JP2005099735A - 偏光板保護フイルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

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Yoshirou Futamura
恵朗 二村
Yosuke Nishiura
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Abstract

【課題】 従来よりも厚み方向および面内のレターデーションが大きな偏光板保護フイルムを提供する。
【解決手段】 厚み方向のレターデーション値が70乃至350nmであり、面内レターデーション値が20乃至100nmであり、アセチル基の置換度が1.5乃至2.3かつプロピオニル基の置換度が0.5乃至0.9であるセルロースエステルフイルムを偏光板保護フイルムとして用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偏光板保護フイルムおよび偏光板に関する。また、本発明は、偏光板を用いたバーティカルアライメント(VA)型液晶表示装置にも関する。
液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板からなる。偏光板は、保護フイルムおよび偏光膜からなる。偏光膜は、例えば、ポリビニルアルコールフイルムをヨウ素にて染色し、延伸を行って製造する。偏光板保護フイルムは、一般に偏光膜の両面にて積層する。
透過型液晶表示装置では、偏光板を液晶セルの両側に取り付ける。液晶セルと偏光板に加えて、光学補償シートを配置することもある。
反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、光学補償シート、そして偏光板の順に配置する。
液晶セルは、液晶性分子と、それを封入するための二枚の基板および液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶性分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行う。液晶セルは、表示モードの種類に応じて、透過型、反射型あるいは両方に適用できる。代表的な表示モードは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)およびECB(Electrically Controlled Birefringence)である。
高い表示品位が必要な用途では、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用いる90度ねじれネマチック型(TNモード)の液晶セルを、薄膜トタンジスタにより駆動させる液晶表示装置が主に用いられている。TNモードは正面から見た場合には優れた表示特性を有するが、斜め方向から見た場合に、コントラストが低下したり、階調表示で明るさが逆転する階調反転が起こる。TNモードについては、このような視野角特性の問題を解決することが望まれている。
視野角特性の問題がないLCD方式として、バーティカルアラインメント型液晶表示装置(VAモード)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。VAモードの液晶セルでは、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、電圧を印加しない状態で液晶分子の長軸を基板にほぼ垂直な方向に配向させ、これを薄膜トランジスタにより駆動させる。VAモードは、正面から見た場合の表示特性がTNモードと同様に優れている。そして、視野角補償用の位相差フイルムを適用することで、広い視野角特性を実現できる。VAモードでは、フイルム面に垂直な方向に光学軸を有する負の一軸性位相差フイルムを2枚、液晶セルの上下に用いることでより広い視野角特性を得ることができる。さらに、3枚目の位相差フイルムとして、面内のレターデーション値が50nmである正の屈折率異方性を有する一軸配向性位相差フイルムを用いることで、より広い視野角特性を実現できることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、三枚の位相差フイルムを用いる方法は、生産コストの上昇を伴うだけでなく、多数のフイルムを貼り合わせるために歩留まりの低下を引き起こす。また、多数のフイルムを用いると厚さが増し、LCDの薄型との特徴が損なわれる。さらに、延伸フイルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフイルム間の剥離や反りといった不良が発生することがある。
位相差フイルムの枚数を減らす方法(例えば、特許文献2参照)やコレステリック液晶層を用いる方法(例えば、特許文献3、4参照)も提案されている。しかしながら、これらの方法でも少なくとも二枚のフイルムを貼り合わせる必要がる。
さらに、位相差膜を偏光板の保護膜を兼ねる構成とすることにより薄型化を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、この方法で規定されている位相差フイルムでは、黒表示時の光漏れを充分に抑えることが難しい。また、位相差膜が偏光板の保護膜を兼ねる構成では、視角により階調特性が悪化するという問題点がある。具体的には、広視野方向での色付きが生じることがある。さらに、映り込みの低減や表面の耐久性の向上も必要である。そして、位相差膜が偏光板の保護膜を兼ねる構成では、位相差膜は通常の偏光板保護フイルムよりも厚く、満足できる程度に薄い偏光板にはなっていない。
特開平2−176625号公報 特開平11−95208号公報 特開2003−15134号公報 特開平11−95208号公報 特開2002−131536公報 SID97、DIGEST、845頁〜848頁
本発明の目的は、従来よりも厚み方向および面内のレターデーションが大きな偏光板保護フイルムを提供することである。
本発明者は、偏光板保護フイルムについて厚み方向のレターデーション値(Rth値)および面内のレターデーション値(Re値)を同時に最適化することにより、視野角が非常に広く、広視野角においても階調特性が良好であり、耐久性の高い液晶表示装置を実現することに成功した。
本発明は、下記(1)〜(3)の偏光板保護フイルム、下記(4)〜(8)の偏光板および下記(9)、(10)の液晶表示装置を提供する。
(1)厚み方向のレターデーション値(Rth値)が70乃至350nmであり、面内レターデーション値(Re値)が20乃至100nmであり、アセチル基の置換度が1.5乃至2.3かつプロピオニル基の置換度が0.5乃至0.9であるセルロースエステルフイルムからなることを特徴とする偏光板保護フイルム。
厚み方向のレターデーション値(Rth値)および面内レターデーション値(Re値)は、それぞれ、下記式で定義される値である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
Re=(nx−ny)×d
式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率であり、nyは面内において遅相軸と直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率であり、そして、dはフイルムの厚み(nm)である。
(2)厚み方向のレターデーション値が100乃至260nmであり、面内レターデーション値が40乃至85nmである(1)に記載の偏光板保護フイルム。
(3)少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を含むセルロースエステルフイルムからなる(1)または(2)に記載の偏光板保護フイルム。
(4)偏光膜およびその両側に配置された二枚の偏光板保護フイルムからなる偏光板であって、一方の偏光板保護フイルムが、(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の偏光板保護フイルムであって、該偏光板保護フイルムが40乃至95μmの膜厚を有し、該偏光板保護フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されており、そして、他方の偏光板保護フイルムが40乃至80μmの膜厚を有することを特徴とする偏光板。
(5)偏光膜およびその両側に配置された二枚の偏光板保護フイルムからなる偏光板であって、一方の偏光板保護フイルムが、(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の偏光板保護フイルムであって、該偏光板保護フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されており、そして、他方の偏光板保護フイルムが表面に機能性膜を有することを特徴とする偏光板。
(6)機能性膜が光拡散機能を有する(5)に記載の偏光板。
(7)機能性膜がハードコート機能を有する(5)に記載の偏光板。
(8)機能性膜が反射防止機能を有する(5)に記載の偏光板。
(9)偏光板と液晶セルとを有する液晶表示装置であって、液晶セルがバーティカルアライアメント型であり、偏光板が(4)乃至(8)の何れか一つに記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(10)液晶セルの上下に偏光板が二枚配置されており、一方の偏光板のみが(4)乃至(8)の何れか一つに記載の偏光板である(9)に記載の液晶表示装置。
本発明に従うと、レターデーション値が大きいセルロースエステルフイルムを得ることができ、これらを使用し液晶表示装置の視野角特性を改善できる。
偏光板保護フイルムに用いるセルロースエステルは、アセチル基の置換度が1.5から2.3の範囲で、プロピオニル基の置換度が0.5から0.9の範囲である。アセチル基の置換度は、1.8から2.2の範囲が好ましい。プロピオニル基の置換度は、0.5から0.8の範囲が好ましい。
上記アセチル基およびプロピオニル基の置換度定義を満足するセルロースエステルは、通常は、セルロースアセテートプロピオネートである(セルロースのヒドロキシル基がアセチル基とプロピオニル基のみで置換されている)。ただし、セルロースのヒドロキシル基は、アセチル基とプロピオニル基に加えて他のアシル基(例、ブチリル基)で置換されていてもよい。他のアシル基の置換度は、1.0以下(好ましくは、0.7以下)である。
セルロースアセテートプロピオネートは、セルロースのヒドロキシル基を、無水酢酸および無水プロピオン酸を用いて常法の反応によりアセチル基およびプロピオニル基を置換することで得られる。その際に、アセチル基とプロピオニル基の置換度を上記範囲に調整する。アセチル基およびプロピオニル基の置換度は、ASTM−D817−96に従い測定できる。
セルロースエステル中の残留硫酸量は、1乃至50ppmが好ましく、1乃至30ppmがさらに好ましい。セルロースエステル中の遊離酸量は、1乃至100ppmが好ましく、1乃至70ppmがさらに好ましい。
セルロースエステルの極限粘度(IV)は、1.50乃至1.75(g/cm)が好ましく、1.53乃至1.63がさらに好ましい。
セルロースエステルの水分量は、0.01乃至2.0質量%であることが好ましく、0.01乃至1.5質量%であることがさらに好ましい。
以上述べたセルロースエステルの特性値も、ASTM−D817−96に従い測定できる。セルロースエステルは、例えば、特開平10−45804号公報に記載の方法に従い合成することができる。
セルロースエステルの原料となるセルロースは、綿花リンター、木材パルプあるいはケナフを用いることができる。セルロース原料を混合して使用してもよい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用すると、ベルトやドラムからフイルムを容易に剥離でき、生産効率が高くなる。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率は、60質量%以上が好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルのみでフイルムを製造することが特に好ましい。
セルロースエステルフイルムは、ソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースエステルを有機溶媒に溶解してドープを形成する。一般に、セルロースエステルのフレークと有機溶媒を混合し、攪拌しながら溶解し、ドープを形成する。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、常温以下の温度に冷却して行う冷却溶解法(特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号公報に記載)、高圧で行う方法(特開平11−21379号公報に記載)がある。
ドープは、濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10乃至35質量%が好ましい。
有機溶媒には、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル、ギ酸エチル)、ケトン(例、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン)、フルオロアルコール(例、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール)、ニトロ化合物(例、ニトロエタン)およびハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン)が含まれる。酢酸メチルおよびアセトンが特に好ましい。
上記有機溶媒と低級アルコール(例、メタノール、エタノール、ブタノール)とを併用してもよい。低級アルコールを併用すると、セルロースエステルの有機溶媒への溶解性を向上させたり、ドープ粘度を低下させることができる。低級アルコールは、エタノールが特に好ましい。
セルロースエステルフイルム中にレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。レターデーション上昇剤を添加することにより、厚さが薄くても充分な位相差をする偏光板保護フイルムが得られる。
レターデーション上昇剤としては、芳香族環を少なくとも二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を立体障害しない分子構造を有する化合物を使用できる。レターデーション上昇剤は、セルロースエステル100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用することが好ましい。少なくとも二つの芳香族環を有する化合物は、炭素原子7個分以上のπ結合性の平面を有する。二つの芳香族環の立体配座を立体障害しなければ、二つの芳香族環は、同一平面を形成する。セルロースエステルフイルムのレターデーションを上昇させるためには、複数の芳香族環により同一平面を形成することが重要である。芳香族環は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環は、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましい。
レターデーション上昇剤が有する芳香族環の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12であることがより好ましく、2乃至8であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。3以上の芳香族環を有する場合、少なくとも二つの芳香族環の立体配座を立体障害しなければよい。二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。レターデーション上昇機能の観点では、(a)〜(c)のいずれでもよい。ただし、(b)または(c)の場合は、二つの芳香族環の立体配座を立体障害しないことが必要である。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基では、左右の関係が逆になってもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
芳香族環および連結基は、置換基を有していてもよい。ただし、置換基は、二つの芳香族環の立体配座を立体障害しないことが必要である。立体障害では、置換基の種類および位置が問題になる。置換基の種類としては、立体的に嵩高い置換基(例えば、3級アルキル基)が立体障害を起こしやすい。置換基の位置としては、芳香族環の結合に隣接する位置(ベンゼン環の場合はオルト位)が置換された場合に、立体障害が生じやすい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれる。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。
脂肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノが含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
レターデーション上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。レターデーション上昇剤の沸点は、260℃以上であることが好ましい。
ドープ中には、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤やマット剤を添加してもよい。
可塑剤は、リン酸エステル(例、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート)、フタル酸エステル(例、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート)およびグリコール酸エステル(例、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート)が好ましい。二種類以上の可塑剤を併用してもよい。可塑剤中のリン酸エステルの比率は、50%以下が好ましい。リン酸エステルには、セルロースエステルフイルムの加水分解を起こし、耐久性を低下させる問題がある。そのため、リン酸エステルよりも、フタル酸エステルまたはグリコール酸エステルの方が特に好ましい。
紫外線吸収剤は、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないことが好ましい。波長370nmでの透過率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、2%以下が最も好ましい。紫外線吸収剤は、オキシベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレートまたはニッケル錯塩が好ましい。二種類以上の紫外線吸収剤を併用してもよい。
紫外線吸収剤は、有機溶媒(例、アルコール、メチレンクロライド、ジオキソラン)に溶解し、溶液をドープに添加できる。紫外線吸収剤を直接、ドープに添加してもよい。有機溶剤に溶解しない紫外線吸収剤(例えば、無機粉体)は、適当な媒体中に分散し、分散物をドープに添加できる。分散には、一般的な装置(例、デゾルバ、サンドミル)を使用できる。
紫外線吸収剤の使用量はセルロースエステルに対し、0.1乃至5.0質量%が好ましく、0.5乃至2.0質量%がさらに好ましく、0.8乃至2.0質量%が最も好ましい。
酸化防止剤は、ヒンダードフェノールが好ましい。ヒンダートフェノールの例には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール・ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール・ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオジエチレン・ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル・3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレン・ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートが含まれる。2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール・ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
酸化防止剤と、ヒドラジン系の金属不活性剤(例、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン)やリン系加工安定剤(例、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート)を併用してもよい。
酸化防止剤の添加量は、セルロースエステルに対する質量割合で1ppm乃至1.0%が好ましく、10乃至1000ppmがさらに好ましい。
マット剤は、無機微粒子または有機高分子微粒子を用いることができる。無機微粒子を構成する無機材料には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウムが含まれる。二酸化ケイ素がフイルムのヘイズを小さくできるので好ましい。マット剤の添加量は、セルロースエステルに対して0.005乃至0.3質量%が好ましい。
無機微粒子は、有機物により表面処理することができる。表面処理に用いる有機物は、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザンまたはシロキサンが好ましい。微粒子表面にメチル基が存在するような処理が好ましい。
微粒子(1次粒子)の平均粒径は、5乃至50nmが好ましく、7乃至14nmがさらに好ましい。微粒子はフイルム中では、通常、凝集体(2次粒子)として存在する。微粒子の2次粒子の平均粒径は、0.01乃至1.0μmが好ましい。微粒子は、フイルム表面に0.01乃至1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子は、市販品(例えば、アエロジル社製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL R972、R972V、R974、R202、R812)がある。
二種類以上のマット剤を併用してもよい。平均粒径や材質の異なるマット剤(例えばAEROSIL 200VとR972V)を、任意の質量比(0.1:99.9〜99.9:0.1)で使用できる。
濾過したドープを定量ポンプでダイに送り、表面研磨されているステンレスベルトあるいは金属ドラム上にダイからドープを流延し、その金属支持体上で、有機溶媒を蒸発あるいは冷却して固化させて、金属支持体が一周する前にウェブを剥離し、乾燥工程で乾燥することにより、フイルムを製造できる。
ウェブを金属支持体から剥離するまでの工程において、剥離時の残留溶媒量を少なくすると、レターデーション値(Rth値)を増加させることができる。残留溶媒量は、5乃至100質量%が好ましく、5乃至80質量%がさらに好ましく、10乃至45質量%が最も好ましい。
乾燥工程では、剥離したウェブをロール搬送乾燥機またはテンター乾燥機に通し乾燥する。最終的なフイルムの残留溶媒量は、2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がさらに好ましい。テンターで乾燥する際には、乾燥によってウェブが収縮するのをクリップで幅を保持する程度にクリップ間の張力を掛けることができる。延伸倍率を大きくすると、レターデーション値(Rth値)と面内レタデーション(Re値)が大きくなり過ぎる場合がある。
面内レターデーション値(Re値)は、20乃至100nmである。面内レターデーション値(Re値)は、20乃至80nmが好ましく、20乃至60nmがさらに好ましい。偏光板保護フイルムを液晶表示装置の液晶セル側に二枚使用する場合には、面内レターデーション値(Re値)は、20乃至70nmが好ましい。また、偏光板保護フイルムを液晶表示装置の液晶セル側に1枚使用する場合には、面内レターデーション値(Re値)は、45乃至85nmが好ましい。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、延伸条件によってコントロールできる。
セルロースエステルフイルムは、厚み方向のレターデーション値(Rth値)を絶対値として、70乃至350nmである。厚み方向のレターデーション値(Rth値)は、70乃至200nmが好ましく、100乃至180nmがさらに好ましい。偏光板保護フイルムを液晶表示装置の液晶セル側に二枚使用する場合には、厚み方向のレターデーション値(Rth値)は、100乃至180nmが好ましい。また、偏光板保護フイルムを液晶表示装置の液晶セル側に1枚使用する場合には、厚み方向のレターデーション値(Rth値)は、150乃至300nmが好ましい。厚み方向のレターデーション値(Rth値)は、例えば、延伸条件によってコントロールできる。
液晶セルと偏光膜との間の偏光板保護フイルムは、厚さが、40乃至165μmが好ましく、40乃至140μmがさらに好ましく、40乃至95μmが最も好ましい。レターデーション上昇剤を加えた場合は、より薄いフイルム(厚さが40乃至80μm)でも、前記レターデーション値を実現できる。
上記偏光板保護フイルムとは、偏光膜を挟んで反対側の偏光板保護フイルムは偏光板の厚みを薄くするため、可能な限り薄い方が良い。具体的な厚さは40乃至80μmが好ましく、40乃至60μmがさらに好ましい。市販のフイルム(厚さ40μm:コニカオプト(株)製のKC4UX2M)、厚さ60μm:コニカオプト(株)製のKC5UX)、厚さ80μm:富士写真フイルム(株)製のTD80)を用いても良い。
偏光板は、偏光膜の少なくとも一面に偏光板保護フイルムを貼り合わせることによって形成される。偏光膜は、従来から公知である。通常は、親水性ポリマーフイルム(例、ポリビニルアルコールフイルム)を、沃素または二色性染料で処理して延伸して偏光膜を製造する。セルロースエステルフイルムと偏光膜との貼り合わせは、一般に、接着剤(例えば、ポリマー水溶液)により行う。接着剤に用いるポリマーは、完全鹸化のポリビニルアルコールが好ましい。
図1は、偏光板における偏光膜と偏光板保護フイルムとの配置を示す模式図である。
図1に示すように、偏光板保護フイルム(1)の遅相軸と偏光膜(2)の透過軸との方向が一致するように、偏光板保護フイルム(1)と偏光膜(2)とを配置する。
本発明に従う偏光板は、VA型液晶表示装置に特に有利に用いられる。
図2は、VA型液晶表示装置の断面模式図である。
図2に示すVA型液晶表示装置は、観察側偏光板(I)、VAモード液晶セル(II)、そして光源側偏光板(III)からなる。観察側偏光板(I)は、第1偏光板保護フイルム(I−1)、偏光膜(I−2)、第2偏光板保護フイルム(I−3)からなる。光源側偏光板(III)は、第1偏光板保護フイルム(III−1)、偏光膜(III−2)、第2偏光板保護フイルム(III−3)からなる。観察側偏光板(I)および光源側偏光板(III)は、いずれも、VAモード液晶セル(II)側に設けられる第1偏光板保護フイルム(I−1およびIII-1)が、高いRth値およびRe値を有していることが好ましい。第2偏光板保護フイルム(I−3およびIII-3)は、厚さが薄いことが好ましい以外は、通常の偏光板保護フイルム(例えば、市販のセルロースアセテートフイルム)でよい。
偏光板に機能性膜を追加することができる。
図3は、機能性膜を設けた偏光板の断面模式図である。
図3に示す偏光板は、第1偏光板保護フイルム(1)、偏光膜(2)、第2偏光板保護フイルム(3)、機能性膜(4)からなる。
機能性膜には、防眩膜、反射防止膜、熱伝導膜、導電膜が含まれる。熱伝導膜は、偏光板面内の温度ムラを解消する機能がある。導電膜は、ゴミ付着の防止機能がある。
防眩膜または反射防止膜が好ましい。防眩膜または反射防止膜を設けることで、偏光膜の透過軸方向に対して45゜ずれた方向の視野角特性をさらに改善することができる。
防眩膜は、防眩処理が加えられたハードコート層として形成できる。
ハードコート層の形成には、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂)をバインダーとして用いる。なお、本明細書において「ハードコート」は、JIS−K−5400に従う鉛筆硬度試験においてH以上の硬度を意味する。
熱硬化性樹脂の例には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂が含まれる。
電離放射線硬化型樹脂は、電子線または紫外線照射により硬化させることができる樹脂である。電離放射線硬化型樹脂は、アクリレート系の官能基を有するものが好ましい。例えば、比較的低分子量の樹脂(例、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂)を用いることができる。多価アルコールのアクリレートエステルまたはメタアクリレートエステルのようなオリゴマーまたはプレポリマーを用いることもできる。ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物が特に好ましい。
ハードコート層の膜厚は、2.0乃至15.0μmの範囲にあることが好ましい。
ハードコート層に施す防眩処理は、表面に微細に凹凸を形成することにより外光を散乱させて観察者の眼に直接反射光が入らないようにする処理である。例えば賦型フイルムを用いる方法またはバインダー樹脂に微粒子を添加する方法が採用できる。
賦型フイルムを用いる方法では、例えば、偏光板表面に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工し、未硬化状態の塗膜上に、表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フイルムをラミネートする。次に、ラミネートされた塗工物に電離放射線を照射して塗膜を完全に硬化させた後、賦型フイルムを剥離することにより表面に微細な凹凸が形成された防眩層を形成できる。
バインダー樹脂に微粒子を添加する方法では、微粒子として、ビーズやフィラーが用いられる。好ましい微粒子は、無定形シリカ粉末、ポリカーボネート粒子、アクリレート系樹脂ビーズおよびメタクリレート系樹脂ビーズである。
偏光板の表面に、アンチグレア防眩層に加えて反射防止膜(アンチリフレクションコーティング層)を設けることにより、透過軸に対して45゜ずれた方向の視野角特性をさらに改善できる。反射防止膜は光の干渉を利用して反射光を軽減させる。反射防止膜は、例えば無機材料からなる誘電体薄膜を積層することにより形成できる。
無機材料の例には、LiF、MgF、3NaF・AlF、AlF、SiO(1.8<x<2.2)が含まれる。無機材料からなる薄膜は、気相法により形成することが好ましい。気相方には、真空状着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法が含まれる。
また、屈折率の高い有機物(高屈折率層)と低い有機物(低屈折率層)の積層によって反射防止膜を形成することもできる。
高屈折率層に使用する物質は、活性エネルギー線照射により架橋構造または網目構造を形成することが好ましい。具体的には、重合性基(例、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基)を二つ以上有する化合物または金属アルコキシドが好ましい。
アクリル基またはメタクリル基を有する活性エネルギー線硬化性樹脂には、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂が含まれる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151110号公報記載)。(メタ)アクリレート系のモノマーには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが含まれる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基にモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号公報記載)。モノマーには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸が含まれる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にモノマー(例、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、グリシジル(メタ)アクリレート)を反応させて得られる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂には、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトールが含まれる。
活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)または脂肪族エポキシ樹脂を用いることができる。芳香族エポキシ化合物には、水素添加ビスフェノールAまたはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂が含まれる。脂肪族エポキシ樹脂には、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)が含まれる。
エポキシ樹脂の例には、鎖状脂肪族エポキシ化合物(例、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル)、脂環式エポキシ化合物(例、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3’,4’−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル)、エポキシ基を有するポリマー(例、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−グリシジルオキシエチルアクリレート、ポリ−2−グリシジルオキシエチルメタクリレート、それらと他のモノマーとのコポリマー)が含まれる。
二種類以上のエポキシ樹脂を併用してもよい。
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有する化合物に、モノエポキサイドを配合してもよい。
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合ではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合とは異なり、反応が酸素により阻害されないとの特徴がある。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドは、炭素原子数が1乃至10であることが好ましく、1乃至4であることがさらに好ましい。金属アルコキシドの加水分解物は、アルコキシド基が加水分解を受けて−金属原子−酸素原子−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
Alアルコキシドの例は、Al(O−CH、Al(O−C、Al(O−i−C、Al(O−n−Cである。Siアルコキシドの例は、Si(O−CH、Si(O−C、Si(O−i−C、Si(O−t−Cである。Tiアルコキシドの例は、Ti(O−CH、Ti(O−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C、Ti(O−n−Cの2〜10量体、Ti(O−i−Cの2〜10量体、Ti(O−n−Cの2〜10量体である。Vアルコキシドの例は、VO(O−Cである。Znアルコキシドの例は、Zn(O−Cである。Yアルコキシドの例は、Y(O−n−Cである。Zrアルコキシドの例は、Zr(O−CH、Zr(O−C、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C、Zr(O−i−C、Zr(O−n−Cの2〜10量体である。Inアルコキシドの例は、In(O−n−Cである。Snアルコキシドの例は、Sn(O−n−Cである。Taアルコキシドの例は、Ta(O−CH、Ta(O−n−C、Ta(O−i−C、Ta(O−n−Cである。Wアルコキシドの例は、W(O−Cである。Ceアルコキシドの例は、Ce(O−Cである。
Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C、Ti(O−n−Cの2〜10量体、Ti(O−n−Cの2〜10量体、Zr(O−i−C、Zr(O−n−C、Si(OC、Si(O−i−Cが特に好ましい。金属アルコキシドを、2種以上併用してもよい。
活性エネルギー線反応性の金属アルコキシドの例は、ビニルトリメトキシチタン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)チタン、ジビニロキジメトキシチタン、グリシジルオキシエチルトリエトキシチタン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロピルチタン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルチタン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルチタン、アクリロイルオキシジメトキシエチルチタン、ビニルトリメトキシジルコン、ジビニロキジメトキシジルコン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシジルコン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルジルコン、アクリロイルオキシジメトキシエチルジルコン、ビニルジメトキシタリウム、ビニルジ(β−メトキシ−エトキシ)タリウム、ジビニロキシメトキシタリウム、アクリロイルオキシエチルジエトキシタリウム、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)−n−プロピルタリウム、アクリロイルオキシメトキシエチルタリウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシランを含む。
高屈折率層の上に、低屈折率物質、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶剤を含む低屈折率層を形成することができる。
低屈折率物質は、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiOゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる。これらの化合物については、特開平7−126552号、同7−188582号、同8−48935号、同8−100136号、同9−220791号、同9−272169号の各公報に記載がある。
フッ素含有樹脂は、フッ素含有不飽和エチレン性単量体成分を主として含有する重合物及びフッ素含有エポキシ化合物が好ましい。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体は、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテルを含まれる。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体の例には、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロエチレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、フルオロアルコールとアクリル酸、メタクリル酸またはα−フルオロアクリル酸とのエステル、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−2,2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロオクチルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルヘマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、t−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、t−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、tert−ブチル3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、t−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、t−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、t−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルフマレート、t−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレートが含まれる。
上記フルオロアルコールの例には、ペンタデカフルオロオクチルアルコール、テトラフルオロ−3−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルアルコール、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアルコール、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアルコール、ウンデカフルオロヘキシルアルコール、ノナフルオロペンチルアルコール、オクタフルオロペンチルアルコール、ペンタフルオロプロピルアルコール、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアルコール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアルコール、トリフルオロエチルアルコール、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアルコール、トリフルオロイソプロピルアルコール、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、2−トリフルオロエトキシエチルアルコール、トリフルオロエチルメタクリレート、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルアルコール、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアルコール、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアルコール、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエチルアルコール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアルコール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアルコール、2,2,2−トリフルオロエチルアルコール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルアルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルアルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルアルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルアルコール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルアルコール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアルコール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアルコール、2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアルコールが含まれる。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体一種でホモポリマーを形成してもよい。また、二種類以上の単量体でコポリマーを形成してもよい。さらに、フッ素含有不飽和エチレン性単量体と、フッ素を含有しない単量体とがコポリマーを形成してもよい。
フッ素を含有しない単量体の例には、エチレン、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルケトン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、エチル−α−フルオロアクリレート、プロピル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−フルオロアクリレート、シクロヘキシル−α−フルオロアクリレート、ヘキシル−α−フルオロアクリレート、ベンジル−α−フルオロアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−フルオロアクリル酸、スチレン、スチレンスルホン酸が含まれる。
フッ素含有エチレン性不飽和単量体ホモポリマー樹脂の屈折率は、1.33〜1.42の範囲にある。フッ素を含有しない単量体の単独樹脂リマーの屈折率は、1.44以上である。これらを任意の割合で共重合して、目的の屈折率のフッ素含有樹脂を得ることができる。また、フッ素含有樹脂とフッ素を含まない樹脂とを任意の割合で混合して目的の屈折率を得ることもできる。低屈折率物質のフッ素含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60乃至90質量%である。
フッ素含有エポキシ樹脂は、フッ素含有エポキシ化合物を反応させることにより得られる。エポキシ化合物の例には、2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテル(例、4,4,4−トリフルオロ−1,2−ブタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1,2−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,6−ヘキサフルオロ−1,2−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1,2−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロ−1,2−オクタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロ−1,2−デカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘププタデカフルオロ−1,2−ウンデカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロ−1,2−ドデカジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,13,13,13−エイコサフルオロ−1,2−トリデカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−トリコサフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、4−トリフルオロメチル−5,5,5−トリフルオロ−1,2−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、5−トリフルオロメチル−6,6,6−トリフルオロ−1,2−オクタンジオールジグリシジルエーテル、6−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,7−オクチルフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、8−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ドデカフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、10−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘキサデカフルオロ−1,2−ドデカンジオールジグリシジルエーテル、12−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−エイコサフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、3−ペルフルオロシクロペンチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、3−ペルフルオロシクロヘキシル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ペルフルオロシクロヘプチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ペルフルオロシクロオクチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル)、含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテル(例、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)が含まれる。
フッ素含有エポキシ化合物にフッ素を含有しないエポキシ化合物を、屈折率があまり上がらない程度に少量使用してもよい。屈折率を高めるベンゼン核を有するエポキシ化合物や脂環式のエポキシ化合物の使用は、少ない方がよい。
その他の低屈折率物質には、シリケートオリゴマーから形成される化合物がある。シリケートオリゴマーには、シラン化合物の加水分解反応により得られる。シラン化合物の例には、テトラアルコキシシラン(例、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン)、テトラ−2,2,2−トリフルオロエトキシシラン、テトラ−2−フルオロエトキシシラン、テトラ−2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,3−ジフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラ−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラシクロヘキシルオキシシラン、テトラフェノキシシランが含まれる。
加水分解反応は、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、室温乃至100℃の温度で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2以上有する液状のシリケートオリゴマー(平均重合度2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。加水分解の程度は、使用する水の量により調節することができる。加水分解の程度は、40〜90%が好ましく、60〜80%がさらに好ましい。加水分解の程度とは、加水分解可能な基、すなわち、テトラアルコキシシランにおいてはアルコキシ基を全て加水分解縮合するために必要な理論水量であるアルコキシ基の数の1/2の水を添加したときを加水分解率100%とし、加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水量)×100として求める。
別の低屈折率物質には、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物がある。SiOゾルと反応性有機ケイ素化合物とを含むゾル液を用い、SiOゲル膜として低屈折率層が形成される。反応性有機ケイ素化合物には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピオキシシラン、テトラ−n−プロピオキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタイソプロピオキシシラン、テトラペンタ−n−プロピオキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロピオキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランが含まれる。
アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解することによりSiOゾルが形成できる。溶媒の例は、ケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、アルコール(例、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール)、エステル(例、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素(例、トルエン、キシレン)である。二種類以上の溶媒を混合して用いてもよい。アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドの溶液濃度は、それらが100%加水分解および縮合したとして生じるSiO換算で、0.1質量%以上が好ましく、0.1乃至10質量%がさらに好ましい。有機物や無機物バインダーを併用してもよい。
溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、15乃至35℃、好ましくは22乃至28℃の温度で、0.5乃至10時間、好ましくは2乃至5時間撹拌を行う。加水分解においては、触媒を用いることが好ましい。触媒は、酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸)が好ましい。酸を0.001乃至20.0N、好ましくは0.005〜5.0Nの水溶液として加え、酸水溶液中の水分を加水分解用の水分として利用できる。
SiOゾルに、有機反応性ケイ素化合物またはその部分加水分解物を添加して得られる化合物を低屈折率物質として用いることができる。SiOゾルだけ塗布した場合には、非常に膜が弱く、ひび割れし易い。そのため、SiO皮膜を固定する必要がある。反応性有機ケイ素化合物を併用することにより、SiOとも架橋によって結合され、強い膜を形成することができる。得られたSiOゾルは、無色透明な液体であり、ポットライフが約1ヶ月の安定な溶液である。SiOゾルは、基材に対して濡れ性がよく、塗布性に優れている。
反応性有機ケイ素化合物には、熱または電離放射線によって反応架橋する複数の基(活性エネルギー線反応性基)を有する分子量3000以下の有機反応性化合物も含まれる。熱または電離放射線によって反応架橋する基は、一般に重合性二重結合である。反応架橋する基を有する反応性有機ケイ素化合物の例には、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキサン、あるいはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシランおよびビニル官能性ポリシロキサンが含まれる。
反応性有機ケイ素化合物は、前記SiOゾル(固形分)100質量部あたり0.1〜50質量部の割合で使用することが好ましい。
ゾル溶液には、各種の添加剤を添加できる。添加剤には、製膜を促進する硬化剤が含まれる。硬化剤は、有機酸金属塩(例、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム)の有機酸(例、酢酸、ギ酸)溶液が好ましい。溶液の濃度は、0.01乃至0.1質量%が好ましい。ゾル溶液に対する添加量は、ゾル溶液中に存在するSiO100質量部に対して、有機酸塩が0.1乃至1質量部であることが好ましい。
最終的に得られるゲル膜は、反射防止フイルムの低屈折率層として使用する。屈折率を下げるためにフッ素系有機ケイ素化合物、屈折率を高めるために有機ケイ素化合物、屈折率をさらに高めるために硼素系有機化合物を添加することができる。
フッ素系有機ケイ素化合物には、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが含まれる。市販品(例えば、ザフロンFC−110、220、250(東亜合成化学社製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子社製))を用いてもよい。
有機ケイ素化合物には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシランが含まれる。市販品(例えば、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学社製)、スノーテックス(日産化学社製))を用いてもよい。
硼素系有機化合物には、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチルが含まれる。
屈折率を調節するための添加剤は、ゾルの調製時に加えることができる。添加剤を、ゾルの形成後に加えてもよい。添加剤を用いることによって、アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドの加水分解時、あるいはその後にシラノール基と反応し、均一な反応により一で透明なゾル溶液が得られる。そして、形成されるゲル膜の屈折率を、ある程度の範囲で変化させることができる。
高屈折率層の上に設けられる低屈折率層は、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、およびSiOゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる低屈折率物質に加えて、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を含むことができる。
膜厚が非常に薄い低屈折率層、あるいは、シリケートオリゴマーから形成される化合物やSiOゾルと反応性有機ケイ素化合物からなる低屈折率層は、硬度が不足し、層表面が擦り傷あるいは引っ掻き傷に弱い。このような場合、一般には、硬化膜を形成しやすい活性エネルギー線照射架橋性のエチレン性不飽和化合物を層に含有させる。ただし、架橋性のエチレン性不飽和化合物は、空気中の酸素の影響を受けやすい。そして、膜厚が薄いため、エチレン性不飽和化合物の重合が阻害されやすい。エチレン性不飽和化合物を用いる方法ではあまり強靭な低屈折率層を得ることができない。
硬度が不足し、擦り傷や引っ掻き傷に比較的弱い低屈折率層に、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を添加し、活性エネルギー線を照射することによって、硬度が高く、擦り傷、引っ掻き傷に対して強靭な低屈折率層を形成することができる。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、酸素の阻害を受け難いため迅速に重合し、膜厚が50〜200nm程度の薄さでも高硬度かつ強靭な被膜を形成することができる。
エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物で、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始物質として放出することができる。
エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、フェノール性ヒドロキシル基を2個有する化合物(例、ビスフェノールAのグリシジルエーテル)に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを反応させて得られる末端にグリシジルエーテル基を有する化合物、ポリマー酸のグリシジルエステル、多価アルコールのグリシジルエーテルを含む。エポキシ化合物の平均分子量は、2000以下が好ましく、1000以下がさらに好ましい。
低屈折率層および高屈折率層を含む反射防止層と透明基材との間に、ハードコート層を設けることが好ましい。
ハードコート層は、紫外線照射等活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線硬化樹脂を含有することが好ましい。ハードコート層に用いる活性エネルギー線硬化樹脂は、反射防止層に用いる活性エネルギー線硬化樹脂と同様である。活性エネルギー線の光源、照射量、光開始剤や光増感剤、それらの使用量についても、反射防止層と同様である。
ハードコート層は、低反射性フイルムを得るための光学設計上から、屈折率が1.45〜1.65の範囲にあることが好ましい。ハードコート層の膜厚は、2.0〜15.0μmの範囲にあることが好ましい。2.0μmに満たない膜厚では充分な耐久性、耐衝撃性が得られず、15.0μmを越える膜厚では屈曲性もしくは生産においての経済性に問題が生じる。
各層の組成物は、公知の塗布方法、例えば、ディッピング、スピンコート、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプレイコート、ダイコートにより、連続塗布または薄膜塗布が可能である。
各層の組成物を透明基材に塗布する際、塗布液中の固形分濃度や塗布量を調整することにより、層の膜厚および塗布均一性をコントロールすることができる。組成物の塗布性を向上させるために、塗布液中に微量の界面活性剤を添加してもよい。
使用する溶媒には、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、グリコール(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール)、グリコールエーテル(例、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール)、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水が含まれる。二種類以上の溶媒を併用してもよい。ケトンと炭素原子数4以下のアルコールを併用すると、紫外線照射量を低減でき、生産性を向上させることができる。
偏光板をクロスニコル下で評価を行い、光学異方性を有する偏光板保護フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸との直交精度が1゜より大きいと、偏光板のクロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じ、充分な黒レベルやコントラストが得られない。従って、光学異方性を有する偏光板保護フイルムの主屈折率nxの方向と偏光膜の透過軸に直交する方向とは、そのずれが1゜以下であるのが望ましい。
本発明に従う保護フイルムを用いた偏光板を、VA型液晶セルの一面側または両面側に設けることにより、VA型液晶表示装置を得ることができる。
[実施例1]
(セルロースエステルフイルムの作製)
アセチル基の置換度が2.3、プロピオニル基の置換度が0.9のセルロースアセテートプロピオネート100質量部、エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、トリフェニルフォスフェート10質量部、塩化メチレン295質量部、エタノール56質量部を密閉容器に入れ、混合物を攪拌しながら徐々に昇温し、溶解した。このドープを濾過した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。
別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)6質量部、チヌビン328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)6質量部、及びAEROSIL R972V(日本アエロジル社製)1質量部、塩化メチレン94質量部、エタノール8質量部を混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。上記ドープ100質量部に対して紫外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープを流延した。35℃に温度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更に15℃のステンレスベルトに接触させて保持した後、ステンレスベルトから剥離した。次いで剥離したウェブの両端を固定しながら120℃にて10分間乾燥させ、130度で流延方向と平行な方向に延伸し、その状態で120℃にて30分乾燥し、膜厚70μmのセルロースエステルフイルムを得た。
得られたセルロースエステルフイルムを60℃にて、2mol/リットルの濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し水洗した後、100℃で10分間乾燥し、アルカリ鹸化処理セルロースエステルフイルムを得た。
(垂直配向液晶セルの作製)
ポリビニルアルコール3質量%水溶液に、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(カップリング剤)を1質量%添加した。これを、ITO電極付きのガラス基板上にスピンコートし、160℃で熱処理した後、ラビング処理を施して、垂直配向膜を形成した。ラビング処理は、2枚のガラス基板において反対方向となるように実施した。セルギャップ(d)が5μmとなるように2枚のガラス基板を向かい合わせた。セルギャップに、エステル系とエタン系を主成分とする液晶性化合物(Δn:0.08)を注入し、垂直配向液晶セルを作製した。Δnとdとの積は400nmであった。
(偏光板の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフイルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜(偏光子)を作製した。偏光膜の片面に偏光膜の透過軸と前記アルカリ鹸化処理セルロースアセテートフイルムの遅相軸を一致させるように完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として貼り合わせ、対向する片側には市販の40μmのTAC(KC4UX2M:コニカオプト株式会社製)を同様に張り合わせ偏光板を作製した。この偏光板を前記のVA型液晶セルの両面側に設け、液晶表示装置を作製した。
[実施例2]
アセチル基の置換度が1.5、プロピオニル基の置換度が0.5のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが80μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。ただし、液晶セルの厚みを3.8μmとし、Δnとdとの積は300nmとした。
[比較例1]
アセチル基の置換度が1.4、プロピオニル基の置換度が0.4のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが70μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
アセチル基の置換度が2.4、プロピオニル基の置換度が0.9のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが70μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例3]
アセチル基の置換度が2.3、プロピオニル基の置換度が0.5のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが80μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。ただし、対向する片側には市販の厚さ80μm:富士写真フイルム(株)製のTD80を使用した。
[実施例4]
実施例1で用いたセルロースアセテートプロピオネートと実施例3で用いたセルロースアセテートプロピオネートとを6:4で混合した。得られた混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが80μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例5]
アセチル基の置換度1.8、プロピオニル基の置換度0.8のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが70μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[実施例6]
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを12質量部、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノンを4質量部、塩化メチレン80質量部、エタノール20質量部を混合し撹拌溶解しレターデーション上昇剤溶液を作製した。この溶液22質量部と実施例1で作製したドープ474質量部を十分混合しドープを作製し、実施例1と同様に乾燥後の厚さが60μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。ただし、液晶セルの厚みを3.8μmとし、Δnとdとの積は300nmとした。また、本実施例の偏光板は液晶セルの片側(光源側のみ)とし、対抗側の偏光板には本実施例のフイルムの代わりに市販の40μmのTAC(KC4UX2M:コニカオプト株式会社製)を用いた。
[実施例7]
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを20質量部、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノンを4質量部、塩化メチレン80質量部、エタノール20質量部を混合し撹拌溶解しレターデーション上昇剤溶液を作製した。この溶液22質量部と実施例1で作製したドープ474質量部を十分混合しドープを作製し、実施例1と同様に乾燥後の厚さが160μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。ただし、本実施例の偏光板は液晶セルの片側(光源側のみ)とし、対抗側の偏光板には本実施例のフイルムの代わりに市販の40μmのTAC(KC4UX2M:コニカオプト株式会社製)を用いた。
[比較例3]
アセチル基の置換度が2.3、プロピオニル基の置換度が0.5のセルロースアセテートプロピオネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが150μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例7と同様にして片側のみ本比較例の保護膜を使用し液晶表示装置を作製した。
[比較例4]
実施例1で用いたセルロースアセテートプロピオネートと実施例3で用いたセルロースアセテートプロピオネートとを6:4で混合した。得られた混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが150μmになるようにセルローストリアセテートフイルムを作製し、更に実施例7と同様にして片側のみ本比較例の保護膜を使用し液晶表示装置を作製した。
[実施例8〜14]
厚さ40μmのトリアセチルセルロースフイルム側にアンチグレア防眩層を形成し、ヘイズ13%、光沢度40%とした以外は、それぞれ、実施例1〜7と同様にVA型液晶表示装置を作製した。
[比較例5〜8]
厚さ40μmのトリアセチルセルロースフイルム側にアンチグレア層を形成し、ヘイズ13%、光沢度40%とした以外は、それぞれ、比較例1〜4と同様にVA型液晶表示装置を作製した。
[評価]
実施例1〜14、比較例1〜8で得られた、セルロースエステルフイルムについて、下記の方法で、厚み方向のレターデーション、面内レターデーションおよび液晶表示装置の視野角特性を評価した。
結果は、第1表に示す。
(厚み方向のレターデーション値(Rth値)の測定)
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、25℃、60%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求め、前記式に従って、レターデーション値(Rth値)を算出した。
(面内レターデーション値(Re値)の測定)
厚み方向のレターデーション値の測定で求めたnx、nyの値から|(nx−ny)d|を求め、Re値とした。ただしdはフイルムの厚さで単位はnmである。
(視野角特性の評価)
得られた液晶表示装置に、視野角特性を視野角測定装置(EZContrast160D、ELDIM社製)を用い、白色表示、黒色表示及びグレー8階調表示を行い、コントラスト比≧10を示す角度を視野角で黒側の階調反転の内範囲とした。角度が大きいほど視野角特性に優れていることを表す。
第1表
────────────────────────────────────────
Rth Re 防眩層 上下左右視野角 45度視野角
────────────────────────────────────────
実施例1 150nm 40nm 無 70゜ 60゜
実施例8 150nm 40nm 有 73゜ 70゜
実施例2 120nm 20nm 無 77゜ 62゜
実施例9 120nm 20nm 有 80゜ 70゜
実施例3 170nm 20nm 無 77゜ 65゜
実施例10 170nm 20nm 有 80゜ 71゜
実施例4 70nm 40nm 無 70゜ 60゜
実施例11 70nm 40nm 有 75゜ 65゜
実施例5 170nm 60nm 無 73゜ 60゜
実施例12 170nm 60nm 有 75゜ 65゜
実施例6 200nm 70nm 無 70゜ 50゜
実施例13 200nm 70nm 有 75゜ 60゜
実施例7 330nm 50nm 無 70゜ 60゜
実施例14 330nm 50nm 有 75゜ 65゜
比較例1 80nm 5nm 無 60゜ 40゜
比較例3 80nm 5nm 有 65゜ 50゜
比較例2 70nm 20nm 無 63゜ 45゜
比較例4 70nm 20nm 有 67゜ 50゜
比較例5 360nm 35nm 無 55゜ 40゜
比較例7 360nm 35nm 有 56゜ 50゜
比較例6 140nm 100nm 無 50゜ 40゜
比較例8 140nm 100nm 有 55゜ 45゜
────────────────────────────────────────
[実施例15]
(ハードコート層を有するセルローストリアセテートフイルムの作製)
屈折率が1.48、膜厚が40μmのセルローストリアセテートフイルム(KC4UX2M、コニカオプト(株)製)の片面に、下記のハードコート組成物を乾燥膜厚4μmとなるように塗布し乾燥した。次に高圧水銀灯を照射して硬化させてハードコートフイルムを作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
────────────────────────────────────────
ハードコート組成物
────────────────────────────────────────
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 2質量部
シリコーン系界面活性剤 1質量部
アエロジルR−972(日本アエロジル(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 50質量部
酢酸エチル 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
────────────────────────────────────────
(高屈折率層を有するフイルムの作製)
ハードコート層の上に下記の高屈折率層組成物を、バーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を300mJ/cm照射て硬化させ、高屈折率層フイルムを作製した。なお、高屈折率層の厚さは80nm、屈折率は1.8であった。
────────────────────────────────────────
高屈折率層組成物
────────────────────────────────────────
テトラ(n−ブトキシ)チタン 75質量部
テトラエトキシシラン 3.4質量部
シクロヘキサノン 2500質量部
界面活性剤(F−177、大日本インキ(株)製) 1質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 1質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 3質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1質量部
ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1質量部
γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン 5質量部
トルエン 5700質量部
ブタノール 1200質量部
イソプロピルアルコール 1200質量部
────────────────────────────────────────
(フッ素含有樹脂の合成)
トリフルオロエチルアクリレート21g、フッ素含有アクリルモノマー(ビスコート17F、大阪有機化学(株)製)59g、アゾ系重合開始剤(V65、和光純薬(株)製)870mg及びテトラヒドロフラン200mlの混合物を、65℃で2時間反応させ、その後80℃で1時間反応させてポリマー溶液を得た。この溶液を、メタノール2000mlで2回再沈殿による精製を行い、ポリマーを得た。ポリマーの収量は78gで、数平均分子量は9200(GPCによるポリスチレン換算)であった。
(低反射フイルムの作製)
高屈折率層フイルムの上に、下記低屈折率層組成物をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯(80W)を用いて紫外線を300mJ/cm照射して硬化させ、低反射フイルムを作製した。
────────────────────────────────────────
低屈折率層組成物
────────────────────────────────────────
合成したフッ素含有樹脂 2質量部
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート 1質量部
4,4’−ビス(ジ(β−ヒドロキシエオキシ)フェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(UV開始剤) 0.03質量部
メチルイソブチルケトン 100質量部
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 300質量部
α,α,α−トリフルオロトルエン 300質量部
シリコンオイル(SH200、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製) 0.05質量部
────────────────────────────────────────
作製した低反射フイルムを用いた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。
[実施例16]
(シリケートオリゴマー溶液の調製〉
テトラエトキシシラン300g、エタノール450gに1.5%塩酸水溶液90gを室温で30分かけて添加した。滴下後、3時間撹拌してシリケートオリゴマー溶液を調製した。
(低反射フイルムの作製)
実施例15で作製した高屈折率層フイルムの上に、下記の低屈折率層組成物をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を400mJ/cm照射して硬化させ、低反射フイルムを作製した。
────────────────────────────────────────
低屈折率層組成物
────────────────────────────────────────
調製したシリケートオリゴマー溶液 24質量部
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート 1質量部
4,4’−ビス(ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(UV開始剤) 0.03質量部
シクロヘキサノン 500質量部
シリコンオイル(SH200、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製) 0.05質量部
────────────────────────────────────────
作製した低反射フイルムを用いた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。
実施例1、15および16で作製した偏光板保護膜について以下の評価方法により、硬度および最低反射率を評価した。結果は、第2表に示す。
(硬度)
JIS−K−5400に従い1kg荷重での鉛筆硬度で評価を行った。
(最低反射率)
分光光度計(日立製作所製U−4000型)を用い、可視光領域における最小の反射率を示す値を最低反射率として求めた。
(映り込み)
官能評価により外光のある室内で表示装置の画面を観察し、下記2段階で映り込みを評価した。
A:映り込みが気にならない
B:映り込みが気になる。
第2表
────────────────────────────────────────
鉛筆硬度 最低反射率 映り込み
────────────────────────────────────────
実施例1 5B 2% B
実施例15 2H 0.3% A
実施例16 2H 0.4% A
────────────────────────────────────────
偏光板における偏光膜と偏光板保護フイルムとの配置を示す模式図である。 VA型液晶表示装置の断面模式図である。 機能性膜を設けた偏光板の断面模式図である。
符号の説明
1、3、I−1、I−3、III-1、III-3 偏光板保護フイルム
2、I−2、III-2 偏光膜
4 機能性膜
I 観察側偏光板
II VAモード液晶セル
III 光源側偏光板

Claims (10)

  1. 厚み方向のレターデーション値が70乃至350nmであり、面内レターデーション値が20乃至100nmであり、アセチル基の置換度が1.5乃至2.3かつプロピオニル基の置換度が0.5乃至0.9であるセルロースエステルフイルムからなることを特徴とする偏光板保護フイルム。
  2. 厚み方向のレターデーション値が100乃至260nmであり、面内レターデーション値が40乃至85nmである請求項1に記載の偏光板保護フイルム。
  3. 少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を含むセルロースエステルフイルムからなる請求項1または2に記載の偏光板保護フイルム。
  4. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の偏光板保護フイルムからなる偏光板であって、一方の偏光板保護フイルムが、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偏光板保護フイルムであって、該偏光板保護フイルムが40乃至95μmの膜厚を有し、該偏光板保護フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されており、そして、他方の偏光板保護フイルムが40乃至80μmの膜厚を有することを特徴とする偏光板。
  5. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の偏光板保護フイルムからなる偏光板であって、一方の偏光板保護フイルムが、請求項1乃至3の何れか一項に記載の偏光板保護フイルムであって、該偏光板保護フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されており、そして、他方の偏光板保護フイルムが表面に機能性膜を有することを特徴とする偏光板。
  6. 機能性膜が光拡散機能を有する請求項5に記載の偏光板。
  7. 機能性膜がハードコート機能を有する請求項5に記載の偏光板。
  8. 機能性膜が反射防止機能を有する請求項5に記載の偏光板。
  9. 偏光板と液晶セルとを有する液晶表示装置であって、液晶セルがバーティカルアラインメント型であり、偏光板が請求項4乃至8の何れか一項に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 液晶セルの上下に偏光板が二枚配置されており、一方の偏光板のみが請求項4乃至8の何れか一項に記載の偏光板である請求項9に記載の液晶表示装置。
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