JP5382574B2 - イオンバランス調整型イオナイザ - Google Patents

イオンバランス調整型イオナイザ Download PDF

Info

Publication number
JP5382574B2
JP5382574B2 JP2009039556A JP2009039556A JP5382574B2 JP 5382574 B2 JP5382574 B2 JP 5382574B2 JP 2009039556 A JP2009039556 A JP 2009039556A JP 2009039556 A JP2009039556 A JP 2009039556A JP 5382574 B2 JP5382574 B2 JP 5382574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
center
discharge electrode
electrode
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009039556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010198777A (ja
Inventor
正幸 折原
孝之 土志田
晃 唯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SMC Corp
Original Assignee
SMC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SMC Corp filed Critical SMC Corp
Priority to JP2009039556A priority Critical patent/JP5382574B2/ja
Publication of JP2010198777A publication Critical patent/JP2010198777A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5382574B2 publication Critical patent/JP5382574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Description

本発明は、空気中の静電気を制御したり帯電したワークから静電気を除去する場合などに使用されるイオナイザに関するものであり、更に詳しくは、放出する正イオンと負イオンとのイオンバランスを保つ機能を備えたイオンバランス調整型のイオナイザに関するものである。
空気中の静電気を制御したり、帯電したワークから静電気を除去する場合などに、コロナ放電を利用したイオナイザが使用されている。このコロナ放電式のイオナイザには、大きく分けると直流式と交流式とがある。このうち、例えば直流式のイオナイザは、針状をした正の放電電極と負の放電電極とを有していて、これらの放電電極に正及び負の高電圧を印加することにより電極の放電部でコロナ放電を生じさせ、そのとき発生する正及び負のイオンをファンからのエアで外部に放出するように構成されている。
上記コロナ放電式のイオナイザは、長期間の使用によって放電電極に汚れや摩耗等が発生し、その結果、放出する正及び負のイオンのイオンバランスが崩れることが知られている。このため、センサによってイオンバランスの状態を検出し、イオンバランスが崩れた場合に、その崩れ具合に応じて正又は負の高電圧を制御し、正又は負のイオンの発生量を調整することによってイオンバランスを保つ技術が提案されている。
このような技術の一例として、例えば特許文献1に記載された除電装置においては、放電電極の近くにセンサの機能を持ったグランドプレートを配設し、このグランドプレートとワークのフィールドグランドとを検出抵抗で接続し、この検出抵抗を流れるイオン電流又は該検出抵抗両端の電位差を検出してその検出信号を制御装置にフィードバックし、この検出信号で高電圧回路を制御することによってイオンバランスが保たれるようにしている。この場合、上記イオン電流が大きすぎると、検出信号が飽和状態となって制御不能となり、逆に、イオン電流が小さすぎると、制御精度が悪くなって適正な制御が不能になってしまう。このため、イオンバランス制御のために適正なイオン電流(有効イオン電流)が得られるようにすることが重要である。
ここで、上記イオン電流の大きさは、放電電極とセンサとの位置関係によって変化し、検出抵抗の抵抗値によっても変化する。従って、制御に利用可能なイオン電流を得るためには、放電電極とセンサとの位置関係と、検出抵抗の抵抗値とを、互いに関連付けて決める必要がある。
一方で、イオナイザは、用途に応じて各種外形寸法のものが使用されたり、急速なコンパクト化によって外形寸法の変更が頻繁に行われるといったような事情があるため、設計時に、各種の外形寸法に合わせて、上記放電電極及びセンサの適正な配置を模索しなければならない。
しかし、上述したように、上記放電電極とセンサとの位置関係は、検出抵抗値と共にイオン電流の大きさに影響を与えるため、イオナイザの設計段階で、各種の外形寸法に応じて、上記放電電極とセンサとの位置関係と、検出抵抗の抵抗値とを、相互に関連付けながら適正に決めるのは非常に面倒な作業である。
特開2002−216995号公報
そこで、本発明者らは、種々の実験を重ねることにより、放電電極とセンサとの位置関係と、検出抵抗の抵抗値とを、近似式によって関連付けられることを見出し、それによって本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明の目的は、放電電極とセンサとの位置関係と、検出抵抗の抵抗値とを、近似式で互いに関連付けることにより、イオナイザの各種外形寸法に応じて、上記放電電極とセンサとの位置関係と、上記検出抵抗の抵抗値とを、相互に関連付けながら容易にかつ適正に決めることができるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、異極性のイオンを発生させる二つの放電電極の組み合わせからなる放電電極対と、これらの放電電極で発生した正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口から送り出すファンと、正イオンと負イオンとのイオンバランスを検出するセンサと、該センサをフレームグランドに接続する検出抵抗と、該検出抵抗を流れるイオン電流に基づいて上記放電電極に印加される正又は負の高電圧を制御することにより正イオン又は負イオンの発生量を制御する制御装置とを有するイオナイザが提供される。
上記放電電極対における二つの放電電極は、上記送風口の中心の回りの互いに隣接する位置に配設されていて、一方の放電電極が、電極先端から送風口の中心までの距離を表す先端−中心間距離の長い短針電極であると共に、他方の放電電極が、上記先端−中心間距離の短い長針電極である。また、上記センサは、リング状をしていて、上記放電電極より風下側の位置に、リングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設されている。
そして、上記放電電極対における短針電極と長針電極との先端間距離をLとし、短針電極先端の基準位置からセンサまでの送風口半径方向の距離であるセンサ距離をdとし、d/Lを位置率rとしたとき、上記検出抵抗の抵抗値R[MΩ]が、3.87r−1.37r−1.33r+1.42≦R≦−10.28r+48.42r−38.61r+9.50の範囲内に設定されている。
また、本発明によれば、異極性の高電圧の印加により異極性のイオンを発生する複数の放電電極と、これらの放電電極で発生した正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口から送り出すファンと、正イオンと負イオンとのイオンバランスを検出するセンサと、該センサをフレームグランドに接続する検出抵抗と、該検出抵抗を流れるイオン電流に基づいて上記放電電極に印加される正又は負の高電圧を制御することによって正イオン又は負イオンの発生量を制御する制御装置とを備え、上記放電電極は、上記送風口の中心の回りに異極性のもの同士が互いに隣接するように配設されていて、全ての放電電極における電極先端から送風口の中心までの距離を表す先端−中心間距離は互いに等しく、また、上記センサはリング状をしていて、上記放電電極より風下側の位置に、一つの上記センサがリングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設されたイオナイザにおいて、隣接する異極性の放電電極の先端間距離をLとし、放電電極の先端の基準位置から上記センサまでの送風口半径方向の距離であるセンサ距離をdとし、d/Lを位置率rとし、上記検出抵抗の抵抗値をR[MΩ]としたとき、以下の数式2.26r+3.87r−0.19r+0.42≦R≦10.27r+3.59r+0.70r+0.65が成り立つように上記放電電極とセンサとの位置関係及び上記検出抵抗の抵抗値を定めることを特徴とするイオンバランス調整型イオナイザの設計方法が提供される。
本発明においては、上記位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の一つの具体的な構成態様によれば、上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材と上記放電電極との間に上記センサが配設されている。
本発明の他の具体的な構成態様によれば、上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材は、同心状に配置された複数の金属リングを有していて、何れか一つの金属リングを上記位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあるような位置に配置することにより、該金属リングに上記センサを代用させることもできる。
本発明によれば、放電電極とセンサとの位置関係と、検出抵抗の抵抗値とを、近似式で互いに関連付けることにより、イオナイザの各種外形寸法に応じて、イオンバランス制御のための適正なイオン電流が得られる上記放電電極とセンサとの位置関係と、上記検出抵抗の抵抗値とを、容易にかつ適正に決めることができる。
本発明のイオナイザの第1実施形態を模式的に示す構成図である。 図1の右側面図である。 放電電極の構成を示す断面図である。 近似式を得るための実験装置の構成図である。 図4の側面図である。 図5の一部を拡大して示す要部拡大図である。 検出抵抗の最小抵抗値及び最大抵抗値と位置率との関係を示す線図である。 (A)は最小抵抗値検出時におけるイオンバランス波形と検出信号波形とを示す線図、(B)は最大抵抗値検出時におけるイオンバランス波形と検出信号波形とを示す線図である。 本発明のイオナイザの第2実施形態を模式的に示す構成図である。 図9の右側面図である。 本発明のイオナイザの第3実施形態を模式的に示す構成図である。 図11の右側面図である。 放電電極の構成を示す断面図である。 近似式を得るための実験装置の構成図である。 図14の側面図である。 図15の一部を拡大して示す要部拡大図である。 検出抵抗の最小抵抗値及び最大抵抗値と位置率との関係を示す線図である。 (A)は最小抵抗値検出時におけるイオンバランス波形と検出信号波形とを示す線図、(B)は最大抵抗値検出時におけるイオンバランス波形と検出信号波形とを示す線図である。 本発明のイオナイザの第4実施形態を模式的に示す構成図である。 図19の右側面図である。
図1には、本発明に係るイオンバランス調整型イオナイザの第1実施形態が模式的に示されている。このイオナイザ1は直流式のものである。直流式のイオナイザには、放電電極に一定大きさの高電圧を連続的に印加するDC方式と、パルス状の高電圧を断続的に印加するDCパルス方式とがあるが、本実施形態はそのどちらでも良い。
上記イオナイザ1は、図2からも明らかなように、ケース2に形成された円形の送風口3の内部に、正の高電圧の印加により正イオンを発生する複数の正側放電電極4a,5aと、負の高電圧の印加により負イオンを発生する複数の負側放電電極4b,5bと、正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口3から外部に送り出すファン6とを有している。
また、上記送風口3の入口には、上記ファン6と異物との接触を防止するネット状の防護部材7が設けられ、上記送風口3の出口側にも、上記放電電極4a,4b及び5a,5bと異物との接触を防止するネット状の防護部材8が設けられている。これらの防護部材7,8は、金属製又は合成樹脂製の線条7a,8aをリング状又は格子状に組み合わせた構造のものであるが、それ以外の構造であっても良い。防護部材7,8が金属製の線条7a,8aで形成されている場合は、安全のためにフレームグランドに接地しておくことが望ましい。
上記放電電極4a,4b,5a,5bは、図3に一つの放電電極4aについて代表的に示すように、先細りをなす円錐部9aと該円錐部9aに連なる基端側の円柱部9bとからなる導電性の電極本体9と、この電極本体9の円錐部9aを除くその他の部分を被覆する電気絶縁体10とからなるもので、上記円錐部9aにおいてコロナ放電を生じるものである。
上記正側放電電極4a,5aは、正の高電圧源11aに接続され、負側放電電極4b,5bは、負の高電圧源11bに接続されていて、これらの高電圧源11a,11bは制御装置12に接続されている。そして、この制御装置12で上記正及び負の高電圧源11a及び11bを制御することにより、上記正側放電電極4a,5a及び負側放電電極4b,5bから放出される正イオン及び負イオンのイオン量が制御されるようになっている。この場合、正側放電電極4a,5aと負側放電電極4b,5bとから交互にイオンが放出されるように構成されていても、両極性の放電電極から同時にイオンが放出されるように構成されていても構わない。
上記複数の放電電極4a,4b,5a,5bは、上記送風口3の内周に、電極先端を該送風口3の中心O又はその近傍に向けた姿勢で、該中心Oを取り囲むように配設されている。そして、互いに隣接しかつ近接する正側放電電極4a,5aと負側放電電極4b,5bとによって放電電極対4,5が形成されている。図示の例では、四つの正側放電電極4a,5aと四つの負側放電電極4b,5bとの組み合わせにより、全部で四組の放電電極対4,5が形成されている。
上記放電電極対4,5の正側放電電極4a,5aと負側放電電極4b,5bとは、電極先端から送風口3の中心Oまでの距離、即ち先端−中心間距離が、互いに相違している。即ち、四組の放電電極対4及び5のうち、相対する二組の放電電極対4においては、正側放電電極4aの先端−中心間距離aが負側放電電極4bの先端−中心間距離bより長く、他の相対する二組の放電電極対5においては、正側放電電極5aの先端−中心間距離a’が負側放電電極5bの先端−中心間距離b’より短い。
換言すれば、上記放電電極対4及び5が、長さの異なる二つの放電電極4aと4b及び5aと5bによって形成されているということである。この場合、当然ながら、長さの短い放電電極4a,5bの先端−中心間距離a,b’は、長さの長い放電電極4b,5aの先端−中心間距離b,a’より長くなる。以下の説明においては、必要に応じて、長さの短い放電電極4a,5bを「短針電極」と呼び、長さの長い放電電極4b,5aを「長針電極」と呼ぶこととする。
なお、上記四組の放電電極対4,5において、四つの短針電極4a,5bの先端−中心間距離a,b’は互いに等しく、また、他の四つの長針電極4b,5aの先端−中心間距離b,a’も互いに等しい。
また、図示した例では、隣接する放電電極対4と5との間で、正側放電電極4aと負側放電電極5bとが互いに隣り合い、かつ、負側放電電極4bと正側放電電極5aとが互いに隣り合っているが、正側放電電極4aと5a同士及び負側放電電極4bと5b同士が互いに隣り合っていても良い。
更に、全ての放電電極対4及び5において、正側放電電極4a,5aと負側放電電極4b,5bとの電極先端間距離Lは互いに等しく、かつ、この電極先端間距離Lは、隣接する放電電極対4と5との隣り合う短針電極4aと5bとの電極先端間距離mよりも、長針電極4bと5aとの電極先端間距離nよりも小さい。
上記送風口3の出口側には、上記放電電極4a,4b及び5a,5bと上記防護部材8との間に、金属等の導電性を有する素材で形成されたリング状のセンサ13が、リングの中心を送風口3の中心Oに一致させた状態に配設されている。このセンサ13は、上記放電電極の風下側に位置し、上記送風口3から送り出されるイオン化エア中の正イオンと負イオンとのイオンバランスを、イオンバランスが崩れたとき発生するイオン電流によって検出するものである。このセンサ13は、検出抵抗15を介してフレームグランドFGに接続され、この検出抵抗15のセンサ13側の端子15aが、増幅器14を介して上記制御装置12に接続されている。
上記センサ13は、上記防護部材8に取り付けられていても良い。この防護部材8が金属製の線条8aで形成されている場合は、センサ13との間に絶縁部材を介在させることが望ましい。
図1において、上記正側放電電極4a,5a及び負側放電電極4b,5bから正イオン及び負イオンが同時に又は交互に放出され、これらのイオンを含むイオン化エアがファン6によって送風口3から送出されると、イオンバランスの状態に応じて上記センサ13にイオン電流が発生し、このイオン電流が、上記検出抵抗15を通じてセンサ13とフレームグランドFGとの間を流れる。即ち、イオンバランスが崩れ、正イオンのイオン量が負イオンのイオン量より多い場合には、その差に応じた大きさのイオン電流I1が図1に実線で示す方向に流れ、負イオンのイオン量が正イオンのイオン量より多い場合には、その差に応じた大きさのイオン電流I2が図1に二点鎖線で示す方向に流れる。イオンバランスが保たれている状態、即ち正及び負のイオンのイオン量がバランスしていると、上記イオン電流I1及びI2は流れない。
そして、上記イオン電流I1、I2又は検出抵抗15の両側の電位差Vが検出信号として上記増幅器14で増幅されたあと、この検出信号が上記制御装置12にフィードバックされ、この検出信号の大きさ即ちイオンバランスの崩れ具合に応じてこの制御装置12で正の高電圧源11a又は負の高電圧源11bが制御され、正及び負のイオンの放出量が調整されてイオンバランスが保たれる。
実験によると、上記イオン電流I1,I2の大きさは、センサ13と各放電電極4a、4b及び5a,5bとの位置関係、及び、検出抵抗15の抵抗値Rに応じて変化する。特に、正側放電電極4a,5aと負側放電電極4b,5bとの先端−中心間距離a,a’とb,b’とが異なる場合には、上記イオン電流I1,I2が、短針電極の先端とセンサ13との位置関係に影響を受けることが分かっている。このため、イオナイザを実際に設計する段階で、イオンバランスの制御に利用可能な大きさのイオン電流(有効イオン電流)が得られるようにするには、上記センサ13と放電電極との位置関係、及び、上記検出抵抗15の抵抗値Rを、相互に関連付けて適正に決めることが必要である。
そこで、実験を重ねた結果、センサ13のリング径を種々に変えることにより、該センサ13と放電電極対4,5における短針電極4a,5bの先端との位置関係を送風口3の半径方向に変化させながら、それらの位置関係が変わる毎に、有効イオン電流が得られる検出抵抗15の最小抵抗値と最大抵抗値とを測定することにより、上記センサ13と放電電極4a,4b,5a,5bとの位置関係と、検出抵抗15の抵抗値Rとが、以下の近似式によって互いに関係付けられることを見出した。そしてこの近似式から、上記センサ13の配置に見合う適正な抵抗値Rの選択を容易に行うことができるようになったものである。
なお、放電電極対4と5とにおける二つの放電電極4a,4bと5a,5bとの長短の関係は同じであるため、以下の説明では、必要時以外は放電電極対4についてのみ符号を記載し、放電電極対5に関する符号の併記は省略するものとする。
即ち、図2において、
L=放電電極対における短針電極と長針電極との先端間距離
d=短針電極の先端を基準位置とした場合の、該基準位置からセンサまでの送風口半 径方向の距離(センサ距離)
位置率r=d/L
とした場合、上記センサ13と放電電極4a,4bの位置関係と、上記検出抵抗15の最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとは、以下の近似式で表すことができる。
Rs=3.87r−1.37r−1.33r+1.42 ・・(1)
Rb=−10.28r+48.42r−38.61r+9.50 ・・(2)
そこで、上記短針電極4aと長針電極4bとの配置と、短針電極4aに対するセンサ13の位置が決まったら、位置率rを上記近似式に代入して最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを求め、それらの範囲内に検出抵抗15の抵抗値Rを設定すれば良い。換言すれば、上記抵抗値Rを、3.87r−1.37r−1.33r+1.42≦R≦−10.28r+48.42r−38.61r+9.50なる値に設定すれば良い。
上記近似式は、図4及び図5に模式的に示す実験装置により、次のようにして得ることができる。
この実験装置は、図1に示す実施形態の装置にチャージプレート17を付設したものと実質的に同じ構成であり、このチャージプレート17にファン6からのイオン化エアを吹き付けて帯電させることにより、このチャージプレート17でイオンバランスの状態を測定し、測定したイオンバランス波形19をモニタ18に表示させる。図中16は増幅器である。
また、リング状のセンサ13と検出抵抗15とにより、イオンバランスの状態に応じて発生するイオン電流I1,I2を検出し、検出したイオン電流による信号波形20を上記モニタ18に表示させ、イオンバランス波形19と近似した信号波形20が得られる検出抵抗15の最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを測定する。
上記センサ13は、リング径の異なるものを複数用意し、それらを順次交換してリング径を変えることで、該センサ13と放電電極4a,4bの先端との位置関係を送風口3の半径方向に変化させ、センサ13を交換する毎に、上記最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとの測定を行った。実際には、図6に一組の放電電極対4について代表的に示すように、短針電極4aの先端を基準位置(0mm位置)とし、2mmピッチでセンサ13と電極先端とのセンサ距離dを変化させて上記測定を行った。上記基準位置より内側方向がプラス方向、外側方向がマイナス方向である。
この場合の、具体的な実験条件は以下のようなものである。
センサ−チャージプレート間距離x=300mm
放電電極−センサ間距離y=10mm
正側高電圧源の制御電圧=5V
電極先端間距離L=18mm
正側及び負側の放電電極の先端−中心間距離差(a−b)=8mm
ファン駆動電圧=7.0V(最小風量)
上記実験によって得られた最小抵抗値Rs及び最大抵抗値Rbと位置率r=d/Lとの関係を図7に示す。
また、図8A及び図8Bには、イオンバランス波形19及び検出信号波形20の一例として、上記センサ13が短針電極4aの先端から2mmの位置にある場合の、最小抵抗値検出時及び最大抵抗値検出時のイオンバランス波形19と検出信号波形20とが示されている。図8Aが最小抵抗値検出時、図8Bが最大抵抗値検出時である。これらの波形が得られた時の図7における位置率rの値は、d=2、L=18であるから、r=2/18≒0.11となる。
ここで、図7に示された最小抵抗値Rs及び最大抵抗値Rbの線図を近似式に変換すると、上記(1)式及び(2)式のようになる。この近似式は、上記短針電極4aと長針電極4bとの先端間距離Lと、上記短針電極4aに対するセンサ13の位置と、上記検出抵抗15の抵抗値Rとを相互に関係付けるもので、イオンバランス制御のための適正なイオン電流I1,I2が得られるセンサ配置と抵抗値Rとを決定する際の目安となるものである。即ち、イオナイザの設計段階で、上記短針電極4aに対するセンサ13の位置の目安をつけたあと、位置率rを上記近似式に代入して最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを求めることにより、上記センサ13の配置に見合う検出抵抗15の抵抗値Rの適正範囲を簡単に知ることができる。
上記先端間距離Lは、正及び負のイオンを発生させる正及び負の高電圧の適正値と密接な関係を有していて、先端間距離Lが大きい場合には、正側放電電極4a及び負側放電電極4bに印加される正及び負の高電圧は高く設定され、先端間距離Lが小さい場合には、絶縁破壊が生じないように正側放電電極4a及び負側放電電極4bに印加される正及び負の高電圧は低く設定される。このため、上記先端間距離Lが変わっても、イオン分布やイオンバランスの状態は同じような傾向を示すため、上記近似式は成り立つ。
従って、イオナイザの外形寸法が各種異なる場合であっても、イオンバランス制御のための適正なイオン電流が得られる上記放電電極4a,4bとセンサ13との位置関係と、上記検出抵抗15の抵抗値Rとを、上記近似式に基づいて容易にかつ適正に決めることが可能である。
なお、実際のイオナイザの設計において、上記抵抗値Rを決める際の位置率rの好ましい範囲は0≦r≦0.5の範囲である。これは、上記センサ13が、短針電極4a,5bの先端から長針電極4b,5aの先端あるいは該先端を僅かに越えた先端近傍までの範囲内に配置されることが好ましいことを意味している。
図9及び図10には、イオナイザの第2実施形態が示されている。この第2実施形態のイオナイザ1Aが上記第1実施形態のイオナイザ1と相違するのは、送風口3の出口側の防護部材8がセンサ13を兼ねているということである。従ってこのイオナイザ1Aにおいては、上記イオナイザ1にあるような防護部材8とは別のセンサ13が設けられていない。
図9及び図10において、上記防護部材8は、指を挿入できない間隔を保って同心状に配置された複数の金属リング23,23aを有し、リングの中心を送風口3の中心Oに一致させた状態でこの防護部材8が上記送風口3に取り付けられている。上記金属リング23,23aは、放射方向に延びる複数の金属線条24により相互に結合されている。
図示の例では、上記防護部材8が大小三つの金属リング23,23aを有していて、このうちの一つである中間の金属リング23aが、上記センサ13を代用するものとして、先端−中心間距離の大きい短針電極4a,5bの電極先端の近傍に配置されている。これは、複数の金属リングからなる防護部材をイオンバランスを検出するセンサに兼用する場合、短針電極の最も近くに位置する金属リングがイオン電流の発生について最も支配的であるという実験結果に基づくものである。
上記防護部材8(従って金属リング23a)は、検出抵抗15を介してフレームグランドFGに接続され、この検出抵抗15の防護部材側の端子15aが、増幅器14を介して制御装置12に接続されている。
この第2実施形態のイオナイザ1Aの上記以外の構成及び作用は第1実施形態のイオナイザ1と実質的に同じであるため、それらの主要な同一構成部分に上記イオナイザ1で用いたものと同じ符号を付してその説明は省略する。
上記イオナイザ1Aにおいては、上述したようにイオン電流を支配する上記中間の金属リング23aが上記センサ13を代用していると考えることができるから、この金属リング23aと短針電極4a,5bとの位置関係と、検出抵抗15の抵抗値Rとを、上記(1)及び(2)の近似式によって互いに関係付けることができる。そしてこの近似式から、上記短針電極4a,5bに対する金属リング23aの配置と、この金属リング23aの配置に見合う適正な抵抗値Rの選択とを、容易に行うことができるものである。
また、このイオナイザ1Aにおいては、防護部材8が検出抵抗15を介してフレームグランドFGに接続されているため、イオンバランスが大きく崩れてこの防護部材8に大きなイオン電流が流れた場合でも感電の心配はない。
なお、上記送風口3の入口に設けられた防護部材7は、センサの機能を兼備している必要はなく、単に防護部材としてだけの機能を有していれば良いため、金属又は合成樹脂など、防護機能を発揮し得る任意の素材によって形成することができる。また、その網目の形状も任意であり、上記出口側の防護部材8と同様にリング状をしていても良いが、格子状をしていても良い。
図11には、本発明に係るイオナイザの第3実施形態が模式的に示されている。この第3実施形態のイオナイザ30が上記第1実施形態のイオナイザ1と相違する点は、正側放電電極34aと負側放電電極34bとが交互に等間隔で配設されていて、全ての放電電極の先端−中心間距離aが等しいということである。以下、このイオナイザ30の構成を改めて説明する。
図11及び図12からも明らかなように、このイオナイザ30は、ケース32に形成された円形の送風口33の内部に、正の高電圧の印加により正イオンを発生する複数の上記正側放電電極34aと、負の高電圧の印加により負イオンを発生する複数の上記負側放電電極34bと、正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口33から外部に送り出すファン36とを有している。
また、上記送風口33の入口には、上記ファン36と異物との接触を防止するネット状の防護部材37が設けられ、上記送風口33の出口側にも、上記放電電極34a,34bと異物との接触を防止するネット状の防護部材38が設けられている。これらの防護部材37,38は、金属製又は合成樹脂製の線条37a,38aをリング状又は格子状に組み合わせた構造のものであるが、それ以外の構造であっても良い。防護部材37,38が金属製の線条37a,38aで形成されている場合は、安全のためにフレームグランドに接地しておくことが望ましい。
上記放電電極34a,34bは、図13に示すように、先細りをなす円錐部39aとこの円錐部39aに連なる円柱部39bとからなる導電性の電極本体39と、この電極本体39の円錐部39aを除くその他の部分を被覆する電気絶縁体40とからなるもので、上記円錐部39aにおいてコロナ放電を生じるものである。
上記正側放電電極34aは、正の高電圧源41aに接続され、負側放電電極34bは、負の高電圧源41bに接続されていて、これらの高電圧源41a,41bは制御装置42に接続されている。そして、この制御装置42で上記正及び負の高電圧源41a及び41bを制御することにより、上記正側放電電極34a及び負側放電電極34bから放出される正イオン及び負イオンのイオン量が制御されるようになっている。この場合、正側放電電極34aと負側放電電極34bとから交互にイオンが放出されるように構成されていても、両極性の放電電極から同時にイオンが放出されるように構成されていても構わない。
上記正側放電電極34aと負側放電電極34bとは、上記送風口33の内周に、電極先端を該送風口33の中心Oに向けた姿勢で、該中心Oを取り囲むように等間隔で交互に配設され、全ての放電電極34a,34bの電極先端から送風口33の中心Oまでの距離即ち先端−中心間距離aは互いに等しい。図示の例では、四つの正側放電電極34aと四つの負側放電電極34bとを有している。
上記送風口33の出口側には、上記放電電極34a,34bと上記防護部材38との間に、金属等の導電性を有する素材で形成されたリング状のセンサ43が、リングの中心を送風口33の中心Oに一致させた状態に配設されている。このセンサ43は、上記放電電極の風下側に位置し、上記送風口33から送り出されるイオン化エア中の正イオンと負イオンとのイオンバランスを、イオンバランスが崩れたとき発生するイオン電流によって検出するものである。このセンサ43は、検出抵抗45を介してフレームグランドFGに接続され、この検出抵抗45のセンサ43側の端子45aが、増幅器44を介して上記制御装置42に接続されている。
上記センサ43は、上記防護部材38に取り付けられていても良い。この防護部材38が金属製の線条38aで形成されている場合は、センサ43との間に絶縁部材を介在させることが望ましい。
図11において、上記正側放電電極34a及び負側放電電極34bから正イオン及び負イオンが同時に又は交互に放出され、これらのイオンを含むイオン化エアがファン36によって送風口33から送出されると、イオンバランスの状態に応じて上記センサ43にイオン電流が発生し、このイオン電流が、上記検出抵抗45を通じてセンサ43とフレームグランドFGとの間を流れる。即ち、イオンバランスが崩れ、正イオンのイオン量が負イオンのイオン量より多い場合には、その差に応じた大きさのイオン電流I1が図11に実線で示す方向に流れ、負イオンのイオン量が正イオンのイオン量より多い場合には、その差に応じた大きさのイオン電流I2が図11に二点鎖線で示す方向に流れる。イオンバランスが保たれている状態、即ち正及び負のイオンのイオン量がバランスしていると、上記イオン電流I1及びI2は流れない。
そして、上記イオン電流I1、I2か又は検出抵抗45の両側の電位差Vが検出信号として上記増幅器44で増幅されたあと、この検出信号が制御装置42にフィードバックされ、この検出信号の大きさ即ちイオンバランスの崩れ具合に応じてこの制御装置42で正の高電圧源41a又は負の高電圧源41bが制御され、正及び負のイオンの放出量が調整されてイオンバランスが保たれる。
実験によると、上記イオン電流I1,I2の大きさは、上記センサ43と正負の放電電極34a,34bとの位置関係、及び、検出抵抗45の抵抗値Rに応じて変化する。このため、イオナイザを実際に設計する段階で、イオンバランスの制御に利用可能な大きさのイオン電流(有効イオン電流)が得られるようにするには、上記センサ43と正負の放電電極との位置関係、及び、上記検出抵抗45の抵抗値Rを、相互に関連付けて決めることが必要である。
そこで、実験を重ねた結果、センサ43のリング径を種々に変えることにより、このセンサ43と放電電極34a,34bの先端との位置関係を送風口33の半径方向に変化させながら、それらの位置関係が変わる毎に、有効イオン電流が得られる検出抵抗45の最小抵抗値と最大抵抗値とを測定することにより、上記センサ43と放電電極34a,34bとの位置関係と、検出抵抗45の抵抗値Rとが、以下の近似式によって互いに関係付けられることを見出した。そしてこの近似式から、上記センサ43の配置に見合う適正な抵抗値Rの選択を容易に行うことができるようになったものである。
即ち、図12において、
L=正側放電電極と負側放電電極との先端間距離
d=放電電極の先端を基準位置とした場合の、該基準位置からセンサまでの送風口半 径方向の距離(センサ距離)
位置率r=d/L
とした場合、上記センサ43と放電電極34a,34bの位置関係と、上記検出抵抗45の最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとは、以下の近似式で表すことができる。
Rs=2.26r+3.87r−0.19r+0.42 ・・(3)
Rb=10.27r+3.59r+0.70r+0.65 ・・(4)
そこで、上記正側放電電極34aと負側放電電極34bとの配置、及びこれらの放電電極に対するセンサ43の配置が決まったら、位置率rを上記近似式に代入して最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを求め、それらの範囲内にあるように検出抵抗45の抵抗値Rを設定すれば良い。換言すれば、上記抵抗値Rを、2.26r+3.87r−0.19r+0.42≦R≦10.27r+3.59r+0.70r+0.65なる範囲内に設定すれば良い。
上記近似式は、図14及び図15に模式的に示す実験装置により、次のようにして得ることができる。
この実験装置は、図11に示す実施形態の装置にチャージプレート47を付設したものと実質的に同じ構成で、このチャージプレート47にファン36からのイオン化エアを吹き付けて帯電させることにより、このチャージプレート47でイオンバランスの状態を測定し、測定したイオンバランス波形49をモニタ48に表示させる。図中46は増幅器である。
また、リング状のセンサ43と検出抵抗45とにより、イオンバランスの状態に応じて発生するイオン電流I1,I2を検出し、検出したイオン電流による信号波形50を上記モニタ48に表示させ、イオンバランス波形49と近似した信号波形50が得られる検出抵抗45の最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを測定する。
上記センサ43は、リング径の異なるものを複数用意し、それらを順次交換してリング径を変えることで、該センサ43と放電電極34a,34bの先端との位置関係を送風口33の半径方向に変化させ、センサ43を交換する毎に、上記最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとの測定を行った。実際には、図16に一組の正側放電電極34aと負側放電電極34bとについて代表的に示すように、該放電電極34a,34bの先端を基準位置(0mm位置)とし、3mmピッチでセンサ43と電極先端との距離であるセンサ距離dを変化させて上記測定を行った。上記基準位置より内側方向がプラス方向、外側方向がマイナス方向である。
この場合の、具体的な実験条件は以下のようなものである。
センサ−チャージプレート間距離x=300mm
放電電極−センサ間距離y=10mm
正側高電圧源の制御電圧=5V
電極先端間距離L=51.5mm
ファン駆動電圧=11.2V(最小風量)
上記実験によって得られた最小抵抗値Rs及び最大抵抗値Rbと位置率r=d/Lとの関係を図17に示す。
また、図18A及び図18Bには、イオンバランス波形49及び検出信号波形50の一例として、センサ43が放電電極34a,34bの先端から10mmの位置にある場合の、最小抵抗値検出時及び最大抵抗値検出時のイオンバランス波形49と検出信号波形50とが示されている。図18Aが最小抵抗値検出時、図18Bが最大抵抗値検出時である。これらの波形が得られた時の図17における位置率rの値は、d=10、L=51.5であるから、r=10/51.5≒0.19となる。
ここで、図17に示された最小抵抗値Rs及び最大抵抗値Rbの線図を近似式に変換すると、上記(3)式及び(4)式のようになる。この近似式は、上記正側放電電極34aと負側放電電極34bとの先端間距離Lと、これらの放電電極34a,34bに対するセンサ43の位置と、上記検出抵抗45の抵抗値Rとを相互に関係付けるもので、イオンバランス制御のための適正なイオン電流I1,I2が得られるセンサ配置と抵抗値Rとを決定する際の目安となるものである。即ち、イオナイザの設計段階で、上記放電電極34a,34bに対するセンサ43の位置の目安をつけたあと、位置率rを上記近似式に代入して最小抵抗値Rsと最大抵抗値Rbとを求めることにより、上記センサ43の配置に見合う検出抵抗45の抵抗値Rの適正範囲を簡単に見つけることができる。
上記先端間距離Lは、正及び負のイオンを発生させる正及び負の高電圧の適正値と密接な関係を有していて、先端間距離Lが大きい場合には、正側放電電極34a及び負側放電電極34bに印加される正及び負の高電圧は高く設定され、先端間距離Lが小さい場合には、絶縁破壊が生じないように正側放電電極34a及び負側放電電極34bに印加される正及び負の高電圧は低く設定される。このため、上記先端間距離Lが変わっても、イオン分布やイオンバランスの状態は同様の傾向を示すため、上記近似式は成り立つ。
従って、イオナイザの外形寸法が各種異なる場合であっても、イオンバランス制御のための適正なイオン電流が得られる上記放電電極34a,34bとセンサ43との位置関係と、上記検出抵抗45の抵抗値Rとを、上記近似式に基づいて容易にかつ適正に決めることが可能である。
なお、実際のイオナイザの設計において、上記抵抗値Rを決める際の位置率rの好ましい範囲は0≦r≦0.5の範囲である。これは、上記センサ43が、放電電極34a,34bの先端よりも送風口33の中心O寄りの位置に配置されていることが好ましいことを意味する。
図19及び図20にはイオナイザの第4実施形態が示されている。この第4実施形態のイオナイザ30Aが上記第3実施形態のイオナイザ30と相違するのは、送風口33の出口側の防護部材38がセンサ43を兼ねていることである。従ってこのイオナイザ30Aにおいては、上記イオナイザ30にあるような防護部材38とは別のセンサ43が設けられていない。
図19及び図20において、上記防護部材38は、指を挿入できない間隔を保って同心状に配置された複数の金属リング53,53aを有し、リングの中心を送風口33の中心Oに一致させた状態でこの防護部材38が上記送風口33に取り付けられている。上記金属リング53,53aは、放射方向に延びる複数の金属線条54により相互に結合されている。
図示の例では、上記防護部材38が大小三つの金属リング53,53aを有していて、このうちの一つである中間の金属リング53aが、上記センサ43を代用するものとして放電電極34a,34bの近傍に配置されている。これは、複数の金属リングからなる防護部材をイオンバランスを検出するセンサに兼用する場合、放電電極の先端部近く位置する金属リングがイオン電流の発生について最も支配的であるという実験結果に基づくものである。
上記防護部材38(従って金属リング53a)は、検出抵抗45を介してフレームグランドFGに接続され、この検出抵抗45の防護部材側の端子45aが、増幅器44を介して制御装置42に接続されている。
このイオナイザ30Aの上記以外の構成及び作用は第3実施形態のイオナイザ30と実質的に同じであるため、それらの主要な同一構成部分に第3実施形態のイオナイザ30で用いたものと同じ符号を付してその説明は省略する。
上記イオナイザ30Aにおいては、上述したようにイオン電流を支配する上記中間の金属リング53aが上記センサ43を代用していると考えることができるから、この金属リング53aと放電電極34a,34bとの位置関係と、検出抵抗45の抵抗値Rとを、上記(3)及び(4)の近似式によって互いに関係付けることができる。そしてこの近似式から、上記放電電極34a,34bに対する金属リング53aの配置と、この金属リング53aの配置に見合う適正な抵抗値Rの選択とを、容易に行うことができるものである。
また、このイオナイザ30Aにおいては、防護部材38が検出抵抗45を介してフレームグランドFGに接続されているため、イオンバランスが大きく崩れてこの防護部材38に大きなイオン電流が流れた場合でも感電の心配はない。
なお、上記送風口33の入口に設けられた防護部材37は、センサの機能を兼備している必要はなく、単に防護部材としてだけの機能を有していれば良いため、金属又は合成樹脂など、防護機能を発揮し得る任意の素材によって形成することができる。また、その網目の形状も任意であり、上記出口側の防護部材38と同様にリング状をしていても良いが、格子状をしていても良い。
上記各実施形態のイオナイザ1,1A,30,30Aは直流式であるが、本発明は交流式のイオナイザにも適用することができる。この場合には、上記正側の放電電極4a,5a,34aと負側の放電電極4b,5b,34bとに、極性が互いに逆になるようなタイミングで交流の高電圧が印加されるように構成すれば良い。
1,1A,30,30A イオナイザ
3,33 送風口
4,5 放電電極対
4a,4b,5a,5b,34a,34b 放電電極
4a,5b 短針電極
4b,5a 長針電極
6,36 ファン
8,38 防護部材
12,42 制御装置
13,43 センサ
15,45 検出抵抗
23,23a,53,53a 金属リング
O 送風口の中心
R 抵抗値
FG フレームグランド
I1,I2 イオン電流
a,a’,b,b’ 先端−中心間距離

Claims (8)

  1. 異極性のイオンを発生させる二つの放電電極の組み合わせからなる放電電極対と、これらの放電電極で発生した正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口から送り出すファンと、正イオンと負イオンとのイオンバランスを検出するセンサと、該センサをフレームグランドに接続する検出抵抗と、該検出抵抗を流れるイオン電流に基づいて上記放電電極に印加される正又は負の高電圧を制御することによって正イオン又は負イオンの発生量を制御する制御装置とを備え、
    上記放電電極対における二つの放電電極は、上記送風口の中心の回りの互いに隣接する位置に配設されていて、一方の放電電極が、電極先端から送風口の中心までの距離を表す先端−中心間距離の長い短針電極であると共に、他方の放電電極が、上記先端−中心間距離の短い長針電極であり、
    上記センサは、リング状をしていて、上記放電電極より風下側の位置に、リングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設され、
    上記放電電極対における短針電極と長針電極との先端間距離をLとし、短針電極先端の基準位置から上記センサまでの送風口半径方向の距離であるセンサ距離をdとし、d/Lを位置率rとしたとき、上記検出抵抗の抵抗値R[MΩ]が、
    3.87r−1.37r−1.33r+1.42≦R≦−10.28r+48.42r−38.61r+9.50
    の範囲内にあることを特徴とするイオンバランス調整型イオナイザ。
  2. 上記位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のイオナイザ。
  3. 上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材と上記放電電極との間に上記センサが配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオナイザ。
  4. 上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材は、同心状に配置された複数の金属リングを有していて、リングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設され、何れか一つの金属リングを上記位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあるように配置することにより、該金属リングに上記センサを代用させたことを特徴とする請求項1に記載のイオナイザ。
  5. 異極性の高電圧の印加により異極性のイオンを発生する複数の放電電極と、これらの放電電極で発生した正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口から送り出すファンと、正イオンと負イオンとのイオンバランスを検出するセンサと、該センサをフレームグランドに接続する検出抵抗と、該検出抵抗を流れるイオン電流に基づいて上記放電電極に印加される正又は負の高電圧を制御することによって正イオン又は負イオンの発生量を制御する制御装置とを備え、
    上記放電電極は、上記送風口の中心の回りに異極性のもの同士が互いに隣接するように配設されていて、全ての放電電極における電極先端から送風口の中心までの距離を表す先端−中心間距離は互いに等しく、
    上記センサは、リング状をしていて、上記放電電極より風下側の位置に、一つの上記センサがリングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設されたイオナイザにおいて、
    隣接する異極性の放電電極の先端間距離をLとし、放電電極の先端の基準位置から上記センサまでの送風口半径方向の距離であるセンサ距離をdとし、d/Lを位置率rとし、上記検出抵抗の抵抗値をR[MΩ]としたとき、以下の数式
    2.26r +3.87r −0.19r+0.42≦R≦10.27r +3.59r +0.70r+0.65
    が成り立つように上記放電電極とセンサとの位置関係及び上記検出抵抗の抵抗値を定める、
    ことを特徴とするイオンバランス調整型イオナイザの設計方法
  6. 上記位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載のイオナイザ。
  7. 上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材と上記放電電極との間に上記センサが配設されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のイオナイザ。
  8. 異極性の高電圧の印加により異極性のイオンを発生する複数の放電電極と、これらの放電電極で発生した正イオン及び負イオンを含むイオン化エアを送風口から送り出すファンと、正イオンと負イオンとのイオンバランスを検出するセンサと、該センサをフレームグランドに接続する検出抵抗と、該検出抵抗を流れるイオン電流に基づいて上記放電電極に印加される正又は負の高電圧を制御することによって正イオン又は負イオンの発生量を制御する制御装置とを備え、
    上記放電電極は、上記送風口の中心の回りに異極性のもの同士が互いに隣接するように配設されていて、全ての放電電極における電極先端から送風口の中心までの距離を表す先端−中心間距離は互いに等しく、
    上記送風口に、上記放電電極と異物との接触を防止するためのネット状の防護部材が設けられ、この防護部材は、同心状に配置された複数の金属リングを有していて、上記放電電極より風下側の位置に、リングの中心を上記送風口の中心に一致させて配設され、何れか一つの金属リングが上記センサを代用しているイオナイザにおいて、
    隣接する異極性の放電電極の先端間距離をLとし、放電電極の先端の基準位置から上記センサを代用する金属リングまでの送風口半径方向の距離であるセンサ距離をdとし、d/Lを位置率rとし、上記センサを代用する金属リングの位置率rが0≦r≦0.5の範囲内にあり、かつ上記検出抵抗の抵抗値をR[MΩ]としたとき、以下の数式
    2.26r +3.87r −0.19r+0.42≦R≦10.27r +3.59r +0.70r+0.65
    が成り立つように上記放電電極とセンサとの位置関係及び上記検出抵抗の抵抗値を定める、
    ことを特徴とするイオンバランス調整型イオナイザの設計方法
JP2009039556A 2009-02-23 2009-02-23 イオンバランス調整型イオナイザ Expired - Fee Related JP5382574B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039556A JP5382574B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 イオンバランス調整型イオナイザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039556A JP5382574B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 イオンバランス調整型イオナイザ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010198777A JP2010198777A (ja) 2010-09-09
JP5382574B2 true JP5382574B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=42823330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009039556A Expired - Fee Related JP5382574B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 イオンバランス調整型イオナイザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5382574B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5284413B2 (ja) * 2011-05-18 2013-09-11 シャープ株式会社 イオン発生装置
JP5937918B2 (ja) * 2012-08-08 2016-06-22 シャープ株式会社 イオン発生装置およびこれを備えた除電装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02267880A (ja) * 1989-04-07 1990-11-01 Hiyuuguru Electron Kk イオン化エアー送風機
JP2002216995A (ja) * 2001-01-15 2002-08-02 Keyence Corp 除電装置及びこれに組み込まれる高電圧発生回路
US20090207547A1 (en) * 2005-03-25 2009-08-20 Hugle Electronics Inc. Ion Blower

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010198777A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4328858B2 (ja) 双極イオン生成方法および装置
JP5097514B2 (ja) ワイヤ電極式イオナイザ
JP4818093B2 (ja) 除電装置
US20090034145A1 (en) DC Type Ionizer
JP4027410B1 (ja) コロナ放電型イオナイザの検査方法及び検査装置
KR101390130B1 (ko) 공기 이온 측정 장치
JP5382574B2 (ja) イオンバランス調整型イオナイザ
EP2888791B1 (en) Active ionization control with interleaved sampling and neutralization
JP4184213B2 (ja) イオン発生量制御方法及びイオナイザー
JP2006329859A (ja) イオンコントロールセンサ
JPH08255669A (ja) イオン生成装置
JP4774498B2 (ja) マイナスイオン発生装置
CN107533941A (zh) 用于离子化气体的x射线源
WO2007038114A1 (en) Static eliminator
US20130153689A1 (en) Electrostatic atomizing apparatus
EP1848076B1 (en) Ion generator and method for controlling ozone amount
JP2010055848A (ja) 除電器
JP5805026B2 (ja) イオン生成装置及びイオンバランス検知方法
WO2009104511A1 (ja) 除電装置
JPH08255668A (ja) イオン生成装置
JP5805027B2 (ja) イオン生成装置及び異常放電検知方法
CN202094080U (zh) 离子源
JP3117459U7 (ja)
JP4112270B2 (ja) コロナ放電型イオナイザ
JP2009205815A (ja) 除電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees