JP2005097199A - アミン型カルボキサミド誘導体 - Google Patents

アミン型カルボキサミド誘導体 Download PDF

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Takayuki Kawaguchi
隆行 川口
Hidenori Akatsuka
英則 赤塚
Masamichi Morimoto
政道 森本
Tatsuya Watanabe
達也 渡邉
Toru Iijima
徹 飯嶋
Jun Murakami
潤 村上
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Abstract

【課題】 本発明は、医薬、特に活性化血液凝固第X因子阻害剤として有用なアミン型カルボキサミド誘導体を提供する。
【解決手段】 一般式[1]:
【化1】
Figure 2005097199

(式中、Xは、式:−N=または式:−CH=で示される基を示す。YおよびYは、同一または異なって、低級アルキル基等を示す。Rは、ハロゲン原子等を示す。R
【化2】
Figure 2005097199

等を示す。環Aはピリジン等を示す。)により表されるアミン型カルボキサミド誘導体またはその薬理的に許容しうる塩。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬、特に活性化血液凝固第X因子阻害剤として有用なアミン型カルボキサミド誘導体又はその薬理的に許容しうる塩に関する。
近年、生活習慣の欧米化、高齢化社会の到来などに伴い、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈血栓症をはじめとする血栓塞栓性疾患は年々増加し、その治療の社会的重要性は益々高まっている。
血栓塞栓性疾患の治療法のうち、抗凝固療法は、線溶療法及び抗血小板療法とともに血栓症の治療及び予防における内科的治療法の一端を担っている(非特許文献1)。特に、血栓症の予防においては長期投与に耐えうる安全性と、確実且つ適切な抗凝固活性の発現が必須となる。クマリン誘導体、特にワルファリンカリウムは、唯一の経口抗凝固剤として世界中で繁用されているが、その作用機序に基づく特性から、薬効発現濃度域が狭いにもかかわらず薬効発現までに長時間を要するうえ、血中半減期が非常に長く、さらに薬効用量の個人差が非常に大きい等の理由により抗凝固能のコントロールが難しく(非特許文献2、3)、また、出血の危険性、悪心、嘔吐、下痢、脱毛等の副作用もあるなど、臨床的には非常に使用しづらい薬剤であり、より有用で使いやすい抗凝固剤の登場が望まれていた。
また、不安定狭心症、脳梗塞、脳塞栓、心筋梗塞、肺梗塞、肺塞栓、バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、人工弁置換後の血栓形成、血行再建後の再閉塞および体外循環時の血栓形成などは、血液凝固能の亢進が重要な因子の一つであることから、用量反応性に優れ、出血の危険性が低く、副作用の少ない、経口投与で十分な効果が得られる優れた抗凝固薬が求められている(非特許文献4)。
トロンビンは、凝固カスケードの最終段階であるフィブリノーゲンのフィブリンへの転化を司るばかりか、血小板の活性化及び凝集にも深く関与し(非特許文献5)、その阻害剤は創薬のターゲットとして長い間抗凝固剤研究の中心にあった。しかしながら、トロンビン阻害剤は、経口投与でのバイオアベイラビリティ(Bioavailability)が低く、副作用として出血傾向を示すなど安全性面でも問題があり(非特許文献6)、現在のところ経口投与可能なトロンビン阻害剤は上市されていない。
活性化血液凝固第X因子は、外因系及び内因系凝固カスケード反応の合流点に位置するキーエンザイム(Key Enzyme)であり、凝固カスケードにおいてトロンビンよりも上流に位置するため、本因子の阻害はトロンビン阻害よりも効率的かつ特異的に凝固系を阻害できる可能性がある(非特許文献7)。
したがって、活性化血液凝固第X因子阻害剤の一つ、血液凝固第Xa因子を阻害し、酵素選択性に優れ、バイオアベイラビリティーが高いものは、経口投与により長期間の抗凝固活性のコントロールが可能となり、既存抗凝固薬と比較してより優れた治療効果を有すると考えられることから、経口投与可能な血液凝固第Xa因子阻害剤(FXa阻害剤)の創製が切望されている。
活性化血液凝固第X因子阻害作用を示す化合物として、血栓症などの予防または治療に有用なチオベンズアミド化合物が知られている(特許文献1)。
一方、下記のベンゾフラン化合物が知られているが(非特許文献8)、当該化合物の活性化血液凝固第X因子阻害作用については一切記載されていない。
Figure 2005097199
さらに、活性化リンパ球増殖抑制作用を有し、自己免疫疾患の予防または治療薬として有用な下記の縮合二環性アミド化合物が知られている(特許文献2)。
Figure 2005097199
しかし、当該公報には、活性化血液凝固第X因子阻害作用に関する記載は一切なく、また、ピリジンおよびフランからなる縮合環にアミドおよびカルバモイルがジ置換した化合物が開示されているものの、該カルバモイルの窒素原子上のベンゼン環には、2つの置換基XおよびYを同時に有する化合物群のみが記載されている。
国際公開第99/42439号パンフレット
国際公開第02/12189号パンフレット 総合臨床41:2141−2145,1989 ジャーナル オブ クリニカル ファーマコロジー(Journal of Clinical Pharmacology),1992年,第32巻,p.196-209 ニュー イングランド ジャーナル オブ メディシン(NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE),1991年,第324巻、第26号,p.1865-1875 トロンボシスリサーチ(Thrombosis Research),1992年,第68巻,p.507〜512 松尾理,t−PAとPro−UK,学際企画,1986年,p.5-40 バイオメディカ バイオチミカ アクタ(Biomedica Biochimica Acta),1985年,第44巻,p.1201-1210 トロンボシスリサーチ(Thrombosis Research),1980年,第19巻,p.339-349 インディアン ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(Indian Journal of Heterocyclic Chemistry),1994年,第3巻,p.3247-3252
本発明は優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有するアミン型カルボキサミド誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を提供するものである。
本発明者等は、鋭意研究の結果、下記のアミン型カルボキサミド誘導体が、優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有することを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.一般式[1]:
Figure 2005097199
(式中、Xは、式:−N=または式:−CH=で示される基を示す。YおよびYは、同一または異なって、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子置換低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルバモイル基、低級アルキル置換カルバモイル基、水素原子およびフェニル基から選ばれる基を示す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。Rは式:−CO−R21−R22で表される基を示す。R21は低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基または式:−R21a−R21b−で示される基を示す。R21aはシクロアルカンジイル基を示す。R21bは低級アルキレン基を示す。R22
Figure 2005097199
を示す。R23およびR24は、同一又は異なって、低級アルキル基、あるいはR23及びR24が互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。環Aは単環式複素芳香環または縮合チオフェン環を示す。)により表されるアミン型カルボキサミド誘導体またはその薬理的に許容しうる塩。
2.環Aが、ピリジン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ベンゾチオフェンまたはチエノピリジンである1記載の化合物。
3.R
Figure 2005097199
であり、R22
Figure 2005097199

であり、
Figure 2005097199
Figure 2005097199
である2記載の化合物。
4.Rがハロゲン原子または低級アルキル基であり、R21が1,4−シクロヘキサンジイル基であり、R22
Figure 2005097199
であり、
Figure 2005097199
が、
Figure 2005097199
であり、Yが水素原子または低級アルキル基である3記載の化合物。
5.
Figure 2005097199
が、
Figure 2005097199
である4記載の化合物。
以下、本発明化合物[1]につき詳述する。
本明細書中の一般式の定義にいて「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1乃至6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
従って、「低級アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル等が挙げられる。これらの中では炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが一般的である。
また、「低級アルコキシ基」としては、上記低級アルキル基に酸素原子が結合した置換基を意味する。これらの中では炭素数1〜4のもの、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が一般的である。
「低級アルキレン基」とは、例えば、炭素数1から6個の直鎖または分枝鎖状のアルキレンであり、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどがあげられ、このうち、炭素数1から5個のアルキレンが一般的である。
「シクロアルカンジイル基」としては、3〜7員シクロアルカンジイル基が挙げられ、例えば1,4−シクロヘキサンジイル基が挙げられる。
「単環式複素芳香環」としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択された同一または異なるヘテロ原子を1〜4個有する単環式複素芳香環を意味し、このうち5〜7員の複素環が一般的である。具体的にはピリジン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピリダジン、ピリミジンまたはピラジン等が挙げられる。
「縮合チオフェン環」としては、チオフェン環と環式化合物が縮合した環を意味し、ベンゾチオフェンまたはチエノピリジンが挙げられる。
「含窒素飽和異項環基」としては、窒素原子の他、酸素原子及び硫黄原子からなる選択されるヘテロ原子を1〜4個有してもよい飽和環基を意味し、このうち窒素原子のみをヘテロ原子として有するか、窒素原子および酸素原子をヘテロ原子として有する、4〜14員の飽和複素環式基が一般的であり、縮合環も含まれる。具体的にはイミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ピロリジニル、オキサゾリジニル等が挙げられる。
「ハロゲン原子」としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
本発明の化合物[1]の薬理学的に許容しうる塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、あるいはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マイレン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩、またはアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの金属との塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミンなどの有機塩基との塩、あるいはリジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩などがあげられる。本発明化合物[1]は4級塩とすることもでき、本発明化合物は4級塩も包含される。
また、本発明の化合物[1]は、分子内塩、水和物、溶媒和物や結晶多形のものなども包含される。
また、本発明化合物[1]に不斉炭素を有する場合は光学異性体が存在するが、本発明化合物[1]は、それら異性体の1つあるいは混合物を包含する。さらに、本発明化合物[1]に二重結合あるいは2つ以上の置換基を持ったシクロアルカンジイル基を有する場合は、シス体、トランス体が存在する可能性があり、本発明化合物[1]は、それら異性体の1つあるいは混合物を包含する。
また、本発明の化合物[1]には、前記の化合物のプロドラッグも含まれる。プロドラッグとしては、例えば、化合物[1]におけるアミノ、カルボキシなどの官能基を、通常用いられる保護基を用いて保護したものなどがあげられる。
本発明の化合物は、以下の方法により製造することができる。
本発明の化合物[1]は、一般式[2]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示されるアミノ化合物と一般式[3]:
−OH [3]
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示されるカルボン酸化合物又はそのカルボキシル基における反応性誘導体とを反応させることにより製造することができる。
また、化合物[1]は、必要に応じ、適宜、アルキル化反応、還元的アルキル化反応、アミド化反応、スルホニルアミド化反応、アリール化反応、還元反応、脱アルキル化反応、加水分解反応、4級アミノ化反応、アミノ基およびカルボキシル基の保護反応および脱保護反応等により化合物[1]に相互変換することにより製造することができる。
[原料製法:化合物[2]の製法]
化合物[2]は、一般式[6]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物又はそのカルボキシル基における反応性誘導体と一般式[5]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を反応させることにより一般式[4]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで、化合物[4]のニトロ基を還元することにより製造することができる。
また、化合物[2]は、一般式[10]:
Figure 2005097199
(式中、COOPはカルボン酸エステルを表し、他の記号は前記と同一意味を有する)のアミノ基を保護し、一般式[9]:
Figure 2005097199
(式中、Pはアミノ基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する)を製し、次いで化合物[9]を加水分解することにより、一般式[8]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで、化合物[5]と反応させることにより、一般式[7]:
Figure 2005097199
(式中、記号は前記と同一意味を有する)を製し、脱保護させることにより製造することもできる。
上記製法は以下のようにして実施することができる。
化合物[2]に[3]で示される化合物を用いて化合物[1]を製造する工程は、通常のアミド化法にしたがって実施することができる。すなわち、反応は、化合物[2]に化合物[3]あるいは化合物[3]のカルボキシル基における反応性誘導体、又はそれらの塩を縮合剤の存在下又は非存在下、必要により脱酸剤の存在下で、適当な溶媒中で実施することができる。縮合剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)あるいはその塩酸塩、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)等、通常の縮合剤を好適に用いることができる。とりわけ、DCC、EDC又はその塩酸塩をより好適に用いることができる。化合物[3]の反応性誘導体としては、例えば、酸ハライド、混合酸無水物、活性エステル等、縮合に常用されるものをいずれも用いることができる。化合物[3]の反応性誘導体への変換に用いることができる活性化剤としては、塩化チオニル、臭化チオニル、オキザリルクロリドの他、1−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のN−ヒドロキシアミン系の化合物およびp−ニトロフェノール等のフェノール系化合物を用いる活性化剤があげられ、塩化チオニル、オキザリルクロリド、1−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を好適に用いることができる。とりわけ、酸クロリド法をより好適に用いることができる。化合物[3]又は化合物[3]のカルボキシル基における反応性誘導体が塩を形成する場合の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸との塩を用いることができる。また、適用する方法によっては、脱酸剤を用いることができ、脱酸剤としては、無機塩基類又は有機塩基類を用いることができる。本反応は塩基の存在下で又はこれら塩基を溶媒として反応することにより、反応が円滑に進行する場合がある。無機塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類をあげることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等をあげることができる。とりわけ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンを用いて実施するのが好ましい。本反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われ、好ましくは溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒ならびにこれら溶媒と水との組み合わせがあげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン等が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンがより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、氷冷下〜60℃で好適に実施することができる。
また、得られた化合物[1]で示される化合物中に、さらなる反応が可能な部分が存在する場合(例えば、主にアミンの保護基、アルコール、フェノール性OH、エステル、カルボン酸、ニトロ、ハロゲン等のことを示す)は、必要に応じ、以下の反応等を行い、相互変換することで、所望の化合物[1]を製造することができる。
必要に応じて適宜行われる、アルキル化反応、還元的アルキル化反応、アミド化反応、スルホニルアミド化反応、アリール化反応、還元反応、脱アルキル化反応、加水分解反応、4級アミノ化反応、アミノ基およびカルボキシル基の保護反応およびおよび脱保護反応等は、次の通り行うことができる。
アルキル化反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に塩基の存在下又は非存在下で、塩化アルキル、臭化アルキル、ヨウ化アルキル等のハロゲン化アルキルを適当な溶媒中で反応させることにより実施することができる。このとき用いられる塩基としては、無機塩基や有機塩基があげられる。無機塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類をあげることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等を用いることができる。とりわけ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いて実施するのが好ましい。また、本反応は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化アルカリ金属類を添加してもよく、これにより、反応が円滑に進行する場合がある。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、エタノール、ジメチルスルホキシド等が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、エタノール、およびこれらの混合溶媒がより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、とりわけ、−10℃〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
還元的アルキル化反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に適当な水素化金属還元剤の存在下、あるいは金属触媒存在下での接触水素還元条件下で、対応するカルボニル化合物を適当な溶媒中で反応させることにより実施することができる。水素化金属還元剤としては、通常に用いられるものであれば特に制限はないが、アミド結合等に影響を及ぼさない還元剤が好ましく、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等を好適に用いることができる。また、本反応は、酢酸等の有機酸類あるいは塩酸等の鉱酸類を添加してもよく、これらの添加により、反応が円滑に進行する場合がある。また、化合物[1]として塩酸等の鉱酸と塩を形成しているアミン類を用いる場合には、適当な中和剤、例えば、トリエチルアミン等の有機塩基類又は酢酸ナトリウム等の酢酸アルカリ金属塩を添加してもよく、これらの添加により、反応が円滑に進行する場合がある。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、水等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メタノール、エタノール、プロパノール等が好ましく、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフランがより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、氷冷下〜室温で好適に実施することができる。また、本反応は、金属触媒存在下での接触水素還元反応でも同様に行うことができ、金属触媒としては、パラジウム−炭素、白金−炭素、酸化白金、ラネーニッケル等を用いることができる。また、本反応は、酢酸等の有機酸類あるいは塩酸等の鉱酸類を添加してもよく、これらの添加により、反応が円滑に進行する場合がある。また、化合物[1]として塩酸等の鉱酸と塩を形成しているアミン類を用いる場合には、適当な中和剤、例えば、トリエチルアミン等の有機塩基類又は酢酸ナトリウム等の酢酸アルカリ金属塩を添加してもよく、これらの添加により、反応が円滑に進行する場合がある。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、水等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等が好ましく、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等がより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、氷冷下〜室温で好適に実施することができる。
アミド化反応は、必要に応じて行われるが、前記化合物[2]と化合物[3]の反応と同様に行うことができる。
スルホニルアミド化反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に塩基の存在下又は非存在下、置換基を有しても良いアルキルスルホン酸ハロゲン化物を適当な溶媒中で反応させることにより行うことができ、前記化合物[2]と化合物[3]のアミド化反応と同様の脱酸剤、溶媒、ならびに反応温度で実施することができる。
アリール化反応は、必要に応じて常法により実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に適当な塩基の存在下又は非存在下、ハロゲン化アリールを適当な溶媒中で反応させることにより行うことができる。塩基としては、無機塩基や有機塩基塩基のいずれも用いることができる。無機塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類等をあげることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等をあげることができる。とりわけ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム等を用いて実施するのが好ましい。本反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われ、好ましくは溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられる。キシレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、エタノール、ブタノール等が好ましく、とりわけ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、ブタノールがより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、室温〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
また、還元反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に適当な還元剤、あるいは金属触媒存在下に水素を適当な溶媒中で反応させることにより実施することができる。還元剤としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属還元剤や、亜鉛、鉄、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩を好適に用いることができ、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩をより好適に用いることができる。また、水素添加反応に用いる金属触媒としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、パラジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルト、酸化白金等を好適に用いることができ、ラネーニッケル等の金属をより好適に用いることができる。また、適用する方法によっては、塩酸等の鉱酸の共存下酸性で反応することにより、反応が円滑に進行する場合がある。水素化金属還元剤による反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、水等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。亜鉛、鉄、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩による反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、酢酸エチルあるいは、水、あるいは水とアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒との混合溶媒等が好ましい。金属触媒存在下に水素添加反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
接触水素還元反応で用いる水素の圧力は、通常約1〜約100気圧である。本反応の反応時間は、用いる還元剤や触媒の活性および使用量により異なるが、通常は約10分〜24時間である。
また、脱アルキル化反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に適当な脱アルキル化剤を適当な溶媒中あるいは無溶媒で反応させることにより実施することができる。脱アルキル化剤としては、通常に用いられるものであれば特に制限はないが、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、ヨードトリメチルシラン、塩化アルミニウム(III)、塩化ピリジニウム等を好適に用いることができ、とりわけ、三臭化ホウ素、ヨードトリメチルシラン等を用いて実施するのが好ましい。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、とりわけ、−78℃〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
また、加水分解反応は常法により適宜行うことができる。
また、4級アミノ化反応は、必要に応じて行われるが、前記アルキル化反応と同様に行うことができる。
また、アミノ基およびカルボキシル基の保護反応および脱保護反応は、必要に応じ行われるが、任意の公知の方法を適宜用いることができる。
[原料製法:化合物[2]の製法]
化合物[6]又はそのカルボキシル基における反応性誘導体と化合物[5]とを反応させて化合物[4]を製造する工程は、化合物[2]と[3]を反応させる工程と同様の方法で実施することができる。
次いで、得られた化合物[4]のニトロ基を還元して化合物[2]を製造する工程は、前記の還元反応と同様の方法により行うことができる。
化合物[10]のアミノ基を保護する工程は、化合物[2]と[3]を反応させる工程と同様の方法で実施することができる。
化合物[9]を、加水分解して化合物[8]を得る工程は、常法により実施することができる。
化合物[8]に化合物[5]を反応させ、化合物[7]を製造する工程は、化合物[2]と[3]を反応させる工程と同様の方法で実施することができる。
化合物[7]を脱保護して化合物[2]を製造する工程は、常法により実施することができる。
このようにして得られる本発明化合物は再結晶法、カラムクロマト法などの有機合成化学の分野における公知の方法により単離製造することができる。
本発明の化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩は、優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有することから、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモットなど)に対して、血栓ならびに塞栓によって引き起こされる各種疾患、例えば、安定狭心症、不安定狭心症、脳血栓、脳梗塞、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血後の脳血管れん縮等の虚血性脳血管障害、冠動脈血栓形成による虚血性心疾患、うっ血性慢性心不全、心筋梗塞、急性心筋梗塞、肺梗塞、肺塞栓、肺血管障害、エコノミークラス症候群、腎疾患(糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症等)、アテローム硬化症を伴った血栓形成、末梢動脈閉塞症、末梢静脈閉塞症、バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、人工血管術後または人工弁あるいは関節置換後の血栓形成、間欠性跛行、経皮的経管式冠動脈形成術(PTCA)あるいは経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)等の血行再建後の血栓形成および再閉塞、全身性炎症性反応症候群(SIRS)、多臓器不全(MODS)、体外循環時の血栓形成、採血時の血液凝固、糖尿病性循環障害、移植時の拒絶反応、移植時の臓器保護あるいは機能改善などの予防または治療に有用である。
また、本発明化合物は、優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有すると同時に、既存抗凝固薬の副作用(出血など)がほとんどみられない特徴を有する。
本発明の化合物[1]またはその薬理学的に許容しうる塩は、当該化合物の治療上有効量および薬理学的に許容される担体からなる医薬組成物に製剤化することができる。薬理学的に許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
本発明の化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩は、経口的または非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤として用いることができる。経口的に投与する場合の適当な医薬製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの固体製剤、あるいは溶液製剤、懸濁製剤または乳化製剤などが挙げられる。非経口的に投与する場合の適当な医薬製剤としては、坐剤、注射用蒸留水、生理食塩水またはブドウ糖水溶液などを用いた注射剤または点滴製剤、あるいは吸入剤等が挙げられる。
本発明の化合物[1]またはその薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態或いは疾患の種類・程度によっても異なるが、通常、1日当り約0.1〜50mg/kg、とりわけ約0.1〜30mg/kg程度とするのが好ましい。
以下、本発明を実施例、参考例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−({[トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ピリジン−2−カルボキサミド
Figure 2005097199
参考例3で得られたトランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩130mgを塩化チオニル2mlに溶解し、室温にて3時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸後、クロロホルム3mlに溶解した。この溶液に、3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド100mgおよびピリジン1mlを順次加えた。反応液を室温で13時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水=500/10/1に続き、200/10/1)にて精製し、表題化合物138mgを得た。APCI−MS M/Z:402/404[M+H]
実施例2−3
対応するアミノ化合物とカルボン酸化合物を実施例1と同様の方法で処理することにより、第1表記載の化合物を得た。
Figure 2005097199
実施例4
N−(4−クロロフェニル)−3−({[トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2005097199
(1)3−アミノ−1−ベンゾチオフェン−2−カルボン酸エチル2.21gをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル2.5gおよび触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加え、60℃に加温下8時間攪拌した。反応液に、二炭酸ジ−t−ブチル2.5gおよび触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを追加し、同加温下さらに一晩攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチルで希釈し、10%塩酸および水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボン酸エチル3.22gを得た。APCI−MS M/Z:439[M+NH
(2)実施例4(1)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボン酸エチル3.20gをエタノール−テトラヒドロフラン(10:1,22ml)に溶解し、2規定水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に6規定塩酸3.4mlを加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサンに懸濁後、濾取し、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボン酸2.46gを得た。ESI−MS M/Z:392[M−H]
(3)実施例4(2)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸1.55gをN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、氷冷下、4−クロロアニリン0.85g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.97gおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド1.38gを加えた後、室温にて4日間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル−n−ヘキサンに懸濁後、濾取し、無色固体1.30gを得た。この固体を酢酸エチル10mlに溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル溶液10mlを加え、室温にて3時間攪拌した。反応液にジエチルエーテルを注ぎ、析出物を濾取し、無色固体0.99gを得た。この固体0.83gをトリフルオロ酢酸40mlに溶解し、室温にて一晩攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジイソプロピルエーテル−n−ヘキサンに懸濁後、濾取し、3−アミノ−N−(4−クロロフェニル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド0.53gを得た。APCI−MS M/Z:303/305[M+H]
(4)参考例3で得られたトランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩207mgを塩化チオニル5mlに溶解し、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸後、ジクロロメタン5mlに溶解した。この溶液に、実施例4(3)で得られた3−アミノ−N−(4−クロロフェニル)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド123mgおよびピリジン161μlを順次加えた。反応液を室温で一晩攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を酢酸エチルに懸濁後、濾取し、表題化合物153mgを得た。APCI−MS M/Z:456/458[M+H]
実施例5
N−(4−クロロフェニル)−3−({[トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)チオフェン−2−カルボキサミド・塩酸塩
Figure 2005097199
(1)3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチル3.14gを実施例4(1)と同様の方法で処理することにより、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸メチル2.08gを得た。APCI−MS M/Z:375[M+NH
(2)実施例5(1)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸メチル2.05gを実施例4(2)と同様の方法で処理することにより、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸1.58gを得た。ESI−MS M/Z:342[M−H]
(3)実施例5(2)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸1.55gをN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、氷冷下、4−クロロアニリン0.85g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.97gおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド1.38gを加えた後、室温にて4日間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1に続き、4/1)にて精製し、淡黄色固体1.91gを得た。この固体を4規定塩化水素−ジオキサン溶液10mlに溶解し、室温にて17時間攪拌した。反応液に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、3−アミノ−N−(4−クロロフェニル)チオフェン−2−カルボキサミド1.05gを得た。APCI−MS M/Z:253/255[M+H]
(4)参考例3で得られたトランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩208mgをジクロロメタン4mlに懸濁し、塩化チオニル4mlを加え、室温にて3時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸後、ジクロロメタン5mlに溶解した。この溶液に、氷冷下、実施例5(3)で得られた3−アミノ−N−(4−クロロフェニル)チオフェン−2−カルボキサミド168mgおよびピリジン211mgを順次加えた。反応液を室温で2時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)にて精製した。得られた残渣をエタノール5mlに溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル0.2mlを加えた後、反応液を減圧下濃縮乾固した。残渣をn−ヘキサンに懸濁後、濾取し、表題化合物205mgを得た。APCI−MS M/Z:406/408[M+H]
実施例6
N−(4−クロロフェニル)−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボキサミド・塩酸塩
Figure 2005097199
参考例4で得られたトランス−4−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩222mgおよび実施例5(3)で得られた3−アミノ−N−(4−クロロフェニル)チオフェン−2−カルボキサミド168mgを実施例4(3)と同様の方法で処理することにより、表題化合物172mgを得た。APCI−MS M/Z:420/422[M+H]
実施例7
5−t−ブチル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−({[トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)フラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩
Figure 2005097199
(1)3−アミノ−5−t−ブチルフラン−2−カルボン酸エチル1.00gを実施例4(1)と同様の方法で処理することにより、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−t−ブチルフラン−2−カルボン酸エチル1.26gを得た。APCI−MS M/Z:429[M+NH
(2)実施例7(1)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−t−ブチルフラン−2−カルボン酸エチル1.23gを実施例4(2)と同様の方法で処理することにより、粗体として3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−t−ブチルフラン−2−カルボン酸0.53gを得た。ESI−MS M/Z:382[M−H]
(3)実施例7(2)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン−2−カルボン酸300mgおよびピリジン316μlをジクロロメタン5mlに溶解し、氷冷下、塩化チオニル68μlを加えた。反応液を室温にて1時間攪拌後、再度氷冷し、2−アミノ−5−クロロピリジン151mgを加えた。反応液を室温に戻し1時間攪拌した。反応液に水を注ぎクロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1に続き、5/1)にて精製し、固体103mgを得た。このようにして得られた固体182mgをジオキサン4mlに溶解し、4規定塩化水素−ジオキサン溶液8mlを加え、室温にて24時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣をジエチルエーテルに懸濁、濾取し、3−アミノ−5−t−ブチル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)フラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩137mgを得た。APCI−MS M/Z:294/296[M+H]
(4)参考例3で得られたトランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩113mgを塩化チオニル3mlに溶解し、室温にて12時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をトルエンで共沸後、クロロホルム5mlに溶解した。この溶液に、氷冷下、実施例7(3)で得られた3−アミノ−5−t−ブチル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)フラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩133mgおよびピリジン294μlを順次加え、同冷却下で1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1に続き、酢酸エチル)にて精製し、フリー体として表題化合物143mgを得た。このフリー体120mgをクロロホルム−メタノール(1:1,6ml)に溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル1mlを加えた後、反応液を減圧下濃縮乾固した。残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物133mgを得た。APCI−MS M/Z:447/449[M+H]
実施例8
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−({[トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)−5−フェニルフラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩
Figure 2005097199
(1)3−アミノ−5−フェニルフラン−2−カルボン酸エチル500mgを実施例4(1)と同様の方法で処理することにより、3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルフラン−2−カルボン酸エチル735mgを得た。
(2)実施例8(1)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルフラン−2−カルボン酸エチル725mgを実施例4(2)と同様の方法で処理することにより、粗体として3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルフラン−2−カルボン酸599mgを得た。ESI−MS M/Z:402[M−H]
(3)実施例8(2)で得られた3−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−フェニルフラン−2−カルボン酸200mgを実施例4(3)と同様の方法で処理することにより、3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−フェニルフラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩132mgを得た。APCI−MS M/Z:314/316[M+H]
(4)実施例8(3)で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−フェニルフラン−2−カルボキサミド・2塩酸塩100mgを実施例4(4)と同様の方法で処理することにより、表題化合物102mgを得た。APCI−MS M/Z:467/469[M+H]
参考例1
トランス−4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸メチル
Figure 2005097199
(1)−30℃冷却下、メタノール1500mlに塩化チオニル254mlを約1時間かけて滴下した。終了後、室温にて0.5時間攪拌した後、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸500.0gを加え室温にて17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をクロロホルムで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサンにて結晶化した後、濾取、乾燥し、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメチル545.0gを得た。APCI−MS M/Z:201[M+H]
(2)参考例1(1)で得られたトランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメチル150.0gをテトラヒドロフラン1500mlに溶解し、氷冷下、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液149gと水13.2gの混合溶液を滴下した。反応液を室温に戻し3.5時間攪拌した後、n−ヘキサン1500mlを注ぎ、析出物を濾取した。得られた固体を氷冷下、濃塩酸50ml、水450ml、およびクロロホルム1000mlの混合溶液に加え、室温にて20分間攪拌後、クロロホルム層を分取し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサンにて結晶化した後、濾取、乾燥し、トランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸106.0gを得た。ESI−MS M/Z:185[M−H]
(3)参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸100.0gをt−ブタノール1000mlに溶解し、ジフェニルリン酸アジド155gおよびトリエチルアミン78.6mlを加えた後、約60℃で1時間加熱し、さらに17時間加熱環流した。放冷後、反応液に氷水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をメタノール250mlに溶解し水750mlを加えた後、氷冷下攪拌した。0.5時間後、析出物を濾取し、水−メタノール(3:1)1000mlおよびn−ヘキサンにて順次洗浄後、乾燥し、表題化合物117.0gを得た。APCI−MS M/Z:275[M+H]
参考例2
トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩
Figure 2005097199
参考例1で得られたトランス−4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸メチル234.0gをジオキサン500mlに溶解し、4規定塩化水素−ジオキサン500mlを加え、室温にて19時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、析出物を濾取し、表題化合物121.9gを得た。APCI−MS M/Z:158[M+H]
参考例3
トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩
Figure 2005097199
(1)参考例2で得られたトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩93.0gをメタノール1000mlに溶解し、35%ホルムアルデヒド水溶液95.4ml、酢酸ナトリウム39.4gおよび10%パラジウム−炭素10gを加え、常圧水素雰囲気下、室温にて3.5時間攪拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮後、得られた残渣に20%炭酸カリウム水溶液500mlを注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムおよび炭酸カリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、トランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸メチル87.3gを得た。APCI−MS M/Z:186[M+H]
(2)参考例3(1)で得られたトランス−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸メチル27.6gをジオキサン300mlおよび水100mlに溶解し、6規定塩酸50ml加え、4時間加熱還流した。6規定塩酸50mlを追加しさらに1時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、トルエンにて共沸操作を行った後、得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁した。析出物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥し、表題化合物27.5gを得た。APCI−MS M/Z:172[M+H]
参考例4
トランス−4−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩
Figure 2005097199
(1)トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸6.29gをメタノール32mlに懸濁し、氷冷下、塩化チオニル6mlを滴下した。反応液を室温に戻し一晩攪拌後、反応液を減圧下濃縮乾固し、トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩8.69gを得た。APCI−MS M/Z:172[M+H]
(2)参考例4(1)で得られたトランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩8.69gをジクロロメタン400mlに懸濁し、トリエチルアミン11.2mlを加え、室温にて数分攪拌後、氷冷下、35%ホルムアルデヒド水溶液15.9mlおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム25.43gを加えた。反応液を室温に戻し2時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、トランス−4−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル7.42gを得た。APCI−MS M/Z:200[M+H]
(3)参考例4(2)で得られたトランス−4−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル7.41gをジオキサン140mlに溶解し、2規定塩酸70mlを加え、3時間加熱環流した。放冷後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をトルエンにて共沸後、乾燥し、表題化合物8.45gを得た。APCI−MS M/Z:186[M+H]
参考例5
トランス−4−ピロリジン−1−イルシクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩
Figure 2005097199
(1)参考例2で得られたトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩10g、1,4−ジヨードブタン19.2g、炭酸ナトリウム16.4gをテトラヒドロフラン300ml−N,N−ジメチルアセトアミド60mlに懸濁し、70℃で20時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣を酢酸エチル−水に溶解し、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/へキサン=1/5)にて精製し、トランス−4−ピロリジン−1−イルシクロヘキサンカルボン酸メチル10.9gを得た。APCI−MS M/Z:212[M+H]
(2)参考例5(1)で得られたトランス−4−ピロリジン−1−イルシクロヘキサンカルボン酸メチル10.9gのジオキサン150ml溶液に、2規定塩酸80mlを加え、メタノールを留去しながら110℃で3時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物11.1gを得た。APCI−MS M/Z:198[M+H]
参考例6
トランス−4−モルホリン−4−イルシクロヘキサンカルボン酸・塩酸塩
Figure 2005097199
(1)参考例2で得られたトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル・塩酸塩47.5g、ビス(2−クロロエチル)エーテル34.5ml、炭酸ナトリウム77.9g、およびヨウ化ナトリウム88gをテトラヒドロフラン1400ml−N,N−ジメチルアセトアミド280mlに懸濁し、18時間還流した。ビス(2−クロロエチル)エーテル23ml、ヨウ化ナトリウム22gを反応液に加え、更に6時間還流した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣を酢酸エチル−水に溶解し、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/へキサン=1/30に続き、酢酸エチル/へキサン=1/5、更に1/3)にて精製し、トランス−4−モルホリン−4−イルシクロヘキサンカルボン酸メチル53.9gを得た。APCI−MS M/Z:228[M+H]
(2)参考例6(1)で得られたトランス−4−モルホリン−4−イルシクロヘキサンカルボン酸メチル53.8gのジオキサン750ml溶液に、2規定塩酸400mlを加え、メタノールを留去しながら110℃で4時間攪拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物54.8gを得た。APCI−MS M/Z:214[M+H]
本発明の化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩は、低毒性で安全であり、優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有することから、血栓または塞栓により引き起こされる疾患の予防または治療剤として有用である。

Claims (5)

  1. 一般式[1]:
    Figure 2005097199
    (式中、Xは、式:−N=または式:−CH=で示される基を示す。YおよびYは、同一または異なって、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子置換低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルバモイル基、低級アルキル置換カルバモイル基、水素原子およびフェニル基から選ばれる基を示す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。Rは式:−CO−R21−R22で表される基を示す。R21は低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基または式:−R21a−R21b−で示される基を示す。R21aはシクロアルカンジイル基を示す。R21bは低級アルキレン基を示す。R22
    Figure 2005097199
    を示す。R23およびR24は、同一又は異なって、低級アルキル基、あるいはR23及びR24が互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。環Aは単環式複素芳香環または縮合チオフェン環を示す。)により表されるアミン型カルボキサミド誘導体またはその薬理的に許容しうる塩。
  2. 環Aが、ピリジン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ベンゾチオフェンまたはチエノピリジンである請求項1記載の化合物。

  3. Figure 2005097199
    であり、R22
    Figure 2005097199

    であり、
    Figure 2005097199

    Figure 2005097199
    である請求項2記載の化合物。
  4. がハロゲン原子または低級アルキル基であり、R21が1,4−シクロヘキサンジイル基であり、R22
    Figure 2005097199
    であり、
    Figure 2005097199
    が、
    Figure 2005097199
    であり、Yが水素原子または低級アルキル基である請求項3記載の化合物。
  5. Figure 2005097199
    が、
    Figure 2005097199
    である請求項4記載の化合物。
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