JP2005096059A - 複合ナノ粒子及び複合ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

複合ナノ粒子及び複合ナノ粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在する複合ナノ粒子を単分散の状態で効率よく形成することができ、かつ粒子サイズ及び組成を任意に調節可能な複合ナノ粒子の製造方法の提供。
【解決手段】 扇状樹状分岐分子を含む液中に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉させる粒子前駆体捕捉工程と、前記扇状樹状分岐分子に捕捉された粒子前駆体を粒子に変換させる粒子形成工程を含む複合ナノ粒子の製造方法である。該扇状樹状分岐分子がデンドロンである態様、該扇状樹状分岐分子の世代数が、第1世代〜第10世代である態様、該扇状樹状分岐分子が、フォーカルサイトを有し、該フォーカルサイトが粒子前駆体を結合可能な官能基及び粒子前駆体を静電的に相互作用可能な官能基のいずれかを含む態様などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在する複合ナノ粒子を単分散の状態で効率よく形成することができ、かつ粒子サイズ及び組成を任意に調節可能な複合ナノ粒子の製造方法、及び該複合ナノ粒子の製造方法により製造される前記粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在する複合ナノ粒子に関する。
ナノ粒子は、無機化合物、有機化合物等からなる、500nm以下の大きさの粒子を意味し、化粧品、芳香・消臭剤、調味料、インクジェット材料、記録材料、触媒などへの応用が期待されている材料である。例えば、ナノ粒子の大きな比表面積を利用して、少量で活性の高い触媒への応用が期待されている。また、ナノ粒子の有する大きな光波長を利用したり、ナノ粒子が導体の平均自由工程及び磁性体の磁区より小さい粒子サイズであることを利用して、バルクと異なる量子効果等の機能の発現が期待されている。
前記ナノ粒子の機能の発現には、粒径制御及び組成の制御が重要であり、特に、量子効果の発現にはシャープな粒径及び組成の制御が必須である。また、実用化にはナノ粒子を安定に製造する方法が求められている。更に、実際の材料化にはナノ粒子の安定化、分散化、粒子の膜化、バルク化及びハンドリング、等の課題がある。また、形態・界面を制御した中でナノ粒子を安定に製造する方法が求められている。
前記ナノ粒子の調製方法としては、例えば、蒸発凝集法、気相反応法を含む気相法、化学沈殿法、溶媒蒸発法を含む液相法などが挙げられる。これらの方法の詳細については、非特許文献1〜4などに記載されている。
しかし、前記ナノ粒子の調製方法では、シャープな粒径及び組成の制御が充分ではない。また、粒子の組成を任意に調節することが困難である。即ち、表面の組成のみに依存する触媒機能の発現を期待する粒子においても、粒子全体を表面と同じ組成とする必要がある。
一方、樹状分岐ポリマーは、その金属配位数が分子間で完全に均一であり、樹状分岐ポリマー分子毎に配位した金属を固体化してナノ粒子を調製すれば、シャープな粒径及び組成の制御が期待できる。また、内部に金属配位能を有する樹状分岐ポリマーを利用したナノサイズの金属クラスターについては、特許文献1、非特許文献5〜6などに記載されている。
しかし、樹状分岐ポリマーを用いた粒子の調製方法では、金属の配位数より多い数の金属原子を含む粒子を制御して調製できないという応用上重大な問題がある。即ち、樹状分岐ポリマーの金属の配位数は実質5000個未満であり、金属原子を5000個以上含有する粒子サイズ5.0nm以上の粒子を調製することは困難である。
このため、前記樹状分岐ポリマーの金属の配位数を増やして粒子サイズを大きくするには樹状分岐ポリマーの世代数を増やす必要がある。しかし、樹状分岐ポリマーの世代数を増やすには反応ステップを増やさなければならず、合成が格段に困難となる。また、樹状分岐ポリマーの世代数を増やすことにより樹状分岐ポリマー分子の表面における原子の密度が増加し、分子構造上の限界がある。
特表2001−508484号公報 小山正明;「ニューセラミックス」、第8巻、第79頁(1990年) 菊川伸行;「セラミックス」、第34巻、第110頁(1999年) 鈴木久男;「セラミックス」、第34巻、第76頁(1999年) 小泉光恵ら編集「ナノマテリアルの最新技術」(シーエムシー発行) D.A.Tomalia et al;J.Am.Chem.Soc.,120巻、第7355頁(1998年) R.M.Crooks et al;Acc.Chem.Res.,34巻、第181頁(2001年)
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在している複合ナノ粒子を単分散の状態で効率よく製造することができ、かつ粒子サイズ及び組成を任意に調節可能な複合ナノ粒子の製造方法、及び該複合ナノ粒子の製造方法で製造される粒子上に扇状樹状分岐分子が存在している複合ナノ粒子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 扇状樹状分岐分子を含む液中に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉させる粒子前駆体捕捉工程と、前記扇状樹状分岐分子に捕捉された粒子前駆体を粒子に変換させる粒子形成工程を含むことを特徴とする複合ナノ粒子の製造方法である。
<2> 扇状樹状分岐分子がデンドロンである前記<1>に記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<3> 扇状樹状分岐分子が、ベンゼン環を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<4> 扇状樹状分岐分子の世代数が、第1世代〜第10世代である前記<1>から<3>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<5> 扇状樹状分岐分子が、フォーカルサイトを有し、該フォーカルサイトが粒子前駆体を結合可能な官能基及び粒子前駆体を静電的に相互作用可能な官能基のいずれかを含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<6> フォーカルサイトが、メルカプト基を含む前記<5>に記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<7> 捕捉が、扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトで行われる前記<5>から<6>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<8> 扇状樹状分岐分子におけるフォーカルサイトと、粒子前駆体との相互作用力の方が、該扇状樹状分岐分子における該フォーカルサイト以外の部位と、粒子前駆体との相互作用力よりも大きい前記<5>から<7>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<9> 粒子形成工程における変換の態様が、還元反応である前記<1>から<8>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<10> 変換が、還元試薬を含む液を用いて行われる前記<1>から<9>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<11> 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを同時に混合する前記<10>に記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<12> 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを略等量で混合する前記<10>から<11>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<13> 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液を加熱しながら混合する前記<11>から<12>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<14> 粒子前駆体が、金属イオンである前記<1>から<13>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<15> 金属イオンが、周期律表の3A族元素、4A族元素、5A族元素、6A族元素、7A族元素、8族元素、1B族元素、2B族元素、3B族元素及び6B族元素から選ばれる少なくとも1種である前記<14>に記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<16> 粒子が、無機粒子及び有機粒子の少なくともいずれかである前記<1>から<15>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<17> 無機粒子が、金属である前記<16>に記載の複合ナノ粒子の製造方法である。
<18> 前記<1>から<17>のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法で製造されることを特徴とする複合ナノ粒子である。
<19> 粒子の大きさが0.1nm〜10nmであり、かつ粒度分布が0.0〜10nmである前記<18>に記載の複合ナノ粒子である。
<20> 粒子表面に粒子を介して扇状樹状分岐分子が存在する複合ナノ粒子である前記<18>から<19>のいずれかに記載の複合ナノ粒子である。
本発明の複合ナノ粒子の製造方法では、前記粒子前駆体捕捉工程において、扇状樹状分岐分子を含む液中に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉される。前記粒子形成工程において、前記扇状樹状分岐分子に捕捉された粒子前駆体が粒子に変換される。変換工程粒子形成工程において、前記粒子前駆体が、前記扇状樹状分岐分子を含む液に添加される。その結果、粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、粒子表面に扇状樹状分岐分子(例えば、デンドロン)が存在している複合ナノ粒子を単分散の状態で効率よく製造することができる。
本発明の複合ナノ粒子は、本発明の複合ナノ粒子の製造方法により製造されるので、実質的に単分散状態の粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在している複合ナノ粒子が得られる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、粒子表面に扇状樹状分岐分子が存在している複合ナノ粒子を単分散の状態で効率よく製造することができ、かつ粒子サイズ及び組成を任意に調節可能な複合ナノ粒子の製造方法、及び該複合ナノ粒子の製造方法で製造される粒子表面に扇状樹状分岐分子(例えば、デンドロン)が存在している複合ナノ粒子を提供することことができる。
(複合ナノ粒子の製造方法)
本発明の複合ナノ粒子の製造方法は、粒子前駆体捕捉工程と、粒子形成工程を含み、更に、必要に応じて粒子成長工程、その他の工程を含む。
<粒子前駆体捕捉工程>
前記粒子前駆体捕捉工程は、扇状樹状分岐分子を含む液中に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉させる工程である。
−扇状樹状分岐分子−
前記扇状樹状分岐分子とは、フォーカルサイト(フォーカルポイントということもある)の数が一定であり、好ましくは単分散であり、フォーカルサイトに分岐のない置換基を残しながら他は規則的に逐次分岐された扇状の樹状分岐分子を意味する。
前記扇状樹状分岐分子としては、樹状分岐構造を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、デンドロンが特に好適である。前記扇状樹状分岐分子の世代数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、第1世代〜第10世代が好ましい。
前記扇状樹状分岐分子としては、具体的には、以下のデンドロン(1)から(4)に示すものが好適に用いられ、更に、これらの中でも、粒径が均一で、かつ小さい、単分散状態の複合ナノ粒子を製造するためには、フォーカルサイトにメルカプト基を有する扇状樹状分岐分子、即ち、前記デンドロン(1)及び(3)のデンドロンが好ましい。この場合には、1個の前記粒子前駆体を、複数のフォーカルサイトのメルカプト基が捕捉するため、得られる複合ナノ粒子は逆ミセルとなり、樹脂等に対する分散性にも優れる。更に、自己集積性により容易に配列化することができ、シャープな粒度分布となる。
−デンドロン(1)−
−デンドロン(2)−
−デンドロン(3)−
−デンドロン(4)−
前記扇状樹状分岐分子を合成する方法としては、例えば、前記デンドロン(1)を合成する場合には、3,5−ビス〔3,5−ビス(ベンジロキシ)ベンジロキシ〕ベンジルブロミドと、チオウレアと、極性溶剤とを混合攪拌し、更に水酸化ナトリウム水溶液を添加し、希塩酸等でpHを2〜3に調整した後、酢酸エチルで抽出する方法などが挙げられる。
なお、前記デンドロンは市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。
前記扇状樹状分岐分子におけるフォーカルサイト(捕捉サイト)の位置としては、前記扇状樹状分岐分子の分岐鎖中に存在していてもよい。
前記フォーカルサイトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記粒子前駆体を結合可能な官能基及び粒子前駆体を静電的に相互作用可能な官能基のいずれかが好ましい。
前記粒子前駆体を結合可能な官能基における結合の種類としては、配位結合、化学結合、イオン結合、共有結合、などが挙げられる。
前記粒子前駆体が金属イオンである場合において、該金属イオンを配位結合可能な官能基としては、例えば、NH、RNH、N、HO、OH、O−2、ROH、RO、RO、MeCOO、CO −2、NO 、F、PhNH、CN、N、NO 、SO −2、Br、H、R、C、C、CN、RNC、CO,SCN、RP、(RO)P、RAs、RS、RSH、RS、S −2、I、などが挙げられる。
前記粒子前駆体が金属イオンである場合において、該金属イオンを静電的に相互作用可能な官能基としては、例えば、4級アンモニウム塩、COO、PO 3−、SO 2−等が挙げられる。
前記扇状樹状分岐分子にはフォーカルサイト以外の、前記粒子前駆体と相互作用する部位を有しないのが好ましい。即ち、前記デンドロン(1)〜(4)のように内部に粒子前駆体のフォーカルサイトを有し、表面には前記粒子前駆体と相互作用する部位を有しないものについてはそのままでも支障はないが、前記フォーカルサイト以外にも多数の前記粒子前駆体と相互作用する部位を有するものは、前記フォーカルサイト以外の粒子前駆体と相互作用する部位に対して、相互作用能力(粒子前駆体が金属イオンの場合には、配位能力)の小さい置換基を導入して、前記フォーカルサイト以外の粒子前駆体と相互作用する部位を有さなくすることが好ましい。即ち、扇状樹状分岐分子におけるフォーカルサイトと、粒子前駆体との相互作用力の方が、該扇状樹状分岐分子における該フォーカルサイト以外の部位と、粒子前駆体との相互作用力よりも大きいことが好ましい。また、前記相互作用能力の小さい置換基は扇状樹状分岐分子の表面領域より大きいものが好ましい。例えば、扇状樹状分岐分子の分岐の先端を水素原子を含むアミノ基とし、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メチルビニルスルホン、フェニルビニルスルホン、等と反応させて、相互作用力の小さい置換基を導入する。
前記配位能力の小さい置換基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、置換又は無置換のアルキル基、などが挙げられる。
なお、前記扇状樹状分岐分子の表面にフェニル基、ベンジル基のようなベンゼン環を有する硬い置換基を導入した場合には、扇状樹状分岐分子及び粒子含有扇状樹状分岐分子の耐熱性、剛直性、及び光捕集能が高くなり、このような性能を必要とする用途に好適に用いることができる。
−粒子前駆体−
前記粒子前駆体としては、例えば、金属イオン、半導体結晶の前駆体、等が挙げられる。
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周期律表の3A族元素、4A族元素、5A族元素、6A族元素、7A族元素、8族元素、1B族元素、2B族元素、3B族元素及び6B族元素から選ばれるものが好ましい。これらの中でも、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Biなどが好適であり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記粒子前駆体の添加量としては、前記扇状樹状分岐分子が分子鎖中にフォーカルサイトを有する場合には、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数以下であることが好ましい。これにより、扇状樹状分岐分子に捕捉されていない過剰の粒子前駆体を除去する操作なしに、効率よく粒子を形成することができる。
また、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数を超えるときには、扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトに捕捉されていない過剰の粒子前駆体を取り除いた後、該フォーカルサイトに捕捉された前記粒子前駆体を粒子に変換することが好ましい。この場合には、前記フォーカルサイト分の粒子からなる種粒子を形成させることができ、粒子サイズ及び組成の実質的に均一な粒子を形成することができる点で好ましい。なお、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数と等量の場合にも粒子サイズ及び組成の実質的に均一な粒子を形成することができる点で好ましい。
前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトのすべてに粒子前駆体を捕捉させる手段としては、扇状樹状分岐分子が分岐中にフォーカルサイトを有する場合には、(1)扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトと等量の粒子前駆体を添加する方法、(2)扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトより過剰の粒子前駆体を加え、過剰の粒子前駆体を除去(例えば、透析)する方法、などが挙げられる。
なお、前記粒子前駆体1個を、前記フォーカルサイト1個が捕捉する態様だけでなく、前記粒子前駆体1個を、2個以上の前記フォーカルサイトが捕捉する態様であってもよい。
<粒子形成工程>
前記粒子形成工程は、前記扇状樹状分岐分子に捕捉された粒子前駆体を粒子に変換させる工程である。
前記粒子前駆体を前記粒子に変換する態様としては、前記粒子前駆体を粒子に変換できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記粒子前駆体が金属イオンである場合には、還元反応であることが好ましい。
前記変換は、例えば、試薬を用いて行われることが好ましい。該試薬としては、前記粒子前駆体を前記粒子に変換できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、還元試薬、特定試薬、などが挙げられる。
前記還元試薬又は特定試薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Hガス、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、粒子前駆体(金属イオン)の相間移動剤であるテトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、などが挙げられる。
前記変換は、粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを同時に滴下し、混合することが、粒径分布の小さい複合ナノ粒子を形成する観点から好適である。この場合、前記扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを略等量で混合することが好ましい。また、前記扇状樹状分岐分子を含む液と、前記還元試薬を含む液を加熱しながら混合することが好ましく、加熱温度は、通常15〜90℃である。
前記粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液及び還元試薬を含む液を入れ、滴下する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリンジ、シリンジとチューブとの組み合わせ、Y字状のマイクロチューブ、マイクロリアクター、などが挙げられる。
前記粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液及び還元試薬を含む液の送液は、手動、シリンジポンプ、その他の手段、などが挙げられ、前記粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液及び還元試薬を含む液を連続及び間欠の少なくともいずれかの方法で送液することが好ましく、間欠で送液する場合には、混合効率が向上するので特に好ましい。
ここで、粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液との混合方法の一例について具体的に説明する。例えば、図2に示すように、粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液をシリンジAに入れ、還元試薬を含む液をシリンジBに入れ、両シリンジを同時に押し出し、ビーカー中に同時に一定のスピードで滴下し、撹拌する。前記送液は、手動、シリンジポンプ、などで行うことができ、滴下速度は、通常0.05〜10ml/minである。なお、図2において、シリンジの先端にチューブを取り付け、該チューブを加熱するようにしても構わない。
また、図3に示すように、Y字状の流路に組み立てたチューブを用い、粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液をA方向から、還元試薬を含む液をB方向から、送液し、ビーカー中に同時に一定のスピードで滴下し、撹拌する。前記送液は、手動、シリンジポンプ、などで行うことができる。A、B方向からの送液は連続及び間欠のいずれであってもよく、A方向と、B方向とを間欠で送液することで、粒子前駆体を捕捉させた扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを効率よく混合することができる。
なお、図3のY字状の流路は、チューブ以外にも、金属、ガラス、シリコン等の基板上に流路を形成したものであってもよい。Y字状の流路におけるA、Bの混合部〜Cまでを加熱しても構わない。加熱温度は、通常15〜90℃が好ましい。滴下速度は、通常0.05〜10ml/minが好ましい。
−粒子−
前記粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子、などが挙げられ、これらの中でも、無機粒子が好ましい。
前記無機粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属、半導体結晶粒子、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物等が挙げられ、具体的には、金、白金、鉄、金又は白金との合金、銀ハライドなどが挙げられる
前記白金合金としては、例えば、白金とSc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選ばれる1種又は2種以上との合金が好適である。
前記半導体結晶粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、C、Si、Ge、Sn等の周期律表14族元素の単体;P(黒リン)等の周期律表15族元素の単体;Se、Te等の周期律表16族元素の単体;SiC等の複数の周期律表14族元素からなる化合物;SnO、Sn(II)Sn(IV)S、SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期律表14族元素と周期律表16族元素との化合物;BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等の周期律表13族元素と周期律表15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体);Al、AlSe、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe等の周期律表13族元素と周期律表16族元素との化合物;TlCl、TlBr、TlI等の周期律表13族元素と周期律表17族元素との化合物;ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe等の周期律表12族元素と周期律表16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体);、As、AsSe、AsTe、Sb、SbSe、SbTe、Bi、BiSe、BiTe等の周期律表15族元素と周期律表16族元素との化合物;CuO、CuSe等の周期律表11族元素と周期律表16族元素との化合物;CuCl、CuBr、CuI、AgCl、AgBr等の周期律表11族元素と周期律表17族元素との化合物;NiO等の周期律表10族元素と周期律表16族元素との化合物;CoO、CoS等の周期律表9族元素と周期律表16族元素との化合物;Fe34等の酸化鉄類、FeS等の周期律表8族元素と周期律表16族元素との化合物;MnO等の周期律表7族元素と周期律表16族元素との化合物;MoS、WO等の周期律表6族元素と周期律表16族元素との化合物;VO、VO、Ta等の周期律表5族元素と周期律表16族元素との化合物;TiO、Ti、Ti、Ti等の酸化チタン類(結晶型はルチル型、ルチル/アナターゼの混晶型、アナターゼ型のいずれでもよい);ZrO等の周期律表4族元素と周期律表16族元素との化合物;MgS、MgSe等の周期律表2族元素と周期律表16族元素との化合物;CdCr、CdCrSe、CuCr、HgCrSe等のカルコゲンスピネル類;BaTiO等が挙げられる。なお、G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF1515、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のような半導体クラスターも挙げられる。
これらの中でも、SnO、SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期律表14族元素と周期律表16族元素との化合物;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体;Ga、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe等の周期律表13族元素と周期律表16族元素との化合物;ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体;As、As、AsSe、AsTe、Sb、Sb、SbSe、SbTe、Bi、Bi、BiSe、BiTe等の周期律表15族元素と周期律表16族元素との化合物;Fe等の酸化鉄類、FeS等の周期律表8族元素と周期律表16族元素との化合物;酸化チタン類、ZrO等の周期律表4族元素と周期律表16族元素との化合物;MgS、MgSe等の周期律表2族元素と周期律表16族元素との化合物等が、実用的な観点から好ましい。
更に、高い屈折率を有し、環境汚染性、生物への安全性の観点からは、SnO、GaN、GaP、In、InN、InP、Ga、Ga、In、In、ZnO、ZnS、CdO、CdS、酸化チタン類、ZrO、MgSが好ましく、SnO、In、ZnO、ZnS、酸化チタン類、ZrOがより好ましく、ZnO、酸化チタン類が特に好ましい。
また、発光能の観点からは、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe等のII−VI族化合物半導体が好ましく、ZnSe、CdS、CdSeがより好ましい。
なお、前記半導体化合物には必要に応じてドープ剤を含んでいてもよい。前記ドープ剤としては、例えば、Al、Mn、Cu、Zn、Ag、Cl、Ce、Eu、Tb、Er等が挙げられる。
本発明の複合ナノ粒子の製造方法の粒子形成工程において形成される複合ナノ粒子の大きさは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1nm〜10nmが好ましく、かつ粒度分布が0.0〜10nmと狭いものが好ましい。なお、粒子の大きさは、粒子の形状が球状である場合には直径を意味し、棒状(楕円状)の場合には長辺を意味する。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粒子成長工程、などが挙げられる。
前記粒子成長工程は、前記粒子形成工程において形成された粒子を種粒子として、粒子を成長させる工程であり、扇状樹状分岐分子が粒子前駆体を捕捉可能な大きさ(高分子量、高世代)を有する場合に好適に行うことができる。
前記粒子成長工程としては、前記粒子形成工程において形成された粒子を成長させることができる限り特に制限はないが、例えば、粒子形成工程の後に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉させ、前記粒子前駆体を粒子に変換することにより行われるのが好ましい。
前記粒子成長工程は、1回以上行うことが必要であり、扇状樹状分岐分子の粒子前駆体を捕捉できる数、目的とする複合ナノ粒子の大きさなどに応じて必要な回数を繰り返して行うことができる。
前記粒子成長工程における前記粒子前駆体は、前記粒子前駆体捕捉工程における粒子前駆体と同種であってもよいし、異種であってよい。添加する粒子前駆体が、前記粒子前駆体捕捉工程における粒子前駆体と同種であると、前記粒子形成工程で形成された粒子を種粒子として、同一組成の粒子を成長させることができ、異種であると、前記粒子形成工程で形成された粒子をコアとして、粒子成長工程においてシェルを形成し、組成や機能が異なるコアシェル構造の粒子を形成できる。また、前記粒子成長工程における粒子前駆体を含む液には、単一種だけでなく、複数種の粒子前駆体を含んでいてもよい。この場合には、複数種の組成で形成されたシェルを形成できる。更に、前記粒子成長工程における粒子前駆体を含む液は、粒子成長工程の途中で変更してもよい。変更は1回であってもよいし、複数回であってもよい。変更が複数回行われると、異なる組成のシェルを複数層形成できる。複数回である場合には、数種類の粒子前駆体を含む液を交互或いは順番に添加することを繰り返してもよい。この場合には、前記粒子前駆体の添加順に粒子のシェル層を形成することができる。更に、添加途中で他の種類の粒子前駆体を含む液に変更する場合、この粒子前駆体が粒子前駆体捕捉工程における粒子前駆体と同種又は異種の粒子前駆体を含む液であっても構わない。この場合には、前記粒子前駆体の添加順に、異なる組成のシェルの層を形成することができる。
前記コアシェル構造の粒子の製造過程の一例を説明すると、前記粒子形成工程により粒子(種粒子)を得た後、前記粒子成長工程において添加する粒子前駆体を前記粒子前駆体捕捉工程における粒子前駆体と同種の粒子前駆体を含む液にして、前記粒子成長工程を所定のコアの大きさになるまで成長を繰り返す。その後、更に、前記粒子成長工程における粒子前駆体を含む液を粒子前駆体捕捉工程における粒子前駆体を含む液と異種の粒子前駆体を含む液にして、前記粒子成長工程を所定の粒子サイズになるまで繰り返してコアの周囲にシェルを形成する。
なお、コアのサイズが小さいコアシェル構造の粒子の場合には、粒子成長工程の1回目から、前記粒子形成工程における粒子前駆体と異種の粒子前駆体を含む溶液にて、所定の大きさになるまで繰り返しても構わない。
前記コアシェル構造の粒子においては、粒子の表面と内部で異なる機能を付与することができる。異なる機能の例としては、粒子内部に対して表面のみが有するような機能、例えば、粒子表面での触媒機能、粒子内部を保護する機能などが挙げられる。
前記粒子成長工程における前記粒子前駆体の添加量としては、前記扇状樹状分岐分子が分子鎖中にフォーカルサイトを有する場合には、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数以下であることが好ましい。これにより、扇状樹状分岐分子に捕捉されていない過剰の粒子前駆体を除去する操作なしに、効率よく粒子を成長させることができる。
また、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数を超えるときには、扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトに捕捉されていない過剰の粒子前駆体を取り除いた後、該フォーカルサイトに捕捉された前記粒子前駆体を粒子に変換することが好ましい。この場合には、前記フォーカルサイト分の粒子からなる粒子を形成させることができ、粒子サイズ及び組成の実質的に均一な粒子を形成することができる点で好ましい。なお、添加する粒子前駆体の数が、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトの数と等量の場合にも粒子サイズ及び組成の実質的に均一な粒子を形成することができる点で好ましい。
前記粒子成長工程においては、前記粒子前駆体捕捉工程において粒子前駆体を捕捉した扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトに、再度粒子前駆体を捕捉させることが可能である。よって、種粒子を含む扇状樹状分岐分子に再度粒子前駆体を含む液を添加することにより、更に、前記粒子前駆体を前記フォーカルサイトへ捕捉させ、引き続いて、粒子に変換させることにより、粒子を成長させることができる。この場合、前記扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトに捕捉される粒子前駆体の数を一定に調整することが可能であり、成長粒子の均一化を図ることが可能になる。
なお、成長後の粒子の大きさとしては、特に制限されないが、0.1nm〜500nmであることが好ましい。粒子の大きさは、粒子の形状が球状である場合には直径を意味し、棒状(楕円状)の場合には長辺を意味する。
本発明の複合ナノ粒子の製造方法において、前記粒子前駆体捕捉工程において扇状樹状分岐分子に粒子前駆体を捕捉させる。該扇状樹状分岐分子は、実質的に均一なフォーカルサイトを有し、捕捉させた粒子前駆体のみを粒子に変換させるため、実質的に単分散の状態の粒子上(粒子表面)に扇状樹状分岐分子が存在している複合ナノ粒子が得られる。また、粒子成長工程において前記粒子形成工程により製造された複合ナノ粒子の粒子を種として、粒子を成長させる。更に、粒子成長工程を繰り返し、粒子を成長させることにより、粒子サイズ及び組成が実質的に均一であり、かつ粒子サイズ及び組成を任意に調節可能な単分散の複合ナノ粒子を効率よく、安価に形成することができる。
なお、本発明により製造された、実質的に均一な種粒子又は粒子を出発物質として、新核が発生しないような条件で、金属、半導体結晶、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物を更に沈積すれば、サイズがより大きくかつ実質的に均一な粒子を調製することができる。この場合、粒子の大きさは扇状樹状分岐分子の大きさに限定されるものではなく、また、ナノスケールには限らず、数μmのサイズまで成長させることが可能である。
本発明の複合ナノ粒子の製造方法により得られる複合ナノ粒子は、粒子サイズが一定であり、かつ粒子間の組成が実質的に均一である単分散状態の粒子であるため、金属、半導体結晶粒子、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物の複合ナノ粒子を利用するあらゆる応用分野で利用することができ、特に、単分散粒子により性能の向上が期待できる分野で有効である。例えば、高密度記憶材料、触媒、燃料電池、ハロゲン化銀塩感光材料、電子写真、防眩膜、導光板などの光学フイルムの素材、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(複合ナノ粒子)
本発明の複合ナノ粒子は、本発明の複合ナノ粒子の製造方法により製造される。
本発明の複合ナノ粒子は、粒子サイズが一定であり、かつ粒子間の組成が実質的に均一である単分散粒子であり、粒子の大きさは、0.1〜10nmまで小さくすることができ、かつ粒度分布が0.0〜10nmまで狭くすることができる。したがって金属、半導体結晶粒子、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物の複合ナノ粒子を利用するあらゆる応用分野で利用することができ、特に、単分散粒子により性能の向上が期待できる分野で有効である。例えば、高密度記憶材料、触媒、燃料電池、ハロゲン化銀塩感光材料、電子写真、防眩膜、導光板などの光学フイルムの素材、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
−フォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロンの調製−
3,5−Bis〔3,5−bis(benzyloxy)benzyloxy〕benzyl Bromide 1.61g(2.0mmol)、チオウレア0.18g(2.4mmol)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)10mlを混合し、室温で一晩攪拌して反応混合物を得た。得られた反応混合物に10質量%水酸化ナトリウム水溶液5mlを添加し、室温で1時間攪拌を行った。次いで、該攪拌溶液を、希塩酸を用いてpHが2〜3になるように調整し、酢酸エチルにより抽出を行った。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を留去して、下記式で示されるフォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロン1.38gを油状物として得た(収率92%)。
なお、前記フォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロンは、重クロロホルムを溶媒としてH−NMRスペクトルを測定して同定した。
−複合ナノ粒子の調製−
前記フォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロン2.5mg(7.4mmol)を酢酸エチル5mlに溶解させた溶液に、HAuCl20.0mg(58.8mmol)をイオン交換水5mlに溶解させた溶液を添加し、室温で1時間攪拌して反応溶液を得た。該反応溶液に、水素化ホウ素ナトリウム6.7mg(176.4mmol)をメタノールに溶解させた溶液を添加し、室温で1時間攪拌を行った。該攪拌溶液の酢酸エチル層をエバポレーションにより乾固し、フォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロンを金の表面に配置した複合ナノ粒子13.2mgを得た(収率93%)。
得られたフォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロンを金の表面に配置した複合ナノ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)(JEOL社製、JEM−2010)で観察した。このときのTEM写真を図1に示す。
得られたTEM写真から、金粒子の平均粒径、及び粒度分布を、デジタルノギス測定法(n=1000)により測定した。その結果、平均粒子径は1.75nmで略均一であった。また、粒度分布は0.40nmと狭く、単分散複合ナノ粒子が得られたことが判る。更に、自己集積性により配列化していることも判明した。
(実施例2)
図2に示すように、実施例1と同様にして作製したデンドロン2.5mg(7.4mmol)を酢酸エチル5mlに溶解させた溶液に、HAuCl20.0mg(58.8mmol)をイオン交換水5mlに溶解させた溶液を入れたシリンジAと、水素化ホウ素ナトリウム6.7mg(176.4mmol)をメタノールに溶解させた溶液を入れたシリンジBとを用いて、滴下速度0.2ml/minで同時に0.05mlずつビーカー中に滴下し、室温で1時間撹拌した。
得られたデンドロンを金の表面に配置した複合ナノ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)(JEOL社製、JEM−2010)により観察した結果、平均粒子径は1.67nmで略均一であり、粒度分布は0.21nmと狭く、単分散複合ナノ粒子が得られたことが判る。
この実施例2の結果から、金イオン−デンドロン錯体溶液と、水素化ホウ素ナトリウムメタノール溶液を同時に滴下し混合することにより、実施例1のように両者を一度に混合するのに比べて粒度分布の小さな粒子を形成できることが認められる。
本発明の複合ナノ粒子の製造方法により得られる複合ナノ粒子は、粒子サイズが一定であり、かつ粒子間の組成が実質的に均一である単分散状態の粒子であるため、金属、半導体結晶粒子、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物の複合ナノ粒子を利用するあらゆる応用分野で利用することができ、特に、単分散粒子により性能の向上が期待できる分野で有効である。例えば、高密度記憶材料、触媒、燃料電池、ハロゲン化銀塩感光材料、電子写真、防眩膜、導光板などの光学フイルムの素材、等の用途に利用できる。
図1は、実施例1で調製したフォーカルサイトにメルカプト基を有するデンドロンを金の表面に配置した複合ナノ粒子のTEM写真である。 図2は、金属錯体を形成したデンドロンを含む液と還元剤を含む液を同時に添加する方法の一例を示す概略図である。 図3は、金属錯体を形成したデンドロンを含む液と還元剤を含む液を同時に添加する方法の一例を示す概略図である。

Claims (20)

  1. 扇状樹状分岐分子を含む液中に、粒子前駆体を含む液を添加し、前記扇状樹状分岐分子に前記粒子前駆体を捕捉させる粒子前駆体捕捉工程と、前記扇状樹状分岐分子に捕捉された粒子前駆体を粒子に変換させる粒子形成工程を含むことを特徴とする複合ナノ粒子の製造方法。
  2. 扇状樹状分岐分子がデンドロンである請求項1に記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  3. 扇状樹状分岐分子が、ベンゼン環を含む請求項1から2のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  4. 扇状樹状分岐分子の世代数が、第1世代〜第10世代である請求項1から3のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  5. 扇状樹状分岐分子が、フォーカルサイトを有し、該フォーカルサイトが粒子前駆体を結合可能な官能基及び粒子前駆体を静電的に相互作用可能な官能基のいずれかを含む請求項1から4のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  6. フォーカルサイトが、メルカプト基を含む請求項5に記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  7. 捕捉が、扇状樹状分岐分子のフォーカルサイトで行われる請求項5から6のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  8. 扇状樹状分岐分子におけるフォーカルサイトと、粒子前駆体との相互作用力の方が、該扇状樹状分岐分子における該フォーカルサイト以外の部位と、粒子前駆体との相互作用力よりも大きい請求項5から7のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  9. 粒子形成工程における変換の態様が、還元反応である請求項1から8のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  10. 変換が、還元試薬を含む液を用いて行われる請求項1から9のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  11. 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを同時に混合する請求項10に記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  12. 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液とを略等量で混合する請求項10から11のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  13. 扇状樹状分岐分子を含む液と、還元試薬を含む液を加熱しながら混合する請求項11から12のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  14. 粒子前駆体が、金属イオンである請求項1から13のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  15. 金属イオンが、周期律表の3A族元素、4A族元素、5A族元素、6A族元素、7A族元素、8族元素、1B族元素、2B族元素、3B族元素及び6B族元素から選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  16. 粒子が、無機粒子及び有機粒子の少なくともいずれかである請求項1から15のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  17. 無機粒子が、金属である請求項16に記載の複合ナノ粒子の製造方法。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の複合ナノ粒子の製造方法で製造されることを特徴とする複合ナノ粒子。
  19. 粒子の大きさが0.1nm〜10nmであり、かつ粒度分布が0.0〜10nmである請求項18に記載の複合ナノ粒子。
  20. 粒子表面に粒子を介して扇状樹状分岐分子が存在する複合ナノ粒子である請求項18から19のいずれかに記載の複合ナノ粒子。
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