JP2005103977A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速印画条件でも、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、充分に満足できる高濃度の印画物が得られる熱転写受像シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなるようにしたので、染料受容層において染料拡散性が向上し、高速印画条件でも、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、充分に満足できる高濃度の印画物が得られるようになった。

Description

本発明は、熱転写受像シートに関し、さらに詳しくは昇華性染料を含有する染料層を基材上に設ける熱転写シートと組み合わせて用いられる、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、高濃度の印画物が得られる熱転写受像シートに関するものである。
に関する。
従来から、熱転写方式を用いて被転写体に文字や画像を形成することが行われている。熱転写方式としては、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発熱制御されたサーマルヘッドやレーザー光等の加熱デバイスを用いて、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料を熱転写受像シート等の被転写体に移行させて画像を形成させる方式である。この感熱昇華型転写方式は、極めて短時間の加熱によってドット単位で染料の移行量を制御できる。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、得られる画像は中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像を得ることができる。このため、フルカラー銀塩写真に匹敵する高品質の画像を得ることができる。
マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの発達により、この熱転写方式は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。この熱転写方式による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、プレゼンテーションなどのOHPシート、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真、絵ハガキとしての用途などをあげることができる。
このような熱転写方式の普及するなかで、熱転写記録方式における印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写シートを従来の熱エネルギーにて印画しても十分な転写感度が得られないとの問題が生じてきた。さらに、熱転写による画像の印画物に対し、より高濃度で鮮明なものが要求されており、転写感度を向上させる試みが必要となっている。そこで、基材シートを薄膜化して従来の熱エネルギーにて印画する、又は印画時の熱エネルギーを増加させて所望の転写感度を得る等の改良がされている。しかし、これらの方法では熱転写シートにかかる熱ダメージが大きく、染料層と被転写材の染料受容層とが熱融着したり、染料層の染料だけでなく、染料層ごと被転写材に転写する、いわゆる異常転写が生じたり、また熱転写記録時における熱転写シートのシワ発生による被転写材の印画ムラ等の不具合が顕在化してきた。
また、染料受容層を基材上に設ける被転写材である熱転写受像シートにおいて、受容層の組成を工夫して改良する試みが多々行われている。(例えば、特許文献1、2、3参照)特許文献1では、放射線硬化性樹脂を含有する塗料組成物を塗布し放射線硬化して得られる硬化樹脂被覆層を染料受容層とし、該硬化樹脂被覆層のガラス転移点(動的粘弾性測定におけるtanδのピーク値)が、0℃以上80℃以下であり、かつ、その動的粘弾性測定において得られるガラス転移点+30℃における該硬化樹脂被覆層の貯蔵弾性率(E’)が、1×107Pa以上1×108Pa以下であるように規定している。
特許文献2では、画像受容層中の主成分重合体が、140℃において106Pa・S以上の溶融粘度を示し、かつ160℃において、105Pa・S以上の溶融粘度を示し、その分子内にエステル結合単位を含む重合体およびその架橋体から選ばれた少なくとも1員からなるように規定している。
特許文献3では、染料受像層が、(a)50モル%以上の、規定した構造のビスフェノールAのアルキレングリコール付加物を含むジオール成分と、(b)50モル%以上のテレフタール酸を含むジカルカルボン酸成分との共重縮合反応により得られ、40〜70℃のガラス転移点、及び60℃において5×108Pa以上の弾性率を有するポリエステル重合体、及びその架橋体から選ばれた少なくとも1員を主成分として含有していることが記載されている。
特開2003−63154号公報 特許第2904544号 特許第2933338号公報 しかし、上記のような熱転写受像シートでは、熱転写時の染料の転写感度は向上するが、まだ充分なレベルまで到達しておらず、満足できるものではない。具体的には、染料層と被転写材の染料受容層とが熱融着したりせず、正常に印字でき、かつ印加電力0.095w/dotで印字した際のシャドウ部のOD値(最高濃度)が2.0を越えるものは無い状況である。
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、高速印画条件でも、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、充分に満足できる高濃度の印画物が得られる熱転写受像シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率104以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。この請求項5は、前記請求項1と請求項2を同時に満足するものである。
請求項6に記載の発明は、基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シートを要旨とする。この請求項6は、前記請求項3と請求項4を同時に満足するものである。
請求項7に記載の発明は、前記バインダー樹脂のうち少なくとも一つの樹脂のガラス転移温度Tgが、40℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載する熱転写受像シートを要旨とする。
本発明は、染料受容層を構成するバインダー樹脂の熱挙動、主に粘弾性について、着目し、特に印字発色の開始部である100℃近傍の熱物性を考慮し、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、上記バインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率104以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物のいずれかであるようにしたので、染料受容層において染料拡散性が向上し、高速印画条件でも、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、充分に満足できる高濃度の印画物が得られるようになった。
以下、熱転写受像シートを構成する各層毎に詳述する。
(基材シート)
本発明の基材シートとしては、紙類、プラスチックフィルム等が使用でき、紙類では、各種紙単体もしくは加工紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙などが挙げられ、合成紙では、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙等が良好に使用できる。
また、プラスチックフィルムでは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリアリレートフィルムなどが使用できる。これらのプラスチックフィルムでは透明なフィルムだけでなく、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルム、或いは発泡させたフィルムも使用できる。尚、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
基材として透明性を有する基材を用いることができ、この場合は実用上、延伸したポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが良い。それによって、OHP投影機にかけて、使用できたり、また、シールタイプでは貼着される対象物の表面の外観が損なわれることなく、透過できるものが得られる。尚、この場合はもちろん、色材受容層、粘着剤層等、熱転写受像シートの貼着する部分は透明性を有していることが望ましい。
また、上記の基材シートの表面及び又は裏面に易接着処理した基材シートも使用できる。本発明では、特に限定されないが、帯電性の高いプラスチックベースの基材シートを用いた場合に、特に効果が確認される。熱転写受像シートの基材シートの厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、機械的適性等を考慮し、75〜175μmの基材シートを用いるのが好ましい。また、基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(染料受容層)
本発明の熱転写受像シートにおける昇華性染料受容層は、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、上記バインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率104以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物のいずれかの構成をとったものである。
本発明では粘弾性の測定方法は、測定機器としてレオメトリックス製サイエンティフィックARES 動的粘弾性測定器を用いる。測定条件は、パラレルプレート10mmΦ、歪み1%、振幅(周波数)1kHz、昇温速度2℃/min.で、プライマーの組成物の温度を30℃から200℃に昇温させることにより行う。また、一般に貯蔵弾性率G′は弾性成分で、高分子中でのコイルの振動や凝集体構造などの構造が生じることによって発生し、損失弾性率G″は粘性成分であり、静的の剪断応力と等価なものである。
上記の貯蔵弾性率G´[Pa]が80℃及び周波数1kHzにおいて104以下の樹脂材料のみで染料受容層を構成した場合、染料受容層の構成樹脂が印画時の熱により流動化し、染料層側に受容層がとられやすくなり、異常転写が生じやすくなる。また、上記の貯蔵弾性率G´[Pa]が80℃及び周波数1kHzにおいて105以上の樹脂材料のみで染料受容層を構成した場合、印画時の熱により、染料が受容層に染着、拡散しにくくなり、転写感度が出なくなる。
また、上記の損失弾性率G″[Pa]が80℃及び周波数1kHzにおいて105未満の樹脂材料のみで染料受容層を構成した場合は、染料受容層の構成樹脂が印画時の熱により流動化し、染料層側に受容層がとられやすくなり、異常転写が生じやすくなる。また、上記の損失弾性率G´[Pa]が80℃及び周波数1kHzにおいて105以上の樹脂材料のみで染料受容層を構成した場合、印画時の熱により、染料が受容層に染着、拡散しにくくなり、転写感度が出なくなる。
染料受容層は熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。染料受容層を形成するための樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノキシ系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができ、また粘着性付与樹脂及び樹脂改質剤として知られている、例えば、水素添加石油系樹脂、脂肪族炭化水素系樹脂、脂環族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等のガラス転移温度Tgが40℃以上である樹脂が挙げられる。但し、これらの樹脂は、上記の貯蔵弾性率G´[Pa]が80℃及び周波数1kHzにおいて104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料を組み合わせた混合物、あるいは100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率104以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物のいずれかの一つの条件を満足して使用されるものである。
受容層を構成するバインダー樹脂は80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以上の樹脂材料の混合物からなることが、より好ましい。また、受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上の樹脂材料の混合物からなることが、より好ましい。それは、熱転写時における染料の転写感度、転写効率が高く、高濃度の印画物を異常転写等のトラブルがなく、得られるからである。
上記の貯蔵弾性率の異なる2種の樹脂材料及び損失弾性率の異なる2種の樹脂材料について、貯蔵弾性率、損失弾性率のいずれにおいても、組み合わせる各弾性率の異なる樹脂の染料受容層として構成する配合は、その弾性率の高い樹脂/その弾性率の低い樹脂の割合で、10/0.2〜10/6程度である。もちろん、それらの樹脂は、上記の弾性率の高い方か低い方のいずれかの関係を満足するグレード(分子量、構造等)を選択するものである。また、染料受容層を構成するバインダー樹脂のうち少なくとも一つの樹脂のガラス転移温度Tgが、40℃以上であることが好ましく、染料受容層への、サーマルヘッドからの熱ダメージによる、染料層と染料受容層との熱融着や、異常転写等の発生を、より防止することが可能となる。染料受容層のバインダー樹脂のTgが40℃未満であると、印画時の熱により染料受容層の構成樹脂が流動しやすくなり、異常転写が生じやすくなる。
尚、上記の染料受容層のバインダー樹脂の混合物、は一つの樹脂がポリエステル系樹脂であれば、それと組み合わせるもう一つの樹脂は同系のポリエステル系樹脂を用いることが、相溶性が高いため、好ましい。但し、混合物として染料受容層における相溶性が良ければ、同系の樹脂同士を組み合わせるだけでなく、異なる系の樹脂を組み合わせて使用することも可能である。本発明では、染料受容層樹脂として、特に好ましい樹脂は、ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂やビニル系樹脂である。
上記染料受容層中には、染料層を有する熱転写シートとの融着若しくは印画時の感度低下を防ぐため、離型成分を含有させる。その離型成分としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面滑性剤、フッ素系界面滑性剤等が挙げられるが、エポキシ変性、メチルスチレン変性、ポリエーテル変性、アミノ変性、アルキル変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、オレフィン変性、カルビノール変性等の変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが、昇華性染料層との離型性等の点から好ましい。上記離型成分の添加量は、受容層形成樹脂全体100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シートの染料層と染料受容層との融着、もしくは印字感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型成分を添加することによって、受容層の表面に離型成分がブリードアウトして、受容層表面上に、離型性が付与される。
染料受容層にはその他にも、必要に応じて各種の添加剤を加えることができる。染料受容層の白色度を向上させ転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、染料受容層には可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤など公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
上記にあげた混合物の樹脂と、上記であげた離型剤と必要に応じて添加剤等を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で、十分に混練して、染料受容層塗工液を製造し、これを、上記にあげた基材シートの上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、染料受容層を構成する。後述する必要に応じて設ける中間層、裏面層、易接着層等の塗工も、上記の染料受容層の形成手段と同様の方法で行われる。このように形成される染料受容層は、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2である。
(中間層)
染料受容層と基材シートの間に、必要に応じて中間層を設けることができる。中間層としては、その目的により如何なる材料を用いてもよい。例えば、樹脂に各種の白色顔料を加えたものを用いることにより、高い白色度を得ることができる。更に、蛍光増白剤や帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、基材シートと染料受容層との間の接着性を向上させる目的で、必要に応じて中間層を設けても良い。また、該接着性を向上させるために、基材シートの染料受容層と形成する側の面に予めコロナ放電処理、オゾン処理などの中間層を設けるための前処理を施しても良い。
中間層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂等を使用することができる。これらの樹脂には、必要に応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与するために、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムその他公知の無機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。その塗布厚みは乾燥状態で0.5〜30g/m2程度が好ましい。
(裏面層)
基材シートの染料受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止などのために、裏面層を設けることができる。このような機能をもつ裏面層として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどの有機系フィラー、及び二酸化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたものが使用できる。この裏面層として、上述の樹脂を硬化剤により硬化したものを使用することがさらに好ましい。硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層樹脂はイソシアネート化合物などと反応しウレタン結合を形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くなる。硬化剤の添加量は、樹脂1反応基当量に対して、1乃至2が好ましい。1未満であると、硬化終了するまでの時間が長くかかり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなる。また、2より大きいと、成膜後に経時変化が起こったり、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生じる。
さらに、上記裏面層中には、添加剤として、有機フィラーまたは無機フィラーを添加しても良い。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキングを防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上する。有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどがあげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好ましい。また、無機フィラーとして、二酸化珪素や金属酸化物などがあげられる。ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万乃至90万で、球状であり、平均粒子径が0.01乃至30μmが好ましく、特に分子量が10万乃至50万で、平均粒子径が0.01乃至10μmがより好ましい。また、ポリアミド系フィラーの種類では、ナイロン6やナイロン66と比較して、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
ポリアミド系フィラーは、高融点で熱的にも安定であり、耐油性、耐薬品性なども良く、染料によって染着されにくい。また、分子量が10万乃至90万であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性があり、摩擦係数も低く、擦れる相手を傷つけにくい。また、好ましい平均粒子径は、反射画像用熱転写受像シートの場合、0.1乃至30μmである。粒子径が小さすぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、十分な滑り性の機能が発現され難くなる傾向がみられ、また、粒子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じる傾向があるので、好ましくない。裏面層の樹脂に対するフィラーの配合比率は、0.01質量%乃至200質量%の範囲が好ましい。反射画像用熱転写受像シートの場合は、1質量%乃至100質量%がより好ましく、透過画像用熱転写受像シートの場合は、0.05質量%乃至2質量%がより好ましい。フィラーの配合比率が0.01質量%未満の場合には、滑り性が不十分であり、プリンターの給紙時などで紙詰まりなどの支障をきたす傾向が生じる。また、200質量%を越える場合には、滑りすぎて印字画像に色ずれなどが生じやすくなるため、好ましくない。
熱転写受像シートの染料受容層面もしくは裏面、または両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、帯電防止剤である、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、形成することができる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/m2 が好ましい。
(易接着層)
基材シートの表面および/または裏面に、アクリル酸エステル樹脂やポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂などの接着性樹脂からなる易接着層を塗布して設けてもよい。また、上記に記載した塗布層を設けずに、基材シートの表面および/または裏面に、コロナ放電等の処理をして、基材シートとその上に設ける層との接着性を高めることもできる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
基材シートとして、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラーE−20、厚さ125μm)の上に、下記組成の染料受容層塗工液1を、乾燥時2.3g/m2になる割合でミヤバーにて塗布し、100℃オーブン中で、120秒間乾燥し、染料受容層を形成して、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液1)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン240) 50部
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1103) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にて、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液2)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン240) 50部
ポリエステル系ワックス(脂肪族炭化水素系樹脂、融点64℃) 2部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 293部
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液3に変更した以外は、実施例1と同様にて、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液3)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン240) 50部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン220) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液4に変更した以外は、実施例1と同様にて、実施例4の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液4)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン270) 50部
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1103) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液5に変更した以外は、実施例1と同様にて、実施例5の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液5)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン270) 50部
ポリエステル系ワックス(脂肪族炭化水素系樹脂、融点64℃) 2部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 293部
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液6に変更した以外は、実施例1と同様にて、実施例6の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液6)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロンGK880) 50部
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1100) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101)10部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 270部
(比較例1)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液7に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液7)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン240) 70部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例2)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液8に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液8)
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1100) 70部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例3)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液9に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例3の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液9)
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1103) 70部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例4)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液10に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例4の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液10)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン240) 50部
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1100) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例5)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液11に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例5の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液11)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン270) 70部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例6)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液12に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例6の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液12)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン270) 50部
ポリエステル樹脂(大日本インキ工業(株)製、SU1100) 20部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
(比較例7)
上記の実施例1で使用した染料受容層塗工液1を下記組成の塗工液13に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例7の熱転写受像シートを作製した。
(染料受容層塗工液13)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロンGK880) 70部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(日本ユニカー(株)製、FZ−2101) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 273部
上記の染料受容層塗工液に使用した各樹脂の80℃と100℃の周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]、また80℃と100℃の周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]、さらにガラス転移温度を下記表1に示す。
Figure 2005103977
上記の各実施例及び比較例で得られた熱転写受像シートについて、OLIMPAS社製P−400プリンター用の熱転写シートを用い、下記条件にて、印画を行い、マクベス反射濃度計RD−918にて、反射濃度を測定した。
(印画条件)
サーマルヘッド;KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3139(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.10(w/dot)
1ライン周期;5(msec.)
印字開始温度;40(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を15分割した。これにより、15段階に異なるエネルギーを与えることができる。
上記の各実施例及び比較例における印画物について、150階調目、195階調目、240階調目(シャドウ部)の反射濃度を測定した。測定結果は以下の表2の通りである。
Figure 2005103977
上記の反射濃度の結果において、実施例1〜3は、比較例1のバイロン240単独で構成した染料受容層と比べ、本発明で規定した貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは損失弾性率G″[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなるものであり、印画濃度が向上している。特に実施例1〜3における印画物の240階調目の濃度は2.0以上であり、満足できる高濃度であった。また、実施例4、5は、比較例5のバイロン270単独で構成した染料受容層と比べ、本発明で規定した貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは損失弾性率G″[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなるものであり、印画濃度が向上している。特に実施例4、5における印画物の240階調目の濃度は2.0以上であり、満足できる高濃度であった。実施例6は、比較例7のGK880単独で構成した染料受容層と比べ、本発明で規定した貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなる、あるいは損失弾性率G″[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなるものであり、印画濃度が向上している。また、比較例2、3、4、6は、全て印画物の240階調目の濃度が1.9以下であり、最高濃度として満足できるものではない。

Claims (7)

  1. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、同弾性率104以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  3. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  4. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、同弾性率105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  5. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以下で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が103以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける貯蔵弾性率G´[Pa]が104以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  6. 基材シートの少なくとも一方の面に昇華性染料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該受容層を構成するバインダー樹脂が80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105未満で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が104以下の樹脂材料と、80℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上で、かつ、100℃及び周波数1kHzにおける損失弾性率G″[Pa]が105以上の樹脂材料の混合物からなることを特徴とする熱転写受像シート。
  7. 前記バインダー樹脂のうち少なくとも一つの樹脂のガラス転移温度Tgが、40℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載する熱転写受像シート。
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