JP2006298910A - 医薬組成物 - Google Patents

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Takayuki Kawaguchi
隆行 川口
Hidenori Akatsuka
英則 赤塚
Masamichi Morimoto
政道 森本
Tatsuya Watanabe
達也 渡邉
Toru Iijima
徹 飯嶋
Jun Murakami
潤 村上
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Abstract

【課題】カルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその塩を有効成分として含有する医薬組成物およびFXa阻害剤を提供する。
【解決手段】 一般式[1]:
Figure 2006298910

(式中、環Zはピリジン環。Aは単結合手等を示す。Yはシクロアルカンジイル基等を示す。R及びRは低級アルキル基等を示す。Rはハロゲン原子等を示す。環Bは、ベンゼン環を示す。Rは水素原子等を示す。)により表されるカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬組成物およびFXa阻害剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カルバモイル型ベンゾフラン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬組成物および活性化血液凝固第X因子(FXa)阻害剤に関する。
近年、生活習慣の欧米化、高齢化社会の到来などに伴い、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈血栓症をはじめとする血栓塞栓性疾患は年々増加し、その治療の社会的重要性は益々高まっている。
血栓塞栓性疾患の治療法のうち、抗凝固療法は、線溶療法及び抗血小板療法とともに血栓症の治療及び予防における内科的治療法の一端を担っている。特に、血栓症の予防においては長期投与に耐えうる安全性と、確実且つ適切な抗凝固活性の発現が必須となる。クマリン誘導体、特にワルファリンカリウムは、経口抗凝固剤として世界中で繁用されているが、その作用機序に基づく特性から、薬効発現濃度域が狭いにもかかわらず薬効発現までに長時間を要するうえ、血中半減期が非常に長く、さらに薬効用量の個人差が非常に大きい等の理由により抗凝固能のコントロールが難しく(非特許文献1、2)、また、出血の危険性、悪心、嘔吐、下痢、脱毛等の副作用もあるなど、臨床的には非常に使用しづらい薬剤であり、より有用で使いやすい抗凝固剤の登場が望まれている。
また、不安定狭心症、脳梗塞、脳塞栓、心筋梗塞、肺梗塞、肺塞栓、バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、人工弁置換後の血栓形成、血行再建後の再閉塞および体外循環時の血栓形成などは、血液凝固能の亢進が重要な因子の一つであることから、用量反応性に優れ、出血の危険性が低く、副作用の少ない、経口投与で十分な効果が得られる優れた抗凝固薬が求められている(非特許文献3)。
トロンビンは、凝固カスケードの最終段階であるフィブリノーゲンのフィブリンへの転化を司るばかりか、血小板の活性化及び凝集にも深く関与し(非特許文献4)、その阻害剤は創薬のターゲットとして長い間抗凝固剤研究の中心にあった。しかしながら、トロンビン阻害剤は、経口投与でのバイオアベイラビリティ(Bioavailability)が低く、副作用として出血傾向を示すなど安全性面でも問題がある(非特許文献5)。
FXaは、外因系及び内因系凝固カスケード反応の合流点に位置するキーエンザイム(Key Enzyme)であり、凝固カスケードにおいてトロンビンよりも上流に位置するため、本因子の阻害はトロンビン阻害よりも効率的かつ特異的に凝固系を阻害できる可能性がある(非特許文献6)。
したがって、FXaを阻害し、かつ、酵素選択性に優れ、バイオアベイラビリティーが高いものは、経口投与により長期間の抗凝固活性のコントロールが可能となり、既存抗凝固薬と比較してより優れた治療効果を有すると考えられることから、経口投与可能なFXa阻害剤の創製が切望されている。
FXa阻害作用を示す化合物として、血栓症などの予防または治療に有用なチオベンズアミド化合物が知られている(特許文献1)。
一方、下記のベンゾフラン化合物が知られているが(非特許文献7)、当該化合物のFXa阻害作用については一切記載されていない。
Figure 2006298910
さらに、活性化リンパ球増殖抑制作用を有し、自己免疫疾患の予防または治療薬として有用な下記の縮合二環性アミド化合物が知られている(特許文献2)。
Figure 2006298910
しかし、当該公報には、FXa阻害作用に関する記載は一切なく、また、ピリジンおよびフランからなる縮合環にアミドおよびカルバモイルがジ置換した化合物が開示されているものの、該カルバモイルの窒素原子上のベンゼン環には、2つの置換基XおよびYを同時に有する化合物群のみが記載されている。
国際公開第99/42439号パンフレット 国際公開第02/12189号パンフレット ジャーナル オブ クリニカル ファーマコロジー(Journal of Clinical Pharmacology),1992年,第32巻,p.196-209 ニュー イングランド ジャーナル オブ メディシン(NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE),1991年,第324巻、第26号,p.1865-1875 トロンボシスリサーチ(Thrombosis Research),1992年,第68巻,p.507〜512 松尾理,t−PAとPro−UK,学際企画,1986年,p.5-40 バイオメディカ バイオチミカ アクタ(Biomedica Biochimica Acta),1985年,第44巻,p.1201-1210 トロンボシスリサーチ(Thrombosis Research),1980年,第19巻,p.339-349 インディアン ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(Indian Journal of Heterocyclic Chemistry),1994年,第3巻,p.3247-3252
本発明は優れたFXa阻害作用を有するカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供するものである。
本発明者等は、鋭意研究の結果、下記のカルバモイル型ベンゾフラン誘導体が、優れたFXa阻害作用を有するばかりでなく、経口投与により長期間の抗凝固活性のコントロールが可能な優れた特性を有することを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1. 一般式[1]:
Figure 2006298910
(式中、環Zは式:
Figure 2006298910
で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。R及びRは同一又は異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい飽和異項環基であるか、あるいはR及びRが互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
Figure 2006298910
で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)により表されるカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩、および薬理的に許容される担体からなる医薬組成物。
2. 一般式[1]:
Figure 2006298910
(式中、環Zは式:
Figure 2006298910
で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。R及びRは同一又は異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい飽和異項環基であるか、あるいはR及びRが互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
Figure 2006298910
で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)により表されるカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有するFXa阻害剤。
3. 血栓ならびに塞栓によって引き起こされる疾患の予防または治療薬である前記2に記載のFXa阻害剤。
4.
2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸メチル;
[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−5−イル]酢酸メチル;
−(5−クロロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチル−3−({[トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[(5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタノイル)アミノ]ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸;
−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]−N,N−ジメチルベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;または
トランス−N’−[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキサミド
もしくはそれらの薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有する活性化血液凝固第X因子阻害剤。
本発明の有効成分化合物[1]またはそれらの薬理的に許容しうる塩のうち好ましい化合物は、以下の通りである。
〔i〕環Zが式:
Figure 2006298910
で示される基である化合物。
〔ii〕R4及びR5における「置換されていてもよい低級アルキル基」が、非置換低級アルキル基、1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基置換低級アルキル基、ヒドロキシル基置換低級アルキル基、低級アルコキシ基置換低級アルキル基又はピリジル基置換低級アルキル基、
4及びR5における「置換されていてもよい飽和異項環基」が、テトラヒドロピラニル、
4及びR5が末端で結合して隣接する窒素原子とともに形成する「置換されていてもよい含窒素飽和異項環基」が、ピロリジニル基、モルホリニル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピロリジニル基、ヒドロキシル基置換ピロリジニル基、チオモルホリニル基、ピペリジル基、ヒドロキシル基置換ピペリジル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペラジニル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペリジル基、低級アルキル基置換ピペラジニル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基置換ピロリジニル基、1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基置換ピペリジル基、オキソピロリジニル基、オキソモルホリニル基、オキソチオモルホリニル基、オキソピペリジル基、オキソピペラジニル基、または低級アルコキシカルボニル基置換ピペリジル基、
Yにおける「飽和異項環基」が、ピペリジル基、
である〔i〕記載の化合物。
〔iii〕環Bが、ハロゲン原子、置換されていてもよい低級アルキル基、水酸基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、置換されていてもよい飽和異項環基で置換されたオキシ基、置換されたカルボニル基、置換されていてもよいアミノ基、ニトロ基、シアノ基、4,5―ジヒドロオキサゾリル基及び式
Figure 2006298910
で表される基から独立して選ばれる1つまたは2つの基で置換されていてもよいベンゼン環である〔ii〕記載の化合物。
〔iv〕環Bの置換基における「置換されていてもよい低級アルキル基」が、
(1)低級アルコキシカルボニル基、
(2)カルボキシル基、
(3)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ低級アルキル基、(c)ヒドロキシ低級アルキル基、(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノアルキル基、及び(e)低級アルコキシ基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、
(4)モルホリニル基置換カルボニル基、
(5)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピペリジルカルボニル基、
(6)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピロリジニルカルボニル基、
(7)ヒドロキシル基置換ピペリジル基で置換されたカルボニル基、
(8)ヒドロキシル基、及び
(9)ピロリジルカルボニル基、
から選ばれる基で置換されていてもよい低級アルキル基であり、
環Bの置換基における「置換されていてもよい低級アルコキシ基」が、
(1)カルボキシル基、
(2)低級アルコキシカルボニル基、
(3)低級アルコキシ基、
(4)ヒドロキシル基、
(5)1〜2個の低級アルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアミノオキシ基、
(6)低級アルコキシ基で置換された低級アルコキシ基、
(7)モルホリニル基、ピペリジル基またはピロリジニル基で置換されたカルボニル基、
(8)ヒドロキシピペリジル基置換カルボニル基、
(9)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピペリジルカルボニル基、
(10)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピロリジニルカルボニル基、
(11)低級アルキルピペラジニル基置換カルボニル基、
(12)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシカルボニル基、及び(c)低級アルカノイル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(13)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ低級アルキル基、(c)ヒドロキシ低級アルキル基、及び(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、及び
(14)式―O―NH―C(=NH)NHで示される基、
から選ばれる基で置換されていてもよい低級アルコキシ基であり、
環Bの置換基における「置換されていてもよい飽和異項環基で置換されたオキシ基」が芳香族炭化水素環基で置換されていてもよい飽和異項環基で置換されたオキシ基であり、
環Bの置換基における「置換されたカルボニル基」が、
(1)低級アルコキシ基、
(2)ヒドロキシル基、
(3)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基、(d)ヒドロキシ低級アルキル基、(e)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、(f)芳香族炭化水素環基で置換された低級アルキル基、及び(g)ピリジル基置換低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(4)モルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基またはチオモルホリニル基、
(5)ヒドロキシピペリジル基、
(6)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペリジル基、
(7)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピロリジニル基、及び
(8)低級アルキルピペラジニル基、
から選ばれる基で置換されたカルボニル基であり、
環Bの置換基における「置換されていてもよいアミノ基」が、
(1)低級アルキル基、
(2)低級アルコキシ低級アルキル基、
(3)ヒドロキシ低級アルキル基、
(4)低級アルカノイル基、
(5)低級アルコキシ低級アルカノイル基、
(6)ヒドロキシ低級アルカノイル基、
(7)低級アルカノイルオキシ基置換低級アルカノイル基、
(8)(a)低級アルキル基、及び(b)低級アルカノイル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルカノイル基、
(9)低級アルコキシカルボニル基、
(10)芳香族炭化水素環基置換低級アルコキシカルボニル基、
(11)1〜2個の低級アルキル基で置換されたカルバモイル基、
(12)低級アルキルスルホニル基、及び
(13)モルホリニル基置換低級アルキルスルホニル基、
から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基である〔iii〕記載の化合物。
〔v〕環Bが非置換ベンゼン環である〔iv〕記載の化合物。
〔vi〕環Zが式:
Figure 2006298910
であり、式:
Figure 2006298910
Figure 2006298910
であり、
がハロゲン原子または低級アルキル基であり、R2
A)水素原子、シアノ基、1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、または水酸基、
B)(1)低級アルコキシカルボニル基、
(2)カルボキシル基、
(3)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ低級アルキル基、(c)ヒドロキシ低級アルキル基、(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ低級アルキル基、及び(e)低級アルコキシ基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、
(4)モルホリニル基置換カルボニル基、
(5)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピペリジルカルボニル基、
(6)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピロリジニルカルボニル基、
(7)ヒドロキシル基置換ピペリジル基で置換されたカルボニル基、
(8)ヒドロキシル基、及び
(9)ピロリジルカルボニル基、
から選ばれる基で置換されていてもよい低級アルキル基、
C)(1)カルボキシル基、
(2)低級アルコキシカルボニル基、
(3)低級アルコキシ基、
(4)ヒドロキシル基、
(5)1〜2個の低級アルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアミノオキシ基、
(6)低級アルコキシ基で置換された低級アルコキシ基、
(7)モルホリニル基、ピペリジル基またはピロリジニル基で置換されたカルボニル基、
(8)ヒドロキシピペリジル基置換カルボニル基、
(9)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピペリジルカルボニル基、
(10)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピロリジニルカルボニル基、
(11)低級アルキルピペラジニル基置換カルボニル基、
(12)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシカルボニル基、及び(c)低級アルカノイル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(13)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ低級アルキル基、(c)ヒドロキシ低級アルキル基、及び(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、及び
(14)式―O―NH―C(=NH)NHで示される基、
から選ばれる基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、または
D)(1)低級アルコキシ基、
(2)ヒドロキシル基、
(3)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基、(d)ヒドロキシ低級アルキル基、(e)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、(f)芳香族炭化水素環基で置換された低級アルキル基、及び(g)ピリジル基置換低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(4)モルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基またはチオモルホリニル基、
(5)ヒドロキシピペリジル基、
(6)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペリジル基、
(7)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピロリジニル基、及び
(8)低級アルキルピペラジニル基、
から選ばれる基で置換されたカルボニル基、
であり、Aが単結合手であり、Rが水素原子である〔iv〕記載の化合物。
〔vii〕R
(1)水素原子、
(2)シアノ基、
(3)1〜2個の低級アルキルで置換されていてもよいアミノ基、
(4)水酸基、
(5)低級アルコキシ基、
(6)低級アルコキシ基で置換された低級アルコキシ基、
(7)ヒドロキシル基で置換された低級アルコキシ基、
(8)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルコキシ基、
(9)低級アルコキシカルボニル基、
(10)カルボキシル基、
(11)(a)低級アルキル基、(b)ヒドロキシ低級アルキル基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基及び(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基置換カルボニル基、
(12)モルホリニルカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基またはチオモルホリニルカルボニル基、
(13)ヒドロキシ低級アルキルで置換されたピペリジルカルボニル基、またはヒドロキシ低級アルキルで置換されたピロリジニルカルボニル基、
(14)低級アルキル基、
(15)低級アルコキシカルボニル基で置換された低級アルキル基、
(16)カルボキシ低級アルキル基、
(17)(a)低級アルキル基、(b)ヒドロキシ低級アルキル基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基及び(d)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基で置換された低級アルキル基、
(18)モルホリニルカルボニル基置換低級アルキル基、
(19)ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピペリジルカルボニル基置換低級アルキル基、またはヒドロキシ低級アルキル基で置換されたピロリジニルカルボニル基置換低級アルキル基、
(20)ヒドロキシ低級アルキル、及び
(21)ピロリジルカルボニル基で置換された低級アルキル基、
から選ばれる基である〔vi〕記載の化合物。
〔viii〕R
(1)水素原子、
(2)(a)低級アルキル基及び(b)低級アルコキシ低級アルキル基から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基置換カルボニル基、
(3)低級アルコキシカルボニル基 、
(4)モルホリニルカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基またはチオモルホリニルカルボニル基、
(5)1〜2個の低級アルキル基で置換されたカルバモイル基で置換された低級アルキル基、
(6)カルボキシ低級アルキル基、
(7)モルホリニルカルボニル基置換低級アルキル基、
(8)ヒドロキシ低級アルキル基、
(9)ピロリジルカルボニル基で置換された低級アルキル基、及び
(10)(a)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ低級アルキル基及び(b)低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル低級アルキル基、
から選ばれる基である〔vi〕記載の化合物。
〔ix〕Rが、
(1)水素原子、
(2)ヒドロキシ低級アルキル基、
(3)カルボキシ低級アルキル基
(4)低級アルコキシ基置換低級アルコキシ基、
(5)(a)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基及び(b)モルホリニル基、から選ばれる基で置換されたカルボニル基、
(6)(a)低級アルコキシ低級アルキル基及び(b)低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されたカルバモイル基、
(7)(a)低級アルコキシ低級アルキル基及び(b)低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されたカルバモイル低級アルキル基、
(8)(a)1〜2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ低級アルキル基及び(b)低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されたカルバモイル基、
(9)(a)1〜2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ低級アルキル基及び(b)低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されたカルバモイル低級アルキル基、
(10)ピロリジルカルボニル基で置換された低級アルキル基、及び
(11)(a)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ低級アルキル及び(b)低級アルキル、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいカルバモイル低級アルキル基、
から選ばれる基である〔vi〕記載の化合物。
〔x〕一般式:
Figure 2006298910
(式中、Xは式:−N=または式:−CH=で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。Rはカルボキシル基の保護基を示す。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
Figure 2006298910
で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)で示される化合物。
〔xi〕一般式:
Figure 2006298910
(式中、Xは式:−N=または式:−CH=で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
Figure 2006298910
で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)で示される化合物。
〔xii〕式:
Figure 2006298910
Figure 2006298910
である〔x〕または〔xi〕記載の化合物。
〔xiii〕環Zが式:
Figure 2006298910
で示される基であり、Rがハロゲン原子であり、Rが水素原子であり、式:
Figure 2006298910
Figure 2006298910

であり、Rが、
(1)低級アルコキシ基、
(2)ヒドロキシル基、
(3)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基、(d)ヒドロキシ低級アルキル基、(e)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、(f)芳香族炭化水素環基で置換された低級アルキル基、及び(g)ピリジル基置換低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(4)モルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基またはチオモルホリニル基、
(5)ヒドロキシピペリジル基、
(6)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペリジル基、
(7)ヒドロキシ低級アルキル基置換ピロリジニル基、及び
(8)低級アルキルピペラジニル基、
から選ばれる基で置換されたカルボニル基であり、
Aが単結合手であり、Yがシクロヘキサンジイル基であり、R及びRが各々低級アルキル基、またはR4及びR5が末端で結合して隣接する窒素原子とともにピロリジニル基、モルホリニル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピロリジニル基、ヒドロキシル基置換ピロリジニル基、チオモルホリニル基、ピペリジル基、ヒドロキシル基置換ピペリジル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペラジニル基、ヒドロキシ低級アルキル基置換ピペリジル基、低級アルキル基置換ピペラジニル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基置換ピロリジニル基、1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基置換ピペリジル基、オキソピロリジニル基、オキソモルホリニル基、オキソチオモルホリニル基、オキソピペリジル基、オキソピペラジニル基、又は低級アルコキシカルボニル基置換ピペリジル基を形成する〔iv〕記載の化合物。
〔xiv〕Rが、
(1)(a)低級アルキル基、(b)低級アルコキシ基、(c)低級アルコキシ低級アルキル基、(d)ヒドロキシ低級アルキル基、(e)1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基、(f)芳香族炭化水素環基で置換された低級アルキル基、及び(g)ピリジル基置換低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、及び
(2)モルホリン−4−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基及びチオモルホリン−4−イル基、
から選ばれる基で置換されたカルボニル基であり、
4及びRが各々低級アルキル基であるか、末端で結合して隣接する窒素原子とともにピロリジン−1−イル基を形成する〔xiii〕記載の化合物。
〔xv〕式:
Figure 2006298910
Figure 2006298910
であり、Rが、
(1)(a)低級アルキル基及び(b)低級アルコキシ低級アルキル基、から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいアミノ基、及び
(2)モルホリン−4−イル基、
から選ばれる基で置換されたカルボニル基である〔xiv〕記載の化合物。
〔xvi〕2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸メチル;
[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−5−イル]酢酸メチル;
−(5−クロロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチル−3−({[トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[(5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタノイル)アミノ]ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸;
−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]−N,N−ジメチルベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;または
トランス−N’−[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキサミド
もしくはそれらの薬理学的に許容しうる塩。
以下、本発明の有効成分化合物[1]につき詳述する。
本明細書中の一般式の定義にいて「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1乃至6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
従って、「低級アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル等が挙げられる。これらの中では炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが一般的である。
また、「低級アルコキシ基」としては、上記低級アルキル基に酸素原子が結合した置換基を意味する。これらの中では炭素数1〜4のもの、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が一般的である。
「低級アルキレン基」としては、例えば、炭素数1から6個の直鎖または分枝鎖状のアルキレンであり、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどがあげられ、このうち、炭素数1から5個のアルキレンが一般的である。
「低級アルカノイル」としては、低級カルボン酸のカルボキシル基からOH基を除いてできる基が挙げられる。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどが一般的である。
「飽和異項環基」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より独立して選択されたヘテロ原子を1〜4個有する飽和環基を意味し、好ましくは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より独立して選択されたヘテロ原子を1〜4個有する4〜14員の飽和複素環式基を意味し、縮合環も含まれる。具体的にはイミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、1,3−ジオキサニル等が挙げられる。このうち、ピペリジル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニルが一般的である。さらに、基Yに用いられる場合には、2価の基として用いる。
「含窒素飽和異項環基」は、ヘテロ原子を1〜4個有する飽和環基を意味し、該環は、窒素原子の他、酸素原子及び/または硫黄原子を有してもよく、好ましくは窒素原子のみをヘテロ原子として有するか、窒素原子および酸素原子をヘテロ原子として有する、4〜14員の飽和複素環式基を意味し、縮合環も含まれる。具体的にはイミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ピロリジニル、オキサゾリジニル等が挙げられる。このうち、ピペリジル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニルが一般的である。
「ハロゲン原子」としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が一般的である。
「シクロアルカンジイル基」としては、3〜7員シクロアルカンジイル基が挙げられ、例えば1,4−シクロヘキサンジイル基が挙げられる。
「芳香族炭化水素環基」としては、フェニル基又はナフチル基を意味する。このうち、フェニル基が一般的である
本発明の有効成分化合物[1]の薬理学的に許容しうる塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、あるいはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マイレン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩、またはアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの金属との塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミンなどの有機塩基との塩、あるいはリジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩などがあげられる。
本発明の有効成分化合物[1]は4級塩とすることもでき、本発明の有効成分化合物は4級塩も包含される。
また、本発明の有効成分化合物[1]は、分子内塩、水和物、溶媒和物や結晶多形のものなども包含される。
また、本発明の有効成分化合物[1]に不斉炭素を有する場合は光学異性体が存在するが、本発明の有効成分化合物[1]は、それら異性体の1つあるいは混合物を包含する。さらに、本発明の有効成分化合物[1]に二重結合あるいは環上に2つ以上の置換基を持ったシクロアルカンジイル基を有する場合は、シス体、トランス体が存在する可能性があり、本発明の有効成分化合物[1]は、それら異性体の1つあるいは混合物を包含する。
また、本発明の有効成分化合物[1]には、前記の化合物のプロドラッグも含まれる。プロドラッグとしては、例えば、化合物[1]におけるアミノ、カルボキシなどの官能基を、通常用いられる保護基を用いて保護したものなどがあげられる。
本発明の有効成分化合物は、以下の方法により製造することができる。
[A法]
本発明の有効成分化合物[1]のうち、Aが単結合手である化合物、即ち、一般式[1−A]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物は、一般式[2]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示されるアミノ化合物と一般式[3−A1]:
HOOC−Y−CO−N(R)(R) [3−A1]
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示されるカルボン酸化合物又はそのカルボキシル基における反応性誘導体とを反応させることにより製することができる。
[B法]
また、化合物[1−A]は、化合物[2]と一般式[3−A2]:
HOOC−Y−COOR [3−A2]
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、他の記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物又はそのカルボキシル基における反応性誘導体とを反応させ、得られる一般式[2−A1]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物のそのカルボキシル基の保護基を除去して一般式[2−A2]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物としたのち、一般式[3−A3]:
HN(R)(R) [3−A3]
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物と反応させることにより製することもできる。
[C法]
本発明の有効成分化合物のうち、Aが式:−NH−で示される基である場合、即ち、一般式[1−B]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物は、前記化合物[2]と一般式[3−B1]:
N−Y−COOR [3―B1]
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物および一般式[3−B2]:
−CO−L [3―B2]
(式中、LおよびLは同一又は異なって、脱離基を意味する)で示される化合物を反応させ、得られる一般式[2−B1]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物のそのカルボキシル基の保護基を除去して一般式[2−B2]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物としたのち、化合物[3−A3]と反応させることにより製することができる。
また、化合物[1]は、必要に応じ、得られた化合物[1−A]および[1−B]の置換基を、適宜、アルキル化反応、還元的アルキル化反応、アミド化反応、スルホニルアミド化反応、還元反応、脱アルキル化反応、加水分解反応、4級アミノ化反応、ホルミル化、アミノ基およびカルボキシル基の保護反応および脱保護反応等により化合物[1]を相互変換することにより製することができる。
[原料製法:化合物[2]の製法]
化合物[2]は、一般式[10]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物のアルデヒド基をシアノ基に変換し、一般式[9]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで、化合物[9]に一般式[8]:
Figure 2006298910
(式中、Lが脱離基であり、Pがカルボキシル基の保護基を意味する)で示される化合物を反応させて、一般式[7]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで、化合物[7]の保護基Pを脱保護し、一般式[6]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで、化合物[6]を、必要に応じ、そのカルボキシル基における反応性誘導体に変換した後、一般式[5]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を反応させて、一般式[4]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、次いで化合物[4]を環化反応に供することにより製することができる。
また、化合物[9]に一般式[12]:
Figure 2006298910
(式中、Lが脱離基であり、他の記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を反応させることにより、化合物[4]を製することができる。
さらに、一般式[13]:
Figure 2006298910
(式中、L5が脱離基であり、他の記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物と一般式[14]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を反応させることにより、化合物[4]を製することができる。
また、化合物[10]は、一般式[11]:
Figure 2006298910
(式中、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物をホルミル化することにより製することができる。
上記[A]法〜[C]法は以下のようにして実施することができる。
[A法]
化合物[2]に[3−A1]で示される化合物又はそのカルボキシル基における反応性誘導体を用いて化合物[1−A]を製する工程は、通常のアミド化法にしたがって実施することができる。すなわち、反応は、化合物[2]に化合物[3−A1]あるいは化合物[3−A1]の反応性誘導体、又はそれらの塩を縮合剤の存在下又は非存在下、必要により脱酸剤の存在下で、適当な溶媒中で実施することができる。縮合剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)あるいはその塩酸塩、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)等、通常の縮合剤を好適に用いることができる。とりわけ、DCC、EDC又はその塩酸塩をより好適に用いることができる。化合物[3−A1]の反応性誘導体としては、例えば、酸ハライド、混合酸無水物、活性エステル等、縮合に常用されるものをいずれも用いることができる。化合物[3−A1]の反応性誘導体への変換に用いることができる活性化剤としては、塩化チオニル、臭化チオニル、オキザリルクロリドの他、1−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のN−ヒドロキシアミン系の化合物およびp−ニトロフェノール等のフェノール系化合物を用いる活性化剤があげられ、塩化チオニル、オキザリルクロリド、1−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を好適に用いることができる。とりわけ、酸クロリド法をより好適に用いることができる。化合物[3−A1]又は化合物[3−A1]の反応性誘導体の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸との塩を用いることができる。また、適用する方法によっては、脱酸剤を用いることができ、脱酸剤としては、無機塩基類又は有機塩基類を用いることができる。本反応は塩基の存在下で又はこれら塩基を溶媒として反応することにより、反応が円滑に進行する場合がある。無機塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類をあげることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等をあげることができる。とりわけ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンを用いて実施するのが好ましい。本反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われ、好ましくは溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒ならびにこれら溶媒と水との組み合わせがあげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン等が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンがより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、氷冷下〜60℃で好適に実施することができる。
[B法]
化合物[2]と化合物[3−A2]又はそのカルボキシル基における反応性誘導体との反応は、化合物[2]と化合物[3−A1]又はそのカルボキシル基における反応性誘導体との反応と同様に実施することができる。化合物[2−A1]のカルボキシル基の保護基の除去は、常法により実施することができる。引き続く化合物[3−A3]との反応は、化合物[2]と化合物[3−A1]との反応と同様に実施することができる。
[C法]
化合物[2]に[3−B1]および[3−B2]で示される化合物を反応させ化合物[2−B1]を製する工程は、通常のカルボニル化法に従って実施することができ、適当な脱酸剤存在下、適当な溶媒中で行うことができる。[3−B2]で示される化合物における脱離基としては、例えばハロゲン原子を好適に用いることができる。また、化合物[3−B2]としては、ホスゲン、トリホスゲン、CDI等をあげることができ、とりわけ、トリホスゲンが好適に用いられる。反応に使用される脱酸剤としては、無機塩基や有機塩基のいずれも用いることができる。無機塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類をあげることができ、有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等をあげることができる。とりわけ、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンを用いて実施するのが好ましい。また、溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ピリジン、2,6−ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ピリジン等が好ましく、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。本反応は、−78℃〜反応混合物の沸点で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点、とりわけ、氷冷下〜室温で好適に実施することができる。
化合物[2−B1]のカルボキシル基の保護基の除去は、常法により実施することができるが、例えば、トリフルオロ酢酸等の酸の存在下加水分解することにより実施できる。引き続く化合物[3−A3]との反応は、化合物[2]と化合物[3−A1]との反応と同様に実施することができる。
また、[A]〜[C]法を実施した後、得られた化合物[1−A]および[1−B]で示される化合物中の置換基中に、さらなる反応が可能な部分が存在する場合(例えば、主にアミンの保護基、アルコール、フェノール性OH、エステル、カルボン酸、ニトロ、ハロゲン等のことを示す)は、必要に応じ、以下の反応等を行い、相互変換することで、所望の化合物[1]を製することができる。
必要に応じて適宜行われる、相互変換のうち、アミド化反応、還元反応、加水分解反応等は、次の通り行うことができる。
アミド化反応は、必要に応じて行われるが、前記化合物[2]と化合物[3−A1]の反応と同様に行うことができる。
また、還元反応は、必要に応じて常法に従って実施することができる。例えば、本反応は、化合物[1]に適当な還元剤、あるいは金属触媒存在下に水素を適当な溶媒中で反応させることにより実施することができる。還元剤としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属還元剤や、亜鉛、鉄、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩を好適に用いることができ、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩をより好適に用いることができる。また、水素添加反応に用いる金属触媒としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、パラジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルト、酸化白金等を好適に用いることができ、ラネーニッケル等の金属をより好適に用いることができる。また、適用する方法によっては、塩酸等の鉱酸の共存下酸性で反応することにより、反応が円滑に進行する場合がある。水素化金属還元剤による反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、水等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。亜鉛、鉄、スズ等の金属あるいは塩化スズ等の金属塩による反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。とりわけ、酢酸エチルあるいは、水、あるいは水とアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒との混合溶媒等が好ましい。金属触媒存在下に水素添加反応に用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒等および必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、−10℃〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
接触水素還元反応で用いる水素の圧力は、通常約1〜約100気圧である。本反応の反応時間は、用いる還元剤や触媒の活性および使用量により異なるが、通常は約10分〜24時間である。
また、加水分解反応は常法により適宜行うことができる。
また、アミノ基およびカルボキシル基の保護反応および脱保護反応は、必要に応じ行われるが、任意の公知の方法を適宜用いることができる。
また、アルキル化反応、還元的アルキル化反応、スルホニルアミド化反応、脱アルキル化反応、4級アミノ化反応、ホルミル化等の化合物[1]を相互変換する方法は任意の公知の方法を適宜用いることができる。
[原料製法:化合物[2]の製法]
(1)化合物[10]のアルデヒド基をシアノ基に変換して、化合物[9]を製する工程は、化合物[10]にギ酸ナトリウムの存在下又は非存在下、ヒドロキシアミン又はその塩酸塩を適当な溶媒中に作用させることにより実施することができる。また、脱水剤を加えてもよい。溶媒としてはギ酸等の低級有機脂肪酸類を用いることができるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、例えば、氷冷下〜反応混合物の沸点、とりわけ、反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
(2)次いで、得られた化合物[9]に化合物[8]を作用させて、化合物[7]を製する工程は、通常のフェノールのO―アルキル化反応により行うことができる。本反応は、適当な塩基の存在下又はこれら塩基を溶媒として、化合物[9]に化合物[8]を適当な溶媒中で作用させることにより実施することができる。化合物[8]における脱離基としては、例えばハロゲン原子を好適に用いることができる。また、化合物[8]におけるカルボキシル基の保護基としては、例えば低級アルキル基、フェニル低級アルキル基を好適に用いることができる。塩基としては、無機塩基や有機塩基塩基のいずれも用いることができ、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、水素化ナトリウム類の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等のアルコキシアルカリ金属類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等を用いることができる。とりわけ、炭酸アルカリ金属類、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いることが好ましい。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられる。とりわけ、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒が好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、とりわけ、氷冷下〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。また、本反応は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化アルカリ金属類を添加してもよく、これにより、反応が円滑に進行する場合がある。
(3)化合物[7]の保護基を除去して化合物[6]を製する工程は、カルボキシル基の脱保護に通常用いられる方法を用いることができる。
(4)化合物[5]に化合物[6]で示される化合物を反応させて化合物[4]を得る工程は、化合物[2]に化合物[3−A1]で示される化合物を反応させる工程と同様に行うことができる。
(5)化合物[4]を環化して化合物[2]で示される化合物を製する工程は、化合物[4]を適当な溶媒中で塩基処理することにより行うことができる。塩基としては、無機塩基や有機塩基塩基のいずれも用いることができ、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等のアルコキシアルカリ金属類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン等を用いることができる。本反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われ、好ましくは溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ルチジン等、および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられる。キシレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、メタノール、ピリジン等が好ましく、とりわけ、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがより好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、とりわけ、氷冷下〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
(6)化合物[9]に化合物[12]を反応させ、化合物[4]製する工程は、塩基の存在下、必要に応じて適当な溶媒中で行うことができる。化合物[12]における脱離基としては、例えばハロゲン原子を好適に用いることができる。本反応に用いる塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基などをあげることができる。無機塩基としては、炭酸アルカリ金属類(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)、炭酸水素アルカリ金属類(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、水酸化アルカリ金属類(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、水素化アルカリ金属類(水素化ナトリウム等)などをあげることができ、また、炭酸セシウムおよびヨウ化ナトリウムの混合物も使用することができる。有機塩基としては、アルコキシアルカリ金属類(ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等)、トリ低級アルキルアミン類(トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)、三級アミン類(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等)、アミン類(N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等)、ピリジン、ルチジン、コリジンなどをあげることができる。とりわけ、炭酸アルカリ金属類、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いることが好ましい。なお、本反応においては、上記塩基を溶媒として用いることもできる。本反応で用いる溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であればいかなるものでもよく、例えば、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、2−ブタノール等)、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2,6−ルチジンなどがあげられ、これら溶媒の2以上の混合溶媒であってもよい。とりわけ、ケトン系溶媒、アミド系溶媒が好ましい。本反応の反応温度は、通常氷冷下から溶媒の還流温度である。本反応の反応時間は通常30分から24時間であり、必要に応じて、これ以上またはこれ以下の時間を適宜選択することができる。また、本反応は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化アルカリ金属類を添加してもよく、これにより、反応が円滑に進行する場合がある。
化合物[13]と化合物[14]との反応は、塩基の存在下、必要に応じて適当な溶媒中で行うことができる。化合物[13]における脱離基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基を好適に用いることができる。本反応で用いる塩基としては、炭酸アルカリ金属類(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等)、水素化アルカリ金属類(水素化ナトリウム等)、アルコキシアルカリ金属類(ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等)が好ましく、とりわけ水素化ナトリウムが好ましい。用いる溶媒としては、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)が好ましく、とりわけN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が好ましい。
また、化合物[11]をホルミル化して化合物[10]を製する工程は、必要に応じて常法に従って実施することができ、例えば、ダフ反応、ガッターマン−コッホ反応、ビルスマイヤー反応、等の方法に従ってホルミル化剤を適当な溶媒中で反応させることにより実施することができる。ダフ反応で用いることができるホルミル化剤としては、通常に用いられるものであれば特に制限はないが、ヘキサメチレンテトラミン等を好適に用いることができる。溶媒としては、反応に支障をきたさない不活性溶媒であれば制限がなく、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、水および、必要に応じてこれら溶媒の二種類又はそれ以上の混合溶媒があげられるが、適用する方法に応じ適宜選択するのが好ましい。本反応は、冷却下〜加熱下で幅広く実施することができ、とりわけ、−78℃〜反応混合物の沸点で好適に実施することができる。
このようにして得られる本発明の有効成分化合物は再結晶法、カラムクロマト法などの有機合成化学の分野における公知の方法により単離精製することができる。
本発明の有効成分化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩は、優れたFXa阻害作用を有することから、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモットなど)に対して、血栓ならびに塞栓によって引き起こされる各種疾患、例えば、安定狭心症、不安定狭心症、脳血栓、脳梗塞、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血後の脳血管れん縮等の虚血性脳血管障害、冠動脈血栓形成による虚血性心疾患、うっ血性慢性心不全、心筋梗塞、急性心筋梗塞、肺梗塞、肺塞栓、肺血管障害、エコノミークラス症候群、腎疾患(糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症等)、アテローム硬化症を伴った血栓形成、末梢動脈閉塞症、末梢静脈閉塞症、バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、人工血管術後または人工弁あるいは関節置換後の血栓形成、間欠性跛行、経皮的経管式冠動脈形成術(PTCA)あるいは経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)等の血行再建後の血栓形成および再閉塞、全身性炎症性反応症候群(SIRS)、多臓器不全(MODS)、体外循環時の血栓形成、採血時の血液凝固、糖尿病性循環障害、移植時の拒絶反応、移植時の臓器保護あるいは機能改善などの予防または治療に有用である。
また、本発明の有効成分化合物は、優れたFXa阻害作用を有すると同時に、毒性が軽減され、既存抗凝固薬の副作用(出血など)がほとんどみられない特徴を有する。
また、分布容積(体内薬物量/血中濃度)が小さいFXa阻害剤は、リン脂質症や肝毒性等の副作用を実質的に示さない。従って、分布容積が小さいFXa阻害剤、特に分布容積が0.1〜3.0L/kgで、FXa阻害作用(IC50)が100nM以下のFXa阻害剤は、リン脂質症や肝毒性等の副作用を実質的に示さず、血栓症治療薬として有用である。
本発明の有効成分化合物[1]またはその薬理学的に許容しうる塩は、当該化合物の治療上有効量および薬理学的に許容される担体からなる医薬組成物に製剤化することができる。薬理学的に許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
本発明の有効成分化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩は、経口的または非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤として用いることができる。経口的に投与する場合の適当な医薬製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの固体製剤、あるいは溶液製剤、懸濁製剤または乳化製剤などが挙げられる。非経口的に投与する場合の適当な医薬製剤としては、坐剤、注射用蒸留水、生理食塩水またはブドウ糖水溶液などを用いた注射剤または点滴製剤、あるいは吸入剤等が挙げられる。
本発明の有効成分化合物[1]またはその薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態或いは疾患の種類・程度によっても異なるが、通常、1日当り約0.1〜50mg/kg、とりわけ約0.1〜30mg/kg程度とするのが好ましい。
以下、本発明を実験例、調製例および参考例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実験例1:FXa阻害作用
200mM塩化ナトリウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンを含む100mMのTris緩衝液(pH8.4)に発色基質S−2222を0.625mM(終濃度0.5mM)となる様に溶解した基質溶液200μlに、10%ジメチルスルホキシドを含む緩衝液に溶解した被検化合物溶液25μlを添加した。対照群には被検化合物溶液の代わりに10%ジメチルスルホキシドを含む緩衝液25μlを添加した。37℃で3分間予備加温後、緩衝液に溶解した0.5U/mlのヒトFXa(Enzyme Research Laboratories, Inc.)を25μl添加(終濃度0.05U/ml)し、反応を開始した。37℃での5分間の反応下、405nmの吸光度を96ウェルマイクロプレートリーダー(SpectraMAX250, Molecular Devices)にて持続的に測定し、吸光度の増加をFXa活性の指標とした。被験化合物のFXa阻害活性を評価するために、対照群に対して被検化合物がFXa活性を50%阻害する濃度(IC50値)を解析ソフト(GraphPad Prism, GraphPad Software, Inc.)を用いて算出した。その結果を以下に示す。
Figure 2006298910
Figure 2006298910
実験例2:抗血栓作用
<ラット静脈血栓モデルにおける抗血栓作用>
静脈血栓モデルの被験動物として7週齢の雄性Wistar系ラット(日本チャールズリバー)を用いて、Eur. J. Pharmacol., 330, 151 (1997)に準じて血流のうっ滞と過凝固状態の組み合わせによって、腹部下行大静脈内に血栓を惹起した。被検化合物は0.1%Nikkol HCO-60(日光ケミカルズ)水溶液に溶解もしくは懸濁し、経口胃ゾンデを用いて経口投与(10ml/kg)した。対照群には被検化合物の代わりに0.1%Nikkol HCO-60水溶液のみを同様に投与した。被検化合物投与後、被検化合物の血中濃度がピークに達する時点から血栓形成惹起を開始し、15分後に形成された血栓を取り出し、その乾燥重量を秤量した。抗血栓作用は以下の式によって算出した。
血栓重量減少率(%)={1−被検化合物群の血栓重量/対照群の血栓重量}×100
また、血栓重量を50%減少させる用量としてED50値を解析ソフト(GraphPad Prism, GraphPad Software, Inc.)を用いて算出した。その結果を以下に示す。
<ラット動脈血栓モデルにおける抗血栓作用>
動脈血栓モデルの被験動物として8週齢の雄性Wistar系ラット(日本チャールズリバー)を用いて、Jpn. J. Pharmacol., 68, 397 (1995)に準じて4時間の直流通電によって腹部大動脈内へ血栓を惹起した。被検化合物は0.1%Nikkol HCO-60(日光ケミカルズ)水溶液に溶解もしくは懸濁し、経口胃ゾンデを用いて経口投与(10ml/kg)した。対照群には被検化合物の代わりに0.1%Nikkol HCO-60水溶液のみを同様に投与した。被検化合物投与後、被検化合物の血中濃度がピークに達する時点において通電を実施し、通電4時間後に形成された血栓を取り出し、その湿重量を秤量した。抗血栓作用は以下の式によって算出した。
血栓重量減少率(%)={1−被検化合物群の血栓重量/対照群の血栓重量}×100
また、血栓重量を50%減少させる用量としてED50値を解析ソフト(GraphPad Prism, GraphPad Software, Inc.)を用いて算出した。その結果を以下に示す。
Figure 2006298910
調製例1
2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸メチル
Figure 2006298910
参考例1で得られたトランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキサンカルボン酸910mgを塩化チオニル10mlに溶解し、室温にて17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、クロロホルム6mlに溶解し、氷冷下、参考例78で得られた3−アミノ−5−メトキシカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド1.21gのピリジン10ml懸濁液に滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻し19時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物1.40gを得た。APCI−MS M/Z:527/529[M+H]
調製例2
[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−5−イル]酢酸メチル
Figure 2006298910
参考例2で得られたトランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸1.03gを塩化チオニル10mlに溶解し、室温にて17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、クロロホルム6mlに溶解し、氷冷下、参考例79で得られた3−アミノ−5−メトキシカルボニルメチル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド1.26gのピリジン10ml懸濁液に滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻し19時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物1.78gを得た。APCI−MS M/Z:567/569[M+H]
調製例3
−(5−クロロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチル−3−({[トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド
Figure 2006298910
参考例3で得られたトランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸109mgを塩化チオニル5mlに溶解し、室温にて19時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣をクロロホルム4mlに溶解し、氷冷下、参考例128で得られた3−アミノ−5−ジメチルアミノカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド104mgを加えた。さらにピリジン4mlを加えた後、反応液を室温に戻し20時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)にて精製し、表題化合物81mgを得た。APCI−MS M/Z:582/584[M+H]
調製例4
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[(5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタノイル)アミノ]ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例6で得られた5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタン酸120mgをクロロホルム3mlに溶解し、氷冷下、ピリジン97μlおよび塩化チオニル39μlを加え、室温にて0.5時間攪拌した。得られた反応液を氷冷し、参考例80で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド86mgおよびピリジン2mlを加えた後、反応液を室温に戻し1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)にて精製し、表題化合物125mgを得た。APCI−MS M/Z:471/473[M+H]
調製例5
2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸
Figure 2006298910
調製例1で得られた2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸メチル1.35gをテトラヒドロフラン−メタノール(4:1)20mlに懸濁し、水酸化ナトリウム205mgを水5mlに溶解した溶液を加えた後、室温に戻し18時間攪拌する。反応液を減圧下濃縮し、氷水を注いだ後、10%塩酸を加え酸性とした。析出物を濾取し、水で洗浄後、乾燥し、表題化合物1.23gを得た。ESI−MS M/Z:511/513[M−H]
調製例6
−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]−N,N−ジメチルベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド
Figure 2006298910
調製例5で得られた2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸200mgをクロロホルム−ピリジン(1:3)8mlに懸濁し、氷冷下、塩酸ジメチルアミン64mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール79mgおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド112mgを順次加えた後、室温にて17時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した後、得られた残渣をエタノール−ジエチルエーテルに懸濁した。析出物を濾取後、乾燥し、表題化合物176mgを得た。APCI−MS M/Z:540/542[M+H]
調製例7
トランス−N'−[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキサミド
Figure 2006298910
調製例5で得られた2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸200mgをクロロホルム−ピリジン(1:3)8mlに懸濁し、氷冷下、モルホリン68mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール79mgおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド112mgを順次加えた後、室温にて17時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した後、得られた残渣をエタノール−ジエチルエーテルに懸濁した。析出物を濾取後、乾燥し、表題化合物174mgを得た。APCI−MS M/Z:582/584[M+H]
調製例8
トランス−N'−(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキサミド
Figure 2006298910
(1)塩化チオニル30mlに氷冷下、参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸2.79gを加え、室温にて17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、クロロホルム50mlに溶解し、氷冷下、参考例80で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド2.88gおよびピリジン20mlを順次加えた。反応液を室温に戻し2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、トランス−4−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸メチル3.32gを得た。APCI−MS M/Z:456/458[M+H]
(2)調製例8(1)で得られたトランス−4−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸メチル300mgをテトラヒドロフラン−メタノール(4:1)10mlに懸濁し、10%水酸化ナトリウム水溶液1mlを加えた後、室温に戻し17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、氷水を注いだ後、10%塩酸を加え酸性とした。析出物を濾取し、水で洗浄後、乾燥し、トランス−4−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸270mgを得た。ESI−MS M/Z:440/442[M−H]
(3)調製例8(2)で得られたトランス−4−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸176mgをピリジン8mlに懸濁し、氷冷下、塩酸ジメチルアミン65mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール108mgおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド153mgを順次加えた後、室温にて19時間撹拌した。反応液に氷水を注ぎ、析出物を濾取した。得られた析出物をクロロホルムに溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣をn−ヘキサンに懸濁後、析出物を濾取し、表題化合物137mgを得た。APCI−MS M/Z:469/471[M+H]
調製例9
5−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−5−オキソペンタン酸
Figure 2006298910
(1)グルタル酸モノメチル3.32gをクロロホルム50mlに溶解し、室温にて塩化チオニル1.75mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド1滴を加えた。同温にて1.5時間撹拌した後、反応液を氷冷し、参考例80で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド5.00gおよびピリジン7.0mlを加えた。室温にて2.5時間攪拌した後、反応液を5%塩酸へ注下し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁後、析出物を濾取し、5−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−5−オキソペンタン酸メチル6.16gを得た。APCI−MS M/Z:416/418[M+H]
(2)調製例9(1)で得られた5−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−5−オキソペンタン酸メチル4.44gをメタノール50mlに懸濁し、氷冷下2規定水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、室温にて2時間撹拌した。メタノールを減圧下留去した後、残渣を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。分離した水層を、氷冷下10%塩酸を用いて酸性にし、析出物を濾取した。得られた固体を、水、エタノール、ジエチルエーテルで順次洗浄後、乾燥し、表題化合物3.99gを得た。ESI−MS M/Z:400/402[M−H]
調製例10
6−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−6−オキソヘキサン酸
Figure 2006298910
(1)アジピン酸モノメチル2.55gをクロロホルム35mlに溶解し、室温にて塩化チオニル1.25mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド2滴を加えた。同温にて3時間20分間撹拌した後、参考例80で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド3.50gおよびピリジン5.0mlを加えた。室温にて14.5時間攪拌した後、反応液へ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁後、析出物を濾取し、6−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−6−オキソヘキサン酸メチル4.72gを得た。APCI−MS M/Z:430/432[M+H]
(2)調製例10(1)で得られた6−[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]−6−オキソヘキサン酸メチル4.30gをメタノール5mlに懸濁し、室温にて2規定水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、室温にて4時間、50℃にて2時間撹拌した。反応液を水で希釈した後、氷冷下10%塩酸を用いて酸性にし、析出物を濾取、乾燥して表題化合物3.54gを得た。ESI−MS M/Z:414/416[M−H]
調製例11
N−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}−β−アラニン
Figure 2006298910
(1)β−アラニン t−ブチル・塩酸塩3.00gをクロロホルム30mlに懸濁し、氷冷下トリホスゲン1.99gを加え、続いて同温にて、ピリジン7.0mlを7分間かけて滴下した。同温にて20分間撹拌した後、反応液に参考例80で得られた3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド3.07gおよびピリジン7.0mlを加え、3時間40分間加熱還流した。室温まで放冷した反応液へ5%塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をクロロホルム−ジイソプロピルエーテルに懸濁後、析出物を濾取し、N−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}−β−アラニン t−ブチル2.96gを得た。APCI−MS M/Z:459/461[M+H]
(2)調製例11(1)で得られたN−{[(2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}ベンゾフラン−3−イル)アミノ]カルボニル}−β−アラニン t−ブチル1.71gをトリフルオロ酢酸15mlに溶解し、室温にて1時間45分間撹拌した。反応液を約半分になるまで減圧濃縮後、残渣へジイソプロピルエーテルを加え、析出物を濾取し、表題化合物1.57gを得た。ESI−MS M/Z:401/403[M−H]
調製例12〜17
参考例で得られたアミノ化合物とカルボン酸を調製例1、調製例2、調製例3、あるいは調製例4と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
Figure 2006298910
Figure 2006298910
調製例18〜22
対応するカルボン酸エステルを調製例5と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
Figure 2006298910
調製例23〜42
対応するカルボン酸を対応するアミノ化合物と調製例6と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
Figure 2006298910
Figure 2006298910
Figure 2006298910










Figure 2006298910
調製例43
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
調製例2で得られた[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−5−イル]酢酸メチル113mgをテトラヒドロフラン−エタノール(6:1)7mlに懸濁し、水素化ホウ素リチウム13mgを加えた後、室温にて4時間攪拌した。反応液に氷冷下10%塩酸を注ぎ、室温にて数分間攪拌した。続いて、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)にて精製した後、得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁した。析出物を濾取後、乾燥し、表題化合物28mgを得た。APCI−MS M/Z:539/541[M+H]
調製例44
対応するカルボン酸エステルを調製例43と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。

























Figure 2006298910
調製例45〜92
調製例8(2)及び調製例9〜11で得られたカルボン酸を対応するアミノ化合物と調製例8(3)と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
































Figure 2006298910














Figure 2006298910








Figure 2006298910










Figure 2006298910
Figure 2006298910
Figure 2006298910
Figure 2006298910










Figure 2006298910
Figure 2006298910
Figure 2006298910
Figure 2006298910







Figure 2006298910
調製例93〜95
参考例で得られたアミノ化合物とカルボン酸を調製例1と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
Figure 2006298910
調製例96〜98
対応するカルボン酸エステルを調製例5と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。
Figure 2006298910
調製例99〜123
対応するカルボン酸を対応するアミノ化合物と調製例6と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得た。














Figure 2006298910






Figure 2006298910








Figure 2006298910







Figure 2006298910







Figure 2006298910










Figure 2006298910








Figure 2006298910
調製例124〜125
対応するアミノ化合物とカルボン酸を調製例1と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得る。
Figure 2006298910
調製例126〜127
対応するカルボン酸エステルを調製例5と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得る。
Figure 2006298910
調製例128〜143
対応するカルボン酸を対応するアミノ化合物と調製例6と同様の方法で処理することにより、以下の表記載の化合物を得る。
Figure 2006298910









Figure 2006298910






Figure 2006298910









Figure 2006298910






Figure 2006298910
参考例1
トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2006298910
(1)−30℃冷却下、メタノール1500mlに塩化チオニル254mlを約1時間かけて滴下した。終了後、室温にて0.5時間攪拌した後、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸500.0gを加え室温にて17時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をクロロホルムで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサンにて結晶化した後、濾取、乾燥し、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメチル545.0gを得た。APCI−MS M/Z:201[M+H]
(2)参考例1(1)で得られたトランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメチル150.0gをテトラヒドロフラン1500mlに溶解し、氷冷下、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液149gと水13.2gの混合溶液を滴下した。反応液を室温に戻し3.5時間攪拌した後、n−ヘキサン1500mlを注ぎ、析出物を濾取した。得られた固体を氷冷下、濃塩酸50ml、水450ml、およびクロロホルム1000mlの混合溶液に加え、室温にて20分間攪拌後、クロロホルム層を分取し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサンにて結晶化した後、濾取、乾燥し、トランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸106.0gを得た。ESI−MS M/Z:185[M−H]
(3)参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸20.0gをクロロホルム200mlに溶解し、氷冷下、塩酸ジメチルアミン10.5g、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド24.7g、およびトリエチルアミン26.0gを加え、室温にて17時間攪拌した。反応液に氷水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムに続き、クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製し、トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキサンカルボン酸メチル20.1gを得た。APCI−MS M/Z:214[M+H]
(4)参考例1(3)で得られたトランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキサンカルボン酸メチル20.0gをメタノール100mlに溶解し、水酸化ナトリウム7.50gを水40mlに溶解した溶液を加え、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を氷水で希釈後、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた水層を10%塩酸で酸性とした後、クロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮し得られた残渣をn−ヘキサンに懸濁後濾取し、表題化合物15.7gを得た。ESI−MS M/Z:198[M−H]
参考例2
トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2006298910
(1)参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸20.0gをクロロホルム200mlに溶解し、氷冷下、ピロリジン9.2g、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド24.7g、およびトリエチルアミン13.6gを加え、室温にて17時間攪拌した。反応液に氷水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムに続き、クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製し、トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル11.8gを得た。APCI−MS M/Z:240[M+H]
(2)参考例2(1)で得られたトランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル11.7gをメタノール50mlに溶解し、水酸化ナトリウム3.95gを水20mlに溶解した溶液を加え、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を氷水で希釈後、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた水層を10%塩酸で酸性とした後、クロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣をn−ヘキサンに懸濁後濾取し、表題化合物10.1gを得た。ESI−MS M/Z:224[M−H]
参考例3
トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2006298910
(1)参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸800mgをクロロホルム30mlに溶解し、氷冷下、モルホリン560mg、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド1.24g、およびトリエチルアミン650mgを加え、室温にて19時間攪拌した。反応液に氷水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムに続き、クロロホルム/メタノール=30/1)にて精製し、トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル897mgを得た。APCI−MS M/Z:256[M+H]
(2)参考例3(1)で得られたトランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル860mgをメタノール40mlに溶解し、4規定水酸化ナトリウム水溶液1.68mlを加え、室温にて18時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を氷水で希釈後、10%塩酸で中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮し、表題化合物638mgを得た。ESI−MS M/Z:240[M−H]
参考例4
トランス−4−{[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2006298910
(1)参考例1(2)で得られたトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸8.84gをクロロホルム100mlに溶解し、氷冷下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール7.14g、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド10.00g、およびN,N,N’−トリメチルエチレンジアミン5.33gを加え、室温にて4時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水=200/10/1)にて精製し、トランス−4−{[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸メチル11.98gを得た。APCI−MS M/Z:271[M+H]
(2)参考例4(1)で得られたトランス−4−{[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキサンカルボン酸メチル6.32gをメタノール20mlに溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液25mlを加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に1規定塩酸25mlを加えた後、反応液を減圧下濃縮した。残渣を凍結乾燥し、等モルの食塩を含む粗体として、表題化合物6.71gを得た。APCI−MS M/Z:257[M+H]
参考例5
6−モリホリン−4−イル−6−オキソヘキサン酸
Figure 2006298910
(1)アジピン酸モノメチル3.20gをクロロホルム70mlに溶解し、氷冷下、モルホリン2.61g、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド5.75g、およびトリエチルアミン3.04gを加え、室温にて19時間攪拌した。反応液に氷水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、6−モリホリン−4−イル−6−オキソヘキサン酸メチル4.63gを得た。APCI−MS M/Z:230[M+H]
(2)参考例5(1)で得られた6−モリホリン−4−イル−6−オキソヘキサン酸メチル4.60gをメタノール20mlに溶解し、水酸化ナトリウム1.61gを水8mlに溶解した溶液を加え、室温にて19時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣を2規定塩酸で中和した。残渣を減圧下濃縮後、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮し、表題化合物4.11gを得た。ESI−MS M/Z:214[M−H]
参考例6
5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタン酸
Figure 2006298910
グルタル酸無水物1.14gをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、モルホリン0.87gを加え、室温にて19時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣をクロロホルムで希釈し、10%塩酸で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、表題化合物1.05gを得た。ESI−MS M/Z:200[M−H]
参考例7:3−ホルミル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル
Figure 2006298910
4−ヒドロキシ安息香酸メチル1.52gをトリフルオロ酢酸20mlに溶解し、ヘキサメチレンテトラミン700mgを加え、2時間加熱環流した。反応液を減圧下濃縮し、氷水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解後、不溶物を濾去した。濾液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、表題化合物540mgを得た。ESI−MS M/Z:179[M−H]
参考例8:(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル
Figure 2006298910
(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル1.66gをトリフルオロ酢酸20mlに溶解し、ヘキサメチレンテトラミン700mgを加え、2時間加熱環流した。反応液を減圧下濃縮し、氷水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1に続き4/1)にて精製し、表題化合物1.08gを得た。ESI−MS M/Z:193[M−H]
参考例9−10
対応原料化合物を参考例7、あるいは参考例8と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
参考例11:3−シアノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル
Figure 2006298910
参考例7で得られた3−ホルミル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル28.60gをギ酸120mlに溶解し、塩化ヒドロキシルアンモニウム14.30gを加え、15時間加熱環流した。反応液を減圧下濃縮後、酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、表題化合物24.25gを得た。ESI−MS M/Z:176[M−H]
参考例12:(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル
Figure 2006298910
参考例8で得られた(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル1.05gをギ酸15mlに溶解し、塩化ヒドロキシルアンモニウム0.49gおよびギ酸ナトリウム0.81gを加え、8時間加熱環流した。反応液を減圧下濃縮後、酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、表題化合物520mgを得た。ESI−MS M/Z:190[M−H]
参考例13−25
対応原料化合物を参考例11、あるいは参考例12と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910






Figure 2006298910








Figure 2006298910
参考例26:2−(4−メトキシカルボニル−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
(1)塩化クロロアセチル95.5mlをジクロロメタン500mlに溶解し、氷冷下2−アミノ−5−クロロピリジン128.6gおよびトリエチルアミン169mlのジクロロメタン1000ml懸濁液を滴下した後、反応液を室温に戻し0.5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、氷水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、活性炭で処理した。不溶物を濾去後、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁した。析出物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥し、2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド153.4gを得た。APCI−MS M/Z:205/207[M+H]
(2)参考例11で得られた3−シアノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル500mgをアセトン25mlに溶解し、参考例26(1)で得られた2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド695mg、炭酸カリウム546mgおよびヨウ化ナトリウム550mgを加え、2時間加熱環流した。放冷後、不溶物を濾去し、さらに不溶物をアセトンで数回洗浄した。濾液および洗浄液を合わせて減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルムに続き、クロロホルム/酢酸エチル=4/1)にて精製した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁した後、析出物を濾取し、表題化合物660mgを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例27:2−[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例12で得られた(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル500mgをアセトン25mlに溶解し、参考例26(1)で得られた2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド640mg、炭酸セシウム1.20gおよびヨウ化ナトリウム510mgを加え、5時間加熱環流した。放冷後、不溶物を濾去し、さらに不溶物をアセトンで数回洗浄した。濾液および洗浄液を合わせて減圧下濃縮後、残渣に水を注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル/クロロホルム=3/1/1)にて精製した。得られた残渣をジエチルエーテル−n−ヘキサンに懸濁した後、析出物を濾取し、表題化合物570mgを得た。APCI−MS M/Z:360/362[M+H]
参考例28−29
対応原料化合物を参考例26、あるいは参考例27と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
参考例30:(2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル
Figure 2006298910
2−シアノフェノール107.1gをアセトン1000mlに溶解し、ブロモ酢酸t−ブチル200.0gを加えた。さらに、炭酸カリウム141.6gを加えた後、反応液を2時間加熱還流した。放冷後、不溶物を濾去し、不溶物をアセトンで数回洗浄した。濾液および洗浄液を合わせて減圧下濃縮し、ジイソプロピルエーテルにて共沸操作を行なった。得られた残渣をn−ヘキサン−ジイソプロピルエーテル(5/1)600mlにて結晶化後、氷冷下攪拌した。析出物を濾取し、冷n−ヘキサン−ジイソプロピルエーテル(10/1)600mlで数回洗浄後、乾燥し、表題化合物194.5gを得た。APCI−MS M/Z:251[M+NH4]
参考例31−42
対応原料化合物を参考例30と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
Figure 2006298910
参考例43:(2−シアノフェノキシ)酢酸
Figure 2006298910
参考例30で得られた(2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル300.0gをジクロロメタン400mlに溶解し、トリフルオロ酢酸990mlを加え、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル100mlに懸濁後、ジイソプロピルエーテル500mlを注いだ。析出物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで数回洗浄後、乾燥し、198.4gを得た。ESI−MS M/Z:176[M−H]
参考例44−55
対応原料化合物を参考例43と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910






















Figure 2006298910
Figure 2006298910
参考例56:[4−(N−ベンジルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)−2−シアノフェノキシ]酢酸
Figure 2006298910
(1)参考例35で得られた2−(4−ニトロ−2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル500mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、10%パラジウム−炭素100mgを加え、常圧水素雰囲気下、2時間攪拌した。不溶物を濾去後、濾液を減圧下濃縮し、(4−アミノ−2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル440mgを得た。APCI−MS M/Z:249[M+H]
(2)参考例56(1)で得られた(4−アミノ−2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル430mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えた後、氷冷下、クロロ炭酸ベンジル355mgを加えた。反応液を氷冷下、1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1に続き、3/1)にて精製し、(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル540mgを得た。APCI−MS M/Z:383[M+H]
(3)参考例56(2)で得られた(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−シアノフェノキシ)酢酸t−ブチル100mgをN,N−ジメチルホルムアミド3mlに溶解し、60%油性水素化ナトリウム12.5mgを加えた。室温にて20分間攪拌後、ヨウ化メチル24.4μlを滴下し、さらに1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1に続き、3/1)にて精製し、[4−(N―ベンジルオキシカルボニル−N―メチルアミノ)−2−シアノフェノキシ]酢酸t−ブチル91mgを得た。APCI−MS M/Z:414[M+NH4]
(4)参考例56(3)で得られた[4−(N―ベンジルオキシカルボニル−N―メチルアミノ)−2−シアノフェノキシ]酢酸t−ブチル2.42gを参考例43と同様の方法で処理することにより、表題化合物2.06gを得た。ESI−MS M/Z:339[M−H]
参考例57:(2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例43で得られた(2−シアノフェノキシ)酢酸48.63gをジクロロメタン1000mlに溶解し、オキサリルクロリド26.34mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド10滴を加え、室温にて3.5時間攪拌した。反応液を氷冷し、2−アミノ−5−クロロピリジン32.08gを加えた後、ピリジン60.54mlを加えた。5分後、反応液を室温に戻し、一晩攪拌した。反応液に氷水を加え、さらに、10%塩酸を加え、pHを約4とした後、反応液をクロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をクロロホルム−酢酸エチルに懸濁した後、析出物を濾取し、(2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド51.58gを得た。さらに、濾液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)にて精製し、11.50gを得た。APCI−MS M/Z:288/290[M+H]
参考例58−72
対応原料化合物を参考例57と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
Figure 2006298910








Figure 2006298910







Figure 2006298910
参考例73:(2−シアノフェノキシ)−N−(4−クロロフェニル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例43で得られた(2−シアノフェノキシ)酢酸30.00gをN,N−ジメチルホルムアミド300mlに溶解し、4−クロロアニリン25.9g、4−ジメチルアミノピリジン22.7gおよび塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド35.6gを順次加え、室温にて3時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル−テトラヒドロフランで希釈した。水、5%塩酸、水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁した後、析出物を濾取し、表題化合物44.00gを得た。APCI−MS M/Z:287/289[M+H]
参考例74−77
対応原料化合物を参考例73と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
参考例78:3−アミノ−5−メトキシカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例26で得られた2−(4−メトキシカルボニル−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド1.73gをN,N−ジメチルアセトアミド15mlに溶解し、炭酸ナトリウム160mgを加え、100℃で2時間攪拌した。放冷後、反応液に氷水を注ぎ、析出物を濾取した。水、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテルにて順次洗浄後、乾燥し、表題化合物1.20gを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例79:3−アミノ−5−メトキシカルボニルメチル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例27で得られた2−[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド500mgをN,N−ジメチルアセトアミド15mlに溶解し、炭酸ナトリウム74mgを加え、100℃で16時間攪拌した。放冷後、反応液に氷水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル/クロロホルム=3/1/1)にて精製した後、ジエチルエーテル−n−ヘキサンに懸濁後、析出物を濾取し、表題化合物180mgを得た。APCI−MS M/Z:360/362[M+H]
参考例80:3−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例57で得られた(2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド150.00gをN,N−ジメチルアセトアミド1500mlに溶解し、炭酸ナトリウム60.8gを加え、70℃にて7時間攪拌した。放冷後、反応液を氷水中に注ぎ析出物を濾取し、水で数回洗浄した。得られた析出物を酢酸エチルに溶解し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を活性炭処理した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテル−酢酸エチルに懸濁した。析出物を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄後、乾燥し、表題化合物119.33gを得た。APCI−MS M/Z:288/290[M+H]
参考例81−102
対応原料化合物を参考例78、参考例79、あるいは参考例80と同様の方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910







































Figure 2006298910







Figure 2006298910
Figure 2006298910
参考例103:(2−シアノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例65で得られた(2−シアノ−4−メトキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド40.0gのジクロロメタン2000ml懸濁液へ、−58℃にて三臭化ホウ素173gを40分かけて滴下した。内温を−20℃から0℃に保ちながら26時間攪拌した後、反応液を氷水へ注いだ。析出する固体を濾取、水洗した後、減圧下乾燥した。得られた固体37.2gのうち24.3gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=50/1〜10/1)にて精製し、表題化合物17.0gを得た。APCI−MS M/Z:304/306[M+H]
参考例104:3−アミノ−5−ヒドロキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例103で得られた(2−シアノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド321mgを参考例79と同様な方法で処理することにより、表題化合物274mgを得た。APCI−MS M/Z:304/306[M+H]
参考例105:(4−t−ブトキシカルボニルメトキシ−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例103で得られた(2−シアノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド5.75gをアセトン160mlに溶解し、炭酸セシウム8.08g、ブロモ酢酸t−ブチル4.58g、およびヨウ化ナトリウム3.64gを加えた。反応液を8時間加熱還流後、炭酸セシウム1.89g、ブロモ酢酸t−ブチル840μl、およびヨウ化ナトリウム875mgを追加し、さらに14時間加熱還流した。放冷後、反応液を氷水に注ぎ、10%塩酸にてpH1〜2とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1に続き、2/1、さらに1/1)にて精製後、さらにNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1に続き、1/1)にて精製し、表題化合物4.02gを得た。APCI−MS M/Z:418/420[M+H]
参考例106:3−アミノ−5−t−ブトキシカルボニルメトキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例105で得られた(4−t−ブトキシカルボニルメトキシ−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド8.18gを参考例79と同様な方法で処理することにより、表題化合物5.72gを得た。APCI−MS M/Z:418/420[M+H]
参考例107:3−アミノ−5−(2−メトキシエトキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
(1)参考例103で得られた(2−シアノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド100mgをテトラヒドロフランに溶解し、2−メトキシエタノール9.30mlおよびトリフェニルホスフィン31.0gを加えた後、氷冷下、アゾジカルボン酸ジエチル22.2mlを滴下した。反応液を室温に戻し17時間攪拌した後、減圧下濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを注ぎ、不溶物を濾去後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=10/1)にて精製し、粗体として[4−(2−メトキシエトキシ)−2−シアノフェノキシ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド71.48gを得、これ以上精製することなく次の反応に用いた。APCI−MS M/Z:362/364[M+H]
(2)参考例107(1)で得られた[4−(2−メトキシエトキシ)−2−シアノフェノキシ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミドを含む粗体71.48gを参考例78と同様な方法で処理することにより、表題化合物24.40gを得た。APCI−MS M/Z:362/364[M+H]
参考例108−112
参考例103で得られた(2−シアノ−4−ヒドロキシフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミドと対応するアルコールを参考例101と同様な方法で処理することにより、以下の化合物を得た。





















Figure 2006298910
Figure 2006298910
参考例113:(2,4−ジシアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
4−ニトロベンゾニトリル3.02gとシアン化カリウム2.02gをジメチルスルホキシド100mlに溶解し、100℃にて1時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、炭酸カリウム1.49g、参考例26(1)で得られた2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド10.42g、およびヨウ化ナトリウム8.76gを加え、60℃にて4.5時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、析出する固体を濾取、水洗、風乾した。得られた固体を酢酸エチルに溶解、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1から1/1)にて精製した後、得られた残渣を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルに懸濁した。析出物を濾取後、乾燥し、表題化合物2.81gを得た。APCI−MS M/Z:313/315[M+H]
参考例114:3−アミノ−5−シアノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例113で得られた(2,4−ジシアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド1.02gを参考例79と同様な方法で処理することにより、表題化合物0.96gを得た。APCI−MS M/Z:313/315[M+H]
参考例115:(3−クロロ−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
(1)参考例26(1)で得られた2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド30.68gをN,N−ジメチルホルムアミド500mlに溶解し、酢酸ナトリウム24.55gを加え、60℃で5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、活性炭処理し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をn−ヘキサンに懸濁後、結晶を濾取した。n−ヘキサンにて洗浄後、乾燥し、N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−アセトキシアセトアミド30.58gを得た。APCI−MS M/Z:229/231[M+H]
(2)参考例115(1)で得られた2−アセトキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド30.36gをメタノール1200mlに懸濁し、氷冷下、炭酸カリウム22.0gを加えた。反応液を室温に戻し0.5時間攪拌後、減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル1500mlおよび氷水1000mlを注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を少量の酢酸エチルに懸濁後、ジイソプロピルエーテルを注ぎ、析出する結晶を濾取した。ジイソプロピルエーテルにて洗浄後、乾燥し、2−ヒドロキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド22.85gを得た。APCI−MS M/Z:187/189[M+H]
(3)2−クロロ−6−ニトロベンゾニトリル187mgおよび参考例115(2)で得られた2−ヒドロキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド183mgをN,N−ジメチルホルムアミド2mlに溶解し、水冷下、60%油性水素化ナトリウム80mgを加えた。同冷却下、6時間攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をn−ヘキサン−ジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取後、乾燥し、表題化合物286mgを得た。APCI−MS M/Z:322/324[M+H]
参考例116:3−アミノ−4−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例115で得られた(3−クロロ−2−シアノフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド274mgをN,N−ジメチルアセトアミド10mlに溶解し、炭酸セシウム333mgを加え、100℃にて8時間攪拌した。放冷後、反応液に氷水を注ぎ、析出物を濾取し、水洗した。得られた析出物を熱酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層に活性炭およびNH−シリカゲル5gを加えた後、不溶物を濾去した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル−ジエチルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物112mgを得た。APCI−MS M/Z:322/324[M+H]
参考例117:3−アミノ−4−メトキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
2−メトキシ−6−ニトロベンゾニトリル589mgおよび参考例115(2)で得られた2−ヒドロキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド560mgをN,N−ジメチルアセトアミド10mlに溶解し、炭酸カリウム810mgを加えた。反応液を60℃にて一晩攪拌した後、炭酸カリウム810mgを追加し、100℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応液に氷水を注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、活性炭処理をした。不溶物を濾去し、不溶物をクロロホルム−メタノールにて洗浄後、濾液および洗浄液を合わせ減圧下濃縮した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁後、濾取し、表題化合物104mgを得た。APCI−MS M/Z:317/319[M+H]
参考例118:2−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル
Figure 2006298910
3−ヒドロキシ安息香酸メチル75.5gをトリフルオロ酢酸2Lに溶解し、室温にてヘキサメチレンテトラミン141.4gを加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣に水を加え、炭酸カリウムと炭酸水素ナトリウムで液性をpH8とした後、水で希釈、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1に続き、5/1、さらに2/1)にて精製し、2−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル54.6g(ESI−MS m/z:179[M−H])、および4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル4.4g(ESI−MS m/z:179[M−H])を得た。
参考例119:4−シアノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル
Figure 2006298910
参考例118で得られた4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル1.96gをギ酸50mlに溶解し、塩化ヒドロキシアンモニウム0.85gおよびギ酸ナトリウム0.85gを加え、14時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮後、水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をクロロホルム−ジイソプロピルエーテルに懸濁した後、析出物を濾取し、表題化合物0.66gを得た。さらに、濾液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)にて精製し、表題化合物1.08gを得た。ESI−MS M/Z:176[M−H]
参考例120:2−(2−シアノ−5−メトキシカルボニルフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例119で得られた4−シアノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル655mgをアセトン20mlに溶解し、参考例26(1)で得られた2−クロロ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド897mg、炭酸カリウム773mg、およびヨウ化ナトリウム657mgを加え、40分間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮後、水を加え酢酸エチル−テトラヒドロフランで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をクロロホルム−ジイソプロピルエーテルに懸濁した後、析出物を濾取し、表題化合物1.16gを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例121:3−アミノ−6−メトキシカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例120で得られた2−(2−シアノ−5−メトキシカルボニルフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド1.03gをN,N−ジメチルアセトアミド10mlに溶解し、炭酸ナトリウム97mgを加え、100℃で4時間撹拌した。反応液を水50mlに注ぎ、析出物を濾取し、水およびエタノールで洗浄後乾燥して、表題化合物839mgを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例122:2−シアノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル
Figure 2006298910
(1)参考例118で得られた2−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル9.23gをメタノール150mlに懸濁し、塩化ヒドロキシアンモニウム3.56gの水溶液15mlおよび酢酸ナトリウム4.36gの水溶液15mlを氷冷下に加えた。室温に昇温して2時間撹拌後、メタノールを減圧下留去、得られた残渣を水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、2−ヒドロキシイミノメチル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル9.89gを得た。APCI−MS M/Z:196[M+H]
(2)(1)で得られた2−ヒドロキシイミノメチル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル10.57gをクロロホルム100mlに懸濁し、トリエチルアミン19.35gを氷冷下に加えた。得られた溶液へ、同温にて無水トリフルオロ酢酸25.40gを30分間かけて滴下した。室温にて3日間撹拌した後、反応液へ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をメタノール150mlに溶解し、炭酸カリウム15.6gを加え、室温で50分間撹拌した。反応液を水で希釈し、濃塩酸で酸性とした後クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルに懸濁した。析出物を濾取し、表題化合物8.71gを得た。ESI−MS M/Z:176[M−H]
参考例123:2−(2−シアノ−3−メトキシカルボニルフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例122で得られた2−シアノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル1.70gを参考例120と同様の方法で処理することにより、表題化合物2.69gを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例124:3−アミノ−4−メトキシカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例123で得られた2−(2−シアノ−3−メトキシカルボニルフェノキシ)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド1.51gを参考例121と同様の方法で処理することにより、表題化合物335mgを得た。APCI−MS M/Z:346/348[M+H]
参考例125:3−アミノ−5−カルボキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例78で得られた3−アミノ−5−メトキシカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド2.01gをテトラヒドロフラン20ml−メタノールに懸濁し、氷冷下、4規定水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、反応液を室温にて13時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を水で希釈後、氷冷下、10%塩酸を注ぎpHを約3とした。析出物を濾取し、水およびエタノールにて順次洗浄後、乾燥し、表題化合物1.87gを得た。ESI−MS M/Z:330[M−H]
参考例126−127
参考例121、あるいは参考例124で得られたエステルを参考例125と同様な方法で処理することにより、以下の化合物を得た。














Figure 2006298910
参考例128:3−アミノ−5−ジメチルアミノカルボニル−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例125で得られた3−アミノ−5−カルボキシ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド1.51gをピリジン15mlに懸濁し、氷冷下、塩酸ジメチルアミン0.77g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.37gおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩1.79gを順次加えた後、室温にて14時間撹拌した。反応液を水100mlで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎpH8〜9とした。析出物を濾取し、水およびエタノールにて順次洗浄後、乾燥し、表題化合物1.50gを得た。APCI−MS M/Z:359/361[M+H]
参考例129−130
参考例126、あるいは参考例127で得られたカルボン酸化合物を参考例128と同様な方法で処理することにより、以下の化合物を得た。
Figure 2006298910
参考例131
[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]酢酸t−ブチル
Figure 2006298910
参考例12で得られた(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル9.56gおよびブロモ酢酸t−ブチル11.7gを参考例30と同様の方法で処理することにより、表題化合物15.18gを得た。APCI−MS M/Z:323[M+NH
参考例132
[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]酢酸
Figure 2006298910
参考例131で得られた[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]酢酸t−ブチル15.15gを参考例43と同様の方法で処理することにより、表題化合物11.78gを得た。ESI−MS M/Z:248[M−H]
参考例133
2−[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]−N−(5−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2006298910
参考例132で得られた[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]酢酸5.00gおよび2−アミノ−5−メチルピリジン2.60gを参考例57と同様の方法で処理することにより、表題化合物5.17gを得た。APCI−MS M/Z:340[M+H]
参考例134
3−アミノ−5−メトキシカルボニルメチル−N−(5−メチルピリジン−2−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド
Figure 2006298910
参考例133で得られた2−[2−シアノ−4−(メトキシカルボニルメチル)フェノキシ]−N−(5−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド4.10gをt−ブタノール80mlに懸濁し、カリウムt−ブトキシド136mgを加え、反応液を1時間加熱還流した。反応液に氷水を注ぎ、析出物を濾取し、水洗後、乾燥し、表題化合物3.77gを得た。APCI−MS M/Z:340[M+H]
化合物[1]またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する医薬組成物は、低毒性で安全であり、優れたFXa阻害作用を有することから、血栓または塞栓により引き起こされる疾患の予防または治療剤として有用である。

Claims (4)

  1. 一般式[1]:
    Figure 2006298910
    (式中、環Zは式:
    Figure 2006298910
    で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。R及びRは同一又は異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい飽和異項環基であるか、あるいはR及びRが互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
    Figure 2006298910
    で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)により表されるカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩、および薬理的に許容される担体からなる医薬組成物。
  2. 一般式[1]:
    Figure 2006298910
    (式中、環Zは式:
    Figure 2006298910
    で示される基を示す。Aは単結合手または式:−NH−で示される基を示す。Yは低級アルキレン基、シクロアルカンジイル基、フェニル基または飽和異項環基を示す。R及びRは同一又は異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい飽和異項環基であるか、あるいはR及びRが互いに末端で結合して隣接する窒素原子とともに置換されていてもよい含窒素飽和異項環基を形成する。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、または1〜2個の低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を示す。式:
    Figure 2006298910
    で表される環Bは、置換されていてもよいベンゼン環を示す。Rは水素原子または低級アルキル基を示す。)により表されるカルバモイル型ベンゾフラン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として含有する活性化血液凝固第X因子阻害剤。
  3. 血栓ならびに塞栓によって引き起こされる疾患の予防または治療薬である請求項2に記載の活性化血液凝固第X因子阻害剤。
  4. 2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸メチル;
    [2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−({[トランス−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−5−イル]酢酸メチル;
    −(5−クロロピリジン−2−イル)−N,N−ジメチル−3−({[トランス−4−(モルホリン−4−イルカルボニル)シクロヘキシル]カルボニル}アミノ)ベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;
    N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[(5−モルホリン−4−イル−5−オキソペンタノイル)アミノ]ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
    2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]ベンゾフラン−5−カルボン酸;
    −(5−クロロピリジン−2−イル)−3−[({トランス−4−[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]−N,N−ジメチルベンゾフラン−2,5−ジカルボキサミド;または
    トランス−N’−[2−{[(5−クロロピリジン−2−イル)アミノ]カルボニル}−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキサミド
    もしくはそれらの薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有する活性化血液凝固第X因子阻害剤。
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