JP2005103978A - 熱転写受像シート及び熱転写記録方法 - Google Patents

熱転写受像シート及び熱転写記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートを組み合わせて、サーマルヘッドによりホログラムを熱転写受像シートに熱転写する際に、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートが貼り付いてしまい、両者が剥がれないで搬送され、ジャムが発生したり、ホログラム熱転写シートのシワによる受像シートへの転写ムラが発生する等の搬送トラブルを防止した熱転写受像シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートと組み合わせて使用される、基材上に少なくとも中間層、受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該中間層が導電性材料を含有していることを特徴とする。また、前記の導電性材料は架橋された樹脂、または合成層状珪酸塩又は導電性針状結晶であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関し、さらに詳しくは金属光沢を有するホログラムを転写できるホログラム熱転写シートと組み合わせて熱転写記録される熱転写受像シートに関するものである。
従来、ホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写箔は、特異な装飾像や立体像を表現でき、また、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要し、容易に製造できないことから、偽造防止として利用している。例えば、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード等のカード類、カラーコピーで再現出来ないために商品券、小切手、手形、株券、入場券、各種証明書等の紙券類等に転写して利用されている。さらに、その特異な意匠性から、包装材、書籍、パンフレット、POP等への利用も少なくない。
これらホログラム、回折格子などのレリーフ構造を物品に貼着する手段として、転写箔を用いて転写印刷する方法が、知られている。該転写箔は、基材上に剥離層、ホログラムや回折格子などのパターンが形成されたレリーフ形成層、反射層、接着層を順次積層してなるものである。該転写箔の転写印刷する方法としては、ホットスタンプ(箔押とも呼ばれる)、又は加熱ロールによる加熱転写が一般的である。
また、ホログラム等のレリーフ構造を、基材から転写可能に設けたホログラム熱転写シートを用いて、サーマルヘッドで熱転写して形成することが知られている。例えば、特許文献1には、基材シート上に剥離層、光回折構造が形成されている樹脂層、及び接着剤層を順次積層してなる構成のものが記載されている。このようなサーマルヘッドによりホログラムを任意のパターンで熱転写して形成できるため、昇華転写方式や熱溶融転写方式でカラー画像を形成した印画物に、ホログラムを熱転写して形成することが行われている。
上記のサーマルヘッドによりホログラムを熱転写可能に形成したホログラム熱転写シートは、光回折構造を形成するためにエンボス(加熱プレス)工程や、反射層形成では真空蒸着法やスパッタリング法等の真空薄膜法の特殊な工程を使用して製造される。このように昇華転写方式や熱溶融転写方式で使用する熱転写シートとは、異なった工程で製造されるために、昇華転写方式や熱溶融転写方式で使用する熱転写シートとホログラム熱転写シートとを、一つの熱転写シートとして同一基材シート上に、昇華転写や熱溶融転写の着色転写層と、ホログラム転写層を設けることは困難である。
したがって、ホログラム転写シートと、昇華転写用や熱溶融転写用の熱転写シートとを別個に用意して、サーマルヘッドを2つ以上設けた熱転写プリンターを使用して、一つのサーマルヘッドで熱転写画像を形成し、別のサーマルヘッドでホログラムを転写して形成して画像形成物を得たり、あるいは2台の熱転写プリンターを用いて、1台目のプリンターで昇華転写や熱溶融転写の熱転写画像を形成し、2台目のプリンターでホログラムを転写して形成し、画像形成物を得ることが行われている。
上記のような各種の方法により、ホログラムが転写形成された昇華転写方式や熱溶融転写方式でカラー画像を形成した印画物上にホログラムを転写形成した画像形成物を形成する上で、受像シートにホログラムをサーマルヘッドにより熱転写する際に、ホログラム熱転写シートと受像シートが貼り付いてしまい、両者が剥がれないで搬送され、ジャムが発生したり、ホログラム熱転写シートのシワによる受像シートへの転写ムラが発生したりする問題が生じている。この原因としては、ホログラム熱転写シートと受像シートとの両者における静電気発生や、両者の滑り性が悪い点等が考えられる。この搬送トラブルを防止すべく、ホログラム熱転写シートと受像シートへの改善対策を種々試みている。
例えば特許文献2にあるように、基材シート上の染料受容層面と、基材シート裏面に、陽イオン型、陰イオン型、両性イオン型、若しくは非イオン型の界面活性剤を含む塗工液により、帯電防止層を形成して、表面抵抗値を一定値以下とすることが開示されている。また、特許文献3では、受容層にカチオン系の第4級アンモニウム塩からなる帯電防止剤を含有させたりしていて、帯電防止の対策が行われている。しかし、これらの対策では、受容層表面の帯電防止剤が染料の熱転写の際に染料層側にとられ、ホログラムの熱転写時にはその帯電防止効果が薄れてしまい、上記の搬送トラブルに対する防止対策として、充分なものではない。
特開平4−281489号公報 特許第2575305号公報 特開平7−32754号公報
したがって、上記のような問題を解決するために、本発明は、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートを組み合わせて、サーマルヘッドによりホログラムを熱転写受像シートに熱転写する際に、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートが貼り付いてしまい、両者が剥がれないで搬送され、ジャムが発生したり、ホログラム熱転写シートのシワによる受像シートへの転写ムラが発生する等の搬送トラブルを防止した熱転写受像シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートと組み合わせて使用される、基材上に少なくとも中間層、受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該中間層が導電性材料を含有していることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記の導電性材料が架橋された樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートを要旨とする。請求項3に記載の発明は、前記の導電性材料が合成層状珪酸塩、又は導電性針状結晶であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写受像シートを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、第1のサーマルヘッドにより昇華染料を含有する熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を有する熱転写シートから、請求項1に記載の熱転写受像シートに熱転写画像を形成し、その後に第2のサーマルヘッドにより、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートを用いて、熱転写画像の形成された熱転写受像シートにホログラムを熱転写して画像形成物を作成することを特徴とする熱転写記録方法である。
本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートと組み合わせて使用される、基材上に少なくとも中間層、受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該中間層が帯電防止樹脂を含有している、または添加剤として導電性材料を含有している構成とすることにより、熱転写受像シートに充分な帯電防止性能をもたせ、かつ受像シートの表面に帯電防止剤を含まないので、染料の熱転写の際に、受容層表面の帯電防止剤が染料層側にとられることなく、受容層に帯電防止性能を保持した状態であり、サーマルヘッドによりホログラムを熱転写受像シートに熱転写する際に、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートとが貼り付き、ジャム等が発生したり、ホログラム熱転写シートにシワが発生したりする搬送トラブルが無い。
また、本発明の熱転写記録方法では、第1のサーマルヘッドにより昇華染料を含有する熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を有する熱転写シートから、請求項1に記載の熱転写受像シートに熱転写画像を形成し、その後に第2のサーマルヘッドにより、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートを用いて、熱転写画像の形成された熱転写受像シートにホログラムを熱転写して画像形成物を作成するものとした。これにより、第1サーマルヘッドで熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層から熱転写受像シートの受容層に着色剤が転写されて画像が形成され、熱転写受像シートの画像形成面に静電気を非常に多く、帯びた条件でも、中間層に帯電防止樹脂を含有させ、または添加剤として導電性材料を含有させたので、第2サーマルヘッドで熱転写受像シートにホログラムを熱転写する際に、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートとが貼り付いたり、ジャム等が発生したり、ホログラム熱転写シートにシワが発生したりする、搬送トラブルを防止することができた。
以下、図面を参照しながら本発明について、実施の形態を詳述する。
図1は、本発明の熱転写受像シートである一つの実施の形態を示す概略断面図である。図示した熱転写受像シート1は、基材2の一方の面に、中間層3、受容層4を順次積層したものである。また、図2は本発明の熱転写受像シートである他の実施形態を示す概略断面図である。図示した熱転写受像シート1は、基材2の一方の面に、中間層3、接着層5、受容層4を順次積層し、基材2の他方の面に裏面層6を設けた構成である。
以下、熱転写受像シートを構成する各層毎に詳述する。
(基材)
本発明の基材2としては、紙類、プラスチックフィルム等が使用でき、紙類では、各種紙単体もしくは加工紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙などが挙げられ、合成紙では、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙等が良好に使用できる。
また、プラスチックフィルムでは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリアリレートフィルムなどが使用できる。これらのプラスチックフィルムでは透明なフィルムだけでなく、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルム、或いは発泡させたフィルムも使用できる。尚、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
基材として透明性を有する基材を用いることができ、この場合は実用上、延伸したポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが良い。それによって、OHP投影機にかけて、使用したり、また、シールタイプでは貼着される対象物の表面の外観が損なわれることなく、透過できるものが得られる。尚、この場合はもちろん、色材受容層、粘着剤層等、熱転写受像シートの貼着する部分は透明性を有していることが望ましい。
また、上記の基材の表面及び又は裏面に易接着処理した基材も使用できる。本発明では、特に限定されないが、帯電性の高いプラスチックベースの基材を用いた場合に、特に効果が確認される。熱転写受像シートの基材の厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、機械的適性等を考慮し、75〜175μmの基材を用いるのが好ましい。また、基材とその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートにおける中間層3は、導電性材料を含有しているものである。この導電性材料としては、例えば、ケッチェンブラック等の導電性カーボンや、本来は絶縁性又は低導電性である粒子をメタライズ処理したもの、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、カーボンブラック、グラファイト、ガラス、チタンブラック、窒化硅素、窒化硼素等の無機の粒子やウィスカー、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、これらの硬化粒子等のプラスチックピグメント等をメタライズ処理して導電性にしたものでもよい。特に、ナトリウム、マグネシウム、リチウムの塩と珪酸ソーダを適正条件下で反応させた合成物である合成層状珪酸塩は帯電防止効果が高く好ましい。その合成層状珪酸塩は、例えばウイルバー・エリス社製ラポナイトS,JSの商品名で入手できる。
また、導電性材料として、導電性針状結晶が使用できる。この導電性針状結晶は、針状結晶の表面を導電剤で処理することにより得られる。針状結晶としては、チタン酸カリウム、酸化チタン、ホウ酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。そして、白色に着色させる点からTiO2系化合物が好ましく、さらに分散に対する安定性を考慮する必要があるが、分散強度に対する導電性の安定度という点でTiO2は硬度が高く、非常に優れており好ましい。硬度が低い場合には、分散時に結晶が折れ、導電性の低下を招くとともに塗料化時の若干の分散の変動で、導電性が変化する問題が生じる。導電剤としては、SnO2/Sb系、InO3/Sn系、ZnO/Al系が一般に知られており用いることができるが、導電性、安定性、コスト等を考慮した場合、SnO2/Sb系が最も好ましい。導電性を左右する要因として、導電性針状結晶のサイズ及び添加量が挙げられる。導電性針状結晶としては、繊維径が0.05〜3μm、繊維長が1〜200μm、アスペクト比が10〜200のものが一般的であり、アズペクト比が高い程、導電性には有利であり、少量の添加量で充分な導電性が得られるが、分散性、安定性、コーティング適性から、繊維径が0.1〜1.0μm、繊維長が1〜20μm、アスペクト比が10〜50が好ましく、さらには、繊維径が0.1〜0.3μm、繊維長が1〜6μm、アスペクト比が10〜20が最も好ましい。尚、アスペクト比は繊維長/繊維径のことである。導電性針状結晶の添加量としては、樹脂バインダーに対し1質量%〜500質量%程度まで添加することが可能であるが、少なすぎる場合には安定した導電性が得られず、また多すぎる場合にはコスト的にも不利であり、また着色の問題が発生する場合がある。
また上記の導電性材料として、π電子共役系構造を有する導電性高分子材料が使用でき、具体的には例えばスルホン化ポリアニリン、化学的にドーピングしたポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレンスルフィド、化学的に重合とドーピングしたポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、熱処理により生成したフェノール樹脂の熱処理物、ポリアミドの熱処理物、ペリレン酸無水物の熱処理物等が挙げられる。
上記に挙げた導電性材料は、熱可塑性樹脂からなるバインダー樹脂に分散させた中間層塗工液を調整して、基材上に塗布、乾燥させて形成する。そのバインダー樹脂としては、基材や他の層との密着牲や導電性材料の分散性を考慮して、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、エポキシ系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。特に、これらの樹脂で、カルボキシル基を有する水溶性、若しくは水分散性の樹脂が好ましく用いられる。また、これらの導電性材料は、樹脂バインダーに対し10質量%〜200質量%の割合で添加することができる。
また、上記に挙げたようなバインダー樹脂に添加する導電性材料だけでなく、第4級アンモニウム基を有するアクリルモノマーと、エポキシ基と反応する基を有するアクリルモノマーとの共重合と、エポキシ樹脂を架橋させた樹脂を導電性材料に使用することが好ましい。この架橋した樹脂を主体に中間層を形成すれば、帯電防止性能に優れたものが得られる。この架橋させる樹脂は、アクリル樹脂とエポキシ樹脂とからなる2液タイプの帯電防止性接着剤として市販されており、例えば、小西ボンド社よりボンディップ(登録商標)の名称で市場から入手して使用することが出来る。
上記の第4級アンモニウム塩基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエタノールアミノ(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノ(メタ)アクリレート、ジプロパノールアミノ(メタ)アクリレート、ジブチルアミノ(メタ)アクリレート等の如き第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、或はそれらの四級化モノマー等が挙げられる。
更に上記アクリルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、或はこれらの酸とエチレングリコール等のグルコールのモノ(メタ)アクリレート等の如くカルボキシル基や水酸基等の反応性基を有するモノマーに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエタノーリアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、グリシジルジメチルブチルアンモニウムクロライド等の反応性第4級アンモニウム塩を反応させたモノマーが挙げられる。
一方、エポキシ基と反応する基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、或はこれらのモノマーとエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリリン、ペンタエリスルトール等の多価アルコールとのエステル化物、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等の多価アミンとのアミド化物、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
上記モノマーの共重合体を架橋或は硬化させるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβ−メチルグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、テトラフェニルジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の一般的なエポキシ樹脂が挙げられる。
以上のようなアクリル樹脂(主剤)及びエポキシ樹脂(硬化剤)は、いずれも水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等或はこれらの混合物の10〜50質量%溶液として使用し、使用に際しては当量比約1:1の割合で混合及び必要に応じて希釈して使用する。また、上記のアクリル樹脂(主剤)とエポキシ樹脂(硬化剤)の組み合わせだけでなく、例えば第4級アンモニウム基とエポキシ基などと反応する基を有するフッ素系樹脂と、硬化剤の組み合わせなどを使用することができる。
本発明における中間層は、上記の熱可塑性樹脂からなるバインダー樹脂に導電性材料を分散させた塗工液、あるいは上記の主剤及び硬化剤を適当な比率で混合した塗工液を慣用の方法で、基材上に塗工及び乾燥して、形成することが出来る。塗工方法としては、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工手段でよい。塗工液の塗布量としては、形成される中間層が乾燥時で約0.1〜5g/m2の範囲になる量が好ましい。
(受容層)
本発明の熱転写受像シートで用いる受容層4は、中間層の上に形成するもので、加熱により熱転写シートから転写される色材を受容する働きを有するもので、染料を受容し、発色させると同時に、一旦受容した染料を再昇華させないことが望まれる。受容層は、一般に熱可塑性樹脂を主体として構成される。受容層を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物である。
画像形成時において、染料層を有する熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、受容層に離型剤を混合することができる。混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を受容層に添加することによって、受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。
また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層上に別途塗工してもよい。受容層は、基材上に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、上記中間層で説明したような適当な塗布方法で塗布及び乾燥することによって形成される。上記受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高めたりする目的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができる。以上のように形成される受容層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜50g/m2の厚さである。また、このような受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
(裏面層)
基材の受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止などのために、裏面層6を設けることができる。このような機能をもつ裏面層として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどの有機系フィラー、及び二酸化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたものが使用できる。
この裏面層として、上述の樹脂を硬化剤により硬化したものを使用することがさらに好ましい。硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層樹脂はイソシアネート化合物などと反応しウレタン結合を形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向上し、さらには、基材との密着も良くなる。硬化剤の添加量は、樹脂1反応基当量に対して、1乃至2が好ましい。1未満であると、架橋が不十分であり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなる。また、2より大きいと、成膜後に残留した硬化剤により、経時変化が起こったり、裏面層用塗工液の寿
命が短いという不具合が生じる。
さらに、上記裏面層中には、添加剤として、有機フィラーまたは無機フィラーを添加しても良い。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキングを防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上する。有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどがあげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好ましい。また、無機フィラーとして、二酸化珪素や金属酸化物などがあげられる。ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万乃至90万で、球状であり、平均粒子径が0.01乃至30μmが好ましく、特に分子量が10万乃至50万で、平均粒子径が0.01乃至10μmがより好ましい。また、ポリアミド系フィラーの種類では、ナイロン6やナイロン66と比較して、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
ポリアミド系フィラーは、高融点で熱的にも安定であり、耐油性、耐薬品性なども良く、染料によって染着されにくい。また、分子量が10万乃至90万であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性があり、摩擦係数も低く、擦れる相手を傷つけにくい。また、好ましい平均粒子径は、0.1乃至30μmである。粒子径が小さすぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、十分な滑り性の機能が発現され難くなる傾向がみられ、また、粒子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じる傾向があるので、好ましくない。裏面層の樹脂に対するフィラーの配合比率は、0.01質量%乃至200質量%の範囲が好ましい。フィラーの配合比率が0.01質量%未満の場合には、滑り性が不十分であり、プリンターの給紙時などで紙詰まりなどの支障をきたす傾向が生じる。また、200質量%を越える場合には、滑りすぎて印字画像に色ずれなどが生じやすくなるため、好ましくない。
(接着層)
基材の表面および/または裏面の基材に直接、接する位置に、または上記中間層と受容層との間に、接着層5を設けて、接着性を高めることができる。この接着層は、アクリル酸エステル樹脂やポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂などの接着性樹脂から構成することができる。
本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面に少なくとも中間層、受容層を設けた構成であるが、基材の他方の面に粘着剤などを用いた粘着剤層と剥離紙を順に設けた、シールタイプの熱転写受像シートについても、本発明を適用することができる。上記の剥離紙としては、従来公知のプラスチックフィルムまたは、ポリラミ紙の基材表面にシリコーン等の公知の離型剤で離型処理を施した材料が使用できる。これらの剥離紙は20μm〜188μmの厚みのものが好ましく、剥離紙が薄すぎると得られる熱転写受像シートのいわゆるコシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかったり、熱転写受像シートにシワが発生したりする。一方、剥離紙が厚すぎると、得られる熱転写受像シートが厚くなりすぎ、熱転写プリンターで搬送、駆動させる力が大きくなりすぎて、プリンターに故障が生じたり、正常に搬送できなかったりする。
上記の粘着剤層は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤を用いて形成することができる。粘着剤として、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。粘着剤層の塗工量は、約8〜30g/m2(固形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法で、剥離紙上、あるいは熱転写受像シートの基材裏面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する。
(熱転写記録方法)
本発明の熱転写記録方法は、第1のサーマルヘッドにより昇華染料を含有する熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を有する熱転写シートから、請求項1に記載の熱転写受像シートに熱転写画像を形成し、その後に第2のサーマルヘッドにより、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートを用いて、熱転写画像の形成された熱転写受像シートにホログラムを熱転写して画像形成物を作成することが好ましく行われる。尚、本発明で規定する熱転写受像シートは、上記のように染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を用いて熱転写画像を形成せずに、受容層にホログラム熱転写シートからホログラムを熱転写して使用したり、あるいは熱転写受像シートに最初にホログラム熱転写シートからホログラムを熱転写し、その後に染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を用いて熱転写画像を形成しても良い。
本発明の熱転写受像シートは、基材上に少なくとも中間層、受容層を設けた構成で、該中間層が導電性材料を含有しているため、第1サーマルヘッドで熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層から熱転写受像シートに着色剤が転写されて画像が形成され、次に続けて第2サーマルヘッドで熱転写受像シートにホログラムを熱転写する際に、熱転写受像シートの画像形成面には静電気を非常に多く、帯びやすい厳しい条件で、ホログラム熱転写シートと受像シートとが貼り付いたり、ホログラム熱転写シートと熱転写受像シートが貼り付いてしまい、両者が剥がれないで搬送され、ジャムが発生したり、ホログラム熱転写シートのシワによる受像シートへの転写ムラが発生する等の搬送トラブルを防止することができる。つまり、熱転写記録の搬送トラブルの生じやすい条件下で、本発明の熱転写受像シートを使用することで、その熱転写受像シートのもつ機能を充分に発揮できる。
図3は本発明における熱転写記録方法である一つの実施の形態を示す概略図である。この形態では、第1サーマルヘッド13とプラテンローラ15を有する第1熱転写記録ユニットと、第2サーマルヘッド14とプラテンローラ16を有する第2熱転写記録ユニットを主な構成要素とした熱転写プリンターを使用する。第1熱転写記録ユニットでは、基材シート上に昇華染料を含有する熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写シート8を用い、その熱転写シートが巻かれた供給ロール9から、巻上げロール10に巻き取るように構成されている。そして、被転写体である熱転写受像シート1が給紙部から供給され、熱転写シート8と熱転写受像シート1とを第1のサーマルヘッド13と第1のプラテンローラ15との間に圧接し、第1のサーマルヘッド13により画像情報に応じたエネルギーを印加することによって熱転写受像シート1の受像面に熱転写シート8の染料、顔料を転写して熱転写画像を形成する。この熱転写の際に熱転写シート8と熱転写受像シート1はそれぞれの搬送手段により、制御されて搬送される。
例えば、熱転写シート8がイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱転写性保護層を基材シート上に、面順次に繰り返し形成したものである場合、イエロー染料層の先端部がサーマルヘッド13の位置に到達するように、搬送され、熱転写受像シート1の先端部がサーマルヘッド13の位置に到達するように、搬送される。そして、熱転写シート8と熱転写受像シート1がサーマルヘッド13とプラテンローラ15の間で、加圧及びサーマルヘッドで加熱されながら、両者が搬送され、イエロー染料が熱転写受像シート1に画像状に転写される。そして、受像シート1が戻される方向で画像形成開始位置に移動し、また熱転写シート8はマゼンタ染料層の先端部がサーマルヘッド13の位置に到達するように、搬送される。そして、熱転写シート8と受像シート1がサーマルヘッド13とプラテンローラ15の間で、搬送されながら、加圧及びサーマルヘッドで加熱され、マゼンタ染料が受像シート1に画像状に転写される。シアン染料層、熱転写性保護層の熱転写も上記と同様に搬送、熱転写される。尚、熱転写のサーマルヘッド加熱時の熱転写シートと受像シートの搬送方向は排紙方向であっても、あるいは給紙方向であってもいずれでも良い。
次に、熱転写画像が形成された受像シート1とホログラム熱転写シート7とを第2のサーマルヘッド14と第2のプラテンローラ16との間に圧接し、第2のサーマルヘッド14により加熱することによって、受像シート1上の画像が形成された受像面に、ホログラムをパターン状に転写する。ホログラム熱転写シート7のレリーフ形成層の先端部がサーマルヘッド14の位置に到達するように、搬送され、受像シート1の先端部がサーマルヘッド14の位置に到達するように、第1熱転写記録ユニットから搬送される。そして、ホログラム熱転写シート7と受像シート1がサーマルヘッド14とプラテンローラ16の間で、加圧及びサーマルヘッドで加熱されながら、両者が搬送され、ホログラムが受像シート1に画像状に転写される。そして、受像シート1が排紙部へ搬送される。尚、この場合もホログラム熱転写のサーマルヘッド加熱時のホログラム熱転写シートと受像シートの搬送方向は排紙方向であっても、あるいは給紙方向であってもいずれでも良い。
本発明の熱転写受像シートを使用していれば、上記のような熱転写記録方法における第2熱転写記録ユニットで、ホログラム熱転写シート7と熱転写受像シート1がサーマルヘッド14とプラテンローラ16の間で、加圧及びサーマルヘッドで加熱されながら、両者が搬送され、ホログラムが受像シート1に画像状に転写される最中における、ホログラム熱転写シート7が受像シート1に貼り付きジャム等を発生したり、ホログラム熱転写シート7のシワによる受像シート1への転写ムラが発生する等の搬送トラブルが無い。
(サーマルヘッド)
熱転写記録の方式にはシリアル方式とライン方式がある。シリアル方式は、被転写体の走行方向と直角の方向にサーマルヘッドが走査されて、1行毎に印画される。ライン方式は、走行方向と直角の方向に列状で複数の発熱素子群を有するライン型サーマルヘッドを用いて、該ライン型サーマルヘッドを被転写体の走行方向に沿って固定し、印画動作(インクリボンと被転写体とが走行)しながら、所定の発熱素子だけを発熱させて、幅方向全面に画像が印画される。ライン方式の方が、熱転写時における搬送トラブルがより生じやすいことから、本発明ではライン方式の熱転写記録に好ましく適用できる。
サーマルヘッドは、レーザヒートモード熱ヘッド・光熱記録ヘッド・サーマルヘッドなどある。レーザヒートモード熱ヘッドは、レーザ光源から画像信号に応じたレーザ光を透明支持体を介して、インクリボンへ照射し、このレーザを吸収したインクリボンが発熱して、該インクリボンのインキ(染料又は又は熱溶融性インキ)が被転写体に転写転移することにより、画像が印画される。光熱記録ヘッドは、光照射により導電化して発熱する光導電層と発熱層の2層構造、または光導電発熱層の1層からなる光導電発熱層と、該光導電発熱層を挟むように配設され、かつ所定の電圧が印加される一対の電極層とから基本的に構成されるヘッドで、光源からレーザ光などを画像信号に応じて光照射し、この光照射された部位の光導電発熱層における発熱層または光導電発熱層が発熱して、インクリボンのインキ(染料又は又は熱溶融性インキ)を被転写体に転写することにより、画像を印画する。
サーマルヘッドは画像信号に応じてドット状の発熱素子を発熱させて、インクリボンのインキ(染料又は又は熱溶融性インキ)を被転写体に転写することにより、画像を印画する、最も一般的なサーマルヘッドである。本発明ではいずれのサーマルヘッドでも良い。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
次に、レリーフ形成層用組成物(インキ)の製造例を以下に示す。
(製造例 レリーフ形成層用組成物(インキ) の製造)
下記の配合割合の組成物をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調製し、レリーフ形成層用組成物(インキ)とした。
電離放射線硬化性樹脂A 100部
一般式(1)において、Zにジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R1及びR2に−CH3、X及びYに−C24−を導入し、nが0である樹脂である。
シリコーン(トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン、KF−7312、信越化学工業社製、商品名) 1部
多官能ウレタンアクリレート(紫光UV1700B、日合合成化学工業社製、商品名)25部
光重合開始剤(イルガキュア907、チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名) 5部
下記の配合割合の組成物をメチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調製し、剥離層用組成物(インキ)とした。
電離放射線硬化性樹脂A 100部
シリコーン(トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン)
(KF−7312、信越化学工業社製、商品名) 1部
多官能ウレタンアクリレート
(紫光UV1700B、日合合成化学工業社製、商品名) 25部
光重合開始剤(イルガキュア907)
(チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名) 5部
熱可塑性樹脂(ポリエステル、バイロン29SS)
(東洋紡績社製、商品名) 2部
予め下記に示す耐熱保護層塗工液を用いて、乾燥後の厚さが1g/m2になるように、耐熱保護層を設けておいた、厚さ6μmのポリエステルテレフタレートフイルム(F−53、東レ社製、商品名)の耐熱保護層と反対面に、フィルム速度50m/分で剥離層用組成物(インキ)を、乾燥後の厚みが0.5g/m2になるように、ロールコーターで塗工し80℃で乾燥させて、剥離層を形成した。該剥離層面へ、フィルム速度50m/分でレリーフ形成層用組成物(インキ)を、乾燥後の厚みが0.5g/m2になるように、グラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、レリーフ形成層を形成し、得られたフイルムは常温ではべとつかず、巻取状態で保管や後加工ができる。
(耐熱保護層塗工液)
スチレン−アクリロニトリル共重合体 8.5部
(セビアンAD、ダイセル化学工業(株)製)
線状飽和ポリエステル樹脂 0.5部
(エリエーテルUE3200、ユニチカ(株)製)
メラミン−アルデヒド樹脂架橋粉末 2.5部
(エポスターS、粒径0.30μm、日本触媒化学(株)製)
金属石鹸;品名 5.0部
メチルエチルケトン 83.0部
トルエン 0.5部
該レリーフ形成層面へスタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する。別途レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから、2P法で複製したスタンパを複製装置のエンポスローラーに貼着して、150℃で相対するローラーとの間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、紫外線の出力窓をパイレックス(登録商標)ガラス(波長選択性フィルター、以降波長カットフィルターという)とした高圧水銀灯で300nm以下の波長領域をほとんどカットした紫外線を照射して硬化させた。該レリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ30nmに蒸着して、反射型のレリーフ型ホログラムを形成した。該レリーフ面へ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の接着剤をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して、乾燥時の厚さが0.2g/m2の接着層を形成して、ホログラム熱転写シートを用意した。
次に、基材として、厚さ150μmの合成紙ユポFPG#150(王子油化合成紙製)を用い、この基材の一方の面に下記組成の中間層塗工液1を用いて、乾燥時2.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、中間層を形成した。その中間層の上に、下記組成の受容層塗工液を用いて、乾燥時4.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、受容層を形成した。
(中間層塗工液1)
ボンディップ(小西ボンド社製、アクリル系樹脂;主剤PA−200) 20部
ボンディップ(小西ボンド社製、エポキシ系樹脂;硬化剤PA−100) 20部
(受容層塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、#1000AKT)
10.8部
スチレン変性塩化ビニル・アクリル共重合体(電気化学工業(株)製、#400)
1.2部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X−22−3000T) 0.6部
メチルスチレン変性シリコーン(信越化学工業(株)製、X−24−510)0.6部
トルエン 8部
メチルエチルケトン 32部
上記の基材の受容層の設けてある面と反対面に、下記組成の裏面層塗工液を用いて、乾燥時1.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、裏面層を形成して、本発明の実施例1の熱転写受像シートを作成した。
(裏面層塗工液)
ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、#3000−1) 10部
ナイロン12フィラー(神東塗料(株)製、MW−330) 2部
キレート剤(デンカポリマー(株)製、デンカレートTP110N) 1.2部
付加重合性シリコーン(信越化学工業(株)製、X62−1212) 0.12部
触媒(信越化学工業(株)製、CAT−PL−50T) 0.07部
反応抑制剤(信越化学工業(株)製、CAT−PLR−5) 0.06部
酢酸エチル 25部
イソプロピルアルコール 25部
実施例1と同様に、ホログラム熱転写シートを用意し、熱転写受像シートとして、実施例1で作成した条件の中間層塗工液1を下記組成の塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の熱転写受像シートを作成した。
(中間層塗工液2)
ポリエスターWR−905(ポリエステル樹脂:日本合成化学(株)) 50部
ラポナイトJS(導電性合成層状珪酸塩:ウイルバー・エリス社製) 40部
水 10部
実施例1と同様に、ホログラム熱転写シートを用意し、熱転写受像シートとして、実施例1で作成した条件の中間層塗工液1を下記組成の塗工液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例3の熱転写受像シートを作成した。
(中間層塗工液3)
導電性針状結晶(FT−1000、石原産業(株)製) 20部
(平均繊維径0.13μm、平均繊維長1.68μm、アスペクト比12.9、結晶のベースはTiO2、結晶の導電剤がSnO2/Sb)
ポリウレタン樹脂 20部
(ニッポランN−5199、日本ポリウレタン(株)製)
メチルエチルケトン 25部
トルエン 25部
IPA 10部
実施例1と同様に、ホログラム熱転写シートを用意し、熱転写受像シートとして、厚さ75μmの多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学製、WR−900J)と厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを、下記組成の接着剤を用いて、ドライラミネーションにより、貼合して、貼り合わせの基材を用意した。
(接着剤組成)
ウレタンプレポリマー樹脂(武田薬品工業(株)製、タケラックA969V) 3部
イソシアネート(武田薬品工業(株)製、タケネートA−5) 1部
酢酸エチル 15部
上記貼り合わせ基材の多孔質PETの上に、下記組成の接着層塗工液1を用いて、乾燥時1.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、接着層を形成し、その接着層の上に、実施例1で使用した中間層塗工液を用いて、乾燥時2.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、中間層を形成した。その中間層の上に、下記組成の接着層塗工液2を用いて、乾燥時1.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、接着層を形成し、その接着層の上に、実施例1で使用した受容層塗工液を用いて、乾燥時4.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、受容層を形成した。
(接着層塗工液1)
ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業(株)製、N5199) 14部
酸化チタン(トーケムプロダクツ(株)製、TCA888) 24部
イソシアネート(武田薬品工業(株)製、タケネートA−14) 2.3部
蛍光増白剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、ユビテックスO,B) 0.2部
トルエン 20部
メチルエチルケトン 20部
イソプロピルアルコール 10部
(接着層塗工液2)
ポリウレタン樹脂(昭和インキ社製、DPウレタンプライマー) 20部
硬化剤(日本ポリウレタン社製、コロネート2030) 0.34部
トルエン 40部
メチルエチルケトン 40部
次に、シールの剥離紙として、厚さ100μmの多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、クリスパーG1212)の一方の面に上記で使用した接着層塗工液2を用いて、乾燥時1.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、接着層を形成し、その接着層の上に、実施例1で使用した裏面層塗工液を用いて、乾燥時1.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、裏面層を形成した。
上記の剥離紙の裏面層の設けられていない面に下記組成の粘着剤層塗工液を用いて、乾燥時10.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、粘着剤層を形成し、さらに、上記の受容層等の設けられた貼り合わせ基材の2軸延伸ポリプロピレンフィルム面と粘着剤層が、接するように貼り合わせて、本発明の実施例2のシールタイプの熱転写受像シートを作成した。
(比較例1)
上記の実施例1における熱転写受像シートにおいて、基材上に中間層を介せず、直接受容層を設けた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作成した。尚、ホログラム熱転写シートは実施例1と同様のものを用意した。
(比較例2)
上記の実施例4の熱転写受像シートにおける構成で、中間層を除いた以外は、実施例4と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作成した。尚、ホログラム熱転写シートは実施例1と同様のものを用意した。
(比較例3)
実施例1と同様に、ホログラム熱転写シートを用意し、熱転写受像シートは、基材として、厚さ150μmの合成紙ユポFPG#150(王子油化合成紙製)を用い、この基材の一方の面に、実施例1で使用した受容層塗工液を用いて、乾燥時4.0g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、受容層を形成し、その受容層の上に、下記組成の帯電防止層塗工液を用いて、乾燥時0.05g/m2の厚さになるように、グラビアコート方式により塗工、乾燥させ、帯電防止層を形成した。
(帯電防止層塗工液)
第4級アンモニウム塩化合物(界面活性剤)(TB−34:松本油脂製薬) 1部
イソプロパノール 1000部
上記の実施例及び比較例で得られた熱転写受像シートとホログラム熱転写シートを使用して、以下の条件で、特にホログラム熱転写時の熱転写受像シートの搬送性等の熱転写プリンター適性を調べた。
(熱転写プリンター条件及び搬送性評価方法)
図3に示すような熱転写プリンターで、第1サーマルヘッド13として、ライン型サーマルヘッド(400dpi、4500Ω)を使用し、第2サーマルヘッド14として、ライン型サーマルヘッド(400dpi、4500Ω)を使用するものを用意し、熱転写シート8として、神鋼電機(株)製S8045プリンター専用のイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と熱転写性保護層を面順次に繰り返し、基材上に設けた熱転写シートを用い、また熱転写受像シート1として、上記の得られた各実施例及び比較例の熱転写受像シートを用い、第1サーマルヘッドにより、各染料によるテストパターンの熱転写画像を形成し、また第1サーマルヘッド13により、その熱転写画像全体を覆うように、保護層をベタ状に転写した。
次に、第2サーマルヘッド14により、実施例及び比較例で用意したホログラム熱転写シートを使用して、上記熱転写画像(保護層)の上に、上記のテストパターンとは異なるパターンでホログラムを転写して、画像形成物を作成する。この際の、第2サーマルヘッドを使用する第2熱転写記録ユニットにおけるホログラム熱転写シート7と各実施例及び比較例の熱転写受像シート1がサーマルヘッド14とプラテンローラ16の間で、加圧及びサーマルヘッドで加熱されながら、両者が搬送され、ホログラムが熱転写受像シート1に画像状に転写される最中における、ホログラム熱転写シート7と熱転写受像シート1とが貼り付いたり、ジャム等が発生したり、ホログラム熱転写シート7のシワによる熱転写受像シート1への転写ムラが発生することが無いか、搬送性を調べた。
(評価結果)
実施例1〜4の熱転写受像シートを用いた場合、上記の搬送性において、各10枚の熱転写受像シートを連続して、熱転写記録して、全く搬送トラブルが発生しなかった。それに対し、比較例1〜3の熱転写受像シートを用いた場合、上記の搬送性において、各10枚の熱転写受像シートを連続して、熱転写記録しようとしたところ、全て1〜5枚目でホログラム熱転写シート7と熱転写受像シート1が貼り付いてしまい、ジャムが発生し、熱転写記録が停止し、さらに正常な印画物が得られなかった。
本発明の熱転写受像シートである一つの実施の形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートである他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明における熱転写記録方法である一つの実施の形態を示す概略図である。
符号の説明
1 熱転写受像シート
2 基材
3 中間層
4 受容層
5 接着層
6 裏面層
7 ホログラム熱転写シート
8 熱転写シート
9 供給ロール
10 巻上げロール
11 供給ロール
12 巻上げロール
13 第1サーマルヘッド
14 第2サーマルヘッド
15 プラテンローラ(第1)
16 プラテンローラ(第2)

Claims (4)

  1. 基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートと組み合わせて使用される、基材上に少なくとも中間層、受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該中間層が導電性材料を含有していることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記の導電性材料が架橋された樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記の導電性材料が合成層状珪酸塩、又は導電性針状結晶であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写受像シート。
  4. 第1のサーマルヘッドにより昇華染料を含有する熱転写染料層及び/又は熱溶融性の熱転写層を有する熱転写シートから、請求項1に記載の熱転写受像シートに熱転写画像を形成し、その後に第2のサーマルヘッドにより、基材シート上に少なくともレリーフ形成層が形成されたホログラム熱転写シートを用いて、熱転写画像の形成された熱転写受像シートにホログラムを熱転写して画像形成物を作成することを特徴とする熱転写記録方法。
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