JP2005098709A - 液体濃度センサ、燃料電池用液体濃度センサ、ならびに該液体濃度センサを用いた燃料電池システム及び電子機器 - Google Patents

液体濃度センサ、燃料電池用液体濃度センサ、ならびに該液体濃度センサを用いた燃料電池システム及び電子機器 Download PDF

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Toshiyuki Aoyama
俊之 青山
Kenji Hasegawa
賢治 長谷川
Masayuki Ono
雅行 小野
Masaya Hori
賢哉 堀
Masaru Odagiri
優 小田桐
Masaru Higashioji
賢 東陰地
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】 液体の静電容量を測定して、液体の濃度を測定する液体濃度センサにおいて、測定液体中の気泡や固体粒子によって測定値が影響されない液体濃度センサを提供する。
【解決手段】 本発明に係る液体濃度センサは、少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体から、少なくとも1種類の液体の濃度を測定する液体濃度センサであって、少なくとも2つの電極部と、上記夫々の電極部の間に多孔質性部材が配置されていることを特徴とする。上記夫々の電極部間に多孔質性部材を配置することで上記電極部間に混合液体からなる測定物質以外の物質の混入を防止することができる。これにより電極部間の静電容量の測定誤差を無くすことができ、安定した濃度測定が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体濃度センサに関し、特に液体燃料で直接動作する(直接発電を行う)燃料電池の燃料濃度を測定する液体濃度センサと該液体濃度センサを用いた燃料電池システムに関する。
次世代のクリーンかつ高効率なエネルギー源として、燃料電池が注目されている。なかでも、高分子電解質膜の両側にアノードおよびカソードをそれぞれ接合した固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は電気自動車用電源や家庭用分散型電源として適した特徴を有しており、急速に開発が進んでいる。近年、この固体高分子型燃料電池(PEFC)の技術をベースとし、メタノールやジメチルエーテルを改質せずに直接アノードに供給して発電する直接型メタノール燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)の開発が活発化している。この直接型メタノール燃料電池(DMFC)はメタノールなどの有機燃料を水素リッチなガスに改質するための改質器や水素容器が不用であるため小型化が容易であり、移動型電源として注目されている。
一方、DMFCでは、固体高分子電解質膜は一般的にパーフルオロスルホン酸系高分子(デュポン社製、商品名Nafion(登録商標)等)が使用されている。このパーフルオロスルホン酸系高分子の水和膜は高いプロトン伝導性を有するが、そのプロトン伝導性は水和したプロトンの伝導によるものであり、水との親和性の高いメタノールのクロスオーバー(アノード側からカソード側への燃料用メタノールの透過)が発生しやすい。また、クロスオーバーはメタノール濃度が高くなるにつれて尚更発生しやすくなる。そのため高濃度のメタノールを燃料電池に供給すると燃料電池の出力が低下する。また、逆に低濃度のメタノールを供給すると、燃料不足により燃料電池の出力が低下する。
そのため、DMFCにおいては、供給されるメタノールの濃度を最適な範囲に保つ必要があり、特に特許文献1に示されるような循環型の燃料電池では、燃料は燃料電池のアノードを通過して循環タンクに回収され、再度燃料電池へ供給される。そのため燃料の濃度管理は非常に重要である。
DMFCの燃料濃度の管理方法は、燃料電池の出力の電流量から燃料濃度を換算する方法やメタノール水溶液の沸点を測定する方法、熱容量を用いる方法など、さまざまな方法が提案されている。そのうちの一つに液体燃料の静電容量や誘電率を測定して、メタノール濃度を算出する方法があり、特許文献2や特許文献3にその一例が開示されている。このような方法は、直接的に燃料の誘電率を測定することで、回路を簡単にできる利点がある。
米国特許5599638号 特開平11−352089号公報 特表2003−507859号公報
燃料電池に直接液体燃料を供給する型の燃料電池、例えばDMFCでは燃料電池のアノード極では以下の反応機構によりメタノールと水が反応する。
CHOH+HO → CO+6H+6e
また、例えば燃料がジメチルエーテルの場合、以下の反応機構によってジメチルエーテルと水が反応する。
CHOCH+3HO → 2CO+12H+12e
上記の反応機構に示されるように、DMFC等の直接燃料を供給する燃料電池では、燃料電池のアノード極の反応では二酸化炭素(CO)が発生する。ここでCOは気体であるため、体積が液体燃料よりもはるかに大きく、循環型の燃料電池では燃料電池から回収された燃料は多数の気泡を含んでしまう。
ここで、前記液体燃料の静電容量を測定してメタノール水溶液の濃度を算出する方法は、電極となる2つの極板の間に燃料が導入され静電容量が測定される。そのため、極板間に燃料だけではなく、気泡が混入した場合、測定値が大きく外れる課題があった。メタノールの比誘電率が32.6(25℃にて)、水の比誘電率が78.5(25℃にて)であるのに対して、上記気泡であるCOの比誘電率は1.000922(20℃、1atmにて)と大きく異なることより、僅かな気泡が上記極板間に混入するような場合であっても、メタノール水溶液の濃度を正確に測定することができないという問題がある。
一方、特許文献2では上記課題に対し、極板間の距離を広げることで対応している。しかしながら、極板間の距離を広げることは静電容量が小さくなるため、濃度センサの精度を上げるためには極板を大きくする必要があり、濃度センサが大きくなってしまう。また、この方法では極板間に入り込んだ気泡を抜けやすくするだけであり、根本的に極板間への気泡の混入を防ぐことはできない。
また、特許文献3では、上記課題に対する具体的な解決手段が開示されていない。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体から、少なくとも1種類の液体の濃度を測定する液体濃度センサにおいて、上記混合液体中への気泡や固体粒子の混入による濃度の測定誤差の発生を抑制することができる液体濃度センサ、燃料電池用液体濃度センサ、並びに当該液体燃料濃度センサを備える燃料電池システム及び電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池における液体燃料の濃度を測定する燃料電池用の液体濃度センサであって、
少なくとも2つの電極部と、
上記少なくとも2つの電極部の間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材とを備えることを特徴とする燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第2態様によれば、液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池における液体燃料の濃度を測定する燃料電池用の液体濃度センサであって、
夫々に電圧を付加可能に、互いに対向して配置された2つの電極部と、
上記夫々の電極部(の表面に接触するよう)に挟まれて配置され、上記液体燃料に含まれる気泡又は固体粒子の混入を抑制しながら上記液体燃料を導入可能であり、かつ、多孔質性物質にて形成された多孔質性部材とを備え、
上記多孔質性部材内に上記液体燃料を導入した状態で、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記液体燃料の誘電率(あるいは静電容量)を測定することでもって、上記液体燃料の濃度を測定することを特徴とする燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記多孔質性物質は絶縁性を有する第1態様又は第2態様に記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第4態様によれば、上記液体燃料は、液体燃料原液を水で希釈した水溶液であって、上記多孔質性部材は、親水性を有する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記多孔質性物質は、親水性処理された多孔質性高分子材料である第4態様に記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第6態様によれば、上記多孔質性物質は、親水性処理されたポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンの少なくとも1つを含む第4態様又は第5態様に記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第7態様によれば、上記夫々の電極部は、上記液体燃料との接触部が非金属性物質で被覆されている第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第8態様によれば、上記非金属性物質は高分子材料である第7態様に記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第9態様によれば、上記夫々の電極部間の端部に配置され、上記液体燃料を上記多孔質性部材内に導入可能な開口部を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第10態様によれば、上記夫々の電極部間の端部に、上記開口部から離間して配置され、上記導入された液体燃料を当該多孔質性部材外へ排出可能な開口部をさらに備える第9態様に記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第11態様によれば、上記夫々の電極部のうちの少なくとも1つの上記電極部が、上記液体燃料を上記多孔質性部材内に導入可能な開口部を備える第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第12態様によれば、上記多孔質性部材は、25℃における比誘電率が15以下である第1態様から第11態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第13態様によれば、上記多孔質性部材は多数の連通孔を有し、上記夫々の連通孔は、上記多孔質性部材に隣接して配置された上記液体燃料を、上記夫々の連通孔内に導入可能であって、かつ、上記液体燃料に含まれる上記気泡又は上記固体粒子の上記夫々の連通孔内への導入を抑制可能に形成されている第1態様から第12態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第14態様によれば、上記多孔質性部材は、40%〜98%の範囲の空隙率を有する第1態様から第13態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第15態様によれば、上記多孔質性部材は、上記夫々の電極部の間の空間全体を略埋めるように充填されて配置されている第1態様から第14態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第16態様によれば、上記液体燃料はメタノール水溶液又はジメチルエーテル水溶液であって、上記気泡は、上記燃料電池における発電の際に生成される二酸化炭素の気泡を含む第1態様から第15態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサを提供する。
本発明の第17態様によれば、液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池を用いた燃料電池システムであって、
供給される上記液体燃料を用いて発電を行なう燃料電池本体部と、
上記燃料電池本体部への上記液体燃料の供給を行なう液体燃料供給部と、
上記液体燃料の濃度を測定可能に上記液体燃料中に配置された第1態様から第16態様のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサとを備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
本発明の第18態様によれば、第17態様に記載の燃料電池システムと、
上記液体燃料の濃度調整手段と、
上記燃料電池システムにおける上記燃料電池用液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果に基づいて、上記濃度調整手段を制御して、上記液体燃料の濃度を調整可能な制御装置とを備えることを特徴とする電子機器を提供する。
本発明の第19態様によれば、上記制御装置は、上記液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果が一定値以下の場合、上記濃度調整手段による上記液体燃料の濃度調整動作を停止させる第18態様に記載の電子機器を提供する。
本発明の第20態様によれば、少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体より、少なくとも1種類の液体の濃度を測定する液体濃度センサであって、
少なくとも2つの電極部と、
上記少なくとも2つの電極部の間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材とを備えることを特徴とする液体濃度センサを提供する。
本発明の第21態様によれば、少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体より、少なくとも1種類の上記液体の濃度を測定する液体濃度センサであって、
夫々に電圧を付加可能に、互いに対向して配置された2つの電極部と、
上記夫々の電極部に挟まれて配置され、上記混合液体に含まれる気泡又は固体粒子の混入を抑制しながら上記混合液体を導入可能であり、かつ、多孔質性物質にて形成された多孔質性部材とを備え、
上記多孔質性部材内に上記混合液体を導入した状態で、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記混合液体の誘電率を測定することでもって、上記液体の濃度を測定することを特徴とする液体濃度センサを提供する。
本発明の第22態様によれば、上記多孔質性部材は、上記混合液体と親和性を有する第20態様又は第21態様に記載の液体濃度センサを提供する。
本発明の第23態様によれば、上記多孔質性物質は絶縁性を有する第20態様から第22態様のいずれか1つに記載の液体濃度センサを提供する。
本発明の上記第1態様によれば、燃料電池用の液体濃度センサにおいて、少なくとも2つの電極部間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材を配置することで、上記夫々の電極部間に測定対象である液体燃料以外の物質の混入を防止することができる。これにより、上記夫々の電極部間の静電容量の測定における測定誤差を低減することができ、安定した濃度測定が可能となる。
本発明の上記第2態様によれば、燃料電池用の液体濃度センサにおいて、互いに対向して配置された2つの電極部間の空間に、多孔質性物質により形成された多孔質性部材を配置することで、測定対象である液体燃料中に含まれる気泡や固体粒子の混入を抑制しながら上記液体燃料を上記空間内に導入することができる。このような状態で上記空間内への上記液体燃料の導入を行ない、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記液体燃料の誘電率を測定することでもって、上記液体燃料の濃度を測定することにより、上記気泡や固体粒子の混入に伴う測定誤差の発生を抑制することができる。従って、確実かつ安定して上記液体燃料の濃度の測定を行なうことができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記夫々の電極部間に配置される上記多孔質性部材を形成する上記多孔質性物質が、電気的な絶縁性を有していることにより、上記液体濃度センサにコンデンサとしての機能を備えさせることができ、上記液体燃料の濃度の測定を確実かつ安定して行なうことができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記液体燃料が、液体燃料原液を水で希釈した水溶液であり、上記多孔質性部材が親水性を有することにより、上記液体燃料で直接発電を行なう燃料電池の液体燃料であるメタノール水溶液やジメチルエーテル水溶液の上記多孔質性部材への導入を促進させることができ、それとともに上記多孔質性部材中への気体(気泡)等の混入の防止効果を高めることができる。
本発明の上記第5態様によれば、上記多孔質性部材として、親水性処理された多孔質性高分子材料を用いることで、上記夫々の電極部間の導通を確実に防止することができ、かつ液体濃度センサの軽量化が可能となる。
本発明の上記第6態様によれば、上記多孔質性部材として、親水性処理されたポリオレフィン、ポリテトレフルオロエチレン、ポリエチレンのいずれかを用いることで、液体濃度センサの生産コストを低減することができる。
本発明の上記第7態様によれば、上記夫々の電極部における上記液体燃料との接触部がが非金属性物質で被覆されていることにより、上記夫々の電極部への電圧の付加の際における上記液体燃料への金属イオンの溶出を防止することができる。このような金属イオンの溶出の防止により、燃料電池における上記液体燃料中への金属イオンの溶出による出力低下を防止することができる。
本発明の上記第8態様によれば、上記非金属性物質が高分子材料であることにより、液体濃度センサの重量の増加を抑え、生産コストを抑制することができる。
本発明の上記第9態様、第10態様、又は第11態様によれば、上記多孔質性部材への上記液体燃料の導入を行なう開口部が形成されていることにより、測定対象である上記液体燃料が上記多孔質性部材と接する面積を増加させることができ、上記液体燃料の濃度変化に対する濃度測定の応答等速度を向上させることができる。また、上記多孔質性部材へ導入された上記液体燃料を排出する開口部がさらに形成されていることにより、上記多孔質性部材への上記液体燃料の入れ替わり性を良好なものとすることができ、上記液体燃料の濃度変化に対する濃度測定の応答等速度をさらに向上させることができる。
本発明の上記第12態様によれば、上記多孔質性部材の比誘電率を15以下に抑えることで、測定対象である上記液体燃料の濃度変化に対する静電容量(あるいは誘電率)の変化の測定感度を高めることができ、確実かつ安定した濃度測定を行なうことができる。
本発明の上記第13態様によれば、上記多孔質性部材が多数の連通孔を有し、上記夫々の連通孔が、上記多孔質性部材に隣接して配置された上記液体燃料を、上記夫々の連通孔内に導入可能であって、かつ、上記液体燃料に含まれる気泡の上記夫々の連通孔内への導入を抑制可能に形成されていることにより、上記多孔質性部材内への上記気泡の侵入を確実に抑制しながら上記液体燃料の導入を行ない、上記液体燃料の濃度の測定を確実かつ安定して行なうことができる。
本発明の上記第14態様によれば、上記多孔質性部材の空隙率が40%以上であることにより、上記液体燃料の誘電率あるいは静電容量の測定における相対感度を良好なものとすることができ、上記液体燃料の濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の上記第15態様によれば、上記夫々の電極部間の空間が、上記多孔質性部材により略埋められていることにより、当該空間への上記気泡等の侵入を確実に抑制することができる。
本発明の上記第16態様によれば、上記液体燃料が直接発電を行なう燃料電池において用いられるメタノール水溶液又はジメチルエーテル水溶液であって、上記気泡が、上記燃料電池における発電の際に生成される二酸化炭素の気泡を含んでいることにより、上記燃料電池における発電の際に生成される上記二酸化炭素の気泡の存在に影響されることなく、上記液体燃料の濃度を確実かつ安定して測定することができる。
本発明の上記第17態様によれば、上記夫々の態様の液体濃度センサを燃料電池システムに適用することで、安定した燃料濃度測定が可能となる。また、濃度測定結果に基づいて、燃料電池へ供給する燃料の濃度調整をすることで安定した出力の燃料電池システムを提供することができる。
本発明の上記第18態様によれば、上記第17態様の燃料電池システムを電子機器に用いることで、電子機器は安定した電力を供給され、連続稼動が可能となる。また、上記液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果に基づいて、濃度調整手段により上記液体燃料の濃度を調整することが可能となるため、上記液体燃料の濃度をより安定させることができる。また、このような濃度調整を制御する制御装置を電子機器本体側に備えさせる場合には、燃料電池システムの構成が簡単になり製作コストを低減させることができる。
本発明の上記第19態様によれば、上記液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果が一定値以下の場合に、上記制御装置による上記液体燃料の濃度制御を停止することで、上記液体燃料が必要以上な高濃度になることを防止することができる。
本発明の上記第20態様によれば、少なくとも2つの電極部間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材を配置することで、上記夫々の電極部間に測定対象である混合液体以外の物質の混入を防止することができる。これにより、上記夫々の電極部間の静電容量の測定における測定誤差を低減することができ、安定した濃度測定が可能となる。
本発明の上記第21態様によれば、互いに対向して配置された2つの電極部間の空間に、多孔質性物質により形成された多孔質性部材を配置することで、測定対象である混合液体中に含まれる気泡や固体粒子の混入を抑制しながら上記混合液体を上記空間内に導入することができる。このような状態で上記空間内への上記混合液体の導入を行ない、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記混合液体の誘電率を測定することでもって、上記混合液体中における液体の濃度を測定することにより、上記気泡や固体粒子の混入に伴う測定誤差の発生を抑制することができる。従って、確実かつ安定して上記液体の濃度の測定を行なうことができる。
本発明の上記第22態様によれば、上記多孔質性部材に測定物質である上記混合液体との親和性を備えさせることにより、上記多孔質性部材内への上記混合液体の導入を促進するとともに、上記混合液体以外の物質、例えば上記気泡や固体粒子の混入の抑制効果を高めることができる。
本発明の上記第23態様によれば、上記夫々の電極部間に配置される上記多孔質性部材を形成する上記多孔質性物質が、電気的な絶縁性を有していることにより、上記液体濃度センサにコンデンサとしての機能を備えさせることができ、上記混合液体の濃度の測定を確実かつ安定して行なうことができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる液体濃度センサの一例である液体濃度センサ10の模式的な構造を示す模式断面図を図1に、また、模式斜視図を図2に示す。図1及び図2に示すように、液体濃度センサ10は、導電性材料により形成された導電性を有する電極部の一例である電極1a、1bと、絶縁性を有する多孔質性物質により形成された多孔質性部材の一例である多孔質部材2と、液体濃度センサ10を他の部材に固定するための固定部3と、外部配線への夫々の接続端子5と、夫々の接続端子5と夫々の電極1a、1bとを電気的に接続する導線4とを備えている。
電極1a、1bは、平板状の形状を有するとともに、互いに略平行にかつ対向するように配置されて、コンデンサを形成しており、電極1aと、電極1bとの間の間隔(距離寸法)は実質的に均一とされている。また、上記導電性材料は、導電性を有する物質であれば特に限定はされず、例えば、アルミニウムや銅といった導電性金属や、グラファイト、ITO基板などを用いることができる。また、電極1a、1bは固定部3で固定されて、その互いに対向された配置が保持されている。なお、例えば、電極1a及び1bの大きさは、10mm×10mm程度の大きさを有している。
また、図1及び図2に示すように、液体濃度センサ10は、夫々の電極1a及び1bにて挟まれた空間S内に、少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体を導入することが可能となっている。具体的には、電極1a及び1bの夫々の端部間が、電極1a及び1bの間に形成される空間Sと、当該空間Sの外部との間の開口部Tとなっており、この開口部Tを通して空間S内に上記混交液体を導入することが可能となっている。なお、本第1実施形態においては、図2に示すように、略四角形状の夫々の電極1a及び1bの4つの端部のうちの固定部3が形成されている端部を除く、3つの端部近傍において開口部Tが夫々形成されている。また、夫々の電極1a、1bの上記コンデンサ機能を用いて、空間S内に導入された上記混合液体の静電容量あるいは誘電率を測定することにより、上記混合液体のうちの少なくとも1種類の液体の濃度を測定することが可能となっている。
また、多孔質部材2は、夫々の電極1a、1bの間の空間Sを略埋めるように配置され、夫々の電極1a、1bの表面に必ずしも接触されている必要はなく、例えば、電極1a、1bと多孔質部材2との間に僅かな空隙が存在するような場合であってもよい。このような空隙が存在する場合、各々の電極1a、1bと多孔質部材2との間の距離寸法が電極1aと電極1bとの間の距離寸法の1/10以下であることが好ましい。また、多孔質性物質としては、電極1a、1bによるコンデンサ機能を維持できる材料であれば特に限定はされないが、測定対象となる上記混合液体への耐性が高いことが好ましく、さらに、測定時の感度を高めるためには比誘電率が低いこと、例えば、比誘電率が15以下程度であることが好ましい。具体的には多孔質性を有するプラスチックやセラミックスを挙げることができ、例えばこのような多孔質性のプラスチック材料としては、ポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、多孔質性のセラミックスとしてはシリカやアルミナ等が挙げられる。また、例えば、電極1a及び1bの大きさが、10mm×10mm程度の大きさにて形成されているような場合、多孔質部材2の厚さは2mm以下、好ましくは1mm以下程度に形成される。このような厚さにて多孔質部材2を形成することで、コンデンサとしての静電容量を大きく保つことができ、測定誤差が増加することを防止することができる。なお、夫々の電極1a及び1bの面積を増やすことで静電容量を大きくすることも可能ではあるが、このような場合にあっては、液体濃度センサ本体の大型化を招くこととなり、実用的ではない。
また、多孔質部材2は、多数の微細な連通孔を有しており、上記夫々の連通孔は、多孔質部材2に隣接して配置された上記混合液体を、開口部Tを通して、上記夫々の連通孔内に導入可能であって、かつ、上記混合液体に含まれる上記混合液体を構成する夫々の液体以外の物質、例えば、気泡や固体粒子(いわゆる異物)の上記夫々の連通孔内への導入を抑制可能に形成されている。言い換えれば、夫々の電極1a、1b間に導入されることで、上記混合液体の静電容量あるいは誘電率の測定に実質的な影響を及ぼすような大きさ(すなわち径)を有する気泡や固体粒子の上記夫々の連通孔内への侵入を抑制できる程度の大きさの孔として、上記夫々の連通孔は形成されている。
さらに、多孔質部材2は測定対象となる上記混合液体との親和性を有することが好ましい。例えば、当該混合液体が、2種類の液体をメタノールと水とする混合液体であるメタノール水溶液である場合は、多孔質性物質を親水化処理することで上記混合液体との親和性を得られる。また、親和性を得ることで、多孔質部材2を上記混合液体に浸漬する際に、多孔質部材2内に残留している気体の除去を迅速に行なうことができる。
また、多孔質部材質2は固定部3を貫通して外部との接触部を有してもよい。多孔質部材2に上記混合液体と接触しない面を備えさせることで、毛管現象が働きやすくなり、多孔質部材2への混合液体の浸透速度を向上させることができる。
このような構成を有する液体濃度センサ10により、上記混合液体中の液体の濃度を測定する場合には、多孔質部材2に測定対象となる混合液体が満たされることでコンデンサが形成され、このコンデンサの静電容量(あるいは上記混合液体の誘電率)を測定することによって上記混合液体の所望の成分の濃度、例えばメタノール水溶液におけるメタノール成分の濃度を測定することができる。このような多孔質部材2への上記混合液体の導入は、多孔質部材2が備える多数の連通孔内に、開口部Tを通して上記混合液体が導入されることにより行なわれる。また、測定される上記混合液体に気泡や固体粒子等の異物が含まれている場合であっても、夫々の電極1a、1b間に多孔質部材2が配置されていることで夫々の電極1a及び1bの間の空間Sへの上記異物の混入を防止あるいは抑制することができる。
また、上記コンデンサの静電容量の測定は、夫々の接続端子5及び導線4を介して、夫々の電極1a及び1bに電圧を付加することにより行なわれる。ただし、このような液体濃度センサ10の静電容量あるいは誘電率の測定方法は特に限定はされず、例えば、特許文献2に示されているように短形波を入力し、出力される三角波の振幅によって測定する方法や、例えば、特許文献3に示されているように交流電圧を印加し、その結果生じる交流電流の分析より測定する方法などを用いることができる。
ここで、液体濃度センサ10の多孔質部材2を形成される多孔質性材料(物質)における空隙率(%、横軸に示す)と、静電容量の測定値に対する変化分の大きさを示す相対感度(縦軸に示す)との関係を示すグラフ形式の図を図11に示す。図11に示すように、多孔質性材料の空隙率が高くなる程、相対感度は向上しており、空隙率が40%より下回ると相対感度は急激に低下することが判る。従って、多孔質性材料の空隙率は、40%以上のものを用いることが好ましい。なお、理論計算上は、空隙率が100%であっても良好な相対感度を得ることができるが、多孔質性材料として、夫々の連通孔が形成できる程度の空隙率以下とする必要がある。このような多孔質性材料に求められる空隙率の範囲としては、例えば、発泡性材料として形成可能な範囲を考慮すれば、40〜98%の範囲とすることが好ましく、高分子材料(例えば,高分子フィルタ等)として形成可能な範囲を考慮すれば、40〜90%の範囲とすることが好ましい。
上記第1実施形態によれば、夫々の電極1a、1b間の空間Sを略埋めるように多孔質部材2を備えさせることで、当該空間S内への異物、すなわち、気泡や固体粒子等の混入を防止することができる。したがって、液体濃度センサ10は異物の影響を受けずに、混合液体の所望の成分の濃度を安定して測定することができる。
(第2の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池用液体濃度センサの一例である液体濃度センサ20の模式的な構造を示す模式断面図を図3に示す。
図3に示すように、液体濃度センサ20は、導電性材料により形成された導電性を有する電極部の一例である電極11a、11bと、多孔質性物質により形成された多孔質性部材の一例である多孔質部材12と、液体濃度センサ20を他の部材に固定するための固定部13と、外部配線への夫々の接続端子15と、夫々の接続端子15と夫々の電極11a、11bとを電気的に接続する導線14と、夫々の電極11a及び11bの表面を非金属性物質により被覆された被覆部16とを備えている。また、図3に示すように、液体濃度センサ20は、燃料電池内の構成要素であるケーシング17に固定部14を介して固定されており、ケーシング17内に収容されている液体燃料18中に浸漬されている。また、この液体燃料18中には、多数の気泡19が存在している。
電極11a、11bは、略平板状の形状を有するとともに、互いに略平行かつ対向するように配置されることにより、コンデンサを形成しており、電極11aと、電極11bとの間の間隔(距離寸法)は実質的に均一とされている。また、上記導電性材料は、導電性を有する物質であれば特に限定はされず、例えば、アルミニウムや銅といった導電性金属などを用いることができる。また、夫々の電極11a、11bは、固定部14で固定されその間隔(距離寸法)が一定になるように維持される。また、夫々の電極11a、11bの表面が、被覆部16で被覆されていることにより、夫々の電極11a、11bの表面と、測定液体である液体燃料18との直接的な接触が防止されている。また、電極11a及び11bの夫々の端部間が、電極11a及び11bの間の空間Sと、当該空間Sの外部(すなわち、ケーシング17の内部であって、かつ、液体濃度センサ20の外部)との間の開口部Tとなっており、この開口部Tを通して空間S内に液体燃料18を導入することが可能となっている。また、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、略四角形状の夫々の電極11a及び11bの4つの端部のうちの固定部13が形成されている端部を除く、3つの端部夫々において開口部Tが夫々形成されている。なお、このような場合に代えて、あるいは、このような場合にさらに加えて、電極11a、11bの平板状の面に開口部が形成されているような場合であってもよい。このように開口部が形成されているような場合においては、電極11a及び11bの夫々の表面と測定液体である液体燃料18との直接的な接触を防止するように、上記開口部における電極11a及び11bの表面が被覆部16により覆われる。
多孔質部材12は、夫々の電極11a、11bの間の空間Sを略埋めるように配置され、夫々の電極11a、11bを覆う非金属性物質16に必ずしも接触する必要はなく、例えば、被覆部16と多孔質部材12との間に僅かな空隙が存在するような場合であってもよい。このような空隙が存在する場合、被覆部16と多孔質部材12と間の距離寸法が、電極11aの図示下面における被覆部16の表面と電極11bの図示上面における被覆部16の表面との間の距離寸法の1/10以下が好ましい。また、多孔質性物質としては、電極11a、11bによるコンデンサ機能を維持できる材料であれば特に限定はされないが、測定対象となる液体燃料18への耐性が高いことが好ましく、さらに、測定時の感度を高めるためには比誘電率が低いこと、例えば、25℃における比誘電率が15以下であることが好ましい。具体的には、例えば、液体燃料としてメタノール水溶液を用いる場合、多孔質性を有するプラスチックやセラミックスを挙げることができ、例えばこのような多孔質性のプラスチック材料としてはポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、多孔質性のセラミックスとしてはシリカやアルミナ等が挙げられる。
また、多孔質部材12は、多数の微細な連通孔を有しており、上記夫々の連通孔は、多孔質部材12に隣接して配置された液体燃料18を、開口部Tを通して、上記夫々の連通孔内に導入可能であって、かつ、液体燃料18に含まれる液体燃料18を構成する夫々の液体以外の物質、例えば、気泡19の上記夫々の連通孔内への導入を抑制可能に形成されている。
さらに、多孔質部材12は測定対象となる液体燃料18との親和性を有することが好ましい。例えば、液体燃料18がメタノール水溶液である場合には、多孔質部材12を親水化処理することで液体燃料18との親和性を得られる。また、親和性を得ることで、多孔質部材12を液体燃料18中に浸漬する際に、多孔質部材12の内部の上記夫々の連通孔に保持されている気体を排出させながら、上記夫々の連通孔の内部に液体燃料18を導入することができ、上記気体の除去が迅速かつ円滑に行なうことが可能となる。
また、被覆部16を形成する非金属性物質としては、測定対象となる液体燃料18への耐性が高く、電気的絶縁性を有し、さらに被覆部16の形成における形成厚さ寸法の安定性が優れたもの(すなわち、略均一な厚さにて形成可能となるようなもの)が好ましい。具体的には、例えば、プラスチックやセラミックス等の高分子材料を用いることができ、さらに具体的には、プラスチックとしてはポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド等が挙げられる。また、セラミックスとしては、窒化ホウ素、炭化窒素、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。なお、液体濃度センサ20におけるコンデンサ機能を考慮すれば、夫々の電極11a及び11b間に配置される部材は、できるだけ同じ材料であることが好ましく、非金属性物質と多孔質性物質とが同じ材料であることが好ましい。
このような構成を有する液体濃度センサ20は、ケーシング17内に収容されている液体燃料18中に浸漬されることで、夫々の開口部Tを通して、多孔質部材12に測定対象となる液体燃料18が満たされることで、液体濃度センサ20によりコンデンサが形成され、このコンデンサの静電容量を測定することによって液体燃料18の濃度、例えば、メタノール水溶液におけるメタノール成分の濃度を測定することができる。このような多孔質部材12への液体燃料18の導入は、多孔質部材12が備える多数の連通孔内に、夫々の開口部Tを通してその周囲の液体燃料18が導入されることにより行なわれる。また、測定される液体燃料18に気体や固体等の異物、例えば、気泡19が含まれている場合であっても、夫々の電極11a、11b間に多孔質部材12が配置されていることで夫々の電極11a、11bの間の空間Sへの気泡19の混入を防止することができる。また、上記液体燃料18の濃度の測定は、予め測定された所定の濃度の液体燃料の静電容量(あるいは誘電率)のデータと、実際に測定された液体燃料の静電容量のデータとが比較されることにより行なわれる。
さらに、夫々の電極11a、11bの表面全体が非金属性材料で形成された被覆部16により覆われていることにより、液体燃料18と夫々の電極11a及び11bとが直接接触することを防止することができ、当該直接的な接触により生じる液体燃料18中への金属イオンの溶出を防止することができる。
また、液体濃度センサ20における上記コンデンサの静電容量の測定は、夫々の接続端子15及び導線14を介して、夫々の電極11a及び11bに電圧を付加することにより行なわれる。このような静電容量の測定方法は特に限定はされず、例えば、上記第1実施形態における夫々の測定方法を用いることができる。
また、被覆部16を形成する非金属性物質としては、電気的絶縁性を有することが好ましい。このように電気的絶縁性を備えることで、不純物等の混入が考えられる循環型の燃料電池システムにおける液体燃料の濃度を、液体濃度センサ20により測定するような場合であっても、夫々の電極11a及び11bの表面と上記不純物等が混入されている液体燃料と間の電気的な絶縁性を保持して、液体燃料中への金属イオンの溶出を防止することができる。さらに、上記非金属性物質が電気的絶縁性を有するような場合にあっては、多孔質部材12が必ずしも電気的絶縁性を有さなくてもよく、導電性を有しているような場合であっても、上記コンデンサ機能を担保することができる。なお、上記液体燃料中に不純物等の混入がないような開放型のセル等を用いた非循環型の燃料電池システムに、液体濃度センサを用いるような場合にあっては、上記非金属性物質が電気的絶縁性を有さないような場合であってもよい。ただし、このような場合にあっては、多孔質部材12に対して電気的絶縁性が要求されることとなる。
上記第2実施形態によれば、夫々の電極11a、11bの間の空間Sを略埋めるように多孔質部材12を備えさせることで、燃料電池における発電により生成されるCOの気泡19が当該空間S内に混入することを防止することができる。従って、液体濃度センサ20は、異物であるCOの影響を受けずに、確実かつ安定して液体燃料の濃度を測定することができる。
また、夫々の電極11a及び11bの表面が、非金属性材料にて形成された被覆部16にて覆われていることにより、導電性材料にて形成されている夫々の電極11a及び11bの表面と液体燃料18との直接的な接触を防止して、液体燃料中への電極11a、11bからの金属イオンの溶出を防止することができる。これにより、燃料電池が当該溶出される金属イオンによって出力が低下すること防ぐことができる。
また、液体濃度センサ20においては、略四角形平板状の夫々の電極11a及び11bの4つの端部のうちの固定部13が形成されている端部を除く3つの端部近傍に、開口部Tが形成されているため、液体燃料18中に浸漬された液体濃度センサ20の周囲の液体燃料18を、夫々の開口部Tを通して、円滑に多孔質部材12中に導入することができる。また、当該導入された液体燃料18を夫々の開口部Tを通して液体濃度センサ20の外部に円滑に排出することもできる。従って、ケーシング17内に収容されている液体燃料18の濃度を確実に測定することができ、液体燃料の濃度変化に対する応答速度を向上させることができる。
また、電極11a又は11bの表面にさらに開口部が形成されているような場合にあっては、多孔性部材12とその周囲に配置されている液体燃料18との接触面積を増加させることができ、多孔性部材12への液体燃料18の浸透速度をさらに向上させることができ、液体燃料の濃度変化に対する応答速度をさらに増加することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる燃料電池用液体濃度センサを備える燃料電池システムの一例である燃料電池システム100の模式的な構成を示す模式構成図を図4に示す。図4に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池本体50(燃料電池本体部の一例である)、燃料混合タンク34、燃料タンク35、水タンク36、気液分離装置37、ポンプ38,39,40,及び41、液体濃度センサ60、及び制御部61(制御装置の一例である)を備えている。なお、ポンプ38、39、40、及び41には、開閉可能なバルブ(図示しない)が備えられている。
図4に示すように、燃料電池本体50はアノード極31とカソード極32、電解質膜33とを備える。電解質膜33は、固体高分子電解質膜を有し、アノード極31とカソード極32とに挟まれて配置される。アノード極31は、液体燃料を分解し電子を引き抜く触媒と、液体燃料の拡散層と、集電体としてのセパレータとが積層された構造であり、カソード極32は、プロトンと酸素との反応触媒と、空気の拡散層と、集電体としてのセパレータとが積層された構造である。アノード極31及びカソード極32の上記触媒としては、白金、ルテニウムが使用される。また、アノード極31及びカソード極32には外部出力90が接続される。
カソード極32には、ポンプ38が備えられた空気供給通路53が接続され、例えば、毎分1リットルの量にて空気供給通路53を通してカソード極32へ、気体酸化剤としての空気又は酸素が供給される。また、カソード極32を通過した空気もしくは酸素は、カソード極32で発電により生成された水と共に、空気排出通路54を通って気液分離装置37に供給される。気液分離装置37で分離された水は液体排出経路55を通って、水タンク36に供給されて回収される。一方、気液分離装置37にて分離された空気もしくは酸素は、気液分離装置37の外部に放出可能となっている。また、水タンク36はポンプ40が備えられた水供給経路52を通じて燃料混合タンク34に連通されており、水タンク36から水供給経路52ならびにポンプ40を通って、燃料混合タンク34に水を供給することが可能となっている。
燃料タンク35は、燃料電池用の液体燃料原液、好適な一例としてメタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の有機溶液、特にメタノールを収容している。また、燃料タンク35と燃料混合タンク34とは、燃料供給通路51により連通されており、燃料供給経路51及びポンプ41を通じて、燃料タンク35から燃料混合タンク34にメタノールを供給することが可能となっている。また、このように燃料混合タンク34に、燃料タンク35からメタノールが、さらに水タンク36から水が、夫々所定量だけ供給されることにより、液体燃料原液であるメタノールが所定の濃度に水で希釈された希釈燃料(あるいは水溶液)であるメタノール水溶液が生成され、当該生成されたメタノール水溶液が燃料混合タンク34にて収容されている。
また、燃料混合タンク34とアノード極31とは、希釈燃料供給通路56及び希釈燃料回収通路57にて互いに連通されており、燃料混合タンク34から希釈燃料供給通路56及び当該通路上に設けられたポンプ39を通って、メタノール水溶液を、例えば毎分1mlの量でアノード極31へ供給することが可能となっている。また、アノード極31にて発電により消費された残りのメタノール水溶液は、希釈燃料回収経路57を通って、燃料混合タンク34に回収される。燃料混合タンク34には、気体排出弁42が設置されており、回収されたメタノール水溶液中のCOを放出することが可能となっている。
また、図4に示すように、燃料混合タンク34内には、収容されているメタノール水溶液の濃度を検出可能に、液体濃度センサ60が設置されており、液体濃度センサ60はメタノール水溶液中に浸漬された状態とされている。この液体濃度センサ60は、例えば、上記第2実施形態の液体濃度センサ20と同様な構造及び機能を有する液体濃度センサである。また、この液体濃度センサ60は、制御部61と接続されており、制御部61は、液体濃度センサ60に所望の電圧を付加することが可能となっているとともに、液体濃度センサ60から出力される信号(例えば、電圧信号等)を受けて、燃料混合タンク34内の燃料濃度、すなわちメタノール水溶液の濃度を測定することが可能となっている。さらに、制御部61は、夫々のポンプ40及び41の運転開始/運転停止動作、燃料供給通路51上のバルブ及び水供給通路52上のバルブの開閉動作の制御を行なうことが可能となっている。なお、制御部61が、さらにポンプ38及び39の運転動作制御を行なうような場合であってもよい。また、本第3実施形態においては、燃料混合タンク34、燃料タンク35、水タンク36、ポンプ39、40、及び41、液体濃度センサ60、制御部61、水供給通路52、燃料供給通路51、希釈燃料供給通路56、及び希釈燃料回収通路57により、液体燃料供給部51が構成されている。
このような構成を有する燃料電池システム100において、液体燃料であるメタノール水溶液を用いて発電が行なわれる動作について、以下に図4を用いて説明する。
図4に示す燃料電池システム100において、ポンプ39の運転が開始され、メタノール水溶液が燃料混合タンク34から希釈燃料供給通路56を通過してアノード極31に供給される。それとともに、ポンプ38の運転が開始され、空気が空気供給通路53を通過してカソード極32に供給される。アノード極31及びカソード極32では夫々が有する触媒作用の反応によって発電が行なわれ、当該発電された電力が外部出力90へ供給される。
また、カソード極32を通過した空気と、当該発電によりカソード極32にて生成された水は、空気排出通路54を通して気液分離装置37に供給されて、カソード極32から排出される。気液分離装置37において、気体(空気)と水とが分離され、気体は外部に放出され、水は液体排出通路55を通して水タンク36へ供給されて回収される。一方、アノード極31にて発電に消費されなかったメタノール水溶液は、アノード極31にて当該発電にて生成されたCOの気泡を含んだままの状態で、希釈燃料回収通路57を通して燃料混合タンク34に回収される。このメタノール水溶液中に含まれるCOのうち一部は気体排出弁42から外部へ放出され、残りは燃料混合タンク34内やアノード極31へメタノール水溶液と一緒に供給される。
液体濃度センサ60は、燃料混合タンク34内のメタノール水溶液の濃度を測定する。
この液体濃度センサ60による濃度の測定方法は、上記第2実施形態の液体濃度センサ20による測定方法と同様である。従って、液体濃度センサ60が有する夫々の電極間に、メタノール水溶液中に含まれるCOの気泡が混入することを防止(抑制)しながら、当該測定を行なうことができ、メタノール水溶液の濃度の測定を確実かつ安定して行なうことができる。なお、上記メタノール水溶液の濃度の測定は、予め測定された所定の濃度のメタノール水溶液の静電容量(あるいは誘電率)のデータを制御部61に記憶させておき、この記憶されているデータと、実際に測定されたメタノール水溶液の静電容量のデータとを制御部61にて比較することにより行なわれる。
また、燃料電池本体50における発電により、アノード極31にて供給されたメタノール水溶液の一部が消費されることとなる。そのため、希釈燃料回収通路57を通して回収されるメタノール水溶液の濃度は、供給されたメタノール水溶液の濃度よりも低下することとなる。これにより、燃料混合タンク34内のメタノール水溶液の濃度は、発電の進行とともに低下する。そこで、制御部61は、液体濃度センサ60から出力される燃料混合タンク34内のメタノール水溶液の濃度の測定値を受けて、ポンプ40及び41の運転開始/停止動作の制御と、燃料供給通路51と水供給通路52の夫々に備えられたバルブの開度調節を行い、燃料混合タンク34内に燃料タンク35から液体燃料原液(メタノール)を、水タンク36から水を供給し、燃料混合タンク34内のメタノール水溶液の濃度を一定の範囲、例えば1M〜2.5Mの範囲に保たせる。これにより、安定した濃度のメタノール水溶液をアノード極31へ供給することができ、安定した電力を継続的に供給することができる発電を行なうことができる。なお、本第3実施形態においては、ポンプ40及び41と、燃料供給通路51及び水供給通路52上に設けられている夫々のバルブが濃度調整手段の一例となっている。
上記第3実施形態によれば、燃料電池システム100が液体濃度センサ60を備えていることにより、発電により希釈されるメタノール水溶液の濃度を、COの気泡の存在に拘らず、確実かつ安定して測定することが可能となる。また、この液体濃度センサ60による濃度の測定値を制御部61に入力させることで、制御部61により、燃料タンク35から燃料混合タンク34への液体燃料原液の供給量、及び水タンク36から燃料混合タンク34への水の供給量を、上記濃度の測定値に基づいて調整することができ、正確な濃度調整を行なうことが可能となる。これにより、常に一定の範囲内の濃度のメタノール水溶液を燃料電池本体50に供給することが可能となり、燃料電池システム100において、安定した電力を継続的に供給可能な発電を行なうことができる。
なお、上記第3実施形態の燃料電池システム100は一例を示したものであり、本発明の燃料電池システムは本発明の液体濃度センサを有するシステムであればよく、本実施の形態の構成にのみ限定されるものではない。例えば、さらに、測定対象である液体燃料の温度による静電容量の温度補正を行うような場合であってもよく、このような液体燃料の温度を検出するため、液体濃度センサの近傍に温度センサ等を有してもよい。また、例えば、液体濃度センサの設置位置が希釈燃料供給経路に存在しても良く、希釈燃料回収経路にあってもよく、上記第3実施形態に記載されていない他の構成要素にあってもよい。
例えば、上記第3実施形態の燃料電池システム100の変形例として、液体濃度センサの一例である液体濃度センサ70が、希釈燃料供給通路56内に備えられている状態を示す模式説明図を図5に示す。なお、液体濃度センサ70は、略管路状の希釈燃料供給通路56内に液体濃度センサ70を設置して固定するために必要な構成を除いては、基本的には上記第2実施形態の液体濃度センサ20と同様な構成を有している。以下、この構成が異なる部分のみについて説明する。なお、上記第2実施形態の液体濃度センサ20と同じ構成を有する部分については、その説明の理解を容易なものとするため、同じ参照番号を付している。また、図5に示す液体濃度センサ70における液体燃料(すなわち、メタノール水溶液)の流れ方向D沿いの断面であるA−A線断面図を図6に示し、流れ方向Dの下流側から見た矢視図であるB−B線矢視図を図7に示す。
図5、図6、及び図7に示すように、略四角形平板状の電極11a及び11bが一定の間隔でもって、液体燃料の流れ方向に沿って略平行に配置されており、当該配置が保持された状態で希釈燃料供給通路56の内側の管壁に、液体濃度センサ70が接着部71を介して固定されている。また、電極11a及び11bの4つの端部近傍には、夫々の電極11aと11bとの間の空間Sと、液体濃度センサ70の外部の空間との間の開口部Tが形成されている。また、夫々の接続端子15は、希釈燃料供給通路56の管路外部に設置されており、当該管路を貫通するように夫々の導線14が配置され、夫々の電極11a及び11bと夫々の接続端子15とが接続されている。
このような構成の液体濃度センサ70が、液体燃料の流れがある希釈燃料供給通路56内に設置されていることにより、夫々の電極11a、11b間の空間S、すなわち、多孔質部材12内への液体燃料の浸透速度を向上させることができ、液体燃料の濃度変化に迅速に対応することができる。また、空間Sには、多孔質部材12が配置されているため、液体燃料中に含まれる気泡19が空間S内に侵入することを抑制することができる。
さらに、夫々の電極11a及び11bが、液体燃料の流れ方向Dに略平行となるように配置されており、また、夫々の電極11a及び11bの夫々の端部近傍に形成された開口部Tのうちの液体燃料の上流側に位置される開口部T1が空間S内への液体燃料の導入口として機能し、液体燃料の下流側に位置される開口部T2が空間S内からの液体燃料の排出口として機能することができるため、多孔質部材12内への液体燃料の浸透速度をさらに向上させることができる。従って、発電の進行とともに、液体燃料の濃度変化を伴うという特徴を有する燃料電池システムにおいて、より確実かつ安定して液体燃料の濃度の測定を行なうことができる。
なお、上記においては、希釈燃料供給通路56内に設置されている液体濃度センサ70の夫々の電極11a及び11bが、略平板状であるような場合について説明したが、このような場合にのみ限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、夫々の電極11a及び11bが湾曲されて形成されているような場合であってもよい。このような場合の一例として、上記第3実施形態のさらに別の変形例にかかる液体濃度センサ80について図8及び図9を用いて説明する。なお、図8は、図6に相当する液体濃度センサ80の模式断面図(すなわち、図5のA−A線断面図に相当)断面であり、図9は、図7に相当する液体濃度センサ80の側面図(すなわち、図5のB−B線矢視図に相当)である。
図8及び図9に示すように、液体濃度センサ80は、希釈燃料供給通路56の管路の内壁形状に合致するように湾曲された夫々の電極81a及び81bを備えている。また夫々の電極81a及び81bは湾曲されているものの、互いに一定の距離寸法が保たれた状態で配置されている。これにより、液体濃度センサ80におけるコンデンサ機能が担保されている。なお、図示上方の電極81aにおける湾曲された形状と、希釈燃料供給通路56の管路内壁の形状とが合致しているため、両者の間に例えば接着材料等を供給することにより、液体濃度センサ80が希釈燃料供給通路56に固定されている。
このような構造の液体濃度センサ80によれば、上記液体濃度センサ70による効果に加えて、さらに、当該湾曲形状により、希釈燃料供給通路56の管路の内壁近傍に液体濃度センサ80を設置することができ、液体濃度センサ80の設置による液体燃料の流れに伴う圧力損失を低減することができるという効果がある。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態にかかる燃料電池システム101を備える電子機器110の模式的な構成を示す模式構成図を図10に示す。なお、この電子機器110は、燃料電池システム101において発電された電力により作動される電子機器であり、例えば、携帯通信機器やノート型パーソナルコンピュータ等がある。
図10に示すように、電子機器110は、燃料電池システム101、制御部62(制御装置の一例である)、電源入力部91とを備えている。なお、図10に示す電子機器110の模式構成図においては、本発明に関与しない機能、例えば電子機器用のマイコンや表示部、電源入力部13からの出力先等は、本発明の理解を容易なものとするため、図から省略している。
また、燃料電池システム101は、上記第3実施形態における燃料電池システム100から制御部61を除いた構成と同様な構成であり、アノード極31及びカソード極32からの外部出力は、電子機器101の電源入力部91に接続されている。また、燃料電池システム101は電子機器110に内蔵もしくは直接接続され、機器として一体化された構造を有している。
制御部62は、電子機器110内に配し、他の制御機器、例えば電子機器用のマイコンと兼用されてもよい。
このような構成を有する電子機器110及び燃料電池システム101の動作について以下に述べる。
燃料電池システム101は上記第3実施形態における燃料電池システム100と同様に発電を行い、電子機器110の電源入力部91へ当該発電された電力を供給する。電子機器110は、電源入力部91へ電力の供給を受けることで稼動できる。制御部62は、上記第3実施形態における制御部61と同様に制御を行い、液体燃料(例えばメタノール水溶液)の濃度の測定結果から、液体燃料の濃度調整を行う。
また、制御部62は、液体濃度センサ60からの静電容量の測定値が一定値以下の場合、ポンプ40、41の制御等を停止することができる。これは、例えば、長期間燃料電池システム101を稼動しないことで、燃料混合タンク34が空になり、再稼動のために燃料を補給しても、その瞬間には液体濃度センサ60内には気泡が存在するため実際の液体濃度よりも静電容量を低く見積もってしまう。このとき、ポンプ40、41の制御等を停止し、混合タンク34内に過剰に液体燃料を供給することにより、混合タンク34内の燃料濃度が必要以上に増加することを防止できる。また、制御部62は、例えば振動モータなどの振動手段を液体濃度センサ60の近傍に設置することで、静電容量の測定値が一定値以下の場合、振動手段を制御部62により振動させることで、液体濃度センサ60内の気泡をすばやく除去することもできる。
上記第4実施形態によれば、燃料電池システム101を電子機器110が備えることで、電子機器110に対して安定した電力を供給することができ、連続稼動を安定して行なうことが可能となる。また、制御部62を電子機器110側に有することで、燃料電池システムの構成を簡単なものとすることができ、燃料電池システムの製作コストを低下することができる。
また、制御部62が静電容量の測定値が一定値以下の場合、ポンプ40、41の制御等による濃度制御を停止することで、長期間の使用停止後の再起動の際等において、液体燃料が過剰な濃度になることを防止できる。なお、このような過剰濃度となることを抑制する制御方法は、上記第3実施形態の燃料電池システム100にも適用可能である。
なお、上記夫々の実施形態においては、多孔質性材料(物質)として様々な材料を用いることができることを説明したが、さらに、多孔質性材料として、メンブレンフィルタや中空糸膜等を用いることもできる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの効果を奏するようにすることができる。
本発明に係る液体濃度センサは、コンデンサ機能を用いて液体の誘電率を測定することにより当該液体の濃度を測定する際に、当該液体中への気体の混入による測定誤差を防止することが可能であり、気体(気泡)を含む液体を測定対象とする濃度センサ等として有用であり、特に液体燃料で直接動作する燃料電池の液体燃料の濃度センサ等として有用である。
また、本発明に係る燃料電池システムは、安定した出力を継続的に得ることが可能であり、携帯用電子機器やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯機器用の燃料電池システム等として有用である。
本発明の第1実施形態にかかる液体濃度センサの構造を示す模式断面図である。 図1の液体濃度センサの模式斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる液体濃度センサの構造を示す模式断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる液体濃度センサを備える燃料電池システムの模式構成図である。 上記第3実施形態の変形例にかかる液体濃度センサの取り付け状態を示す模式図である。 図5の液体濃度センサのA−A線断面図である。 図5の液体濃度センサのB−B線矢視図である。 上記第3実施形態のさらに別の変形例にかかる液体濃度センサの断面図であり、図6のA−A線断面図に相当する図である。 図8の液体濃度センサの矢視図であり、図7のB−B線矢視図に相当する図である。 本発明の第4実施形態にかかる燃料電池システムを備える電子機器の模式構成図である。 多孔質性材料の空隙率と相対感度との関係を示すグラフ形式の図である。
符号の説明
1、1a、1b 電極
2 多孔質部材
3 固定部
4 導線
5 接続端子
10、20、70、80 液体濃度センサ
11、11a、11b 電極
12 多孔質部材
13 固定部
14 導線
15 接続端子
16 非金属性物質
17 ケーシング
18 液体燃料
19 気泡
100、101 燃料電池システム
110 電子機器
50 燃料電池本体
31 アノード極
32 カソード極
33 電解質膜
34 燃料混合タンク
35 燃料タンク
36 水タンク
37 気液分離装置
38、39、40、41 ポンプ
51 燃料供給通路
52 水供給通路
53 空気供給通路
54 空気排出通路
55 液体排出通路
56 希釈燃料供給通路
57 希釈燃料回収通路
60 液体濃度センサ
61、62 制御部
90 外部出力
92 電源入力部

Claims (23)

  1. 液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池における液体燃料(18)の濃度を測定する燃料電池用の液体濃度センサ(10、20、60、70、80)であって、
    少なくとも2つの電極部(1、11、81)と、
    上記少なくとも2つの電極部の間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材(2、12)とを備えることを特徴とする燃料電池用液体濃度センサ。
  2. 液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池における液体燃料(18)の濃度を測定する燃料電池用の液体濃度センサ(10、20、60、70、80)であって、
    夫々に電圧を付加可能に、互いに対向して配置された2つの電極部(1、11、81)と、
    上記夫々の電極部に挟まれて配置され、上記液体燃料に含まれる気泡(19)又は固体粒子の混入を抑制しながら上記液体燃料を導入可能であり、かつ、多孔質性物質にて形成された多孔質性部材(2、12)とを備え、
    上記多孔質性部材内に上記液体燃料を導入した状態で、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記液体燃料の誘電率を測定することでもって、上記液体燃料の濃度を測定することを特徴とする燃料電池用液体濃度センサ。
  3. 上記多孔質性物質は絶縁性を有する請求項1又は2に記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  4. 上記液体燃料は、液体燃料原液を水で希釈した水溶液であって、上記多孔質性部材は、親水性を有する請求項1から3のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  5. 上記多孔質性物質は、親水性処理された多孔質性高分子材料である請求項4に記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  6. 上記多孔質性物質は、親水性処理されたポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンの少なくとも1つを含む請求項4又は5に記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  7. 上記夫々の電極部は、上記液体燃料との接触部が非金属性物質(16)で被覆されている請求項1から6のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  8. 上記非金属性物質は高分子材料である請求項7に記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  9. 上記夫々の電極部間の端部に配置され、上記液体燃料を上記多孔質性部材内に導入可能な開口部(T、T1)を備える請求項1から8のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  10. 上記夫々の電極部間の端部に、上記開口部から離間して配置され、上記導入された液体燃料を当該多孔質性部材外へ排出可能な開口部(T、T2)をさらに備える請求項9に記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  11. 上記夫々の電極部のうちの少なくとも1つの上記電極部が、上記液体燃料を上記多孔質性部材内に導入可能な開口部を備える請求項1から8のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  12. 上記多孔質性部材は、25℃における比誘電率が15以下である請求項1から11のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  13. 上記多孔質性部材は多数の連通孔を有し、上記夫々の連通孔は、上記多孔質性部材に隣接して配置された上記液体燃料を、上記夫々の連通孔内に導入可能であって、かつ、上記液体燃料に含まれる上記気泡又は上記固体粒子の上記夫々の連通孔内への導入を抑制可能に形成されている請求項1から12のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  14. 上記多孔質性部材は、40%〜98%の範囲の空隙率を有する請求項1から13のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  15. 上記多孔質性部材は、上記夫々の電極部の間の空間(S)全体を略埋めるように充填されて配置されている請求項1から14のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  16. 上記液体燃料はメタノール水溶液又はジメチルエーテル水溶液であって、上記気泡は、上記燃料電池における発電の際に生成される二酸化炭素の気泡を含む請求項1から15のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサ。
  17. 液体燃料を用いて直接発電を行なう燃料電池を用いた燃料電池システム(100、101)であって、
    供給される上記液体燃料を用いて発電を行なう燃料電池本体部(50)と、
    上記燃料電池本体部への上記液体燃料の供給を行なう液体燃料供給部(51)と、
    上記液体燃料の濃度を測定可能に上記液体燃料中に配置された請求項1から16のいずれか1つに記載の燃料電池用液体濃度センサとを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  18. 請求項17に記載の燃料電池システムと、
    上記液体燃料の濃度調整手段(40、41)と、
    上記燃料電池システムにおける上記燃料電池用液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果に基づいて、上記濃度調整手段を制御して、上記液体燃料の濃度を調整可能な制御装置(61、62)とを備えることを特徴とする電子機器。
  19. 上記制御装置は、上記液体濃度センサによる上記液体燃料の濃度の測定結果が一定値以下の場合、上記濃度調整手段による上記液体燃料の濃度調整動作を停止させる請求項18に記載の電子機器。
  20. 少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体(18)より、少なくとも1種類の液体の濃度を測定する液体濃度センサ(10、20、60、70、80)であって、
    少なくとも2つの電極部(1、11、81)と、
    上記少なくとも2つの電極部の間に多孔質性物質にて形成された多孔質性部材(2、12)とを備えることを特徴とする液体濃度センサ。
  21. 少なくとも2種類以上の液体からなる混合液体(18)より、少なくとも1種類の上記液体の濃度を測定する液体濃度センサ(10、20、60、70、80)であって、
    夫々に電圧を付加可能に、互いに対向して配置された2つの電極部(1、11、81)と、
    上記夫々の電極部に挟まれて配置され、上記混合液体に含まれる気泡(19)又は固体粒子の混入を抑制しながら上記混合液体を導入可能であり、かつ、多孔質性物質にて形成された多孔質性部材(2、12)とを備え、
    上記多孔質性部材内に上記混合液体を導入した状態で、上記夫々の電極部に電圧を付加して上記混合液体の誘電率を測定することでもって、上記液体の濃度を測定することを特徴とする液体濃度センサ。
  22. 上記多孔質性部材は、上記混合液体と親和性を有する請求項20又は21に記載の液体濃度センサ。
  23. 上記多孔質性物質は絶縁性を有する請求項20から22のいずれか1つに記載の液体濃度センサ。
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