたラインセンサとすれば、記録材料Fの走査方向に対する端部位置を検出することができる。また、これら複数の受光素子20aが搬出方向に対して平行に配列されたラインセンサとすれば、記録材料Fの搬送方法に対する端部位置を検出することができる。さらに、このようなラインセンサを走査方向及び搬送方向との両方に沿って設けることで、基準となる位置に対して記録材料Fのずれとともに傾き量をより一層正確に検出することができる。
また、本発明にかかる画像記録方法は、上記画像記録装置を用いることで好適に実施することができる。
つまり、画像記録方法は、画像データに基づいて変調されたレーザ光を記録材料Fの搬送方向と直交する方向に走査露光し、記録材料Fの搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を位置検出手段20によって検出し、位置検出手段20の検出信号に基づいて、図5及び図7に示すように、記録材料Fに画像を露光するレーザ光の照射開始位置Lsを変化させて画像の記録位置を調整するものである。画像記録方法によれば、搬送されてくる記録材料Fに幅寄せなどの位置調整を施す工程を省略することができる上、記録材料Fの所定位置に対して適正に画像を形成することができる。
画像記録方法において、上述したように走査方向に対する端部位置による位置検出信号に応じて走査ラインごとに照射開始位置を制御することが好ましい。こうすれば、記録材料Fの走査方向端部が搬送方向に対して傾いた状態で搬送された場合であっても、各走査ラインごとに適正な位置から画像データに応じたレーザ光Lが走査露光されるため、記録材料Fに対して傾いた状態で画像が形成されてしまうことを防止できる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、上記の実施の形態では、位置検出手段20は、複数の受光素子20aからなるCCDラインイメージセンサとしたが、位置検出手段20は、このCCDラインイメージセンサに限らず、例えば、フォトトランジスタ等を用いても良く、また、光学式のものに限定されない。
図8は、上記実施形態の画像記録装置における位置検出手段の変形例を示す要部拡大図である。
図8に示す位置検出手段120は、位置検出手段本体に対して傾斜又は倒れることでON及びOFFの信号を出力する複数の接触子120aを備え、これら複数の接触子120aが走査方向と略平行に直線状に配列されている構成である。また、位置検出手段120は、複数の接触子120aと記録材料Fとの接触によって、各接触子120aから出力される信号に基づいて、記録材料Fの走査方向の端部位置及び搬送方向の端部位置に関する検出信号を上記制御部(図4参照)40に出力する機械式センサである。このような位置検出手段120を用いれば、画像記録装置10において、搬送方向及び走査方向に直線状に複数の接触子120aを配列することで、複数の接触子120aのうち一部が記録材料Fの搬送方向の端部に接触した状態となるとともに、残りの接触子が記録材料Fの搬送方向の端部に接触しない状態となる。このとき、記録材料Fに対して接触の状態にある接触子及び非接触の状態にある接触子による出力に応じて記録材料Fの端部位置を検出することができる。そして、記録材料Fの端部位置を検出信号として出力すれば、該検出信号に基づいて記録材料Fに画像を露光するレーザ光の照射開始位置を制御することができる。
図9は、上記実施形態の画像記録装置における位置検出手段の別の変形例を示す要部拡大図である。
図9に示すように、位置検出手段140は、従動側アクチュエータ141と、駆動側アクチュエータ142と、位置検出センサ147と、駆動側アクチュエータ142を待機位置へ付勢する付勢手段として機能するばね149とで構成されている。従動側アクチュエータ141は、駆動側アクチュエータ142の回動に協働して回動するように構成されている。
駆動側アクチュエータ142は、扇状に形成された係合部143と記録材料長尺状の接触子144とを備えている。位置検出手段140は、接触子144が画像記録装置10における熱現像記録材料供給部Aと画像露光部Bとの間の搬送路に沿って搬送される記録材料Fと接触するように構成されている。
係合部143の中心角近傍の端部と接触子144の長手方向における端部とがそれぞれ支軸145に回転可能に支持されている。駆動側アクチュエータ142は、係合部143と接触子144とは互いに同じ相対位置を維持するように支軸145に支持され、接触子144が支軸145を回転軸として回動する際には、係合部143も該接触子と一体に回転するように構成されている。
図10(a)は、記録材料と接触子とが接触する前の状態を説明する図である。図10(b)は、記録材料と接触子とが接触した後の状態を説明する図である。
図9、図10(a)及び図10(b)に示すように、位置検出手段140は、画像記録装置10(図1参照)において、搬送方向に搬送されてきた記録材料Fが接触子144と接触した際に、該接触子144の変位量を検知することで記録材料Fの走査方向に対する位置を検出する構成である。
従動側アクチュエータ141は、円盤形状を有し、その周縁部の一部に該周縁に沿って配列された複数のスリットからなるスリット部141aを有している。
従動側アクチュエータ141は、円盤形状の中心軸と同心にギア部146を有している。ギア部146の周面には従動側ギア面146aが形成されている。また、係合部143の円弧状の周端面には駆動側ギア面143aが形成されている。位置検出手段140において、駆動側ギア面143aと従動側ギア面146aとが互いに係合している。
このため、接触子144が記録材料Fと接触して該記録材料Fの搬送方向へ傾斜するとともに、係合部142が接触子144と一体に回動し、係合部142の駆動側ギア面143aに係合する従動側ギア面146aを介して従動側アクチュエータ141が図9において時計回りに回動する。
従動側アクチュエータ141の周縁部に対向するように位置検出センサ147が配置されている。位置検出センサ147は、例えば、周縁部を両側から挟むように互いに向き合って配置された一対のフォトサンセを用いることができる。
位置検出センサ147は、従動側アクチュエータ141の回動の際に、周縁部における、上記位置検出センサ147と対向する箇所を通過するスリット部141aのスリットの数をカウントする。
位置検出センサ147は、接触子144が記録材料Fに接触する前の位置を待機位置とし、この待機位置に接触子144があるときを基準としたうえで、記録材料Fとの接触によって接触子144が変位した際に従動側アクチュエータ141の回動を位置検出センサ147で検出する。そして、位置検出センサ147でカウントされた通過したスリットの数から従動側アクチュエータ141の回動した変位量を求め、この変位量から記録材料Fの端部位置を検出することができる。上記位置検出センサ147では、1スリットが記録材料Fの走査方向において1/20mmの移動量になるように構成されている。また、駆動側アクチュエータ142の接触子144が記録材料Fと接触しないときは、ばね149の付勢力によって接触子144が待機位置に保持される。
仮に、位置検出の分解能を高める目的で、接触子を長手方向に延伸すると、係合部の円弧状部分も長くなるため位置検出手段の大型化が避けられない。そこで、上記位置検出手段140のように、駆動側アクチュエータ142と従動側アクチュエータ141とがギアによって結合する構成とすれば、このギアの比率を調整することで高分解能と省スペースとを実現することができる。
本発明にかかる画像記録装置の実施形態示す構成図である。 図1に示す画像記録装置における走査露光部の概略構成図である。 画像記録装置に設けられた位置検出手段を説明する概略平面図である。 画像記録装置の制御系を示すブロック図である。 走査露光部においてレーザ光を走査させている状態を示す説明図である。 時間軸に対する光源部から照射されるレーザ光の光量を表すグラフである。 (a)走査ラインにおいてレーザ光の照射開始位置を変化させる前の状態を示す説明図である。 (b)走査ラインにおいてレーザ光の照射開始位置を変化させた後の状態を示す説明図である。 画像記録装置における位置検出手段の変形例を示す要部拡大図である。 画像記録装置における位置検出手段の別の変形例を示す要部拡大図である。 (a)記録材料と接触子とが接触する前の状態を説明する図である。 (b)記録材料と接触子とが接触した後の状態を説明する図である。
符号の説明
10 画像記録装置
19 走査露光部(光走査装置)
20 位置検出手段
31 光源部
40 制御部
F 熱現像記録材料(記録材料)
L レーザ光

Claims (6)

  1. 搬送経路に沿って搬送される記録材料に入力される画像データに応じてレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録装置であって、
    前記画像データに基づいて変調されたレーザ光を前記記録材料の搬送方向とは直交する方向に走査露光する光走査装置と、
    前記記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段からの前記端部位置の検出信号に基づいて、前記記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整する制御部とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記位置検出手段が、複数の受光素子を直線状に配列してなるラインセンサを有していることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記位置検出手段が、前記記録材料との接触を検出可能な複数の接触子を備え、該複数の接触子と前記記録材料との接触に基づいて前記検出信号を出力する機械式センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記位置検出手段が、前記記録材料との接触に基づいて回動する駆動側アクチュエータと、前記駆動側アクチュエータの回動に協働して回動する従動側アクチュエータと、前記記録材料が前記駆動側アクチュエータに接触した際に、前記従動側アクチュエータの周縁部に形成されたスリット部の通過に基づいて前記記録材料の前記端部位置を検出する位置検出センサとを備え、
    前記駆動側アクチュエータと前記従動側アクチュエータとがギア部によって連結されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の画像記録装置。
  5. 搬送経路に沿って搬送される記録材料に入力される画像データに応じてレーザ光を走査露光して画像を形成する画像記録方法であって、
    前記画像データに基づいて変調されたレーザ光を前記記録材料の搬送方向と直交する方向に走査露光し、該記録材料の搬送方向に対する端部位置及び走査方向に対する端部位置を位置検出手段によって検出し、該位置検出手段の検出信号に基づいて、前記記録材料に画像を露光するレーザ光の照射開始位置を変化させて画像の記録位置を調整することを特徴とする画像記録方法。
  6. 走査方向に対する前記端部位置による前記位置検出信号に応じて走査ラインごとに照射開始位置を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像記録方法。
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CN116859690A (zh) * 2023-07-10 2023-10-10 虎丘影像(苏州)股份有限公司 一种曝光装置

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