JP2005099465A - 紫外線照射装置および電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線硬化剤の硬化の為に照射するUV光の波長を制御して、電気光学装置の表示むらを防止する。
【解決手段】 電気光学装置を液晶表示パネルとして説明する。構成部品に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射する紫外線照射装置40は、紫外線光源42と、所定の波長以下の紫外線光を遮断するフィルタ44とを備える。このフィルタにより、低波長の紫外線光が低減され、液晶などの電気光学物質に照射されることに起因するパネルの特性劣化その他の悪影響を防止することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 電気光学装置を液晶表示パネルとして説明する。構成部品に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射する紫外線照射装置40は、紫外線光源42と、所定の波長以下の紫外線光を遮断するフィルタ44とを備える。このフィルタにより、低波長の紫外線光が低減され、液晶などの電気光学物質に照射されることに起因するパネルの特性劣化その他の悪影響を防止することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、液晶表示装置などの電気光学装置の製造方法に関し、特に液晶などの電気光学物質の封止などに用いられる紫外線硬化剤に対する紫外線照射方法に関する。
一般に、液晶表示装置の製造工程では、まず未硬化のシール材を介して2枚の基板を貼り合わせた後、所定圧力で加圧して基板間を相互に圧着する。次に、加熱などの処理を行うことによりシール材を硬化させ、液晶表示装置のセル構造を形成する。上記シール材には液晶注入口を構成する開口部が設けられており、この開口部から上記セル構造内に液晶を注入し、その後液晶表示装置を封止する。封止工程では、液晶注入口に紫外線硬化剤を塗布し、そこに紫外線光(以下、「UV光」とも呼ぶ)を照射して硬化剤を硬化させ、注入口を封止する。なお、液晶表示装置の圧着、封止方法などが特許文献1及び2に記載されている。
液晶注入口に塗布された紫外線硬化剤には、それを硬化するために適切な波長帯が存在する。よって、紫外線硬化剤を硬化させる目的では、それ以外の波長帯のUV光を照射する必要はない。また、特に比較的波長の低いUV光はエネルギーが大きく、セル内の液晶の比抵抗を低下させたり、配向膜表面の状態が変化してプレチルト角が変化してしまうなど、液晶表示装置に悪影響を及ぼすことがある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電気光学装置の製造工程において、紫外線硬化剤の硬化のために照射するUV光の波長を制御して、UV照射が電気光学装置に悪影響を及ぼすことを防止することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電気光学装置の構成部品に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射する紫外線照射装置は、紫外線光を出射する光源と、所定の波長より低い波長の紫外線光を遮断するフィルタと、を備える。
上記の電気光学装置は例えば液晶表示装置とすることができ、装置の構成部品を固着などするために紫外線硬化剤が用いられる。紫外線硬化剤に紫外線光を照射する紫外線照射装置は、光源から出射された紫外線光のうち、所定の波長より低い波長の紫外線光を遮断して、装置上に塗布された紫外線硬化剤に照射する。これにより、低波長の紫外線光が液晶などの電気光学物質に照射されることに起因する装置の特性劣化その他の悪影響を防止することができる。
上記の紫外線照射装置は、前記電気光学装置の注入口に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射する場合、又は、前記電気光学装置の基板にシール材を接着する紫外線硬化剤に紫外線光を照射する場合に使用することができる。
上記の紫外線照射装置の一態様では、前記所定の波長は、前記紫外線硬化剤を硬化させる紫外線の波長とすることが好ましい。これにより、硬化剤を確実に硬化させるとともに、低波長の紫外線による悪影響を排除することができる。好適な例では、前記所定の波長は300nm程度である。
本発明の他の観点では、電気光学装置の製造方法は、電気光学物質を注入した電気光学装置の注入口に紫外線硬化材を塗布する工程と、前記紫外線硬化剤に対して、所定の波長以上の紫外線光を照射して前記注入口を封止する工程と、を有する。
また、本発明のさらに他の観点では、電気光学装置の製造方法は、電気光学装置の基板とシール材との間に紫外線硬化剤を塗布する工程と、前記紫外線硬化剤に対して、所定の波長以上の紫外線光を照射して前記シール材を前記基板に固着する工程と、を有する。
上記の電気光学装置の製造方法によれば、光源から出射された紫外線光のうち、所定の波長以下の紫外線光を遮断して電気光学装置の注入口、又は、基板とシール材の間に塗布などされた紫外線硬化材に照射する。これにより、低波長の紫外線光が液晶などの電気光学物質に照射されることに起因する電気光学装置の特性劣化その他の悪影響を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では電気光学装置の一例として液晶表示装置を例に挙げて説明する。
図1に一般的な液晶表示パネルの概略構成を示す。図1(a)は液晶表示パネル10の平面図であり、図1(b)はそのX−X’における断面図である。図示のように、液晶表示パネル10は、ガラスなどの一対の基板1及び2を、シール材3を介して貼り合わせて構成される。これにより、2枚の基板間にセル4が形成され、そのセル4内に液晶が封入される。液晶表示パネル10の1辺には、シール材3が形成されていない開口が形成されており、これが液晶の注入口7となる。
下側基板2は、その4辺のうちのいずれか1辺方向において上側基板1より広い領域(張り出し領域などと呼ばれる)を有し、そこにドライバICなどが配置される。なお、図1においては、ドライバICが配置される位置5のみを破線にて示している。
図2に、複数の液晶表示パネル10が形成されたマザーボード20の平面図を示す。マザーボード20は、液晶表示パネル10の複数個に対応するサイズを有する2枚の大判ガラス基板(マザーガラス)を、その間に液晶表示パネル10の個数分のシール材3を挟んで貼り合わせることにより構成される。図2の例では、1枚のマザーボード20から縦横4個(計16個)の液晶表示パネル10が切り出される。
マザーボード20は、まず図2における分断線50に沿って図中の横方向に分断され、横方向に4個の液晶表示パネル10が形成された短冊パネル15が作製される。これにより、各短冊パネル15の1辺(図2の例では、上辺)には、各液晶表示パネル10の注入口7が露出する。この短冊パネル15の状態で、各液晶表示パネル10のセル内に液晶が注入され、次に各注入口7が紫外線硬化剤により封止された後、図2に示す縦方向の分断線52に沿って短冊パネル15が分断される。これにより、セル内に液晶が封入された個々の液晶表示パネル10が得られる。なお、本発明は、上記の工程のうち、液晶表示パネル10の各注入口7を紫外線硬化剤により封止する際の紫外線照射方法に特徴を有する。
図3に、短冊パネル15に対する封止工程を示す。まず、短冊パネル15を加圧治具30にセットする(工程S1)。加圧治具30は破線で示す溝31を備えており、短冊パネル15はこの溝31に縦方向に挿入される。挿入された状態では、短冊パネル15の注入口7を含む上方部分のみが加圧治具15の外部に位置し、短冊パネル15を構成する各液晶表示パネル10のセルの大半の領域は加圧治具30内に収容される。
次に、加圧治具30を両側面から圧力Pで加圧する(工程S2)。これにより、セル内に注入された余分な量の液晶が注入口7から排出され、セル厚が適正な値に調整される。次に、加圧工程にて注入口7から排出された余分な液晶の拭き取り工程が行われる(工程S3)。これは、例えばコットンなどの拭き取り具を短冊パネル15の注入口7に沿って移動させることにより行われる。
次に、注入口7を封止するためのUV硬化剤が塗布される(工程S4)。これは、例えばUV硬化剤槽35内に入ったUV硬化剤37をディスペンサ36などで各注入口7に塗布することにより行われる。
次に、UV硬化剤37にUV照射を行い、UV硬化剤37を硬化させる(工程S5)。具体的には、UV硬化剤の塗布が終わると、加圧治具30をUV照射装置40の下方へ移動させ、各注入口7に塗布されたUV硬化剤37にUV照射を行う。
UV照射装置40は、図示のように、UV光源42と、フィルタ44と、シャッター46とを備える。UV光源42としては、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの紫外線ランプを用いることができる。
フィルタ44は、UV光源42から出射されるUV光のうち、UV硬化剤37の硬化に寄与しない低波長のUV光を遮断する役割を有する。図4に、高圧水銀ランプの発光スペクトル例を示す。図示のように、本例の高圧水銀ランプでは、350〜450nmの範囲に強度のピークが存在する。UV硬化樹脂37の硬化に有効なUV波長は、UV硬化剤の種類などにもよるが、通常は300nm以上である。よって、300nm以下の波長のUV光はUV硬化剤の硬化にほとんど寄与せず、むしろ、液晶の比抵抗の低下、配向膜の表面状態の改変など、液晶表示パネルに悪影響を及ぼすことが多い。そこで、フィルタ44により、UV硬化樹脂の硬化に寄与する波長よりも低波長帯、具体的には300nmよち低い波長帯のUV光をフィルタ44により遮断する。これにより、注入口の封止工程で行われるUV照射により起こりうる悪影響を防止することができる。
シャッター46は、加圧治具30に収容された短冊パネル15がUV照射装置40の下方に配置されたときに開き、フィルタ44を通過したUV光が短冊パネル15の各注入口7に照射されるようにする。
こうして、UV照射により注入口の封止が完了すると、図2に示した分断線52に従って短冊パネル15が分断され、個々の液晶表示パネル10が得られる。
図5に、UV照射装置40内にフィルタ44を設けた場合と設けない場合において製造された液晶表示パネルの点灯検査結果を示す。UV照射量、加圧の圧力などの条件は同一とした。フィルタ44を設けた場合には液晶表示パネルにUVムラが生じなかったのに対し、フィルタ44を設けなかった場合には全サンプルにUVムラが生じた。なお、UVムラとは、液晶表示パネル10の注入口付近の表示領域に発生する表示ムラであり、UV照射に起因すると考えられる。
以上のように、UV硬化剤に対して照射するUV光のうち、UV硬化剤の硬化に寄与しない低波長帯のUV光を遮断することにより、UV照射による液晶表示パネルの劣化を防止することができる。
なお、上記の説明では、低波長帯を制限したUV光照射をUV硬化剤による液晶注入口の封止に適用した例を示したが、本発明の適用はこれに限られるものではない。例えば、一対のガラス基板間にシール材を圧着してセル構造を形成する際にも適用することができる。即ち、ガラス基板に対するシール材の圧着には、熱硬化性の接着剤の他、熱及び紫外線硬化性の接着剤を使用する場合があり、その場合のUV照射にも本発明を適用することができる。
1、2 基板、 3 シール材、 4 セル、10 液晶表示パネル、 20 マザーボード、 15 短冊パネル、 30 加圧治具、36 ディスペンサ、 37 紫外線硬化剤 40 紫外線照射装置、 42 紫外線光源、 44 フィルタ、 46 シャッター
Claims (7)
- 電気光学装置の構成部品に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射する紫外線照射装置であって、紫外線光を出射する光源と、所定の波長より低い波長の紫外線光を遮断するフィルタと、を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
- 前記紫外線照射装置は、前記電気光学装置の注入口に塗布された紫外線硬化剤に紫外線光を照射することを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
- 前記紫外線照射装置は、前記電気光学装置の基板にシール材を接着する紫外線硬化剤に紫外線光を照射することを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
- 前記所定の波長は、前記紫外線硬化剤を硬化させる紫外線の波長であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置の封止装置。
- 前記所定の波長は300nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置の封止装置。
- 電気光学物質を注入した電気光学装置の注入口に紫外線硬化材を塗布する工程と、
前記紫外線硬化剤に対して、所定の波長以上の紫外線光を照射して前記注入口を封止する工程と、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 電気光学装置の基板とシール材との間に紫外線硬化剤を塗布する工程と、
前記紫外線硬化剤に対して、所定の波長以上の紫外線光を照射して前記シール材を前記基板に固着する工程と、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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WO2015033610A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-12 | 日本化薬株式会社 | 光学部材の製造方法及びそれに用いる紫外線硬化型樹脂組成物 |
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2003
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JPWO2015033610A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2017-03-02 | 日本化薬株式会社 | 光学部材の製造方法及びそれに用いる紫外線硬化型樹脂組成物 |
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