JP2005100598A - 信号処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録媒体に記録されている原信号が音割れを起こしている場合に、ユーザが感じるノイズ感を抑制する。
【解決手段】 再生装置10において、音割れ区間検出部13は、記録媒体11上の信号の音割れ区間を検出し、音割れ区間修復部14は、例えばその音割れ区間を波形が欠落した信号として考え、その信号欠落区間を補間技術によって補間する。コンプレッション部15は、音割れが修復された信号に対してコンプレッション処理を行い、コンプレッション処理後の信号を音割れ修復部12の出力信号として出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】 再生装置10において、音割れ区間検出部13は、記録媒体11上の信号の音割れ区間を検出し、音割れ区間修復部14は、例えばその音割れ区間を波形が欠落した信号として考え、その信号欠落区間を補間技術によって補間する。コンプレッション部15は、音割れが修復された信号に対してコンプレッション処理を行い、コンプレッション処理後の信号を音割れ修復部12の出力信号として出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、いわゆる音割れを起こしている音響信号の音割れを修復する信号処理方法及び装置に関する。
1982年に登場したCD(Compact Disc)とその再生機であるCDプレーヤは、デジタルであるが故の高音質や利便性を兼ね備えていたため、それまで最もポピュラーであったアナログレコードの地位を奪い取った。現在ではCDに次ぐ記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)やインターネットによる配信などが普及しつつあるものの、依然としてCDは最も利用されている記録媒体の1つである。
CDには、44.1kHzで標本化し16ビットで量子化した信号(音響信号)が記録されている。標本化とは、信号を時間的に細分化することである。例えば、図34(A)に示すアナログ信号の標本化とは、同図(B)のようにある時間間隔でアナログ信号の値を取り出すことであり、CDの場合はこの時間間隔が1/44100秒である。このことを44.1kHzで標本化する、或いは標本化周波数が44.1kHzであるという。一方、量子化とは、振幅値を数値化することである。例えば図34(B)のように標本化された信号の量子化とは同図(C)のように振幅値をある数値で表現することであり、CDの場合はこの量子化を16ビット、つまり65536段階で行う。なお、図34(C)の例では、−8〜+8までの17段階で量子化を行っている。
CDの再生は、CDに記録されている標本化・量子化されたデータをCDから読み出し、それをデジタル信号からアナログ信号に変換することで行われる。以下では、単に信号と表記した場合、デジタル信号を指すこととする。
ここで図35は、16ビットで量子化された信号の例であり、演奏時間が約1分10秒のある音楽の波形データを示したものである。図35から分かるように、波形が16ビットの範囲内に収まっている。これに対して図36は、図35に示した波形を6dBだけ増幅した波形を示したものであり、波形が16ビットの範囲内に収まらず、振幅が制限された本来とは異なった波形になっている様子が容易に観察される。同様に、図37は図35に示した波形を9dBだけ増幅した波形を示したものであり、振幅が制限されたために図36の波形よりもさらに歪んでいる様子が観察される。このように、振幅が制限されて波形が歪むことを一般に音割れという。なお、音割れのことをクリッピング(Clipping)或いはサチュレーション(Saturation)などということもある。
この音割れについて、図38乃至図40を用いて簡単に説明する。
図38は、図35に示した音割れのない波形データの一部を拡大した例である。つまり、波形データは図35に示した波形データと同一であり、区間jの波形データを拡大して示している。この図38から分かるように、元の波形は16ビットの範囲内で十分に表現されている。
図38は、図35に示した音割れのない波形データの一部を拡大した例である。つまり、波形データは図35に示した波形データと同一であり、区間jの波形データを拡大して示している。この図38から分かるように、元の波形は16ビットの範囲内で十分に表現されている。
続いて図39は、図36に示した音割れのある波形データの一部を拡大した例である。つまり、波形データは図36に示した波形データと同一であり、区間kの波形データを拡大して示している。なお、図38中の区間jと図39中の区間kとは、時間的に同じ位置である。この図39から分かるように、波形が区間m1〜m6で音割れを起こしており、元の波形が16ビットの範囲内で十分に表現できていない。
図39に示す音割れが起きる原理について図40を用いて説明する。図38に示す音割れのない波形データを6dBだけ増幅すると、本来ならば図40に示すような波形データになる。しかしながら、16ビットで表現できる範囲nを超えた信号区間p1〜p6に関しては、16ビットで表現できる範囲の値に丸められることになる。この丸め方には様々な手法があるものの、結果として、図38の波形データを6dBだけ増幅した波形データは、概して図39に示すような波形データになり、ユーザに聴感上の不快感を与えるという問題がある。
このような問題を防止するため、従来、音割れを防止するための技術がいくつか提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
先ず、アナログ信号を記録する際の従来の音割れ防止処理例を図41に示す。図41において、マイク100から入力されたアナログ信号は、アナログ/デジタル(A/D)変換部101でデジタル信号に変換される。この際、アナログ/デジタル変換部101では、記録媒体103に記録するよりも大きな振幅まで許容するデジタル信号に変換する。すなわち、例えば図40のような波形データでも処理できるようにする。そして、コンプレッション部102にて記録媒体103に記録する際に限定される振幅値を超えた部分をユーザが聴いたときに不快感がないように緩やかに丸めるコンプレッション処理を行い、その後に記録媒体103に記録する。この一連の処理では、マイク100から入力された波形と実際に記録媒体103に記録される波形とが異なるものの、記録媒体103を再生した際の音割れによるノイズ(クリッピングノイズ)は、図36の波形データを再生した際のノイズよりも遙かに緩和されたものとなる。但し、この例ではマイク100で物理的に音割れが起きていないことを前提としている。
ここで、コンプレッション処理とは、例えば図40に示すような波形データを図42に示すような波形データにすることである。具体的には、例えば図43に示すような方法が適用できる。つまり、入力信号の振幅レベルが振幅レベルq1の範囲にあるときは、出力信号の振幅レベルを振幅レベルq2のように振幅レベルq1に線形に対応させる。入力信号の振幅レベルが振幅レベルq1を超えた振幅レベルr1にあるときは、出力信号の振幅レベルを振幅レベルr2のように振幅レベルr1に非線形に対応させる。この処理によって、入力信号の振幅レベルを所望の振幅レベルを持つ信号に変換することができる。
次に、記録媒体に記録された信号を編集する際の従来の音割れ防止処理例を図44に示す。図44において、記録媒体200に記録された信号を再生し、再生された信号に編集処理部201で各種音響効果を施し、そしてコンプレッション部202にて記録媒体203に記録する際に限定される振幅値を超えた部分を人間が聴いたときに不快感がないように緩やかに丸めるコンプレッション処理を行い、その後に記録媒体203に記録する。緩やかに丸めるとは、例えば図42のような波形にすることである。この一連の処理では編集処理部201で施された音響効果によって音割れが起きても、この音割れによる不快感を緩和することが可能である。但し、記録媒体200に記録されている信号が音割れを起こしていないことを前提としている。
図41や図44で示したように、入力信号が音割れを起こしていない波形である場合には、たとえその振幅が記録媒体に記録できる振幅値を超えていたとしても、コンプレッション処理によって人間が聴く際にさほど不快感を感じないような波形に整形することが可能である。なお、様々な方式が提案されているコンプレッション処理の技術は、実際にレコーディングや編集の場面で広く普及している。
ここで、現在最も普及している記録媒体の1つであるCDに記録されている波形について考えてみる。CDの普及当初は、図35のように小さな音量(振幅)で録音されていることが多かった。つまり音割れを起こしている波形データがCDに記録されていることは少なかった。しかしながら、近年ではCDに大音量で録音する傾向があり、図36や図37のように音割れを起こしている波形データが記録されたCDが販売されていることが珍しくなくなっている。このような音割れを起こしている波形データを再生すると、音楽と共に音割れノイズ(クリッピングノイズ)が再生されることとなり、CD特有のノイズの少ない音楽を楽しむといった行為が阻害される結果となる。本来ならば、マスターCDを製作する際に細心の注意を払えば防げるが、音割れを起こしているCDが既に大量に販売されている以上、ユーザ側での対策が必要となる。
図41の録音時や図44の編集時のように、元の信号が音割れを起こしていない場合であれば、コンプレッション処理によりその後段の処理での著しい音割れをある程度防ぐことができるが、音割れを起こしている波形データが記録されているCDを購入してしまったユーザには、音割れを起こしている波形データが原信号となるため、コンプレッション処理では何ら問題の解決を図れない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、CD等の記録媒体に記録されている波形データ等の原信号がいわゆる音割れを起こしていても、その音割れを修復してユーザが感じるノイズ感を抑制することが可能な信号処理方法及び装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法及び装置は、入力された音響信号から本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程(手段)と、上記音割れ区間検出工程(手段)にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程(手段)と、上記音割れ修復工程(手段)にて音割れが修復された音響信号の振幅を抑制する振幅抑制工程(手段)とを有する。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法及び装置は、入力された音響信号の振幅を一律に低減する振幅抑制工程(手段)と、上記入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程(手段)と、上記音割れ区間検出工程(手段)にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程(手段)とを有する。
さらに、上述した目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法及び装置は、入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程(手段)と、上記音割れ区間検出工程(手段)にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程(手段)と、上記音割れ修復工程(手段)にて音割れが修復された音響信号の量子化ビット数を増加させる量子化ビット数変更工程(手段)とを有する。
このような情報処理方法及び装置では、入力された音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復し、音割れが修復された音響信号の振幅を抑制する手法、入力された音響信号の振幅を一律に抑制し、その音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復する手法、又は入力された音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復し、音割れが修復された音響信号の量子化ビット数を増加させる手法により、音割れを軽減する。
本発明に係る情報処理方法及び装置によれば、入力された音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復し、音割れが修復された音響信号の振幅を抑制する手法、入力された音響信号の振幅を一律に抑制し、その音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復する手法、又は入力された音響信号の音割れ区間を検出して音割れ区間の音響信号を修復し、音割れが修復された音響信号の量子化ビット数を増加させる手法を用いることにより、元の音響信号が音割れを起こしていても、音割れが軽減された音楽を記録し、再生することが可能となる。また、符号化して記録媒体に記録する際には、さらに符号化効率や音質が向上し、符号化された音響信号を復号化して再生する際には、さらに符号化・復号化処理の簡素化が可能となる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、第1の実施の形態における再生装置(例えばCD(Compact Disc)プレーヤ等)の概略構成を図1に示す。図1に示す再生装置10は、着脱可能とされた、或いは該再生装置10に内蔵された記録媒体11に記録されている信号を読み出し、その音割れを修復して外部に出力する機能を有する。具体的に、記録媒体11から読み出された信号は、音割れ修復部12に入力されて音割れが修復された後、デジタル信号のまま再生装置10の外部に出力される。このデジタル信号は、デジタル/アナログ(D/A)変換部16によってアナログ信号に変換されて再生装置10の外部に出力されてもよい。
ここで、音割れ修復部12は、音割れ区間検出部13と、音割れ区間修復部14と、コンプレッション部15とから構成される。音割れ区間検出部13は、記録媒体11から入力された信号の音割れ区間を特定する。この音割れ区間の特定とは、例えば図2に示すように、信号区間a1〜a6を特定することである。具体的手法としては、例えば振幅の絶対値が最大になっている信号区間を音割れ区間とする手法が挙げられる。但し、信号一般にこの区間を厳密に特定することは困難であり、信号区間a1〜a6を含む多少広めの区間で代用しても構わない。音割れ区間検出部13は、検出した音割れ区間に関する音割れ区間情報を音割れ区間修復部14に供給する。
音割れ区間修復部14は、音割れ区間検出部13から供給された音割れ区間情報に基づいて、音割れ区間の音割れ修復を行う。音割れ区間の音割れ修復には、例えば公知の補間技術が適用可能である。補間技術の適用とは、図2において音割れ区間a1〜a6を特定した後、その音割れ区間a1〜a6を図3の信号欠落区間b1〜b6のように波形が欠落した信号として考え、その信号欠落区間を公知の補間技術によって補間するという方法である。具体的には、例えば線形予測を利用したり、予め用意された波形パターンを当てはめたりすることができる。但し、必ずしも図2の音割れ区間a1〜a6を図3の信号欠落区間b1〜b6のように実際に置き換えてから処理しなくてもよい。要は、音割れ区間の波形を可能な限り不快感なく聴こえるように修復すること、理想的には前述した図40の区間信号p1〜p6に近づけることが実現されればよい。音割れ区間修復部14は、音割れ区間を修復した信号をコンプレッション部15に供給する。
ここで、音割れ区間修復部14からコンプレッション部15に供給される信号は、例えば前述した図40のように記録媒体11の量子化ビット数で表現できる範囲を超えている可能性が高い。この範囲を超えたために信号区間p1〜p6にて音割れが発生したと考えられるからである。このように量子化ビット数を超えた信号のままでは再度音割れを起こしてしまい、音割れ修復が無意味になる可能性が高い。そこで、コンプレッション部15は、図42及び図43にて示したように、音割れ区間修復部14で音割れが修復された信号に対してコンプレッション処理を行う。このコンプレッション処理は、公知のコンプレッション技術が適用可能である。コンプレッション部15は、コンプレッション処理後の信号を音割れ修復部12の出力信号として出力する。
上述した再生装置10の処理を図4のフローチャートに示す。先ずステップS1において、記録媒体11上の信号を再生し、ステップS2において、再生した信号の音割れ区間を検出する。続いてステップS3において、この検出された音割れ区間についての音割れ区間情報を用いて音割れ区間の信号を修復する。ステップS4では、音割れが修復された信号をコンプレッション処理し、ステップS5では、処理信号を再生装置10の外部に出力する。そしてステップS6では、記録媒体11上に再生すべき信号がまだ存在するか否かを判断し、再生すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS1に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。
以上のように、第1の実施の形態における再生装置10によれば、記録媒体11上の信号の音割れ区間を検出し、その音割れ区間を修復した後にコンプレッション処理を行うようにしているため、原信号が音割れを起こしている場合であっても、ユーザが感じるノイズ感を抑制することができる。
次に、第2の実施の形態における再生装置(例えばCDプレーヤ等)の概略構成を図5に示す。図5に示す再生装置20は、基本構造を図1に示した再生装置10と同様とするが、音割れ区間修復部24の後段に振幅抑制部25を有する点に特徴を有している。なお、音割れ区間検出部23、音割れ区間修復部24、コンプレッション部26及びデジタル/アナログ変換部27における処理は、それぞれ図1における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、コンプレッション処理は、量子化ビット数の範囲を超えた信号を聴感上不快感のないように変更する信号処理であるものの、信号の波形を歪める処理となる。これを避けるため、図5に示す再生装置20では、音割れ区間修復部24の後処理として振幅抑制処理を行う。具体的には、振幅抑制部25に供給される信号の振幅を例えば6dB下げるなど一律に小さくする。この結果、再生装置20から出力される信号を他の記録媒体に記録する場合には録音レベルが下がるという問題があるものの、出力信号をスピーカ等で聴く場合などには歪みの少ない音を聴くことが可能となる。
なお、振幅抑制部25に供給される信号に対して振幅抑制量が少ない場合には、振幅抑制部25にて一律に信号振幅を下げた後の信号が再度音割れを起こす場合が考えられる。この場合には、振幅抑制部25の振幅抑制量をさらに増大させるという対策や、コンプレッション部26のコンプレッション処理を併用するという対策等を行うことでさらなる音割れを防ぐことが可能である。振幅抑制部25の振幅抑制で音割れ防止効果が十分である場合や再度の音割れを容認する場合等には、コンプレッション部26を設置しない構成とすることも可能である。
上述した再生装置20の処理を図6のフローチャートに示す。先ずステップS10において、記録媒体21上の信号を再生する。次にステップS11において、再生された信号の音割れ区間を検出する。続いてステップS12において、検出された音割れ区間についての音割れ区間情報を用いて音割れ区間の信号を修復する。ステップS13では、音割れが修復された信号に対して一律な振幅抑制処理を行う。この振幅抑制処理によってもなお音割れが起きる場合には、振幅抑制量を変更して振幅抑制処理をやり直してもよく、ステップS14でコンプレッション処理を行ってもよい。ステップS15では、処理信号を再生装置20の外部に出力する。そしてステップS16では、記録媒体21上に再生すべき信号がまだ存在するか否かを判断し、再生すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS10に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。
以上のように、第2の実施の形態における再生装置20によれば、音割れ区間を修復した後にコンプレッション処理の代わりとして、或いはコンプレッション処理と併用して振幅抑制処理を行うことで、歪みの少ない音を再生することが可能となる。
次に、第3の実施の形態における再生装置(例えばCDプレーヤ等)の概略構成を図7に示す。図7に示す再生装置30は、基本構造を図5に示した再生装置20と同様とするが、音割れ区間検出部34の前段に振幅抑制部33を有する点に特徴を有している。なお、再生装置30の各ブロックにおける処理は、それぞれ図5における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
この再生装置30では、図7に示すように音割れ区間検出部34の前段に振幅抑制部33を設けているため、音割れ区間修復部35の出力信号が記録媒体31の量子化ビット数で表現できる振幅範囲を超えることを未然に防ぐことが可能となる。
なお、振幅抑制部33に供給される信号に対して振幅抑制量が少ない場合には、音割れ区間修復部35からの出力信号が再度音割れを起こす場合が考えられる。この場合には、振幅抑制部33の振幅抑制量をさらに増大させるという対策や、コンプレッション部36のコンプレッション処理を併用するという対策等を行うことでさらなる音割れを防ぐことが可能である。振幅抑制部33の振幅抑制で音割れ防止効果が十分である場合や再度の音割れを容認する場合等には、コンプレッション部36を設置しない構成とすることも可能である。
上述した再生装置30の処理を図8のフローチャートに示す。先ずステップS20において、記録媒体31上の信号を再生し、ステップS21において、再生された信号に対して一律な振幅抑制処理を行う。続いてステップS22において、振幅抑制された信号の音割れ区間を検出し、ステップS23では、検出された音割れ区間についての音割れ区間情報を用いて音割れ区間の信号を修復する。この音割れが修復された信号が再度音割れを起こす場合には、振幅抑制量を変更して振幅抑制処理をやり直してもよく、ステップS24でコンプレッション処理を行ってもよい。ステップS25では、処理信号を再生装置30の外部に出力する。そしてステップS26では、記録媒体31上に再生すべき信号がまだ存在するか否かを判断し、再生すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS20に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。
以上のように、第3の実施の形態における再生装置30によれば、音割れ区間を修復する前にコンプレッション処理の代わりとして、或いはコンプレッション処理と併用して振幅抑制処理を行うことで、歪みの少ない音を再生することが可能となる。
次に、第4の実施の形態における再生装置(例えばCDプレーヤ等)について、図1を参照しながら説明する。この第4の実施の形態における再生装置は、記録媒体11に記録されている量子化ビット数よりも多い量子化ビット数で信号を出力する点に特徴を有している。
ここで、CDの量子化ビット数が16ビットであるように、現在最も普及しているデジタル信号の量子化ビット数は16ビットである。これに対して近年16ビットよりも多いビット数で量子化を行うことも一般的になってきている。低ビット数で量子化された信号から高ビット数で量子化された信号に変換する場合、通常は図9のようにMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)を揃えて各ビットの値を割り当てる。これに対して図10のようにLSB(Least Significant Bit:最下位ビット)を揃えて各ビットの値を割り当てれば、MSB側の余った各ビットを音割れ修復信号に利用できる。このデジタル信号は、デジタル/アナログ変換部16によってアナログ信号に変換されて再生装置10の外部に出力されてもよい。
以上のように、第4の実施の形態における再生装置によれば、音割れ区間以外の信号について全く変更することなく、記録媒体11に記録されたままの波形を出力することが可能となる。
なお、本実施の形態では第1の実施の形態における再生装置10と同様の構成として説明したが、第2,3の実施の形態における再生装置20,30のように振幅抑制部25,33を設ける構成であっても構わない。これにより、第2,3の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。この場合、上述したように、コンプレッション部26,36を設置しない構成とすることも可能である。
次に、第5の実施の形態における記録装置(例えばCD−R(CD-Recordable)レコーダ等)の概略構成を図11に示す。図11に示す記録装置40は、デジタル入力された信号の音割れを修復し、着脱可能とされた、或いは該記録装置40に内蔵された記録媒体46に記録する機能を有する。具体的に、記録装置40に入力された信号は、音割れ修復部42に入力され、音割れが修復された後、記録媒体46に記録される。入力信号は、アナログ/デジタル(A/D)変換部41によってアナログ信号をデジタル信号に変換した信号であってもよい。なお、音割れ修復部42内の各ブロックにおける処理は、図1の音割れ修復部12内における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
上述した記録装置40の処理を図12のフローチャートに示す。先ずステップS30において、外部から記録すべき信号を入力し、ステップS31において、入力された信号について音割れ区間を検出する。続いてステップS32において、検出された音割れ区間の音割れ区間情報に基づいて音割れ区間の信号の修復を行う。ステップS33では、必要に応じてコンプレッション処理を行う。ステップS34では、記録媒体46に記録を行う。そしてステップS35では、記録すべき入力信号がまだ存在するか否かを判断し、記録すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS30に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。なお、記録媒体46の記録可能残量がなくなった場合にも処理を終了する。
以上のように、第5の実施の形態における記録装置40によれば、例えば音割れを起こしているCDを他の再生装置で再生した場合のように入力信号が音割れを起こしている場合であっても、音割れが軽減された信号を記録媒体46に記録することが可能となる。
なお、この記録装置40においても、第2,3の実施の形態における再生装置20,30のように振幅抑制部25,33を設けることができる。これにより、第2,3の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。また、第4の実施の形態における再生装置のように、記録装置40においても入力信号の量子化ビット数よりも多い量子化ビット数で記録媒体46に記録することも可能である。これにより、第4の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。
次に、第6の実施の形態における記録装置(例えばMD(MiniDisc:商標)レコーダ等)の概略構成を図13に示す。図13に示す記録装置50は、基本構造を図11に示した記録装置40と同様とするが、音割れ修復部52の後段に符号化部56を設け、符号化信号を記録媒体57に記録することに特徴を有している。なお、記録装置50の符号化部56以外の各ブロックにおける処理は、それぞれ図11における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、符号化方式としては多種多様な方式が提案されているが、その殆どが情報の偏りを利用したり人間の聴覚の特性を利用したりするものである。
そこで、以下では先ず、図14乃至図19を参照しながら、情報の偏りを利用した符号化方式の例と音割れを起こした場合の問題点とについて説明する。
例えば図14に示すような正弦波を離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)したときの周波数スペクトルは図15のように表される。図14のように時間領域で信号を表現した場合、この信号を表現するためには各サンプリング時点におけるサンプル値を記録することになる。これに対して、図15のように周波数領域で信号を表現した場合、この信号を表現するためには周波数c1及び位相情報(図示せず)の2つの情報のみを記録すればよいことになる。
例えば図14に示すような正弦波を離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)したときの周波数スペクトルは図15のように表される。図14のように時間領域で信号を表現した場合、この信号を表現するためには各サンプリング時点におけるサンプル値を記録することになる。これに対して、図15のように周波数領域で信号を表現した場合、この信号を表現するためには周波数c1及び位相情報(図示せず)の2つの情報のみを記録すればよいことになる。
図14の正弦波よりも振幅が1割程度大きいために音割れを起こした例を図16に示し、図16の信号をDFTしたときの周波数スペクトルを図17に示す。図17から分かるように、図15における周波数c1に相当する周波数d1以外にも多数の周波数d2が存在している。図15では周波数c1のみが存在していたために、記録するデータは周波数c1及びその位相情報のみであったが、図17では周波数d1以外に多数の周波数d2とそれらの位相情報とを記録しなければならない。
同様に、図14の正弦波よりも振幅が3割程度大きいために音割れを起こした例を図18に示し、図18の信号をDFTしたときの周波数スペクトルを図19に示す。図19から分かるように、図15の周波数c1に相当する周波数e1以外の多数の周波数e2が、図17の周波数d2よりも増大している。
このように、信号が音割れを起こしている場合には、音割れを起こす前の原信号よりも多数の周波数を含むことになり、符号化効率が悪くなるという問題がある。これは、音割れを起こした部分の信号が矩形波に近づいていることからも容易に予測できる結果である。
次に、図20乃至図23を参照しながら、人間の聴覚特性を利用した符号化方式の例と音割れを起こした場合の問題点とについて説明する。
図20に示す信号は2つの正弦波を重ねたものであり、図21は図20の信号が信号区間f1〜f4において音割れを起こした例である。また、図21に示した信号をDFTしたときの周波数スペクトルは図22のようになる。音割れを起こす前の信号は2つの正弦波を重ねたものであり、図15のように周波数領域では2つの周波数g1によって表現されるものである。しかしながら、音割れを起こしているため、図17と同様に多数の周波数g2が存在している。
図20に示す信号は2つの正弦波を重ねたものであり、図21は図20の信号が信号区間f1〜f4において音割れを起こした例である。また、図21に示した信号をDFTしたときの周波数スペクトルは図22のようになる。音割れを起こす前の信号は2つの正弦波を重ねたものであり、図15のように周波数領域では2つの周波数g1によって表現されるものである。しかしながら、音割れを起こしているため、図17と同様に多数の周波数g2が存在している。
一般に音割れを起こしていない音響信号は低周波にスペクトルが集まる傾向があり、また人間の聴覚は高周波に鈍感であることから、符号化の際に高周波の振幅をゼロに置き換える操作がしばしば行われる。この処理を図22のスペクトルに適用すると、例えば周波数g3をゼロに置き換える結果、図23に示すようになる。音割れを起こしていない信号の場合、この処理を行っても高周波成分が元々少ないために聴感上の影響は少ないが、音割れを起こしている信号の場合、高周波成分を多量に含んでいるため、この処理は聴感上の影響を大きくする。
例えば、図21の信号をDFTし、図23のように高周波成分をゼロに置き換え、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform:IDFT)した信号と、図21の信号との差分は図24のようになる。図24から分かるように、差分区間h1〜h5は音割れ区間でない区間の差分であるにも拘わらず、差分値がゼロになっていない。したがって、音割れを起こした信号を符号化処理した場合、音割れ区間外にもこのような聴感上の影響をもたらすという問題がある。
そこで、本実施の形態における記録装置50は、符号化部56の前段に音割れ修復部52を設けており、符号化処理を行う前に音割れを可能な限り修復して、これらの悪影響を軽減する。
上述した記録装置50の処理を図25のフローチャートに示す。先ずステップS40において、外部から記録すべき信号を入力し、ステップS41において、入力された信号について音割れ区間を検出する。続いてステップS42において、検出された音割れ区間の音割れ区間情報に基づいて音割れ区間の信号の修復を行い、ステップS43では、必要に応じてコンプレッション処理を行う。ステップS44では、符号化処理を行い、ステップS45では、記録媒体57に記録を行う。そしてステップS46では、記録すべき入力信号がまだ存在するか否かを判断し、記録すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS40に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。なお、記録媒体57の記録可能残量がなくなった場合にも処理を終了する。
以上のように、第6の実施の形態における記録装置50によれば、符号化信号を記録媒体57に記録する際に、符号化の前処理として音割れ修復処理を行うことにより、上述したような原信号の音割れによる聴感上の不快感を軽減するという効果に加えて、符号化部56での符号化効率を向上させ、また音質を向上させることができるという効果が得られる。
なお、この記録装置50においても、第2,3の実施の形態における再生装置20,30のように振幅抑制部25,33を設けることができる。これにより、第2,3の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。また、第4の実施の形態における再生装置のように、記録装置50においても入力信号の量子化ビット数よりも多い量子化ビット数で記録媒体46に記録することも可能である。これにより、第4の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。
次に、第7の実施の形態における再生装置(例えばMD(MiniDisc:商標)プレーヤ等)の概略構成を図26に示す。図26に示す再生装置60は、基本構造を図1に示した再生装置10と同様とするが、音割れ修復部63の前段に復号化部62を設け、記録媒体61に記録された信号を復号化することに特徴を有している。なお、再生装置60の復号化部62以外の各ブロックにおける処理は、それぞれ図1における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、この再生装置60で復号化して再生しようとしている信号は、符号化されて記録媒体61に記録されたものであるが、この符号化・復号化処理によって、信号に音割れが起こる場合がある。以下、具体的に説明する。
図27は、図28(A)〜(C)に示す3つの正弦波の合成波である。この図27に示す信号を符号化することを考える。図27の信号を構成する図28に示す3つの正弦波の中で、図28(C)に示す正弦波の振幅が最も小さく、重要でない可能性がある。そこで、図27の信号を図28(A)、(B)の2つの信号の合成波として表現することとする。しかしながら、このような信号を符号化した信号を復号化すると、その信号の波形は図29のように音割れを起こしたものとなる。なお、この例以外に、符号化・復号化の際の演算精度が原因で音割れを起こす場合等もある。
このような符号化・復号化処理によって起こる音割れを防ぐ手法としては、符号化の際に一旦復号化し、音割れを起こすか否かを調べる手法が考えられる。この場合の符号化処理について図30のフローチャートに示す。先ずステップS50において、符号化処理する信号を入力し、ステップS51において、その入力信号を符号化する。続いてステップS52において、符号化された信号を一旦復号化し、ステップS53において、復号化された信号が音割れを起こしているか否かを調べる。このステップS53において、音割れを起こしている場合(Yes)にはステップS51に戻り、符号化処理の設定を変更して再度符号化処理を行う。一方、音割れを起こしていない場合(No)にはステップS54に進み、ステップS51で符号化した信号を記録媒体に記録する。そして、ステップS55では、記録すべき信号がまだ存在するか否かを判断し、記録すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS50に戻って処理を繰り返す。一方、記録すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。なお、記録媒体の記録可能残量がなくなった場合にも処理を終了する。
このように、符号化処理した信号を一旦復号化して音割れの状態を確認することで、符号化・復号化処理による新たな音割れの発生を防止することが可能であるものの、符号化処理が煩雑なものとなったり、音割れが起きないようにするために符号化効率の低下を招いたりする可能性がある。
そこで、本実施の形態における再生装置60では、符号化信号の復号化処理の後処理として音割れ修復部63を設けることで、符号化・復号化処理された信号が音割れを起こす問題を解決できる。さらに、符号化・復号化処理中に音割れが発生した際には後段の音割れ修復部63にその修復を任せることを前提とすることで、符号化・復号化処理を簡単な構成にしたり、符号化効率を向上させたりすることが可能である。
上述した再生装置60の処理を図31のフローチャートに示す。先ずステップS60において、記録媒体61上の信号を再生する。次にステップS61において、再生された信号を復号化する。続いてステップS62において、復号化された信号の音割れ区間を検出し、ステップS63において、この検出された音割れ区間についての音割れ区間情報を用いて音割れ区間の信号を修復する。ステップS64では、音割れが修復された信号をコンプレッション処理し、ステップS65では、処理信号を再生装置60の外部に出力する。そしてステップS66では、記録媒体61上に再生すべき信号がまだ存在するか否かを判断し、再生すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS60に戻って処理を繰り返す。一方、再生すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。
以上のように、第7の実施の形態における再生装置60によれば、符号化信号を復号化する際に、復号化処理の後処理として音割れ修復処理を行うことにより、符号化前の原信号に元々含まれていた音割れによる聴感上の不快感を軽減するという効果に加えて、符号化・復号化処理の際に新たに発生する音割れによる聴感上の不快感を軽減する効果や、符号化・復号化処理の際に音割れが発生しないようにするために符号化・復号化処理が煩雑になったり符号化効率が低下したりすることを防ぐ効果が得られる。
なお、この再生装置60においても、第2,3の実施の形態における再生装置20,30のように振幅抑制部25,33を設けることができる。これにより、第2,3の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。また、第4の実施の形態における再生装置のように、再生装置60においても、記録媒体61に記録されている量子化ビット数よりも多い量子化ビット数で信号を出力することも可能である。これにより、第4の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。
次に、第8の実施の形態におけるネットワーク(放送・通信・LAN(Local Area Network)等)を利用した記録再生装置の概略構成を図32に示す。なお、記録再生装置70の音割れ修復部72における処理は、図1等における同名称のブロックと同様であるため、詳細な説明を省略する。
この記録再生装置70は、放送受信機器77aや無線通信機77b、LAN機器77cからデジタル入力された信号の音割れ修復機能を有する。入力された信号は、記録媒体71aに一旦記録し、そこから読み出す形式であっても、記録媒体71aに記録せずに直接処理する形式であってもよい。具体的に、記録再生装置70に入力された信号は、音割れ修復部72に入力され、上述したように音割れ修復された後、デジタル/アナログ変換部76でアナログ信号に変換され、スピーカ78dでユーザが聴ける状態にされる。なお、音割れ修復後、記録媒体71bに一旦記録し、そこから読み出す形式であっても、記録媒体71bに記録せずに直接出力する形式であってもよい。この構成例では、例えばユーザが所望のウェブサイトからダウンロード或いはストリーミングによって得た音楽データ、デジタル放送によって得た音楽データの音割れをリアルタイムで修復し、音割れが修復された音楽を楽しむといったことが可能となる。
さらに、音割れを修復したデータを、放送送信機器78aや無線通信機器78b、LAN機器78cによって出力する構成とすることも可能である。この構成例では、記録再生装置70を音割れ修復サーバのように使用することが可能である。つまり、記録再生装置70で音割れが修復されたデータが放送送信機器78a、無線通信機器78b、LAN機器78cから出力されることにより、音割れ修復機能を持たない他の再生装置であっても、音割れが修復された音楽を楽しむことが可能となる。
上述した記録再生装置70の処理を図33のフローチャートに示す。先ずステップS70において、外部から信号を入力し、ステップS71において、入力された信号の音割れ区間を検出する。続いてステップS72において、この検出された音割れ区間についての音割れ区間情報を用いて音割れ区間の信号を修復する。ステップ73では、音割れが修復された信号をコンプレッション処理し、ステップS74では、処理信号を再生装置10の外部に出力する。そしてステップS75では、処理すべき入力信号がまだ存在するか否かを判断し、処理すべき信号がまだ存在する場合(Yes)にはステップS70に戻って処理を繰り返す。一方、処理すべき信号が存在していない場合(No)には処理を終了する。
以上のように、第8の実施の形態における記録再生装置70によれば、例えばユーザが所望のウェブサイトからダウンロード或いはストリーミングによって得た音響信号、デジタル放送によって得た音響信号の音割れをリアルタイムで修復し、音割れが修復された音楽を楽しむことや、音割れ修復機能を持たない他の再生装置に対して、音割れを修復した音響信号を出力することができる。
なお、この記録再生装置70においても、第2,3の実施の形態における再生装置20,30のように振幅抑制部25,33を設けることができる。これにより、第2,3の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。また、第4の実施の形態における再生装置のように、記録再生装置70においても入力信号の量子化ビット数よりも多い量子化ビット数で記録媒体71a,71bに記録することも可能である。これにより、第4の実施の形態で例示した効果と同様な効果が得られる。
以上、第1乃至第8の実施の形態を通して本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
元の音響信号が音割れを起こしていても音割れが軽減された音楽を記録し、再生することができる。また、符号化して記録する際には、さらに符号化効率や音質が向上し、符号化された音響信号を復号化して再生する際には、さらに符号化・復号化処理の簡素化が可能となる。
10 再生装置、11 記録媒体、12 音割れ修復部、13 音割れ区間検出部、14 音割れ区間修復部、15 コンプレッション部、20 再生装置、21 記録媒体、22 音割れ修復部、23 音割れ区間検出部、24 音割れ区間修復部、25 振幅抑制部、26 コンプレッション部、30 再生装置、31 記録媒体、32 音割れ修復部、33 振幅抑制部、34 音割れ区間検出部、35 音割れ区間修復部、36 コンプレッション部、40 記録装置、42 音割れ修復部、43 音割れ区間検出部、44 音割れ区間修復部、45 コンプレッション部、46 記録媒体、50 記録装置、52 音割れ修復部、53 音割れ区間検出部、54 音割れ区間修復部、55 コンプレッション部、56 符号化部、57 記録媒体、60 再生装置、61 記録媒体、62 復号化部、63 音割れ修復部、64 音割れ区間検出部、65 音割れ区間修復部、66 コンプレッション部、70 記録再生装置、71a,71b 記録媒体、72 音割れ修復部、73 音割れ区間検出部、74 音割れ区間修復部、75 コンプレッション部
Claims (22)
- 入力された音響信号から本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程と、
上記音割れ区間検出工程にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程と、
上記音割れ修復工程にて音割れが修復された音響信号の振幅を抑制する振幅抑制工程と
を有することを特徴とする信号処理方法。 - 上記音割れ修復工程では、上記音割れ区間を信号が欠落した信号欠落区間と見なし、当該信号欠落区間を補間することで、上記音割れ区間の音響信号を修復することを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
- 上記振幅抑制工程では、一律な振幅低減処理及び/又はコンプレッション処理によって振幅を抑制することを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
- 上記入力された音響信号は、記録媒体から読み出されたものであることを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
- 上記記録媒体は、着脱可能とされていることを特徴とする請求項4記載の信号処理方法。
- 上記入力された音響信号は、符号化されたものであり、当該符号化された音響信号を復号化する復号化工程をさらに有し、
上記音割れ区間検出工程では、復号化された音響信号における上記音割れ区間を検出する
ことを特徴とする請求項4記載の信号処理方法。 - 上記振幅抑制工程にて振幅が抑制された音響信号を記録媒体に記録する記録工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
- 上記振幅抑制工程にて振幅が抑制された音響信号を符号化する符号化工程をさらに有し、
上記記録工程では、符号化された上記音響信号を上記記録媒体に記録する
ことを特徴とする請求項7記載の信号処理方法。 - 入力された音響信号の振幅を一律に低減する振幅抑制工程と、
上記入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程と、
上記音割れ区間検出工程にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程と
を有することを特徴とする信号処理方法。 - 上記音割れ修復工程にて音割れが修復された音響信号に対してコンプレッション処理を行うコンプレッション処理工程をさらに有することを特徴とする請求項9記載の信号処理方法。
- 入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出工程と、
上記音割れ区間検出工程にて検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復工程と、
上記音割れ修復工程にて音割れが修復された音響信号の量子化ビット数を増加させる量子化ビット数変更工程と
を有することを特徴とする信号処理方法。 - 入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出手段と、
上記音割れ区間検出手段によって検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復手段と、
上記音割れ修復手段によって音割れが修復された音響信号の振幅を抑制する振幅抑制手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 上記音割れ修復手段は、上記音割れ区間を信号が欠落した信号欠落区間と見なし、当該信号欠落区間を補間することで、上記音割れ区間の音響信号を修復することを特徴とする請求項12記載の信号処理装置。
- 上記振幅抑制手段は、一律な振幅低減処理及び/又はコンプレッション処理によって振幅を抑制することを特徴とする請求項12記載の信号処理装置。
- 上記入力された音響信号は、記録媒体から読み出されたものであることを特徴とする請求項12記載の信号処理装置。
- 上記記録媒体は、着脱可能とされていることを特徴とする請求項15記載の信号処理装置。
- 上記入力された音響信号は、符号化されたものであり、当該符号化された音響信号を復号化する復号化手段をさらに備え、
上記音割れ区間検出手段は、復号化された音響信号における上記音割れ区間を検出する
ことを特徴とする請求項15記載の信号処理装置。 - 上記振幅抑制手段によって振幅が抑制された音響信号を記録する記録媒体に記録する記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項12記載の信号処理装置。
- 上記振幅抑制手段によって振幅が抑制された音響信号を符号化する符号化手段をさらに備え、
上記記録手段は、符号化された上記音響信号を上記記録媒体に記録する
ことを特徴とする請求項18記載の信号処理装置。 - 入力された音響信号の振幅を一律に低減する振幅抑制手段と、
上記入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出手段と、
上記音割れ区間検出手段によって検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 上記音割れ修復手段によって音割れが修復された音響信号に対してコンプレッション処理を行うコンプレッション処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項20記載の信号処理装置。
- 入力された音響信号から、本来の振幅が表現可能な最大振幅以上である音割れ区間を検出する音割れ区間検出手段と、
上記音割れ区間検出手段によって検出された音割れ区間の音響信号を修復する音割れ修復手段と、
上記音割れ修復手段によって音割れが修復された音響信号の量子化ビット数を増加させる量子化ビット数変更手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004190245A JP2005100598A (ja) | 2003-08-20 | 2004-06-28 | 信号処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003296725 | 2003-08-20 | ||
JP2004190245A JP2005100598A (ja) | 2003-08-20 | 2004-06-28 | 信号処理方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005100598A true JP2005100598A (ja) | 2005-04-14 |
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JP (1) | JP2005100598A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012230160A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | クリップノイズ検出装置、クリップノイズ検出方法、プログラム |
-
2004
- 2004-06-28 JP JP2004190245A patent/JP2005100598A/ja not_active Withdrawn
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JP2012230160A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | クリップノイズ検出装置、クリップノイズ検出方法、プログラム |
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