JP2005103595A - カラー受像管フレーム用角形電縫鋼管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カラー受像管の色選別電極素体を張り上げる支持フレームの垂直フレームに適した安価な角形電縫鋼管を提供する。
【解決手段】 C:0.01〜0.25質量%,Si:1.0質量%以下,Mn:0.05〜2.5質量%,P:0.1質量%以下,S:0.02質量%以下,Mo:0.01〜1.0質量%を含み残部が実質的にFeの組成をもち、必要に応じてV:0.01〜0.5質量%,W:0.01〜0.5質量%,Cr:0.01〜0.5質量%,Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%の1種又は2種以上を含む鋼板を鋼管素材とし、鋼板を円筒状にロール成形し、鋼板幅方向両端部を電縫溶接した後、同じ造管ラインで円筒状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形する。
【選択図】 なし
【解決手段】 C:0.01〜0.25質量%,Si:1.0質量%以下,Mn:0.05〜2.5質量%,P:0.1質量%以下,S:0.02質量%以下,Mo:0.01〜1.0質量%を含み残部が実質的にFeの組成をもち、必要に応じてV:0.01〜0.5質量%,W:0.01〜0.5質量%,Cr:0.01〜0.5質量%,Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%の1種又は2種以上を含む鋼板を鋼管素材とし、鋼板を円筒状にロール成形し、鋼板幅方向両端部を電縫溶接した後、同じ造管ラインで円筒状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、カラー受像管の色選別電極素体に所定張力を付与する水平フレームを支持する垂直フレームとして好適で、高温強度,耐応力リラグゼーション性に優れた電縫鋼管を製造する方法に関する。
トリニトロン方式のカラー受像管では、電子銃から射出される電子ビームにより蛍光面にマトリックス状に配列されたRGB蛍光体を発光させるため、蛍光体配列に対応する電子ビーム通過用のすだれ状のスリットを設けた薄い金属板からなる色選別電極素体を枠状電極構体に張り上げて支持する構造が採用されている。
解像度の高いカラー画像を再生する上では、電子ビームで蛍光面上の特定RGB蛍光体を照射するため、色選別電極素体に形成された電子ビーム通過用スリットを蛍光体に対応した正確な位置関係に維持する必要がある。蛍光体と色選別電極素体との位置関係が熱膨張等によってずれると、電子ビームが目標RGB蛍光体に照射されなくなり、高精細なカラー画像が再生されない。
解像度の高いカラー画像を再生する上では、電子ビームで蛍光面上の特定RGB蛍光体を照射するため、色選別電極素体に形成された電子ビーム通過用スリットを蛍光体に対応した正確な位置関係に維持する必要がある。蛍光体と色選別電極素体との位置関係が熱膨張等によってずれると、電子ビームが目標RGB蛍光体に照射されなくなり、高精細なカラー画像が再生されない。
色選別電極素体の一般的な支持構造は、所定の張力を色選別電極素体に付与する水平フレーム及び水平フレームを支える垂直フレームで構成されている。水平フレーム,垂直フレーム共に、非常に高価なSCM415等の特殊鋼が素材に使用されている。水平フレームは、カラー受像管のサイズに応じて板厚2〜7mmの鋼板を必要形状にプレス成形することにより用意される。垂直フレームには、小型のカラー受像管では焼鈍・酸洗した角形状の棒鋼、大型のカラー受像管では丸形状の電縫鋼管を引き抜き、焼鈍・酸洗を繰り返した角鋼管が使用されている。水平フレーム,垂直フレームを溶接で一体化した後、歪取り焼鈍することにより支持フレームが作製される。
内側に向けて加圧した上下の水平フレームに色選別電極素体を溶接し、組み込み終了後に圧力を解除すると色選別電極素体が張り上げられる。色選別電極素体と一体化された支持フレームは、熱輻射,二次電子の発生,錆発生等を防止するため400〜500℃の温度域で黒化処理される。
内側に向けて加圧した上下の水平フレームに色選別電極素体を溶接し、組み込み終了後に圧力を解除すると色選別電極素体が張り上げられる。色選別電極素体と一体化された支持フレームは、熱輻射,二次電子の発生,錆発生等を防止するため400〜500℃の温度域で黒化処理される。
支持フレームに色選別電極素体を張り上げた構造では、水平フレームの反力に由来する張上げ張力が色選別電極素体に付与される。そのため、RGB蛍光体に対する色選別電極素体の正確な位置関係が維持され、電子ビーム照射で色選別電極素体が昇温した場合でも、熱膨張に起因する伸びが吸収され、色ズレが軽減される。ところが、張上げ張力が低下すると、色選別電極素体を正確な位置関係に維持する作用が弱くなり、色ズレが生じやすくなる。
張上げ張力の低下は、黒化処理を始めとする熱履歴でもたらされる。たとえば、黒化処理時の高温雰囲気に色選別電極素体,支持フレームが曝されると応力がリラグゼーションされ、張上げ張力が低下する。電子ビーム照射で色選別電極素体が加熱されたときにも、張上げ張力を低下させる応力リラグゼーションが生じることがある。
張上げ張力の低下は、黒化処理を始めとする熱履歴でもたらされる。たとえば、黒化処理時の高温雰囲気に色選別電極素体,支持フレームが曝されると応力がリラグゼーションされ、張上げ張力が低下する。電子ビーム照射で色選別電極素体が加熱されたときにも、張上げ張力を低下させる応力リラグゼーションが生じることがある。
張上げ張力の低下を抑制するため、高価な高Crフェライト系ステンレス鋼等の素材が水平フレームに使用されている。高Crフェライト系ステンレス鋼は、熱膨張係数が小さいことでもフレーム素材として有利である。高価な高Crフェライト系ステンレス鋼に代え、Ti,Nb,V等の炭化物を析出させることにより室温,高温強度を向上させた低熱膨張鋼材も知られている(特許文献1,2)。
特開平8−67945号公報
特開平10−158789号公報
ところで、カラー受像管が大型化,高精細化する傾向に伴い、色選別電極素体及び枠状電極構体も大型化し、張上げ張力の低下や熱膨張による影響が一層大きくなっている。そのため、水平フレームだけでなく垂直フレームにも、耐リラグゼーション性,低熱膨張特性が要求される。また、大型の色選別電極素体を支持するフレームにあっては、必要な強度を確保するため角形鋼管を垂直フレームに使用しているが、丸形状の電縫鋼管を引き抜き、焼鈍・酸洗を繰り返して角形鋼管を製造しているため製造コストが高くつき、カラー受像管のコストを上昇させる原因になっている。角形鋼管の素材としても、溶接性,加工性に優れていることが要求される。
本発明は、引抜きや繰返しの焼鈍・酸洗工程を伴う従来法に代えて造管ラインで角形鋼管にロール成形する方式を採用することにより、カラー受像管フレーム用角形電縫鋼管の垂直フレームとしての要求特性を備えた角形鋼管を安価に提供することを目的とする。
本発明は、C:0.01〜0.25質量%,Si:1.0質量%以下,Mn:0.05〜2.5質量%,P:0.1質量%以下,S:0.02質量%以下,Mo:0.01〜1.0質量%を含み残部が実質的にFeの組成をもち、必要に応じてV:0.01〜0.5質量%,W:0.01〜0.5質量%,Cr:0.01〜0.5質量%,Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%の1種又は2種以上を含む鋼板を鋼管素材に使用している。該鋼板を円筒状にロール成形し、鋼板幅方向両端部を電縫溶接した後、同じ造管ラインで円筒状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形することにより、カラー受像管フレームの垂直フレームとして好適な角形電縫鋼管が製造される。
カラー受像管フレームの垂直フレームとして使用される角形電縫鋼管には、所定の張上げ張力で色選別電極素体を張り上げた水平フレームを支持するために必要な室温,高温強度に加え、熱膨張係数が小さく、溶接性,加工性にもよいことが要求される。室温,高温強度の向上は、析出強化型の合金設計で達成される。また、マトリックスに析出したMo等の炭化物は、転位の移動を妨げるインヒビターとして働き、張上げ張力の低下を抑制する作用も呈する。しかも、鋼材に含まれるC,Si,Mn,P,S等の含有量を規制するとき、溶接性,加工性も改善される。溶接性,加工性が良好であることを活用し、同じ造管ラインで丸断面形状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形すると、従来の引抜きや繰返しの焼鈍・酸洗工程を必要とする製造法に比較して大幅に簡略化された方法で角形電縫鋼管を製造でき、カラー受像管フレーム用の垂直フレームが安価に提供される。
カラー受像管フレーム用角形電縫鋼管には、以下のように合金成分,含有量等が規制された鋼材が使用される。
C:0.01〜0.25質量%
鋼板の強度向上に有効な合金成分であり、0.01質量%以上のCで強度向上効果がみられる。しかし、過剰量のCが含まれるとロール成形性,溶接性が低下するので、C含有量の上限を0.25質量%に規制する。
C:0.01〜0.25質量%
鋼板の強度向上に有効な合金成分であり、0.01質量%以上のCで強度向上効果がみられる。しかし、過剰量のCが含まれるとロール成形性,溶接性が低下するので、C含有量の上限を0.25質量%に規制する。
Si:1.0質量%以下
鋼板の強度向上に有効な合金成分であり、0.01質量%以上で強度向上に及ぼすSiの添加効果が顕著になる。しかし、1.0質量%を超える過剰量のSiが含まれると、鋼板の表面肌が劣化し、黒化処理で生成した皮膜が剥がれ易くなる。過剰量のSi含有は、高周波溶接による造管時に多量の酸化物を生成させ、溶接性を劣化させることからも好ましくない。
Mn:0.05〜2.5質量%
強度向上に有効な合金成分であり、不純物のSをMnSとして固定し、熱間脆性を防止する作用も呈する。このような作用は0.05質量%以上のMnで効果的になるが、2.5質量%を超える過剰量のMnが含まれると造管時の高周波溶接性が損なわれる。
鋼板の強度向上に有効な合金成分であり、0.01質量%以上で強度向上に及ぼすSiの添加効果が顕著になる。しかし、1.0質量%を超える過剰量のSiが含まれると、鋼板の表面肌が劣化し、黒化処理で生成した皮膜が剥がれ易くなる。過剰量のSi含有は、高周波溶接による造管時に多量の酸化物を生成させ、溶接性を劣化させることからも好ましくない。
Mn:0.05〜2.5質量%
強度向上に有効な合金成分であり、不純物のSをMnSとして固定し、熱間脆性を防止する作用も呈する。このような作用は0.05質量%以上のMnで効果的になるが、2.5質量%を超える過剰量のMnが含まれると造管時の高周波溶接性が損なわれる。
P:0.1質量%以下
強度向上に有効であるものの、偏析しやすい成分である。そのため、0.1質量%を超える過剰量のPが含まれると、鋼板の強度変動が大きくなり、品質安定性が低下する。Pの過剰含有は、ロール成形性を劣化させることからも好ましくない。
S:0.02質量%以下
展延性のあるMnS系介在物となってロール成形性を劣化させるので、S含有量は低いほど好ましい。S含有量を0.02質量%以下に規制すると、S起因の悪影響が抑えられる。
強度向上に有効であるものの、偏析しやすい成分である。そのため、0.1質量%を超える過剰量のPが含まれると、鋼板の強度変動が大きくなり、品質安定性が低下する。Pの過剰含有は、ロール成形性を劣化させることからも好ましくない。
S:0.02質量%以下
展延性のあるMnS系介在物となってロール成形性を劣化させるので、S含有量は低いほど好ましい。S含有量を0.02質量%以下に規制すると、S起因の悪影響が抑えられる。
Mo:0.01〜1.0質量%
マトリックスに固溶すると共に、微細な炭化物となって析出し、固溶強化,析出強化により鋼材の室温,高温強度を改善する。析出した微細炭化物は、高温雰囲気において鋼材に導入されている転位の移動に対するインヒビターとしても働き、張上げ張力の低下をもたらす応力リラグゼーションを抑制する。このような作用は0.01質量%以上のMoで顕著になるが、1.0質量%を超える過剰量のMo含有は、鋼材コストを上昇させるだけでなくロール成形性や高周波溶接性にとっても好ましくない。
マトリックスに固溶すると共に、微細な炭化物となって析出し、固溶強化,析出強化により鋼材の室温,高温強度を改善する。析出した微細炭化物は、高温雰囲気において鋼材に導入されている転位の移動に対するインヒビターとしても働き、張上げ張力の低下をもたらす応力リラグゼーションを抑制する。このような作用は0.01質量%以上のMoで顕著になるが、1.0質量%を超える過剰量のMo含有は、鋼材コストを上昇させるだけでなくロール成形性や高周波溶接性にとっても好ましくない。
V:0.01〜0.5質量%,W:0.01〜0.5質量%,Cr:0.01〜0.5質量%,
Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%
何れも必要に応じて添加される合金成分であり、Moと同様に固溶強化,析出強化によって鋼材の室温,高温強度を向上させ、応力リラグゼーションを抑制する。このような作用は何れの成分にあっても0.01質量%以上でみられるが、過剰添加は鋼材コストの上昇やロール成形性,高周波溶接性の低下から好ましくない。
Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%
何れも必要に応じて添加される合金成分であり、Moと同様に固溶強化,析出強化によって鋼材の室温,高温強度を向上させ、応力リラグゼーションを抑制する。このような作用は何れの成分にあっても0.01質量%以上でみられるが、過剰添加は鋼材コストの上昇やロール成形性,高周波溶接性の低下から好ましくない。
更に、Al,Cu,Niを以下の含有量で含むこともできる。
Al:0.10質量%以下
製鋼段階で脱酸剤として添加される成分であるが、0.10質量%以上のAlが含まれると鋼板に表面欠陥が生じやすく、黒化膜も剥離しやすくなる。
Cu:0.03〜0.5質量%,Ni:0.03〜0.5質量%
熱延鋼帯の酸洗時に鋼帯表面から熱延スケールの剥離を促進させ、耐食性の改善にも有効な合金成分であり、何れも0.03質量%以上で添加効果がみられる。しかし、0.5質量%を超える過剰量を添加しても、増量に見合った添加効果が得られず、鋼材コストが高くなる。
Al:0.10質量%以下
製鋼段階で脱酸剤として添加される成分であるが、0.10質量%以上のAlが含まれると鋼板に表面欠陥が生じやすく、黒化膜も剥離しやすくなる。
Cu:0.03〜0.5質量%,Ni:0.03〜0.5質量%
熱延鋼帯の酸洗時に鋼帯表面から熱延スケールの剥離を促進させ、耐食性の改善にも有効な合金成分であり、何れも0.03質量%以上で添加効果がみられる。しかし、0.5質量%を超える過剰量を添加しても、増量に見合った添加効果が得られず、鋼材コストが高くなる。
所定組成に調整された鋼材は、常法に従って溶製,鋳造,熱延,焼鈍・酸洗を経た熱延焼鈍板、或いは更に冷延,焼鈍された冷延焼鈍板として用意される。焼鈍帯板を所定幅に裁断し、造管ラインに通板する。造管ラインでは、送り込まれた鋼帯をオープンパイプ形状にロール成形し、幅方向両端部を高周波溶接等で溶接することにより断面丸形状の電縫鋼管を製造する。次いで、同じ造管ラインに組み込まれている成形スタンドで電縫鋼管を角断面形状にロール成形する。
前掲の成分設計により溶接性,加工性が改善された鋼材を鋼管素材に使用しているので、溶接部の機械的性質が母材部とほぼ等しく、歪取り焼鈍等の熱処理を施さなくても丸断面形状から角断面形状にロール成形でき、加工された鋼管の断面を観察しても溶接,加工起因の欠陥が検出されない。しかも、固溶強化,析出強化によって高強度化された鋼材であることから、カラー受像管フレームの垂直フレームとして必要な特性を備えた角形電縫鋼管が安価に提供される。
前掲の成分設計により溶接性,加工性が改善された鋼材を鋼管素材に使用しているので、溶接部の機械的性質が母材部とほぼ等しく、歪取り焼鈍等の熱処理を施さなくても丸断面形状から角断面形状にロール成形でき、加工された鋼管の断面を観察しても溶接,加工起因の欠陥が検出されない。しかも、固溶強化,析出強化によって高強度化された鋼材であることから、カラー受像管フレームの垂直フレームとして必要な特性を備えた角形電縫鋼管が安価に提供される。
表1の組成をもつ鋼材を溶製,鋳造して得られたスラブを板厚3.1mmに熱延し、酸洗焼鈍した後、必要幅108mmに裁断して造管ラインに通板した。造管ラインでは、送り込まれた鋼帯をオープンパイプ形状にロール成形し、幅方向両端部を高周波溶接することにより外径38mmの丸断面形状の電縫鋼管を製造した。高周波溶接条件は、造管速度:30m/分,プレート電圧:8.0kV,プレート電流:14.0A,ワークコイル距離:100mmに設定した。次いで、通板方向に沿って溶接スタンドから2m下流側に配置されている成形スタンドで電縫鋼管をロール成形し、30mm角の角形電縫鋼管を製造した。
各角形電縫鋼管の管端を切断し、JIS G3472に準拠した押し広げ試験で溶接部の割れ発生有無を調査し、溶接性を評価した。次いで、JIS Z2241に従った引張試験で室温での引張り特性を調査し、更に550℃の歪取り焼鈍した後、JIS Z2272に従った高温引張試験で480℃での引張り特性を調査した。
表2の試験結果にみられるように、Si含有量が高すぎる鋼材No.4やMoが不足する鋼材No.9ではロール成形性,高周波溶接性,高温強度に劣っていた。これに対し、本発明に従って成分調整された鋼材Nos.1〜3,5〜9は加工性,溶接性に優れているため、溶接欠陥が生じることなく母材部とほぼ同材質の溶接部であった。そのため、溶接後の電縫鋼管を熱処理せず角断面形状にロール成形しても、溶接や加工に起因した欠陥がなくカラー受像管フレームの垂直フレームとして必要な特性を備えていた。
以上に説明したように、本発明においては、普通鋼に近い組成の鋼材を用い、同じ造管ラインで丸断面形状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形しているため、電縫鋼管の引抜きや繰返しの焼鈍・酸洗を伴う従来の製造法に比較して製造工程が大幅に簡略化される。しかも、固溶強化,析出強化によって高強度化した鋼材を素材としているので、色選別電極素体を張り上げた水平フレームを支持する垂直フレームとして使用するとき、製造時の黒化処理やカラー受像管使用中の昇温に起因する応力リラグゼーションがない。そのため、大型のカラー受像管に組み込まれる色選別電極素体の支持フレームに使用した場合でも、張上げ張力の低下がなく色選別電極素体とRGB蛍光体との位置関係が正確に維持される。
Claims (2)
- C:0.01〜0.25質量%,Si:1.0質量%以下,Mn:0.05〜2.5質量%,P:0.1質量%以下,S:0.02質量%以下,Mo:0.01〜1.0質量%を含み残部が実質的にFeの組成をもつ鋼板を円筒状にロール成形し、鋼板幅方向両端部を電縫溶接した後、同じ造管ラインで円筒状の電縫鋼管を角断面形状にロール成形することを特徴とするカラー受像管フレーム用角形電縫鋼管の製造方法。
- 更にV:0.01〜0.5質量%,W:0.01〜0.5質量%,Cr:0.01〜0.5質量%,Ti:0.01〜0.10質量%,Nb:0.01〜0.10質量%の1種又は2種以上を含む鋼板を使用する請求項1記載の製造方法。
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JP2003339826A JP2005103595A (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | カラー受像管フレーム用角形電縫鋼管の製造方法 |
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Cited By (2)
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CN106271457A (zh) * | 2016-09-13 | 2017-01-04 | 绵阳晟昊光电科技有限公司 | 一种光电管用多壁厚多规格精密方管生产工艺 |
CN106346200A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-01-25 | 成都九十度工业产品设计有限公司 | 一种钢结构用精密方管生产工艺 |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003339826A patent/JP2005103595A/ja not_active Withdrawn
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