JP2005100870A - イオン発生量制御方法及びイオナイザー - Google Patents

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Abstract

【課題】 正負イオン量の発生を制御し、吹き付け点付近でもイオンバランスがとれるようにする。
【解決手段】 コロナ放電により放電電極が発生する正及び/又は負イオンが送風される方向に、少なくとも2つのイオンセンサーを設け、前記2つのイオンセンサーに誘起される電圧値、又は電流値である情報の差分値を求め、ここで得られた差分値により前記放電電極に印加する電圧、あるいは直流電圧のパルス幅、又は印加周期を制御し、イオンの発生量を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電気除去装置等に用いられるイオナイザーに関し、特に温度、湿度により影響される除電対象物周囲の正負のイオンバランスを調節し、帯電している除電対象物の電位を限りなく低くすることができるように、送風する正負イオンの発生量を制御するイオン発生量制御方法、及びこの制御方法を用いたイオナイザーに関する。
静電気放電(ESD,electrostatic discharge)は、精密電子デバイスの製造工程や実装工程において、様々な障害の原因となる。半導体回路の微細化に伴って、許容される帯電量が微小化し、僅かな帯電でも、ESDによってシリコンの回路や酸化物の絶縁層が破壊される。また、帯電によって塵埃の付着が促進されることも問題である。半導体回路の高集積化には、帯電防止対策が不可欠であり、一般には放電装置によって発生した正、負イオンを気体ジェットにより除電対象物に吹き付けて、電荷を中和するという方法がとられている。このような装置は除電装置又は除電用イオナイザー(以下、イオナイザーという。)と呼ばれる。
かかるイオナイザーは、放電電極に高電圧を印加し、先端部に局在したコロナ放電を発生させるものが多い。これらのイオナイザーは、正負の両極性のイオンを発生させるため、放電電極に交流電圧を印加するもの、複数の電極のそれぞれに正又は負の直流電圧を印加するもの、同一の放電電極にパルス状の正負の電圧を交互に印加するもの等種々の形式がある。いずれの場合にも、イオナイザーが吹き付ける正負イオンの量にアンバランスがあると、一旦除電されてたとしても、また過剰なイオンにより帯電されてしまうという問題がある。そのため、イオナイザーのイオンバランスを確保する手段や除電対象物の電荷の中性を確保する手段については、従来から種々の提案がなされてきた。
例えば、放電電極近傍の空間内に、電流計を介して接地された電流検出電極を配置し、この電流検出電極を流れる正負の電流値によって、放電電極近傍の気体中の正負イオンのアンバランスを検知して、正負いずれか又は双方の放電電圧(あるいは放電時間)を調整する方法が多数提案されている(下記特許文献1など)。
また、交流式イオナイザーの場合に、イオン化された空気の流れの中に、振動型表面電位センサを配置し、この表面電位センサの帯電電位の検出値が所定の範囲に収まるように、対極(放電電極からコロナ放電が行われる対極)に印加する直流電圧を制御してイオンバランスを確保する方法が提案されている(特許文献2)。
さらに、被除電物の表面電位を連続的に測定する表面電位計と、この表面電位に応じて放電電極への印加電圧を演算する演算処理手段を備え、表面電位計の測定結果をフィードバックして放電電圧を制御する方法が提案されている(特許文献3)。
特開平3−266398号公報 特開平6−203993号公報 特開平11−345697号公報
近年、電子デバイスの超微細化や多様化は、とどまるところを知らず進んでおり、これに伴って、帯電防止に対する要求もますますシビアになっている。そのため、正負イオンを含む気流を吹き付けて除電する場合に、吹き付け点付近での正負イオンのアンバランスによる残留電位をできるだけ小さくする必要があり、イオナイザーのイオンバランスの制御精度に対する要求水準もますます高くなっている。
前述したような従来のイオンバランスの制御方法は、いずれも一長一短あって、上記のような高度なイオンバランス制御の要請に十分応えるものとは言いがたい。例えば、前記特許文献1のような方法では、電流検出電極付近(したがって放電電極付近)でのイオンバランスがとれていたとしても、このイオンを気流に乗せて除電対象物に吹き付けるまでに、正負イオン量それぞれの減少があり、吹き付け点付近でもイオンバランスがとれているという保証はない。
本発明者らの知見によれば、正と負のイオン量の減少が必ずしも同じ割合で起こるとは言えず、いずれか一方のイオン量の減少が先行することがあり、雰囲気の温度や湿度等によって複雑に変化する。したがって、上述にような方法では、放電電極付近のイオンバランスを精度よく制御しても、除電対象物には許容範囲を超えるような正又は負の電位が残留することが起こりうる。また、特許文献2のような方法の場合も同様であって、空気流中に配置した表面電位センサの位置におけるイオンバランスの制御は可能であっても、除電対象物の残留電位を許容範囲以内にし得るという保証はない。
一方、前記特許文献3のような方法は、除電対象物の表面電位を測定するという点では、より直接的な制御方法と言える。しかし、種種の形態の除電対象物を処理する場合には、その表面電位を測定することが困難な場合が少なくない。また、除電対象物が大きかったり、複数の対象物を同時に除電処理するような場合に、対象物の表面電位はその部位によって大きく異なることがあり、どのようにして表面電位の平均値を求めて制御を行なうかが課題となる。
そこで本発明は、コロナ放電により発生した正負のイオンを気流により除電対象物に吹き付けて、その除電を行なうイオナイザーにおいて、生成した正負イオン量の減少に対する温度や湿度等の雰囲気条件の影響を把握しつつ、除電対象物の電位が最小となるように、放電電極と除電対象物との間に少なくとも2つのイオンセンサーを設け、これらのセンサーから得られる情報に基づいて、正負イオンの発生量を制御する方法を提供することを目的とする。また、これにより除電対象物の残留電位を所定の範囲内に収める装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、放電電極が発生する正及び/又は負イオンが送風される方向に、少なくとも2つのイオンセンサーを設け、前記少なくとも2つのイオンセンサーから得られる差分情報により前記放電電極に印加する電圧を制御し、イオンの発生量を制御するものである。
前記少なくとも2つのイオンセンサーは、所定の間隔離なれて前記送風方向にほぼ直角で略水平に設けられた棒状の導電体であることは好適である。このセンサーには、放電電極から送付されるイオンにより帯電し、これにより電流が流れることにより電圧が誘起される。各イオンセンサーから得られる電圧値や電流値の差分を差分情報として取り出し、この差分値により放電電極に印加する電圧を制御することにより、放電電極が発生する正負のイオン発生量を制御するものである。
本発明のイオナイザーは、正及び/又は負イオンを発生する放電電極を含む放電手段と、該放電手段により発生する正及び/又は負イオンの量を制御するイオン発生量制御手段と、前記放電手段により発生したイオンを気流により搬送する送風手段と、前記放電電極からの距離が互いに異なる位置に配置された少なくとも2つのイオンセンサーと、前記少なくとも2つのイオンセンサーから得られる差分情報に基づいて、前記イオン発生量制御手段を調節する制御値を生成する制御値生成手段とを備える。
上記のイオナイザーにおいては、少なくとも2つのイオンセンサーを、前記送風手段による気流の流れ方向に所定の距離離れた位置に配置する。これらのイオンセンサーから得られる電圧値、又は電流値の差分値に基づいて、前記イオン発生量制御手段を制御することが好ましい。また、このイオナイザーにおいては、複数の前記イオンセンサーが、前記気流のおおよそ同一流線上に配置されていることが好ましい。イオンセンサーから得られる電圧値、又は電流値は、イオンセンサー周辺の正負のイオン量に換算することができる。
本発明は上記のように構成されているため、気流の下流側の任意の位置における気流中の正負のイオン量を略同じになるように制御することができる。このことにより、除電対象物に正負電荷のアンバランスが生じるのを確実に防止することができる。すなわち、放電電極近傍又は気流中の1箇所のみのイオンバランスを検出する従来の制御方法では、測定箇所のイオンバランスは制御することができても、気流の流れ過程で正負のイオンの減少速度に差が生じるため、除電対象物の位置での正負のイオン量がアンバランスになることがある。
これに対して本発明によれば、複数のイオンセンサーにより気流の流れ過程での正負イオンの減少速度の偏りに対応する情報が得られるので、複数のイオンセンサーの測定値を外挿して、除電対象物の位置でのイオンバランスを推定することができ、この位置での正負イオン量が同程度になるように、放電電極での正負イオンの発生量の制御することにより、従来よりも大幅に高い精度で、除電対象物の残留電位をゼロに近づけることができる。
本発明によれば、温度や湿度等の雰囲気条件により変化する、1)放電電極で発生する正負イオン量、2)除電対象物に到達するまでの正負イオン量の減少量、を勘案し、除電対象物に吹き付ける正負イオン量を、除電対象物の電位が最小となるように正負のイオン発生量を制御できる。本発明により、雰囲気条件にかかわらず、安定して除電対象物の電位をゼロレベルに近づけることが可能になった。
以下、実施例に基づいて本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施例であるイオナイザーの断面概要図である。このイオナイザーは、紙面と直角な方向に並列に配置された多数の電極によりコロナ放電させ、除電対象物に正負イオンを含む空気気流を吹き付けるものである。図1は矩形のイオナイザー本体の中央付近の垂直断面図を示している。この装置は、イオナイザー本体1、イオンセンサー2及び図示していない電源回路や制御回路等から構成されている。イオナイザー本体1は、放電電極3、対極であるグリッド4、空気流を形成する送風ファン5、フィルター6及び気流流路を形成するダクト7などからなっている。
図2は、イオナイザー本体およびイオンセンサーの構成を分解して示した説明図である。針状の放電電極3は、絶縁材料からなる電極取付け部材8に、水平方向に略等間隔で多数取り付けられている。本実施例のイオナイザーは、放電電極3に交流高電圧を印加するもので、トランス9の二次側の一端が絶縁部材8の中心を導通する導線10を介して各放電電極3に連結されている。トランス9の一次側には商用周波数の交流電力が供給されている。
一般に交流コロナ放電では、正負のイオン発生量に偏りが生じることが多いので、交流に直流のバイアス電圧を加えて、この偏りを修正する手法がとられる。本実施例では、対極であるグリッド4は接地されており、トランス8の二次側の他方の(放電電極に連結されていない側の)端子は、直流バイアス電源11を介して接地されている。この直流バイアス電源11の電圧を可変にすることにより、放電電極3に印加される交流電圧のアース電位に対する正負のレベルを可変にすることができ、これにより正負のイオン発生量を調節することができる。
このイオナイザーにおいては、ダクト7の全幅に亘って風量を均一にするために、横長なラインフローファンが用いられている。すなわち、送風ファン5は、水平回転軸にダクト7のほぼ全幅に亘る長さの旋回羽根が取り付けられてなるもので、空気の吹き出し口もダクトの全幅に形成されており、ダクト7内の風速の偏りを極力低減するよう構成されている。また、送風ファン5の空気吸入口には、フィルター6が配設されており、除電を行なう空気流を清浄化している。さらに、ダクト7はコロナ放電により帯電することのないように、導電性材料からなり、かつ接地されている。
2個のイオンセンサー2a,2bは同形の金属棒からなり、ともに空気流と直角で略水平になるように、絶縁材からなるセンサ支持部材12で支持されている。また、2個のセンサは所定の間隔離れて略平行になるように配置されている。両センサは、それぞれ抵抗13を介して接地されており、気流中のイオンが衝突して正又は負の電荷を受け、微少な電流がアースに流れるため、抵抗13の手前のP点には電位が発生する。この電位をそれぞれ増幅器14で増幅してイオン量に換算した信号として取り出すことにより、イオンセンサー2a,2bの2箇所でのイオン量を計測することができる。
P点の電位は、イオンセンサーが受けた正の電荷と負の電荷の差に比例するが、その電圧波形はおおむね放電電極に印加された交流電圧と同形になる。したがって、P点での電圧波形を積分して、その正の部分の積分値が各イオンセンサーが受けた正イオン量に比例し、負の部分の積分値が負イオン量に比例すると解釈することもできる。2個のセンサの間隔dは、厳密に限定する必要はないが、通常は1〜5cm程度とすることが好ましい。
図3は、本実施例のイオナイザーの電源回路及び制御回路を示す図である。イオンセンサー2a,2bの電圧信号は、それぞれ増幅器14a,14bで増幅され、AD変換器15a,15bでディジタル信号となって、演算回路16に入力される。演算回路16では、後述するような制御ロジックに基づいて、直流バイアス電源11のバイアス電圧値を制御する制御信号を出力する。
トランス9の一次側には商用周波数100Vの交流電力が供給され、二次側で6kV程度に昇圧されて、放電電極3に印加される。すでに述べたように、トランス9の二次側の一端は直流バイアス電源11を介して接地されており、前述の制御信号により、このバイアス電圧を−100〜350V程度の範囲で変化させる。これにより、接地電位にある対極のグリッド4と放電電極3との間の正負の電圧が変化して、これに応じて正負のイオンの発生量が制御される。
図4は、本発明におけるイオンバランスの制御方法の基本的な考え方を示す説明図である。図に示すように、放電電極3の位置をA点、上流及び下流側イオンセンサー2a,2bの位置をそれぞれB,C点、除電対象物17の位置をD点とする。イオンセンサー2aの信号(図2のP点の電位)が正の場合を例にとると、従来の制御方法では、この情報のみでイオンバランスが正側に偏っていると判断して、負イオンの発生量を増やすような制御を行なっていた。
一方、本発明では、イオンセンサー2a,2bの二つの測定値があるため、B点におけるイオンバランスのみならず、BC間でのイオン量の変化に関する情報を得ることができる。例えば、図4のケースAの場合には、B点で正に偏っていても、C点ではその偏りは小さくなっており、これをD点まで延長するとほぼゼロ電位になると推測される。すなわち、放電電極3の位置では正イオンの量が多いが、その減少速度も大きいため、除電対象物17の位置では、ほぼイオンバランスのとれた状態になっていると推測され、正負イオンの発生量を変える制御を行なわなくてもよい。
これに対して、ケースBの場合には、B点で正に偏り、C点でも同程度に正に偏っている。すなわち、放電電極の位置で正イオンの量が多く、正イオンと負イオンの減少速度も同程度と考えられるので、この場合は負イオンの発生量を増大させる制御を行なう。また、ケースCの場合には、B点で正に偏っているが、C点ではゼロ電位に近づいており、このまま延長するとD点では負電位になると推測される。すなわち、放電電極の位置で正イオン量が多くても、正イオンの減少速度が大幅に大きいので、むしろ正イオンの発生量を増大させる必要がある。
なお、上記の説明は基本的な考え方を述べているのであって、実際には、B点及びC点におけるイオンセンサーの情報と、後記実施例に示すような方法で、D点におけるイオンバランスを測定した情報等により、データを蓄積して学習制御又はAI制御の手法も導入して最適制御を行なっているものである。いずれにしても、雰囲気の湿度や温度によって、正イオン量及び負イオン量の減少は種種に変化するため、放電電極の位置でのイオンバランスだけでは、除電対象物の残留電位を精度よく制御するのが難しいことが知見された。実際に、後記実施例に示すように、イオンセンサーが1個の場合と2個の場合では、後者の方が制御精度が著しく向上することが確かめられた。
本発明のイオナイザーは、上記実施例の装置の構成に限定されるものではない。例えば、放電電極に印加される電圧は交流に限らず、直流であってもよい。直流の場合には、正の電極と負の電極を別々にしてコロナ放電を行なってもよく、或いは一つの電極にパルス状に正の電位と負の電位を交互に印加してもよい。直流の場合に、正負イオンの発生量を制御する手段は、放電電極と対極との電位差を変えることによるのが基本であるが、パルス状の印加電圧の印加時間を変えることによってもイオン発生量を制御することができる。
また、本実施例では、正負イオンの発生量の制御を、トランスの二次側の接地端子に印加するバイアス電圧を変更することにより行なっているが、対極であるグリッドにバイアス電圧を印加し、このバイアス電圧を可変にして正負イオンの発生量を制御してもよい。本発明においては、放電電極の形状、材質、その取り付け方法や使用本数等はとくに限定を要しない。また、対極であるグリッドの形状、放電電極との位置関係等もとくに限定を要しない。
さらに、イオンセンサーの形式も本実施例で用いたものに限定する必要はなく、例えば、イオン検出電極を電流計を介して接地し、この電流計を流れる微少電流を測定してもよい。或いは気流中に帯電体を配置し、正負イオンを受けて表面に生じる電荷を各種の表面電位計で計測するような手段によってもよい。さらに、正負のイオンを含む空気を吸引して、正又は負に帯電させた電極の電荷を中和させる方法(いわゆるエーベルト法)によるイオンセンサーであってもよい。エーベルト法の場合は、正イオン量と負イオン量を独立に測定することができる。本発明に用いるイオンセンサーは、正イオン量と負イオン量のバランスの偏りを検出するものであっても、正イオン量と負イオン量を独立に測定するものであってもよい。
図1〜3に示すようなイオナイザーを用いて、本発明により2個のイオンセンサーの情報に基づいて制御を行なった場合(本発明例)と、従来のように1個のイオンセンサーの情報に基づいて制御を行なった場合(比較例)で、イオンバランスの制御特性を比較した。放電電極としては、針状のタングステン電極を水平方向に等間隔に8本並べたものを用い、商用周波数(60kHz)で約6kVの交流電圧を印加して、対極グリッドとの間でコロナ放電を行なった。送風ファンによる空気流の流速は、イオナイザー出口で約4m/secであった。又は、イオナイザー出口断面積は約62.1cm2、空気の流量は約0.31/secであった。
本発明例においては、2個のイオンセンサーとして、径3mmψ×長さ128mmのステンレス製(金属製)丸棒を用い、上流のセンサはグリッドから27mm、下流のセンサは37mm離して、空気流の略中心でこれと直角になるように配置した。イオンバランスの制御は、図3に示した制御回路を用い、先に説明したような基本原理に基づき、2個のイオンセンサーからの差分情報で交流電圧の自動制御を行なった(経験的蓄積データを考慮したAI制御を行なった)。
一方、比較例は、上記と同じ金属丸棒を用いたイオンセンサーを1個のみ、グリッドから27mmの位置で、空気流の略中心にこれと直角になるように配置した。比較例におけるイオンバランスの制御方法は、図3の制御回路を用い、1個のイオンセンサーの電位の正負のバランスがとれるように(ゼロ電位になるように)直流バイアス電源の電圧値を制御する方法によった。
イオンバランスの評価には、イオナイザーの性能評価を目的として市販されているチャージプレートモニター(MONROE ELECTRIC社製Model288)を用い、150×150mm角のチャージプレートを、イオンセンサー(本発明例では下流のセンサ)から30cm離して空気流中心付近にこれと直角に配置し、このプレートの電位を連続測定して、平均のイオンバランスを求めた。同時に雰囲気の温度及び湿度も、この測定装置で測定した。本発明例、比較例ともに6時間の連続測定を行なった。本発明例についての測定結果を図5aに、比較例についての結果を図5aに示す。なお、イオンバランスの表示目盛は相対値で単位はないが、ゼロレベルでイオンバランスが良好なことを示す。
比較例の図5bでは、イオンバランスの変動が大きく、負側に偏っている場合が多い。したがって、イオンセンサーの位置でイオンバランスがとれていても、その下流の除電対象物の位置では、イオンバランスの保証が無いことがうかがえる。このように変動する理由は、雰囲気条件(とくに湿度)の影響で正負イオンの減少速度に差が生じるためでないかと推測されるが、正確なことは不明である。
これに対して、2個のイオンセンサーの情報で制御を行なった本発明例の図5aでは、ゼロレベルの周辺で僅かに変動するのみで、イオンバランスの変動が大幅に小さくなっていることが分かる。雰囲気の湿度等の変動は、比較例の場合と変わらないので、除電対象物周辺のイオンバランスをゼロレベル付近に保って、その残留電位を小さくする上で、本発明の効果が大きいことが確かめられた。
本発明の実施例であるイオナイザーの断面概要図である。 本実施例のイオナイザー本体およびイオンセンサーの構成を分解して示した説明図である。 本実施例のイオナイザーの電源回路及び制御回路を示す図である。 本発明におけるイオンバランスの制御方法の基本的な考え方を示す説明図である。 本発明例におけるイオンバランスの測定結果を示す図である。 比較例におけるイオンバランスの測定結果を示す図である。
符号の説明
1 イオナイザー本体
2,2a,2b イオンセンサー
3 放電電極
4 グリッド
5 送風ファン
6 フィルター
7 ダクト
8 電極取付け部材
9 トランス
10 導線
11 直流バイアス電源
12 センサ支持部材
13 抵抗
14,14a,14b 増幅器
15a,15b A/D変換器
16 演算回路
17 除電対象物

Claims (9)

  1. 放電電極が発生する正及び/又は負イオンが送風される方向に、少なくとも2つのイオンセンサーを設け、前記少なくとも2つのイオンセンサーから得られる差分情報により前記放電電極に印加する電圧を制御し、イオンの発生量を制御することを特徴とするイオン発生量制御方法。
  2. 前記少なくとも2つのイオンセンサーは、前記送風方向にほぼ直角で略水平に所定の間隔離なれて設けられた棒状の導電体であり、前記差分情報は、イオンにより前記伝導体に誘起される電圧値、又は電流値の差分値であることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生量制御方法。
  3. 正及び/又は負イオンを発生する放電電極を含む放電手段と、
    該放電手段により発生する正及び/又は負イオンの量を制御するイオン発生量制御手段と、
    前記放電電極からの距離が互いに異なる位置に配置された少なくとも2つのイオンセンサーと、
    前記少なくとも2つのイオンセンサーから得られる差分情報に基づいて、前記イオン発生量制御手段を調節する制御値を生成する制御値生成手段
    とを備えたことを特徴とするイオナイザー。
  4. 前記少なくとの2つのイオンセンサーは、発生したイオンが送風される気流のおおよそ同一流線上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のイオナイザー。
  5. 前記放電手段が、前記放電電極に交流電圧を印加するものである請求項3乃至4のいずれかに記載のイオナイザー。
  6. 前記放電電極に、前記交流電圧に加えて一定レベルのバイアス直流電圧を印加し、前記イオン発生量制御手段がこのバイアス直流電圧のレベルを制御するものである請求項5記載のイオナイザー。
  7. 前記放電電極に、パルス状の直流電圧を印加し、前記イオン発生量制御手段が該直流電圧のパルス幅と印加周期、又は印加電圧を制御するものである請求項3記載のイオナイザー。
  8. 放電電極に高電圧を印加してコロナ放電により正及び負のイオンを発生させる放電手段と、該放電手段により発生する正及び/又は負イオンの量を調節するイオン発生量制御手段とを備えたイオナイザーにおいて、
    前記イオンが送風される気流中であってその流れ方向に所定の距離離れた位置に、正負それぞれのイオン量又はその両者の差を検出する複数のイオンセンサーを配置し、これらのイオンセンサーの情報に基づいて、該気流の前記イオンセンサーより下流の所定の位置における正負イオン量の差が所望の値以下になるように、前記イオン発生量制御手段による制御を行なうことを特徴とするイオンバランスの制御方法。
  9. 複数の前記イオンセンサーが、いずれも前記気流のおおよそ同一流線上に配置され、かつ前記イオンセンサーが、少なくとも一つの測定箇所における正負それぞれのイオン量又はその両者の差と、正負それぞれのイオン量又はその両者の差の各測定箇所間の差分とを検出するものである請求項8記載のイオンバランスの制御方法。
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