JP2005097119A - ペプチド誘導体の製造方法 - Google Patents

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Tsutomu Sato
勉 佐藤
Hirohito Shimizu
裕仁 清水
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Abstract

【課題】新規ペプチド誘導体の工業的に有用な製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(VI)
【化1】
Figure 2005097119

(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。R2は、水素原子、または、メチル基を表す。R3は水素原子、または、メチル基を表す。R4はハロゲン原子を表す。)
で表される化合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規ペプチド誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペプチド化合物の合成は、固相法、液相法のいずれでも行うことができる(泉屋信夫ら、ペプチド合成の基礎と実験(丸善)、1985年)。固相法の場合は、高価な樹脂を不溶性担体として使用するために、工業的製造方法への適用は難しい。一方、液相法の場合は、基本的には、適当に保護されたアミノ酸の縮合と脱保護を繰り返すことによって目的とする化合物へ導くことができるので、工業的製造方法への適用は可能である。ペプチド化合物の液相法合成に適用可能な保護基、縮合条件、脱保護条件などは多数知られているが、工業的製造方法を確立する際には、目的とする化合物にとって最適な条件を見出す必要がある。
【0003】
近年、Nα−メチルアミノ酸を含む天然ペプチドが発見され、医薬品や農薬として使用されてきている(Vitoux,B.et al.,Int. J. Peptide Protein Res.,1986,27,617)。Nα−保護−Nα−メチルアミノ酸の合成法も多数報告されている。こうした合成法においては、塩基として、水素化ナトリウム(Benoiten,N.L.etal.,Can. J. Chem.,1977,55,906)、水素化カリウム(Shuman,R.T.,et al.,Peptides:Structure and Function,Proceedings from the American Peptide Symposium,8th,143(1983))、カリウム tert−ブトキシド(WO 90/06914)などが使用され、メチル化剤として、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸などが使用される。現在までに知られているNα−保護−Nα−メチルアミノ酸の合成法は、工業的見地からは満足できるものではなく、反応収率や試薬の安全性等に優れた工業的製造方法の確立が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、現在までに知られているNα−保護−Nα−メチルアミノ酸の合成法は、工業的製造方法としては、反応収率や試薬の安全性等の面で十分ではなかった。したがって、本発明の目的は、新規ペプチド誘導体およびNα−保護−Nα−メチルアミノ酸の工業的に有用な製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(VI)で表される新規ペプチド誘導体の製造方法、およびこの新規ペプチド誘導体の原料化合物の1つである一般式(XVIII)で表されるNα−保護−Nα−メチルアミノ酸の製造方法であって、工業的に有用な製造方法を見い出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、一般式(VI)
【0007】
【化19】
Figure 2005097119
【0008】
(式中、R1は、水素原子、または、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。R2は、水素原子、または、メチル基を表す。R3は水素原子、または、メチル基を表す。R4はハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を製造する方法であって、一般式(I)
【0009】
【化20】
Figure 2005097119
【0010】
(式中、R1、R2は前記と同じである。)
で表される化合物を、一般式(XIII)
【0011】
【化21】
Figure 2005097119
【0012】
(式中、P1は、アミノ保護基を表す。)
で表される化合物と反応させて一般式(XIV)
【0013】
【化22】
Figure 2005097119
【0014】
(式中、R1、R2、P1は前記と同じである。)
で表される化合物を得る第1の縮合工程と、一般式(XIV)で表される化合物のアミノ保護基を脱保護して、一般式(III)
【0015】
【化23】
Figure 2005097119
【0016】
(式中、R1、R2は前記と同じである。)
で表される化合物を得る第1の脱保護工程と、一般式(III)で表される化合物と、一般式(XV)
【0017】
【化24】
Figure 2005097119
【0018】
(式中、P2は、アミノ保護基を表し、R3、R4は前記と同じである。)
で表される化合物と反応させて、一般式(XVI)
【0019】
【化25】
Figure 2005097119
【0020】
(式中、R1、R2、R3、R4、P2は前記と同じである。)
で表される化合物を得る第2の縮合工程と、一般式(XVI)で表される化合物のアミノ保護基を脱保護する第2の脱保護工程とを含むことを特徴とする方法を提供するものである。
【0021】
第1の縮合工程において、一般式(I)で表される化合物とN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリンとを、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて、あるいは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて縮合させ、一般式(II)
【0022】
【化26】
Figure 2005097119
【0023】
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表し、R1、R2は前記と同じである。)
で表される化合物を得、第1の脱保護工程において、一般式(II)で表される化合物のtert−ブトキシカルボニル基を除去することにより、一般式(III)で表される化合物を得、第2の縮合工程において、一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)
【0024】
【化27】
Figure 2005097119
【0025】
(式中、R3、R4、Bocは前記と同じである。)
で表される化合物とを、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて縮合させ、一般式(V)
【0026】
【化28】
Figure 2005097119
【0027】
(式中、R1、R2、R3、R4、Bocは前記と同じである。)
で表される化合物を得、第2の脱保護工程において、一般式(V)で表される化合物のtert−ブトキシカルボニル基を除去することが好ましい。
【0028】
第1の縮合工程の前に、一般式(VII)
【0029】
【化29】
Figure 2005097119
【0030】
で表される化合物をtert−ブチル化することにより一般式(VIII)
【0031】
【化30】
Figure 2005097119
【0032】
で表される化合物を得る工程と、一般式(VIII)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物を得る工程とを行うことが好ましい。
【0033】
第1の縮合工程の前に、一般式(VII)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(IX)
【0034】
【化31】
Figure 2005097119
【0035】
(式中、R1は前記と同じである。)
で表される化合物を得る工程と、一般式(IX)で表される化合物をtert−ブチル化することにより、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物を得る工程とを行うことが好ましい。
【0036】
一般式(I)においてR2が水素原子である化合物をメチル化して一般式(I)においてR2がメチル基である化合物を得る工程を含むことが好ましい。
あるいは、第1の縮合工程の前に、一般式(VII)で表される化合物をtert−ブチル化することにより一般式(VIII)で表される化合物を得る工程と、一般式(VIII)で表される化合物をメチル化することにより一般式(X)
【0037】
【化32】
Figure 2005097119
【0038】
で表される化合物を得る工程と、一般式(X)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(I)においてR2がメチル基である化合物を得る工程とを行うことが好ましい。
【0039】
あるいは、第1の縮合工程の前に、一般式(XI)
【0040】
【化33】
Figure 2005097119
【0041】
(式中、R2、Bocは前記と同じである。)
で表される化合物をアミド化することにより一般式(XII)
【0042】
【化34】
Figure 2005097119
【0043】
(式中、R1、R2、Bocは前記と同じである。)
で表される化合物を得る工程と、一般式(XII)で表される化合物を脱保護およびtert−ブチル化することにより、一般式(I)で表される化合物を得る工程とを行うことが好ましい。
【0044】
上記の製造方法においては一般式(VI)においてR1が水素原子であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子であり、R4がフッ素原子であることが好ましい。あるいは、一般式(VI)においてR1がエチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4がフッ素原子であることが好ましい。
【0045】
本発明の別の側面によれば、一般式(XVII)
【0046】
【化35】
Figure 2005097119
【0047】
(式中、P2は、アミノ保護基を表し、R4はハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を、非プロトン性溶媒中、塩基存在下、p−トルエンスルホン酸メチルで処理することにより、一般式(XVIII)
【0048】
【化36】
Figure 2005097119
【0049】
(式中、P2およびR4は前記と同じである。)
で表される化合物を製造する方法が提供される。一般式(XVIII)で表される化合物は、上述の本発明の製造方法において使用される化合物である。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明における、一般式(VI)で表される化合物は、モチリンレセプターアンタゴニスト作用等を有し、医薬として有用な、新規なベプチド誘導体である。また、一般式(XVIII)で表される化合物は、本発明の製造方法において使用される化合物である。
【0051】
一般式(I)〜(XVIII)で示される化合物の定義において、R1における炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。
【0052】
1としては、水素原子、およびエチル基が好ましい。R2としては、水素原子、メチル基ともに好ましく、R3としては、水素原子、メチル基ともに好ましい。
【0053】
4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
一般式(I)で示される化合物において、R1がエチル基のときは、R2が水素原子、R3がメチル基、R4がフッ素原子であることが好ましく、R1が水素原子のときは、R2がメチル基、R3が水素原子、R4がフッ素原子であることが好ましい。
【0054】
1におけるアミノ保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などが挙げられ、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基が好ましく、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基がさらに好ましく、 tert−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
【0055】
2におけるアミノ保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などが挙げられ、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基が好ましく、tert−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
【0056】
本発明の製造方法の反応経路を、反応スキーム1〜4として以下に示した。なお、下記スキームにおける式中、R1、R2、R3、R4、P1、P2およびBocは、上記と同じ意味を表す。)
反応スキーム1
【0057】
【化37】
Figure 2005097119
【0058】
反応スキーム2
【0059】
【化38】
Figure 2005097119
【0060】
反応スキーム3
【0061】
【化39】
Figure 2005097119
【0062】
反応スキーム4
【0063】
【化40】
Figure 2005097119
【0064】
以下、それぞれの反応スキームについて説明する。なお、以下の説明に記載される後処理とは、一般的な有機合成反応の際に行われる、有機溶媒による抽出操作、水、酸性水溶液、塩基性水溶液、飽和食塩水などによる抽出液の洗浄操作、抽出液の乾燥操作、不溶物の濾過による除去操作、溶媒の減圧下における留去操作など、各反応に応じた一連の反応後の処理を表す。
【0065】
(反応スキーム1)
反応スキーム1においては、一般式(VII)で表される化合物から、一般式(I)においてR2が水素である化合物あるいは一般式(I)においてR2がメチル基である化合物を得る。一般式(VII)で表される化合物はチロシン メチルエステルであり、その塩酸塩を出発原料として使用することが好ましく、こうした塩酸塩は商業的に入手可能である。
【0066】
(1)(i)一般式(VII)で表される化合物の一般式(VIII)で表される化合物へのtert−ブチル化
一般式(VII)で表される化合物を、酸(例えば、メタンスルホン酸あるいは硫酸など)、および、酸と共に処理されるとtert−ブチルカチオンを生成する化合物(以下、tert−ブチル源と記する。例えばtert−ブチルクロリド、酢酸tert−ブチル、tert−ブタノールなど)と、混合してtert−ブチル化することが好ましい。さらに好ましくは、メタンスルホン酸とtert−ブチルクロリド、あるいは、メタンスルホン酸と酢酸tert−ブチルを、一般式(VII)で表される化合物と混合してtert−ブチル化する。
【0067】
メタンスルホン酸の使用量は、一般式(VII)で表される化合物に対して、3当量から20当量が好ましく、5当量から10当量がさらに好ましい。tert−ブチル源の使用量としては、化合物(VII)に対して、1当量から20当量が好ましく、3当量から10当量がさらに好ましい。
【0068】
反応温度は、0℃から60℃が好ましく、室温(15〜30℃)から50℃がさらに好ましい。反応時間は、反応温度や各化合物の濃度にもよるが、1時間から7時間が好ましく、3時間から5時間がさらに好ましい。
【0069】
一般式(VIII)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどの単独溶媒、もしくは、トルエン/n−ヘキサン、トルエン/n−ヘプタンなどの混合溶媒中で攪拌し固体化させた後、濾取するのが好ましい。トルエン/n−ヘプタンから固体化させることがさらに好ましい。
【0070】
(ii)一般式(VIII)で表される化合物からR2が水素原子である化合物(I)へのアミド化
一般式(VIII)で表される化合物を、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミン、または、アンモニアと混合させてアミド化する。この反応は、アルコール溶媒中、または、無溶媒で行うことができる。
【0071】
炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミンとしては、エチルアミンが好ましい。こうしたアルキルアミンは、メタノール溶液、水溶液、または塩酸塩として商業的に入手可能である。これらアルキルアミンは、その市販の状態、即ち、アルキルアミンのメタノール溶液、またはアルキルアミンの水溶液の状態で使用するか、アルキルアミン塩酸塩をアルキルアミン水溶液と混合して使用するか、または、これらをさらにアルコールまたは水で希釈して使用することが好ましい。ここで、アルコールとしては、メタノール、エタノールなどが好ましく、さらに好ましくはメタノールである。
【0072】
アルキルアミンのメタノール溶液は、30〜70%の溶液が好ましく、その量は一般式(VIII)で表される化合物に対して5〜10当量が好ましい。アルキルアミンの水溶液は、30〜70%水溶液が好ましい。アルキルアミン水溶液とアルキルアミン塩酸塩の混合物を用いる場合、60%前後の水溶液が好ましく、その量は一般式(VIII)で表される化合物に対して、2〜5倍の重量を用いるのが好ましく、3倍程度がさらに好ましい。塩酸塩の使用量は、一般式(VIII)で表される化合物に対して10〜200%の重量を用いるのが好ましく、50〜100%がさらに好ましい。
【0073】
アンモニアを使用する場合には、アンモニアガスを一般式(VIII)で表される化合物のアルコール溶液または水溶液に吹き込んで使用するか、市販の濃アンモニア水を使用することができる。
【0074】
反応温度は、0℃から室温(15〜30℃)が好ましい。反応時間は、3時間から30時間が好ましく、5時間から20時間がさらに好ましい。
この反応におけるR2が水素原子である一般式(I)で表される化合物の単離は、反応液に水を加えて攪拌するか、さらに塩酸水溶液を加えて攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。
【0075】
(2)(i)一般式(VII)で表される化合物から、一般式(IX)で表される化合物へのアミド化
一般式(VII)で表される化合物を、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミン、または、アンモニアと混合させてアミド化する。この反応は、水溶媒中、アルコール溶媒中、または、無溶媒で行うことができる。
【0076】
炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミンとしては、エチルアミンが好ましい。こうしたアルキルアミンは、メタノール溶液、水溶液、または塩酸塩として商業的に入手可能である。これらアルキルアミンは、その市販の状態、即ち、アルキルアミンのメタノール溶液、またはアルキルアミンの水溶液の状態で使用するか、アルキルアミン塩酸塩をアルキルアミン水溶液と混合して使用するか、または、これらをさらにアルコールまたは水で希釈して使用することが好ましい。ここで、アルコールとしては、メタノール、エタノールなどが好ましく、さらに好ましくはメタノールである。
【0077】
アルキルアミンのメタノール溶液は、30〜70%の溶液が好ましく、その量は一般式(VII)で表される化合物に対して5〜10当量が好ましい。アルキルアミンの水溶液は、30〜70%水溶液が好ましい。アルキルアミン水溶液とアルキルアミン塩酸塩の混合物を用いる場合、60%前後の水溶液が好ましく、その量は一般式(VII)で表される化合物に対して、2〜5倍の重量を用いるのが好ましく、3倍程度がさらに好ましい。塩酸塩の使用量は、一般式(VII)で表される化合物に対して10〜200%の重量を用いるのが好ましく、50〜100%がさらに好ましい。
【0078】
アンモニアを使用する場合には、アンモニアガスを一般式(VII)で表される化合物のアルコール溶液または水溶液に吹き込んで使用するか、市販の濃アンモニア水を使用することができる。
【0079】
反応温度は、0℃から室温(15〜30℃)が好ましい。反応時間は、4時間から24時間が好ましく、6時間から20時間がさらに好ましい。
一般式(IX)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物に、アルコール、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサンなどの中から選ばれる2種もしくは3種の溶媒を加えて攪拌し、固体化させた後、濾取するのが好ましい。アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールが好ましい。好ましい溶媒の組合せとしては、エタノール/ジイソプロピルエーテル/ヘプタン、イソプロパノール/ジイソプロピルエーテル/ヘプタン、エタノール/tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、イソプロパノール/ tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタンなどである。
【0080】
(ii)一般式(IX)で表される化合物から、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物へのtert−ブチル化
一般式(IX)で表される化合物を、酸(例えば、メタンスルホン酸、硫酸など)、および、tert−ブチル源(例えばtert−ブチルクロリド、酢酸tert−ブチル、tert−ブタノールなど)と、混合してtert−ブチル化することが好ましい。さらに好ましくは、メタンスルホン酸とtert−ブチルクロリド、あるいは、メタンスルホン酸と酢酸tert−ブチルを、一般式(IX)で表される化合物と混合させてtert−ブチル化する。
【0081】
メタンスルホン酸の使用量は、一般式(IX)で表される化合物に対して、5当量から20当量が好ましく、10当量前後がさらに好ましい。tert−ブチル源の使用量としては、一般式(IX)で表される化合物に対して、3当量から20当量が好ましく、5当量から10当量がさらに好ましい。反応温度は、0℃から60℃が好ましく、50℃前後がさらに好ましい。反応時間は、反応温度や各化合物の濃度にもよるが、30分間から7時間が好ましく、1時間から3時間がさらに好ましい。
【0082】
この反応における、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどの極性溶媒とヘプタン、ヘキサンなどの非極性溶媒の混合溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。
【0083】
(3)一般式(I)においてR2が水素原子である化合物から、R2がメチル基である化合物へのメチル化
上述の工程(1)あるいは工程(2)で得られた、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物を、アミノ基の還元的な直接的メチル化反応に付してもよく、あるいは、アミノ基をホルミル化した後に還元反応に付してもよい。アミノ基の還元的な直接的メチル化反応においては、水素存在下に、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド試薬と、パラジウム/炭素や水酸化パラジウム/炭素などのパラジウム触媒とを、R2が水素原子である化合物(I)と混合させて反応させることが好ましい。アミノ基のホルミル化においては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、ギ酸−無水酢酸、ギ酸−塩化アセチル、ギ酸ナトリウム−塩化アセチルなどのホルミル化剤と、R2が水素原子である化合物(I)を反応させることが好ましい。ホルミル化後の還元反応には、ボラン・テトラヒドロフラン錯体などを使用することが好ましい。
【0084】
(4)(i)化合物(VIII)から化合物(X)へのメチル化
上述の工程(1)(i)で得られた化合物(VIII)を、アミノ基の還元的な直接的メチル化反応に付してもよく、あるいは、アミノ基をホルミル化した後に還元反応に付してもよい。アミノ基の還元的な直接的メチル化反応においては、水素存在下に、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド試薬と、パラジウム/炭素や水酸化パラジウム/炭素などのパラジウム触媒とを、化合物(VIII)と混合させて反応させることが好ましい。アミノ基のホルミル化においては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、ギ酸−無水酢酸、ギ酸−塩化アセチル、ギ酸ナトリウム−塩化アセチルなどのホルミル化剤と、化合物(VIII)を反応させることが好ましい。ホルミル化後の還元反応は、ボラン・テトラヒドロフラン錯体などを使用することが好ましい。
【0085】
(ii)一般式(X)で表される化合物から、一般式(I)においてR2がメチル基である化合物へのアミド化
一般式(X)で表される化合物を、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミン、または、アンモニアで処理してアミド化する。この反応は、水溶媒中、アルコール溶媒中、または、無溶媒で行うことができる。
【0086】
炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミンとしては、エチルアミンが好ましい。こうしたアルキルアミンは、メタノール溶液、水溶液、または塩酸塩として商業的に入手可能である。これらアルキルアミンは、その市販の状態、即ち、アルキルアミンのメタノール溶液、またはアルキルアミンの水溶液の状態で使用するか、アルキルアミン塩酸塩をアルキルアミン水溶液と混合して使用するか、または、これらをさらにアルコールまたは水で希釈して使用することが好ましい。ここで、アルコールとしては、メタノール、エタノールなどが好ましく、さらに好ましくはメタノールである。
【0087】
アンモニアを使用する場合には、アンモニアガスを一般式(X)で表される化合物のアルコール溶液または水溶液に吹き込んで使用するか、市販の濃アンモニア水を使用することができる。
【0088】
反応温度は、0℃から室温(15〜30℃)が好ましい。反応時間は、4時間から24時間が好ましく、6時間から20時間がさらに好ましい。
(反応スキーム2)
反応スキーム2においては、一般式(XI)で表される化合物を出発化合物として、一般式(I)で表される化合物を得る。一般式(XI)で表される化合物は商業的に入手可能であり、R2がメチル基の場合には、ジシクロヘキシルアミン塩として市販されていることが多い。
【0089】
(1)一般式(XI)で表される化合物から、一般式(XII)で表される化合物へのアミド化
一般式(XI)で表される化合物を、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミン、あるいはアンモニアで処理してアミド化する。炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルアミンとしては、エチルアミンが好ましく、水溶液、塩酸塩のどちらの形でも用いることができる。
【0090】
アミド化の方法としては、一般式(XI)で表される化合物のカルボキシル基を、有機溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの塩基の存在下に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物の混合物、クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソプロピルなどにより活性化させて行うことができる。有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、含水テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンなどが好ましく用いられる。特に好ましくは、含水テトラヒドロフラン中で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物、およびトリエチルアミンを混合する。この場合、含水テトラヒドロフランの含水率は、1%から20%が好ましく、5%から10%がさらに好ましい。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩の使用量としては、一般式(XI)で表される化合物に対して、1当量から1.5当量が好ましく、1.05当量から1.2当量がさらに好ましい。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物の使用量としては、一般式(XI)で表される化合物に対して、0.1当量から1.5当量が好ましく、0.2当量から1.2当量がさらに好ましい。
【0091】
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの塩基の使用量は、一般式(XI)で表される化合物に対して、1当量から3当量が好ましく、1.1当量から2.5当量がさらに好ましい。
【0092】
一般式(XI)で表される化合物に対するアルキルアミンの使用量は、1.1当量から5当量が好ましく、1.1当量から3当量がさらに好ましい。
反応温度は、0℃から50℃が好ましく、室温(15〜30℃)がさらに好ましい。反応時間は、30分間から7時間が好ましく、1時間から5時間がさらに好ましい。
【0093】
一般式(XII)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、ジイソプロピルエーテル/ヘプタンなどの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取することにより行うことができる。尚、後処理後の粗生成物をそのまま次の反応に用いることもできる。
【0094】
(2)一般式(XII)で表される化合物から、一般式(I)で表される化合物への脱保護およびtert−ブチル化
一般式(XII)で表される化合物を、酸処理して脱保護およびtert−ブチル化する。あるいは、こうした酸処理後、もしくは、こうした酸処理と同時に、tert−ブチル源と混合してもよい。酸としては、メタンスルホン酸、硫酸などが挙げられる。tert−ブチル源としては、tert−ブチルクロリド、酢酸tert−ブチル、tert−ブタノールなどが挙げられる。好ましくは、メタンスルホン酸とtert−ブチルクロリド、あるいは、メタンスルホン酸と酢酸tert−ブチルを混合することである。
【0095】
酸の使用量は、5当量から20当量が好ましく、10当量前後がさらに好ましい。tert−ブチル源の使用量は、tert−ブチルクロリドの場合は、5当量から10当量が好ましい。酢酸tert−ブチルの場合は、1当量から10当量が好ましく、3当量から5当量がさらに好ましい。酢酸tert−ブチルの場合、滴下を徐々に行うのが好ましい。
【0096】
反応温度は、0℃から70℃が好ましく、室温(15〜30℃)から60℃がさらに好ましい。反応時間は、1時間から8時間が好ましく、2時間から5時間がさらに好ましい。
【0097】
一般式(I)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、トルエンなどの溶媒と、ヘプタン、ヘキサンなど溶媒の混合溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。
【0098】
(反応スキーム3)
反応スキーム3においては、上述の反応スキーム1あるいは2にしたがって得られた一般式(I)で表される化合物を出発化合物として、一般式(VI)で表される化合物を得る。
【0099】
(1)一般式(I)で表される化合物から一般式(XIV)または一般式(II)で表される化合物への変換
一般式(I)で表される化合物を一般式(XIII)で表される化合物と縮合させることによって一般式(XIV)で表される化合物を得る。このとき、一般式(XIII)で表される化合物として、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリンを使用すれば、一般式(II)で表される化合物が得られる。
【0100】
この反応における溶媒としては、非プロトン性溶媒、または、含水非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。また、塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。
【0101】
縮合方法としては、以下に挙げた方法のいずれかにより、化合物(I)のカルボキシル基を活性化させて行うのがよいが、これら方法に限定されるものではない。ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、クロロ−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、クロロ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1、1、3、3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、1,3−ジイソプロピルカルボジイミドを用いる方法、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを用いる方法、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いる方法、ジフェニルホスホリル アジドを用いる方法、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いる方法、2−ブロモ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いる方法、それぞれこれらの試薬と1−ヒドロキシベンゾトリアゾールもしくはN−ヒドロキシスクシンイミドとを組み合わせて用いる方法、イソブチルクロロホルメートなどを用いる混合酸無水物法、または、カルボキシル基をペンタフルオロフェニルエステルとする方法、カルボキシル基をp−ニトロフェニルエステルとする方法、カルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミドエステルとする方法、それぞれこれらと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとを組み合わせて用いる方法、などである。これら縮合方法、およびその反応条件は、一般式(XIII)で表される化合物のアミノ保護基(P1)の種類に応じて適宜選択できる。
【0102】
一般式(XIII)で表される化合物のアミノ保護基(P1)がtert−ブトキシカルボニル基の場合、好ましい縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの混合物、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドなどが挙げられる。ここで、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドは塩酸塩であることが好ましく、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールは一水和物であることが好ましい。これら縮合剤の使用量としては、一般式(I)で表される化合物に対して、1当量から1.5当量が好ましく、1.1当量から1.2当量がさらに好ましい。1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの使用量は、1当量以下でもよい。
【0103】
一般式(XIII)で表される化合物のアミノ保護基(P1)がtert−ブトキシカルボニル基の場合、非プロトン性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、N−メチルピペリドン、N−メチルピロリドン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、アセトニトリルなどが挙げられ、なかでも、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチルが好ましい。含水非プロトン性溶媒としては、含水テトラヒドロフランが好ましく、テトラヒドロフランに対する水の容量比率としては、20%以下が好ましく、10%以下が特に好ましい。溶媒として、テトラヒドロフラン、含水テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチルを使用することが特に好ましい。
【0104】
一般式(XIII)で表される化合物のアミノ保護基(P1)がtert−ブトキシカルボニル基の場合、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなどが挙げられ、トリエチルアミンを使用することが好ましい。塩基の使用量としては、一般式(I)で表される化合物に対して、1当量から3当量が好ましく、1.1当量から2.5当量がさらに好ましい。
【0105】
一般式(XIII)で表される化合物のアミノ保護基(P1)がtert−ブトキシカルボニル基の場合、反応温度は、0℃から50℃程度が好ましく、室温(15〜30℃)がさらに好ましい。反応時間は、30分から6時間程度であり、好ましくは2時間から4時間である。
【0106】
一般式(I)で表される化合物を、一般式(II)で表される化合物へ変換する場合には、tert−ブチルメチルエーテル中、室温にて、トリエチルアミン存在下、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて、5時間程度反応させる条件、あるいは、テトラヒドロフラン中、室温にて、トリエチルアミン存在下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物を用いて、3時間程度反応させる条件が好ましい。
【0107】
一般式(XIV)で表される化合物、もしくは、一般式(II)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、テトラヒドロフラン/ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン/ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル/ヘプタンなどの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。尚、単離することなく、後処理後の粗生成物を、そのまま次の反応に用いることもできる。
【0108】
(2)一般式(XIV)または一般式(II)で表される化合物のアミノ保護基の脱保護による、一般式(III)で表される化合物への変換
一般式(XIV)で表される化合物のアミノ保護基の脱保護反応条件は、アミノ保護基(P1)の種類に応じて適宜選択できる。P1がベンジルオキシカルボニル基の場合は、アルコール系溶媒中あるいは酢酸エチル溶媒中で、触媒量のパラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素などを用いて水素化分解する方法、P1がtert−ブトキシカルボニル基(一般式(II)で表される化合物)の場合は、酢酸エチル、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、エタノールなどの極性溶媒中、硫酸、メタンスルホン酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの酸で処理する方法等が用いられる。P1がその他のアミノ保護基の場合は、そのアミノ保護基の脱保護方法として一般的に知られる方法を用いることができる。
【0109】
一般式(XIV)で表される化合物のうち、特に、一般式(II)で表される化合物を、一般式(III)で表される化合物へ変換する反応においては、極性溶媒として、酢酸エチル、アセトニトリル、または1,2−ジメトキシエタンを用いることが好ましく、酸としては、硫酸またはメタンスルホン酸を用いることが好ましい。
【0110】
一般式(II)で表される化合物から、一般式(III)で表される化合物へ変換する反応における、酸の使用量としては、一般式(II)で表される化合物に対して、1当量から10当量が好ましく、1.5当量から5当量がさらに好ましい。
【0111】
一般式(II)で表される化合物から、一般式(III)で表される化合物へ変換する反応の反応温度は、0℃から50℃が好ましい。反応時間は、30分から6時間程度であり、好ましくは1時間から5時間である。
【0112】
一般式(III)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、tert−ブチルメチルエーテル、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、ジイソプロピルエーテル/ヘプタン、酢酸エチル/アセトニトリル、酢酸エチル/アセトニトリル/ヘプタンなどの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取することにより行うことができる。
【0113】
(3)一般式(III)で表される化合物から、一般式(XVI)または一般式(V)で表される化合物への変換
一般式(III)で表される化合物を一般式(XV)または一般式(IV)で表される化合物と縮合させることにより行う。この反応における溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。また、塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。
【0114】
縮合方法としては、以下に挙げた方法のいずれかにより、化合物(I)のカルボキシル基を活性化させて行うのがよいが、これら方法に限定されるものではない。ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、クロロ−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、クロロ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、O−(7―アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1、1、3、3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートを用いる方法、1,3−ジイソプロピルカルボジイミドを用いる方法、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを用いる方法、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いる方法、ジフェニルホスホリルアジドを用いる方法、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いる方法、2−ブロモ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いる方法、それぞれこれらの試薬と1−ヒドロキシベンゾトリアゾールもしくはN−ヒドロキシスクシンイミドとを組み合わせて用いる方法、イソブチルクロロホルメートなどを用いる混合酸無水物法、または、カルボキシル基をペンタフルオロフェニルエステルとする方法、カルボキシル基をp−ニトロフェニルエステルとする方法、カルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミドエステルとする方法、それぞれこれらと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとを組み合わせて用いる方法、などである。これら縮合方法、およびその反応条件は、一般式(XV)で表される化合物のアミノ保護基(P2)の種類に応じて適宜選択できる。
【0115】
特に、一般式(IV)で表される化合物(すなわち、アミノ保護基(P2)がtert−ブトキシカルボニル基である場合)を一般式(III)で表される化合物と縮合させる場合、好ましい縮合剤としては、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドなどが挙げられる。縮合剤の使用量としては、一般式(III)で表される化合物に対して、1当量から1.5当量が好ましく、1.1当量から1.3当量がさらに好ましい。
【0116】
一般式(IV)で表される化合物(すなわち、アミノ保護基(P2)がtert−ブトキシカルボニル基である場合)を一般式(III)で表される化合物と縮合させる場合、非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、アセトニトリルなどが挙げられ、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチルが好ましく、tert−ブチルメチルエーテルが特に好ましい。
【0117】
一般式(IV)で表される化合物(すなわち、アミノ保護基(P2)がtert−ブトキシカルボニル基である場合)を一般式(III)で表される化合物と縮合させる場合、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなどが挙げられ、トリエチルアミンが好ましい。塩基の使用量としては、一般式(III)で表される化合物に対して、1当量から3当量が好ましく、1.2当量から2.5当量がさらに好ましい。
【0118】
一般式(IV)で表される化合物(すなわち、アミノ保護基(P2)がtert−ブトキシカルボニル基である場合)を一般式(III)で表される化合物と縮合させる場合、反応温度は、0℃から50℃程度が好ましく、室温(15〜30℃)がさらに好ましい。反応時間は、1時間から6時間程度であり、好ましくは2時間から5時間である。
【0119】
一般式(III)で表される化合物を、一般式(IV)で表される化合物と縮合させる場合の反応条件としては、tert−ブチルメチルエーテル中、室温にて、トリエチルアミン存在下、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて、4時間程度反応させることが好ましい。
【0120】
一般式(XVI)で表される化合物、もしくは、一般式(V)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、テトラヒドロフラン/ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン/ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル/ヘプタンなどの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。尚、単離することなく、後処理後の粗生成物を、そのまま次の反応に用いることもできる。
【0121】
(4)一般式(XVI)または一般式(V)で表される化合物のアミノ保護基の脱保護による、一般式(VI)で表される化合物への変換
一般式(XVI)で表される化合物のアミノ保護基の脱保護反応条件は、アミノ保護基(P2)の種類に応じて適宜選択できる。P2がベンジルオキシカルボニル基の場合は、アルコール系溶媒中、あるいは酢酸エチル溶媒中、触媒量のパラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素などを用いて水素化分解する方法、P2がtert−ブトキシカルボニル基(一般式(V)で表される化合物)の場合は、酢酸エチル、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタンなどの極性溶媒中、硫酸、メタンスルホン酸、塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸で処理する方法等が用いられる。P2がその他のアミノ保護基の場合は、そのアミノ保護基の脱保護方法として一般的に知られる方法を用いることができる。
【0122】
一般式(XVI)で表される化合物のうち、特に、一般式(V)で表される化合物を、一般式(VI)で表される化合物へ変換する反応においては、極性溶媒として、酢酸エチル、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタンを用いることが好ましく、酢酸エチルがさらに好ましい。
【0123】
一般式(V)で表される化合物を一般式(VI)で表される化合物へ変換する場合、酸としては、硫酸、メタンスルホン酸を用いることが好ましい。酸の使用量としては、2当量から10当量が好ましく、3当量から6当量がさらに好ましい。
【0124】
一般式(V)で表される化合物を一般式(VI)で表される化合物へ変換する場合、反応温度は、0℃から50℃が好ましく、0℃から室温(15〜30℃)がさらに好ましい。反応時間は、5分から6時間程度であり、好ましくは30分から3時間である。
【0125】
一般式(VI)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、アルコール、酢酸エチル、アルコール/ヘプタン、アルコール/水、酢酸エチル/ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、アセトニトリル/ヘプタン、1,2−ジメトキシエタン/ヘプタン、1,2−ジメトキシエタン/水、アセトニトリル/水などの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取して行うことができる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
【0126】
(反応スキーム4)
一般式(XVII)で表される化合物から、一般式(XVIII)で表される化合物へのメチル化
一般式(XVII)で表される化合物を、非プロトン性溶媒中、塩基存在下に、p−トルエンスルホン酸メチルで処理して、一般式(XVIII)で表される化合物を得る。
【0127】
この反応において、アミノ保護基P2としては、tert−ブトキシカルボニル基、およびベンジルオキシカルボニル基などの、塩基性条件下に安定な保護基が好ましい。反応条件は、P2の種類に応じて適宜選択できる。以下の好適条件に関する説明は、アミノ保護基P2が、tert−ブトキシカルボニル基、もしくはベンジルオキシカルボニル基の場合のものである。
【0128】
p−トルエンスルホン酸メチルの使用量としては、一般式(XVII)で表される化合物に対して、1.5当量から5当量が好ましく、2.0当量から2.5当量がさらに好ましい。
【0129】
非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテルなどが挙げられる。
塩基としては、水素化ナトリウム、カリウム tert−ブトキシド、ナトリウム tert−ブトキシドなどが挙げられる。塩基の使用量としては、一般式(XVII)で表される化合物に対して、2当量から5当量が好ましく、2.2当量から3当量がさらに好ましい。
【0130】
テトラヒドロフラン溶媒中、カリウム tert−ブトキシドを塩基として用いるのが好ましい。
反応温度は、−20℃から50℃程度が好ましく、0℃から室温(15〜30℃)が好ましい。反応時間は、1時間から7時間が好ましく、2時間から4時間がさらに好ましい。
【0131】
一般式(XVIII)で表される化合物の単離は、後処理後の粗生成物を、ジイソプロピルエーテル/ヘプタン、ジイソプロピルエーテル/ヘキサン、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル/ヘキサンなどの溶媒中で攪拌し、析出した固体を濾取することにより行うことができる。
【0132】
本発明の化合物は、下記の実施例に記載される具体的な製造方法を応用して製造することもできる。
【0133】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0134】
以下の実施例における1H−NMR、および質量スペクトルは、以下の機器を用いて測定した。
1H−NMR:JEOL JNM−EX−270(270MHz)
質量スペクトル(EI−MS):島津GCMS−QP5050A
(実施例1)
N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
(1)3−tert−ブチル−L−チロシン メチルエステルの合成
L−チロシン メチルエステル塩酸塩 10.0g(43.2mmol)に、攪拌下、メタンスルホン酸 20.8g(216mmol)を加え、次いで、tert−ブチルクロリド 20.0g(216mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間攪拌後、氷冷下に、メタノール(20ml)/水(20ml)を滴下し、次いで、水酸化カリウム 14.2gの水 43ml水溶液を、内温が10℃を越えないように滴下した。酢酸エチル 150mlで抽出後、抽出液を5%NaHCO3水溶液 50ml、および飽和食塩水50mlで順次洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウム 5gで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残さを、酢酸エチル 20mlに溶解させ、n−ヘプタン 40mlを加えた。しばらく攪拌し固体が析出し始めた後、n−ヘプタン 40mlを滴下し、氷冷下、30分間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥して、標題化合物 8.35g(77.0%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.38(9H,s)、2.82(1H,dd,J=7.6,13.7Hz)、3.02(1H,dd,J=5.1,13.7Hz)、3.70(1H,dd,J=5.1,7.6Hz)、3.73(3H,s)、6.54(1H,d,J=8.1Hz)、6.84(1H,dd,J=2.0,7.9Hz)、7.02(1H,d,J=2.0Hz)。
【0135】
(2)3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
62%エチルアミン水溶液 24.1g(331mmol)とエチルアミン塩酸塩 7.52g(92.2mmol)の混合物に、氷冷攪拌下に、3−tert−ブチル−L−チロシン メチルエステル 8.35g(33.2mmol)を加え、室温にて5時間攪拌した。氷冷下、水 42mlを滴下し、室温にて15分攪拌後、氷冷下、4N塩酸 42mlを滴下し、室温にて5時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 7.89g(89.8%)を得た。1H−NMR(CDCl3):δ 1.13(3H,t,J=7.3Hz)、1.39(9H,s)、2.63(1H,dd,J=9.2,13.7Hz)、3.16(1H,dd,J=4.1,13.7Hz)、3.25−3.35(2H,m)、3.56(1H,dd,J=4.1,9.2Hz)、6.69(1H,d,J=7.9Hz)、6.88(1H,dd,J=1.8,7.9Hz)、7.06(1H,d,J=1.8Hz)、7.20(1H,brs)。
【0136】
(3)N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミド 5.50g(20.8mmol)、 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリン 5.05g(21.8mmol)、 および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 3.35g(21.8mmol)のTHF 55ml溶液に、氷冷攪拌下、 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 4.19g(21.8mmol)を加え、次いでトリエチルアミン 3.04ml(21.8mmol)を加えた。室温にて2.5時間攪拌後、氷冷下、水 55mlを加え、酢酸エチル 100mlで抽出した。抽出液を10%クエン酸水溶液 55ml、飽和NaHCO3水溶液 55ml、および飽和食塩水 55mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム 10gで乾燥後、減圧下に濃縮し、標題化合物 10.6g(quant.)を得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.84−0.90(6H,m)、0.98(3H,t,J=7.3Hz)、1.37(9H,s)、1.47(9H,s)、2.18−2.31(1H,m)、2.71(3H,s)、2.8−3.0(2H,m)、3.12−3.23(2H,m)、3.9−4.1(1H,m)、4.4−4.6(1H,brd)、5.4−5.8(1H,brm)、6.4−6.8(1H,brm)、6.62(1H,d,J=7.9Hz)、6.87(1H,dd,J=1.8,7.9Hz)、7.04(1H,d,J=1.8Hz)。
【0137】
(4)N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミド 10.0g(19.6mmol)の酢酸エチル 100ml溶液に、氷冷下、硫酸 11.1ml(208mmol)を加え、氷冷下、1時間攪拌した。氷冷下、酢酸エチル 100mlを加えた後、飽和NaHCO3水溶液 340mlを加えてpHを8とし、15分間攪拌した。有機層と水層を分離後、水層を酢酸エチル 100mlおよび50mlで抽出した。併せた有機層を飽和食塩水 50mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残さにtert−ブチルメチルエーテル 40mlを加えて加熱し、不溶物を除去した後、室温にて終夜攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 6.90g(87.9%、2工程)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.69(3H,d,J=6.9Hz)、0.83(3H,d,J=6.9Hz)、1.02(3H,t,J=7.3Hz)、1.37(9H,s)、1.87−2.04(1H,m)、2.31(3H,s)、2.75(1H,d,J=4.6Hz)、2.91−3.16(2H,m)、3.18−3.27(2H,m)、4.53−4.63(1H,m)、6.04(1H,m)、6.66(1H,d,J=8.1Hz)、6.91(1H,dd,J=2.0,8.1Hz)、7.02(1H,d,J=2.0Hz)、7.72(1H,d,J=8.4Hz)。
【0138】
(5)N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニンの合成
カリウム tert−ブトキシド 56.1g(485mmol)のTHF 970ml溶液に、氷冷下、N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フルオロ−L−フェニルアラニン 55.0g(194mmol)を加え、20分間攪拌後、p−トルエンスルホン酸メチル 64.5ml(427mmol)を加えた。氷冷下、1時間攪拌後、水 825mlをゆっくり滴下し、n−ヘキサン660mlで3回洗浄した。水層を、氷冷下、10%クエン酸水溶液 220mlによりpH3〜4とし、酢酸エチル 990mlで抽出した。抽出液を、水495ml、飽和食塩水 495mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残さを、イソプロピルエーテル 50mlに加熱溶解させ、氷冷下、n−ヘキサン 55mlをゆっくり加えた。固体が析出し始めたら、さらにn−ヘキサン 800mlを加え、1時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 46.4g(80.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers) δ 1.32 and 1.39(9H,s)、2.67 and 2.75(3H,s)、2.94−3.11(1H,m)、3.20−3.35(1H,m)、4.53−4.62(1H,brd)、4.97(1H,brs)、6.90−7.20(4H,m)。
【0139】
(6)N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミド 5.50g(14.6mmol)、 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニン 5.20g(17.5mmol)、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージド 4.47g(17.5mmol)、およびtert−ブチルメチルエーテル 37mlの混合物に、トリエチルアミン 5.09ml(36.5mmol)を加え、室温にて4時間攪拌した。水 100mlを加え、酢酸エチル 100mlで2回抽出した。抽出液を、10%クエン酸水溶液 100ml、飽和NaHCO3水溶液 100ml、飽和Na223水溶液 100ml、および飽和食塩水 100mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム 10gで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残さを、tert−ブチルメチルエーテル 50mlに溶解させ、この溶液をn−ヘプタン 450mlに滴下し、室温にて1時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 8.25g(86.0%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers) δ 0.7−1.1(9H,m)、1.2−1.4(18H,m)、2.1−2.3(1H,m)、2.31、2.68、2.76 and 2.87(6H,s)、2.5−3.3(6H,m)、4.4−6.3(5H,m)、6.5−7.3(7H,m)。
【0140】
(7)N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミド 7.50g(11.4mmol)の酢酸エチル 58ml溶液に、氷冷下、硫酸 6.09ml(114mmol)を滴下し、20分間攪拌した。氷冷下、飽和NaHCO3水溶液を加えてpHを8〜9とし、酢酸エチル200mlで抽出した。抽出液を、水 100ml、次いで飽和食塩水 100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、乾燥すると、標題化合物 6.46g(quant.)を得た。
EI−MS:556(M+
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers)δ 0.57,0.79,0.92 and 1.00(9H,d and m,J=6.3−6.8Hz)、1.34 and 1.38(9H,s)、2.05−2.40(1H,m)、2.25、2.40、2.58 and 2.65(6H,s)、2.67−3.25(6H,m)、3.55 and 3.68(1H,m)、3.84、4.40 and 4.55(2H,d and m,J=10.9Hz)、5.56 and 5.72(1H,m)、6.65−7.17(8H,m)、9.15 and 9.18(1H,s)。
【0141】
(実施例2)
3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
(1)N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン エチルアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン 5.0g(17.8mmol)、1−ベンゾトリアゾール一水和物 3.0g(19.6mmol)、およびエチルアミン塩酸塩 1.60g(19.6mmol)のTHF/H2O(9/1、V/V) 70ml溶液に、氷冷攪拌下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 4.1g(21.3mmol)を加え、次にトリエチルアミン 2.70ml(19.6mmol)を加えた。室温にて3.5時間攪拌した後、反応液をtert−ブチルメチルエーテル 300mlで抽出した。抽出液を、飽和NaHCO3水溶液 200mlで2回洗浄し、さらに10%クエン酸水溶液 100ml、飽和食塩水 100mlで順次洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して得られた残さを、tert−ブチルメチルエーテル 20mlに溶解後、n−ヘプタン 2mlを加えた。室温にて1時間攪拌後、n−ヘプタン 30mlを加え、室温にて5時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 5.23g(95.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.01(3H,t,J=7.1Hz)、1.42(9H,s)、2.85−3.04(2H,m)、3.19(2H,m)、4.20(1H,dd,J=7.4,14.2Hz)、5.16(1H,brs)、5.80(1H,brs)、6.58(1H,brs)、6.75(1H,d,J=8.4Hz)、7.03(1H,d,J=8.2Hz)。
【0142】
(2)3−tert−ブチル−L−チロシン エチルアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン エチルアミド 9.0g(29.2mmol)に、メタンスルホン酸 19.0ml(292mmol)を滴下し、室温にて20分間攪拌後、tert−ブチルクロリド 31.8ml(292mmol)を滴下した。50℃にて2.5時間攪拌した後、室温にて、水 100mlを加え、tert−ブチルメチルエーテル 100mlで洗浄した。水層に5N水酸化カリウム水溶液 60mlを加えてpHを9〜10とし、酢酸エチル 100mlで2回抽出した。併せた抽出液を飽和食塩水 100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残さを酢酸エチル 45mlに溶解させ、n−ヘプタン 45mlを加えた。室温にて18時間攪拌後、n−ヘプタン 90mlを加えて1時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 5.91g(76.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.13(3H,t,J=7.3Hz)、1.39(9H,s)、2.63(1H,dd,J=9.2,13.7Hz)、3.16(1H,dd,J=4.1,13.7Hz)、3.25−3.35(2H,m)、3.56(1H,dd,J=4.1,9.2Hz)、6.69(1H,d,J=7.9Hz)、6.88(1H,dd,J=1.8,7.9Hz)、7.06(1H,d,J=1.8Hz)、7.20(1H,brs)。
【0143】
(実施例3)
4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
(1)N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−チロシンアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−チロシン ジシクロヘキシルアミン塩 10.0g(21.0mmol)のTHF 100ml溶液に、氷冷攪拌下、N−メチルモルホリン 2.77ml(25.2mmol)を滴下し、次いでクロロ蟻酸メチル 3.58ml(46.2mmol)を滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、濃アンモニア水 50mlとメタノール 50mlの混合液を加えた。室温にて3.5時間攪拌した後、反応液中の有機溶媒を減圧下に留去した。水 100mlを加え、酢酸エチル 100mlで抽出した。水層を酢酸エチル 100mlで2回抽出した。併せた有機層を飽和食塩水 100mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウム 40gで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残さを酢酸エチル 40mlに加熱溶解後、n−ヘプタン 53mlを加え、室温にて3時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物
5.71g(92.5%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6):(two rotamers) δ 1.21 and 1.28(9H,s)、2.60 and 2.63(3H,s)、2.6−2.8(1H,m)、3.02(1H,dd,J=4.5,14.2Hz)、4.4−4.8(1H,m)、6.6(2H,brs)、6.97(2H,d,J=9.4Hz)、7.0−7.4(2H,m)、9.12(1H,brs)。
【0144】
(2)N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−チロシンアミド 5.52g(18.8mmol)に、酢酸エチル 2.76mlとtert−ブチルクロリド 20.4ml(188mmol)を加え、攪拌下、メタンスルホン酸 24.3ml(375mmol)をゆっくり滴下した。室温にて5.5時間攪拌後、氷冷下、氷水 110gを加えた。次いで、5N水酸化カリウム水溶液を加え、pHを8とし、酢酸エチル 100mlで抽出した。抽出液を水 100mlで2回洗浄した後、飽和食塩水 100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウム 16gで乾燥後、減圧下に濃縮し、標題化合物 3.51g(74.8%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.40(9H,s)、2.31(3H,s)、2.63(1H,dd,J=14.7,10.7Hz)、3.10−3.19(2H,m)、5.24(1H,brs)、5.38(1H,brs)、6.63(1H,d,J=7.9Hz)、6.91(1H,dd,J=7.9,1.8Hz)、7.05(1H,brs)、7.10(1H,d,J=1.8Hz)。
【0145】
(3)N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミド 2.81g(11.2mmol)のtert−ブチルメチルエーテル 28.1ml溶液に、室温攪拌下、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリン 3.11g(13.5mmol)と2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージド 3.44g(13.5mmol)を加え、次いでトリエチルアミン 3.73ml(26.9mmol)を加えた。室温にて6時間攪拌後、反応液にtert−ブチルメチルエーテル 56mlを加え、水 56mlで2回洗浄した。有機層を、0.5N塩酸 56ml、1N水酸化ナトリウム 56ml、水 56ml(2回)、および飽和食塩水 56mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム 10gで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残さを酢酸エチル 5.6mlに溶解させた後、攪拌下、ジイソプロピルエーテル(28.1ml)/n−ヘプタン(28.1ml)を加え、室温にて、終夜攪拌した。その後、n−ヘプタン 28.1mlを加え、3時間攪拌後、析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 3.49g(67.1%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):(three rotamers)δ 0.2−0.9(6H,m)、1.37−1.51(18H,m)、2.1−2.4(1H,m)、2.24、2.27、2.68、2.76、2.97 and 3.00(6H,s)、2.8−3.0(1H,m)、3.1−3.4(1H,m)、4.3−4.6、4.8−5.6、6.0、6.5(4H,m)、6.6−7.2(3H,m)。
【0146】
(4)N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
氷冷下、 N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミド 3.43g(7.40mmol)のアセトニトリル 34.3ml溶液に、氷冷攪拌下、硫酸 2.06ml(37.0mmol)を滴下し、氷冷下、50分間攪拌した。氷冷下、飽和NaHCO3水溶液を加えてpHを7とし、次いで0.1Mリン酸緩衝液(pH=8)を加えてpHを8とした。飽和食塩水 60mlを加えた後、tert−ブチルメチルエーテル 34mlで3回抽出した。併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、標題化合物 2.17g(81%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers)δ 0.35,0.71,0.92 and 0.96(6H,d,J=6.9Hz)、1.36 and 1.37(9H,s)、1.73−1.81 and 2.03−2.17(1H,m)、1.74 and 2.23(3H,s)、2.64(1H,d,J=9.2Hz)、2.90−3.04(1H,m)、2.93 and3.00(3H,s)、3.19 and 4.60(1H,dd,J=14.7,5.8 and 10.7,3.8Hz)、5.29,5.32 and6.06(2H,brs)、5.59(1H,dd,J=10.4,5.8Hz)、6.54 and 6.60(1H,d,J=7.9Hz)、6.79 and 6.93(1H,dd,J=7.9,2.0 and 1.7Hz)、7.01 and 7.07(1H,d,J=2.0 and 1.7Hz)、8.10(1H,brs)。
【0147】
(5)N−(tert−ブトキシカルボニル)− 4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミド 2.16g(5.94mmol)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−フルオロ−L−フェニルアラニン 2.02g(7.13mmol)、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージド 1.82g(7.12mmol)、およびtert−ブチルメチルエーテル 29.4mlの混合物に、トリエチルアミン 1.81ml(13.1mmol)を加え、室温にて3.5時間攪拌した。水 44mlを加え、tert−ブチルメチルエーテル 44mlで抽出した。抽出液を、10%クエン酸水溶液 44ml、飽和Na223水溶液 44ml、飽和NaHCO3水溶液 44ml、および飽和食塩水 44mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残さを、tert−ブチルメチルエーテル 22mlに加熱溶解させ、n−ヘプタン 154mlを加えて、室温にて終夜攪拌した。析出物を濾取し、乾燥すると、標題化合物 2.48g(66.5%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers)δ 0.54、0.75、0.76 and 0.90(6H,d,J=6.3−6.9Hz)、1.33、1.35 and 1.39(18H,s)、2.2−2.3(1H,m)、2.36、2.72 and 3.01(6H,s)、2.5−3.4(4H,m)、4.6−5.6(5H,m)、5.99 and 6.12(1H,brs)、6.4−6.7(2H,m)、6.9−7.2(5H,m)。
【0148】
(6)4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル− N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミドの合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)− 4−フルオロ−L−フェニルアラニル−N−メチル−L−バリル−N−メチル−3−tert−ブチル−L−チロシンアミド 2.48g(3.94mmol)の酢酸エチル 12.4ml溶液に、氷冷攪拌下、硫酸 1.04ml(19.7mmol)を滴下した。氷冷下、2時間攪拌後、飽和NaHCO3水溶液 35mlをゆっくり加えてpHを8〜9とし、酢酸エチル 50mlで抽出した。抽出液を、水 50ml、次いで飽和食塩水 50mlで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮すると、標題化合物 1.86g(89.4%)を得た。
EI−MS:528(M+
1H−NMR(CDCl3):(two rotamers)δ 0.50,0.76,0.79 and 0.93(6H,d,J=6.3−6.9Hz)、1.34 and 1.39(9H,s)、2.19−2.95(5H,m)、2.50 and 3,03(3H,s)、2.81 and 3,02(3H,s)、3.17 and 3.34(1H,dd,J=15.2,5.9 and13.9,6.9Hz)、3.66 and 3.84(1H,dd,J=8.9,4.6 and 8.6,4.6Hz)、4.91 and 5.07(1H,d,J=10.6Hz)、5.07,5.19,5.30,5.98 and 6.64(2H,brs)、5.49(1H,dd,J=10.6,5.9Hz)、6.35 and 6.62(1H,d,J=7.9Hz)、6.74(2/3H,dd,J=7.9,1.7Hz)、6.95−7.11(19/3H,m)。
【0149】
【発明の効果】
本発明は、医薬として有用である新規ペプチド誘導体を製造する際の、工業的な製造方法として有用である。

Claims (10)

  1. 一般式(VI)
    Figure 2005097119
    (式中、R1は、水素原子、または、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。R2は、水素原子、または、メチル基を表す。R3は水素原子、または、メチル基を表す。R4はハロゲン原子を表す。)
    で表される化合物を製造する方法であって、
    一般式(I)
    Figure 2005097119
    (式中、R1、R2は前記と同じである。)
    で表される化合物を、一般式(XIII)
    Figure 2005097119
    (式中、P1は、アミノ保護基を表す。)
    で表される化合物と反応させて一般式(XIV)
    Figure 2005097119
    (式中、R1、R2、P1は前記と同じである。)
    で表される化合物を得る第1の縮合工程と、
    一般式(XIV)で表される化合物のアミノ保護基を脱保護して、一般式(III)
    Figure 2005097119
    (式中、R1、R2は前記と同じである。)
    で表される化合物を得る第1の脱保護工程と、
    一般式(III)で表される化合物と、一般式(XV)
    Figure 2005097119
    (式中、P2は、アミノ保護基を表し、R3、R4は前記と同じである。)
    で表される化合物と反応させて、一般式(XVI)
    Figure 2005097119
    (式中、R1、R2、R3、R4、P2は前記と同じである。)
    で表される化合物を得る第2の縮合工程と、
    一般式(XVI)で表される化合物のアミノ保護基を脱保護する第2の脱保護工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 第1の縮合工程において、一般式(I)で表される化合物とN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリンとを、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて、または、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて縮合させ、一般式(II)
    Figure 2005097119
    (式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表し、R1、R2は前記と同じである。)
    で表される化合物を得、
    第1の脱保護工程において、一般式(II)で表される化合物のtert−ブトキシカルボニル基を除去することにより、一般式(III)で表される化合物を得、
    第2の縮合工程において、一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)
    Figure 2005097119
    (式中、R3、R4、Bocは前記と同じである。)
    で表される化合物とを、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを用いて縮合させ、一般式(V)
    Figure 2005097119
    (式中、R1、R2、R3、R4、Bocは前記と同じである。)
    で表される化合物を得、
    第2の脱保護工程において、一般式(V)で表される化合物のtert−ブトキシカルボニル基を除去すること
    を特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 第1の縮合工程の前に、
    一般式(VII)
    Figure 2005097119
    で表される化合物をtert−ブチル化することにより一般式(VIII)
    Figure 2005097119
    で表される化合物を得る工程と、
    一般式(VIII)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物を得る工程と、
    を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 第1の縮合工程の前に、
    一般式(VII)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(IX)
    Figure 2005097119
    (式中、R1は前記と同じである。)
    で表される化合物を得る工程と、
    一般式(IX)で表される化合物をtert−ブチル化することにより、一般式(I)においてR2が水素原子である化合物を得る工程と、
    を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  5. 一般式(I)においてR2が水素原子である化合物をメチル化して一般式(I)においてR2がメチル基である化合物を得る工程
    を含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 第1の縮合工程の前に、
    一般式(VII)で表される化合物をtert−ブチル化することにより一般式(VIII)で表される化合物を得る工程と、
    一般式(VIII)で表される化合物をメチル化することにより一般式(X)
    Figure 2005097119
    で表される化合物を得る工程と、
    一般式(X)で表される化合物をアミド化することにより、一般式(I)においてR2がメチル基である化合物を得る工程と、
    を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  7. 第1の縮合工程の前に、
    一般式(XI)
    Figure 2005097119
    (式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表し、R2は前記と同じである。)
    で表される化合物をアミド化することにより一般式(XII)
    Figure 2005097119
    (式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表し、R1、R2は前記と同じである。)
    で表される化合物を得る工程と、
    一般式(XII)で表される化合物を脱保護およびtert−ブチル化することにより、一般式(I)で表される化合物を得る工程と、
    を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  8. 一般式(XVII)
    Figure 2005097119
    (式中、P2は、アミノ保護基を表し、R4はハロゲン原子を表す。)
    で表される化合物を、非プロトン性溶媒中、塩基存在下、p−トルエンスルホン酸メチルで処理することにより、一般式(XVIII)
    Figure 2005097119
    (式中、P2およびR4は前記と同じである。)
    で表される化合物を製造する方法。
  9. 一般式(VI)においてR1が水素原子であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子であり、R4がフッ素原子である化合物を製造することを特徴とする、請求項1、2、5、6、7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 一般式(VI)においてR1がエチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であり、R4がフッ素原子である化合物を製造することを特徴とする、請求項1、2、3、4、7のいずれか1項に記載の製造方法。
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