JP2005100894A - 電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置 - Google Patents

電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット法により高分子系材料で膜形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することが可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェット法により、基板上に高分子系材料の膜を形成する膜形成工程を有する電気光学装置の製造方法において、基板100上に、高分子系材料の原料であるモノマー15aと、その重合開始剤15bとを印字し、当該基板100上で重合反応を行わせて高分子系材料の膜を形成する。
【選択図】 図4−3

Description

本発明は、電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置に関し、詳細には、インクジェット法により、基板上に高分子系材料の膜を形成する膜形成工程を有する電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置に関する。
近年液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして有機物を用いた発光素子の開発が加速している。発光層に有機物を用いた発光素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置としては、非特許文献1で示されているように低分子を蒸着法で成膜する方法と、非特許文献2で示されているように高分子を塗布する方法が主に報告されている。
カラー化の手段としては低分子系材料の場合、マスク越しに異なる発光材料を所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。一方、高分子系材料については、微細かつ容易にパターニングができることからインクジェット法を用いたカラー化が注目されている。インクジェット法による有機エレクトロルミネッセンス素子の形成としては以下の公知例が知られている(特許文献1〜特許文献6)。
また、素子構造という観点からは、発光効率、耐久性を向上させるために、正孔注入/輸送層を陽極と発光層の間に形成することが多い(非特許文献1参照)。従来、バッファ層や正孔注入/輸送層としては導電性高分子、例えばポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体(非特許文献2参照)を用い、スピンコート等の塗布法により膜を形成する。低分子系材料においては正孔注入/輸送層として、フェニルアミン誘導体を蒸着で形成することが報告されている。上記のインクジェット法は、高分子系材料を無駄にせず、簡便にかつ微細パターニング成膜する手段として有効である。
特開平7−235378号公報 特開平10−12377号公報 特開平10−153967号公報 特開平11−40358号公報 特開平11−54270号公報 特開平11−339957号公報 Appl.Phys.Lett.51、21 September 1987の913ページ Nature,357,477、1992
インクジェット法で高分子材料を製膜する場合に、一般に高分子材料を溶媒で分散させて印字を行っている。しかしながら、使用する高分子材料の中には高粘度のものがあり、
吐出安定性を確保するのが難しいものもある。また、高粘度の高分子材料を溶媒で希釈して、粘度を低下させて使用する方法も考えられるが、その場合、高分子材料の濃度が薄くなってしまうため、インクジェット法で高分子材料を製膜する場合に製造効率が低下してしまう。また、この場合、使用する溶媒の消費量が増大するという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、インクジェット法により高分子系材料で膜形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することが可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造方法で製造された電気光学装置、電気光学装置を搭載した電子機器、および液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、インクジェット法により、基板上に高分子系材料の膜を形成する膜形成工程を有する電気光学装置の製造方法において、前記基板上に、前記高分子系材料の原料であるモノマーと、その重合開始剤もしくは重合触媒とを印字し、当該基板上で重合反応を行わせて前記高分子系材料の膜を形成することを特徴とする。
これにより、低粘度であるモノマーと、重合開始剤とを別々に印字して高分子系材料の膜を形成することができ、インクジェット法を使用した場合のその吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することができる。この結果、インクジェット法により高分子系材料で膜形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することが可能な電気光学装置の製造方法を提供できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記基板上に、前記重合開始剤を印字した後、当該印字された重合開始剤上に前記モノマーを印字することが望ましい。これにより、モノマーが乾燥するのを防止できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電気光学装置は、有機エレクトロルミネッセンス装置であり、前記膜形成工程は、正孔注入/輸送層を形成する工程であることが望ましい。これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置の正孔注入/輸送層を形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記電気光学装置は、有機TFT表示装置であり、膜形成工程は、有機TFT電極を形成する工程であることが望ましい。これにより、
有機TFT表示装置の有機TFT電極を形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電気光学装置は、本発明の電気光学装置の製造方法を使用して製造されることが望ましい。これにより、高精度かつ製造コストの安い電気光学装置を提供することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電子機器は、本発明の電気光学装置を搭載することが望ましい。これにより、高精度かつ製造コストの安い電気光学装置を搭載した電子機器を提供することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させて基板上に膜形成を行う液滴吐出装置において、基板上に、高分子系材料の原料であるモノマーと、その重合開始剤もしくは重合触媒とを印字し、当該基板上で重合反応を行わせて前記高分子系材料の膜を形成することが望ましい。これにより、液滴吐出装置で高分子系材料の膜形成を行う場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の実施例においては、有機エレクトロルミネッセンス装置および有機TFT表示装置を例示して説明するが、本発明にかかる電気光学装置はこれに限定されるものではない。
[インクジェット装置の構成]
図1は、本発明に係る液滴吐出装置であるインクジェット装置10の全体構成を示す概略斜視図である。インクジェット装置10は、図1に示すように、基板100の表面に例えば、有機EL材料等の塗布液(インク組成物)11を吐出する液滴吐出ヘッド12を有する液滴吐出手段13と、液滴吐出ヘッド12と基板100との位置を相対的に移動させる移動手段14と、液滴吐出手段13および移動手段14を制御する制御手段15とを具備してなるものである。
移動手段14は、基板ステージ16上に載置された基板100の上方に、液滴吐出ヘッド12を下方側に向けて支持すると共に移動自在のステージ18によりX軸方向に移動自在のヘッド支持部17と、上方の液滴吐出ヘッド12に対して基板ステージ16と共に基板をY軸方向に移動させるステージ駆動部19とから構成されている。
ヘッド支持部17は、液滴吐出ヘッド12を基板100に対してその鉛直軸方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能且つ位置決め可能な例えばリニアモータ等の機構と、鉛直軸を中心に液滴吐出ヘッド12を回転させることによって下方の基板100に対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えたものである。
ステージ駆動部19は、鉛直軸を中心に基板ステージ16を回転させて上方の液滴吐出ヘッド12に対して任意な角度に設定可能なθ軸ステージ20と、基板ステージ16とを液滴吐出ヘッド12に対して水平方向(Y方向)に移動させ且つ位置決めするステージ21とを備えている。なお、θ軸ステージ20は、ステッピングモータ等から構成され、ステージ21はリニアモータ等から構成されている。
吐出手段13は、液滴吐出ヘッド12とこれにチューブ22を介して接続されたタンク23とを備えている。タンク23は塗布液11を貯留し、チューブ22を介してこの塗布液11を液滴吐出ヘッド12に供給するものとなっている。塗布液11としては、有機EL材料を用いることができる。このような構成によって液滴吐出手段13は、タンク23に貯留された塗布液11を液滴吐出ヘッド12から吐出し、これを基板100上に塗布するようにしている。液滴吐出ヘッド12は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮し、その圧力で液滴(液状材料)を吐出させるものであり、一列又は複数列に配列された複数のノズル(ノズル孔)を有している。
図2は、液滴吐出ヘッド12の分解斜視図、図3は、液滴吐出ヘッド12の断面図である。図2および図3に示すように、液滴吐出ヘッド12は、例えばステンレス製のノズルプレート31と振動版32とを備え、仕切り部材(リザーバプレート)33を介して両者を接合したものである。ノズルプレート33と振動板32との間には、仕切り部材によって複数の空間34と液溜まり35とが形成されている。各空間34と液溜まり35の内部は塗布液12(図示せず)で満たされており、各空間34と液溜まり35とは供給口36を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート31には、各空間34から液状材料11を噴射するための微小孔のノズル37が形成されている。一方、振動板32には、液溜まり35に塗布液11を供給するための孔37aが形成されている。
振動板32の空間に対向する面と反対側の面上には、図2および図3に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)38が接合されている。この圧電素子38は、図3に示すように一対の電極39,39の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するように撓曲するようになっている。そして、このような構成のもとに圧電素子38が接合されている振動板32は、圧電素子38と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間34の内部容積が増大するようになっている。したがって、空間34内に増大した容積分に相当する液状材料が液溜まり35から供給口36を介して流入する。また、このような状態から圧電素子38への通電を解除すると、圧電素子38と振動板13とは共に元の形状に戻る。したがって、空間34も元の容積に戻ることから、空間内部の塗布液11の圧力が上昇し、ノズル37から基板100に向けて塗布液11の噴霧状液滴が吐出される。
なお、液滴吐出ヘッド12の方式としては、上述したような圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、超音波モータ,リニアモータ等により、振動を付与し、またはタンク内に圧力を印加することにより、上記微小穴から塗布液11である液晶を射出させるようにしてもよい。
上記制御手段15は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータ等によって構成されたものであり、図1に示したように、液滴吐出手段13および移動手段14にそれぞれ電気的に接続されたことにより、液滴吐出手段13による吐出動作、および移動手段14による移動動作の少なくとも一方、本実施の形態では両方を制御するものとなっている。そして、このような構成により、液状吐出液の吐出条件を調整し、形成する薄膜の塗布量を制御するようにしている。
すなわち、制御手段15は、上記塗布量を制御する機能として、基板に対する液状吐出液の吐出間隔を調整する制御機能と、1ドットあたりの塗布液11の吐出量を調整する制御機能と、ノズルの配列方向と移動機構による移動方向との角度(θ)を調整する制御手段と、基板上を複数の領域に分けて各領域に吐出条件を設置する制御機能とを備えている。
さらに、制御手段15は、上記吐出間隔を調整する制御機構として、基板100と液滴吐出ヘッド12との相対的な移動の速度を調整して吐出間隔を調整する制御機能と、移動手段における吐出の時間間隔を調整して吐出間隔を調整する制御機能と、複数のノズルのうち同時に塗布液を吐出させるノズルを任意に設定して吐出間隔を調整する機能とを備えている。上記構成に代えて、液滴吐出ヘッド12にX軸、Y軸に移動する手段を持たせてもよいし、ステージ16,20又は21にX軸、Y軸、Z軸に移動する手段を持たせてもよい。
[有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法]
次に、本実施例の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を図4を参照して説明する。本実施例の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、(1)隔壁形成工程と、(2)プラズマ処理工程と、(3)正孔注入/輸送層形成工程と、(4)表面改質工程と、(5)発光層形成工程と、(6)陰極形成工程と、(7)封止工程とから構成される。
(1)隔壁生成工程
図4−1に示すように、隔壁形成工程では、必要に応じてTFT等(図示せず)が予め設けられている基板100に形成されたITO等からなる透明電極11上に、無機物バンク層12aと有機物バンク層12bを順次積層することにより、各画素領域を隔てるバンク層(隔壁)12を形成する。
無機物バンク層102aは、例えばCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって基板100および透明電極11の全面にSiO2、TiO2、SiN等の無機物膜を形成し、次にこの無機物膜をエッチング等によりパターニングして、透明電極101上の画素領域に開口部103aを設けることにより形成する。ただし、このとき、無機物バンク層102aを透明電極101の周縁部まで残しておくものとする。また、無機物バンク層102aの膜厚は50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。
次に、基板100、透明電極101、無機物バンク層102aの全面に、有機物バンク層102bを形成する。また、有機物バンク層102bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂を溶媒に溶かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して形成する。そして、有機物バンク層102bをフォトリソグラフィ技術等によりエッチングして開口部103bを設ける。この有機物バンク層102bの開口部103bは、図1に示すように、無機物バンク層102aの開口部103aよりやや広く形成することが好ましい。これにより、透明電極101上に、無機物バンク層102aおよび有機物バンク層102bを貫通する開口部103が形成される。なお、開口部103の平面形状は、円形、楕円、四角、ストライプいずれの形状でも構わないが、インク組成物には表面張力があるため、四角形等の場合には、角部に丸みを持たせる方が好ましい。
(2)プラズマ処理工程
次にプラズマ処理工程では、バンク部102の表面に、親インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、全面を親インク性にする親インク化工程と、有機物バンク層102bを撥インク性にする撥インク化工程と、冷却工程とに大別される。
予備加熱工程では、バンク部102を含む基板100を所定の温度まで加熱する。加熱は、例えばプラズマ処理室内にて基板100を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと基板100を、例えば70〜80℃に加熱することにより行う。予備加熱を行うことにより、多数の基板にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほぼ一定にすることができる。これにより、基板100間のバンク部102のインク組成物に対する親和性を均一化することができ、一定の品質を有する表示装置を製造することができる。また、基板100を予め予備加熱しておくことで、後のプラズマ処理における処理時間を短縮することができる。
親インク化工程では、大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部102を含む基板100は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態の酸素が照射される。O2プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜100cc/min、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。このO2プラズマ処理により、透明電極101および無機物バンク層102aの露出面、並びに有機物バンク層102bの全面に水酸基が導入されて親インク性が付与される。
つぎに、撥インク化工程では、大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部12を含む基板100は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射される。CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800kW、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)ガス流量50〜100SCCM、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。なお、試料ステージによる加熱は、上記プラズマ処理室の場合と同様に、主として予備加熱された基板100の保温のために行われる。なお、処理ガスは、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。CF4プラズマ処理により、先の工程で親インク性が付与された有機物バンク層にフッ素基が導入されて撥インク性が付与される。有機物バンク層102bを構成するアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機物は、プラズマ状態のフルオロカーボンを照射することで容易に水酸基がフッ素基で置換され、撥インク化させることができるものである。一方、透明電極101および無機物バンク層102aの露出面もこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、親和性に影響を与えることはない。
次に冷却工程として、プラズマ処理のために加熱された基板100を室温まで冷却する。具体的には、例えば、プラズマ処理後の基板100を、水冷プレート上に載置して冷却する。プラズマ処理後の基板100を室温、または所定の温度(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程を一定の温度で行うことができる。これにより、インクジェット法で正孔注入/輸送層材料を含むインク組成物を吐出させる際に、インク滴を一定の容積で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送層を均一に形成することができる。
上記のプラズマ処理工程では、材質が異なる有機物バンク層102bおよび無機物バンク層102aに対して、O2プラズマ処理とCF4プラズマ処理とを順次行うことにより、バンク部102に親インク性の領域と撥インク性の領域を容易に設けることができる。
(3)正孔注入/輸送層形成工程
次に、正孔注入/輸送層形成工程では、正孔注入/輸送層材料として高分子系材料を使用し、その原料であるモノマーと、その重合触媒(重合開始剤)とを基板100上に印字し、当該基板100上で重合反応を行わせて、正孔注入/輸送層を形成する。正孔注入/輸送層材料としては、PEDT(poly(3,4-ethylendioxy-thiophene[化1])を使用し、そのモノマーとしてEDT(3,4-ethylendioxy-thiophene[化2])を使用する。EDTに対して、重合触媒は6〜20wt%であることが好ましい。EDTは低粘度であるので、液滴吐出ヘッド12での印字が容易であり、また、溶媒で希釈しなくても良いため、溶媒使用量を低減することができる。
Figure 2005100894
Figure 2005100894
具体的には、まず、図4−2に示すように、インクジェット装置1の液滴吐出ヘッド12に、正孔注入/輸送層材料PEDTのモノマーEDTを重合させるめの重合触媒(p−トルエンスルホン酸鉄塩)のNブタール溶液105aを充填し、液滴吐出ヘッド12のノズル37を開口部103に対向させ、液滴吐出ヘッド12と基板100とを相対移動させながら、液滴吐出ヘッド12から1滴当たりの液量が制御された重合触媒の溶液をインク組成物105aとして透明電極101上に吐出する。
つぎに、図4−3に示すように、インクジェット装置10の液滴吐出ヘッド12に、正孔注入/輸送層材料の原料EDTを充填し、液滴吐出ヘッド12のノズル37を開口部103に対向させ、液滴吐出ヘッド12と基板100とを相対移動させながら、液滴吐出ヘッド12から1滴当たりの液量が制御されたEDTをインク組成物105bとして、透明電極101上に吐出されたインク組成物(重合触媒の溶液)105aの上に重ねて吐出する。これにより、EDTは、常温・常圧で酸化重合が進行し、一定時間放置すると、PEDT膜15が形成される。
ここで用いる正孔注入/輸送層材料のモノマーとしては、EDTのようなチオフェン誘導体以外に、ピロール誘導体、アニリン誘導体等の酸化重合するモノマーを使用することができる。ここで目的としているポリマーは誘導性高分子である。また、重合触媒としては、p−トルエンスルホン酸鉄の他に、p−トルエンスルホン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸、ポリ(4−スチレンスルホン酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸金属塩)、塩化鉄FeCl3、Fe(Cl43:有機酸および有機基を含む無機酸の第二鉄塩、さらに、H22、K2Cr27、アルカリ金属塩酸塩、過硫酸アンモニウム、アルカリ金属過ホウ酸塩、過マンガン酸カリウム等を使用することができる。また、これらの溶媒としては、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスソルアミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)およびその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類、水等を挙げることができる。
尚、インク組成物105a、105bの粘度は2〜20Ps程度が好ましく、特に7〜10cPs程度がより好ましい。かかる粘度とすることにより、液滴吐出ヘッド12のノズル37に詰まりが生じることがなく安定吐出できる。また、インク組成物105a(EDT)、105b(重合触媒)を複数回印字することにしても良い。この場合、各回におけるインク組成物105a、105bの量は同一でも良く、各回毎にインク量を変えても良い。また、モノマーを溶媒で希釈させて印字することにしても良い。重合触媒とEDT(モノマー)の印字順序を逆にして、EDT(モノマー)を透明電極101上に印字した後に、重合触媒の溶液を印字することにしても良い。重合触媒を印字した後に、モノマーを印字する場合には、重合触媒が再溶解する溶媒でモノマーを希釈するのが好ましい。また、PEDTを成膜後、触媒や未反応のモノマーを除去するために、水や触媒の溶媒等で洗浄(リンス)しても良い。また、正孔注入/輸送層106の材料は、R・G・Bの各発光層に対して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても良い。インク組成物105a、105bの吐出量は、開口部103の大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、インク組成物中105a、105bの正孔注入/輸送層材料の濃度等により決定される。
次に、図4−5に示すように、重合後のPEDT膜105を乾燥処理してPEDT膜15に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層106を形成する。この乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度にして行う。乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層106内に残存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
上記の正孔注入/輸送層形成工程では、吐出されたインク組成物105a、105bが、親インク性の透明電極101および無機物バンク層102aの露出面部になじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層102bにはほとんど付着しないので、インク組成物105a、105bが有機物バンク層102bの上に誤って吐出された場合でも、インク組成物105a、105bがはじかれて透明電極101および無機物バンク層102aの露出面部に転がり込む。これにより、透明電極101上に正孔注入/輸送層106を確実に形成することができる。
(4)表面改質工程
次に、発光層形成工程に先立ち表面改質工程を行う。すなわち、発光層形成工程では、正孔注入/輸送層106の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いるインク組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層106に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしその一方で正孔注入/輸送層106は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む発光層のインク組成物を正孔注入/輸送層106上に吐出しても、正孔注入/輸送層106によりインク組成物がはじかれ、正孔注入/輸送層106と発光層とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層を均一に塗布できないおそれがある。そこで、非極性溶媒に対する正孔注入/輸送層16の表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
表面改質工程は、発光層形成の際に用いるインク組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質用溶媒を、インクジェット法、スピンコート法またはディップ法により正孔注入/輸送層106上に塗布した後に乾燥することにより行う。インクジェット法による塗布は、液滴吐出ヘッド12に表面改質用溶媒を充填し、液滴吐出ヘッド12のノズル37を正孔注入/輸送層106に対向させ、液滴吐出ヘッド12と基板100とを相対移動させながら、表面改質用溶媒を正孔注入/輸送層106上に吐出することにより行う。また、スピンコート法による塗布は、基板100を例えば回転ステージ上に載せ、上方から表面改質用溶媒を基板100上に滴下した後、基板100を回転させて表面改質用溶媒を基板100上の正孔注入/輸送層106の全体に広げることにより行う。なお、表面改質用溶媒は撥インク処理された有機物バンク層102b上にも一時的に広がるが、回転による遠心力で飛ばされてしまい、正孔注入/輸送層106上のみに塗布される。更にディップ法による塗布は、基板100を例えば表面改質用溶媒に浸積させた後に引き上げて、表面改質用溶媒を正孔注入/輸送層106の全体に広げることにより行う。この場合も表面改質用溶媒が撥インク処理された有機物バンク層102b上に一時的に広がるが、引き上げの際に表面改質用溶媒が有機物バンク層102bからはじかれて正孔注入/輸送層106のみに塗布される。
ここで用いる表面改質用溶媒としては、インク組成物の非極性溶媒と同一なものとして例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を例示でき、インク組成物の非極性溶媒に類するものとして例えば、トルエン、キシレン等を例示できる。特に、インクジェット法により塗布する場合には、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物、特にインク組成物と同じ溶媒混合物等を用いることが好ましく、スピンコート法またはディップ法による場合は、トルエン、キシレン等が好ましい。
乾燥は、インクジェット法で塗布した場合はホットプレート上に基板100を載せて200℃以下の温度で加熱して表面改質用溶媒を乾燥させることが好ましく、スピンコート法またはディップ法による場合は、基板100に窒素を吹き付けるか、あるいは基板を回転させて基板100表面に気流を発生させることで乾燥させることが好ましい。
尚、表面改質用溶媒の塗布を、正孔注入/輸送層形成工程の乾燥処理の後に行い、塗布後の表面改質用溶媒を乾燥させた後に、正孔注入/輸送層形成工程の熱処理を行っても良い。このような表面改質工程を行うことで、正孔注入/輸送層106の表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層材料を含むインク組成物を正孔注入/輸送層16に均一に塗布することができる。
尚、上記の表面改質用溶媒に、正孔輸送層材料として一般に用いられるアリールアミン系化合物等を溶解してインク組成物とし、このインク組成物をインクジェット法により正孔注入/輸送層上に塗布して乾燥させることにより、正孔注入/輸送層上に極薄の正孔輸送層を形成しても良い。正孔輸送層の大部分は、後の工程で塗布する発光層に溶け込むが、一部が正孔注入/輸送層106と発光層の間に薄膜状に残存し、これにより正孔注入/輸送層16と発光層との間のエネルギー障壁を下げて正孔の移動を容易にし、発光効率を向上させることができる。
(5)発光層形成工程
次に発光層形成工程では、インクジェット法により、有機エレクトロルミネッセンス材料等の溶質成分と溶媒とからなるインク組成物107a、107b、107c(107cは図示を省略)を、後述する順番に従って、表面改質後の正孔注入/輸送層106上に吐出した後に乾燥処理および熱処理して、発光層108a、108b、108cを順次形成する。
有機エレクトロルミネッセンス材料としては、フルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料等も用いることができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等を用いることができる。
非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層106に対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層のインク組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層16を再溶解させることなくインク組成物を塗布できる。なお、溶質成分としては、有機エレクトロルミネッセンス材料の他に、バインダー、界面活性剤、粘度調整剤等が適宜含まれていても差し支えない。
図4−6に示すように、液滴吐出ヘッド12に、インク組成物107aを充填し、液滴吐出ヘッド12の吐出ノズルを正孔注入/輸送層106に対向させ、液滴吐出ヘッド12と基板100とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴として吐出し、インク組成物107aを正孔注入/輸送層106上に吐出する。この場合、吐出されたインク組成物107aは、正孔注入/輸送層106上に広がってなじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層102bにはほとんど付着しないので、インク組成物107aが有機物バンク層102bの上に誤って吐出された場合でも、インク組成物107aがはじかれて正孔注入/輸送層106上に転がり込む。これにより、正孔注入/輸送層106に密着してインク組成物107aの層を形成することができる。
インク組成物107aの量は、形成しようとする発光層108aの厚さ、インク組成物中の発光層材料の濃度等により決定される。また、インク組成物107aの滴下は1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層106上に吐出しても良い。この場合、各回におけるインク滴の量は同一でも良く、各回毎にインク量を変えても良い。更に正孔注入/輸送層106の同一箇所のみならず、各回毎に正孔注入/輸送層106内の異なる箇所にインク滴を吐出しても良い。
次に、吐出後のインク組成物107aを乾燥処理することによりインク組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させて、図4−7に示すような発光層108aが形成される。乾燥条件は、例えば、窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜10分行う条件としたり、40℃で窒素の吹き付けを5〜10分行う条件としたりすることができる。その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。
続けて、図4−8に示すように、インク組成物107aの場合と同様にして、インク組成物107bを滴下、乾燥して発光層108bを形成し、最後にインク組成物107cを滴下、乾燥して、発光層108cを形成し、図4−9に示すように、3種類の発光層108a、108b、108cが形成された基板とする。
(6)陰極形成工程
次に陰極形成工程では、発光層108a、108b、108cおよび有機物バンク層102bの全面に、陰極109を形成する。陰極109は、複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料で形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiFを薄く形成した方がよい場合もある。また、上部側(封止側)には下部側(発光層側)の陰極層よりも仕事関数が高いものが好ましく、例えばAl膜、Ag膜、Mg/Ag積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。これらの陰極(陰極層)は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層108a、108b、108cの熱による損傷を防止できる点で好ましい。また、フッ化リチウムは、発光層108a、108b、108c上のみに形成しても良く、特定の何れかの発光層上のみに形成しても良い。この場合、他の発光層には、カルシウムからなる陰極が接することとなる。また反射層上に、酸化防止のためにSiO、SiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
(7)封止工程
最後に封止工程では、陰極109上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層200を形成する。さらに、封止層200上に封止用基板(図示せず)を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、反射層にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極109に侵入して陰極109が酸化されるおそれがあるので好ましくない。このようにして、図4−10に示すような有機エレクトロルミネッセンス装置が得られる。
本実施例によれば、基板100に、正孔注入/輸送層16を形成する場合に、高分子系材料(PEDT)の原料であるモノマー(EDT)と、その重合開始剤もしくは重合触媒とを印字し、当該基板100上で重合反応を行わせて高分子系材料(PEDT)の膜を形成することとしたので、低粘度であるモノマーと、重合開始剤とを別々に印字して高分子系材料の膜を形成することができ、インクジェット法を使用した場合のその吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することができる。この結果、インクジェット法により高分子系材料で膜形成する場合に、その吐出安定性を確保でき、かつ、使用する溶剤量を削減することが可能な電気光学装置の製造方法を提供できる。また、本実施例によれば、基板10上に、重合開始剤もしくは重合触媒を印字した後、当該印字された重合開始剤もしくは重合触媒上にモノマー(EDT)を印字することとしたので、モノマーが乾燥するのを防止できる。
[有機TFT表示装置の製造方法]
次に、有機TFT表示装置の有機TET電極を本発明の製造方法で形成する場合を説明する。図5は、実施例にかかる有機TFT表示装置の断面構造を示す図である。同図において、100は基板、201は基板100上に形成されたITO等による画素電極、202はソースライン、203は絶縁膜、204aはソース電極、204bはドレイン電極、205はゲート電極、206はゲート電極205等のTFT部分を保護するために保護フィルム、207は孔、208は半導体層、209は絶縁膜、210は電気泳動インクが封入されたマイクロカプセルである。
ソース電極204a、ドレイン電極204b、およびゲート電極205は、上述した有機エレクトロルミネッセンス装置の正孔注入/輸送層形成工程と同様な方法で形成することができる。具体的には、インクジェット装置10の液滴吐出ヘッド12からPEDTの原料EDTを重合させるための重合触媒(p−トルエンスルホン酸鉄塩)のNブタール溶液を吐出した後に、EDTを重ねて印字した後、一定時間放置してEDTを重合させてPEDT膜を形成して、ソース電極204a、ドレイン電極204b、およびゲート電極205を形成することができる。
上記構成の有機TFT表示装置では、ゲート電極205に電圧を与えることにより、半導体層205にチャネルが形成されてトランジスタがオン状態になる。これにより、ソース電極204aとドレイン電極204bとの間が導通し、画素電極201と図示せぬ透明電極との間に所定電圧が印加される。この電圧印加により、孔207内の電気泳動インクが電気分極状態となり、所望の表示がなされる。
(電気光学装置への適用)
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記有機ELエレクトロルミネッセンス装置や有機TFT表示装置の他、各種の電気光学装置の製造に用いることができ、例えば、液晶表示装置、有機TFT表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、電子ペーパー装置等に広く適用することができる。
(電子機器への適用)
次に、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器の具体例について図6を参照して説明する。図6−1は、本発明に係る電気光学装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ300は、キーボード301を備えた本体部302と、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部303とを備えている。図6−2は、本発明に係る電気光学装置を携帯電話機400の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機400は、複数の操作ボタン401のほか、受話口402、送話口403とともに、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部404を備えている。
本発明に係る電気光学装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、電気光学装置に搭載されるプラスチックフィルム基板に製膜する場合に広く利用可能である。また、本発明に係る電気光学装置は、有機ELエレクトロルミネッセンス、液晶表示装置、有機TFT表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、および電子ペーパー装置の電気光学装置に広く利用可能である。また、本発明に係る電子機器は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く利用することができる。
実施例に係る液滴吐出装置の全体構成を示す概略斜視図。 実施例に係る液滴吐出ヘッド分解斜視図。 実施例に係る液滴吐出ヘッドの断面図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係るEL基板の製造工程を説明するための説明図。 実施例にかかる有機TFT表示装置の断面構造を示す図。 実施例に係る電気光学装置を備えたパソコンの斜視図。 実施例に係る電気光学装置を備えた携帯電話機の斜視図。
符号の説明
10 インクジェット装置、11 塗布液、12 液滴吐出ヘッド、13 液滴吐出手段、14 移動手段、15 制御手段、16 基板ステージ、17 ヘッド支持部 18 ステージ、19 ステージ駆動部、20 θ軸ステージ、21 ステージ、22 チューブ、23 タンク、31 ノズルプレート、32 振動版、33 仕切り部材(リザーバプレート)、34 空間、35 液溜まり、36 供給口、37 ノズル、37a ノズル孔、38 圧電素子(ピエゾ素子)、39 電極、100 基板、101 透明電極、102 バンク部(隔壁)、102a 無機物バンク層、102b 有機物バンク層、103,103a、103b 開口部、105a、105b インク組成物、105 PEDT膜、106 正孔注入/輸送層、107a、107b、107c インク組成物、108a、108b、108c 発光層、109 陰極、200 封止層、201 画素電極、202 ソースライン、203 絶縁膜、204a ソース電極、204b ドレイン電極、205 ゲート電極、206 保護フィルム、207 孔、208 半導体層、209 絶縁膜、210 マイクロカプセル、300 パーソナルコンピュータ、301 キーボード、302 本体部、303 表示部、400 携帯電話機、401 操作ボタン、402 受話口、403 送話口、404 表示部

Claims (7)

  1. インクジェット法により、基板上に高分子系材料の膜を形成する膜形成工程を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記基板上に、前記高分子系材料の原料であるモノマーと、その重合開始剤もしくは重合触媒とを印字し、当該基板上で重合反応を行わせて前記高分子系材料の膜を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 前記基板上に、前記重合開始剤もしくは重合触媒を印字した後、当該印字された重合開始剤上に前記モノマーを印字することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 前記電気光学装置は、有機エレクトロルミネッセンス装置であり、
    前記膜形成工程は、正孔注入/輸送層を形成する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記電気光学装置は、有機TFT表示装置であり、
    前記膜形成工程は、有機TFT電極を形成する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法を使用して製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項5に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
  7. 液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させて基板上に膜形成を行う液滴吐出装置において、
    基板上に、高分子系材料の原料であるモノマーと、その重合開始剤もしくは重合触媒とを印字し、当該基板上で重合反応を行わせて前記高分子系材料の膜を形成することを特徴とする液滴吐出装置。




















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