JP2005098300A - ターボ機械のタービンホイール及びそのようなホイールの組立方法 - Google Patents

ターボ機械のタービンホイール及びそのようなホイールの組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各セグメントに設けられるブレードの最大数に関して殆ど制限を課さず、全体的な封止性も著しく向上させることができる、ターボ機械のタービンホイールを提供する。
【解決手段】タービンホイール1のディスク4が、軸2を中心に環状方向に延びる上流側リブ14aおよび下流側リブ14bを備え、ディスクに取り付けられた各セグメント6は、根元部8の一部を形成し且つ上流側リブの径方向外側端部を形成する相補的上流側係合手段18aと協働することができる上流側係合手段16aと、根元部の一部を形成し且つ下流側リブの径方向外側端部を形成する相補的下流側係合手段18bと協働することができる下流側係合手段16bとを使用して、ディスクにより外側径方向に保持される。上流側リブおよび下流側リブは、離間された係合位置から近接位置へ或いはその逆方向へ移動できるように形成され、各ブレード部分をタービンディスク上に組み立てることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、一般に、タービンディスクとこのタービンディスクに取り付けられた複数のセグメントとを備えるタイプのターボ機械のタービンホイール(羽根車)に関する。
また、本発明は、そのようなタービンホイールのための組立方法に関する。
従来、従来技術で知られているように、ターボ機械のタービンホイールは、タービンディスクと、タービンディスクに取り付けられた複数のブレードとを備えており、各ブレードは、径方向内側部分から延在し且つ「リブ付き嵌合部(リブ・フィティング)」として知られる保持形状を成す根元部を備えている。
ブレードをタービンディスクに組み付けるため、タービンディスクには、通常、略軸方向に延びる一連の溝が設けられている。この溝は、径方向外側に開口するとともに、前述した「リブ付き嵌合部」の形状を補完する相補的な形状を成している。また、この場合、ブレードは、このタービンディスクによって所定の位置に保持されるように交互に挿入されても良い。
この解決策は、既存のターボ機械のタービンにおいては非常に一般的であるが、多くの重大な欠点を有している。
まず第1に、ブレードの根元部およびタービンディスクの相補的形状(すなわち歯)は、タービンホイールの回転中に生じる大きな径方向の力にもかかわらず、これらの部材が互いに対して所定位置に強固に保持されるようにするため、必然的に、比較的大型である。無論、これらの大きな体積により、重量が制約され、材料のコストが制約される。また、ブレードの「リブ付き」形状およびディスクによる製造の複雑化により、製造コストが無視できない程大きくなる。
また、従来におけるこの種の解決策を用いると、所定の根元部が多数のブレードを支持できないことは明らかであり、ブレードの数は、通常、2枚以下である。このことは、特に、より多くのブレードが同じ根元部に存在していると、根元部およびこれらのブレードをディスクに挿入するために必要な切り欠きが長く及び/又は厚くなってしまうという事実に起因している。この場合、製造コストの低減という相対的な利益を考慮すると、「ブレード−ディスク」アセンブリの重量が許容できないほど大きくなることは明らかである。
この場合、かなりの数のブレードをセグメントに取り付けることができず、したがって、周方向に長いセグメントを形成することができないという従来技術において起こり得ることが主な欠点である。セグメントの周長が短いため、タービンディスクの周囲に取り付けられるセグメントの数が増え、直接に隣り合う2つのセグメント間で封止(シール)される空間の数が増える。
また、この種の実施形態では、第1にタービンディスクとセグメントとの間で、また、第2にセグメント同士の間で、十分な封止を得ることができない。通常、フランジシステムによってタービンディスクに接続される上流側ラビリンスを加える必要がある。したがって、上流側ラビリンスは、取り付けられたタービンブレードのための軸方向ストッパとして機能することができ、また、ディスクとブレードとの間のクリアランスを通じてタービンホイールを通過できるタービン流から生じる高温ガスの望ましくないクロスオーバー(交差)からブレード冷却回路を保護することができる。従来技術にしたがって上流側ラビリンスを付加すると、ブレードに冷却空気を供給するための上流側での中間チャンバの形成に関与するため、タービンディスクとセグメントとの間での冷却空気の流通が大幅に減る。
しかしながら、必要とされる上流側ラビリンスは、重量がある大きな部品であり、製作するのが極めて複雑であるため、特に余計なコストがかかるという点では、その存在が非常に重大な欠点である。
西独国特許出願公開第1247335号明細書 米国特許第2857132号明細書 米国特許第2401826号明細書
したがって、本発明の目的は、タービンディスクとこのタービンディスクに取り付けられた複数のセグメントとを有するターボ機械のタービンホイールであって、従来技術に係る実施形態に関連する前述した欠点の少なくとも部分的に解消するタービンホイールを提供することである。
本発明の他の目的は、そのようなタービンホイールの組立方法を提供することである。
これを実現するため、本発明の第1の対象は、タービンディスクと、このタービンディスクに取り付けられる複数のセグメントとを備え、各セグメントが、根元部と、この根元部に固定された少なくとも1つのブレードとを備えているターボ機械のタービンホイールである。タービンディスクは上流側リブおよび下流側リブを備え、これらのリブはそれぞれ、ホイールの長手方向主軸を中心にほぼ環状方向に延びるとともに、ディスクの径方向端部に至るまで径方向に延び、タービンディスクに取り付けられた各セグメントは、根元部の一部を形成し且つ上流側リブの径方向外側端部を形成する相補的上流側係合手段と協働することができる上流側係合手段と、根元部の一部を形成し且つ下流側リブの径方向外側端部を形成する相補的下流側係合手段と協働することができる下流側係合手段とを使用して、タービンディスクにより外側径方向に保持される。また、タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブは、それらが離間された係合位置(エンゲージ・ポジション)から近接位置(クローズ・ポジション)へと或いはその逆方向へと移動できるように形成され、それにより、各セグメントをタービンディスクに組み立てる(組み込む)ことができるようになっている。本発明によれば、上流側リブまたは下流側リブのうちの少なくともいずれかは、リブに圧力を加え且つ加えた圧力を解放することによりそれぞれこれらのリブが離間位置から近接位置へ及び近接位置から離間位置へと移動できるように弾性的に形成されている。
本発明に係るタービンホイールの特定の構造は、特に、上流側および下流側リブを互いの方向へ移動させてこれらの部分を所定の位置に配置できるようにすることのみによって、タービンディスクに組み立てられることが有利である。効果的には、上流側および下流側リブがその近接位置に位置する際に、上流側リブおよび下流側リブが離間された係合位置にあるときに相補的上流側係合手段および相補的下流側係合手段が占める位置から、相補的上流側係合手段および相補的下流側係合手段が十分に離れるように、タービンディスクが有利に形成され、それにより、各セグメントおよびタービンディスクを互いに挿入して、セグメントを取り付けることができる。
すなわち、近接位置において、相補的上流側および下流側係合手段は、十分に近接しており、そのため、ホイールの内側に向けたセグメントの径方向移動によりセグメントがタービンディスク内に挿入される際、根元部にある上流側および下流側係合手段のためのストッパを形成しない。その結果、各セグメントは、セグメントの上流側係合手段よりも更に下流側にある相補的上流側係合手段およびセグメントの下流側係合手段よりも更に上流側にある相補的下流側係合手段によって、それぞれ妨げられることなく、タービンディスクに対して径方向に自由に移動することができる。
また、全てのセグメントがタービンディスクの所定の位置に位置決めされると、上流側および下流側リブは、再び、その離間された係合位置へと移動できる。この係合位置において、相補的上流側および下流側係合手段は、その主な機能を果たすことができる。すなわち、相補的上流側および下流側係合手段は、上流側および下流側係合手段と協働して各セグメントをタービンディスクから径方向外側に保持することができる。
なお、この場合、本発明に係るタービンホイールは、上流側および下流側リブが近接された後、その離間された係合位置へ移動されると直ぐに、タービンディスクに対するセグメントの組み立てを完了できるようになっており、あるいは、組み立てがその後に後述する別個の作業を伴うようになっている。
上流側および下流側リブがその離間された係合位置へと移動される際にセグメントの組み立てが終了する第1のケースにおいて、様々な係合手段は、上流側および下流側リブをその離間された係合位置へ単に移動させるだけでこれらの係合手段同士が自動的に係合するような構成を成していても良い。すなわち、上流側および下流側リブがその離間された係合位置を占めると、セグメントの上流側および下流側係合手段がタービンディスクの相補的上流側および下流側係合手段とそれぞれ協働し、それにより、セグメントがディスクに対して外側径方向に自動的にブロックされる。なお、この構成は、特に、タービンディスクに対してセグメントを径方向外側にブロックするだけでなく、これらのセグメントを径方向内側にもブロックする係合手段を設けることによって得られても良い。これにより、これらのセグメントのうちの幾つかの上流側および下流側係合手段が、重力によって相補的上流側および下流側係合手段から外れてしまうことを防止できる。したがって、これらの状態下で、組み立てが完了すると、セグメントは、タービンディスクに対して径方向に自由に移動できない。
また、逆に、セグメントが取り付けられた状態(上流側および下流側リブをその離間された係合位置へ移動させるだけで得られる)で、セグメントを限られた範囲内でタービンディスクに対して径方向に移動させることができ且つセグメントを様々な係合手段によって外側径方向に保持できるような構成を成すこともできる。このようにすると、特にホイールが回転していないときに、幾つかのセグメントの上流側および下流側係合手段は、重力に起因して、タービンディスクの相補的上流側および下流側係合手段と協働せず、これにより、これらの対応するセグメントは、タービンディスクと接触した状態で径方向内側に停止し、したがって、それらがタービンディスクによって外側径方向に保持される位置とは反対の位置に配置される。すなわち、この構成においては、ホイールが回転しているときだけ、形成される遠心力により、全てのセグメントの上流側および下流側係合手段とタービンディスクの相補的上流側および下流側係合手段とが係合し、その後、協働する。これらの動的条件下で、タービンディスクのこれらの相補的上流側および下流側係合手段は、セグメントの上流側および下流側係合手段のための径方向外側のストッパとして機能する。
第2のケースにおいては、上流側および下流側リブをその離間された係合位置へ移動させるだけでなく、後述するように全てのセグメントの上流側および下流側係合手段とタービンディスクの相補的上流側および下流側係合手段との間の恒久的な協働を得る目的で補助的な動作を行なうことにより、セグメントが組み立てられる。
このように、本発明に係るタービンホイールにおいて採用される構成とは関係無く、タービンホイールは、各セグメントに設けられるブレードの最大数に関して殆ど制限を課さない。そのため、これらのセグメントの数がかなり減少し、したがって、直接に隣り合う2つのセグメント同士の間で封止される空間の数も、従来技術に係る実施形態で使用される空間の数に比べて減少する。その結果、当然、タービンホイールの全体的な封止性も著しく向上する。
また、各セグメントに複数のブレードを設けることによってセグメントの数を減らすことができることにより、製造コストおよび組み立てコストを著しく低減することができる。
最後に、上流側係合手段と相補的上流側係合手段との間の協働を最初に果たし、次に、下流側係合手段と相補的下流側係合手段との間の協働を行なうことにより、タービンディスクとセグメントとの間で完全に満足できる上流側および下流側封止を得ることができ、それにより、冷却空気をブレードに供給するための上流側ラビリンスを形成する必要がもはや無くなる。
無論、上流側ラビリンスをもはや必要としないことにより、タービンホイールの製造コストも著しく低減できる。
タービンディスクの上流側および下流側リブはそれぞれ、弾性を有していることが好ましい。このようにすると、これらのリブの離間された係合位置が静止位置(レストポジション)に対応するようにタービンホイールを形成することにより、これらのリブに力を加えてこれらのリブを変形させるだけで、これらのリブを離間された係合位置から近接位置へと簡単に移動させることができる。また、前述したように、離間された係合位置への復帰は、加えた力を解放することにより、これらのリブの弾性によって自動的に行なわれる。
無論、本発明の概念から逸脱しない範囲で、2つの上流側および下流側リブのうちの一方だけに力を加えてリブを変形させ、その後、近接位置に達するために必要な力を加えるようにすることもできる。
相補的上流側および下流側係合手段は、ホイールの長手方向主軸を中心に環状を成して延びており、セグメントの各根元部の上流側および下流側係合手段は、セグメントの根元部全体にわたって周方向に延びる同じ軸を有する環状部をそれぞれが形成するように構成されていることが好ましい。これにより、様々な係合手段同士の協働長さが周方向で長くなるため、タービンホイールの回転中に形成される径方向の力に容易に抵抗し得るセグメントのための有効な機械的支持を得ることができる。また、このような構成により、第1にセグメント同士の間の封止を、また、第2にセグメントとタービンディスクとの間の封止を十分に確保することができる。
相補的上流側および下流側係合手段および各セグメントの根元部の上流側および下流側係合手段はそれぞれ、セグメントを外側径方向でブロックするのに非常に適したフック状の縦断面を有していることが好ましい。
また、相補的上流側係合手段が、上流側方向に突出し且つ径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口を形成するフック状の縦断面を有し、上流側係合手段が、下流側方向に突出し且つ径方向外側にほぼ方向付けられた係合開口を形成するフック状の縦断面を有し、相補的下流側係合手段が、下流側方向に突出し且つ径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口を形成するフック状の縦断面を有し、下流側係合手段が、上流側方向に突出し且つ径方向外側にほぼ方向付けられた係合開口を形成するフック状の縦断面を有するような構成を成すこともできる。
これらの条件下で、セグメントが所定の位置に位置決めされ且つ上流側および下流側リブが再びその離間された係合位置へと移動されると、この好ましい解決策により、各セグメントとタービンディスクとを相対的に径方向に移動させるだけで、様々な係合手段が互いに係合してその後に協働することができる。無論、各セグメントにおける径方向の相対移動は、ディスクを固定したまま、このセグメントを径方向外側に移動させることによって行なわれることが好ましい。
また、各セグメントは、それらがタービンディスクと協働するときにタービンディスクに取り付けられたセグメントの上流側および下流側係合手段とこのタービンディスクの対応する相補的上流側および下流側係合手段との間の恒久的な協働を維持するための保持手段を備えていることが好ましい。このようにすれば、様々な係合手段同士の恒久的な協働により、タービンディスクに対してセグメントを固定状態に保持する手段を有利に与えることができ、したがって、これらの各セグメントをタービンディスクに対して径方向および周方向に正確に位置決めすることができる。
これを実現するため、保持手段が、根元部の一部を形成する少なくとも1つの可撓性ストリップを備え、セグメントの自由端が、タービンディスクに当接するように形成され、上流側および下流側リブがその離間された係合位置へと移動された後にだけこれらの各可撓性ストリップがディスクと接触し、対応するセグメントが径方向外側に力を受けてディスクの相補的係合手段に支承されるようにすることができる。
タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブは、それらの間に、ホイールの長手方向主軸を中心に配置された環状空間を形成し、この環状空間は、セグメントの根元部に設けられた冷却通路に連通していることが好ましい。また、タービンディスクの上流側リブは、上流側リブを貫通し且つ環状空間の内側に開口する少なくとも1つの注入穴(インジェクション・ホール)を有し、各注入穴は、ターボ機械の冷却空気注入器(インジェクタ)と協働するように形成されている。
また、タービンディスクは、単一部品であることが好ましい。
本発明の他の対象は、本発明の主題でもある、前述したようなタービンホイールの組立方法である。この方法は、
・タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブを近接位置へと移動させる工程と、
・タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブが再びその離間された係合位置へ移動される際に、各セグメントの根元部の上流側および下流側係合手段がタービンディスクの相補的上流側および下流側係合手段と係合できるように、各セグメントをタービンディスクに対して位置決めする工程と、
・タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブをその離間された係合位置へと移動させる工程、
とから成る連続する工程を含む。
タービンディスクの上流側リブおよび下流側リブを近接位置へと移動させ、且つタービンディスクの上流側リブおよび下流側リブをその離間された係合位置へと移動させることから成る工程は、適当な工具を使用して上流側リブおよび下流側リブに圧力を加え、且つ加えた圧力を解放することによりそれぞれ行なわれる。
無論、前述したように、各セグメントをタービンディスクに対して位置決めすることから成る工程においては、上流側および下流側リブがその離間された係合位置へと移動される工程の最中、または、ホイールの回転後、あるいは、後に正確に述べるような事後動作を実行した後、様々な係合手段で直接係合できなければならないことは言うまでもない。
本発明の他の利点および特徴は、以下に与えられた非制限的な詳細な説明を読むことによって明らかになる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明について説明する。
図1および図2の両方を参照して、この発明の第1の好ましい実施形態に係るタービンマシンのタービンホイール1について説明する。
タービンホイール1は、長手方向主軸2を有するとともに、好ましくは単一部品のタービンディスク4と、ディスク4に取り付けられた幾つかのセグメント6とを備えており、これらのセグメント6のうちの1つだけが図2に示されている。
各セグメント6は、1つのブレード10、好ましくは幾つかのブレード10によって径方向外側に延在する根元部8を備えている。例えば、各セグメント6には、根元部8の径方向外側部分11に固定された3つのブレード10が設けられており、例えば、厚さが変えられる金属板から成るこの部分11は、長手方向主軸2と同じ軸を持つ円筒体の円弧部分(アンギュラセクタ)の形状をほぼ成していても良い。また、タービンホイールは、3つのブレード10を持つセグメント6を約20個有するように形成されても良い。これらのセグメント6は、長手方向主軸2を中心に均等に分布されてタービンディスク4に装着される。更に、互いに隣り合う2つのセグメント6同士の間の各空間(図示せず)は、当業者に知られた手段を用いて従来と同様に封止される。
タービンディスク4は、好ましくは中実体から成る内側本体12、あるいは、従来と同様に必要に応じて中心穴を穿孔して例えば低圧タービンシャフトを挿通させることができるようにした本体を備えている。この内側本体12は、長手方向主軸2を中心としている。内側本体12は、第1に上流側リブ14aにより、第2に下流側リブ14bにより、径方向外側へ延びている。図1に明確に示されるように、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bはそれぞれ、ホイール1の長手方向主軸2を中心にほぼ環状を成して延びるとともに、ディスク4の径方向端部に至るまで径方向に延びている。
無論、本明細書全体にわたって、用語「上流」および「下流」は、タービンホイール1を通る主なガスの流れ方向に関して規定されている。この方向は、図1に矢印Dpで概略的に示されている。
上流側リブ14aおよび下流側リブ14bが共に弾性を有し、それにより、これらのリブを、図1および図2に示されるような離間された係合位置から近接する位置まで、あるいは、その逆へ、容易に移動できるようにすることが好ましい。この固有の特徴により、後述するように、セグメント6を単一部品のディスク4に取り付けることができる。
図1および図2に示される取付状態において、セグメント6は、矢印Reで概略的に示される外側径方向に保持されるだけでなく、矢印Riで概略的に示される内側径方向にも保持される。このように、本発明のこの第1の好ましい実施形態の固有の性質は、本明細書の残りの部分から明らかとなるように、セグメント6がタービンディスク4に対して径方向に自由に移動できないという点である。
タービンディスク4によりセグメント6を外側径方向Reに保持するため、各セグメント6は、上流側係合手段16aと下流側係合手段16bとを備えており、これらの係合手段は、根元部8の部分11から径方向内側に延びるとともに、この部分11に対して強固に固定されている。これらの上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bは、上流側リブ14aの径方向外側端部を形成する相補的上流側係合手段18aおよび下流側リブ14bの径方向外側端部を形成する相補的下流側係合手段18bと協働する。無論、用語「協働」は、様々な係合手段16a、16b、18a、18bが実際に各セグメント6をディスク4に対して外側径方向Reに保持することを意味している。その結果、様々な係合手段16a、16b、18a、18bが互いに協働する取付状態において、セグメント6は、径方向外側の限界ストッパにおいて、タービンディスク4と接触し、それにより、これらのセグメント6は、この同じディスク4に対して外側径方向Reに移動することができない。
図3は、互いに協働している際の様々な係合手段16a、16b、18a、18bを詳細に示している。
本発明のこの第1の好ましい実施形態において、相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18b、各セグメント6の根元部8の上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bは、縦断面がフック状を成している。
更に正確には、相補的上流側係合手段18aは、上流側方向に突出するフック状の縦断面を有している。すなわち、相補的上流側係合手段18aは、上流側リブ14aの残りの部分から上流側方向に突出している。また、これらの手段18aは、図3に明確に示されるようにホイール1の方向へと径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口20aを形成している。
更に、縦断面において、フックの自由端22aは、ホイール1の方向へと径方向内側に向いていることが好ましい。
また、ホイール1の各セグメント6における上流側係合手段16aも、縦断面がフック形状を成している。このフックは、下流側方向に向けて突出している。更に、これらの手段16aは、ホイール1から外側径方向にほぼ配置される係合開口24aを形成している。更に、縦断面において、フックの自由端26aは、ホイール1から径方向外側に向いていることが好ましい。
このように、相補的上流側係合手段18aが各セグメント6の上流側係合手段16aと協働する状態に対応する取付状態において、自由端22aは、係合開口24aを通じて、上流側係合手段16aのフック底部28aと接触する。同様に、自由端26aは、係合開口20aを通じて、相補的上流側係合手段18aのフック底部30aと接触する。実際の製造にあたっては、本発明の範囲を逸脱することなく、2つの接触部28a、30aのうちの一方を選ぶようにしても良い。
したがって、相補的上流側係合手段18aは、ホイール1の長手方向主軸2を中心に環状を成して延びていることが好ましく、また、各セグメント6の上流側係合手段16aは、周長Lにわたって根元部8全体を周方向に延びる同じ軸を持つ環状部を形成するように構成されており、その結果、特に良好な上流側封止を得ることができる。なお、ホイール1の回転中に形成される遠心力により、第1に、自由端26aとフック底部30aとの間に、及び/又は、第2に、自由端22aとフック底部28aとの間に、高圧が生じる。両方の場合において、実際の支持は、長手方向主軸2と同じ軸を有する円周であり、したがって、直面する必要性を満たす上流側封止を完全に得るのに大きく寄与し得る。
同様に、相補的下流側係合手段18bは、下流側方向に突出するフック状の縦断面を有している。すなわち、相補的下流側係合手段18bは、下流側リブ14bの残りの部分から下流側方向に突出している。また、これらの手段18bは、図3に明確に示されるようにホイール1の方向へと径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口20bを形成している。
更に、縦断面において、フックの自由端22bは、ホイール1の方向へと径方向内側に沿っていることが好ましい。
また、ホイール1の各セグメント6において、下流側係合手段16bも、縦断面がフック形状を成している。このフックは、上流側方向に向けて突出している。更に、これらの手段16bは、ホイール1からほぼ外側径方向に係合開口24bを形成している。更に、縦断面において、フックの自由端26bは、ホイール1から径方向外側に向いていることが好ましい。
このように、相補的下流側係合手段18bが各セグメント6の下流側係合手段16bと協働する状態に対応する取付状態において、自由端22bは、係合開口24bを通じて、下流側係合手段16bのフック底部28bと接触する。同様に、自由端26bは、係合開口20bを通じて、相補的下流側係合手段18bのフック底部30bと接触する。この場合も、実際の製造にあたっては、本発明の範囲を逸脱することなく、2つの接触部28a、30aのうちの一方を選ぶようにしても良い。
したがって、相補的下流側係合手段18bも、ホイール1の長手方向主軸2を中心に環状を成して延びていることが好ましく、また、各セグメント6の下流側係合手段16bは、上流側係合手段16aの長さと同じ周長にわたって根元部8に沿って周方向に延びる同じ軸を持つ環状部を形成するように構成されており、その結果、特に良好な下流側封止を得ることができる。この場合も、ホイール1の回転中に形成される遠心力により、第1に、自由端26bとフック底部30bとの間に、また、第2に、自由端22bとフック底部28bとの間に、高圧が生じる。
また、タービンホイール1の各セグメント6には、これらのセグメント6を内側径方向Riに保持して、様々な係合手段16a、16b、18a、18b同士の恒久的な協働を可能にし、したがって自由端22a、22b、26a、26bとフック底部28a、28b、30a、30bとの間のそれぞれの恒久的な接触を可能にする保持手段32a、32bが設けられている。
ここで再び図1および図2を参照すると、実際に、各セグメント6のための保持手段32aは、ホイール1の方向へと径方向内側に延びる上流側可撓性ストリップの形態を成している。上流側可撓性ストリップ32aの一端がセグメント6の上流側係合手段16aに固定され、また、他端34aが自由端となっており、この自由端に切り欠き36aが設けられていることが好ましい。したがって、図1および図2に示される取付状態においては、上流側リブ14aに固定され且つ上流側リブから上流側方向に突出するピン38aが、ホイール1の方向へと径方向内側に開口する切り欠き36aの底部の所まで挿入される。そのため、ピン38aは、関連するセグメント6のための径方向内側ストッパとしての機能を果たす。
同様に、各セグメント6のための保持手段32bは、下流側可撓性ストリップの形態を成しており、このストリップは、ホイール1の方向へと径方向内側に延びている。下流側可撓性ストリップ32bは、セグメント6の下流側係合手段16bに固定される一端と、切り欠き(図示せず)を有する自由端34bとを有していることが好ましい。したがって、取付状態においては、下流側リブ14bに固定され且つ下流側リブから下流側方向に突出するピン38bが、ホイール1の方向へと径方向内側に開口する上記切り欠きの底部内に挿入される。そのため、このピン38bも、関連するセグメント6のための径方向内側ストッパとしての機能を果たす。
図からはっきりと分かるように、好ましくは、フック底部28a、28bを形成する上流側および下流側係合手段16a、16bの一部で、上流側可撓性ストリップ32aが上流側係合手段16aに接続されていても良く、また、下流側可撓性ストリップ32bが下流側係合手段16bに接続されていても良い。すなわち、可撓性ストリップ32a、32bと係合手段16a、16bとの間の接合部は、タービンホイール1の径方向内側に最も近いこれらの手段16a、16bの部分に形成される。
このように、可撓性ストリップ32a、32bが所定の位置に配置されると、様々な係合手段16a、16b、18a、18b間で成される接触および自由端34a、34bとピン38a、38bとの間の接触により、各セグメント6をタービンディスク4に対して径方向および周方向に位置決めすることができる。
この第1の好ましい実施形態において、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bは、それらがその離間された係合位置にあるときに、長手方向主軸2を中心に配置される環状空間40を形成する。したがって、径方向外側に開口するこの環状空間40は、セグメント6の根元部8、更に正確には、この根元部の径方向外側部分11に設けられた冷却通路42に連通する。
また、上流側リブ14aには、少なくとも1つの注入穴44が設けられている。この注入穴44は、上流側リブ14aを貫通するとともに、環状空間40の内側に開口している。このようにすれば、各注入穴44がターボ機械の冷却空気注入システム(図示せず)と協働するため、上流側ラビリンスを必要とすることなく、ブレード10の冷却が容易になる。この場合、注入器から吐き出される冷却空気は、注入穴44と、環状空間40とを順に通過し、その後、ブレード10の内側に形成された冷却回路(図示せず)に連通する冷却通路42を通過することができる。
図6Aから図6Dは、前述した本発明の好ましい実施形態に係るタービンホイール1を組み立てるための方法における様々な工程を示している。
まず最初に図6Aを参照すると、この方法の第1の工程は、図示のように、上流側リブ14aと下流側リブ14bとを離間された係合位置から近接位置へと移動させることから成る。これは、参照符号46で概略的に示される適当な工具を用いて行なわれる。これにより、単一部品のディスク4の上流側リブ14aおよび下流側リブ14bに圧力が作用し、これらのリブが変形して互いに接近する方向に移動する。2つのリブ14a、14bには、長手方向主軸2を中心に、上流側リブ14aの上流側の面および下流側リブ14bの下流側の面に対して、環状の圧力が作用することが好ましい。
近接位置は、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bが離間された係合位置にあるときに相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18bが占める位置から、相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18bが十分に離れるときに得られ、これにより、各セグメントおよびタービンディスクを互いの内側に挿入して、セグメント6を取り付けることができる。
次の工程は、図6Bに示されるように、様々なセグメント6をタービンディスク4に対して所定の位置に位置決めすることから成る。このような位置決めは、各セグメント6をホイール1に向かって径方向内側に移動させ、相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18bを、上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bによって妨げられることなく、これらのセグメント6の内側に挿入することにより行なわれることが好ましい。したがって、この場合、各セグメント6毎に、上流側係合手段16aと下流側係合手段16bと関連するセグメント6の根元部8の径方向外側部分11とによって協働して画定された空間内に、相補的係合手段18a、18bを導入することができる。
また、この位置決め工程は、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bが再びその離間された係合位置へと移動された際に、各セグメント6の根元部8の上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bが、これらの様々な要素の相対的な径方向の移動中にタービンディスク4の対応する相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18bと係合できるように、セグメント6がディスク4に対して十分に径方向内側に位置された場合にのみ終了される。
具体例として、図6Bに示されるように相補的係合手段18a、18bが各セグメント6の根元部8の部分11と接触する状態になる場合にだけ、この位置決め工程を終了することができる。このようにすれば、相補的係合手段18a、18bがセグメント6のための径方向内側ストッパとして機能し、実際にセグメント6を正確に所定の位置に配置することができる。
その後、適当な工具46を使用して上流側リブ14aおよび下流側リブ14bに加えられた圧力を単に解放することにより、これらのリブをその離間された係合位置へと移動させる工程が行なわれる。
図6Cから分かるように、この離間された係合位置において、自由端22a、22b、26a、26bは、対応する係合開口24a、24b、20a、20bと所定距離離間して対向し、相補的係合手段18a、18bは、依然として根元部8の径方向外側部分11と接触されたままであることが好ましい。また、この図6Cは、可撓性ストリップ32a、32bがピン38a、38bの端部とそれぞれ接触していることを示しているが、これらのピンは、方法のこの工程で存在する径方向の差に起因して、未だ切り欠き36aと協働していない。
また、この組立方法の次の工程は、各セグメント6をディスク4から外側径方向Reへと移動させることにより、様々な係合手段16a、16b、18a、18b同士を係合させること、すなわち、自由端22a、22b、26a、26bを係合開口24a、24b、20a、20b内に挿入することから成っていても良い。
無論、図6Dから分かるように、この径方向の移動は、様々な係合手段16a、16b、18a、18b同士の協働によって、すなわち、自由端22a、22b、26a、26bがフック底部28a、28b、30a、30bとそれぞれ接触することによって、停止される。
最後に、この径方向移動動作中に各セグメント6が周方向に予め位置決めされ、それにより、可撓性ストリップ32a、32bの径方向が対応するピン38a、38bの径方向と一致している場合には、図6Dに示されるように、移動の終端において、これらのピン38a、38bは、可撓性ストリップ32a、32bの弾性により、自動的に切り欠きの底部内に嵌め込まれる。無論、これらのきり欠き36a(図6Dには図示せず)とピン38a、38bとの間の協働によって、セグメント6が周方向および径方向で位置決めされ、これらのセグメントがタービンディスク4に対してブロックされる。
なお、タービンディスク4に対するセグメント6の組み立ては、この時点で完了する。それにもかかわらず、ホイール1のための組立方法は、従来の事前工程または事後工程、例えば、根元部8および2つの隣り合うセグメント6同士の間に図2に示されるようなシールタブ39を挿入することにより、セグメント6内に形成された様々な空間を気密に保持する工程を含んでいても良い。無論、この工程は、ディスク4におけるこれらのセグメントの位置決め前に行なわれる。
図4および図5は、この発明の第2および第3の好ましい実施形態に係るターボ機械のためのタービンホイール100、200をそれぞれ部分的に示している。
これらの2つの好ましい実施形態同士の間の共通点は、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bがそれらの離間された係合位置へと移動されると直ぐに、タービンディスク4に対するセグメント6の組み立てが完了し、その結果、第1の好ましい実施形態で前述したようなセグメント6を径方向へ移動させるための工程が組み立てにおいて不要になるという点である。無論、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bがその離間された係合位置に戻されて位置決めされると、したがって、ディスク4におけるセグメント6の組み立てが完了すると直ぐに、従来の仕上げ工程、例えばセグメント6間に形成された様々な空間を封止することを意図した工程を行なうことができることは言うまでもない。
すなわち、図4に示される第2の好ましい実施形態に係るタービンホイール100は、前述した第1の好ましい実施形態に係るホイール1とかなり類似している。主な違いは、様々な係合手段16a、16b、18a、18b同士の間の恒久的な協働を得るための保持手段がホイール100のセグメント6に全く設けられていないという点であり、また、これらの手段は、タービンホイール1に関して前述したそれと非常に類似している。このように、取付状態においては、図4から明らかなように、ホイール1が回転しないと、幾つかのセグメントは、重力により、径方向内側のストッパにおいて相補的係合手段18a、18bと接触する。したがって、ホイール1が回転するときだけ、形成された遠心力により、全てのセグメント6の上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bとタービンディスク4の相補的上流側係合手段18aおよび相補的下流側係合手段18bとが係合してその後に協働するようになる。
無論、この解決策は、ディスク4に対してセグメント6を径方向および周方向に正確に位置決めすることができないという点では、第1の好ましい実施形態の解決策ほど有益ではない。
図5に示される第3の好ましい実施形態に係るタービンホイール300は、上流側リブ14aおよび下流側リブ14bをその離間された係合位置へ戻すと同時に様々な係合手段16a、16b、18a、18b同士が係合して協働するという意味では、タービンホイール1、100と異なる。また、これらの様々な係合手段16a、16b、18a、18bは、それらが互いに協働するときに、外側径方向Reおよび内側径方向Riでセグメント6をディスク4に対して保持するように形成されている。したがって、セグメント6は、タービンホイール1に関して前述したような保持手段を全く必要としない。
これを果たすため、図5に示されるように、上流側係合手段16aおよび下流側係合手段16bはそれぞれ、下流側および上流側に向けてそれぞれ開口する環状溝48a、48bを備えていても良い。また、相補的係合手段18a、18bにはそれぞれ、上流側方向および下流側方向にそれぞれ突出し且つ所定の位置に正確に保持されるように環状溝48a、48bの形状を補完する相補的形状を成す環状突起50a、50bが設けられていても良い。したがって、この構成によれば、係合手段16a、16b、18a、18bは、もはや、フック状の縦断面を有する必要はない。
無論、当業者であれば、タービンホイール1、100、200および単なる非制限的な例として前述した組立方法に対して様々な変形を成すことができる。
この発明の第1の好ましい実施形態に係るタービンホイールの取付状態における縦半断面図である。 図1に示されるタービンホイールの部分斜視図である。 図1の部分拡大図である。 この発明の第2の好ましい実施形態に係るタービンホイールの取付状態における部分縦半断面図である。 この発明の第3の好ましい実施形態に係るタービンホイールの取付状態における部分縦半断面図である。 この発明の好ましい実施形態に係る、図1および図2に示されたタービンホイールの組立方法の様々な工程の1つを示す図である。 この発明の好ましい実施形態に係る、図1および図2に示されたタービンホイールの組立方法の様々な工程の他の1つを示す図である。 この発明の好ましい実施形態に係る、図1および図2に示されたタービンホイールの組立方法の様々な工程の更に他の1つを示す図である。 この発明の好ましい実施形態に係る、図1および図2に示されたタービンホイールの組立方法の様々な工程の更に他の1つを示す図である。
符号の説明
1、100、200、300 タービンホイール
2 長手方向主軸
4 タービンディスク
6 セグメント
8 根元部
10 ブレード
11 径方向外側部分
12 内側本体
14a 上流側リブ
14b 下流側リブ
16a 上流側係合手段
16b 下流側係合手段
18a 相補的上流側係合手段
18b 相補的下流側係合手段
20a、20b、24a、24b 係合開口
22a、22b、26a、26b、34a、34b 自由端
28a、28b、30a、30b フック底部
32a、32b 可撓性ストリップ
36a 切り欠き
38a、38b ピン
39 シールタブ
40 環状空間
42 冷却通路
44 注入穴
46 工具
48a、48b 環状溝
50a、50b 環状突起

Claims (12)

  1. タービンディスク(4)と、該タービンディスク(4)に取り付けられた複数のセグメント(6)とを備えるターボ機械のタービンホイール(1、100、200)であって、各セグメント(6)が、根元部(8)と、該根元部(8)に固定された少なくとも1つのブレード(10)とを備え、タービンディスク(4)は、上流側リブ(14a)と下流側リブ(14b)とを備え、これらのリブがそれぞれ、ホイールの長手方向主軸(2)を中心にほぼ環状方向に延びるとともに、ディスク(4)の径方向端部まで径方向に延びており、タービンディスク(4)に取り付けられた各セグメント(6)は、根元部(8)の一部を形成し且つ上流側リブ(14a)の径方向外側端部を形成する相補的上流側係合手段(18a)と協働することができる上流側係合手段(16a)と、根元部(8)の一部を形成し且つ下流側リブ(14b)の径方向外側端部を形成する相補的下流側係合手段(18b)と協働することができる下流側係合手段(16b)とを使用して、タービンディスクにより外側径方向(Re)に保持され、タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)は、それらが離間された係合位置から近接位置へと或いはその逆方向へと移動できるように形成されて、各セグメント(6)をタービンディスク(4)に組み立てることができるようになっており、上流側リブ(14a)または下流側リブ(14b)のうちの少なくともいずれかが、リブ(14a、14b)に圧力を加え且つ加えた圧力を解放することにより、それぞれこれらのリブ(14a、14b)が離間位置から近接位置へ及び近接位置から離間位置へと移動できるように弾性をもって形成されていることを特徴とする、タービンホイール(1、100、200)。
  2. タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)のそれぞれが、弾性を有していることを特徴とする、請求項1に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  3. 相補的上流側および下流側係合手段(18a、18b)が、ホイールの長手方向主軸(2)を中心に環状を成して延びており、セグメント(6)の各根元部(8)の上流側および下流側係合手段(16a、16b)が、セグメント(6)の根元部(8)全体にわたって周方向に延びる同じ軸を有する環状部をそれぞれが形成するように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  4. 相補的上流側および下流側係合手段(18a、18b)および各セグメント(6)の根元部(8)の上流側および下流側係合手段(16a、16b)が、フック状の縦断面を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のタービンホイール(1、100)。
  5. 相補的上流側係合手段(18a)が、上流側方向に突出し且つ前記ホイールの方向へと径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口(20a)を形成するフック状の縦断面を有し、上流側係合手段(16a)が、下流側方向に突出し且つ前記ホイールから径方向外側にほぼ方向付けられた係合開口(24a)を形成するフック状の縦断面を有し、相補的下流側係合手段(18b)は、下流側方向に突出し且つ前記ホイールの方向へと径方向内側にほぼ方向付けられた係合開口(20b)を形成するフック状の縦断面を有し、下流側係合手段(16b)は、上流側方向に突出し且つ前記ホイールから径方向外側にほぼ方向付けられた係合開口(24b)を形成するフック状の縦断面を有することを特徴とする、請求項4に記載のタービンホイール(1、100)。
  6. 各セグメント(6)は、それらがタービンディスク(4)と協働するときにタービンディスク(4)に取り付けられたセグメント(6)の上流側および下流側係合手段(16a、16b)と、このタービンディスク(4)の対応する相補的上流側および下流側係合手段(18a、18b)との間の恒久的な協働を維持するための保持手段(32a、32b)を備えていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のタービンホイール(1)。
  7. 各セグメント(6)毎に、保持手段が、根元部(8)の一部を形成する少なくとも1つの可撓性ストリップ(32a、32b)を備え、セグメントの自由端(34a、34b)は、タービンディスク(4)に当接するように形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のタービンホイール(1)。
  8. タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)は、それらの間に、ホイールの長手方向主軸(2)を中心に配置された環状空間(40)を形成し、前記環状空間(40)が、セグメント(6)の根元部(8)に設けられた冷却通路(42)に連通していることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  9. タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)は、上流側リブを貫通し且つ環状空間(40)の内側に開口する少なくとも1つの注入穴(44)を有し、各注入穴(44)は、ターボ機械の冷却空気注入器と協働するように形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  10. 前記ホイールの各セグメント(6)は、根元部(8)に固定された少なくとも2つのブレード(10)を備えていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  11. 前記ディスク(4)が単一部品であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のタービンホイール(1、100、200)。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のタービンホイール(1、100、200)を取り付けるための方法であって、
    タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)を近接位置へと移動させる工程と、
    タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)が再びその離間された係合位置へ移動される際に、各セグメント(6)の根元部(8)の上流側および下流側係合手段(16a、16b)がタービンディスク(4)の相補的上流側および下流側係合手段(18a、18b)と係合できるように、各セグメント(6)をタービンディスク(4)に対して位置決めする工程と、
    タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)をその離間された係合位置へと移動させる工程と
    から成る連続する工程を含み、
    タービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)を近接位置へと移動させ、且つタービンディスク(4)の上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)をその離間された係合位置へと移動させることから成る工程は、適当な工具(46)を使用して上流側リブ(14a)および下流側リブ(14b)に圧力を加え且つ加えた圧力を解放することによりそれぞれ行なわれることを特徴とする、方法。
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